JP4188909B2 - 細胞質残留性細胞膜透過ペプチド及びこれの用途{CytoplasmicTransductionPeptidesandUsesthereof} - Google Patents

細胞質残留性細胞膜透過ペプチド及びこれの用途{CytoplasmicTransductionPeptidesandUsesthereof} Download PDF

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Description

本発明は、細胞質残留性細胞膜透過ペプチド(Cytoplasmic Transduction Peptide、CTP)に関するものであって、さらに詳細には、細胞膜透過能はありながらも細胞質に残留するペプチド及びこれの多様な用途に関するものである。
1988年、最初にHIV-1のTatタンパク質を細胞培養液に添加させた時、能動的に細胞内に輸送される現象が明かされた以来(Green and Loewenstein, 1988; 及びFrankel and Pabo, 1988)、細胞内にタンパク質が透過(transduction)される機伝に対する研究が集中的に行われた。その結果、Tatタンパク質に存在するタンパク質透過ドメイン(Protein Transduction Domain:PTD)の9個の塩基性アミノ酸(RKKRRQRRR)からなる部分が細胞膜を通過するにおいて重要な役割をするということが明かされた(Vives et. al., 1997; Futaki et. al., 2001; Suzuki et. al., 2002; Hakansson et. al., 2001; Tyagi et. al., 2001; Rusnati et. al., 1997)。
Tat PTD(RKKRRQRRR)は、陽電荷を有するアミノ酸が高い頻度で存在するため、多様な方法によりPTDアミノ酸序列を変えて透過効率を比較、分析して、その結果、Argポリカチオン性ホモポリマー(RRRRRRRRR)の場合、Tat PTDより20倍くらい透過効率が増加することが観察された(Wender et. al., 2000)。Arg以外にLys、Orn及びHisの場合は、Tat PTDよりあまり高い効果を示せず、Argのグアニジン基の陽電荷を除去したシトルリンポリマーの場合は、透過効果が全く現れなかった(Michelle et. al., 2000)。上述の内容は、PTDの塩基性アミノ酸が重要な役割をし、その中でもArgのグアニジン基が透過過程において必須的であることを示す。
PTDを他のペプチドまたはタンパク質と連結させた場合にも融合タンパク質を効率的に細胞内に輸送するということが明かされた以来、PTDを利用した多様な応用が試みられた(Schwarze et. al., 1999; Kim et. al., 1997; Schwarze et. al., 2000; Gius et. al., 1999; Nagahara et. al., 1998; Mai et. al., 2001; Xia et. al., 2001; Embury et. al., 2001; Rothbard et. al., 2000; Lewin et. al., 2000 and Vocero-Akbani et. al., 1999)。大部分、Tatタンパク質のPTDを利用し、所望のタンパク質、核酸、薬物などを所望の細胞内に輸送することに焦点が集められている。
Tatタンパク質以外にも、猩猩蝿のAntpタンパク質とHSVのVP22タンパク質にも透過ドメインが存在するが(Derossi et. al., 1994; Derossi et. al., 1996; Derossi et. al., 1998; Joliot et. al., 1991; 及びElliott et. al., 1997)、これらPTDの構造及び細胞膜通過機伝については明かされたものがほとんどない。
Tat、Antp及びVP22のPTD序列間には、塩基性アミノ酸が豊かであるという共通性以外に、アミノ酸序列上の相同性は見つからない。HIV-1 Tatの場合は、NMR構造上やCDスペクトル上でランダムコイルの構造を示すが、タンパク質構造予測プログラムを使用すると、α−螺旋構造に対する傾向性が非常に強く現れる(Loret et. al., 1991; Gregoire et. al., 1996; Mujeeb et. al., 1994;及びHo et. al., 2001)。一方、現在まで知られた膜透過性を保有した機能性ペプチド間の主な差異点は、外部タンパク質を融合させることのできる大きさに対しての制限性が挙げられる。Antpの場合は、アミノ酸100個未満の長さのタンパク質のみを融合可能な反面、Tat及びVP22の場合は、1,000個以上のタンパク質までも融合可能である(Schwarze et. al., 2000; Fawell et. al., 1994;及びSchwarze et. al., 1999)。
PTDとは性格が異なるが、FGF(Fibroblast Growth Factor)に存在するシグナル序列(膜透過序列(membrane transduction sequence:MTS)または細胞質浸透序列(cytoplasmic penetration peptide:CPP)は、細胞膜を透過する性質を有していると報告された(Hawiger J. 1999; Hawiger J. 1997; Lin et. al., 1995; Liu et. al., 1996; Rojas et. al., 1998;及びWang et. al., 2002)。前記シグナル序列は、細胞膜を容易に透過する性質を有するが、NLSがないため、核内には入らない特徴を示す。しかし、本来シグナル序列であるため、大部分が小胞体内に入るという問題点を有しており、また巨大分子であるβ−ガラクトシダーゼを運搬する効率性実験でMTSの膜透過能力は、PTDと比較しPTDの30%程度であって、低い効率を示す。
本発明者らは、細胞膜透過能が優秀でありながらも細胞質に残留し、核内には導入されないペプチドを開発するために鋭意研究した結果、特定のアミノ酸組成を有するペプチドが上述の目的に適合した特性を示すことを確認し、本発明を完成した。また、細胞質残留性細胞膜透過ペプチド−生物学的活性分子のコンジュゲートを含む細胞質残留細胞膜透過システムを完成した。上述の細胞質残留細胞膜透過システムを通じてタンパク質のような生物学的活性分子を生体内に導入することにより、特定臓器と組織内部にまで運搬する方法を完成した。
従って、本発明の目的は、細胞質残留性細胞膜透過ペプチドを提供することにある。
本は発明の他の目的は、本発明の細胞質残留性細胞膜透過ペプチドをエンコードする核酸分子を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、細胞質残留細胞膜透過システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、生物学的活性分子を細胞質に運搬する方法を提供することにある。
本発明の他の目的及び利点は、本発明の詳細な説明、請求範囲及び図面によりさらに明確になる。
本発明の一様態によると、本発明は細胞膜透過能を有して、細胞に処理して一定時間後、前記処理された細胞にタンパク質分解酵素を処理した場合でも細胞膜透過現象を示し、細胞膜を透過した以後には、細胞質に残留する特性を有する細胞質残留性細胞膜透過ペプチド(cytoplasmic transduction peptide)を提供する。
現在まで知られたPTD内には、タンパク質を細胞核内に運搬させる核局部化序列(Nuclear Localization Sequence:NLS)が核心的に存在する。現在まで91個のNLSが実験を通じて明かされて(Cokol et. al., 2000)、アミノ酸序列上の相同性は存在せず、ただ塩基性アミノ酸の頻度が高いという特徴を示す。しかし、塩基性アミノ酸はほとんど現れず、グリシンの頻度数が高いNLSも明かされて(Bonifaci et al., 1997)、次の二つの基準によりNLSに分類する。その一つは、NLSモチーフを除去した時、核内への輸送が生じなくて、もう一つ、非−核タンパク質と融合させた時、核内への輸送が生じると、このようなモチーフをNLSとして命名する(Tinland et al., 1992; 及びMoede et al., 1999)。PTD融合タンパク質が核内に輸送されることを防止するためには、簡単にPTDからNLSを除去すればよいが、NLS自体がPTD機能の必須要素として作用しているため、現実的に、細胞質内にのみ融合タンパク質を輸送し、核内には輸送を起こさない細胞膜透過ペプチドをデザインすることは非常に難しい実情である。
NLSは、核タンパク質が核内に入るためにインポーチン−αタンパク質と結合する部位であり、非核タンパク質に融合させた場合、核内に入るようになる。HIV-1 Tatタンパク質の場合、PTDとNLSとの間に正確な区分があるのではなく、一部分は、HIV-1転写体のTAR結合部位と重なることもある。HIV-1 Tatタンパク質のPTD(YGRKKRRQRRR)内には、核局部化シグナルとして知られた部位(GRKKRR)が存在するが、PTDが核内に入るのは、NLSがインポーチン−αとして知られた核運搬因子(nuclear transport factor)とお互い作用し、核内にPTD融合タンパク質を導入させるからである。
PTDペプチドの実用化用途として、抗原伝達体として使用される場合を例に挙げると、細胞質内に流入されたペプチド抗原がプロテアソーム(proteasome)を経てプロセシングされながらMHCクラスIに載って細胞表面に提示されなければならないため、PTDのNLSにより、導入した抗原の大部分が核内に流入されてしまうと、却ってMHCクラスIによる抗原提示にはあまり役に立たない。また、細胞質で進行される細胞の死と細胞成長を調節する様々な信号伝達過程を対象として開発された特定機能のタンパク質をはじめとした治療用物質伝達においても、PTDの核内への移動性はあまり役に立たない。このような問題を解決するために、既存のPTDからNLSの機能を除去し、核内への流入は防止しながらも細胞膜透過効率が高い細胞質残留性細胞膜透過ペプチド(CTP)を開発することが必須的である。
本発明者らはこのようなCTPを開発するために、分子モデリング方法によりPTDの機能と構造との相互連関性を綿密に調査し、PTDの機能の中からインポーチン−α(Importin-α)タンパク質と結合するNLS機能を除去した状態の変異PTD、即ちCTPを製作することになった。
本明細書で、最初に導入された用語“細胞質残留性細胞膜透過ペプチド(CTP)”は、細胞膜透過能を保有しながらも細胞質に残留する特性、即ち核内に移動しない特性を有するペプチドを意味する。このようなCTPは、本発明者らにより世界最初に開発されたものである。一方、従来のPTDは、その細胞膜透過能力に対し挑戦を受けているが(43−46)、本発明のCTPは、現在当業界で提起しているペプチドの細胞膜透過能力に対する疑問を全て除去できる、真正の細胞膜透過ペプチドである。
本発明のCTPにおいて、ペプチドの長さは、当業界で収容される一般的な長さに該当するものであり、好ましくは9〜20アミノ酸、より好ましくは、9〜15アミノ酸、最も好ましくは約11アミノ酸である。
本発明のCTPは、真正の細胞膜透過ペプチドであるため、CTPを細胞に適用して、細胞膜透過に必要な適合した時間が経過した後、タンパク質分解酵素(例えば、トリプシン、キモトリプシン及びサブチリシン)により処理した以後にも細胞膜透過現象を示す。下記実施例に記載されたように、従来のPTD、特にTatタンパク質から由来のPTDは、細胞に適用された以後にタンパク質分解酵素を処理すると、細胞膜透過現象を示さない。これは、従来のPTDは、真正の細胞膜透過機伝により細胞内に入るのではなく、細胞膜に静電気的引力により結合した状態で、後続の過程の細胞固定段階で細胞内に入るためである。しかし、本発明のCTPは、真正の細胞膜透過能を保有しているため、タンパク質分解酵素処理から影響を受けず、細胞膜を透過する。
本発明の基本的な戦略は、α−鎖を安定化またはよく形成させるアミノ酸でありながらも陽電荷を帯びるR−基を有するアミノ酸残基を含む細胞質残留性細胞膜透過ペプチドをデザインし、インポーチン−αに対する結合力は最少化しながらも、細胞膜透過性は向上させるまたは少なくとも維持するということである。
本明細書で、用語“α−鎖形成−強化アミノ酸”は、α−鎖構造を形成するかまたは安定化させる傾向のあるアミノ酸を意味し、このような傾向は、W.H. Freeman's Proteins: Structure and Molecular Properties, p. 235 (1983)に開示されている。本発明の好ましい具現例によると、本発明のペプチドで必須的に含まれるα−鎖形成−強化アミノ酸は、アラニン、アルギニンまたはリジンであり、より好ましくは、アルギニンまたはリジンであり、最も好ましくは、アルギニンである。
本明細書で用語“陽電荷を帯びるR-基を有するアミノ酸残基”は、アルギニン、リジンまたはヒスチジンのような塩基性アミノ酸を意味し、好ましくは、アルギニンまたはリジンであり、最も好ましくは、アルギニンである。
本発明の好ましい具現例によると、本発明のCTPは、α−鎖形成−強化アミノ酸でありながら陽電荷を帯びるR-基を有するアミノ酸を必須的なアミノ酸残基として含む。用語、“必須的なアミノ酸残基”は、α−鎖形成−強化アミノ酸でありながら陽電荷を帯びるR-基を有するアミノ酸が、本発明のペプチドにおいて、少なくとも3個、好ましくは少なくとも5個、より好ましくは少なくとも7個、最も好ましくは少なくとも8個が含まれたものを意味する。
本発明の好ましい具現例によると、本発明のペプチドは、α−鎖を形成するようになるが、形成されたα−鎖のN-末端側には、ペプチド分子においてφとψの回転が比較的自由なアミノ酸が結合されている。前記回転角の“φ”は、Ca-N単一結合の回転を示し、“ψ”は、Ca-C単一結合の回転を示す。前記φとψの回転が比較的自由なアミノ酸は、グリシンまたはアラニンであり、最も好ましくは、グリシンである。
本発明の具体的な一具現例によると、本発明のCTPは、A-X1-X2-B-X3-X4-X5-X6-X7-X8で示されるアミノ酸序列を最小の単位として含み、前記序列でAは、ペプチド分子においてφとψの回転が比較的自由なアミノ酸であり、X1, X2, B, X3, X4, X5, X6, X7及びX8の中で少なくとも3残基は、アルギニンまたはリジンである。
本発明の好ましい具現例によると、前記ペプチドでAは、グリシンまたはアラニンであり、より好ましくは、Aは、グリシンである。
本発明の好ましい具現例で、X1, X2, B, X3, X4, X5, X6, X7及びX8の中で少なくとも4残基、より好ましくは5残基、特に好ましくは6残基、最も好ましくは7残基は、アルギニンまたはリジンであり、より好ましくは、アルギニンである。
本発明の具体的な具現例によると、本発明のCTPは、序列番号1〜14で構成された群から選択されるアミノ酸序列を含むペプチドである。より好ましくは、本発明のペプチドは、序列番号1〜6、8〜10及び13〜14で構成された群から選択されるアミノ酸序列を含むペプチドであり、特に好ましくは、序列番号1〜2及び13〜14で構成された群から選択されるアミノ酸序列を含むペプチドである。本発明のより好ましい具現例によると、本発明のCTPは、序列番号1または13のアミノ酸序列を含むペプチドであり、最も好ましくは序列番号1のアミノ酸序列を含むペプチドである。
本発明のペプチドは、天然(natural−occurring)ペプチドから選択してもよく、上述の序列特性を有するペプチドを人工的に合成してもよく(例えば、ペプチド合成装置、Applied Biosystems Model 433を利用して合成)、また天然的に存在するタンパク質透過ドメイン(PTD)に変異を発生させて得ることもできる。
従って、本発明の他の様態によると、本発明は、Tatタンパク質のタンパク質透過ドメイン(PTD)の序列の一部がα−鎖形成−強化アミノ酸で置換された細胞質残留性細胞膜透過ペプチドを提供する。
前記PTDは、その由来が様々であり、例えば、HIV-1のTatタンパク質が典型的な由来である。前記PTDのアミノ酸序列の具体的な例は、序列番号15に示されている。
本発明の好ましい具現例で、前記α−鎖形成−強化アミノ酸は、アルギニンまたはアラニンであり、より好ましくは、アルギニンである。
本発明の具体的な具現例によると、本発明の細胞質残留性細胞膜透過ペプチドは、序列番号1〜2及び13〜14で構成された群から選択されるアミノ酸序列を含むペプチドであり、より好ましくは、序列番号1または13のアミノ酸序列を含むペプチドであり、最も好ましくは、序列番号1のアミノ酸序列を含むペプチドである。
本発明のCTPは、下記の実施例により立証されたように、細胞固定により細胞内に入る従来のPTDとは違う、真正の細胞膜透過ペプチドであり、従来のPTDに比べ、改善された細胞膜透過度を示すだけではなく、細胞質に残留する特性を有している。従って、その応用性が非常に大きい。
本発明の他の様態によると、本発明は、上述した本発明のCTPをエンコードする核酸分子を含む。核酸分子は、単一鎖または二重鎖のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドであり、天然のヌクレオチドの公知の類似体を含むことができる。本発明の核酸分子は、好ましくはベクターに含まれている。
本発明の他の様態によると、本発明は、上述した本発明のCTPに共有結合された生物学的活性分子を含む細胞質残留細胞膜透過システムを提供する。
本発明のCTPに結合できる生物学的活性分子は、細胞内に流入されて細胞質に存在する特定の生体分子に作用し、一定な生物学的効果を示す物質であって、例えば、調節因子、酵素及び抗体のようなタンパク質またはペプチド、医薬のような化学物質、炭水化物、脂質、糖脂質、そしてDNA(cDNAまたはgDNA)またはRNA(mRNAまたはアンチセンスRNA)のようなヌクレオチド序列を含むが、これに限定されるものではない。
細胞質残留細胞膜透過システムにおいて、CTPに共有結合される分子は、CTPのN−末端またはC−末端に結合できる。共有結合方法は、生物学的活性分子の種類により、当業界に公知された方法を利用して実施できる。例えば、タンパク質が生物学的活性分子として利用される場合は、遺伝子の再組合技術を利用し、融合遺伝子(CTP−タンパク質をエンコードする遺伝子)のクローニング及び細胞内発現を通じてCTP−タンパク質を得ることができる。本明細書で遺伝工学的技術に関わる事項は、Joseph Sambrook, et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001)に開示された内容により、さらに明確にされる。
また、多様な交互結合剤を利用してCTP−生物学的活性分子コンジュゲートを得ることができる。利用可能な交互結合剤は、CTPの運搬能力及び細胞質残留性そして生物学的活性分子の活性を邪魔しないものが利用される。例えば、N-succinimidyl iodoacetate、N-Maleimidobutyryloxysuccinamide ester、1,5-difluoro-2,4-dinitorbenzene、 bisdiazobenzidine、3,3'-dithio-bis-(sulfosuccinimidyl-propionate)、ethylene glycol bis-(succinimidylsuccinate)、dicyclohexyl carbodiimideなどが利用できるが、これに限定されるものではない。一方、生物学的活性物質がCTPから解離された時にのみ活性を示す場合は、前記交互結合剤は、生体内で切断可能なものが利用される。例えば、カルボン酸エステル及び/またはジスルファイド結合のある結合剤が利用できる。
一方、本発明のCTPを従来に開発されたウイルスワクチンベクター(例えば、ポリオウイルスベクター)に結合させる場合は、細胞内に導入された遺伝子から発現されたタンパク質が、遺伝子が導入されていない周りの他の細胞内に浸透し細胞質に残留するようになることにより、細胞毒性Tリンパ球(CTL)誘導能が向上された、優れたワクチンベクターを製造することができる。
本発明の他の様態によると、本発明は、上述の本発明の細胞質残留細胞膜透過システム(即ち、CTP-生物学的活性分子のコンジュゲート)を細胞または個体(individual)に投与する段階を含む生物学的活性分子を細胞質に運搬する方法を提供する。
本発明の細胞質残留細胞膜透過システムを細胞に直接適用する場合、本発明の方法は、特定分子を多様な細胞に細胞質残留性運搬をする(下記実施例参照)。本発明の方法が適用できる細胞は多様であり、例えば、T細胞、B細胞、大食細胞、樹枝状細胞、内皮細胞、上皮細胞、角質細胞、筋肉細胞、繊維芽細胞、腫瘍細胞、脾臓細胞、肝細胞、腎臓細胞、心臓組織細胞、リンパ節細胞、神経細胞に適用できる。本発明の方法に適合した条件は、CTPの種類、運搬される分子及び対象細胞により様々である。例えば、運搬される分子の分子量が大きい場合は、CTP-コンジュゲートの処理時間が長くなる。一般に、処理温度は、約22℃〜37℃が好ましく、処理時間は、10分〜30時間が好ましい。一方、本発明のCTPに抗原タンパク質を結合させて、これを利用し樹枝状細胞をパルスする場合は、より強力な樹枝状細胞ワクチンを製造することができる。従って、本発明の方法は、特に、CTL-反応を誘導するに適合している。現在まで知られた細胞膜透過システムの中で、本発明の細胞膜透過システムのように、細胞に適用され、核内ではなく細胞質に特定分子を運搬するものはない。
投与対象が個体である場合は、多様な経路を通じて本発明の細胞質残留細胞膜透過システムを投与することができる。
例えば、腹腔または静脈投与を実施することができる。
下記の実施例に記載のように、本発明の細胞質残留細胞膜透過システムを個体に投与した場合、特定生体内器官(肝またはリンパ節)に選好的に移動する特性を示す(下記実施例参照)。
従って、本発明の方法は、生物学的活性分子を肝またはリンパ節に運搬しようとする場合に特に適合している。また、本発明の細胞質残留細胞膜透過システムは、生体内器官で特定部位にのみ局所的に移動する特性を示す。
現在まで知られた細胞膜透過システムの中で、本発明の細胞膜透過システムのように、個体に適用され特定分子、特に巨大分子(例えば、β−ガラクトシダーゼ)を運搬するものはない。
従って、本発明の方法は、薬物(化学医薬及びバイオ医薬を含む)送達システムとしての価値が非常に高い。用語“個体”は、好ましくは動物、より好ましくはヒトを除いた哺乳動物である。
本発明の方法によると、運搬される生物学的活性物質は、細胞質に残留するため、従来のPTDが核内に運搬されて現れる副作用を完璧に除去することができる。
現在まで多数の細胞膜透過システムが開発された。しかしながら、大部分の細胞膜透過システムは、細胞膜を通過した後、核内に物質を運搬するため、細胞質に特定物質をターゲッティングすることは、現在不可能である。本発明は、このような当業界で長い間解決できなかった技術的問題を完璧に解決している。本発明のCTPの特性、即ち、特定物質を細胞質に運搬及び残留させる特性は、上述のように、多様な用途に利用できる。
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。これら実施例は本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれら実施例に限定されないことは本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者であれば分かるだろう。
本発明は、細胞質残留性細胞膜透過ペプチド(CTP)を提供する。本発明のCTPは、細胞透過率が従来のタンパク質透過ドメインに比べ、ほぼ同一または向上されていながらも、核内に導入されず細胞質内に残留する特性を有する。従って、本発明のCTPは、多様な物質を細胞質内に運搬するに有用に利用することができる。
本明細書全体にかけて多数の特許文献及び論文が参照されて、その引用が表示されている。引用された特許文献及び論文の開示内容は、その全体が本明細書に参照として挿入され、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
以上、本発明の好ましい具現例について詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとっては、このような具体的な技術はただ具現例具現例に過ぎなく、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。従って、本発明の実質的な範囲は添付の請求項とその等価物により定義されると言える。
実施例1:CTPデザイン概要
膜透過性機能ペプチドからNLSの機能を除去することが本発明のCTP開発デザインの目的であるため、NLSの機能的要件を理解することが一次的作業である。NLSの構造的特性を理解するために、マウスのインポーチン-αタンパク質と核タンパク質であるヌクレオプラスミン(nucleoplasmin)のNLS部位と結合した状態の構造を参照した((Fontes et al., 2000)。インポーチン-αには、陰電荷が多く分布された結合クレフト(binding cleft)が存在するが、その中に陽電荷を帯びるNLSのLys残基が伸長・ツイストされた(extended and twisted)形態で結合している。
ヌクレオプラスミンNLSには、C-末端部位に4個の連続したLys残基が現れるが、これらは、インポーチン-αの結合クレフト内で伸長された形態に存在し、陰電荷を帯びる結合クレフトと最大限の塩橋(salt bridge)を形成している様相をしている。
従って、インポーチン-αタンパク質とTat PTD間の結合構造は明かされていないが、PTDのNLS部位がインポーチン-αと結合するためには、α-鎖構造の堅固性が却って障害要因とされる可能性が大きいと考えられる。HIV-1 Tatタンパク質構造は、NMRにより明かされたが、PTD部位は、α-鎖を形成する代りに、伸長されたコイル構造をしているため、インポーチン-αタンパク質との結合に適合した構造を有している。本発明の戦略により開発されたCTP候補物質は、分子モデリング方法による構造分析を行った時、α-鎖を形成する傾向性が高く現れた。従って、本発明では、PTDを改良したCTP開発の基本概念として、インポーチン-αタンパク質と結合すると予想されるPTDのNLS部位を変形してPTDより安定したα-鎖を形成するようにすることにより、伸長されたコイルで典型される性質を最少化し、インポーチン-αに対する結合力は最少化しながらも、細胞膜透過能力は、PTDと同等な、或いはPTDより優れた効率を奏することを好ましい目標として設定した。
NLSと結合するインポーチン-αの結合クレフト構造は、伸長・ツイストされた形態であるため、CTP部位がPTDよりα-鎖を安定的に形成するようになると、α-鎖の堅固性によりCTPとインポーチン-αとの結合は非効率的になり、その結果、CTPまたはCTP融合タンパク質は、核内に運搬されるよりは、細胞質内に多量存在するようになる。
本発明では、ワシントン医科大学のDowdy研究室で開発したPTDとそれの変異形(Ho et al., 2001)に基づき、分子モデリング方法によりアミノ酸序列を調整しながらCTPを開発したが、概念的には完全に異なる機能のペプチドを開発した。Dowdyグループの研究は、蛍光物質を結合させた15個長さのペプチドが細胞内に入る程度を行った結果であって、大部分のペプチドが核内に入る反面、本発明で開発されたCTP誘導体は、分子量1,200,000のβ-ガラクトシダーゼを融合させた状態で、高分子量のタンパク質を細胞質内にのみ運搬できるCTP候補群を選別した。
まず、Dowdyグループから発表した7種類の改良PTDに対する分子モデリングを行った結果、これらは全て両親媒性の(amphipathic)α-鎖を安定的に形成することを分析した。これらα-鎖がどのような機伝により細胞膜を通過するのかについては知られていないが、分子モデリングの結果、α-鎖の双極子モーメント(dipole moment)及び静電気的ポテンシャルによる生体膜との相互作用が、PTDペプチドが膜を通過するに重要に作用すると予測された。これらの中で、PTDと塩基性アミノ酸の分布がほぼ同一な改良PTDを対象に、β-ガラクトシダーゼと融合して生体膜通過程度をテストした。その結果、報告されたのとは全く違う結果が得られたが、Dowdyグループの研究結果によると、PTD5の場合、PTD(TAT)より8倍も高い効率でペプチドを細胞内に運搬させるが、β-ガラクトシダーゼを融合させた場合は、却って50倍以上、膜を透過する効率が減少されることを観察した。このような結果は、ペプチドのみを持って行った膜透過効率を、一般的な融合タンパク質の膜透過能力として一般化させることは適切でないということを意味する。
一方、PTD5と融合されたβ-ガラクトシダーゼの場合、膜透過効率は、野生形のPTD融合タンパク質に比べ、50倍くらい減少するが、相対的に、PTDに比べ、融合されたタンパク質を細胞質内に留まらせる程度が増加する現象を見出し、これを鋳型として改良されたCTPを開発した。
図1に示されたように、PTD5の場合、α-鎖を形成する際、一方向にのみ塩基性アミノ酸である5個のアルギニン(Arg5:3番、6番、7番、10番及び11番Arg)が分布する特性を有している。
本発明において、CTP開発の基本概念は次のようである。PTD5で5個のアルギニン(Arg5)をそのまま保持して、α-鎖の6番Arg及び11番Argの周りのアミノ酸である2番と4番Ala位置を、陽電荷を有するArgで置換するか(CTP503、507、508及び509)、陰電荷であるGluで置換するか(CTP505及び506)、サイズが小さくて自由な構造を有するGlyで置換するか(CTP504)、または構造的に制限されたProで置換して(CTP501、502)、CTP候補ペプチド序列を決定した(参照:表1)。
より多様なアミノ酸序列への置換が可能であるが、基本的なPTDペプチドの機能を保持するためには、Argによる陽電荷の導入及びα-鎖を安定化させるアミノ酸への置換という基本前提が必須的であるため、陽電荷はArg、陰電荷はGluに限定した。CTP候補ペプチドにβ-ガラクトシダーゼタンパク質を融合させた後、大腸菌で融合タンパク質を分離及び精製して(参照:図2)、HeLa細胞に処理し、細胞膜透過能力及び細胞質残留程度を比較、分析した。
実験結果、2番位置には、サイズが小さくて柔軟性の高いGlyが置換された時、CTPとして機能が増加した。4番Alaの場合、陰電荷であるCluで置換された場合は、CTPとしての機能が劣る反面、4番及び8番Alaを陽電荷であるArgで置換し全体的な陽電荷分布が増加するほどCTP機能が増加することが観察された。また、本発明のCTPと類似した概念であるが、大部分が細胞質に残っているのではなく小胞体内に入るMTSと、細胞膜を透過する程度及び核内に入らない性質を比較するために、MTS-β-ガラクトシダーゼ融合タンパク質を精製して、比較実験を行った。
以上の結果に基づいて、新しいCTP510、511及び512を製造して、細胞膜透過能力及び細胞質残留性質を比較、分析した結果、CTP511は、PTDとほぼ同等な程度の膜透過能力と優れた細胞質残留性質を示し、CTP512の場合は、野生形のPTD融合タンパク質より、融合タンパク質の細胞膜透過能力は却って増加した反面、細胞質残留性質がPTD融合タンパク質に比べ優れており、細胞内に入ったタンパク質の大部分が細胞質に残っている性質を示した。
比較実験として実施したMTS融合タンパク質の場合は、細胞膜を透過する効率がCTP508と類似した程度であって、野生形のPTD融合タンパク質に比べ、20%にも及ばない細胞膜透過効率を示した(参照:図3)。本発明では、CTP512を始めとして、細胞膜透過効率はCTP512より劣るが細胞質残留性に優れているCTP511、CTP509、CTP508など、細胞膜透過後に細胞質残留性を示す新しい膜透過ペプチド(CTP)を開発するようになった。
実施例2:CTP候補群のpTAT−HA LacZベクタークローニング及びタンパク質精製
実施例2-1:CTP候補群に対するプライマーリスト
本実施例に利用されるpTAT−HA LacZベクターは、ワシントン大学のS.Dowdey博士から提供してもらったものであって、前記ベクターは、pTAT−HAベクターのXhoI部分にLacZタンパク質がクローニングされているものである。pTAT−HAベクターは、目的タンパク質の発現及び精製のためのT7プロモーター、6x His-タグ、TATドメインがタギングされており、クローニングのためのマルチプルクローニング位置が存在する。本発明のCTP候補群をクローニングするために、pTAT−HA LacZベクターのTATドメインとHA−タグ部位をBamHI及びNcoI制限酵素により除去した後、本発明のCTP候補群をコーディングするオリゴヌクレオチドをクローニングした。β-ガラクトシダーゼタンパク質をコーディングする遺伝子であるLacZは、pTAT−HAベクターのXhoI部分にクローニングされている。
CTP候補群のアミノ酸序列は、前記表1のようである。MTS(12個のペプチド)を除いたPTD及び本発明のCTP候補群は、11個のペプチドから構成されており、置換されたアミノ酸は、ボールド体で表した。CTP開発のためのプライマーは、韓国のGenotech, Incで合成し、各々をPAGEで精製して使用した。プライマーは、前方向(f)及び逆方向(r)の各々を合成して、プライマーアニーリング方法によりTATドメイン及びHAドメインが除去されたpTAT−HA LacZベクターにクローニングした。合成されたプライマーのDNA塩基序列は、次の表2に示した。
実施例2-2:pTAT−HA LacZベクター内へのCTP候補群のクローニング
pTAT−HA LacZベクターを制限酵素BamHI及びNcoIで切断し、TatドメインとHA-タグドメインを除去した。CTP候補群に対する相補的な前方向プライマー及び逆方向プライマーを95℃で5分間加熱した後、温度を1℃/分の速度で常温まで落とした。このようなプライマーアニーリング方法により作られた挿入序列と前記ベクターとを16℃で18時間連結(T4 DNA ligase, Roche)して、再組合プラスミドを製作した。再組合プラスミドでE. coli JM109 (Stratagene)を形質転換しLB-Amp (50μg/ml)培地で18時間培養した後、形成されたコロニーの一部をLB-Amp培地で増殖させて、再組合プラスミドDNAを得た。CTP候補群が正常的に導入されたのか否かは、クローンを制限酵素で切断して確認した。最終的にCTP候補群に対する再組合プラスミド導入部位の塩基序列分析は、SolGent社に依頼し分析した。その結果、最初製作されたプライマーのDNA塩基序列との類似性は、100%一致した。
実施例2-3:PTD及びCTP β-galの発現及び精製
前記実施例2-2で構築されたPTDまたはCTP候補群が導入されたPTDまたはCTP-LacZ再組合プラスミドでE. coli BL21 (DE3) (Novagen)を形質転換して、これをPTD及びCTP-β-ガラクトシダーゼタンパク質の発現と精製に使用した。形質転換されたE. coli BL21(DE3)/PTD-LacZまたはBL21(DE3)/CTP-LacZを250mlのLB-Amp培地で18時間培養した。本発明において、pTAT−HA LacZ発現プラスミドは、LB培地に存在する微量の乳糖(lactose)により目的遺伝子が大量発現される特徴がある。従って、本発明のE. coli BL21(DE3)/PTD-LacZまたはBL21(DE3)/CTP-LacZは、IPTG誘導無しに、一晩中培養した。
LB培地で培養された形質転換体を収穫して、25mlの破砕緩衝液(50 mM Na.Pi (pH 7.4), 300 mM NaCl)に懸濁した後、リゾチーム(1mg/ml)で氷上で30分間反応させた。5分間ずつ音波破砕を(40% duty, 6 outputs)3回行って細胞を破砕した後、15,000rpmで30分間遠心分離し、水溶性分画をNi-NTAレジン(Qiagen)に結合させた。水溶性分画を、破砕緩衝溶液で平衡化させた5mlのNi-NTAレジンに3回繰り返して結合させた後、20mMイミダゾールが添加された破砕緩衝液25mlで洗浄した。250mMイミダゾールが添加された破砕緩衝液12mlで溶出して、SDS-PAGEで分析した(参照:図2)。
SDS-PAGE分析を通じて、約120kDaのPTD及びCTP β-galタンパク質が精製されたことが分かった。精製されたタンパク質をPBSで透析した後、Pierce社のCommassieTM Plus-200 Protein Assay Reagentを利用してタンパク質定量を実施した。タンパク質の活性を調べるために、ONPG(O-nitrophenyl β-D-galactopyranoside)を15mMの濃度となるように0.1 M Na.Pi (pH 7.4)緩衝溶液に溶かした40μlの基質溶液に、同一な量になるように希釈させたタンパク質80μlを添加し、常温で5分間反応させた。80μlの0.5 M Na2CO3で反応を中止させた後、ELISA microplate reader(Bio-Rad)405nmで吸光度を測定し、精製されたタンパク質の活性が同一であることを確認した。
実施例3:PTD及びCTP-β-ガラクトシダーゼのHeLa細胞内への導入
PTDとCTP候補群の細胞内導入活性を、HeLa細胞を対象に実験した。24-ウェルプレート(Nunc)を利用して高ブドウ糖DMEM(10%FBS含有)培地にHeLa細胞5×104を分株した後、36時間培養した。細胞をPBSで洗浄した後、PTD及びCTP-β-ガラクトシダーゼタンパク質をopti-MEMI培地に100μg/mlの濃度で希釈して添加した。1時間培養した後、固定液(2%ホルムアルデヒド、0.2%グルタルアルデヒドin PBS)で常温で10分間細胞を固定した。PBSで2回洗浄した後、細胞内導入活性を観察するために、染色液(0.1% X-gal、5mMフェリシアン化カリウム、5mMフェロシアン化カリウム、2 mM MgCl2 in PBS)で2時間染色した(参照:図3)。2時間染色した時染色程度が低い試料に対しては、一晩中染色した後染色された程度を比較し、相対的に細胞内に入る程度を測定した。PTDとCTP候補群のHeLa細胞導入活性を比較分析した結果、次のような順位で細胞内に融合タンパク質を導入させるということが分かった。
PTD5 < CTP502 << CTP501 = CTP506 < CTP507 < CTP505 < CTP503 = CTP504 <CTP508 = CTP510 = MTS < CTP509 << PTD = CTP511 << CTP 512
活性の低いCTP501、CTP502、CTP506及びCTP507に対する特性を比較してみると、これらは、α-鎖が始まる1、2番部位に構造的に制限されたProが存在するか(501、502)、2番位置に陰電荷を帯びるか(506)、大きさが比較的大きい陽電荷(507)を有する特徴を示す。2番位置に、大きさが小さくて自由な構造を有するに適合しているGlyが置換されたCTP505の場合は、PTD5との違いが、2番位置のAlaがGlyに変わったことしかない。しかし、PTD5に比べ、細胞内に入る程度が20倍くらい増加するだけではなく、細胞質に残っている量が増加するということが分かった。しかし、膜を通過する程度のみを比較した時は、CTP505の場合は、野生形のPTDに比べ、10%にも及ばないくらい非常に低いことが分かる。以上の結果から、2番位置には、大きさが小さくて柔軟性の高いGlyが置換された時、CTPとしての機能が増加されるということが分かる。
全体的に細胞内に融合タンパク質を運搬する能力に優れているCTP503、CTP504、CTP505、CTP507、CTP508及びCTP509に対する特性を比較すると、たとえ2番位置に大きさの大きい側鎖を有する場合でも、全体的な陽電荷の量が増加する様相を示している。CTP508 (2A 4K)とCTP509 (2K 4K)とを比較すると、CTP509は、2番位置にLysを有しているため不利であるが、全体的な陽電荷の量が増加することにより、CTP508より優れた細胞膜透過性質を有して、CTP508及びCTP509は、両方とも細胞質残留性質がPTDに比べ優秀であることが分かる。
以上の結果に基づいて、2番位置はGlyで置換して、5番、8番及び9番位置に段階的にAlaをArgに置換して、全体的な陽電荷の量を増加させた新しいCTP510、CTP511及びCTP512を製造し、細胞膜透過能力及び細胞質残留性質を比較分析した。CTP511は、PTDとほぼ同等な膜透過能力と優れた細胞質残留性質を示し、CTP512の場合は、野生形のPTD融合タンパク質より融合タンパク質の細胞膜透過能力は増加された反面、細胞質残留性質がPTD融合タンパク質より優秀であり、細胞内に入ったタンパク質の大部分が細胞質に残っている性質を示したことから、本発明の目的とした、細胞質残留性膜透過ペプチド(CTP)としての性質を有する新しいペプチドを開発するようになった。
実施例4:共焦点走査顕微鏡を利用したCTP-β-galの細胞内位置観察
細胞質残留性細胞膜透過ペプチド(CTP)の選別のための、共焦点走査顕微鏡分析は、HeLa細胞を利用し、蛍光染色は、FITC(Fluorescence-iso-thio-cyanate)を利用した単一染色(single staining)とPE (phycoerythrin)を利用したDNA染色試薬(green fluorescence SYTO-16 DNA staining dye, Molecular Probe)との二重染色(double staining)を通じて行われた。まず、HeLa細胞(5 x 105 cells/ml)を滅菌されたカバー−スリップが入っている6−ウェルプレートに広げて、37℃培養器で一晩中培養した。翌日、PBS(pH7.4)を利用して1回洗浄し、OPTI−MEM I培地を利用して1ml程度満たした後、候補CTPタンパク質(100μg/ml)を入れた。陽性対照群としてPTD-β-ガラクトシダーゼ融合タンパク質を利用し、陰性対照群としてはβ-ガラクトシダーゼタンパク質のみを利用した。候補CTPタンパク質をパルスして入れた後、37℃培養器で1時間反応させた。PBSを利用して3回洗浄した後、2%パラホルムアルデヒドを利用して4℃で20分間固定させた。固定されたHeLa細胞を洗浄用緩衝液(0.2%BSA及び0.02%アジ化ナトリウムを含有するPBS)を利用して3回洗浄した。抗体の透過性を高めるために、細胞を0.5% Triton X-100 (in PBS, Sigma)を利用して4℃で20分間反応させた。反応後、洗浄用緩衝液を利用して3回洗浄して、抗体を利用した染色を実施した。まず、単一染色の場合は、1次抗体であるマウス由来抗β-ガラクトシダーゼ単一クローン抗体(mouse anti-β-galactosidase monoclonal antibodies、1:2,000, Sigma)を利用して4℃で1時間反応させた。細胞を洗浄用緩衝液で3回洗浄した。2次抗体としては、FITCが接合されている山羊由来抗マウスIgG抗体(Goat anti-mouse IgG FITC、1:2,000, Jackson Laboratory)を利用して4℃で20分間反応させた。細胞を、洗浄用緩衝液を利用して3回洗浄して、スライドガラス上に蛍光固定培地(Fluorescence mounting medium、DAKO)1滴を利用し固定させて、凝固接合剤(nail vanish)を利用してカバースリップの縁を密封した。
SYTO-16 DNA染色試薬を利用した二重染色の場合は、次のようである。まず、1次抗体を同一な条件で反応させて3回洗浄した。2次抗体としては、PEが接合されている山羊由来抗マウスIgG抗体(Goat anti-mouse IgG PE、1:2,000, Jackson Laboratory)を利用して4℃で20分間反応させた。洗浄用緩衝液を利用して3回洗浄して、SYTO-16 DNA染色試薬(1:1,000、DAKO)を利用して4℃で20分間反応させた。洗浄用緩衝液を利用して3回洗浄した後、細胞をスライドガラス上に固定して密封し、共焦点走査顕微鏡分析に利用した。
共焦点レーザー走査顕微鏡を利用した分析は、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)レーザー発生、走査装置を有して、FITC(510-550 nm)とPE(600-660)を各々独立的なチャンネルで検出できるフィルター(filter)が内装されたLEICA TCS NT SP(LEICA Lasertech GmbH, Heidelverg, Germany)を利用した。写真撮影は、PL-APO X100対物レンズ(objective)を利用して、単一染色の場合は、一つの細胞に対し4段分割領域(section)を行って、FITCと透過(transmission)写真を撮影して、二重染色の場合は、それぞれフィルターを異にして、FITC、PE、そして透過写真を撮影した。
NLSを有するタンパク質は、核内に入るが、大部分は、核膜周辺部位(perinuclear area)に分布すると知られている(Lin et al., 1995)。PTD/CTP-β-gal融合タンパク質の細胞内分布を調べるために、β-galに対する抗体を利用して共焦点顕微鏡を利用し観察した。PTD融合タンパク質は、自体内にNLS部位を有しているため、大部分が核内に入る反面、本発明で開発されたCTPの場合は、大部分が核内に入らなく細胞質内に存在した(参照:図5a及び図5b)。
共焦点顕微鏡では、細胞を3次元的に多分割して撮影可能であるため、各分割面でのタンパク質だけではなく、多分割領域で撮影した写真をオーバーラップさせる場合は、3次元的な分布を見ることができるという長所がある。この際、特定細胞内での核の位置は、位相差顕微鏡を通じて撮影したイメージを比較することにより分かる。図4a及び図4bでは、PTD融合タンパク質のほとんど大部分が核内−正確には核膜周辺部位−に分布することが確認できる。反面、CTP512融合タンパク質の場合は、細胞膜透過能力は、野生形のPTD融合タンパク質より高いが、細胞内ではほとんど大部分が細胞質内に分布することを観察することができた。
本発明で開発したCTP候補群全体に対して共焦点顕微鏡で撮影した4段分割映像をオーバーラップして合成したものと各サンプルに対する位相差顕微鏡写真を図5から観察できる。図3で細胞膜を透過する程度をX-Gal染色により観察して、これらの細胞内の分布を共焦点顕微鏡を利用して観察した結果(参照:図5a及び5b)に基づいて、本発明では、細胞膜透過性が野生形のPTDより優秀でありながらも細胞質残留性に優れているCTP512を開発した。また、CTP511の場合は、細胞膜透過性は野生形に類似しているが、細胞質残留性においては、CTP512と類似した効率を示した。CTP508及びCTP509は、たとえ細胞膜透過性は野生形に比べ劣るが、細胞質残留性の側面では、野生形PTDより優秀な膜透過ペプチド(CTP)であることが立証された。
実施例5:CTPの細胞膜透過能力の真正性(Authenticity)分析
最近細胞膜透過ペプチドの中でHIV-1 Tatタンパク質から由来のPTDの膜透過機能が、PTDペプチド自体の膜透過性質であるというよりは、PTDに含まれた多量の陽電荷アミノ酸により陰電荷を帯びる細胞膜に静電気的に付着された状態で細胞固定過程中細胞内に流入されて現れる人為的な現象である可能性が提示されている(43-45)。さらに、上述の事実が、PTDペプチドを処理した細胞を一定時間後再びトリプシンを処理し細胞膜に付着されたペプチドを除去すると、細胞内に導入されたペプチドの量に顕著な差が発生して、また膜透過機伝は、既存報告とは違って、エンドサイトーシスにのみよるという事実が報告され(46)、既存知られている数種の膜透過ペプチドは、機能上の再点検が求められている。
従って、本発明者らは、本発明のCTPも、上述した従来のPTDのように、細胞膜透過機伝に対するチャレンジを受けるような問題点はないか確認した。
実施例5-1:トリプシン処理過程抜きCTP-β-gal融合タンパク質の細胞膜透過効能の確認
CTPを始めとしたPTDとMTSなど、細胞透過ペプチドの(Cell permeable peptide, CPP)細胞膜透過効率を比較するために、各CPPにβ-galが融合されたタンパク質を50μg/mlの濃度でHeLa細胞に処理して細胞内導入されたβ-gal酵素活性を測定した。β-gal酵素活性は、実施例3と同様に実施して、最終的に染色された細胞を顕微鏡で写真撮影した(参照:図6a)。図6aから分かるように、CTP512で処理した細胞で、PTDとMTSで処理した細胞に比べ、著しく強力なβ-gal活性を示して、CTP513及びCTP514の場合、CTP513は、CTP512と同等な程度に、CTP514は、PTDと同等な程度に、処理された細胞でβ-gal活性を示した。しかし、このような実験結果からは、観察されたβ-gal活性が、細胞膜透過を通じて細胞内に導入された量であるか、あるいは単純に細胞膜に付着されたものが固定過程で細胞内に流入されたのであるかは、判別できない。
実施例5-2:トリプシン処理によるCTP-β-galの細胞膜透過程度確認
本発明のCTPが実際的に細胞膜を透過するのか、それとも単純に細胞膜と静電気的引力により結合されて、固定過程で細胞膜を透過して細胞内に入るのかを確認した。HeLa細胞を48-ウェルプレートに2 x 105/mlで培養した後、37℃で一日間DMEM(high glucose)培地を利用して培養した後、1×PBSで1回洗浄した。PTD-β-gal、MTS-β-gal、CTP501〜514-β-galを50μg/mlの濃度でOPTI-MEMに添加し、細胞に添加して20時間培養した。次いで、細胞をトリプシン-EDTA(10×)で37℃で3分間処理して、細胞表面に残存するCPP-β-galタンパク質を全て除去した後、細胞を1×PBSで2回洗浄して、固定溶液により室温で10分間固定した。細胞を1×PBSで2回洗浄した後、染色溶液で37℃で2時間染色した後、顕微鏡上で細胞を撮影した(参照:図6b)。
図6bから分かるように、CTP512とCTP513が、PTDとMTSに比べ、β-galを非常に効果的に細胞内に導入することを確認して、CTP511とCTP514により導入されたβ-gal活性は、PTDと同等な程度であった。従って、本発明のCTPの中で少なくともCTP512とCTP513は、トリプシン処理により表面に残存するタンパク質を除去した後にも、依然として最も強力な細胞導入活性を示すことを確認した。
実施例5-3:CTP-β-galの細胞膜透過の定量的分析
上述の実験で実際的な細胞膜透過性質を示すPTD、MTS及びCTP508、509、511、512、513及び514の細胞膜透過程度を定量的に比較するために、CPP-β-gal融合タンパク質を上記のような方法により、HeLa細胞に20時間処理後トリプシンを処理して、実際的に細胞内に流入された融合タンパク質の量を定量的に比較した。トリプシン処理された細胞に10%FBSが含有されたDMEM((high glucose)を添加して、残余トリプシンの活性を抑制した後、遠心分離を通じて細胞を収得した後、1×PBSを利用して細胞を1回洗浄した。細胞pelletに0.9% Triton-X 100を添加した後、室温で10分間反応し細胞を分解させて、分解された細胞内容物を12000rpmで2分間遠心分離し、上澄液のみを収得した。各試料のβ-gal活性をenhanced β-gal assay kit(GTS Inc, USA)を利用して室温で反応させた後、ELISA readerを利用して570nmで測定した。
図7から分かるように、CTP512-β-galがCTP513 (Arg9)-β-galより約1.5倍高い細胞導入活性を示し、CTP512-β-galは、PTD-β-galに比べ約4倍高い、MTS-β-galに比べては約7倍高い細胞導入活性を示した。以上の結果は、CTP512と結合された再組合タンパク質の細胞内への導入能力がPTDやMTSに結合された再組合タンパク質より非常に優秀であることを定量的に示す結果である。特に、PTD-β-gal融合タンパク質の場合は、HeLa細胞に20時間を処理した後にも、実質的に細胞内に流入された量は極めて制限的であることを確認することができて、このような結果は、最近報告されたPTDペプチドを利用した実験結果と非常によく一致した(46)。反面、CTP-β-gal融合タンパク質の場合は、1時間では細胞膜透過能力がほとんど観察されなかったが、20時間処理した後には、相当な量が細胞内に透過されることを観察することができた。一方、本結果に基づき、CTPの中でCTP512を本発明の代表的な細胞膜透過ペプチドとして選定して、後続する実験をCTP512を使用して進行した。
実施例5-4:CTP-β-gal及びPTD-β-galの細胞透過のkinetics
CTP-β-gal及びPTD-β-gal融合タンパク質の細胞内に透過される程度を速度論的に分析した。融合タンパク質を処理した後、トリプシン処理をしなかったまま細胞を0.9% Triton X-100で分解させた後、細胞に存在する全体β-galタンパク質の活性を測定した。また、細胞表面に結合した融合タンパク質を除去して細胞内に流入されたβ-galのみを定量するために、融合タンパク質で処理された細胞を再びトリプシンで処理した後、同じ条件でβ-galタンパク質の活性を調べることにより、実質的に細胞内に透過された融合タンパク質の量を比較、分析した(参照:図8)。
CTP-β-gal及びPTD-β-galを処理して一定時間後、トリプシンを処理せずに細胞を収穫した場合、1時間内に収穫した細胞からも強力なβ-gal活性が現れて、β-gal活性は16時間まで増加し続けた(参照:図8A)。しかし、この場合も、全期間に亘ってCTP-β-galがPTD-β-galより著しく高いβ-gal活性を示した。一方、CTP-β-gal及びPTD-β-galを処理して、細胞を収穫する前にトリプシンを処理した場合は、1時間以内というような短い時間では、導入されたβ-gal活性を全く測定することができなくて、融合タンパク質が細胞内に導入されるのに比較的長い時間が要求された(参照:図8B)。図8Bから分かるように、融合タンパク質は、時間が経つにつれて徐々に細胞内に導入され、約20時間以後にβ-gal活性が最も高く観察されて、この場合も、全期間に亘ってCTP-β-galがPTD-β-galより細胞膜透過力が著しく優秀であることを確認した。
トリプシンの処理過程無しに、CTPやPTDにより細胞に流入されたとして測定されたβ-gal活性が、トリプシン処理過程が追加された場合に比べ、約2倍程度高いことから、図8Aに示されたβ-gal活性の約1/2は、CTPまたはPTDが細胞表面に付着され、固定過程で細胞内に流入されたものであることが分かった。従って、膜透過ペプチドを処理した細胞を収穫直前にトリプシンで処理しないと、細胞内に透過された再組合β-galタンパク質を正確に測定することができないということを確認した。反面、対照群として使用されたβ-galタンパク質は、時間が経っても全く細胞内に透過されないことが観察された。
以上の結果から、CTPは、PTDより細胞表面に結合する程度も多いだけではなく、細胞透過性にもPTDより著しく優れており、真正の細胞膜透過ペプチドであることが分かる。
実施例6:共焦点顕微鏡を利用したCTP-β-galの細胞内位置分析
既存報告によると、PTDの細胞膜透過能及び細胞内の残留位置は、細胞固定過程で流入されるPTD融合タンパク質の種類により違うように現れることがある(46)。このような問題を解決するために、本発明のCTP-β-gal 100μg/mlを20時間処理したHeLa cellにトリプシンを10秒間3回処理し表面に付着されたCTP-β-galを除去して、細胞を固定し共焦点顕微鏡で細胞内に導入されたβ-galに対してのみ細胞内の位置を調査した。サンプル準備過程及び共焦点顕微鏡観察方法は、実施例4と同様である。
図9から分かるように、CTP-β-galを処理したHeLa cellを、トリプシンを処理しなかった状態で固定した場合も、CTP-β-galは、細胞質にのみ留まって、核内にはほとんど入らないことが観察された。トリプシンを処理した場合も、β-galの量が少し減ったのと細胞の単層培養形態が少し変わっただけで、固定過程で核内に移動する現象は観察されず、CTPにより導入されたβ-galは細胞質でのみ観察された。一方、PTD-β-galの場合は、まず、導入された量がCTP-β-galに比べ著しく低くて、トリプシンを処理せずに固定した場合、細胞表面に相当量のβ-galが付着された形態で現れたが、トリプシンを処理した場合は、細胞表面のβ-gal信号はほとんど消えて、大部分核内にβ-gal信号が微弱に現れることを観察した。このような結果から、CTPがPTDより細胞膜透過性が高いだけではなく、PTDとは違って、導入された融合タンパク質を細胞質にのみ残留するようにする特性を有しているということが分かる。
実施例7:ペプチドCTP512-FITCの細胞膜透過性
既存ペプチドの膜透過性は、細胞表面に結合されたものまで含まれ歪曲されて知られたものであるという事実が、トリプシン処理過程の導入により糾明された(46)。従って、本発明がCTP-β-galの膜透過性の真正性を確認するために、上述したように、トリプシン処理過程を導入して実験を行った。しかし、この場合、融合されたβ-galタンパク質により、CTP自体の活性が違うように現れる可能性があるため、β-gal融合タンパク質の代りにCTPを蛍光物質で標識して細胞に一定時間処理した後、トリプシン処理後、処理時間別及び処理濃度別に細胞内に導入されたペプチドの量を、FACSCalibur(Becton Dickison、USA)を利用して、 FACS (Fluorescence-activated cell sorter)分析した。
HeLa細胞を12-ウェルプレートに2 x 105/mlの濃度で接種した後、1日間37℃で培養した。細胞表面に付着されたCTP、PTD及びMTSをトリプシン処理により除去できるのかを確認するために、5μgのCTP-FITC、PTD-FITC及びMTS-FITCペプチド(HHMI/Keck Biotechnology Resource Laboratory, Yale University, USA)を37℃でトリプシンで3分間処理した後、2.5μg/mlの濃度で2時間細胞に処理して、細胞の蛍光標識程度をFACSにより調べた。
図10Aから確認できるように、前もってトリプシンで処理したCTP及びPTDは、膜付着活性が完全に消えたことから、膜表面に付着されてまだ細胞内に流入されず残っている残余CTPやPTDペプチドは、トリプシン処理により容易に除去できるということが分かる。しかし、MTSの場合は、トリプシンによっても活性が消えなく、これは、MTSはArgやLys残基を有していないため、トリプシンにより分解されないからであると推測される。また、ペプチドの場合は、融合タンパク質とは違って、細胞膜透過程度が2時間で最大値を示し、時間が経過するにつれて減少した。また、この場合も、CTPは、PTDより全過程に亘って高い細胞膜透過活性を示した。一方、MTSの場合は、8時間まで細胞導入活性が増加し続けることが観察されたが、その程度は、CTPやPTDよりは低かった。
濃度によるペプチドの細胞膜透過程度を調べるために、ペプチドの濃度を増加させながら細胞に処理して、2時間後収穫しトリプシン処理した後、細胞内に導入された蛍光強度を調査した結果、処理濃度に比例して細胞内に流入されるペプチドの量が10μg/mlまで増加し続ける様相を示した(参照:図10B)。また、同一な量では、常に、CTPがPTDやMTSに比べ著しく高い細胞導入活性を示した。
実施例8:共焦点顕微鏡を利用したCTP-FITCの細胞内位置分析(細胞固定過程無し)
β-galが融合されたペプチドの場合は、膜透過程度を確認するために抗体を使用しなければならないため、細胞固定過程が必須的であり、このような固定過程で表面に付着されたペプチド融合タンパク質が細胞内に導入され、導入活性や細胞質内での移動位置に影響を及ぼすとして報告された。しかし、FITCで標識された膜透過ペプチドを使用すると、細胞固定過程を省いても共焦点顕微鏡でペプチドの細胞内位置を観察することができる。CTP、PTD及びMTSにFITCが付着されたペプチドを、単層培養されたHeLa細胞に25μg/ml濃度で1時間処理して、HBSSで3回洗浄後、細胞固定過程無しに細胞を共焦点顕微鏡で観察した。
図11から分かるように、CTP508、512、513及び514の全てが、導入されたペプチドが細胞質にのみ位置し、核内ではほとんど観察されなく、細胞内への導入程度は、CTP512>513>>514>>>508の順に現れた。このような結果は、CTP-β-gal融合タンパク質の結果と同様で、結果的にCTPによる膜透過程度及び細胞内移動位置は、膜透過ペプチドの特性によって決定されるということが分かる。
また、本実験の結果、PTDを処理した細胞では、FITCが核でのみ確実に観察されて細胞質ではほとんど観察されないことから、PTDは、細胞内に導入されると、核移動傾向を有することが明らかである。PTD-FITCを処理した細胞の骨格に沿って蛍光が見えるのは、図9でのように、細胞膜に付着されたペプチドのためであると推測されて、これは、トリプシンを処理すると消えると期待されるが、細胞の形態を維持して観察するために、別途にトリプシン処理過程を導入しなかった。
実施例9:他の細胞におけるCTPの細胞膜透過程度調査
上述の実施例では、膜透過ペプチドによる細胞内への導入程度をHeLa細胞でのみ調査した。CTPの膜透過特性が他の細胞でも同様に維持されるのかを確認するために、マウス細胞株(マウス繊維細胞株L929、マウス腎臓癌細胞株RENCA)、Tリンパ腫瘍細胞であるJurkat細胞及びマウス脾臓から抽出した1次脾臓細胞を使用して細胞内への蛍光導入程度を調査した。
図12から分かるように、同一な条件でCTPの膜透過程度は、細胞によって少しずつ差があるが、ペプチド間の導入比率は、ほぼ同等に維持されて、調査した全ての細胞において、CTP512の細胞内への導入程度が最も高かった。このような結果から、CTP512を細胞質への薬物伝達の運搬体として応用する場合、細胞の種類に関わらず、既存のいかなる細胞導入ペプチドより、特定目的の治療剤開発に優れた効果を得ることができると判断される。特に、CTPは、核移動性質を除去して核内の遺伝物質に損傷を与える可能性がほとんどないため、副作用の可能性も、他の膜透過ペプチドに比べ著しく微弱であるか、ないと予想され、応用性はそれだけ大きいと判断される。
実施例10:生体内でCTPの特定位置への移動能力分析
実施例10-1:CTP-β-galの肝またはリンパ節への移動分析
本発明のCTPが細胞水準でのみならず、生体内でも効率的に融合タンパク質を細胞内に導入させるのかを確認するために、BALB/cマウスに25μg/(g of mouse)濃度のCTP-β-gal、PTD-β-gal、MTS-β-gal融合タンパク質及びβ-galタンパク質を腹腔に注射するか、100μg/mouse濃度で尾静脈に注入した。注入4時間後マウスを安楽死させて、皮膚と皮を除去して腹腔を解剖し、PBS緩衝溶液で3回洗浄した。次いで、固定溶液で固定させた後、X-gal染色溶液で染色した後、各臓器を抽出して、β-gal活性を調査した。
図13から分かるように、CTP-β-galを投与したマウスの場合、いかなる他の臓器より肝でβ-gal活性が強力に現れて、腹腔投与時、静脈投与時よりさらに強力なβ-gal活性を示した。しかし、このような肝におけるβ-gal活性は、β-galのみを投与した対照群のみならず、PTD-β-gal及びMTS-β-galを投与した群のマウスからも観察されなかった。
また、CTP-β-galを静脈に投与したマウスの場合、肝だけではなく、補助リンパ節、大腿部リンパ節及び脛リンパ節で強力なβ-gal活性を示したが、PTD-β-gal、MTS-β-gal及びβ-galタンパク質を投与した対照群マウスからは、このような現象がほとんど観察されなかった(参照:図14)。
これらのような結果は、CTPが生体内の特定器官または組織(肝またはリンパ節)に選好的に移動するということを示し、CTPを肝やリンパ節を標的とする薬物移動手段として活用する場合、非常に効果的であるということを強力に示唆する。
実施例10-2:臓器別組織切片でCTPにより浸透されたβ-gal活性調査
前記のように、CTP-β-galをマウス腹腔及び静脈に投与して4時間後、胸腺、心臓、脾臓、肝、腎臓などの臓器を摘出して急冷した後、ミクロトーム(microtome)で冷凍切片を作って、X-gal反応溶液で一晩中反応させた後、顕微鏡でβ-gal活性を観察した。CTP-β-galを投与したマウスの場合、胸腺を除いた大部分の臓器切片全般でβ-gal活性が相当量観察された。反面、PTD-β-gal及びMTS-β-galやβ-galタンパク質を投与したマウス臓器切片では、β-gal活性がほとんど観察されないか、臓器の表面でのみ制限的に活性が観察された(図15a及び15b)。CTP-β-gal投与時、臓器別切片で現れたβ-gal活性は、腹腔(図15a)や静脈(図15b)のどの経路に投与してもあまり差がなく、同様に現れた。一方、PTD-β-gal及びMTS-β-galを腹腔に投与した時は、肝と腎臓組織表面にβ-gal活性が染色されたが、これはたぶん、腹腔に投与した融合タンパク質のPTDやMTSの細胞表面付着性により現れた現象として考えられる。しかし、CTPを除いたいずれのものも臓器内部まで浸透してβ-gal活性を示した臓器切片はなかった。このような事実は、CTPを薬物伝達システムに使用する場合、臓器内に効果的に浸透して薬効を奏することができるということを示唆する。
実施例10-3:CTPの臓器内特定部位への移動分析
図16は、CTP-β-galを腹腔及び尾静脈に投与したマウスの臓器をX-galで染色した後、染色部位を拡大して見た写真である。Hematoxylene eosin染色(HE staining)から分かるように、各臓器内部は、それなりに独特な組織からなっており、このような組織において、CTPにより運搬されたβ-galは、投与経路に関わらず、特定部位にのみ現れた。従って、投与された融合タンパク質が自由に血液や体液を通じて移動し特定臓器に浸透したというよりは、特定細胞によりこのような臓器内部に運搬されたと推定される。特に、脾臓の場合は、腹腔や静脈投与の両方とも同様なβ-gal染色様相を示して、このような形態は、B cell領域のgerminal centerやT cell領域周辺で現れて、CTPを移動させる細胞が樹枝状細胞または大食細胞である可能性を表す。
実施例11:CTPを利用した細胞質位置タンパク質の機能抑制可能性の確認
XIAP(X-linked inhibitor of apoptosis protein)は、アポトーシスを開示するに重要な役割をするCaspase-9タンパク質と結合し、その機能を阻害することにより、アポトーシスを抑制する。XIAPタンパク質にあるzinc-binding BIRドメインは、procaspase-9タンパク質がプロセシングされて生成されたcaspase-9 smallサブユニットのN-末端と結合することにより、活性形のcaspase-9生成を抑制する。反面、Smac/DIABLOタンパク質のN-末端の7個アミノ酸序列は、XIAPタンパク質と結合することにより、XIAPのアポトーシス抑制機能を阻止する役割をする。即ち、Smac/DIABLOタンパク質は、アポトーシスを促進させる役割を担当するが、この過程にはN-末端の7個アミノ酸序列のみを以ってXIAP機能を抑制するに十分であるということが明かされた(47-50)。
本実施例では、細胞質残留性細胞膜透過ペプチドであるCTPの細胞質残留特性と、これに基づいて導入されたSmac/DIABLOタンパク質のN-末端の7個のアミノ酸序列がXIAPにより抑制されたアポトーシスを促進させるのかを確認した。報告によると、Smac/DIABLOタンパク質のN-末端7個のアミノ酸序列の中で、一番目のアミノ酸であるアラニンがXIAPとの結合に必須的であるため、細胞内導入のためのCTP部位は、Smac/DIABLO C-末端部位に連結しSmac/Diablo-CTP-FITCペプチドを合成して、検出のためにペプチドのC-末端にFITC labelingを添加した:Smac/Diablo-CTP-FITC (AVPIAQKSEGGRRARRRRRRK-FITC)。
pcDNA3-XIAP 10μgを、transfection reagent であるGenePORTER 2を1μg DNA当たり1μlを使用しJurkat E6 (2×105 cell/ml)にtransfectionした後、RPMIに10% FBSを添加したmedia上で二日間37℃で培養した。二日後、1×PBSで2回洗浄し、serum free mediaにSmac/Diablo-CTP-FITCペプチド(HHMI、KECK BIOTECHNOLOGY RESOURCE CENTERで合成)をそれぞれ0.1μg/ml、0.5μg/ml、1μg/ml濃度で37℃で2時間処理した後、細胞の死滅程度を測定するために、culture hood内でUV light(40 W)に50秒間露出させた。6時間後1×PBSで2回洗浄した後、Annexin V-FITC apoptosis detection kit(BD Biosciences Pharmingen. Cot: 556547)を使用し、FACSで細胞の死滅程度を分析した。
図17に示されたように、細胞にXIAP遺伝子を導入するようになると、添加したDNAの濃度によって、UVによる細胞死滅程度が著しく減少し、細胞の生存率が増加するのが見られる。一方、10μg pcDNA-XIAP DNAをtransfectionさせた状態でSmac/Diablo-CTP-FITCペプチドを濃度別に細胞に処理した際、細胞が死滅される速度が大きく増加することを確認することができて、低い濃度の0.1μg/mlでもその効果が非常に大きく現れた。従って、本発明のCTPは、細胞膜透過性が非常に優秀であるだけではなく、細胞質残留性にも非常に優れており、細胞質タンパク質を標的とする研究開発に非常に有用に使用できると期待される。
本発明のCTPの場合は、細胞質に残留して核移動がほとんどないため、遺伝的副作用無しに細胞質の特定タンパク質をターゲッティング(targeting)することができ、細胞質に残留する必要性の高い薬物伝達システムにおいて活用性が非常に高いと期待される。
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従来のPTD及びPTD-5の鎖ホイールプロットである。 PTD−β−ガラクトシダーゼ(β−gal)融合タンパク質及びCTP−β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質の精製度を示す写真である。Mは、prestainマーカー(NEB)であり、1番〜16番レーンは、それぞれPTD-β-ガラクトシダーゼ(β-gal)、β-gal、CTP50-β-gal、CTP501-β-gal、CTP502-β-gal、CTP503-β-gal、CTP504-β-gal、CTP505-β-gal、CTP506-β-gal、CTP507-β-gal、CTP508-β-gal、CTP509-β-gal、CTP510-β-gal、CTP511-β-gal、CTP512-β-gal及びMTS-β-galに対するものである。 PTD及び本発明のCTP(cytoplasmic transduction peptide)の細胞膜透過性を比較できる写真である。1〜16ウェルは、それぞれPTD-β-gal、β-gal、CTP50-β-gal、CTP501-β-gal、CTP502-β-gal、CTP503-β-gal、CTP504-β-gal、CTP505-β-gal、CTP506-β-gal、CTP507-β-gal、CTP508-β-gal、CTP509-β-gal、CTP510-β-gal、CTP511-β-gal、CTP512-β-gal及びMTS-β-galに対するものである。 PTD及び本発明のCTP512の細胞内位置を比較できる写真である。 図4aの結果を示した模式図である。 PTD及び本発明のCTP候補群の細胞内位置を比較できる写真である。 PTD及び本発明のCTP候補群の細胞内位置を比較できる写真である。 PTD-β-gal、MTS-β-gal及びCTP-β-galの細胞膜透過度を示す写真である。 細胞固定の前、トリプシン前処理をしたPTD-β-gal、MTS-β-gal及びCTP-β-galの細胞膜透過度を示す写真である。図6a〜6bにおいて、パネル1〜16は、それぞれPTD-β-gal、MTS-β-gal、CTP501-β-gal、CTP502-β-gal、CTP503-β-gal、CTP504-β-gal、CTP505-β-gal、CTP506-β-gal、CTP507-β-gal、CTP508-β-gal、CTP509-β-gal、CTP510-β-gal、CTP511-β-gal、CTP512-β-gal、CTP513-β-gal及びCTP514-β-galに対するものである。 細胞固定の前、トリプシン前処理をしたPTD-β-gal、MTS-β-gal及びCTP-β-galの細胞膜透過の定量的分析を示すグラフである。 PTD-β-gal及びCTP-β-galの細胞膜透過の速度論的分析を示すグラフである。 PTD-β-gal及びCTP-β-galの細胞内位置を示す共焦点顕微鏡写真である。 PTD-FITC(Fluorescence-iso-thio-cyanate)、MTS-FITC及びCTP-FITCの細胞膜透過度を示すFACS(Fluorescence-activated cell sorter)分析結果グラフである。 PTD-FITC、MTS-FITC及びCTP-FITCの細胞内位置を示す共焦点顕微鏡写真である(細胞固定過程無し)。 HeLa、L929、RENCA、Jurkat細胞株及び脾臓細胞において、PTD-FITC、MTS-FITC及びCTP-FITCの透過度を示すグラフである。グラブ下の数字1〜6は、それぞれ対照群、CTP503-FITC、CTP508-FITC、CTP512-FITC、PTD-FITC及びMTS-FITCに対するものである。 マウスに投与されたCTP-β-galが肝に選好的に移動することを示す写真である。 マウスに投与されたCTP-β-galがリンパ節に選好的に移動することを示す写真である。 マウスに腹腔投与されたCTP-β-galが生体内器官の組織に浸透することを示す写真である。 マウスに静脈投与されたCTP-β-galが生体内器官の組織に浸透することを示す写真である。 マウスに静脈投与されたCTP-β-galが生体内器官の特定部位に集中的に移動することを示す写真である。 細胞質位置タンパク質、XIAP(X-linked inhibitor of an apoptosis protein)の機能がCTP-融合タンパク質により抑制されることを示すグラフである。

Claims (9)

  1. 細胞膜透過能を有して、細胞に処理して一定時間後、前記処理された細胞にタンパク質分解酵素を処理した場合でも細胞膜透過現象を示し、細胞膜を透過した以後には、細胞質に残留する特性を有するペプチドであって、前記ペプチドは、配列番号1から構成されたペプチドであることを特徴とする細胞質残留性細胞膜透過ペプチド。
  2. 細胞膜透過能を有して、細胞に処理して一定時間後、前記処理された細胞にタンパク質分解酵素を処理した場合でも細胞膜透過現象を示し、細胞膜を透過した以後には、細胞質に残留する特性を有するペプチドであって、前記ペプチドは、配列番号2から構成されたペプチドであることを特徴とする細胞質残留性細胞膜透過ペプチド。
  3. 細胞膜透過能を有して、細胞に処理して一定時間後、前記処理された細胞にタンパク質分解酵素を処理した場合でも細胞膜透過現象を示し、細胞膜を透過した以後には、細胞質に残留する特性を有するペプチドであって、前記ペプチドは、配列番号13から構成されたペプチドであることを特徴とする細胞質残留性細胞膜透過ペプチド。
  4. 前記ペプチドは、配列番号1、2及び13から構成された群から選択されるアミノ酸配列を含むペプチドであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つの項に記載の細胞質残留性細胞膜透過ペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つの項に記載の細胞質残留性細胞膜透過ペプチドをエンコードする核酸分子。
  6. 請求項1〜4のいずれか一つの項に記載の細胞質残留性細胞膜透過ペプチドに共有結合された生物学的活性分子を含む細胞質残留細胞膜透過システム。
  7. 請求項6の細胞質残留細胞膜透過システムをヒト細胞を除いた細胞に接触する段階を含む、生物学的活性分子を前記細胞の細胞質に運搬する方法。
  8. 請求項6の細胞質残留細胞膜透過システムをヒトを除いた個体に投与する段階を含む、生物学的活性分子を前記個体の細胞の細胞質に運搬する方法。
  9. 前記細胞は、肝細胞またはリンパ節細胞であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
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