JP4189984B2 - 角形非水二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、角形非水二次電池に関し、さらに詳しくは、高容量化を図りながら安全性を確保するために特定の構造にした角形非水二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の二次電池を主電源とするポータブル電子機器の小型化に伴い、該機器の携帯使用される機会が増加し、従来よりも広範囲な環境で使用されるようになってきた。このポータブル電子機器の主電源となる二次電池としては、リチウムイオン二次電池に代表される非水二次電池が、容量が大きく、かつ高電圧、高エネルギー密度、高出力であることから多用され、その使用量がますます増える傾向にある。そして、そのような二次電池としては、現在、正極活物質としてLiCoO2 (コバルト酸リチウム)を用い、負極活物質として炭素系材料を用いたリチウムイオン二次電池が商品化されているが、この電池では高容量化を図るととともに、安全性確保のために、従来の金属リチウムを負極とする非水二次電池とは異なり、上記活物質を結着剤などとともに有機溶剤中に分散させたペーストとし、このペーストを用いて正極集電体および負極集電体の両面すべてにそれぞれ活物質を含有する塗膜を形成し、それをそれぞれ正極、負極として用いている。そして、それらの帯状の電極をセパレータを介して渦巻状に巻回して作製した円筒状の電極体を円筒形の電池缶に挿入して電池が構成されている。
【0003】
しかるに、機器に使用する電池に対しては高容量かつ小型軽量化の要求が年々高まっているが、従来の円筒形電池では機器への収納効率が悪く、特にコードレス機器で電池の収納容積が狭小化されているため、上記要求に対して充分に応えることができないという問題があった。
【0004】
そのため、電池を小型化し、省スペースとすることを目的として、電池缶の形状を角形にした二次電池が提案されている。この角形の電池缶を用いる場合、これに挿入する電極体としては、前記の帯状の電極を巻回して作製した円筒状の電極体とは異なり、多数の矩形板状の正極板と負極板とをセパレータを介して積層した積層構造の電極体や、前記の円筒状の電極体と同様に一対の帯状の正極と負極とをセパレータを介して巻回した後、これを一定方向から押圧するか、あるいは巻回時に巻回芯として長軸と短軸を組み合わせたものを使用し、さらに必要により押圧して作製した楕円状または長円形状の電極体が考えられる。しなしながら、前者の積層構造の電極体では、電極端子をそれぞれの電極板に設け、しかもそれらの端子を接続する必要があることから生産性が劣るとともに、容量密度が低くなるという問題があった。そのため、角形電池に対しては後者の一対の帯状の電極を楕円状または長円形状に巻回して作製した巻回構造の電極体が多用されている。
【0005】
ところが、上記のような巻回構造の電極体を電池缶に挿入してなるリチウムイオン二次電池は、正極および負極にリチウムイオンをドープ・脱ドープする活物質を用いていることから、充放電時に電極活物質含有塗膜が膨張収縮を繰り返すことになる。そのような膨張が生じた場合、円筒形の電池缶ではその側面全周に対して均等に圧力がかかるので、対耐圧強度が優れているが、角形の電池缶では平面で圧力変形を受けやすいため、電池缶の側面が膨張し、電池の膨れなどの変形が生じやすい。特に容量当りの電池重量を軽くするため、電池缶の缶厚を薄くした場合、円筒形の電池缶では円筒胴部が耐圧に対して理想的形状であるため、薄くしても充分な強度を有するが、角形の電池缶では圧力の掛かりやすい側面部での膨れが顕著となり、電池缶と封口板との溶接部に引っ張り応力がかかることによって、溶接部に応力割れが生じるとともに、膨れによって電池が機器から取り出せなくなるという問題や、さらには巻回構造の電極体における正極と負極との間隙が増大し、充放電反応を円滑にすすめるためのリチウムイオンの円滑な移動が低下するという問題が発生する。この場合、電池缶材が鉄やステンレス鋼であれば、それらの材料の持つ剛性によって形状を維持することがある程度は可能であるが、軽量化のためにアルミニウムやマグネシウムなどの軽金属製の電池缶を使用するようになると同一の肉厚ではさらに剛性が不足し、充放電サイクルによって電池缶の前後面に膨らみが生じることになる。
【0006】
そこで、上記のような角形の電池缶を用いる場合の問題を解決するため、電池缶と電極体の最外周部との間に素子加圧板を配設することが提案されているが、充分な成果をあげるに至っていない。そのため、電池缶自体で電極体の膨張を抑制するとともに、一旦電極体が膨張した場合には電池缶の膨れを吸収する構造とするため、電池缶の長側面部にあらかじめ凹部を設けることが提案されている(特開昭62−126566号公報、特開平5−28973号公報、特開平9−199089号公報など)。上記構造の電池缶とすることにより、電極体が充放電反応により膨張した場合でも、その凹部により電極体を内面方向に押圧して電極間の間隙の増大を抑制できるとともに、電池缶に膨れが生じた場合でも、電池缶の凹部によってそれを吸収し、短側面部の幅以上に膨らむのを防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような角形非水二次電池も、今後さらに高容量化を図っていた場合やユーザーから要求される仕様によっては、電池の発電要素自体の構造についてさらに工夫をしていかないと、安全性面で充分に対応することができなくなるおそれのあることがわかってきた。つまり、故意に異常使用を想定した圧壊試験などの苛酷な条件下での安全性確認試験では安全性に欠ける傾向のあることが判明した。
【0008】
上記の圧壊試験は、電池が故意に何らかの事故で押し潰された場合を想定したものであるが、この圧壊試験に前記の電池缶の側面部に凹部を設けた角形非水二次電池をかけた場合、電池缶の膨れを防止するために設けた凹部が電池缶の内面側では凸部となって電極体を押圧していることから、電池缶内壁面が電極体と接触しやすく、また負極集電体に溶接したリード体がセパレータを介して正極と対向していると短絡しやすいことが判明した。これは、電池を圧壊することにより、前記電池缶に設けた凹部が電池缶内面側で電極体を押圧して負極のリード体がセパレータを突き破ることによるものと考えられる。
【0009】
特に充放電時の電極体の膨張を吸収するため電池缶の凹部を大きくした場合、角形の電池缶では長側面部の面積が大きくなるため電極体におけるリード体の位置が上記凹部と対向する位置になりやすく、しかも電池缶内壁面と電極体との隙間が狭くなるため、リード体に掛かる圧力が大きくなりやすい。また、リード体と対向していない正極部分でも、圧壊の衝撃により正極が裂けてしまう可能性もある。また電池缶は電極端子を兼ねているため、圧壊試験により電池缶に異極の電極が接触した場合、短絡電流が流れることになり、特に抵抗の高い活物質含有塗膜があると発熱量が増加する。さらに、上記発熱により電極体を包むセパレータが溶融した場合、上記電極(電池缶と異極の電極)の他の箇所も電池缶と接触して、二次的な内部短絡を生ずるおそれがある。さらに、集電体に活物質含有塗膜を設けた電極を用いる非水二次電池では、生産工程における金属片などの異物の混入や、巻回構造の電極体を電池缶に挿入する際に活物質の脱落が生じることが多い。
【0010】
特に、上記角形の電池缶に楕円状または長円形状の電極体を挿入した場合、電池缶の凹部が電池缶内面側では凸部となっているため、電極体の最外周部の電極の活物質含有塗膜がこの凸部と接触して、活物質含有塗膜の破損が生じやすいことが明らかとなった。また、前記のような異物の混入があった場合、通常、正極と負極との間はセパレータで隔離されているので、それらの異物によって短絡が生じることは少ないが、異物が大きい場合には圧壊試験時においてそれらの異物が電池缶内に存在するといわゆる微小短絡(ソフトショート)が発生し、これが引き金となって内部短絡にまで至る可能性がある。
【0011】
また、電池をとりまく環境として、最近は高容量化に向けて電池のエネルギー密度をますます高くする必要があることから、上記のような苛酷な条件下での安全性確認試験である圧壊試験においても高い安全性を有するようにしておくことが必要であり、そのためには電池の内部構造を発火しにくい構造に変更しておくことが必要である。
【0012】
本発明は、上記のような事情により、角形非水二次電池における今後の高容量化に備え、苛酷な条件下での安全性確認試験である圧壊試験においても充分に安全性が確認できるように電池の構造を改良し、高容量で、かつ安全性が高い角形非水二次電池を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、非水二次電池の構造について鋭意検討を重ねた結果、正極集電体の少なくとも一部には両面に正極活物質含有塗膜を形成してなる正極と、負極集電体の少なくとも一部には両面に負極活物質含有塗膜を形成してなる負極とをセパレータを介して巻回した楕円状または長円形状の巻回構造の電極体を、正極端子を兼ねる角形の電池缶に収容してなる角形非水二次電池において、上記電池缶の少なくとも1つの側面に凹部を形成し、上記電極体の電池缶と対向する電極を実質的に正極のみで構成し、上記正極の少なくとも最外周部の正極集電体の外周面側に正極活物質含有塗膜を形成していない部分を設け、上記正極集電体の正極活物質含有塗膜を形成していない部分をセパレータを介して電池缶の内面と対向させ、上記正極の最外周部の正極集電体の内周面側には、正極活物質含有塗膜を形成していない部分を設け、上記負極の最外周部の負極集電体の外周面側には、負極活物質含有塗膜を形成していない部分を設け、負極の最外周部の負極集電体に取り付けられたリード体がセパレータを介して正極と直接対向しない構造にすることにより、高容量化を達成しながら、圧壊試験などの苛酷な安全性確認試験においても優れた安全性を示すことができる安全性の高い角形非水二次電池が得られることを見出したものである。
【0014】
以下、本発明を完成するに至った経過および上記構成にすることによって高容量化を達成しながら高い安全性を確保できる理由を詳細に説明する。
【0015】
リチウムイオン二次電池などの非水二次電池における巻回構造の電極体の最も一般的なのは、容積当たりの容量を増加して高容量の電池にするためにアルミニウム箔などからなる正極集電体の少なくとも一部には両面に正極活物質含有塗膜を形成した1枚の帯状の正極と銅箔などからなる負極集電体の少なくとも一部には両面に負極活物質含有塗膜を形成した1枚の帯状の負極と2枚のセパレータとを、セパレータ、負極、セパレータ、正極の順に積み重ね、負極が正極より外周側になるように渦巻状に巻回したものであり、角形の電池缶に上記電極体を挿入するためには、円筒状の巻回構造の電極体とした後、一定方向から押圧するか、あるいは巻回時に巻回芯として長軸と短軸を組み合わせたものを使用し、さらに必要により押圧して楕円状または長円形状とした電極体としている。
【0016】
そこで、本発明者らは、上記のような形状の巻回構造の電極体を側面部に凹部を設けた角形の電池缶に挿入して組み合わせた角形非水二次電池について、圧壊試験を行ったところ、エネルギー密度を上げていくとその短絡の危険性が高くなっていくことが判明した。すなわち、これらの電池の負極には通常炭素材料などのリチウムを脱挿入できる化合物が使用されているが、負極が過充電されてリチウムが多少でも電着した場合、約100℃付近から電解液と電着リチウムやリチウムが挿入された炭素材料との間で発熱反応が生じることが判明した。また、正極でもリチウムが脱離することによって、電解液との反応開始温度が低くなり、100℃付近から発熱することがある。
【0017】
つまり、巻回構造の電極体の単位体積当たりの放電可能な容量が多いほど過充電時に発熱した場合に単位体積当たりの発熱量が多くなり、電池温度が正極の熱暴走温度にまで上昇する可能性が高くなる。そのため、単位体積当たりの放電容量の大きい電池ほど発熱をうまくコントロールして電池の温度が正極の熱暴走温度にまで上昇しないようにしておく必要がある。また、巻回構造の電極体の体積が大きい場合も放熱されにくい。
【0018】
また、前記のように、負極に炭素材料のようなリチウムを脱挿入できる化合物を用いることによって、電解液と負極との高温での反応性は金属リチウムを負極に用いていた場合よりも低くなっているが、電極に設けられているリード体が電極上で凸部となるため、凹部を設けた電池缶では、充放電反応時の電極体の膨張により、上記凹部に基づく電池缶内面側の凸部が電極体を内面方向に押圧するため、上記リード体による凸部に大きな集中応力や、電極体にねじれ応力が発生しやすくなる。そして、電解液を注入し、封口して電池を組み立てて充電を行うと、活物質の膨潤、特に負極活物質の膨潤によって電極体が膨らむため、楕円状または長円形状の巻回構造からなる電極体では、上記の集中応力やねじれ応力がさらに増大し、電極体が歪むようになる。そのような場合に、凹部を設けた電池缶では、負極集電体に溶接されたリード体がセパレータに強く押し付けられ、しかもリード体には負極活物質含有塗膜よりも硬い金属材料が用いられているため、圧壊時において、巻回構造の電極体がつぶれる際にセパレータを突き破りやすくなり、それによって内部短絡が発生しやすい。
【0019】
さらに、電池缶に凹部が設けられている場合、その凹部が電池缶の内面側では凸部となっているため、巻回構造の電極体の最外周部に正極および負極のいずれもが存在する構造では、電極体の最外周部と電池缶内壁面との隙間が小さくなっており、この巻回構造の電極体にその外周側で対向する電池缶は一方の電極に対して異極として作用することから、電極体と電池缶内壁との間のセパレータが溶融した場合、電池缶と異極の電極との接触が容易になり、短絡が発生するとともに、短絡による発熱で電極体を包むセパレータが溶融した場合、上記電極(電池缶と異極の電極)の他の箇所も電池缶と接触することになるため、二次的な内部短絡が発生するおそれがある。
【0020】
また、電極体を電池缶に挿入する際に、電池缶の内部側の凸部と接触することにより、最外周に設けられた活物質含有塗膜の脱落も生じやすくなる。さらに、巻回構造の電極体と電池缶との間に異物が混入した場合、それによって電極が導通状態になるため微小短絡が生じやすく、圧壊試験時にこの微小短絡を誘発する要因になりやすい。
【0021】
また、一般に負極のリード体や負極活物質含有塗膜は抵抗が高いため、圧壊試験においてリード体がセパレータを突き破り内部短絡による大電流が流れたときに、負極のリード体と対向している正極活物質含有塗膜がジュール熱により、電池内部の発熱を助長し、しかも放熱を妨げるため、正極は比較的早い段階で熱暴走温度に達しやすい。また、圧壊面がリード体と対向していない部分でも圧壊の衝撃で電極が裂け、二次的内部短絡が発生しやすい。
【0022】
本発明は、上記のような事情を考慮して、巻回構造の電極体の電池缶と対向する電極を実質的に正極のみで構成するとともに、負極のリード体がセパレータを介して正極と直接対向しないようにすることによって、後記の発明の実施の形態の項において図面を参照しつつ詳しく説明するように、内部短絡が生じやすい最外周部においても短絡の発生する確率が低減するとともに、活物質の脱落により混入した異物による局部的な発熱を防止し、しかも本発明の電池を圧壊試験にかけて強制的に圧壊してもリード体による内部短絡が生じにくく、安全性の高い電池を得ることができる。また、巻回構造の電極体における正極の少なくとも最外周部の正極集電体の外周面側に正極活物質含有塗膜を形成せずに正極集電体のみの部分を設け、その正極集電体の正極活物質含有塗膜を形成していない部分がセパレータを介して電池缶の内面と対向するようにしたことによって、電池缶への熱伝導率を高め、放熱をしやすくし、安全性を高めている。
【0023】
本発明においては、上記のように巻回構造の電極体の電池缶と対向する電極を実質的に正極のみで構成するが、上記の実質的に正極のみとは、真正に正極のみの場合はもちろん含まれるが、巻回構造の電極体の仕上がり精度は巻回機などの精度の影響を受けて多少のずれを生じることがあり、巻回構造の電極体の電池缶と対向する電極の中に正極のみならず、負極も一部混在する場合が生じるので、そのように負極が一部混在する場合であってもそれが内部短絡の発生を低減するのに影響を与えない範囲内であれば実質的に正極のみの範疇に含まれるという意味である。また、上記における電極とは活物質含有塗膜が形成されていない電極集電体のみであってもよい。
【0024】
また、本発明において、巻回構造の電極体の形状を示す楕円状または長円形状とは正円形ではないという意味であって、ほぼ楕円状からほぼ長円形状までのいずれであってもよく、例えば、扁平状で一部に曲面部を有するものであってもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより具体的に説明する。
【0026】
本発明の具体的形態によれば、図1に示すように角形の電池缶5の少なくとも1つの側面に凹部5aが形成されており、電極体が充放電により膨張した場合でも、電池缶5の耐圧性を向上させるとともに、電極体が膨張した場合でも、電極体缶5の凹部5aでその膨張を吸収し、電池缶5の膨れをその短側面部の幅以上に膨らむのを防止できるようになっている。そして、この電池缶に挿入する電極体としては、電池缶形状に合わせて、楕円状または長円形状の巻回構造の電極体が用いられ、その最外周部は正極で構成されるが、最外周部の正極は図3に示すように、正極集電体1aのみで構成され、そのいずれの面にも正極活物質含有塗膜が形成されていない。そして、負極2の最外周部では負極集電体2aの外周面側には負極活物質含有塗膜を形成せず、内周面側のみ負極活物質含有塗膜2bを形成している(なお、図3には図示していないが、負極の最外周部から見て内周側2周目以降の負極には負極集電体の両面に負極活物質含有塗膜が形成されている)。巻回構造の電極体の最外周部の電池缶と対向する電極は実質的に正極のみで構成されており、正極1は最外周部と該最外周部から2周目が示されているが、前記のように、正極1の最外周部は正極集電体1aのみで、そのいずれの面にも正極活物質含有塗膜が形成されておらず、その最外周部から2周目では正極集電体1aの両面に正極活物質含有塗膜1bが形成されている。そして、セパレータ3は正極1と負極2との間のみならず、巻回構造の電極体の最外周部に位置する正極集電体1aと電池缶5(この具体的形態の場合は、電池缶5は正極缶である)の内面との間にも介在している。
【0027】
なお、この図3をはじめ、巻回構造の電極体を示す図はいずれも巻回構造の電極体を模式的に示したものであって、各部材の寸法比は必ずしも正確ではない。これは実際には厚みの薄い部材にも一定の厚みを持たせて図示しているからである。また、そのような関係もあって、実際には隙間がないところを隙間があるかのように図示したり、その逆であったり、さらには実際には小さな隙間しかあいていないところを大きな隙間があいているかのように図示している部分がある。
【0028】
この具体的形態の巻回構造の電極体では、図3に示すように、巻回構造の電極体の電池缶5と対向する電極は実質的に正極のみで構成されており、正極1の正極集電体1aの最外周部の外周面側には正極活物質含有塗膜を形成せず、無地部、つまり正極集電体1aの露出部分になっていて、その正極集電体1aの露出部分がセパレータ3を介して電池缶5の内面と対向している。そして、負極2の最外周部の負極集電体2aの外周面側には負極活物質含有塗膜が形成されておらず、その負極集電体2aの露出部分(つまり、負極集電体2aの負極活物質含有塗膜が形成されていない部分)がセパレータ3を介して正極1の正極集電体1aの露出部分(つまり、正極集電体1aの正極活物質含有塗膜が形成されていない部分)と対向し、負極2の最外周部の負極集電体2aの外周面側にはリード体8が溶接されていて、負極集電体1aの露出部分に溶接したリード体8と対向する正極集電体1aの内周面側には絶縁テープ9が接着され、上記のリード体8がセパレータ3を介して絶縁テープ9と対向している。
【0029】
従って、この巻回構造の電極体を有する電池では、側面部に凹部を設けた電池缶5に楕円状または長円形状の電極体を挿入したものであっても、圧壊試験において電池缶5が電極体を押圧した場合でも電極体の電池缶5と対向する電極が正極1のみで構成されているので、電池缶5と負極2との接触による内部短絡を生ずることがなく、また、正極端子を兼ねる電池缶5の内面側で突出している凸部と負極2は正極1を介して対向することになり、圧壊試験により巻回構造の電極体と電池缶5との間に介在するセパレータ3が溶融、破壊した場合でも負極2と電池缶5との接触による内部短絡を生ずることがない。
【0030】
また、最外周部の負極集電体2aの外周面側にはリード体8が溶接されていて、このリード体8がセパレータ3を介して前記の絶縁テープ9と対向し、正極1と直接対向していないため、充放電時の電極体の膨張時に電極体が電池缶内面側の凸部によって押圧されても、内部短絡の発生を防止することができる。また、巻回構造の電極体の最外周部では活物質含有塗膜を形成していないので、上記楕円状または長円形状の巻回構造の電極体を角形の電池缶5に挿入する場合、その電池缶内部の凸部に最外周部の電極の活物質含有塗膜が接触して活物質含有塗膜の崩れが発生することがなく、また電極体の最外周部が正極1のみで構成されているため、巻回構造の電極体と電池缶5との間に混入した異物などによる微小短絡が生じにくく、圧壊試験時において内部短絡にまで進行する確率を低減することができる。さらに、圧壊試験によりリード体8に大電流が流れ、リード体8が発熱してセパレータ3が溶融した場合でも、リード体8が正極1と直接対向していないので、内部短絡の発生を防止することができる。
【0031】
特に、上記巻回構造の電極体の形状が楕円状または長円形状では、充放電時にリード体8の凸部によってねじれ応力や歪み応力がかかりやすく、それによってリード体8と接するセパレータ3にかかる応力が増加するため、リード体8が発熱した際にセパレータ3がさらに溶融しやすくなるが、本発明によれば、そのような場合にも安全性が確保できるので、その効果を顕著に発現させることができる。なお、上記最外周部は、真正に各電極の最外周1周に該当する場合が好ましいが、圧壊試験により内部短絡が発生する確率を低減できる程度であれば、1周未満に該当する場合があってもよい。
【0032】
また、上記具体的形態の巻回構造の電極体においては、負極集電体2aに溶接したリード体8の厚みを対向する部分の正極絶縁テープ9の厚みとセパレータ3の厚みとの合計厚み(絶縁テープ9の厚み+セパレータ3の厚み)よりも薄くすることが好ましい。
【0033】
すなわち、圧壊試験において、負極2のリード体8が内周側に押圧された場合に、負極2のリード体8の厚みを正極絶縁テープ9の厚みとセパレータ3の厚みとの合計厚みよりも薄くすることにより、圧壊が進んでリード体8が外周面のセパレータ3を突き破り、さらに外周面の絶縁テープ9を突き破り、さらにその外周側の正極1と接触する内部短絡を防止することができる。
【0035】
さらに、本発明においては、上記巻回構造の電極体にする場合、正極1の最外周部における放熱がスムーズに行い得るように、図3に示すように、正極1の最外周部において正極集電体1aの両面に正極活物質含有塗膜が形成されていない構造にし、かつ負極2の最外周部の負極集電体2aの外周面側に負極活物質含有塗膜が形成されていない構造にすることが好ましい。すなわち、圧壊試験時の衝撃により最外周部の正極が破れても最外周部の正極集電体と負極の最外周部の負極集電体の外周面側とで最初に接触するため、比較的抵抗の小さい集電体同士での短絡により大電流は流れるものの、熱伝導率の高さにより、放熱が速やかに行われるので、電池の発火確率を低減させることができる。
【0036】
なお、図3に示すように、負極2の最外周部においては、負極集電体2aの外周面側には負極活物質含有塗膜を形成せず、負極集電体2aの内周面側にのみ負極活物質含有塗膜2bを形成することにより、充放電されない負極活物質含有塗膜や正極活物質含有塗膜による厚みを減少させ、電池缶内の空間を効率よく利用することができ、さらなる高容量化を図ることができる。そして、このような高容量電池でも本発明を適用することにより、安全性を大幅に向上させることができる。
【0037】
つぎに、本発明の電池構成について説明する。
【0038】
本発明の非水二次電池において、電解質としては、有機溶媒系の液状電解質、ゲル状電解質、固体電解質のいずれでもよいが、本発明は液状電解質(以下、「電解液」という)を用いる場合に対して特に効果が大きい。電解液の溶媒として、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状のCOO−結合を有する鎖状エステルや、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイトなどの環状エステル、また、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテルのほか、アミン系またはイミド系有機溶媒や、含イオウ系または含フッ素系または含リン酸系または含シリコン系有機溶媒なども用いることができる。
【0039】
本発明において、上記電解液における溶媒の主溶媒として鎖状エステルを用いると、電解液の粘度を下げ、イオン伝導度を高めることから好ましい。主溶媒というのは、これらの鎖状エステルを含んだ全電解液溶媒中で鎖状エステルが50体積%を超えることを意味する。鎖状エステルが65体積%を超えると、従来技術では4.4V充電後の圧壊試験での電池の安全性が低下する傾向にあるが、本発明によれば、そのように鎖状エステルが65体積%を超える場合でも安全性を確保でき、本発明の効果が顕著に発現する。
【0040】
そして、鎖状エステルが70体積%を超えると、従来技術では電池の安全性がより低下しやすくなるので、本発明の効果がより一層顕著に発現するようになり、鎖状エステルが75体積%を超えると、従来技術では電池の安全性がさらに低下しやすくなるので、本発明の効果がさらに一層顕著に発現するようになる。また、鎖状エステルがメチル基を有する場合も従来技術では電池の安全性が低下しやすかったが、本発明によれば、そのような鎖状エステルがメチル基を有する場合でも安全性を確保でき、本発明の効果がより一層顕著に発現する。
【0041】
また、上記鎖状エステルに下記の誘電率が高いエステル(誘電率30以上)を混合して用いると、鎖状エステルだけで用いる場合よりも、サイクル特性や電池の負荷特性が向上するので、電池としてはより好ましいものとなる。このような誘電率の高いエステルとしては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ガンマ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイトなどが挙げられる。特に環状構造のものが好ましく、とりわけ環状のカーボネートが好ましく、エチレンカーボネートが最も好ましい。
【0042】
上記高誘電率エステルは電解液の全溶媒中の40体積%未満が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは25体積%以下である。そして、これらの誘電率の高いエステルによる安全性の向上は、上記エステルが電解液の全溶媒中で10体積%以上になると達成されやすくなり、20体積%に達するとさらに安全性が向上するようになる。
【0043】
電解液の溶質としては、例えば、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2 2 4 (SO3 2 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF3 SO2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n≧2)、LiN(RfOSO2 2 〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などが単独でまたは2種以上混合して用いられるが、特にLiPF6 やLiC4 9 SO3 などが充放電特性が良好なことから好ましい。電解液中における溶質の濃度は、特に限定されるものではないが、0.3〜1.7mol/l、特に0.4〜1.5mol/l程度が好ましい。
【0044】
本発明において、正極活物質としては、特に限定されることはないが、例えば、LiCoO2 などのリチウムコバルト酸化物、LiMn2 4 などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2 などのリチウムニッケル酸化物などのリチウム複合酸化物、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、クロム酸化物などの金属酸化物またはこれらを基本構造とする複合酸化物(例えば、異種金属添加品)、あるいは二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物などが用いられる。特にLiNiO2 、LiCoO2 、LiMn2 4 などの充電時の開路電圧がLi基準で4V以上を示すリチウム複合酸化物を正極活物質として用いる場合には、高エネルギー密度が得られるので好ましい。特に充電したLiCoO2 やLiNiO2 は電解液との反応開始温度がLiMn2 4 などより低く、負極の発熱によって正極が熱暴走温度に達しやすいが、本発明によれば、正極活物質としてLiCoO2 やLiNiO2 を用いる場合にも安全性を確保することができるので、本発明は、正極活物質としてLiCoO2 やLiNiO2 を用いる場合に、その効果が顕著に発現する。
【0045】
そして、正極は、例えば、上記の正極活物質に例えば鱗片状黒鉛やカーボンブラックなどの導電助剤や、例えばポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤などを適宜添加し、溶剤でペースト状にし(結着剤はあらかじめ溶剤に溶解させておいてから正極活物質などと混合してもよい)、その正極活物質含有ペーストをアルミニウム箔などの金属箔からなる正極集電体に塗布し、乾燥して正極活物質含有塗膜を形成することによって作製される。ただし、本発明においては、前記のように巻回構造の電極体において正極の少なくとも最外周部の正極集電体の外周面側となる部分には正極活物質含有塗膜を形成せず正極集電体のみの部分を残しておく。
【0046】
本発明において、上記正極集電体の厚さとしては、5〜60μm、特に8〜40μmが好ましく、また、正極活物質含有塗膜の厚さとしては、片面当たり30〜300μm、特に50〜150μmが好ましい。
【0047】
負極に用いる材料としては、リチウムイオンをドープ、脱ドープできるものであればよく、本発明においては、そのようなリチウムイオンをドープ、脱ドープできる物質を負極活物質という。そして、この負極活物質としては、特に限定されることはないが、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などの炭素材料、Si、Sn、Inなどの合金またはLiに近い低電圧で充放電できるSi、Sn、Inなどの酸化物などを用いることができる。
【0048】
負極活物質として炭素材料を用いる場合、該炭素材料としては下記の特性を持つものが好ましい。すなわち、その(002)面の面間距離(d002 )に関しては、0.35nm以下が好ましく、より好ましくは0.345nm以下、さらに好ましくは0.34nm以下である。また、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)に関しては、3.0nm以上が好ましく、より好ましくは8.0nm以上、さらに好ましくは25.0nm以上である。そして、上記炭素材料の平均粒径は8〜20μm、特に10〜15μmが好ましく、純度は99.9重量%以上が好ましい。
【0049】
負極は、例えば、上記負極活物質に例えばポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を適宜添加し、さらに要すれば導電助剤を適宜添加して、溶剤でペースト状にし(結着剤はあらかじめ溶剤に溶解させておいてから負極活物質などと混合してもよい)、その負極活物質含有ペーストを銅箔などからなる負極集電体に塗布し、乾燥して負極活物質含有塗膜を形成することによって作製される。ただし、本発明においては、後記の実施例に示すように巻回構造の電極体において少なくとも負極の最外周部の負極集電体の外周面側となる部分には負極活物質含有塗膜を形成せず、負極集電体のみの部分を残しておくことが好ましい。
【0050】
本発明において、上記負極集電体の厚さとしては、5〜60μm、特に8〜40μmが好ましく、また上記負極活物質含有塗膜の厚さとしては、片面当たり30〜300μm、特に50〜150μmが好ましい。
【0051】
上記正極集電体や負極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの金属の箔、エキスパンドメタル、網などが用いられるが、正極集電体としては特にアルミニウム箔が好ましく、負極集電体としては特に銅箔が好ましい。
【0052】
上記正極や負極の作製にあたって、上記正極活物質含有ペーストや負極活物質含有ペーストを集電体に塗布する際の塗布方法としては、例えば、押出しコーター、リバースローラー、ドクターブレードなどをはじめ、各種の塗布方法を採用することができる。
【0053】
また、高容量化を図るという観点からは、巻回構造の電極の単位体積当たりの充放電可能な容量が大きいことが好ましく、満充電での充放電可能な容量が巻回構造の電極の単位体積当たり130mAh/cm3 以上が好ましく、140mAh/cm3 以上がより好ましく、150mAh/cm3 がさらに好ましい。このような高容量の電池では、異常発熱などを起こしやすいが、本発明では上記のような高容量の電池に対しても安全性を確保することができるので、本発明は上記のような高容量の電池に適用する場合にその効果を顕著に発現する。ここでいう巻回構造の電極体の体積とは、正極、負極およびセパレータを巻回したものの電池内における嵩体積であり、渦巻状に巻回する際に使用した巻き軸を取り除いた時に残った孔などは体積として含まない。要は正極、負極およびセパレータが占める嵩体積を合計したものである。
【0054】
本発明において、負極のリード体は、前記のようにして作製された負極に、抵抗溶接、超音波溶接などにより負極集電体の露出部分に溶接されるが、この負極のリード体の断面積としては、大電流が流れた場合の抵抗を低減し発熱量を低減するために、0.1mm2 以上で1.0mm2 以下が好ましく、0.3mm2 以上で0.7mm2 以下がより好ましい。負極のリード体の材質としては、ニッケルが一般に用いられるが、銅、チタン、ステンレス鋼なども用いることができる。
【0055】
また、本発明において、正極集電体に接着する絶縁テープとしては、例えば、イミド系、ポリテトラフルオロエチレン系、ポリフェニレンサルファイト系などの絶縁テープを用いることが好ましい。上記正極絶縁テープの厚みとしては、50μm以上で120μm以下が好ましく、60μm以上で100μm以下がより好ましい。そして、絶縁テープの幅としては対向するリード体(負極のリード体)の幅にもよるが、通常、5mm以上で15mm以下が好ましく、7mm以上で12mm以下がより好ましい。
【0056】
本発明において、セパレータとしては、強度が充分でしかも電解液を多く保持できるものが好ましく、そのような観点から、厚さが10〜50μmで、開孔率が30〜70%のポリプロピレン製、ポリエチレン製またはエチレンとプロピレンのコポリマー製の微孔性フィルムや不織布などが好ましい。
【0057】
本発明の非水二次電池は、例えば、上記のようにして作製された正極と負極との間にセパレータを介在させて重ね合わせ、それを、楕円状、長円形状などの角形の電池缶に挿入可能な構造に巻回して作製した巻回構造の電極体を電池缶内に挿入し、封口する工程を経て作製される。この時、電極体の底部に、絶縁体を配設しておくことが好ましい。電極体の底部に絶縁体を配設しておくことにより、電池缶底部からの圧壊に対して安全性を確保することができる。
【0058】
上記電池缶には、電極体の膨張による電池の膨れを防止するために、側面部に凹部を設けているが、その電池缶の材質としては特に限定されることがなく各種のものを使用できるが、アルミニウム、マグネシウムなどの比重が小さい材質を使用するとともに、その肉厚を規格内で許容できる最小値に設定することによって、電池全体としてできるかぎりの軽量化を図ることが好ましい。このような軽量化を行っても、本発明は電池缶の側面部に凹部を設けているので、充放電サイクルによって電極体が膨張したときに、電池缶側面部の膨張を上記凹部で吸収することによって防止することができる。上記凹部の設け方としては、どのような方法によってもよいが、例えば、長方形状の凹部を設ける場合には、金属板を少なくとも1組以上の雄雌からなる金型を用いて何段階かにわけて絞り加工し、さらに絞り加工前あるいは後に別な金型によって型押しすることによって凹部を形成する方法などを採用することができる。また、曲面状の凹部を設ける場合には、絞り加工した電池缶に、側面部に曲面上のプレス面を有するプレス型をプレスすることによって凹部を形成する方法などを採用することができる。
【0059】
また、上記電池には、通常、電池内部に発生したガスをある一定圧力まで上昇した段階で電池外部に排出して、電池の高圧下での破裂を防止するための防爆機構が取り入れられる。
【0060】
さらに、非水二次電池では、充電電圧が4.25V以上、特に4.35Vまで充電される場合には異常発熱などの危険性が増す傾向があるが、本発明によればそのような場合にも安全性が確保できるので、本発明をそのような場合に適用するとその効果が顕著に発現する。その詳細は実施例で説明する。
【0061】
【実施例】
つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるものでもない。
【0062】
実施例1
メチルエチルカーボネートとエチレンカーボネートとを体積比2:1で混合した混合溶媒に、LiPF6 を1.2mol/l溶解させて、組成が1.2mol/lLiPF6 /EC:MEC(1:2体積比)で示される電解液を調製した。
【0063】
上記電解液におけるECはエチレンカーボネートの略称であり、MECはメチルエチルカーボネートの略称である。従って、上記電解液を示す1.2mol/lLiPF6 /EC:MEC(1:2体積比)は、メチルエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの体積比1:2の混合溶媒にLiPF6 を1.2mol/l溶解させたものであることを示している。
【0064】
これとは別に、正極活物質としてのLiCoO2 に導電助剤として鱗片状黒鉛を重量比92:4.5の割合で加えて混合し、この混合物と、ポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンにあらかじめ溶解させておいた溶液とを混合してペーストを調製した。この正極活物質含有ペーストを70メッシュの網を通過させて大きなものを取り除いた後、厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥して正極活物質含有塗膜を形成した。ただし、これより作られる正極を負極やセパレータなどと共に巻回構造の電極体にした時に、正極の最外周部の正極集電体の外周面側となる部分には上記正極活物質含有ペーストの塗布を行わず、無地部(つまり、正極活物質含有塗膜が形成されていない正極集電体の露出部分)の長さが68mm(約1周分)になるようにし、その最外周部の内周面側に負極集電体に設けたリード体と対向するように、幅10mmで厚み80μmのポリフェニレンサルファイドテープを絶縁テープとして接着した。この帯状体を乾燥後、厚み179μmに加圧成形し、切断した後、幅3mmで厚み100μmのアルミニウム製のリード体の一端を上記正極集電体の無地部(つまり、正極集電体の露出部分)に溶接してリード体を取り付け、帯状の正極を作製した。
【0065】
つぎに、負極活物質としての黒鉛系炭素材料〔ただし、002面の面間距離(d002 )=0.337nm、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)=95.0nm、平均粒径10μm、純度99.9%以上という特性を持つ炭素材料〕を、ポリフッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンにあらかじめ溶解させておいた溶液と混合してペーストを調製した。この負極活物質含有ペーストを厚さ10μmの帯状の銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥して負極活物質含有塗膜を形成した。ただし、これより作られる負極を前記正極やセパレータなどと共に巻回構造の電極体にした時に、負極の最外周部となる部分の負極集電体には上記負極活物質含有ペーストの塗布を行わず、無地部(つまり、負極活物質含有塗膜が形成されていない負極集電体の露出部分)の長さが65mmになるようにした。この帯状体を乾燥後、厚み142μmに加圧成形し、切断した後、無地部(つまり、負極集電体の露出部分)の最先端から8mmのところに、幅3mmで厚み0.1mm(断面積0.3mm2 )のニッケル製のリード体の一端を溶接して、帯状の負極を作製した。
【0066】
上記正極および負極を乾燥処理後、ドライ雰囲気中で上記正極を厚さ25μmの微孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して上記負極に重ね、長軸と短軸を有する巻回芯に巻き付けて巻回して長円形状の巻回構造の電極体にした。その後、電極体の底部に絶縁体としてポリイミドテープを接着し、この巻回構造の電極体を後述のように長側面部の両面に凹部を有する電池缶内に挿入し、その開口部を封口して角形非水二次電池を作製した。この電池の概略斜視図を図1に示し、平面図を図2の(a)に示し、部分縦断面図を図2の(b)に示す。また、上記巻回構造の電極体の最外周部およびその近傍の要部を図3に示す。
【0067】
まず、図3に基づき巻回構造の電極体から先に説明すると、この図3においては、正極1は最外周部と該最外周部から2周目が示されていて、巻回構造の電極体の電池缶5と対向する電極は実質的に正極1のみで構成され、その最外周部は正極集電体1aの露出部分を有し、そのいずれの面にも正極活物質含有塗膜が形成されておらず、その最外周部から2周目では正極集電体1aの両面に正極活物質含有塗膜1bが形成されている。そして、負極2は最外周部が示されており、この最外周部では銅箔からなる負極集電体2aの外周面側には負極活物質含有塗膜を形成されておらず、内周面側のみ負極活物質含有塗膜2bがを形成されている。この負極2のリード体8は最外周部の負極集電体2aの外周面側に取り付けられており、上記リード体8は、セパレータ3および正極1を介して電池缶5の凹部5aと対向している。そして、セパレータ3は正極1と負極2との間のみならず、巻回構造の電極体の最外周部に位置する正極集電体1aと電池缶5の内面との間にも介在している。この図3では、巻回構造の電極体およびその近傍の要部を示すもので、電池缶5についても全体を示さず一部しか示していないので、図3に示している部分がどの部分に該当するか判別できないが、この図3に示す部分は電池缶5の凹部5aである。
【0068】
この実施例1の電池の巻回構造の電極体では、図3に示すように、負極1の最外周部の負極集電体2aの外周面側には負極活物質含有塗膜が形成されておらず、内周面側のみ負極活物質含有塗膜2bが形成されている。そして、その負極集電体2aの露出部分がセパレータ3を介して正極1の正極集電体1aの露出部分と対向し、かつ負極1の負極集電体1aに溶接したリード体8がセパレータ3を介して最外周部の正極1の正極集電体1aに設けた絶縁テープ9と対向し、正極2とは直接対向しないようになっている。
【0069】
従って、上記構造の電極体を側面部に凹部5aを設けた角形の電池缶5を用いた角形非水二次電池に適用した場合、電池缶5の長側面部にあらかじめ凹部5aが形成されているので、充放電時の電極体の膨張を抑制でき、一旦膨張した場合にも電池缶の膨れによる変形を凹部5aで吸収することができるとともに、電池缶の膨れを防止するために設けた凹部が電極体を内面方向に押圧し、圧壊試験により電池缶が電極体に押し付けられても、電極体の最外周部の正極1は正極端子を兼ねる電池缶5と接触するだけであるため、内部短絡が発生することがなく、また負極集電体2aに溶接されたリード体8が圧壊によってセパレータ3と上記凹部5aに基づく電池缶5内面の凸部側に強く押し付けられたり、短絡によりセパレータ3が溶融、破壊した場合でもリード体8は絶縁テープ9と接触するだけであるため、内部短絡の発生を防ぐことができる。さらに、リード体8と対向していない正極1の部分でも圧壊の衝撃により正極1が裂け二次的な内部短絡が発生したとしても、巻回構造の電極体における正極1の最外周部は内周面側に正極活物質含有塗膜を形成せずに正極集電体1aのみの部分が設けられており、その正極集電体1aの正極活物質含有塗膜を形成していない部分がセパレータ3を介して低抵抗の負極集電体2aと対向し、正極1の最外周部の外周面側ではセパレータ3を介して正極端子となる電池缶5と対向していて、高抵抗の活物質含有塗膜とは対向していないので、熱伝導率が高く、それによって、放熱が速やかに行われるので安全性をより高めることができる。また、巻回構造の電極体の最外周部の正極は正極集電体だけで正極活物質含有塗膜を形成していないので、上記電極体を挿入する際には、電池缶5の内部の凸部との接触による活物質含有塗膜の脱落が生じない。また、巻回構造の電極体と電池缶5との間に異物が混入した場合、それによって電極が通電状態になるため微小短絡が生じやすく、圧壊試験時にこの微小短絡を誘発する要因になりやすいが、この際も本発明における巻回構造の電極体は上記記載の構造により圧壊試験時において内部短絡まで進行する確率を低減することができ、局部的な発熱を避けることができる。
【0070】
さらに、この巻回構造の電極体における負極2のリード体8の厚みは0.1mm(100μm)で、正極1の厚みは179μmで、絶縁テープ9の厚みが80μmでセパレータ3の厚みが25μmであることから、リード体8の厚みの方が絶縁テープ9の厚みとセパレータ3の厚みとの合計厚みよりも薄いので、この電池をたとえ圧壊試験にかけて強制的に圧壊しても、内部短絡は生じない。
【0071】
つぎに、この長円形状の巻回構造の電極体を用いた角形非水二次電池について説明する。まず、その作製方法の概略を図1〜2を参照しつつ説明すると、上記角形非水二次電池は次に示すようにして作製される。すなわち、上記巻回構造の電極体を厚み6mm、幅30mm、高さ60mmの有底角形状で、深さ0.15mm、幅10mm、高さ20mmの凹部5aを長側面部の両面に設けたアルミニウム製の電池缶5内に挿入し、負極2のリード体8の自由端を角形の電池缶5の封口板10の端子リード板14に溶接し、正極1のリード体7の自由端を封口板10に溶接する。さらに電解液を凹面を設けた電池缶5内に注入し、電解液がセパレータ3などに充分に浸透した後、封口し、予備充電、エイジングを行い、角形非水二次電池を作製した。
【0072】
この角形非水二次電池の概略斜視図を図1に示し、平面図を図2の(a)に示し、部分縦断面図を図2の(b)に示しているが、正極1と負極2とはセパレータを介して長円形状に巻回され、長円形状の巻回構造の電極体4として、角形の電池缶5に前記電解液とともに収容されている。ただし、図2では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体は図示していない。また、長円形状の巻回構造の電極体4もその外周側部分は断面で示しているが、内周側部分の断面は示しておらず、電解液も図示していない。
【0073】
電池缶5はアルミニウム合金製で電池の外装ケースとなるものであり、この電池缶5は正極端子を兼ねている。そして、前記正極1、負極2およびセパレータ3からなる長円形状の巻回構造の電極体4からは正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極のリード体7と負極のリード体8が引き出されている。また、電池缶5の開口部を封口するアルミニウム合金製の封口板10にはポリプロピレン製の絶縁パッキング11を介してステンレス鋼製の端子12が取り付けられ、この端子12には絶縁体13を介してステンレス鋼製のリード板14が取り付けられている。
【0074】
そして、この封口板10は上記電池缶5の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、電池缶5の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。
【0075】
この実施例1の電池では、正極1のリード体7を封口板10に直接溶接することによって、電池缶5と封口板10とが正極端子として機能し、負極2のリード体8をリード板14に溶接し、そのリード板14を介して負極2のリード体8と端子12とを導通させることによって端子12が負極端子として機能するようになっている。
【0076】
比較例1
実施例1の巻回構造の電極体における正極の最外周部の正極集電体の両面に正極活物質含有塗膜を形成し、無地部(つまり、正極活物質含有塗膜が形成されていない正極集電体の露出部分)の長さが10mmになるようにし、正極の絶縁テープは取り付けず、一方、負極側は巻回構造の電極体における負極の最外周部の負極集電体の無地部(つまり、負極活物質含有塗膜が形成されていない負極集電体の露出部分)を20mmとして、負極活物質含有塗膜から5mm離れた部分の外周面側に幅4mm、厚み0.3mm(断面積1.2mm2 )のリード体を溶接して取り付けたものを用い、電極巻回時の最外周部の位置関係を図4に模式的に示すようにした以外は、実施例1と同様に巻回構造の電極体を作製し、かつ角形非水二次電池を作製した。
【0077】
ここで、この比較例1の電池の巻回構造の電極体の最外周部およびその近傍を図4に基づいて説明しておくと、この比較例1の電池における巻回構造の電極体の最外周部の電極は正極1であるが、この正極1は正極集電体1aの両面に正極活物質含有塗膜1bを形成していて、その無地部(つまり、正極活物質含有塗膜が形成されていない正極集電体1aの露出部分)の長さが10mmで、絶縁テーープは取り付けていない。一方、負極側は巻回構造の電極体における負極2の最外周部の負極集電体2aの無地部(つまり、負極活物質含有塗膜が形成されていない負極集電体2aの露出部分)を20mmとし、負極活物質含有塗膜2bから5mm離れた部分の外周面側に幅4mm、厚み0.3mm(断面積1.2mm2 )のリード体8を溶接して取り付けている。
【0078】
上記実施例1および比較例1の電池を800mAの電流で2.75Vまで放電した後、800mAで充電し、4.25Vに達した後は、4.25Vの定電圧に保つ条件で2時間30分の充電を行った。その後、電池を圧壊試験に供した。
【0079】
圧壊試験は、4.25Vまで充電した電池をそのまま圧壊速度15mm/s、1トンの力で押し潰して20個の電池のうち何個の電池に内部短絡による異常発熱が発生するかを調べた。その結果を表1に示す。表1中において結果を示す数値の分母は試験に供した電池個数であり、分子は圧壊試験で内部短絡による異常発熱が発生した電池個数である。なお、異常発熱とは電池表面温度が150℃以上になった場合をいう。
【0080】
【表1】
Figure 0004189984
【0081】
表1に示すように、実施例1の電池は、比較例1の電池に比べて、圧壊試験での内部短絡による異常発熱の発生が少なかった。これに対して、比較例1の電池に内部短絡による異常発熱が多く発生したのは、比較例1の電池では、正極1の最外周部において正極活物質含有塗膜1bが負極活物質含有塗膜2bと対向し、負極2のリード体8が正極集電体1aに直接対向しているとともに、最外周部が単一電極でないことによるものであると考えられる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、高容量で、かつ、安全性の高い角形非水二次電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の角形非水二次電池を概略的に示す斜視図である。
【図2】実施例1の角形非水二次電池の構造を概略的に示すもので、(a)はその平面図、(b)はその部分縦断面図である。
【図3】実施例1の角形非水二次電池の長円形状の巻回構造の電極体の最外周部およびその近傍の要部を拡大して示す横断面図である。
【図4】比較例1の角形非水二次電池の巻回構造の電極体の最外周部およびその近傍の要部を拡大して示す横断面図である。
【符号の説明】
1 正極
1a 正極集電体
1b 正極活物質含有塗膜
2 負極
2a 負極集電体
2b 負極活物質含有塗膜
3 セパレータ
4 巻回構造の電極体
5 電池缶
5a 凹部
6 絶縁体
7 正極側のリード体
8 負極側のリード体
9 絶縁テープ
10 封口板
11 絶縁パッキング
12 端子
13 絶縁体
14 リード板

Claims (3)

  1. 正極集電体の少なくとも一部には両面に正極活物質含有塗膜を形成してなる正極と、負極集電体の少なくとも一部には両面に負極活物質含有塗膜を形成してなる負極とを、セパレータを介して巻回した楕円状または長円形状の巻回構造の電極体を、正極端子を兼ねる角形の電池缶に収容してなる角形非水二次電池であって、
    上記電池缶の少なくとも1つの側面に凹部が形成されており、
    上記極体の電池缶と対向する電極が実質的に正極のみで構成され、
    上記極の少なくとも最外周部の正極集電体の外周面側には正極活物質含有塗膜を形成していない部分が設けられ、上記正極集電体の正極活物質含有塗膜を形成していない部分がセパレータを介して電池缶の内面と対向し、
    上記正極の最外周部の正極集電体の内周面側には、正極活物質含有塗膜を形成していない部分が設けられ、
    上記負極の最外周部の負極集電体の外周面側には、負極活物質含有塗膜を形成していない部分が設けられ、
    上記正極集電体の内周面側の正極活物質含有塗膜を形成していない部分と、上記負極集電体の外周面側の負極活物質含有塗膜を形成していない部分がセパレータを介して対向し、
    かつ負極の最外周部の負極集電体に取り付けられたリード体がセパレータを介して正極と直接対向しないことを特徴とする角形非水二次電池。
  2. 負極集電体に溶接したリード体がセパレータを介して正極集電体に接着した絶縁テープと対向することを特徴とする請求項1記載の角形非水二次電池。
  3. 負極集電体に溶接したリード体の厚みが、上記リード体と対向する箇所における正極絶縁テープの厚みとセパレータの厚みとの合計厚みよりも薄いことを特徴とする請求項2記載の角形非水二次電池。
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