JP4189967B2 - 異物検出システム - Google Patents
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そのような潤滑油内には、前述の各種機器の運転に伴って内部の部品が摩耗し、例えば鉄粉の様な金属粉、その他の異物の混入が一般的に見られる。
一方、一定時間における異物の検出量が増大した場合は捕捉時間を短縮(例えば5分)し、測定間隔を短縮すれば良い。
一方、異物捕捉時間を短くすることにより、異物の濃度が高濃度の場合にも対応出来る。
ここで金属粉等異物の濃度が高い場合は本発明のシステムが取り付けられた内燃機関等に何らかの異常が発生していることが考えられるので、捕捉時間を短縮し測定間隔を狭め、潤滑油等流体中の金属粉等異物の濃度監視を頻繁に行うことで、当該内燃機関等が故障等に至る前に対処することが可能となる。
ここで、検出コイル(C33)を複数設けることにより、異物混入を示す信号を増幅し、検出精度を向上することが可能である。
図1において、本発明の一実施形態に係る異物検出システム100は、磁性体の粉末(例えば鉄粉)を捕捉する異物捕捉手段2と、磁性体の粉末(例えば鉄粉)を検出する異物検出手段3と表示手段4と制御手段であるコントロールユニット5とを備えて、構成されている。
更に、前記表示手段4は異物検出手段3及びコントロールユニット5に接続され、そのコントロールユニット5によって、検出された磁性体の粉末の量及び警告内容(例えば、「オイルに大量の鉄粉が混じっています」、「エンジンは故障しています」等)の表示が制御される。
同時に、後述する様に磁性体の粉末を検出するに当たって、管1内の磁界を消失させて、捕捉された磁性体の粉末(異物:M)を、再度、管1内に流過せしめる構成である必要がある。
長時間に亘って捕捉した磁性体の粉末を一度に放出することにより、磁性体の粉末の濃度が極めて低くても、後述する検出手段3で検出可能にせしめる。換言すれば、検出手段3の感度不足を填補する機能を付帯している。
従って、コイル21への通電、または、通電遮断を行うことにより、管1内を流過する磁性体の粉末の捕捉或いは捕捉された磁性体の粉末の解放が自由に行える。
したがって、コイル23に電流を流せば、管1内に磁界が発生して、管1内を流過する磁性体の粉末を捕捉することが出来る。
磁性体の粉末の検出の際には、コイル23に流れる電流を遮断すれば、捕捉された磁性体の粉末が一度に放出され、一塊となって流れる。そうすることによって、検出手段の感度を補うことが可能となる。
すなわち、後述する磁性体の粉末の検出感度が低下してしまう。
従って、潤滑油配管1そのものは非磁性材料とし、配管外に電磁石を形成することが好ましい。
該揺動部材25を図示しない公知の手段によって、揺動させることにより、前記永久磁石24は潤滑油配管1に接近、或いは離隔するように構成されている。
そのように、永久磁石24を潤滑油配管1に接近させることにより、管1内を流過する磁性体の粉末を捕捉することが出来、更に前記磁石を管壁から遠ざけることにより、捕捉した磁性体の粉末を解放して下流側に流し去ることも出来る。
尚、図示しない公知の手段は、前記コントロールユニット5によって作動が制御される。
異物検出手段3は、発振器32とブリッジ33と増幅器34と同期検波器35と位相器36と、潤滑油配管1に巻き付けられ、両端L32を前記ブリッジ33に接続された励磁コイルC32と、同じく潤滑油配管1に巻き付けられ、両端L33を前記発振器に接続された二つの検出コイルC33、とから構成されている。
その二つの検出コイルC33は、前記励磁コイルを挟むような位置に配置されている。
検出手段3の前記発振器32を作動させ、励磁コイルC32に通電することにより、励磁コイルC32によって、潤滑油配管1内に渦電流が発生する。
渦電流が発生している領域を鉄粉等磁性体の粉末が通過することにより、前記検出コイルC33に発生する出力信号が変化する。
即ち、検出コイルC33のリアクタンスが連続して変化する。そしてその連続して変化するリアクタンスをブリッジ33を介して前記増幅器34に送る。
尚、位相器36は励磁コイルC32の信号波の、検出コイルC33からの受信波に対応する位相を調節し、同期検波器35で処理することにより、検出対象である磁性体の粉末量からノイズの影響を無くす、或いは抑制するために設けられている。
図7において、縦軸はセンサ出力、横軸は時間(例えば内燃機関の運転時間)である。T1は捕捉手段2を起動させ、捕捉を開始した時刻であり、T2は捕捉手段2の作動を切り、捕捉した磁性体の粉末を再び管1内に解放した時刻を示している。図中、点線Aはドリフトを含み磁性体の粉末の影響の無い信号を、実線Bがドリフトに磁性体の粉末の通過量を重ね合わせた信号を表す。
ここで図中の斜線を施した領域Nの面積が、時刻T1からT2までの時間内に捕捉手段2によって捕捉された磁性体の粉末量を示している。
すなわち、本実施形態の検出手段3を用いる利点は、図8で示すように、上端と下端との差(振幅)を取ることにより、ドリフトの影響を無くすことである。
そこで、鉄粉が拡散する影響をキャンセルするため、振幅ではなく、図9で示す波形の面積Qを用いて、捕獲された磁性体の粉末量を決定する。
潤滑油の流速が一定していないと、磁性体の粉末量の増加、減少が判定できない恐れがある。しかし、流速が一定でない場合には、較正(キャリブレーション)を行えば良く、係る較正を行うためには、潤滑油の流速を決定する必要がある。
図10において、新品のエンジンの運転を開始(ポイントS)してから、しばらくの期間は異物の発生量は増加するが、その後、減少し、以後、比較的長い期間に亘って、異物の発生量は低いレベルの一定値を維持する。
図11で示す制御では、図10を参照して説明した上述の特性或いは傾向を前提に、処理が行われている。
そして、異物検出手段3において異物を計測し、異物の検出信号から異物検出量fmを算出する。(ステップS5)。
その後ステップS6において、コントロールユニット5(図1参照)内で、異物検出量fmと異物検出量の検出最小閾値Fminとを比較する。異物検出量fmがその検出最小閾値Fminよりも小さければ(ステップS6がYes)ステップS7に進み、異物検出量fmが検出最小閾値Fmin以上であれば(ステップS6がNo)ステップS10に進む。
新たに設定された捕捉時間Tcがその最大閾値Tcmax以下であれば(ステップS8がNo)、ステップS1に戻る。一方、新たに設定された捕捉時間Tcがその最大閾値Tcmaxよりも大きければ(ステップS8がYes)、最大閾値Tcmaxの数値を捕捉時間Tcに設定して(ステップS9)、ステップS1に戻る。
そして、再び、ステップS1以降を繰り返す。
異物検出量fmが検出最大閾値Fmax以下であれば(ステップS10がNo:Fmin≦fm≦Fmax)、捕捉時間Tcを変化すること無く(ステップS11)、ステップS1に戻る。
そして、ステップS13で、新たに設定された捕捉時間Tcとその最小閾値Tcminと比較する。
一方、捕捉量増大の兆候が出て、危険と判断されれば、捕捉時間を、例えば5分に短縮すれば良い。
この場合捕捉している時間が長くなるため測定間隔も長くなるが、そもそも測定対象の金属粉等の異物の濃度が低いため本発明のシステムが取り付けられた内燃機関等の運転に支障が出るレベルではないと判断できる。言い換えると、ある一定以上の捕捉時間となる場合には当該内燃機関等は健全に動作していると判断することができる。
一方、異物捕捉時間を短くすることにより、異物の濃度が高濃度の場合にも対応出来る。
ここで金属粉等異物の濃度が高い場合は本発明のシステムが取り付けられた内燃機関等に何らかの異常が発生していることが考えられるので、捕捉時間を短縮し測定間隔を狭め、潤滑油等流体中の金属粉等異物の濃度監視を頻繁に行うことで、当該内燃機関等が故障等に至る前に対処することが可能となる。
図12〜図14は、その様な検出手段を例示している。そして、図12〜図14で示す検出手段は、何れも、図1〜図11を参照して説明した図示の実施形態において、使用可能である。
一対の永久磁石72、72の磁界中には管1が配置されており、管1内では、異物(例えば鉄粉)Mが混合している潤滑油(その流れが矢印A−12で示されている)が流過している。
制御装置5は、ホール素子74の出力信号中の係る変動を公知の処理により検出し、潤滑油中の異物の存在を検知する。
そして、サーチコイル84、84間の領域に、潤滑油(流れを矢印A−12で示す)が流過する管1が配置されている。
電圧計88で読み取られた電圧を、予め作成した較正曲線や較正特性等から、潤滑油中の異物(鉄粉)濃度に変換することが出来る。
そして、光源92と受光部94との間で、光源からの光が照射されている領域に、潤滑油が流過する(その流れが矢印A−14で示されている)管1が配置されている。
さらに、潤滑油以外の他の流体が異物を混入した場合についても、本発明を適用することが可能である。
2、2A、2B、2C・・・異物捕捉手段
3、70、80、90・・・検出手段(異物検出手段)
4・・・表示手段/モニタ
5・・・制御手段/コントロールユニット
21、22・・・コイル
23・・・永久磁石
24・・・揺動部材
32・・・発振器
33・・・ブリッジ
34・・・増幅器
35・・・同期検波
36・・・位相器
100・・・異物検出システム
C32・・・励磁コイル
C33・・・検出コイル
Claims (2)
- 磁界を生ぜしめて管(1)内を流れる流体中の磁性体粉末(M)を捕捉する異物捕捉手段(2)と、上記磁性体粉末(M)を検出する異物検出手段(3)とを有する異物検出システムにおいて、前記異物捕捉手段(2)の捕捉および解放動作とその捕捉された磁性体粉末(M)を前記異物検出手段(3)によって検出する検出動作とを制御する制御手段(5)と、その検出された磁性体粉末(M)量および警告内容を表示する表示手段(4)とを備え、その異物検出手段(3)は前記管(1)に巻回されて発信器(32)に接続された励磁コイル(C32)と、その励磁コイル(C32)を挟む位置で管(1)に巻回されてブリッジ(32)に接続された2つの検出コイル(C32)とを備え、さらに励磁コイル(C32)の信号波を検出コイル(C33)からの受信波に対応する位相に調節する位相器(36)を設け、前記発信器(32)の作動により発生する管(1)内の渦電流の領域を通過する磁性体粉末(M)が検出コイル(C33)のリアクタンスを変化させ、その変化するリアクタンスをブリッジ(33)を介して増幅器(34)に送り、その増幅されたリアクタンスの変化量を同期検波器(35)で把握することを特徴とする異物検出システム。
- 前記制御手段(5)は、まずタイマをリセットし、捕捉手段(2)による磁性体粉末(M)の捕捉を開示すると共に、捕捉を開始してからの時間(t)を計測し、所定の捕捉時間(Tc)が経過したならば前記磁性体粉末(M)を解放し、そして異物検出手段(2)が磁性体粉末(M)を計測してその検出信号から異物検出量(fm)を算出し、そして前記異物検出量(fm)を検出最小閾値(Fmin)と比較し、異物検出量(fm)がその検出最小閾値(Fmin)より小さければ捕捉時間(Tc)に時間(ΔT)を加えた時間を新たな捕捉時間として設定し、異物検出量(fm)が検出最小閾値(Fmin)より小さくなければ、その異物検出量(fm)を検出最大閾値(Fmax)と比較し、異物検出量(fm)が検出最大閾値(Fmax)より大きければ捕捉時間(Tc)から所定時間(ΔT)を減算して値を新たな捕捉時間として設定し、大きくなければ捕捉時間を変化させない機能を有する請求項1記載の異物検出システム。
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