JP4188039B2 - 画像処理装置および画像処理方法並びにそれを備えた画像読取装置、画像形成装置、プログラム、記録媒体 - Google Patents

画像処理装置および画像処理方法並びにそれを備えた画像読取装置、画像形成装置、プログラム、記録媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力画像信号から、網点の線数のレベルを判別しその結果に基づいて適切な処理を行う画像処理装置および画像処理方法並びにそれを備えた画像読取装置、画像形成装置、プログラム、記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルスキャナやデジタルスチルカメラ等のデジタルカラー画像入力装置では、一般的に、入力カラー画像データ(カラー情報)は、色分解系の固体撮像素子(CCD)によって得られる3刺激値の色情報(R、G、B)を、アナログ信号からデジタル信号に変換し入力信号として利用している。この画像入力装置によって入力された信号を最適に表示あるいは出力する場合、読み取り原稿画像内の同一特性を有する小領域ごとに分離が行われる。そして、この特性が同じ領域に対して、最適な画像処理を施すことより良質な画像を再現することが可能である。
【0003】
一般的に、原稿画像を小領域に分離する際には、読み取り原稿画像内に存在する文字領域・網点領域・写真領域(その他の領域)の各領域を局所単位で識別する処理が行われる。識別された各領域は、それぞれの特性をもつ領域ごとに画質向上処理を切り換えることで画像の再現性を高められる。なお、原稿画像は、風景や人工的な形成画像等、画像入力装置で扱える画像全般に当てはめることが可能である。
【0004】
ところで、上記網点領域(画像)の場合、65線/mm、85線/mm、100線/mm、120線/mm、133線/mm、175線/mmと低線数から高線数の網点が用いられている。このため、これらの網点線数を判別し、その結果に応じて適切な処理を行う方法が提案されている。
【0005】
例えば、特開平1−133470号公報には、読み込んだ画像情報と網点プレートから得られる参照データとの相関性を求め、相関性の大小から網点の有無を識別し、更に順次に網点プレートの網点密度(周期)を切り換えて、各密度で得られる相関性の大小を比較し、最も大きな相関性が得られた密度を、網点周期として判別する方法が記載されている。すなわち、当該公報の判別方法は、パターンマッチング処理により原稿画像上の網点の線数を判別している。
【0006】
また、特開平7−220072号公報には、入力画像に対してライン毎の1次元フーリエ変換を行い、該1次元フーリエ変換出力信号を空間周波数毎に分類することにより、入力画像の1次元方向の空間周波数特性を演算検知することにより網点周期を判別する方法が記載されている。すなわち、当該公報の判別方法は、1次元フーリエ変換を用いて網点周期を判別している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、網点検出または網点線数検出に関して、従来はパターンマッチングや周波数解析であるフーリエ変換が用いられてきた。しかし、パターンマッチングを用いた画像識別方法では、数多くのパターンを用意する必要がある。このため、メモリ容量が膨大になったり、汎用性に乏しいといった問題が生じる。また、フーリエ変換を用いた画像識別方法では、ソフトウェアおよびハードウェアで行うにしろ計算が複雑で、高速化が困難な上、安価なシステムで構成することができないといった問題点がある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、周波数解析等の複雑で回路規模の膨大な処理を行うことなく、簡単な構成にて網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定することができる画像処理装置、画像処理方法、画像処理装置を備えた画像読取装置、画像形成装置、画像処理プログラム、およびこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、入力画像データから原稿画像の網点線数を判定することにより、出力画像を得るための出力画像データを生成する画像処理装置において、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を識別する網点線数識別手段を備えていることを特徴としている。
【0010】
上記の発明によれば、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づいて、原稿画像の網点線数が判定される。つまり、従来のように、パターンマッチングや周波数解析といった複雑で回路規模の膨大な処理を行って網点線数を判定する必要はない。
【0011】
したがって、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。すなわち、網点線数に応じた各処理がなされるため、鮮鋭度を保ちながらモアレのない出力画像を得ることが可能となる。
【0012】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記網点線数識別手段は、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像が網点を含むか否かを判定する第1網点判定手段と、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を判定する網点線数判定手段と、上記第1網点判定手段の判定結果に応じて、上記網点線数判定手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0013】
上記の発明によれば、原稿画像の網点領域画素を算出することにより、原稿画像が網点を含むか否かを判定し、網点を含む場合に、網点領域画素の算出結果に基づいて原稿画像の網点線数が判定される。つまり、従来のように、パターンマッチングや周波数解析といった複雑で回路規模の膨大な処理を行って網点線数を判別する必要はない。
【0014】
したがって、原稿画像が網点を含むか否かを判定することにより原稿画像の網点線数判定を行うか否か決定し、網点領域画素の算出結果に基づいて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。
【0015】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記網点線数識別手段は、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像が網点原稿であるか否かを判定する原稿種別自動判別手段と、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を判定する網点線数判定手段と、上記原稿種別自動判別手段の判定結果に応じて、上記網点線数判定手段を制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0016】
上記の発明によれば、原稿画像の網点領域画素を算出することにより、原稿画像が網点原稿か否かを判定して、原稿画像の網点線数が判定される。つまり、従来のように、パターンマッチングや周波数解析といった複雑で回路規模の膨大な処理を行って網点線数を判別する必要はない。なお、網点原稿は、例えば、印刷写真などを示し、文字・網点領域が混在した原稿を含んでいてもよい。
【0017】
したがって、原稿画像が網点原稿であるか否かを判定することにより原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。
【0018】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記網点線数判定手段は、原稿画像の各画素の濃度変化を計数することにより、網点領域画素を判定する網点領域判定手段と、原稿画像の網点線数を判別するための閾値を格納する閾値設定手段と、上記第1網点判定手段または原稿種別自動判別手段により算出される網点領域画素数に対する上記網点線数判定手段により算出される網点領域画素数の比を、上記閾値と比較することにより、網点線数を判別する網点線数判別手段とを備えることを特徴としている。
【0019】
上記の発明によれば、原稿画像の各画素の濃度変化を計数することにより、網点領域画素を判定する。ここで、上記「濃度変化を計数」とは、例えば、原稿画像の反転回数を計数することが挙げられるが、原稿画像の濃度差を計数できれば特に限定されるものではない。原稿画像の反転回数を計数すれば、網点領域画素を判定できる。一般的に、低線数の網点は反転回数が少なく、高線数の網点は反転回数が多い。
【0020】
したがって、原稿画像の濃度変化(例えば、反転回数)を計数することにより、原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。
【0021】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記閾値設定手段は、複数の閾値を格納していることを特徴としている。
【0022】
上記の発明によれば、閾値設定手段が複数の閾値を格納している。
【0023】
したがって、網点線数の判定は、多段階に行われる。その結果、網点線数を細かく判別できる。これにより、一層、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。
【0024】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、第1網点判定手段、上記原稿種別自動判別手段、および上記網点線数判定手段は、入力画像データを2値化データとする2値化処理手段と、上記2値化データにおける2値の切り替わり回数である反転回数を計数する反転回数計数手段とを備え、上記反転回数の最大値または総和により網点領域画素数を算出することを特徴としている。
【0025】
上記の発明によれば、原稿画像を2値化したデータにおける反転回数の最大値または反転回数の総和に基づいて網点領域画素を算出している。
【0026】
したがって、原稿画像を2値化したデータの反転回数の最大値または総和を計数することにより、原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。
【0027】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記の構成において、さらに、上記2値化処理手段による処理の前に、入力画像データのフィルタ処理を行うフィルタ処理手段を備えていることを特徴としている。
【0028】
上記の発明によれば、原稿画像を2値化データとする前に、原稿画像のフィルタ処理が行われる。すなわち、原稿画像はフィルタ処理により画像強調が行われる。
【0029】
したがって、入力画像データは、網点の特徴である特定ピッチでの濃度差が明確になる。これにより、より精度よく反転回数が計数できる。
【0030】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記反転回数計数手段は、原稿画像を構成する1つの画素である注目画素を含む複数の画素からなるブロックに対して、主走査方向、当該主走査方向に対して略垂直方向である副走査方向、および当該副走査方向とは異なる当該主走査方向に対して任意の角度の方向に、反転回数の計数を行うことを特徴としている。
【0031】
上記の発明によれば、反転回数の計数が、主走査方向、副走査方向、および任意の角度の方向に対して行われる。
【0032】
したがって、原稿画像がスクリーン角度を有する網点の場合、または原稿画像の設置方向に関わらず、反転回数を計数できる。それゆえ、精度よく網点線数を判定することができる。
【0033】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記反転回数計数手段は、原稿画像を読み込む条件に応じて反転回数の計数結果を補正する補正手段を備えることを特徴としている。
【0034】
上記の発明によれば、補正手段が反転回数の計数結果を補正する。反転回数はスキャン速度、すなわち副走査方向の倍率によって変化する。例えば、主走査方向と副走査方向との反転回数が同じである原稿画像の場合であっても、縮小時またはプレスキャンのような高速スキャン時は、副走査方向の反転回数が多くなる。逆に、拡大時のような低速スキャン時は、副走査方向の反転回数が少なくなる。このように、スキャン速度に応じて、反転回数の誤差が生じる。
【0035】
したがって、スキャン速度に応じて各走査方向における反転回数の補正を行えば、反転回数の誤差が解消される。その結果、精度よく反転回数を計数できる。これにより、特に、通常スキャンより速い速度のプレスキャンにより反転回数を計数する場合、および、本スキャンにて反転回数を計数する場合、の反転回数の誤差を解消できる。
【0036】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記補正手段は、上記反転回数計数手段により反転回数を計数する全ての方向において、反転回数を計数する対象となる画素数を等しくすることを特徴としている。
【0037】
上記の発明によれば、主走査方向、副走査方向、および斜め方向の全ての方向に反転回数を計数した画素数が同じになるように補正される。ブロック画素に対して斜め方向に反転回数を計数する場合と、主走査方向および副走査方向に反転回数を計数する場合とでは、反転回数の計数対象となる画素数が異なる場合がある。すなわち、各方向に計数された反転回数は、同一条件で計数されていないことがある。したがって、反転回数の最大値が、原稿画像中の反転回数の最大値ではない場合がある。
【0038】
したがって、全ての方向に計数された反転回数は、同一条件で計数される。その結果、常に、原稿画像中の反転回数の最大値を選択することが可能である。これにより、精度よく原稿画像の網点線数が判定することができる。
【0039】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記網点判定手段または上記原稿種別自動判定手段による処理は、画像入力手段により原稿画像を読み込む際の往路時に行い、上記網点線数判定手段による処理は、画像入力手段により原稿画像を読み込む際の復路時に行うことを特徴としている。
【0040】
上記の発明によれば、画像入力手段であるスキャナの往路時には、原稿画像中の網点の判定または原稿種別の判定を行い、スキャナの復路時には網点線数の判定を行う。すなわち、1回のスキャンにより、原稿画像中の網点の判定または原稿種別の判定と、網点線数の判定を行っている。なお、画像入力手段とは、光源、ミラー、レンズ、CCDなどによるスキャナを指す。
【0041】
したがって、本来2回スキャンを行うべきところを1回のスキャンとすることができる。その結果、原稿画像の網点および網点線数の判定に要する時間が短縮できる。これにより、画像形成装置に応用すれば、コピースピードも短縮できる。
【0042】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記網点線数判定手段は、原稿画像における所定の範囲内の画像データを用いて網点線数を判定することを特徴としている。
【0043】
例えば、原稿画像の端などの画像データは、その原稿画像の特徴を代表するものではないことが多い。また、原稿画像の読取り範囲の助走距離範囲内の画像データは、読取り速度が変化しているため、画像データの信頼性が乏しい。
【0044】
上記の発明によれば、網点線数判定手段が、原稿画像における所定の範囲内の画像データを用いて網点線数を判定する。すなわち、原稿画像のうち予め定められたデータ、すなわち、原稿画像の端、および原稿画像の読取り範囲の助走距離範囲を除いた領域の網点線数を判定する。
【0045】
したがって、原稿画像の特徴を表す部分および画像データの信頼性の高い部分の網点線数を判定できる。その結果、精度よく原稿画像の網点線数を判定することができる。
【0046】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記網点判定手段または上記原稿種別自動判別手段により処理を行うために原稿画像を読み取る範囲の画像データと、上記網点線数判定手段により処理を行うために原稿画像を読み取る範囲の画像データとが、略同一であることを特徴としている。
【0047】
上記の発明によれば、上記網点線数判定手段、上記原稿種別自動判別手段、および網点線数判定手段により処理を行う際に読み取る原稿画像の範囲が略等しい。
【0048】
したがって、原稿画像の同じ範囲の画像データを用いて網点線数が判定される。これにより、精度よく原稿画像の網点線数が判定することができる。
【0049】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記制御手段は、上記第1網点判定手段により原稿画像が網点を含む、または上記原稿種別判別手段により原稿画像が網点原稿であると判定された場合、上記第1網点判定手段または原稿種別自動判別手段により網点領域画素と判定するための第1の閾値よりも、上記網点線数判定手段により網点領域画素と判定するための第2の閾値を大きくするように制御することを特徴としている。
【0050】
上記の発明によれば、原稿画像が網点を含むまたは網点原稿である場合、第1の閾値よりも第2の閾値が大きい。すなわち、第1網点判定手段または原稿種別自動判定手段よりも、網点線数判定手段の方が、網点領域画素を判定するレベルが高く設定される。
【0051】
したがって、例えば、反転回数が少ない画素(すなわち、低線数の網点)は、第1網点判定手段では網点領域画素と判定されても、網点線数判定手段では網点領域画素と判定されなくなる。これにより、原稿画像の網点線数が判定することができる。
【0052】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記制御手段は、上記網点判定手段により原稿画像に網点が含まれないと判定された場合、または、上記原稿種別自動判別手段により原稿画像が非網点原稿と判定された場合に、上記網点線数判定手段による処理を行わないように制御することを特徴としている。
【0053】
上記の発明によれば、制御手段が原稿画像が網点を含む場合、または網点原稿である場合にのみ網点線数の判定を行うように制御する。
【0054】
したがって、原稿画像の網点および網点線数の判定に要する時間が短縮できる。これにより、画像形成装置に応用すれば、コピースピードも短縮できる。
【0055】
本発明にかかる画像処理装置は、上記の課題を解決するために、上記したいずれかの画像処理装置を備えることをとしている。
【0056】
上記の発明によれば、本発明の画像読取装置は、上記本発明の画像処理装置を備えている。
【0057】
したがって、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる画像読取装置を提供できる。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。
【0058】
本発明にかかる画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記したいずれかの画像処理装置を備えることを特徴としている。
【0059】
上記の発明によれば、本発明の画像形成装置は、上記本発明の画像処理装置を備えている。
【0060】
したがって、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる画像形成装置を提供できる。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。すなわち、網点線数に応じた各処理がなされるため、鮮鋭度を保ちながらモアレのない出力画像を得ることが可能となる。
【0061】
本発明にかかる画像処理方法は、上記の課題を解決するために、入力画像データから原稿画像の網点線数を判定することにより、出力画像を得るための出力画像データを生成する画像処理方法において、原稿画像の網点領域画素の算出結果に基づき、原稿画像が網点を含むか否かを判定する網点判定処理と原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を判定する網点線数判定処理と、上記網点判定処理の結果に応じて、上記網点線数判定処理を制御する制御処理とを含むことを特徴としている。
【0062】
上記の発明によれば、原稿画像の網点領域画素を算出することにより、原稿画像が網点を含むか否かを判定して、網点を含む場合に、網点領域画素の算出結果に基づいて原稿画像の網点線数が判定される。つまり、従来のように、パターンマッチングや周波数解析といった複雑で回路規模の膨大な処理を行って網点線数を判別する必要はない。
【0063】
したがって、原稿画像が網点を含むか否かを判定することにより原稿画像の網点線数判定を行うか否か決定し、網点領域画素の算出結果に基づいて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。すなわち、網点線数に応じた各処理がなされるため、鮮鋭度を保ちながらモアレのない出力画像を得ることが可能となる。
【0064】
また、本発明にかかる画像処理方法は、上記の課題を解決するために、入力画像データから原稿画像の網点線数を判定することにより、出力画像を得るための出力画像データを生成する画像処理方法において、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像が網点原稿であるか否かを判定する原稿種別自動判別処理と、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を判定する網点線数判定処理と、上記原稿種別自動判別処理の判定結果に応じて、上記網点線数判定処理を制御する制御処理とを含むことを特徴としている。
【0065】
上記の発明によれば、原稿画像の網点領域画素を算出することにより、原稿画像が網点原稿か否かを判定して、網点を含む場合に、網点領域画素の算出結果に基づいて原稿画像の網点線数が判定される。つまり、従来のように、パターンマッチングや周波数解析といった複雑で回路規模の膨大な処理を行って網点線数を判別する必要はない。なお、網点原稿は、例えば、印刷写真などを示し、文字・網点領域が混在した原稿を含んでいてもよい。
【0066】
したがって、原稿画像が網点原稿であるか否かを判定することにより原稿画像の網点線数判定を行うか否か決定し、網点領域画素の算出結果に基づいて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上する。
【0067】
本発明にかかるプログラムは、上記の課題を解決するために、上記したいずれかの画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0068】
上記の発明によれば、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる画像処理方法をコンピュータが読み取り実行することができるプログラムを提供できる。したがって、本発明にかかる画像処理方法を汎用的なものとすることができる。
【0069】
本発明の記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記プログラムをコンピュータに読み取り可能に格納していることを特徴としている。
【0070】
上記の発明によれば、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる画像処理方法のプログラムを容易にコンピュータに供給できる記録媒体を提供できる。
【0071】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0072】
本発明の画像形成装置は、図2に示されるような、タンデム型のデジタルカラー複写機1である。近年、内部装置が小型化され、且つ組装置化(ユニット化)されて比較的安価になったこととも相俟って、タンデム型のカラー画像形成装置が主流となりつつある。まず、タンデム型のデジタルカラー複写機1について説明する。
【0073】
図2は、タンデム方式を適用するデジタルカラー複写機1の主要部の断面図である。デジタルカラー複写機1は、画像形成ステーション200K、210C、220M、230Y、給紙部240、搬送用ベルト250、および定着装置260を備えている。
【0074】
画像形成ステーションは、C・M・Y・K(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー・K:クロ)のそれぞれの画像形成ステーション200K、210C、220M、および230Yを備えている。
【0075】
図2において、画像形成ステーションは、感光体、帯電器、書き込み光学系、現像装置、クリーニング装置から構成されている。画像形成ステーション200Kを例にとると、ドラム状の感光体201Kは図中の矢印D方向に回転し、その周りには少なくとも回転順に帯電器202K、書き込み光学系203K、現像装置204K、クリーニング装置205Kが配置されている。
【0076】
このデジタルカラー複写機1では、帯電器202Kと現像装置204Kとの間の感光体表面に書き込み光学系203Kからレーザー光が照射され、感光体201KにKの静電潜像が形成されるようになっている。
【0077】
このような感光体201Kを中心とした画像形成ステーション200Kと同等の画像形成ステーション210C・220M・230Yが、用紙搬送手段である用紙搬送ベルト250に沿って並置されている。用紙搬送ベルト250は各画像形成ステーションの現像装置とクリーニング装置との間で感光体に当接しており、用紙搬送ベルト250の各感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ローラ206K、216C、226M、236Yが配置されている。各画像形成ステーションは、現像装置内部のトナー色が異なるだけで、その他は全て同様の構成となっている。C・M・Yについても、同様の構成である。
【0078】
図2に示す構成のデジタルカラー複写機1において、画像形成処理は次のようにして行われる。まず、各画像形成ステーション200K、210C、220M、230Cにおいて、感光体201K、211C、221M、231Yが帯電器202K、212C、222M、232Yにより帯電され、次に書き込み光学系203K、213C、223M、233Yからのレーザー光により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
【0079】
次に、現像装置204K、214C、224M、234Yにより静電潜像を現像してトナー像が形成される。現像装置204K、214C、224M、234Yは、それぞれK、C、M、Yのトナーで現像を行う現像装置で、4つの感光体201K、211C、221M、231Y上で作られた各色のトナー像は用紙上で重ねられる。
【0080】
用紙は、給紙部240から上記感光体201K、211C、221M、231Y上への画像形成とタイミングを合わせて、図中矢印E方向へ向け、用紙搬送ベルト250上に送られる。
【0081】
用紙搬送ベルト250上に保持された用紙は搬送されて、各感光体201K、211C、221M、231Yとの当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行われる。感光体201K、211C、221M、231Y上のトナー像は、転写ローラ206K、216C、226M、236Yに印加された転写バイアスと感光体との電位差から形成される電界により、用紙上に転写される。
【0082】
そして、4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙は、定着装置260に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。
【0083】
また、転写部で転写されずに各感光体に残った残留トナーは、クリーニング装置205K、215C、225M、235Yで回収される。
【0084】
なお、図2のデジタルカラー複写機1では、画像形成ユニットは、用紙搬送方向上流側から下流側に向けて、K、C、M、Yの色の順で並んでいるが、この順番に限るものではなく、色の順は任意に設定すればよい。
【0085】
また、上記したように、各画像形成ステーションは現像装置内部のトナー色が異なるだけで、その他は全て同様の構成となっている。そのため各画像形成ステーションの現像装置の回転数も同一回転数に設定されている。
【0086】
次に、デジタルカラー複写機1について、詳細に説明する。デジタルカラー複写機1は、図1にブロック図として示されるような、本発明の画像処理装置の構成が適用されたカラー画像処理装置を備える、デジタルカラー複写機である。最初に、デジタルカラー複写機の構成について説明する。
【0087】
図1に示されるように、デジタルカラー複写機(画像形成装置)1は、カラー画像入力装置2と、カラー画像処理装置3と、カラー画像出力装置4と、操作パネル5とを備えている。
【0088】
カラー画像入力装置(画像入力装置)2は、例えばCCD(Charge Coupled Device)を備えたスキャナ部より構成されている。そして、原稿画像からの反射光像を、RGB(R:赤・G:緑・B:青)のアナログ信号の状態にある入力画像データとしてCCDによって読み込んで、カラー画像処理装置3に入力する。
【0089】
カラー画像処理装置3は、A/D変換部6、シェーディング補正部7、第1網点判定部8、網点線数判定部9、入力階調補正部10、領域分離処理部11、色補正部12、黒生成下色除去部13、空間フィルタ処理部14、出力階調補正部15、および階調再現処理部(中間調生成)16を備えている。そして、カラー画像入力装置2から入力されたRGBアナログ信号を、上記の順で送り、CMYKのデジタルカラー信号として、カラー画像出力装置4へ出力する。このように、カラー画像処理装置3に、カラー画像入力装置2とカラー画像出力装置4とが接続され、全体としてデジタルカラー複写機1を構成している。
【0090】
A/D(アナログ/デジタル)変換部6は、カラー画像入力装置2から出力されたRGBアナログ信号を、デジタル信号に変換する。
【0091】
シェーディング補正部7は、A/D変換部6から入力されたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を行う。また、RGBの反射率信号を濃度信号に変換する。
【0092】
第1網点判定部8は、入力された原稿画像に網点領域が含まれているか否かの判定を行う。加えて、第1網点判定部は、原稿画像の網点領域画素数の算出も行う。そして、網点領域の判定結果に応じて、後段の制御部17に網点線数判定部9のパラメータを変更するような信号を出力する。
【0093】
網点線数判定部9は、制御部17からの信号により変更されたパラメータを用いて網点の線数判定を行う。
【0094】
本発明は、特に、第1網点判定部、網点線数判定部および制御部に関わるものであり、これらの構成例については、後に詳述する。
【0095】
入力階調補正部10は、RGB信号に対して、カラーバランスを整えると同時に、下地濃度の除去やコントラストなどの画質調整処理を行う。
【0096】
領域分離処理部11は、RGB信号より、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、その他(写真など)の領域の何れかに分離する処理を行う。そして、その分離結果に基づき、注目画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、後段の色補正部12、黒生成下色除去部13、空間フィルタ処理部14、および階調再現処理部15へと出力する。さらに、入力階調補正部10より出力された入力信号をそのまま後段の色補正部12に出力する。
【0097】
色補正部12は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うものである。
【0098】
色補正部12は、色再現の忠実化のために、RGB信号(またはRGB信号を補色反転した入力CMY信号)を出力CMY(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)信号に変換する色変換処理を行う。
【0099】
黒生成下色除去部13は、黒生成部と下色除去部とから構成されている。黒生成部は、色補正部12で色変換されたCMY信号と領域識別信号とに基づいて、黒(K)生成処理を行う。下色除去部は、黒信号から計算される下色の量をCMY信号から減算し、新たなCMY信号を生成する処理を行う。これにより、CMYの3色信号はCMYKの4色の信号に変換される。
【0100】
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法(一般的方法)がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC、M、Y、出力されるデータをC'、M'、Y'、K'、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式(1)で表わされる。
【0101】
K'=f{min(C、M、Y)}
C'=C−αK'
M'=M−αK' (1)
Y'=Y−αK'
空間フィルタ処理部14は、領域識別信号および黒生成下色除去部13より入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行う。すなわち、空間周波数特性を補正して、出力画像のぼやけや、粒状性劣化を防ぐように処理する。
【0102】
出力階調補正部15は、濃度信号などをカラー画像出力装置4の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行う。そして、最終的に階調再現処理部14で、画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)がなされる。
【0103】
階調再現処理部16も、空間フィルタ処理部14と同様に、CMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基に所定の処理を施するものである。
【0104】
例えば、領域分離処理部11にて文字に分離された画像領域は、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部14による空間フィルタ処理14における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。同時に、階調再現処理部16では、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
【0105】
また、領域分離処理部11にて網点領域に分離された画像領域は、空間フィルタ処理部14において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部15は、濃度信号などの信号をカラー画像出力装置4の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行った後、階調再現処理部16で、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)を行う。また、領域分離処理部11にてその他の領域に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
【0106】
以上のように、カラー画像処理装置3の各部で各処理が行われたCMYK信号の画像データは、画像出力用データとして、一旦図示しない記憶手段に記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置に入力される。画像出力装置4は、画像データを記録媒体(例えば紙等)上に出力するもので、例えば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置等を挙げることができるが特に限定されるものではない。なお、以上の処理は図示しないCPU(Central Processing Unit)により制御される。
【0107】
このように、カラー画像処理装置(画像処理装置)3は、カラー画像入力装置2から入力された入力画像データに所定の画像処理を行って、カラー画像出力装置4に入力される画像出力用データとする。
【0108】
操作パネル5は、図示しないデジタル複写機1の動作モードを設定する設定ボタンやテンキーなどの入力手段、液晶ディスプレイなどで構成される表示画面を備えている。
【0109】
デジタルカラー複写機1における、第1網点判定部8、網点線数判定部9および制御部17の画像処理は、例えば、図3に示されるフローチャートのように行われる。すなわち、まず、本スキャンに先立ってプレスキャンが行われる(S1)。次に、第1網点判定部8にて、得られた入力信号データから、網点領域画素数の算出および網点領域画素の有無が判定される(S2、S3)。このとき、網点領域画素が無ければ、網点線数判定部9にて網点線数判定は行わず(S4)処理を終了して、本スキャン処理に入る。一方、網点領域画素があれば、制御部17にて、網点線数判定部9のパラメータが変更される(S5)。続いて、変更されたパラメータを用いて、網点線数判定部9では網点線数が判定され(S6)、本スキャンに処理に入る。本スキャン以降の処理は、網点線数判定結果に応じて、後段の領域分離パラメータ・フィルタ係数・ディザパターンなどが選択され、最適な処理が行われる。これにより、網点線数に応じた各処理がなされるため、鮮鋭度を保ちながらモアレのない出力画像を得ることが可能となる。なお、本スキャンは、上記S1〜S6までに得られた原稿画像の情報をもとに最適な画像処理を行うためのスキャンである。
【0110】
また、当然のことながら、本発明の画像処理は、上記の処理に限定されるものではない。図3は、プレスキャンを行う構成について記載しているが、プレスキャンを行わない構成であってもよい。この場合、入力画像データを画像メモリなどの記憶手段に格納しておき、この画像データを用いて網点線数判定処理を行った後、一連の画像処理を行うよう構成にすればよい。
【0111】
次に、本発明の特徴部分である、第1網点判定部8、および網点線数判定部9について詳細に説明する。
【0112】
(1)第1網点判定部
第1網点判定部8は、図4に示されるように、文字領域判定部18、第1網点領域判定部19a、第1判定部20a、および総合判定部21から構成されている。
【0113】
文字領域判定部18は、シェーディング補正されたRGB信号が文字領域画素であるか否かを判定する。同様に、第1網点領域判定部19aは、シェーディング補正されたRGB信号が網点領域画素であるか否かを判定する。
【0114】
第1網点領域判定部19aは、図5に示されるように、2値化処理部27、反転回数計数部28、最大値選択部29、反転回数判定部30、およびパラメータ設定部31aを備えている。
【0115】
2値化処理部27は、注目画素を含むマスク内画素値から算出した、平均値等の値を閾値として入力画像データの2値化を行う。
【0116】
反転回数計数部28は、主走査方向計数部32および副走査方向計数部33とを備えている。そして、上記マスク内画素の主走査方向および副走査方向の各方向における反転回数を計数する。
【0117】
最大値選択部29は、反転回数計数部28における反転回数の結果の最大値を選択する。ここで選択された最大値は、反転回数判定部30にて、パラメータ設定部31に設定されたパラメータ(第1の閾値)と比較される。これにより、網点領域画素であるか、非網点領域画素であるかが判定される。そして、判定信号が第1判定部20aに入力される。
【0118】
第1判定部20aは、文字領域判定部18および第1網点領域判定部19aによる判定結果に基づいて、原稿画像の各画素が、網点領域であるか、文字領域であるか、またはその何れでもないかを判定する。
【0119】
総合判定部21は、原稿画像中の網点の有無を判定する。
【0120】
次に、第1網点判定部8を構成する各部における処理について詳細に説明する。
【0121】
文字領域判定部18の判定方法としては、例えば、本出願人により出願された特願2001−30212の方法を用いることができる。以下、この方法について簡単に説明する。
【0122】
先ず、注目画素を含むn×mのブロック画素(m、nは自然数)において、主走査方向の最小濃度値および最大濃度値の算出し、最小濃度値および最大濃度値より最大濃度差を算出する。次に、隣接する画素の濃度差の絶対値の総和(総和濃度繁雑度)を算出する。そして、最大濃度差と最大濃度差閾値および総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値との比較を行い、最大濃度差が最大濃度差閾値より大きく、且つ、総和濃度繁雑度が総和濃度繁雑度閾値より大きい場合、文字・網点領域であると判定する。
【0123】
さらに、算出された総和濃度繁雑度と、最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値との比較を行い、総和濃度繁雑度の方が小さければ、文字領域であると判定する。
【0124】
これは、文字領域では、最大濃度差が大きく、それに伴い総和濃度繁雑度も大きくなるが、網点領域よりも濃度変化が少ないため、網点領域よりも総和濃度繁雑度は小さくなるという特徴を用いたものである。
【0125】
文字領域判定部の判定方法は、上記のような処理を副走査方向の画素についても同様に行い、各々の判定結果に基づいて注目画素の領域の判定を行うものである。
【0126】
次に、第1網点領域判定部19aの判定方法としては、例えば、図6に示されるフローチャートのように行うことができる。すなわち、まず、2値化処理部27にて、注目画素を含むマスク内画素値から算出した平均値等の値を閾値として、マスク内画素が2値化される(S7)。次に、反転回数計数部28にて、2値化されたマスク内画素から、反転回数(すなわち「0」から「1」、「1」から「0」へ変化した点数)が、主走査方向および副走査方向に計数される(S8)。続いて、最大値選択部29にて、計数された反転回数の最大値(MaxRev)が選択され(S9)、反転回数判定部30にて、反転回数の最大値(MaxRev)とパラメータ設定部31aの第1の閾値(TH1:例えば、4)とが比較される(S10)。そして、反転回数の最大値(MaxRev)が第1の閾値(TH1)より大きければ、網点領域画素であると判定され(S11)、反転回数の最大値(MaxRev)が第1の閾値(TH1)以下であれば、非網点領域画素であると判定される(S12)。
【0127】
次に、第1判定部20の判定方法について説明する。第1判定部20では、文字領域判定部18および第1網点領域判定部19aの判定結果に基づき、原稿画像の各画素の領域を判定する。第1判定部20aでは、例えば、下記の表1に示されるように、原稿画像の各画素が、網点領域、文字領域、その他の領域の、いずれの領域の画素であるかが判定される。なお、本実施形態では、原稿画像に網点領域が含まれているか否かを判定することを目的としているため、表1に示されるように、第1網点領域判定部19aにて原稿画像の注目画素に網点領域が含まれていると判定され(“1”)、かつ、文字領域判定部18にて原稿画像の注目画素に文字領域のも含まれていると判定された(“1”)場合は、当該注目画素は、網点領域であると判定するように設定している。すなわち、第1網点領域判定部19aにて、網点領域画素と判定されると、第1判定部20aにおいても網点領域画素と判定される。
【0128】
【表1】
Figure 0004188039
【0129】
このように、第1判定部20aでは、表1に示される領域判定信号からの判定例のように、各画素それぞれどの領域の画素であるか判定される(ここでは、網点領域画素に対して優先順位を高く設定しているので、文字領域画素判定:1、網点領域画素判定:1の時は網点画素であると判定するようにしている。)。
【0130】
こうして第1判定部20aにて判定された各画素を、文字領域画素カウンタ22、網点領域画素カウンタ23aにてそれぞれカウントアップする。更に、除算器25にて総画素数に対する網点画素数の比を算出する。第2判定部26では、当該総画素数に対する網点画素数の比が所定値(例えば、0.05)より大きければ原稿画像中に網点ありとし、所定値以下であれば原稿画像中に網点なしという判定信号が制御部17に出力される。
【0131】
(2)網点線数判定部
次に、網点線数判定部9について説明する。網点線数判定部9aは、図7に示されるように、第2網点領域判定部34、網点領域画素カウンタ23b、網点線数判別部35、閾値設定部36を備えている。また、制御部17は、後述するパラメータ設定部31bのパラメータを、前述した第1網点判定部8の判定結果に応じて変更する。
【0132】
第2網点領域判定部34は、2値化処理部27、反転回数計数部28、最大値選択部29、反転回数判定部30、およびパラメータ設定部31bとを備えている。すなわち、第2網点領域判定部34の構成は、図5に示される第1網点領域判定部19aの構成と同様である。また、第2網点領域判定部34は、第1網点領域判定部19aと同様に、注目画素が網点領域画素であるか否かを判定する。
【0133】
パラメータ設定部31bには、第2網点領域判定部34に対する処理パラメータ(第2の閾値)が格納されている。このパラメータにより、注目画素が網点領域画素であるか非網点領域画素であるかの判定がなされる。なお、このパラメータは、前述した第1網点判定部8の判定結果に応じて制御部17により変更される。例えば、第1網点判定部8にて原稿画像中に網点有りと判定された場合、制御部17は、パラメータ設定部31bのパラメータを変更する。この場合、パラメータ設定部31bの変更前のパラメータを「2」、変更後のパラメータを「4」のように、変更前より大きい値に設定する。これにより、反転回数が少ない(すなわち低線数網点である)と、網点領域画素と判定しないようにすることができる。
【0134】
網点線数判別部35は、第1網点判定部8の網点領域画素カウンタ23aにて算出した第1網点領域画素数(scr1)と、網点線数判定部9aの網点領域画素カウンタ23bにて算出した第2網点領域画素数(scr2)との比を閾値設定部36に設定された閾値(TH2)と比較することにより、網点線数を判別する。
【0135】
なお、第1網点判定部8の網点領域判定部19aと、第2網点領域判定部34とは、共通とする構成でもよい。また、図4の網点領域画素カウンタ23aと図7の網点領域画素カウンタ23bも共通とする構成としてもよい。この場合、制御部17は、第1網点判定部8にて原稿画像に網点領域画素があると判定された時に、図5のパラメータ設定部31aのパラメータを変更するようにすればよい。
【0136】
次に、網点線数判定部9の別の構成について説明する。図8に示されるように、網点線数判定部9bは、文字領域判定部18、第2網点領域判定部34、第1判定部20b、文字領域画素カウンタ22、網点領域画素カウンタ23c、網点線数判別部35、および閾値設定部36を備えている。図8の網点線数判定部9bは、図4に示される第1網点判定部8の構成、および図7網点線数判定部9aと類似の構成である。しかし、網点線数判定部9bは、図4の第1網点判定部8とは異なり、総画素数カウンタ24、除算器25、および第2判定部25を備えず、網点線数判別部35および閾値設定部36を備えている。また、網点線数判定部9bは、図7の網点線数判定部9aとは異なり、第2網点領域判定部34に加えて、文字領域判定部18、第1判定部20bおよび文字領域画素カウンタ22を備えている。制御部17は、網点線数判定部9aと同様に、第2網点領域判定部34のパラメータを変更するように設定されている。
【0137】
網点線数判定部9bに入力されるシェーディング補正されたRGB信号は、文字領域判定部18にて、注目画素が文字領域画素であるか否か、また第2網点領域判定部34にて、注目画素が網点領域画素であるか否かが判定される。なお、第2網点領域判定部34の構成は、図7で説明した第2網点領域判定部34の構成と同様でよい。
【0138】
これらの判定結果から、第1判定部20bにて、例えば、前述した表1に示される判定例のように、各画素それぞれどの領域の画素であるか判定される。こうして判定された各画素は、文字領域画素カウンタ22および網点領域画素カウンタ23cにてそれぞれカウントアップされる。網点線数判別部35では、第1網点判定部8にて算出した網点領域画素数と、第2網点領域判定部34にて算出した網点領域画素数との比を閾値設定部36の閾値と比較することにより、網点線数を判別する。
【0139】
以上説明した、第1網点判定部8、網点線数判定部9、および制御部17の画像処理(特に、網点線数判定部9での画像処理)は、例えば、図9に示されるフローチャートのように行われる。すなわち、まず、本スキャンに先立ってプレスキャンが行われる(S13)。次に、第1網点判定部8にて、得られた入力信号データから、第1網点領域画素数(scr1)の算出および網点領域画素の有無が判定される(S14、S15)。このとき、原稿画像に網点が無いと判定されると、網点線数判定部9にて網点線数の判定は行わず(S16)、処理を終了して本スキャン処理に入る。一方、原稿画像に網点があると判定されると、制御部17にて網点線数判定部9のパラメータ設定部31のパラメータ(第2の閾値)が変更される(S17)。続いて、変更されたパラメータ(第2の閾値)を用いて、第2網点領域判定部34および網点領域画素カウンタ23にて第2網点領域画素数(scr2)が算出される(S18)。次に、網点線数判別部35にて、第1および第2網点領域画素数(scr1およびscr2)の比(すなわち、第2網点領域画素数/第1網点領域画素数:scr2/scr1)が算出される(S19)。次に、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)と、網点線数判定部9の閾値設定部36に設定される閾値(TH2:例えば、0.25)(閾値の例としては、後述の図10を参照。)とが比較される(S20)。そして、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)が閾値(TH2)より大きければ高線数の網点であると判定され(S21)、本スキャン処理に入る。一方、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)が、閾値(TH2)以下であれば低線数の網点であると判定され(S22)、本スキャン処理に入る。
【0140】
本スキャン以降の処理は、網点線数判定結果に応じて、後段の領域分離パラメータ・フィルタ係数・ディザパターンなどが選択され、最適な処理が行われる。これにより、網点線数に応じた各処理がなされるため、鮮鋭度を保ちながらモアレのない出力画像を得ることが可能となる。なお、本スキャンは、上記S13〜S22までに得られた原稿画像の情報をもとに最適な画像処理を行うためのスキャンである。
【0141】
このように、網点線数判定部9では、低線数の網点は反転回数が少なく、高線数の網点は反転回数が多いという特徴を利用して画像処理が行われる。それゆえ、従来のようにパターンマッチングや、複雑な変換処理をすることなく、簡単な構成にて網点線数の判定を行うことが可能となる。
【0142】
また、図9のフローチャートに示される画像処理は、例えば、図10に示されるフローチャートのように行うこともできる。図10のフローチャートは、網点線数判定部9の閾値設定部36に複数の閾値(TH3〜TH5)を備えている例である。図10に示されるフローチャートにおけるS23〜S29は、図9に示されるフローチャートのS13〜S19に相当するので説明を省略する。図10のフローチャートにおいて、網点線数判別部35にて、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)が算出される(S29)と、次に、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)と、網点線数判定部9の閾値設定部36に設定される閾値(TH3:前述の閾値(TH2)とは異なる)とが比較される(S30)。そして、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)が閾値(TH3)より大きければ高線数の網点と判定され(S31)、本スキャン処理に入る。また、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)が第3の閾値(TH3)以下であれば、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)と閾値設定部36に設定される閾値(TH4)とが比較される(S32)。そして、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)が閾値(TH4)より大きければ、高線数よりの中線数の網点と判定され(S33)、本スキャンに入る。また、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)が閾値(TH4)以下であれば、更に、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)と、閾値設定部36に設定されるの閾値(TH5)とが比較される(S34)。そして、第1および第2網点領域画素数の比(scr2/scr1)が閾値(TH5)より大きければ低線数よりの中線数の網点と判定され(S35)、閾値(TH5)以下であれば低線数の網点であると判定され(S36)、本スキャン処理に入る。
【0143】
閾値(TH3)、閾値(TH4)、および閾値(TH5)の閾値は、TH3>TH4>TH5の条件を満たしていれば、特に限定されるものではない。例えば、TH3=0.40、TH4=0.25、TH5=0.10とすればよい。
【0144】
また、本スキャン以降の処理は、網点線数判定結果に応じて、領域分離パラメータ・フィルタ係数・ディザパターンなどが選択され、最適な処理が行われる。これにより、網点線数に応じた各処理がなされるため、鮮鋭度を保ちながらモアレのない出力画像を得ることが可能となる。
【0145】
さらに、網点線数判定部9における閾値設定部35の閾値を複数設定すれば、原稿画像の判定結果を段階的に出力することが可能となる。したがって、当該閾値を多く設定すればするほど、細かい判定結果をえることが可能である。その結果、より原稿画像の特徴に応じた設定にて画像処理を行うことが可能となり、高画質化が図れる。
【0146】
なお、当然のことながら、本発明の画像処理は、上記の処理に限定されるものでない。図10は、プレスキャンを行う構成にて記載したが、プレスキャンを行わない構成であってもよい。この場合、入力画像データを画像メモリなどの記憶手段に格納しておき、この画像データを用いて網点線数判定処理を行った後、一連の画像処理を行うよう構成すればよい。
【0147】
次に、反転回数計数部28について説明する。反転回数計数部28は、図11に示されるように、主走査方向計数部32および副走査方向計数部33に加えて、斜め方向計数部37aを備えている。
【0148】
反転回数計数部28は、2値化画像から反転回数を、主走査方向、副走査方向、斜め方向の各方向に算出する。なお、図中破線で示したように、n本(nは任意の自然数)の斜め方向計数部37a、37b、…37nを備えて、複数の角度に渡り(複数の方向に)反転回数を算出するような構成であってもよい。これにより、原稿画像がスクリーン角度を有する網点の場合、または原稿画像の設置方向に関わらず、反転回数を計数できる。それゆえ、精度よく網点線数を判定することができる。
【0149】
図12(a)〜図12(d)および図13(a)〜図13(d)には、反転回数計数部28における、各方向の反転回数計数の例が示される。なお、図12および図13において、注目画素を含むブロック画素サイズ(マスクサイズという場合もある)は10×10としている。
【0150】
図12(a)は、主走査方向計数部32の計数方式の例である。a1、a2、a3、………、a10の反転回数計数結果(Hrev1)、b1、b2、b3、………、b10の反転回数計数結果(Hrev2)というふうに、順次、走査方向に反転回数を計数し、走査方向の反転回数計数(Hrev1〜Hrev10)を得る。
【0151】
図12(b)は、副走査方向計数部33の計数方式の例である。この場合も、主走査方向計数部32の場合と同様に、a1、b1、c1、………、j1の反転回数計数結果(Vrev1)、a2、b2、c2、………、j2の反転回数計数結果(Vrev2)というふうに、順次、副走査方向に反転回数を計数し、副走査方向の反転回数計数(Vrev1〜Vrev10)を得る。
【0152】
図12(c)、図12(d)、および図13(a)〜図13(d)は、斜め方向計数部37の計数方式の例である。図12(c)には、斜め45°方向の計数方式の例が示される。a3、b4、c5、………、h10の反転回数計数結果(S1rev1)、a2、b3、c4、………、i10の反転回数計数結果(S1rev2)、a1、b2、c3、………、j10の反転回数計数結果(S1rev3)というふうに、順次、斜め45°方向の反転回数を計数し、斜め45°方向の反転回数計数(S1rev1〜S1rev5)を得る。
【0153】
なお、斜め方向では、1ラインの反転回数計数対象画素数が、S1rev1では8画素、S1rev2では9画素、S1rev3では10画素と異なるので、計数結果を補正してもよい。例えば、下記式(2)および式(3)のように補正することができる。なお、この補正は、図示しない補正部により行えばよい。
S1rev1’= S1rev1 × 10 / 8 ・・・(2)
S1rev2’= S1rev2 × 10 / 9 ・・・(3)
これにより、全ての方向に計数された反転回数計数対象画素数は、同一条件となる。すなわち、反転回数を計数する各方向での反転回数の誤差が解消される。
【0154】
図12(d)には、斜め−45°方向の計数方式の例が示される。a8、b7、c6、………、h1の反転回数計数結果(S2rev1)、a9、b8、c7、………、i1の反転回数計数結果(S2rev2)、a10、b9、c8、 ………、j1の反転回数計数結果(S2rev3)というふうに、順次、斜め−45°方向の判定回数を計数し、斜め−45°方向の反転回数計数(S2rev1〜S2rev5)を得る。この場合の反転回数計数結果も、前述の斜め45°の場合(S1rev1’〜S1rev5’)と同様に、例えば、式(2)および式(3)のように補正してもよい。
【0155】
図13(a)には、斜め約72°方向の計数方式の例が示される。a1、a2、a3、b4、………、d10の反転回数計数結果(S3rev1)、b1、b2、b3、c4、………、e10の反転回数計数結果(S3rev2)というふうに、順次、斜め72°方向の反転回数を計数し、斜め72°方向の反転回数計数(S3rev1〜S3rev7)を得る。
【0156】
図13(b)には、斜め約−72°方向の計数方式の例が示される。この場合も図13(a)の場合と同様に、a10、a9、a8、b7、………、d1の反転回数計数結果(S4rev1)、b10、b9、b8、c7、………、e1の反転回数計数結果(S4rev2)というふうに、順次、斜め−72°方向の反転回数を計数し、斜め−72°方向の反転回数計数(S4rev1〜S4rev7)を得る。
【0157】
図13(c)には、斜め約−22°方向の計数方式が示される。a10、b10、c10、d9、………、j7の反転回数計数結果(S5rev1)、a9、b9、c9、d8、………、j6の反転回数計数結果(S5rev2)というふうに、順次、斜め約−22°方向の反転回数を計数し、斜め約−22°方向の反転回数計数(S5rev1〜S5rev7)を得る。
【0158】
図13(d)には、斜め約63°方向の計数方式が示される。a1、a2、b3、b4、………、e10の反転回数計数結果(S6rev1)、b1、b2、c3、c4、………、f10の反転回数計数結果(S6rev2)というふうに、順次、斜め約63°方向の反転回数を計数し、斜め約63°方向の反転回数計数(S6rev1〜S6rev6)を得る。
【0159】
上記図12および図13の例のように、斜め方向に関しては、任意の角度での反転回数を計数するよう設定しておく。どの角度の方向の計数を行うかは、組み合わせを予め設定しておいてもよいし、任意に選択できるよう構成してもよい。組み合わせを選択する際には、デジタルカラー複写機1に備えられる操作パネル5より入力できるようにすればよい。また、本発明を後述するコンピュータシステムを用いて実現する際には、液晶ディスプレイなどの画像表示装置に組み合わせのパターンを表示し、キーボードやマウスを用いて所望のパターンを選択するようにすれば良い。
【0160】
このようにして算出された、主走査方向、副走査方向、および斜め方向の各方向での反転回数計数結果の中から、最大となる値が最大値選択部にて選択され、反転回数判定部にてパラメータと比較される。
【0161】
次に、図12および図13に示されるような反転計数方式による、網点パターンと反転回数計数の例を、図14および図15を用いて説明する。図14(a)、図14(b)、図15(a)、図15(b)において、反転回数計数方向は、図12および図13の方向、すなわち、主走査方向(図12(a))、副走査方向(図12(b))、斜め±45°(図12(c)、図12(d))、斜め約±72°(図13(a)、図13(b))とする。
【0162】
図14(a)の上段には、マスクサイズが10×10における高線数の網点の例が、下段には上段の高線数の網点における各方向の反転回数の表がそれぞれ示される。この場合の反転回数の最大値は、図中上段の矢印方向および下段の表の斜線部で示される、斜め45°方向(S1rev3)の“9”となる。
【0163】
同様に、図14(b)には、低線数の網点の例と、その各方向反転回数とが示される。この場合の反転回数の最大値は、図中上段の矢印方向および下段の表の斜線部で示される、斜め±45°方向(S1rev2〜S1rev4、S2rev2〜S2rev4)の“4”となる。
【0164】
図14(a)および図14(b)において、例えば、図7のパラメータ設定部41の閾値(第2の閾値)を“4”とすれば、第2網点領域判定部34反転回数の最大値が“9”である図14(a)は網点であると判定され、反転回数の最大値が“4”である図14(b)は網点でないと判定される。
【0165】
図15(a)には、高線数の網点の例と、その各方向反転回数とが示される。この場合の反転回数の最大値は、図中上段の矢印方向および下段の表の斜線部で示される、斜め約72°方向(S3rev1、S3rev5)の“6”となる。
【0166】
また、図15(b)には、低線数網点例と、その各方向反転回数とが示される。この場合の反転回数の最大値は、図中上段の矢印方向および下段の表の斜線部で示される、斜め約72°方向(S3rev1、S3rev2)の“3”となる。
【0167】
図15(a)および図15(b)の場合、主走査方向および副走査方向のみの反転回数の計数結果では、いずれも最大値が“2”となる。このため、高線数、低線数での反転回数の差が検出できない。しかし、斜め方向の反転回数の計数を行えば、こうした場合にも反転回数の差を検出することが可能となる。すなわち、図14(a)および図14(b)の場合と同様に、図7のパラメータ設定部31の閾値が“4”であるとすれば、第2網点線数判定部34にて、反転回数の最大値が“6”である図15(a)は網点であると判定され、反転回数の最大値が“3”である図15(b)は網点でないと判定される。
【0168】
このように、反転回数の計数を、主走査方向、副走査方向のみでなく、任意の角度の方向に対しても行うことにより、原稿画像がスクリーン角度をもつ網点であった場合や、原稿画像が斜めに載置された場合にも、精度良く網点線数の検出を行うことが可能となる。
【0169】
なお、第1網点領域判定部、第2網点領域判定部ともこの構成としてもよく、また、第1網点領域判定部、第2網点領域判定部を共通としてもよい。
【0170】
ところで、反転回数は、スキャン速度すなわち副走査方向の倍率によって変化する。このため、網点線数の判定を、通常速度より速い速度でのプレスキャンデータにて行う場合や、本スキャンデータで行う場合であっても、変倍時には、主走査方向と副走査方向とで倍率が変化する。
【0171】
例えば、図16(a)に示されるような通常速度のスキャンでの画像データを、副走査方向に2倍速スキャン(すなわち倍率50%)した場合のデータが図16(b)に、副走査方向に1/2倍速スキャン(すなわち倍率200%)した場合のデータが図16(c)に示される。図16(a)と、図16(b)または図16(c)とを比較すると、いずれの場合も主走査方向の反転回数は同じであるが、副走査方向での反転回数が異なる。この副走査方向の反転回数は、以下の(4)式により補正することができる。
補正後の反転回数=補正前の反転回数×α×γ/β ・・・(4)
ただし、α=倍率(%)/100、β=副走査方向のマスクサイズ、γ=反転回数計数対象副走査方向サイズとする。なお、反転回数計数対象副走査方向サイズは、反転回数を計数した副走査方向のブロック数を示している。
【0172】
すなわち、図16(b)の場合、α=0.5、β=10、γ=10となり、補正前の反転回数に0.5を乗算した値となる。また、上記(4)式は、斜め方向の反転回数の補正にも同様に適用可能である。例えば、図13(a)の斜め約72°で副走査方向1/2倍速スキャン(すなわち倍率200%)の場合、α=2、β=10、γ=4となり、補正前の反転回数に0.8を乗算した値となる。
【0173】
このように、スキャン速度に応じて、主走査方向、副走査方向、および斜め方向の各方向での反転回数計数結果の補正を行うことで、副走査方向における誤差が解消され、より精度の良い結果が得られる。それゆえ、通常スキャンより速度の速いプレスキャンにて、網点線数の判定を行う構成の場合や、本スキャンにて判定を行う構成での変倍時に、精度よく網点線数を判定できる。
【0174】
なお、第1網点領域判定部19a、第2網点領域判定部34ともこの構成としてもよく、また、第1網点領域判定部および第2網点領域判定部を共通の構成としてもよい。
【0175】
また、ADF(自動原稿画像読取装置)などで、原稿画像を読み取り、粗いデータを基にして前処理を行う場合、すなわち、読取データのサンプリング条件を変えた時も同様である。
【0176】
次に、網点線数判定部9のさらに別の構成について説明する。図17に示されるように、網点線数判定部9cは、図7の網点線数判定部9aの構成に加えて、フィルタ処理部38を備えていてもよい。網点線数判定部9cは、入力データの2値化処理を行う第2網点領域判定部34の前段にフィルタ処理部38を備えている。
【0177】
フィルタ処理部38は、入力信号の2値化処理前に、フィルタ処理にて画像強調を行う。フィルタ処理部38におけるフィルタ係数は、例えば、ラプラシアンフィルタのような、一般的な微分フィルタ処理を行う係数でよい。
【0178】
このように、入力信号の2値化処理前に、フィルタ処理部38にて画像強調を行うことで、網点の特徴である特定ピッチでの濃度差がはっきりする。その結果、反転回数がより精度よく計数できる。
【0179】
なお、第1網点領域判定部19aおよび第2網点領域判定部34ともにフィルタ処理部38を備える構成としてもよく、また、第1網点領域判定部および第2網点領域判定部を共通の構成としてもよい。
【0180】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図18ないし図26に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0181】
図18に示されるように、本実施形態のデジタルカラー複写機(画像形成装置)40は、前述の実施の形態1における第1網点判定部8の代わりに原稿種別自動判別部41を適用するものである。実施の形態1では第1網点判定部8により原稿画像中の網点の有無を判定していたが、本実施形態では、原稿種別自動判別部41により原稿画像の種別を判別する。
【0182】
原稿種別自動判別部41は、原稿画像が、網点原稿または非網点原稿(例えば、文字原稿、印画紙写真原稿など)のいずれの原稿であるかを判別する。そして、この結果、原稿画像が網点原稿と判別された場合は、制御部17に、網点線数判定部9のパラメータ(第2網点領域判定部のパラメータ設定部のパラメータ)を変更するような信号を出力する。
【0183】
すなわち、実施の形態1においては、原稿画像が網点領域を含むか否かを判定し、その判定結果に基づいて、制御部17により網点線数判定部9のパラメータを変更していた。これに対して、本実施形態では、原稿画像が網点画像(印刷写真)、または、文字・網点画像(文字と網点画像が混在した画像)であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて網点線数判定部9のパラメータを変更するものである。なお、本実施形態における原稿画像の読み取り動作については、後述する。
【0184】
次に、原稿種別自動判別部41の構成について説明する。原稿種別自動判別部41は、図20に示されるように、図4に示される第1網点判定部8の構成と同様である。しかし、第1網点判定部8では、総画素数に対する網点領域画素の比と第2判定部26に設定されたパラメータとを比較することにより、原稿画像が網点を含むか否かを判定していた。これに対して、原稿種別判定部41では、総画素数に対する網点領域画素の比を用いて、原稿画像が網点原稿か否かを判定する。
【0185】
原稿種別自動判別部41は、例えば、領域分離に使用されるアルゴリズムでもって、原稿種別を判別することができる。
【0186】
第1網点領域判定部19bの構成は、実施の形態1の第1網点領域判定部19aの構成とほぼ同様である。また、網点領域画素数の判定方法もほぼ同様である。すなわち、図21に示されるように、第1網点領域判定部19bは、2値化処理部27、反転回数計数部28、反転回数総和算出部42、反転回数判定部30、およびパラメータ設定部31aを備えている。図5に示される第1網点領域判定部19aの構成と比較すると、図5の最大値選択部29が図21では反転回数総和算出部42となっている以外は、同様である。
【0187】
反転回数総和算出部42は、注目画素を含むマスク内画素に対して、主走査方向および副走査方向の反転回数を計数する。そして、計数した結果のうち、所定の反転回数以上を示すラインの総和を算出する。算出された総和は、反転回数判定部30にて、パラメータ設定部31に設定されたパラメータaと比較される。これにより、注目画素が、網点領域画素であるか、非網点領域画素であるかが判定される。
【0188】
第1判定部20は、前述のように、文字領域判定部18および第1網点領域判定部19bの判定結果に基づいて、原稿画像の各画素がそれぞれどの領域(本実施形態では、網点領域、文字領域、その他の領域(例えば、印画紙写真など))の画素であるかを判定する。
【0189】
また、総合判定部21は、前述したように、文字領域画素カウンタ、網点領域カウンタ、総画素数カウンタ、除算器、第5判定部を備えている。そして、除算器にて総画素数に対する、文字領域画素、網点領域画素、およびその他の領域の画素がそれぞれ算出される。そして、この結果を元に最終的に原稿画像の種類が判別される。
【0190】
原稿画像は、例えば、文字原稿、網点原稿、文字・網点原稿、文字原稿、その他の原稿に分類することができる。ここで、その他の原稿とは、第1判定部にて網点領域でも文字領域でもないと判定された場合の原稿を意味する。例えば、原稿画像のうち、下地や印画紙写真領域は、その他の領域の画素と判定される。このため、原稿画像では、その大半の画素がその他の領域画素と判定される場合が多い。したがって、例えば、網点領域画素、または文字領域画素が全画素数の1%以上ある場合は、網点原稿、または文字原稿として、原稿画像を分類できる。このような、原稿種別の分類方法の一例を表2に示す。
【0191】
【表2】
Figure 0004188039
【0192】
表2では、原稿画像を4種類(文字原稿、網点原稿、文字・網点原稿、その他の原稿)に分類している。しかし、原稿種別自動判別部41では、網点原稿か非網点原稿かを分類でいればよい。したがって、網点領域が1%以上存在する原稿(すなわち、網点原稿および文字・網点原稿)を網点原稿と判別し、網点領域が1%未満の原稿を非網点原稿と判別できるように設定すればよい。
【0193】
このようにして、原稿種別自動判別部41にて原稿画像が網点原稿であると判定された場合、後段の網点線数判定部9にて網点線数の検出処理が行われる。
【0194】
次に、本実施形態における網点線数判定部9dについて説明する。図22に示されるように、網点線数判定部9dは、前述した図7に示される網点線数判定部と略同様の構成である。ただし、網点線数判定部9dは、第2網点領域判定部34に反転回数総和算出部42を備えている点が異なっている。
【0195】
デジタルカラー複写機40における、原稿種別自動判別部41、網点線数判定部9、および制御部17の画像処理は、例えば、図19に示されるフローチャートのように行われる。図19に示される画像処理は、前述の実施の形態1にて説明した図3に示される画像処理と略同様である。すなわち、まず、本スキャンに先立って第1スキャン(プレスキャン)が行われる(S37)。次に、原稿種別自動判定部41にて、得られた入力信号データから、原稿画像が網点原稿であるか否か判定される(S38、S39)。このとき、網点原稿でないと判定されれば、網点線数判定部9にて網点線数判定は行わず(S40)処理を終了して、本スキャン処理に入る。一方、網点原稿であると判定されれば、制御部17により、網点線数判定部9のパラメータが変更される(S41)。次に、網点線数の判定を行う第2スキャンが実行され、変更されたパラメータを用いて、網点線数判定部9では網点線数が判定され(S42)、本スキャン処理に入る。本スキャン以降の処理は、網点線数判定結果に応じて、後段の領域分離パラメータ・フィルタ係数・ディザパターンなどが選択され、最適な処理が行われる。
【0196】
このように、原稿画像の種別を判別した後、網点線数に応じた各処理がなされるため、鮮鋭度を保ちながらモアレのない出力画像を得ることが可能となる。なお、本スキャンは、上記S37〜S42までに得られた原稿画像の情報をもとに最適な画像処理を行うためのスキャンである。
【0197】
また、第1スキャンでは、文字領域、網点領域、その他の領域の各画素数が算出される。第1スキャンでは、原稿種別の判別が目的であるため、原稿種別判別部41に設定されるパラメータは、いかなる網点であっても検出可能な設定となっている。
【0198】
これに対して、第2スキャンでは、網点線数の検出が目的であるため、網点線数判定部に設定されるパラメータは、制御部により高網点線数のみを検出可能となるように変更される。例えば、網点原稿と判定された場合、原稿種別自動判別部のパラメータよりも網点線数判定部のパラメータが大きくなるように変更される。
【0199】
ここで、具体例を挙げて、原稿種別自動判別部41による原稿画像の判別方法と、網点線数判定部9の判定方法について詳細に説明する。ここでは、原稿種別自動判別部41での閾値を、注目画素を含む7×7のマスク内の平均濃度として原稿画像の2値化を行った結果、白→黒あるいは黒→白へと画素が反転する回数を計数することにする。
【0200】
図23(a)〜図23(c)は、65線(図23(a))、100線(図23(b))、200線(図23(c))といった、低線数から高線数の網点の平均濃度を閾値として、2値化した結果を示したものである。また、欄外には、これらの結果のそれぞれについて、反転回数を計数した結果が示される。
【0201】
これら3つの結果をみると、65線(図23(a))、100線(図23(b))、200線(図21(c))の順に、線数の増加に伴い、反転回数が増加していることがわかる。
【0202】
また、図24は、さらに、いろいろな線数の網点原稿を、図23のように7×7のマスクサイズで反転回数を計数し、その反転回数が2回以上である全画素を検出した例を示している。この結果、所定回数以上(ここでは2回以上)の反転回数を有する数と、網点線数とが相関しているのが分かる。すなわち、図23の場合と同様に、線数の増加に伴い、反転回数が増加している。
【0203】
したがって、この性質を利用して、第2スキャン時の網点検出時における反転回数の設定値(パラメータ設定部の設定値)を第1のスキャン時の設定値よりも大きくすれば、第2スキャンでは低線数の網点は検出されず、高線数の網点のみが検出されることになる。
【0204】
例えば、第1スキャンでは原稿種別を目的とするため、反転回数の設定値を“1”に設定する。これにより、第1スキャンでは、1回以上の反転回数が全て検出される。すなわち、低線数の網点もすべて検出される。一方、第2スキャンでは、所定の網点線数以上を検出することが目的であるため、反転回数の設定値を“2”に設定する。これにより、第1スキャンにおいて網点として検出された反転回数が“1”の部分(マスク画素)は、第2スキャンでは、網点として検出されなくなる。
【0205】
したがって、第1スキャンで網点と判定された画素数に対する、第2スキャンで網点と判定された画素数の比率(網点画素数比)が100%に近い場合は、高線数の網点と判断することができる。逆に、当該比率が0%に近い場合は、低線数の網点と判断することができる。
【0206】
図25には、種々の線数の網点原稿における上記網点画素数の比を縦軸に、網点線数を横軸にしたグラフが示される。図25から明らかなように、網点線数と上記網点画素数比とが、相関している。そして、網点線数は、おおまかに低線数、中線数、高線数の3種類程度に分類することができる。また、図示しないが、中線数は、さらに、実施の形態1のように中線数を高線数よりの中線数と低線数よりの中線数に分類し、全体として4段階に分類することもできる。
【0207】
このように網点の線数を多段階に分けることができると、後段の領域分離パラメータ・フィルタ処理の係数や、中間調処理のディザパターンを最適な設定にすることが可能となる。したがって、領域分離パラメータ・フィルタ処理の係数、中間調処理のディザパターンを最適化した後、最終本スキャン(全画像処理動作)である第3スキャンを行うことにより網点線数に対し、最適な画像処理を施すことが可能となる。これにより、網点線数に応じた各処理がなされるため、鮮鋭度を保ちながらモアレのない出力画像を得ることが可能となる。
【0208】
なお、上記の説明では文字領域判定部と網点領域判定部を設け、文字領域でも網点領域でもない場合をその他領域と判別したが、注目画素を含むn×mのブロックの最大濃度差や総和濃度繁雑度を求め、これらの特徴量を基に写真領域であるか否かを判定する写真領域判定部を文字領域判定部・網点領域判定部と並列に設けるような構成としても良い(実施の形態1参照)。
【0209】
上記の説明では、原稿種別自動判別部41、網点線数判別部9、領域分離処理部を個別に設ける構成について説明した。次に、各処理部にて共通の処理を行い、各処理部を一つの回路で構成しCPUにより処理を切り換えるようにする構成について説明する。
【0210】
図26は、原稿種別自動判別部41、網点線数判定部9、領域分離処理部11の各処理部が一体型となった構成の例を示したものである(図18参照)。この場合、各処理部は、以下の構成からなる。
【0211】
原稿種別自動判別部41は、前述のように、文字領域判定部18、第1網点領域判定部19c、第1判定部20、文字領域画素カウンタ22、網点領域画素カウンタ23g、総画素数カウンタ24、除算器25、第2判定部26から構成される。
【0212】
網点線数判定部9は、文字領域判定部18、第1網点領域判定部19c、第1判定部20、網点領域画素カウンタ23g、網点線数判定部35、閾値設定部36から構成される。
【0213】
領域分離処理部11は、文字領域判定部18、第1網点領域判定部19c、第1判定部20から構成され、例えば、前記表2の判定基準により、原稿画像の領域識別信号が出力される。
【0214】
原稿種別自動判別部41は、第2判定部26から原稿種別判別信号を出力する。
【0215】
網点線数判定部9は、原稿種別自動判別部41の結果より網点原稿が含まれると判断された場合、制御部17にて、網点と判定する際のパラメータ設定部の値が変更される。網点線数判別部35からは、網点線数判別結果が出力される。
【0216】
本発明において、原稿種別の判別方法としては、本実施形態で示したような領域分離処理のアルゴリズムに限定されるものではなく、一般的な方法であるヒストグラムを作成して判別するものであっても良い。本発明を実現する上では、これらの原稿種別の判別方法と共に、網点画素の特徴量(例えば、総和濃度繁雑度やランレングス)を抽出し、この特徴量を用いて網点領域の画素であるか否かを判定する際の判定基準を、原稿種別を判別する時と網点線数の判別を行う時とで変更可能であるならばどのような方法であっても良い。
【0217】
また、第1スキャンで網点画像ではないと判断された場合は、第2スキャンすなわち網点線数検出処理をスキップさせ第3スキャンを行うことにより第2スキャンで要してした時間を短縮することが可能となる。さらに、時間を短縮する方法としては、以下に示すスキャン速度を上げる方法が挙げられる。
【0218】
ここでは、600dpi(dot per inch)の解像度を100mm/s(第3スキャンの速度)で読み取りを行うスキャナを例に挙げて説明する。この場合、本スキャンである第3スキャン以外、すなわち第1、第2スキャンの速度は200mm/sとする。また、CCDからの画像信号タイミングは変更せず、スキャン速度だけ倍速にするため、副走査の解像度は、通常解像度の半分(すなわち300dpi)となる。
【0219】
第1スキャンおよび第2スキャンは、原稿種別判別および網点線数の検出のためだけに行うため、通常解像度の半分でほぼ同等の原稿種別判別及び網点線数の検出結果を得ることが可能である。従って、原稿種別判別及び網点線数検出の精度は落さず、スキャン速度を上昇させた分だけ、時間を短縮できる。
【0220】
さらに、原稿種別判別、網点線数検出に要する時間を短縮する別の方法としては、第2スキャンを第1スキャンのリターン(復路)時に行う方法が挙げられる。この場合、第1スキャンにより検出する画像と、第2スキャンにより検出する画像とは、同サイズ及び同解像度(同スキャン速度)とすることが好ましい。すなわち、原稿画像の同じ範囲の画像データを用いて網点線数が判定されることが好ましい。これにより、精度よく原稿画像の網点線数が判定することができる。
【0221】
このため、第1スキャンのリターン時に第2スキャンを行う場合は、図28に示されるように、フィード(往路)からリターン(復路)に切り換え、第1スキャンと同じスキャンスピードを得るために、原稿読み取り範囲に加えて、助走部分を設けることが好ましい。その理由は、以下に示す通りである。すなわち、スキャナを駆動しているモーターは、等速回転になるまで一定時間を要する。従って、等速回転になるまでの時間は、画像読取り速度が変化することになる。画像読取り速度が変化している状態で原稿画像の読取りを行うと、所望の画像データを読取ることが困難である。従って、等速回転になるまでの時間を助走部分とすることで、適正な画像読取りが可能となる。これにより、精度よく原稿画像の網点線数を判定することができる。なお、助走部分は、網点画像検出に使用しないように制御し第2スキャンを行う。
【0222】
また、第1、第2、第3のスキャン長及びスキャン画像範囲を原稿サイズに応じて切り換えるよう構成とすることにより、A3原稿よりも通常よく使用されるA4原稿のほうが速度アップにつながる。原稿サイズを検知する方法としては、例えば一般的に公知である、原稿台内部に原稿サイズに応じて複数の光電センサを設け光検知の有無により検出する方法を用いれば良い。第3スキャンは原稿画像のサイズ分のスキャンは必要となるが、第1及び第2スキャンの画像サイズは略同等として原稿サイズよりも小さくスキャンしてもよい。
【0223】
以上のように、実施の形態1および実施の形態2では、デジタルカラー複写機(画像形成装置)について説明したが、本発明にかかる画像処理装置は、図27に示されるような、フラットベッド・スキャナ50(画像読取装置)などとして実現することも可能である。図27に示したフラットベッド・スキャナ50(画像読取装置)は、図1または図18のデジタルカラー複写機1および40(画像形成装置)と比較すると、領域分離機能を保持しない(すなわち領域識別信号が出力されない)点が異なるのみであり、装置構成は略同様である。
【0224】
フラットベッド・スキャナ50(画像読取装置)により読み取られた画像データ・原稿種別の判別結果、および網点線数の判別結果は、ネットワークを介して画像処理サーバーやプリンタに、あるいは、SCSI(Small Computer System Interface)やUSB(Universe Serial Bus)などのインターフェースを介してコンピュータに入力される。尚、画像読取装置の画像処理装置としては、図1または図18に記載されている入力階調補正処理部10や領域分離処理部11などを備えるようにしても良い。
【0225】
なお、本発明は、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、画像処理方法を記録するものとすることもできる。
【0226】
この結果、画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
【0227】
なお、本発明においては、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであってもよいし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
【0228】
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0229】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であっても良い。
【0230】
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。
【0231】
上記記録媒体は、デジタルカラー複写機やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
【0232】
コンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラなどの画像入力装置、所定のプログラムがロードされることにより上記画像処理方法など様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置およびコンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタより構成される。さらには、ネットワークを介してサーバーなどに接続するための通信手段としてのモデムなどが備えられる。
【0233】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0234】
【発明の効果】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、入力画像データから原稿画像の網点線数を判定することにより、出力画像を得るための出力画像データを生成する画像処理装置において、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を識別する網点線数識別手段を備えていることを特徴としている。
【0235】
したがって、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できるという効果を奏する。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0236】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記網点線数識別手段は、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像が網点を含むか否かを判定する第1網点判定手段と、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を判定する網点線数判定手段と、上記第1網点判定手段の判定結果に応じて、上記網点線数判定手段を制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0237】
したがって、原稿画像が網点を含むか否かを判定することにより原稿画像の網点線数判定を行うか否か決定し、網点領域画素の算出結果に基づいて、原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できるという効果を奏する。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0238】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記網点線数識別手段は、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像が網点原稿であるか否かを判定する原稿種別自動判別手段と、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を判定する網点線数判定手段と、上記原稿種別自動判別手段の判定結果に応じて、上記網点線数判定手段を制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0239】
したがって、原稿画像が網点原稿であるか否かを判定することにより原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できるという効果を奏する。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0240】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記網点線数判定手段は、原稿画像の各画素の濃度変化を計数することにより、網点領域画素を判定する網点領域判定手段と、原稿画像の網点線数を判別するための閾値を格納する閾値設定手段と、上記第1網点判定手段または原稿種別自動判別手段により算出される網点領域画素数に対する上記網点線数判定手段により算出される網点領域画素数の比を、上記閾値と比較することにより、網点線数を判別する網点線数判別手段とを備えることを特徴としている。
【0241】
したがって、原稿画像の濃度変化(例えば、反転回数)を計数することにより、原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できるという効果を奏する。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0242】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記閾値設定手段は、複数の閾値を格納していることを特徴としている。
【0243】
したがって、網点線数の判定は、多段階に行われる。その結果、網点線数を細かく判別できるという効果を奏する。これにより、一層、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0244】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記第1網点判定手段、上記原稿種別自動判別手段、および上記網点線数判定手段は、入力画像データを2値化データとする2値化処理手段と、上記2値化データにおける2値の切り替わり回数である反転回数を計数する反転回数計数手段とを備え、上記反転回数の最大値または総和により網点領域画素数を算出することを特徴としている。
【0245】
したがって、原稿画像を2値化したデータの反転回数の最大値または総和を計数することにより、原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できるという効果を奏する。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0246】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記の構成において、さらに、上記2値化処理手段による処理の前に、入力画像データのフィルタ処理を行うフィルタ処理手段を備えていることを特徴としている。
【0247】
したがって、入力画像データは、網点の特徴である特定ピッチでの濃度差が明確になる。これにより、より精度よく反転回数が計数できるという効果を奏する。
【0248】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記反転回数計数手段は、原稿画像を構成する1つの画素である注目画素を含む複数の画素からなるブロックに対して、主走査方向、当該主走査方向に対して略垂直方向である副走査方向、および当該副走査方向とは異なる当該主走査方向に対して任意の角度の方向に、反転回数の計数を行うことを特徴としている。
【0249】
したがって、原稿画像がスクリーン角度を有する網点の場合、または原稿画像の設置方向に関わらず、反転回数を計数できるという効果を奏する。それゆえ、精度よく網点線数を判定することができるという効果を奏する。
【0250】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記反転回数計数手段は、原稿画像を読み込む条件に応じて反転回数の計数結果を補正する補正手段を備えることを特徴としている。
【0251】
したがって、スキャン速度に応じて各走査方向における反転回数の補正を行えば、反転回数の誤差が解消される。その結果、精度よく反転回数を計数できるという効果を奏する。これにより、特に、通常スキャンより速い速度のプレスキャンにより反転回数を計数する場合、および、本スキャンにて反転回数を計数する場合、の反転回数の誤差を解消できるという効果を奏する。
【0252】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記補正手段は、上記反転回数計数手段により反転回数を計数する全ての方向において、反転回数を計数する対象となる画素数を等しくすることを特徴としている。
【0253】
したがって、全ての方向に計数された反転回数は、同一条件で計数される。その結果、常に、原稿画像中の反転回数の最大値を選択することが可能である。これにより、精度よく原稿画像の網点線数が判定することができるという効果を奏する。
【0254】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記網点判定手段または上記原稿種別自動判定手段による処理は、画像入力手段により原稿画像を読み込む際の往路時に行い、上記網点線数判定手段による処理は、画像入力手段により原稿画像を読み込む際の復路時に行うことを特徴としている。
【0255】
したがって、本来2回スキャンを行うべきところを1回のスキャンとすることができるという効果を奏する。その結果、原稿画像の網点および網点線数の判定に要する時間が短縮できるという効果を奏する。これにより、画像形成装置に応用すれば、コピースピードも短縮できるという効果を奏する。
【0256】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記網点線数判定手段は、原稿画像における所定の範囲内の画像データを用いて網点線数を判定することを特徴としている。
したがって、原稿画像の特徴を表す部分および画像データの信頼性の高い部分の網点線数を判定できるという効果を奏する。その結果、精度よく原稿画像の網点線数を判定することができるという効果を奏する。
【0257】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記網点判定手段または上記原稿種別自動判別手段により処理を行うために原稿画像を読み取る範囲の画像データと、上記網点線数判定手段により処理を行うために原稿画像を読み取る範囲の画像データとが、略同一であることを特徴としている。
【0258】
したがって、原稿画像の同じ範囲の画像データを用いて網点線数が判定される。これにより、精度よく原稿画像の網点線数が判定することができるという効果を奏する。
【0259】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記制御手段は、上記第1網点判定手段により原稿画像が網点を含む、または上記原稿種別判別手段により原稿画像が網点原稿であると判定された場合、上記第1網点判定手段または原稿種別自動判別手段により網点領域画素と判定するための第1の閾値よりも、上記網点線数判定手段により網点領域画素と判定するための第2の閾値を大きくするように制御することを特徴としている。
【0260】
したがって、例えば、反転回数が少ない画素(すなわち、低線数の網点)は、第1網点判定手段では網点領域画素と判定されても、網点線数判定手段では網点領域画素と判定されなくなる。これにより、原稿画像の網点線数が判定することができるという効果を奏する。
【0261】
本発明にかかる画像処理装置は、以上のように、上記制御手段は、上記網点判定手段により原稿画像に網点が含まれないと判定された場合、または、上記原稿種別自動判別手段により原稿画像が非網点原稿と判定された場合に、上記網点線数判定手段による処理を行わないように制御することを特徴としている。
【0262】
したがって、原稿画像の網点および網点線数の判定に要する時間が短縮できるという効果を奏する。これにより、画像形成装置に応用すれば、コピースピードも短縮できるという効果を奏する。
【0263】
本発明にかかる画像読取装置は、以上のように、上記したいずれかの画像処理装置を備えることをとしている。
【0264】
したがって、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる画像読取装置を提供できるという効果を奏する。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0265】
本発明にかかる画像形成装置は、以上のように、上記したいずれかの画像処理装置を備えることを特徴としている。
【0266】
したがって、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる画像形成装置を提供できるという効果を奏する。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0267】
本発明にかかる画像処理方法は、以上のように、入力画像データから原稿画像の網点線数を判定することにより、出力画像を得るための出力画像データを生成する画像処理方法において、原稿画像の網点領域画素の算出結果に基づき、原稿画像が網点を含むか否かを判定する網点判定処理と原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を判定する網点線数判定処理と、上記網点判定処理の結果に応じて、上記網点線数判定処理を制御する制御処理とを含むことを特徴としている。
【0268】
したがって、原稿画像が網点を含むか否かを判定することにより原稿画像の網点線数判定を行うか否か決定し、網点領域画素の算出結果に基づいて、原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できるという効果を奏する。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0269】
また、本発明にかかる画像処理方法は、以上のように、入力画像データから原稿画像の網点線数を判定することにより、出力画像を得るための出力画像データを生成する画像処理方法において、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像が網点原稿であるか否かを判定する原稿種別自動判別処理と、原稿画像の網点領域画素数の算出結果に基づき、原稿画像の網点線数を判定する網点線数判定処理と、上記原稿種別自動判別処理の判定結果に応じて、上記網点線数判定処理を制御する制御処理とを含むことを特徴としている。
【0270】
したがって、原稿画像が網点原稿であるか否かを判定することにより原稿画像の網点線数判定を行うか否か決定し、網点領域画素の算出結果に基づいて、原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できるという効果を奏する。これにより、判定された網点線数に適した画像処理を行うことができるので、出力画像の画質が向上するという効果を奏する。
【0271】
本発明にかかるプログラムは、以上のように、上記したいずれかの画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0272】
したがって、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる画像処理方法をコンピュータが読み取り実行することができるプログラムを提供できるという効果を奏する。それゆえ、本発明にかかる画像処理方法を汎用的なものとすることができるという効果を奏する。
【0273】
本発明の記録媒体は、以上のように、上記プログラムをコンピュータに読み取り可能に格納していることを特徴としている。
【0274】
したがって、簡単な構成にて原稿画像中の網点の特徴量を抽出し、網点線数を判定できる画像処理方法のプログラムを容易にコンピュータに供給できる記録媒体を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるカラー画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるタンデム方式を適用したカラー画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図3】図1の第1網点判定部、網点線数判定部、および制御部における画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図1の第1網点判定部の構成を示すブロック図である。
【図5】図4の網点領域判定部の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の網点領域判定部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図1の網点線数判定部の構成を示すブロック図である。
【図8】図1の網点線数判定部の別の構成を示すブロック図である。
【図9】図7または図8における網点線数の判定の流れを示すフローチャートである。
【図10】図7または図8における別の網点線数の判定の流れを示すフローチャートである。
【図11】図7または図8の反転回数計数部の構成を示すブロック図である。
【図12】図11の反転回数計数部における反転回数の計数方法を示す図であり、図12(a)は主走査方向に反転回数を計数する例であり、図12(b)は副走査方向に反転回数を計数する例であり、図12(c)は斜め+45°方向に反転回数を計数する例であり、図12(d)は斜め−45°方向に反転回数を計数する例である。
【図13】図11の反転回数計数部における反転回数の計数方法を示す図であり、図13(a)は斜め+72°方向に反転回数を計数する例であり、図13(b)斜め−72°方向に反転回数を計数する例であり、図13(c)斜め約−22°方向に反転回数を計数する例であり、図13(d)は斜め約+63°方向に反転回数を計数する例である。
【図14】図12(a)〜図13(b)の反転回数計数方法により、網点パターンの反転回数を計数した結果を示す図である。
【図15】図12(a)〜図13(d)の反転回数計数方法により、網点パターンの反転回数を計数した結果を示す図である。
【図16】同一の画像データについてスキャン速度を変化させた場合における反転回数の計数結果を示す図であり、図16(a)は通常のスキャン速度の場合における反転回数の計数結果であり、図16(b)は副走査方向に通常の2倍のスキャン速度の場合における反転回数の計数結果を示す図であり、図16(c)は副走査方向に通常の0.5倍のスキャン速度の場合における反転回数の計数結果を示す図である。
【図17】図1の網点線数判定部の別の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態2におけるカラー画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図19】図18の原稿種別自動判別部、網点線数判定部、および制御部における画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】図18の原稿種別自動判別部の構成を示すブロック図である。
【図21】図20の第1網点領域判定部の構成を示すブロック図である。
【図22】図18の網点線数判定部の構成を示すブロック図である。
【図23】種々の網点線数の画像データを平均濃度を閾値として2値化した結果を示す図であり、図23(a)は65線の網点を2値化した結果であり、図23(b)は100線の網点を2値化した結果であり、図23(c)は200線の網点を2値化した結果である。
【図24】網点線数と反転回数との関係を示したグラフである。
【図25】網点線数と網点領域画素比との関係を示したグラフである。
【図26】図16の原稿自動種別判別部、網点線数判別部、領域分離処理部を1つの回路により構成したブロック図である。
【図27】本発明の実施の一形態にかかる画像読取装置の構成を示すブロック図である。
【図28】本発明の実施の一形態にかかる画像処理に要する時間を短縮する方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 デジタルカラー複写機(画像形成装置)
8 第1網点判定部(第1網点判定手段、網点線数識別手段)
9 網点線数判定部(網点線数判定手段、網点線数識別手段)
17 制御部(制御手段、網点線数識別手段)
19 第1網点領域判定部(網点領域判定手段)
27 2値化処理部(2値化処理手段)
28 反転回数計数部(反転回数系数手段)
35 網点線数判別部(網点線数判別手段)
36 閾値設定部(閾値設定手段)
38 フィルタ処理部(フィルタ処理手段)
40 デジタルカラー複写機(画像形成装置)
41 原稿種別自動判別部(原稿種別自動判別手段、網点線数識別手段)
50 フラットベッド・スキャナ(画像読取装置)

Claims (18)

  1. 入力画像データから原稿画像の網点線数を判定し、判定結果に応じた処理を行って、出力画像を得るための出力画像データを生成する画像処理装置において、
    入力画像データに対し、n×m(m、nは自然数)マスクを用いて、マスク内の全画素の2値化した画素値を基に画素値の反転回数を計測し、これを第1の閾値と比較し、第1の閾値よりも大きければ、マスク内の注目画素が網点領域画素であると判定する第1網点領域画素判定手段と、
    前記入力画像データにおける、前記第1網点領域画素判定手段にて網点領域画素であると判定された第1網点領域画素数を計測する第1網点領域画素数計測手段と、
    前記入力画像データに対し、n×mマスクのマスクを用いて、マスク内の全画素の2値化した画素値を基に画素値の反転回数を計測し、これを第1の閾値よりも大きい第2の閾値と比較し、第2の閾値よりも大きければ、マスク内の注目画素が網点領域画素であると判定する第2網点領域画素判定手段と、
    前記入力画像データにおける、前記第2網点領域画素判定手段にて網点領域画素であると判定された第2網点領域画素数を計測する第2網点領域画素数計測手段と、
    第1網点領域画素数計測手段にて計測された第1網点領域画素数と第2網点領域画素数計測手段にて計測された第2網点領域画素数の比と、第3の閾値とを比較して、予め段階的に定めた網点線数のいずれの範囲に入るかを判別する網点線数判別手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記網点線数判別手段は、前記第3の閾値を複数有しており、複数の第3の閾値を用いて、3段階以上に定められた網点線数のいずれの範囲に入るかを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1網点領域画素判定手段と前記第2網点領域画素判定手段とは、1つの網点領域画素判定手段より構成されると共に、
    第1網点領域画素数計測手段と第2網点領域画素数計測手段も、1つの網点領域画素計測手段より構成されており、
    網点領域画素判定手段が用いる閾値を、切り換える制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 第1網点領域画素数計測手段の計測結果に基づいて、当該原稿画像が網点原稿であるか否かを判定する網点原稿判定手段を備え、
    前記網点原稿判定手段にて網点原稿ではないと判定されると、前記第2網点領域画素判定手段、前記第2網点領域画素数計測手段、及び網点線数判別手段による各処理を実施しないことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1網点領域画素判定手段及び前記第2網点領域画素判定手段は、前記第1或いは前記第2の閾値と比較される前記反転回数の計測結果として、反転回数の最大値或いは総和を用いることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像処理装置。
  6. 入力画像データを2値化する前に、入力画像データのフィルタ処理を行うフィルタ処理手段を備えていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記第1網点領域画素判定手段及び第2網点領域画素判定手段は、前記マスク内の画素に対して、主走査方向、当該主走査方向に対して略垂直方向である副走査方向、及び当該副走査方向とは異なる前記主走査方向に対して任意の角度の方向に、反転回数の計数を行うことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記第1網点領域画素判定手段及び第2網点領域画素判定手段は、原稿画像を読み込む条件に応じて反転回数の計数結果を補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記補正手段は、反転回数を計数する全ての方向において、反転回数を計数する対象となる画素数を等しくすることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記第1網点領域画素判定手段、及び前記第1網点領域画素数計測手段による各処理は、画像入力手段により原稿画像を読み込む際の往路時に行い、
    前記第2網点領域画素判定手段、前記第2網点領域画素数計測手段、及び前記網点線数判別手段による各処理は、前記画像入力手段より原稿画像を読み込む際の復路時に行うことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記第1網点領域画素判定手段及び第2網点領域画素判定手段は、原稿画像における所定の範囲の画像データについて、網点領域画素であるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記第1網点領域画素判定手段及び第2網点領域画素判定手段は、原稿画像における略同一の範囲の画像データについて、網点領域画素であるか否かを判定することを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 前記第1網点領域画素判定手段が、原稿画像の種別を判別する原稿画像自動判別手段に含まれることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像処理装置。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の画像処理装置を備えることを特徴とする画像読取装置。
  15. 請求項1〜13の何れか1項に記載の画像処理装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  16. 入力画像データから原稿画像の網点線数を判定し、判定結果に応じた処理を行って、出力画像を得るための出力画像データを生成する画像処理方法において、
    入力画像データに対し、n×m(m、nは自然数)マスクを用いて、マスク内の全画素の2値化した画素値を基に画素値の反転回数を計測し、これを第1の閾値と比較し、第1の閾値よりも大きければ、マスク内の注目画素が網点領域画素であると判定する第1網点領域画素判定処理と、
    前記入力画像データにおける、前記第1網点領域画素判定処理にて網点領域画素であると判定された第1網点領域画素数を計測する第1網点領域画素数計測処理と、
    前記入力画像データに対し、n×mマスクのマスクを用いて、マスク内の全画素の2値化した画素値を基に画素値の反転回数を計測し、これを第1の閾値よりも大きい第2の閾値と比較し、第2の閾値よりも大きければ、マスク内の注目画素が網点領域画素であると判定する第2網点領域画素判定処理と、
    前記入力画像データにおける、前記第2網点領域画素判定処理にて網点領域画素であると判定された第2網点領域画素数を計測する第2網点領域画素数計測処理と、
    第1網点領域画素数計測処理にて計測された第1網点領域画素数と第2網点領域画素数計測処理にて計測された第2網点領域画素数の比と、第3の閾値とを比較して、予め段階的に定めた網点線数のいずれの範囲に入るかを判別する網点線数判別処理と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  17. 請求項1〜13の何れか1項に記載の画像処理装置を動作させるプログラムであって、 コンピュータを上記の各手段として機能させるためのプログラム。
  18. 請求項17に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
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