JP4186262B2 - 積層体および積層体の積層数検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層体に含まれる金属線の存在を非破壊で検出するための積層体であって、非金属性のシート材からなる積層体および積層体の積層数や積層方向を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、新たな機能や性能を有する材料が造り出され、強度や弾性率といった機械的特性や耐熱性、耐久性、紫外線遮蔽性などの特性が異なるシート材を積層、一体化することが行われている。
【0003】
たとえば、ポリマーからなるフイルムは、ポリマーの種類や、また同じポリマーであっても延伸の方向や延伸度合いによって分子配向が異なり、種々の光学的性質や機械的性質を持つフイルムが得られる。このような性質の異なる数種類のフィルムを必要に応じて多数枚積層、接着一体化して新たな特性を有するフイルムが作られている。
【0004】
また、合成繊維織物からなる帆布などは、織物はたて方向、よこ方向の繊維が配向している方向は伸びが小さく、引張強度が高いなど機械的特性に優れるが、繊維が配向していないバイアス方向は機械的特性に劣る。したがって、帆布として面方向に等方性の機械的特性となるように、たとえば、帆布の長さ方向に対して繊維配向が0゜/90゜と+45゜/−45゜となるように、また織物の1枚当たりの厚さに制限があるので所定の機械的特性となるように何枚も積層し、縫い糸で縫合一体化されている。
【0005】
また、繊維強化プラスチックの分野では、たとえば一方向に炭素繊維が並行に配列し、Bステージ状態のエポキシ樹脂が含浸したプリプレグを所望の方向に繊維が配向するように多数枚積層し、オートクレーブ成形で樹脂を硬化し、航空機の桁などの構造材が製造されている。しかしながら、これらの積層体は、シート状物の積層の方向や積層枚数の設定が人為的な作業によって行われるので、間違えて製造される可能性もある。このようなことから航空機の1次構造体となる桁などは、桁の端からサンプルを切り出し、樹脂を燃やして、焼け残った炭素繊維の積層の方向や積層枚数を確認することも行われている。
【0006】
また、最近、コンクリート構造物の補修・補強を、炭素繊維などの強化繊維が一方向に並行に配列したシート材を構造物に貼り、常温硬化型のエポキシ樹脂を含浸、硬化させて補強することが行われている。この場合のシート材積層体の層数確認は、たとえば1層積層作業が完了するごとに写真撮影する方法で行われているが、非常に厄介である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術における上述した問題点を解決し、シート材からなる積層体の積層数や積層方向を非破壊で簡便に検出することが可能な積層体およびその検出方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、積層体に含まれる金属線の存在を非破壊で検出するための積層体であって、金属線が等間隔に挿入された非金属性シート材が、金属線の挿入位置がほぼ同じ間隔でずれるように積層されていることを特徴とする積層体を特徴とする。
【0009】
また、上記積層体の金属線の存在を検出手段で非破壊で感知し、シート材の積層数を検出することを特徴とする方法からなる。
【0010】
本発明に係わる検出手段は、
A法;検出手段は金属探知法であり、金属線を磁界内に導入し、磁界を乱すので感知する方法、
B法;検出手段は赤外線カメラであり、金属線を電磁誘導によって発熱させ、該発熱部分を赤外線放射温度計で検出する方法、
C法;検出手段は赤外線カメラであり、金属線に通電発熱し、該発熱部分を赤外線放射温度計で検出する方法、
のいずれかを特徴とする方法からなる。
【0011】
さらに、上記シート材の積層体は、金属線の挿入位置が2〜10cmずれるように基材を積層することが好ましい。
【0012】
特に、金属線が磁界の乱れや電磁誘導発熱を生じることを利用して感知を行う場合には、金属線は強磁性体であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に基づいて、本発明の積層体および積層数検出方法に関わる1実施例として、コンクリート構造物を一方向に強化繊維が配列したシート材で補修・補強するケースについて説明する。
【0014】
まず、プライマーが塗布されたコンクリート構造物1の表面2にエポキシ樹脂などの常温硬化型の樹脂を塗布したのち、予め金属線4が強化繊維シート材3の幅方向に挿入された1層目シート状物3a をコンクリート構造物の長さ方向に、強化繊維の方向が構造物の長さ方向になるように貼り、さらにこの上にエポキシ樹脂を塗布した後、含浸ローラを掛けシート材に樹脂を含浸させる。次にこの上に2層目シート材3b を強化繊維の方向が3a と同じになるように、かつ2層目のシート状物の金属線3b が互いに重ならないように、金属線4a と金属線4b が間隔Aずれるように、また金属繊維が互いに並行になるように積層し、1層目と同じように樹脂の塗布、含浸を行う。これを金属線の挿入位置が間隔Aずれるように繰り返して所定の枚数を積層、樹脂の塗布、含浸を行い、常温で樹脂を硬化させることによって、コンクリート構造物を補強する、繊維強化プラスチック(以下FRPと呼称する)積層体5が得られる。
【0015】
あとで検出方法の詳細について説明するが、このFRPの上部に金属線の存在を検出する検出手段のセンサー6を設置または移動させ、FRPに埋め込まれた金属線挿入箇所の数を把握することによって、強化繊維シート材の積層数を非破壊で検出することが出来るのである。なお、同一シート材内に配列される金属線の間隔、つまり1周期内に含まれる金属線の本数を層数とすれば、間違えること無く簡便に層数検出が可能となる。
【0016】
本発明の積層体では、積層の際に金属線の挿入位置をずらす間隔Aは、2〜10cmの範囲で、1層目、2層目、3層目・・・の金属線4a 、4b 、4c ・・・の間隔はほぼ同じになっていると好ましい。FRP中の金属線の位置を、FRPの厚さ方向から感知するため、金属線が2cm以下の間隔で配列していると、検出手段の感度にもよるが、層ごとの金属線を識別できなくなるので好ましくない。一方、10cm以上の間隔は、積層数が多くなると、1層目から最終層nまでの金属線の距離が、10×( n−1) cmで増えて非常に大きくなり、積層数の検出が面倒になる。2〜10cmの間隔があれば、複数の金属線の区別が可能で、かつ感知が正確かつ容易に行えるのでよい。
【0017】
なお、金属線の1箇所の挿入位置で金属線が多数本挿入されている場合は、上記の積層の際に金属線の挿入位置をずらす間隔Aとは、各層における挿入箇所での1本目の金属線からの距離を示す。
【0018】
また、本発明の積層体で金属線を同一シート材内に配列する間隔Bは、検出しようとする層数によっても異なるが、検出の効率化を考え、できるだけ小さくなるように設定すればよいが、3〜100cmの範囲の等間隔とするのがよい。金属線の配列間隔が3cm以下では1層目と2層目の金属線とのずれが小さくなったり、また重なったりして挿入箇所が識別出来なくなるので好ましくない。また、100cm以上となると検出可能な層数は増えるが、1周期の距離が大きくなるので検出作業が面倒となる。
【0019】
また、金属線が等間隔に配列され、各層の金属線のずれがほぼ同じになるように積層されておれば、1周期の間隔がどこの位置でも同じなので、正確に層数を検出することが可能となる。
【0020】
なお、金属線の1箇所の挿入位置で金属線が多数本挿入されている場合は、上記の金属線を同一シート材内に配列する間隔Bとは、図2に示すように、金属線の挿入箇所での1本目の金属線からの距離を示す。
【0021】
また、図1では金属線のシート材への配列方向が、シート材の幅方向に挿入された例について説明したが、シート材の長さ方向に配列していてもよく、とくに限定はしない。
【0022】
つぎに、本発明に使用するシート材を説明するに、一方向に並行に強化繊維が配列し、接着剤によりガラスメッシュなどの支持体に接着固定されたトウシートや強化繊維がBステージ状態の熱硬化性樹脂で一体化してなるプリプレグ、あるいは織物がよい。
【0023】
トウシートやプリプレグは、強化繊維がそれぞれ接着剤、未硬化のマトリックス樹脂により固定されているので、金属線も同様に基材内に固定することができる。
【0024】
また、図3は本発明に使用する織物の1実施例を示したものだが、たて糸7の強化繊維とよこ糸8の補助糸の交錯によってシート材を形成している。また、よこ方向に配列した金属線4も2本引き揃えられて、たて糸7との交錯によってシート材内に固定されている。たて糸と金属線の交錯は、前記トウシートやプリプレグの接着剤などと異なり、金属線の固定が強固で剥がれることはない。
【0025】
さらに、たて糸とよこ糸および金属線の交錯点を接着剤9で固定する、いわゆる目どめを行うと、取扱いによって金属線の位置が変わること無く、またシート材の形態を安定させることが出来る。なお、目どめ剤としては、共重合ナイロン、共重合ポリエステル、ポリエチレンなどの低融点ポリマーが挙げられる。
【0026】
本発明に用いる強化繊維としては、高強度で高弾性率であるポリアラミド繊維やガラス繊維、炭素繊維であり、なかでも、JIS R 7601法による引張強度が4,500MPa以上、引張弾性率が200GPa以上の炭素繊維は、高強度で高弾性率であり、また、耐衝撃性にも優れるのでよい。
【0027】
また、織物に用いる補助糸として、ガラス繊維やアラミド繊維、炭素繊維などの曲げ剛性の高い繊維が好ましく、中でも、安価なガラス繊維が好ましい。
【0028】
本発明に用いるシート材の強化繊維の目付としては、100〜1000g/m2 の範囲が好ましい。100g/m2 未満では、樹脂含浸しやすい点では好ましいが、所定の強化繊維量とするのに必要な基材の数が増えるので、FRPを成形する際の積層回数が増えて成形作業が厄介となる。一方、1000g/m2 以上の目付では、必要な基材の数が少なく、感知する金属線は少なくて済むが、基材への樹脂含浸が困難になる。
【0029】
より好ましい強化繊維の目付の範囲は200〜400g/m2である。200〜400g/m2であると、樹脂含浸作業が少々粗雑であっても、シート材に付着した樹脂が常温硬化するまでに毛細管現象によりシート材の強化繊維への含浸が進行するので、所定の機械的特性が得られる。上記において、一方向に強化繊維が配列した一方向シート材について説明したが、強化繊維が、シート材の長さ方向と幅方向に配列した二方向織物であっても良い。
【0030】
また、シート状物の積層方向は、積層体の長さ方向である0゜のみの一方向積層、長さ方向と幅方向である0、90゜の二方向積層、またこれに±α゜の方向を加えた多方向積層などにすることが出来、積層体中の金属線の数や方向を検知すれば、任意の方向についてシート状物の積層数を検出できる。
【0031】
とくに、強化繊維が長手方向の一方向に配列したシート材は、前記強化繊維の配列方向(0°)には引張り強度や引張り弾性率などの機械的性質に優れるが、この方向がずれて90°に近づくにつれて機械的性質は大きく低下する。積層の方向は大きくFRPの機械的性質を支配するので重要な要因である。従って、FRPにおける積層数のみならず積層方向を正確に把握することは、FRPからなる構造体の信頼性を確保するためには重要なことである。
【0032】
本発明のFRPに用いられるマトリックス樹脂としては、エポキシ、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、フェノールなどの熱硬化性樹脂が挙げられるが、耐火性が必要な場合にはフェノール樹脂、コンクリート構造物に使用される場合には接着力や耐アルカリ性に優れた常温硬化型のエポキシ樹脂が好ましい。
【0033】
本発明の積層体に使用するシート材は、上記では強化繊維からなるシート材について記載したが、紙、天然繊維や合成繊維からなる織物や編み物、セロファン、各種プラスチックフィルム、不織布、合成紙や強化繊維が長手方向と幅方向の二方向に配列した強化繊維織物であってもよい。
【0034】
本発明で使用する金属線は、直径が0.3mm以下の白金、タングステン、モリブデン、ニッケル、銀、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、銅、鋼、及び、これらの合金などからなる線材であり、この中でも、電気抵抗が大きくて発熱量が大きいニクロム線が好ましい。
【0035】
また、磁界を乱したり、電磁誘導によって発熱する性質を利用して金属線を感知する場合には、磁界によって容易に磁化されるて、検知が容易となる鉄、コバルト、ニッケル、テルビウム、カドリニウム、ホルミウム、エルビウム、及び、これらの合金、並びに酸化クロムIV(CrO2 )などの強磁性体からなる線材がよく、なかでも鉄線又はその合金が安価であり好ましい。
【0036】
但し、挿入箇所での金属線の断面積が小さいと感知が困難となり、また太過ぎると金属線の剛性が高くなってシート材と一体にしにくくなってしまうし、挿入箇所が凸状に盛り上がるので好ましくない。従って、金属線は、断面積が0.005〜0.07mm2 の単線を挿入するとよい。また、挿入箇所が凸状に盛り上がるのを抑え、且つ、金属感知しやすくする手段として、扁平な金属線を用いる手段が挙げられる。特にA法の検出手段は金属探知法であり、金属線を磁界内に導入し、磁界を乱すので感知する方法において好ましい。かかる扁平な金属線は、金属部分が一体となって扁平形状していても良いし、複数本の金属線が被覆材により一体となって、全体として扁平形状していても良い。しかし、製作のし易さなどを考慮すれば、複数本の金属線あるいは複数本の被覆された金属線が群をなして全体として扁平形状を形成する方が好ましい。
【0037】
前記扁平な形状としては、金属線の合計断面積が0.005〜0.07mm2であって、扁平形状の幅は5mm以下が好ましく、扁平形状の高さはシート材厚みの10〜100%が好ましい。前記幅が5mm以上、あるいは前記高さがシート材の厚みの10%以下であると、金属線の検出が正常にできなくなるので好ましくなく、また、前記高さがシート材厚みの100%以上となると金属線挿入部が凸部に盛り上がる問題があるので好ましくない。なお、シート材の厚みはJIS−R7602「炭素繊維織物の試験法」に準拠して測定した値である。
【0038】
複数本の金属線あるいは複数本の被覆された金属線を用いて、扁平な金属線を形成する場合、2〜4本シート材と並行になるように挿入するとよい。
【0039】
上記のように、本発明では金属線の挿入位置には必ずしも1本ではなく、10mm程度の間隔に多数本集中して挿入されていてもよい。
【0040】
本発明における金属線は積層体において異物であり、シート材の積層数などの検出を目的とするものなので、強化繊維に占める体積割合は4%以下であることが好ましい。
【0041】
本発明において強化繊維に炭素繊維を使用し、金属線と炭素繊維の電位が異なるので電流が流れ、金属線が電蝕で錆びてしまい、炭素繊維強化プラスチックの変色や物性へ悪影響する。従って、金属線の周囲に絶縁被覆をすることが好ましく、特に、被覆率100%とすると電蝕防止が確実となるのでよい。
【0042】
絶縁性被覆材としては、樹脂を透過する繊維状物がよく、これを金属線周囲に捲回するのがよい。このような被覆を行うと、CFRP成形時にマトリックス樹脂が被覆材内へ透過して金属線表面に達するので、炭素繊維、被覆材および金属線が樹脂で一体化されるので、金属線挿入箇所に応力集中が発生することはない。
【0043】
このような被覆材としては、不織布や織物のテープ状物、あるいはフィラメント糸があり、これらを、芯材とする金属線の周囲にカバーリング法や製紐法、ラッピング法によって捲回することにより被覆ができる。
【0044】
被覆材を構成する繊維としては、ポリエステル、ナイロン、ガラス、ビニロン、ポリプロピレン、ポリアラミドなどの繊維が挙げられるが、上記材料の役割は絶縁性の確保なので、特に限定しない。但し、マトリックス樹脂との接着性の良さや電蝕防止から吸水率の低いものを選択するのがよい。また、被覆材に赤や緑などの色を着けていると、シート材の積層における金属線のずれ量を目視しながら設定しやすく、積層作業が効率よく行える。
【0045】
なお、金属線の被覆割合は、以下の方法で測定した。
【0046】
まず、被覆した金属線表面の顕微鏡写真を撮り、この全表面積S1、及び、金属線が見える表面積S2を計測し、以下の式より被覆率を算出した。計測は、被覆した金属線の異なる10ヶ所の、長手方向の長さ(15mm)と太さ方向の長さ(全幅)で表される長方形の領域について行い、その最低値を被覆率とした。
【0047】
被覆率= (S1−S2)/S1 × 100 (%)
以上において、同じ部分に被覆材が重なっても被覆割合は同じとした。従って、被覆割合は0%以上、100%以下と定義される。
【0048】
ただし、本発明において金属線の周囲に絶縁被覆をすることは必須事項でなく、被覆率80%以下にしてもよい。特に、炭素繊維が樹脂などで被覆されている等、電蝕の恐れがない場合、被覆の手間を省く観点からは、50%以下でも良く、実質上絶縁被覆されていないほうがより好ましい。
【0049】
本発明に係わる検出手段は、
A法;検出手段は金属探知法であり、金属線を磁界内に導入し、磁界を乱すので感知する方法、
B法;検出手段は赤外線カメラであり、金属線を電磁誘導によって発熱させ、該発熱部分を赤外線放射温度計で検出する方法、
C法;検出手段は赤外線カメラであり、金属線に通電発熱し、該発熱部分を赤外線放射温度計で検出する方法
つぎに、本発明の検出方法について説明する。図1で示したように、本発明の積層体の上部に、金属線の存在を検出する検出手段4を設置または移動させ、FRPに埋め込まれた金属線の本数を把握することによって、強化繊維シート材の積層数を非破壊で検出することができる。
【0050】
図4および図5は検出手段がA法の原理の1例を説明する概略図である。図4に示すように発振器10及び励磁コイル11によって平衡な1次磁界12が形成されているなかに、図5に示すように積層体の金属線4が入ると定常交流磁界が乱れて金属線4に誘導電流が流れる。この誘導電流によって金属線の周りに2次磁界15が発生し、平衡な磁界を乱す。この乱れによって受磁コイル13に微小電圧が誘起され、この電圧を検出器14が検知し、金属線の存在を感知することができるのである。
【0051】
この方法に用いられる検出装置としては、金属探知器や近接スイッチが挙げられる。これらの装置は、小型で軽量なので取扱いが簡単で高所や狭い部分など、検出が困難な所でも使用できるのでよい。
【0052】
なお、積層体が炭素繊維からなる一方向プリプレグや織物のシート材からなるFRPの場合、炭素繊維が導電性のため、炭素繊維の交絡状態によって、金属探知器や近接センサを積層体に近付けると、金属線が存在しなくてもシート材に渦流電流が流れ、この渦流電流によって磁界が発生して受磁コイルが作動して誤動作することがある。このような場合は金属探知器や近接スイッチの発振器と励磁コイルで形成される平衡磁界が及ぶ範囲、すなわち動作範囲の小さな金属探知器や近接スイッチを使用することで誤動作を防ぐことが出来る。この金属探知器または近接スイッチの動作範囲は好ましくは、10〜40mmの範囲がよい。10mm未満であると金属探知器または近接スイッチが検知するに必要な金属線の太さを大きくするか、一箇所に多数本の金属線を使用すること必要となる。したがって、金属線挿入箇所の積層体が凸状となったり、異物である金属線の挿入量が多くなり、機械的特性などが低下する。また、40mmを超えるとシート材の状態にもよるが、金属探知器や近接スイッチが誤動作することがある。
【0053】
シート材の積層数検出は、FRP表面に検出装置を置き、金属線の配列方向に対して垂直方向に、シート材における金属線の配列間隔と同じ距離だけ移動させながら、その間に検出装置が金属線を感知する回数を数え、その回数を積層数として検出するものであり、また、検出装置からの出力を記録装置に入力し、検出結果を記録することも出来る。
【0054】
B法の検出手段、すなわち検出手段は赤外線カメラであり、金属線を電磁誘導によって発熱させ、該発熱部分を赤外線放射温度計で検出する方法について説明する。この方法は、誘導発熱装置のコイルを流れる電流によって発生する磁界のなかに、積層体の金属線が入ると、金属線に渦電流が流れ、この渦電流によって金属線にジュール熱が発生し、金属線が発熱する。この発熱部分や部分的に昇温したFRP部を赤外線放射温度計で検出して、金属線の位置を検知することができるのである。なお、時間が経過すると熱が積層体中に伝わって拡散して金属線の温度が下がるので、赤外線放射温度計による検出作業を温度が下がる前にすみやかに行うことが好ましい。
【0055】
この方法では発熱させた部分が赤外線放射温度計を用いて観察すると、発熱部分が線状に現れるので、シート材への金属線配列の1周期の間隔内にある発熱部分の総数から、積層数を検出することが出来るのである。
【0056】
C法の検出手段、すなわち検出手段は赤外線カメラであり、金属線に通電発熱し、該発熱部分を赤外線放射温度計で検出する方法について説明する。この方法は、金属線の両端に端子を接続して電流を流すことによって金属線を発熱させ、この発熱部分や部分的に昇温したFRP部を赤外線放射温度計で金属線を検知することができる。しかし、層数分の金属線の結線が必要となるから、作業が若干面倒という点はある。
【0057】
B法、C法の検出手段である赤外線放射温度計は、測定対象物から自己放射される赤外放射エネルギーを検出し、最終的にカラーまたは白黒の熱画像として表示するものであり、サーモトレーサ、サーモグラフィ、赤外線カメラなどがあるが、このような機能を有しているものであれば、特に指定はしない。
【0058】
なお、B法、C法は金属線を線状に検出することが出来るので、積層数のみならず積層方向も容易に検出することができる。
【0059】
本技術の利用分野はとくに限定しないが、とくに積層体がFRPの場合シート材が多数枚積層されてマトリック樹脂が含浸、固化されていてるので、成形品での非破壊検査が困難である。このようなFRP製の構造体、すなわち航空機部材、自動車部材、船殻、風車の羽根、コンクリート構造物のFRP補強部、車両部材、建築部材などに好ましく用いられる。
【0060】
【実施例】
(実施例1)
線径が0.11mmの丸断面の単線の鉄線を、厚さ1.05mm、幅1mの着色されたポリ塩化ビニルシートの幅方向に30cmの間隔、つまり金属線の配列周期が30cmのシートを作製した。
【0061】
まず、前記シートを100cmの長さにカットし、金属線が各層が3cmづつずれるように合計4枚積層し、これを、金属板で挟んで融点以上に加熱しプレスで加圧して積層体を作製した。
【0062】
金属線の検出には金属探知器として、センサー外径φ30の近接スイッチを使用した。この装置は、金属を感知するとランプが点灯するもので、これを積層体の表面に置いた。次に、近接スイッチを2m/minのスピードで、金属線の長手方向に対して垂直な向き動かし、30cm移動させた所で近接スイッチを止めた。この移動の間のランプ点灯回数を測定したところ4回であり、積層数が4枚であることが確かめられた。
【0063】
(実施例2)
金属線として線径が0.11mmの鉄線を使用し、この鉄線に75デニール、36フィラメントのマルチフィラメントのポリエステル繊維をS方向に、ついで100デニールの低融点ナイロン糸をZ方向にともに1000回/m捲回して被覆し、被覆率が100%の絶縁被覆した鉄線を準備した。
【0064】
ついで、PAN系高強度タイプ炭素繊維(単糸数:24,000本、繊度:14,400デニール、引張強度4900MPa、引張弾性率230GPa)を強化繊維としてたて方向に、1.88本/cmの密度で配列させ、よこ方向には405デニールのガラス繊維に50デニールの低融点ナイロン糸を被覆したカバーリング糸を補助糸として3本/cmの密度で打ち込み、50cmの間隔で2ピック分補助糸の打込みを止めて、前記被覆した鉄線2本引き揃えて合計4本の鉄線を打込み、その後補助糸を打込み、これを繰り返すことによって、よこ方向に、50cmの間隔で挿入したのち、ヒータで鉄線に絶縁被覆に使用した低融点ナイロン糸および補助糸の低融点ナイロン糸を溶融することによってたて糸の炭素繊維と接着することによって、目どめされ、かつ50cmの間隔、つまり配列周期が50cmで鉄線が配列したシート材としての、炭素繊維目付が300g/m2 の25cm幅の一方向性炭素繊維織物を作製した。
【0065】
ついで、積層に備えて、織物のよこ方向が揃えられた状態で金属線の位置が5cmづつずれるように4枚裁断した。
【0066】
ついで、プライマーが塗布し1昼夜放置された橋脚のコンクリート表面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布し、まず1層目の織物を橋脚の周方向に貼り付け、さらに織物の上にエポキシ樹脂を塗布した後、含浸ローラで樹脂を織物に含浸し、ついで2層目の織物を1層目の上に、織物のよこ方向を揃えて橋脚の周方向に貼り付けて1層目と同じように樹脂を塗布し、含浸ローラで樹脂を織物に含浸した。同様に3層目、4層目の積層、樹脂の塗布、樹脂の含浸を行い、常温で硬化させて、コンクリート表面を積層体、すなわち炭素繊維織物のFRPで補強した。
【0067】
金属線の検出は、実施例1同様にして行った。本実施例でも、1周期の50cm間での金属探知器の移動の間のランプ点灯回数は4回であり、金属線の挿入箇所が4箇所、すなわち積層数が4枚であることが確かめられた。この積層数は、この積層体の他の部分で行っても同じであり、任意の位置で検出可能であることが分かった。
【0068】
炭素繊維は黒いため、積層体も黒くなり、外観から金属線の存在を視認することが出来ないが、近接スイッチで非破壊で積層数の検出が可能であった。
【0069】
(実施例3)
実施例2と同じ積層体を使用し、100V、1400Wの電磁誘導装置で1分間金属線を加熱したのち電磁誘導装置を取り外し、積層体から1mの距離に設置した赤外線放射温度計で測定した。なお、赤外線放射温度計として、HgCdTe検出器で、30℃での最小検知温度差が0.08℃、温度測定範囲が−50〜2000℃のものを使用した。
【0070】
温度分布をカラーの熱画像として表示させた所、橋脚の長さ方向に細長く続く高温部分が4ヶ所観察され、積層数が4枚であることが検出できた。
【0071】
(実施例4)
金属線として裸線径が0.2mmのニクロム単線を用い、その他は実施例2と同じ条件で積層体を成形し、4本のニクロム線の両端部に端子、リード線を接続した。本実施例では、加熱をこの金属線への通電によって行ったが、金属線の感知方法は実施例3と同じとした。
【0072】
通電は、交流電源からスライダックを介して行い、4本の金属線を並列に接続し、全体に5Vの電圧をかけた。
【0073】
温度分布をカラーの熱画像として表示させた所、橋脚の長さ方向に細長い高温部分が合計4ヶ所見られ、積層数が4枚であることが検出できた。
【0074】
【発明の効果】
本発明の積層体は、通常の非破壊検査方法では検出することができない積層体の積層数、積層方向を容易に検出することが出来る。また本発明の積層数検出方法によれば、シート材からなる積層体の積層数、積層方向を非破壊で、簡単に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様に係わる、積層体における金属線配列状態と積層数検出の様子を説明する図である。
【図2】本発明の一実施態様に係わる、シート材のよこ方向に配列している金属線がシート材の長さ方向に対して間隔Bで2本ずつ挿入されている状態を説明する図である。
【図3】本発明の一実施態様に係わる、金属線がシート材の幅方向と並行に配列した一方向強化繊維織物を説明する図である。
【図4】本発明の一実施態様に係わる、金属線の感知の原理を説明する図で、磁界が平衡状態にあることを説明する図である。
【図5】本発明の一実施態様に係わる、金属線の感知の原理を説明する図で、磁界の中に金属線が入り、磁界が不平衡状態にあることを説明する図である。
【符号の説明】
1:コンクリート構造体
2:構造体表面
3a〜d:シート材
4a〜d:金属線
5:積層体
6:センサー
7:たて糸(強化繊維)
8:よこ糸(補助糸)
9:接着剤
10:発振器
11:励磁コイル
12:1次磁界
13:受磁コイル
14:検出器
15:2次磁界
Claims (13)
- 積層体に含まれる金属線の存在を非破壊で検出するための積層体であって、金属線が等間隔に挿入された非金属性シート材が、金属線の挿入位置がほぼ同じ間隔でずれるように積層されていることを特徴とする積層体。
- 前記金属線が前記シート材の幅方向に配列していることを特徴とする請求項1記載の積層体。
- 前記シート材の前記金属線位置が2〜10cmずれるように積層してなる請求項1または2に記載の積層体。
- 強化繊維からなるシート材にマトリックス樹脂が含浸されてなる繊維強化プラスチックであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層体。
- 前記金属線が強磁性体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の積層体。
- 前記強化繊維が炭素繊維であり、前記シート材はシートの長さ方向に配列された一方向織物であり、前記金属線が鉄線又はその合金であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の積層体。
- 前記シート材の炭素繊維目付が200〜400g/m2であることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の積層体の前記金属線の存在を検出手段で非破壊で感知し、該非金属性シート材の積層数を検出することを特徴とする積層体の積層数検出方法。
- 前記検出手段が金属探知法であることを特徴とする、請求項8に記載の積層体の積層数検出方法。
- コンクリート構造物の表面を前記積層体で補強し、その積層数を検出することを特徴とする請求項9に記載の積層体の積層数検出方法。
- 前記検出手段が赤外線カメラであり、金属線を電磁誘導によって発熱させ、該発熱部分を赤外線カメラで検出することを特徴とする、請求項8に記載の積層体の積層数検出方法。
- 前記検出手段が赤外線カメラであり、前記金属線に通電して該金属線を発熱させ、該発熱部分を赤外線カメラで検出することを特徴とする、請求項8に記載の積層体の積層数検出方法。
- 炭素繊維からなる強化繊維と、周囲を絶縁性被覆材で80%以下被覆された金属線とが、一体となってシート状強化用繊維基材を形成し、かつ、前記強化繊維に対する金属線の体積割合が4%以下であるとともに、炭素繊維を少なくとも経糸とする織物の横方向に、金属線が等間隔に織り込まれた強化繊維基材を用いたことを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載の積層体の積層数検出方法。
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