JPH043461B2 - - Google Patents
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- JPH043461B2 JPH043461B2 JP62126135A JP12613587A JPH043461B2 JP H043461 B2 JPH043461 B2 JP H043461B2 JP 62126135 A JP62126135 A JP 62126135A JP 12613587 A JP12613587 A JP 12613587A JP H043461 B2 JPH043461 B2 JP H043461B2
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Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Description
本発明は補強用基布、就中、複合成形体強化用
基布に関する。 FRP(繊維強化プラスチツク)、セメント、コ
ンクリート、ターポリン等の複合成形体には補強
用基布が使用されることがある。例えば、テニス
用ラケツト、釣竿等には炭素繊維、ガルスウー
ル、芳香族ポリアミド繊維等の高強度、高剛性、
高弾性マルチフイラメント製基布をエポキシ樹脂
等のマトリツクス樹脂で固めたものが使用されて
いる。また、セメントやコンクリートの強化には
耐アルカリ性のビニロン繊維等が強化基布として
使用されることがある。また紙もしくはフイルム
の間に強化材を入れた、所謂、ターポリンに強化
材として基布が使用されることがある。 これらの強化用基布としては例えば、強化用繊
維を織物状にしたもの、経糸に少量の接着剤を含
浸させてほつれを防いだ上で緯糸に熱融着性繊維
を用いて経糸との交点で接着したもの、経糸に接
着剤を含浸させて経糸と接着させたもの等が知ら
れている。 強化繊維を織物状とした強化用基布は、経糸/
緯糸交点において上下に屈曲することとなり、そ
れだけ強度が低下することとなる。また織物は経
緯とも構成密度にかなり制限を受ける。さらに密
度の粗なものは繊維が滑り易く生産困難である等
の欠点がある。 経糸に接着剤を含浸させる方法は、含浸接着剤
の影響でマトリツクス樹脂の基布への侵入が妨げ
られ補強強度が不十分となる。また緯糸に熱融着
性繊維を用いているので、横方向の強度はほとん
ど期待できない。 緯糸に接着剤を含浸させる方法は上記の方法の
欠点を改良する上で非常に優れた方法であるが、
緯糸に接着剤を含浸させているため、緯糸とマト
リツクス樹脂の密着性が悪く、緯方向の強度が十
分上げられない。これを解決するため、マトリツ
クス樹脂と相溶性のよい接着剤を使用することが
考えられるが、この場合は基布にマトリツクス樹
脂を含浸させる際に、緯糸中の接着剤がマトリツ
クス樹脂に溶解し、経糸と緯糸の接着力が低下
し、基布の組織が乱れ、補強効果が低下し易い。 以上の問題を解決するため、本発明は経糸およ
び緯糸双方を融着糸で一定の間隔で巻き上げ、こ
れを経方向および緯方向に並べて熱融着した補強
用基布を提供する。この方法によれば、経糸また
は緯糸のほつれ、特にカーボンフアイバー等に生
じ易い毛羽立ちが融着糸を巻きつけることにより
防止でき、融着糸と経糸と緯糸との交点にのみ存
すればよいから、緯糸全体に接着剤が含浸されて
いる場合と比べて、マトリツクス樹脂の侵入が十
分に達せられ、経および緯方向の強度をあげるこ
とができる。 本発明は、融着糸1をマルチフイラメントの無
撚または甘撚糸である経糸2および緯糸3双方に
巻きつけ、緯糸3を経糸の配列面の片面または両
面に重ね、あるいは緯糸の両面に経糸を重ね、そ
の交点4において融着糸1を介して両者を接着さ
せた補強用基布5を提供する。 第1図の態様において、緯糸の上に更に経糸を
配置したサンドイツチ構造としてもよく、また経
糸配列面の両面に緯糸を配置してもよい。 本発明において、経糸2はその使用目的に応じ
て任意に選定すればよいが、高強度の複合成形体
を得るには、高強度、高剛性、高弾性のマルチフ
イラメント、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、芳香
族ポリアミド繊維等の有機繊維、ガラス繊維等、
各種無機繊維等が適当である。もちろんその他の
繊維、例えばビニロン、ポリエステル、ポリアミ
ド等の繊維をその目的に応じて適宜使用してもよ
い。これらのマルチフイラメントは無撚糸または
甘撚糸である。甘撚糸の撚の程度は5〜40回/
m、望ましくは10〜20回/mである。撚が強いと
シート強度が低下し、あるいはマトリツクス樹脂
の含浸が不十分となるため、成形された複合体の
強度が十分でない場合を生ずる。経糸の太さは
300〜30000デニール程度のものが適当である。セ
メント、コンクリート等の強化用基布には耐アル
カリ性のビニロン繊維等を使用するのが好まし
い。また、ターポリンで導電性が必要な場合にな
炭素繊維を使用してもよい。 緯糸3は経糸と同質のものを使用してもよく、
あるいは別の繊維を使用してもよい。緯糸は炭素
繊維、黒鉛繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリビ
ニルアルコール系繊維等の有機繊維、ガラス繊維
等の無機繊維等のほか、融着糸より高い融点を有
するポリアミド繊維、ポリエステル繊維等を用い
ればよい。これらの緯糸の太さは100〜30000デニ
ールが適当である。緯糸は無撚糸または甘撚糸で
ある。甘撚の場合の撚数は20回/m以下にするの
がよく、10回/m以下とするのがより好ましい。
撚数が大きくなると緯糸断面の偏平化が困難とな
り、経糸を傷付ける恐れがあり、かつ経糸との接
着性が悪くなる。 経糸および緯糸には融着糸を巻き付ける。融着
糸を撚糸とするのは補強繊維の直線性が阻害さ
れ、強度を低下させるため好ましくない。融着糸
は経糸と緯糸を融着する性能を有する、いわゆる
ホツトメルト型接着剤を糸状にしたものを云う。
好ましい融着糸はポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
エチレン酢酸ビニル、共重合ナイロンおよびこれ
らのコンジユゲート糸、ポリエステルコポリマー
等であり、これを巻付ける経糸および緯糸の融点
よりも低い繊維を使用する。融着糸の太さは見掛
け太さが2mm以下、好ましくは1.5mm〜0.5mmであ
る。2mm以上では融着糸と接する幅が大きくなり
マトリツクス樹脂が芯糸全体に浸透し難くなる。
融着糸の太さおよび巻数は、これを巻付けた緯糸
および経糸と接着すべき経糸および緯糸の太さお
よび配列間隔に応じて選定する。基本的には第1
図に示す如く、経糸と緯糸との交点に融着糸が介
在するように太さおよび巻数を選定する。勿論全
ての交点において経糸と緯糸とが接着する必要は
なく、経糸と緯糸との関係が保持できればよく、
二、三交点で連続して接着できなくてもよい。従
つて、融着糸が両者の交点に交互に介在するよう
に配置してもよい。本発明の経糸と緯糸双方に融
着糸を巻いた場合には、それぞれの巻数を減らす
ことが可能となる。さらに緯糸を経糸と角度をも
つて送給することにより、経糸と緯糸とが斜め方
向に交わつた補強用基布とすることもできる。 以下実施例および第2図により本発明を説明す
る。第2図は本発明強化用基布を製造するための
装置の概要図である。 実施例 1 経糸としてガラスロービング(1150tex)に共
重合ナイロンの融着糸(100d12F溶融温度125℃)
を100回/m巻き付けてクリルスタンド6から下
層に250本引出し、整経手段7を通して2.5本/
cm、100cm幅に配列した。緯糸3としては、ガラ
スヤーン(600d、撚数20回/m)に共重合ナイ
ロンの熱融着糸(100d、12F、溶融温度125℃)
をそれぞれ100、200、400、800、1200回/m巻き
付けたカバリング紙を用いた。回転する腕8に通
して緯糸を支持部材9に巻付けた。この緯糸は緯
糸支持部材9の回転で前進し、5本/cmの間隔で
平行な緯糸のシートを形成し、緯糸支持部材9の
端部近傍からエンドレスベルト10aおよび10
bに挟持しつ前進させる。熱融着糸成分は加熱炉
12で溶融状態となつて加熱押えロール11へ導
かれる。 経糸と緯糸との結合部である加熱押えロール1
1で経糸と緯糸を接着結合し、緯糸挟持ベルト1
0aおよび10bから離して余分の緯糸を切取つ
た後、巻き取りロール13で巻き取る。 実施例1で得られた基布を用いて、市販の不飽
和ポリエステル樹脂(「ポリライトFH123」:大
日本インキ(株)製)100部、硬化触媒(「パーメツク
H」:日本油脂(株)製)1.0部を配合したマトリツク
ス樹脂液を用いてハンドレイアツプ法で積層板を
作り乾燥、硬化させた。 この積層板について、緯糸方向についての物性
値を測定した。結果を表−1に示す。また基布の
経糸と緯糸との接着性および緯糸配列状態の観察
結果を表−1に示す。 基布として、繊維束の幅2.9〜3.9mmの繊維束を
有するガラスロービングを経糸として用いた。 緯糸に巻いた熱融着糸の幅は0.4mmであつた。 比較例では接着剤としてポリオレフインエマル
ジヨン(固形分35%)を用い緯糸ガラス繊維重量
当りポリオレフイン固形分換算で30%付着させ
た。 巻き数が200〜800回/mにおいて物性値および
接着性が優れており、100回/m以下では接着性
が低下して緯糸の配列が乱れはじめ、それに伴つ
て物性値は低い値となる。 また、1200回/m以上では緯糸繊維束のマトリ
ツクス樹脂の浸透が悪くなり、巻数が高くなるに
つれて物性は漸次低下していく。 比較例として、緯糸全部に接着剤を付与した場
合には物性は極端に悪くなり、繊維補強の効果が
あまりあらわれていない。
基布に関する。 FRP(繊維強化プラスチツク)、セメント、コ
ンクリート、ターポリン等の複合成形体には補強
用基布が使用されることがある。例えば、テニス
用ラケツト、釣竿等には炭素繊維、ガルスウー
ル、芳香族ポリアミド繊維等の高強度、高剛性、
高弾性マルチフイラメント製基布をエポキシ樹脂
等のマトリツクス樹脂で固めたものが使用されて
いる。また、セメントやコンクリートの強化には
耐アルカリ性のビニロン繊維等が強化基布として
使用されることがある。また紙もしくはフイルム
の間に強化材を入れた、所謂、ターポリンに強化
材として基布が使用されることがある。 これらの強化用基布としては例えば、強化用繊
維を織物状にしたもの、経糸に少量の接着剤を含
浸させてほつれを防いだ上で緯糸に熱融着性繊維
を用いて経糸との交点で接着したもの、経糸に接
着剤を含浸させて経糸と接着させたもの等が知ら
れている。 強化繊維を織物状とした強化用基布は、経糸/
緯糸交点において上下に屈曲することとなり、そ
れだけ強度が低下することとなる。また織物は経
緯とも構成密度にかなり制限を受ける。さらに密
度の粗なものは繊維が滑り易く生産困難である等
の欠点がある。 経糸に接着剤を含浸させる方法は、含浸接着剤
の影響でマトリツクス樹脂の基布への侵入が妨げ
られ補強強度が不十分となる。また緯糸に熱融着
性繊維を用いているので、横方向の強度はほとん
ど期待できない。 緯糸に接着剤を含浸させる方法は上記の方法の
欠点を改良する上で非常に優れた方法であるが、
緯糸に接着剤を含浸させているため、緯糸とマト
リツクス樹脂の密着性が悪く、緯方向の強度が十
分上げられない。これを解決するため、マトリツ
クス樹脂と相溶性のよい接着剤を使用することが
考えられるが、この場合は基布にマトリツクス樹
脂を含浸させる際に、緯糸中の接着剤がマトリツ
クス樹脂に溶解し、経糸と緯糸の接着力が低下
し、基布の組織が乱れ、補強効果が低下し易い。 以上の問題を解決するため、本発明は経糸およ
び緯糸双方を融着糸で一定の間隔で巻き上げ、こ
れを経方向および緯方向に並べて熱融着した補強
用基布を提供する。この方法によれば、経糸また
は緯糸のほつれ、特にカーボンフアイバー等に生
じ易い毛羽立ちが融着糸を巻きつけることにより
防止でき、融着糸と経糸と緯糸との交点にのみ存
すればよいから、緯糸全体に接着剤が含浸されて
いる場合と比べて、マトリツクス樹脂の侵入が十
分に達せられ、経および緯方向の強度をあげるこ
とができる。 本発明は、融着糸1をマルチフイラメントの無
撚または甘撚糸である経糸2および緯糸3双方に
巻きつけ、緯糸3を経糸の配列面の片面または両
面に重ね、あるいは緯糸の両面に経糸を重ね、そ
の交点4において融着糸1を介して両者を接着さ
せた補強用基布5を提供する。 第1図の態様において、緯糸の上に更に経糸を
配置したサンドイツチ構造としてもよく、また経
糸配列面の両面に緯糸を配置してもよい。 本発明において、経糸2はその使用目的に応じ
て任意に選定すればよいが、高強度の複合成形体
を得るには、高強度、高剛性、高弾性のマルチフ
イラメント、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、芳香
族ポリアミド繊維等の有機繊維、ガラス繊維等、
各種無機繊維等が適当である。もちろんその他の
繊維、例えばビニロン、ポリエステル、ポリアミ
ド等の繊維をその目的に応じて適宜使用してもよ
い。これらのマルチフイラメントは無撚糸または
甘撚糸である。甘撚糸の撚の程度は5〜40回/
m、望ましくは10〜20回/mである。撚が強いと
シート強度が低下し、あるいはマトリツクス樹脂
の含浸が不十分となるため、成形された複合体の
強度が十分でない場合を生ずる。経糸の太さは
300〜30000デニール程度のものが適当である。セ
メント、コンクリート等の強化用基布には耐アル
カリ性のビニロン繊維等を使用するのが好まし
い。また、ターポリンで導電性が必要な場合にな
炭素繊維を使用してもよい。 緯糸3は経糸と同質のものを使用してもよく、
あるいは別の繊維を使用してもよい。緯糸は炭素
繊維、黒鉛繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリビ
ニルアルコール系繊維等の有機繊維、ガラス繊維
等の無機繊維等のほか、融着糸より高い融点を有
するポリアミド繊維、ポリエステル繊維等を用い
ればよい。これらの緯糸の太さは100〜30000デニ
ールが適当である。緯糸は無撚糸または甘撚糸で
ある。甘撚の場合の撚数は20回/m以下にするの
がよく、10回/m以下とするのがより好ましい。
撚数が大きくなると緯糸断面の偏平化が困難とな
り、経糸を傷付ける恐れがあり、かつ経糸との接
着性が悪くなる。 経糸および緯糸には融着糸を巻き付ける。融着
糸を撚糸とするのは補強繊維の直線性が阻害さ
れ、強度を低下させるため好ましくない。融着糸
は経糸と緯糸を融着する性能を有する、いわゆる
ホツトメルト型接着剤を糸状にしたものを云う。
好ましい融着糸はポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
エチレン酢酸ビニル、共重合ナイロンおよびこれ
らのコンジユゲート糸、ポリエステルコポリマー
等であり、これを巻付ける経糸および緯糸の融点
よりも低い繊維を使用する。融着糸の太さは見掛
け太さが2mm以下、好ましくは1.5mm〜0.5mmであ
る。2mm以上では融着糸と接する幅が大きくなり
マトリツクス樹脂が芯糸全体に浸透し難くなる。
融着糸の太さおよび巻数は、これを巻付けた緯糸
および経糸と接着すべき経糸および緯糸の太さお
よび配列間隔に応じて選定する。基本的には第1
図に示す如く、経糸と緯糸との交点に融着糸が介
在するように太さおよび巻数を選定する。勿論全
ての交点において経糸と緯糸とが接着する必要は
なく、経糸と緯糸との関係が保持できればよく、
二、三交点で連続して接着できなくてもよい。従
つて、融着糸が両者の交点に交互に介在するよう
に配置してもよい。本発明の経糸と緯糸双方に融
着糸を巻いた場合には、それぞれの巻数を減らす
ことが可能となる。さらに緯糸を経糸と角度をも
つて送給することにより、経糸と緯糸とが斜め方
向に交わつた補強用基布とすることもできる。 以下実施例および第2図により本発明を説明す
る。第2図は本発明強化用基布を製造するための
装置の概要図である。 実施例 1 経糸としてガラスロービング(1150tex)に共
重合ナイロンの融着糸(100d12F溶融温度125℃)
を100回/m巻き付けてクリルスタンド6から下
層に250本引出し、整経手段7を通して2.5本/
cm、100cm幅に配列した。緯糸3としては、ガラ
スヤーン(600d、撚数20回/m)に共重合ナイ
ロンの熱融着糸(100d、12F、溶融温度125℃)
をそれぞれ100、200、400、800、1200回/m巻き
付けたカバリング紙を用いた。回転する腕8に通
して緯糸を支持部材9に巻付けた。この緯糸は緯
糸支持部材9の回転で前進し、5本/cmの間隔で
平行な緯糸のシートを形成し、緯糸支持部材9の
端部近傍からエンドレスベルト10aおよび10
bに挟持しつ前進させる。熱融着糸成分は加熱炉
12で溶融状態となつて加熱押えロール11へ導
かれる。 経糸と緯糸との結合部である加熱押えロール1
1で経糸と緯糸を接着結合し、緯糸挟持ベルト1
0aおよび10bから離して余分の緯糸を切取つ
た後、巻き取りロール13で巻き取る。 実施例1で得られた基布を用いて、市販の不飽
和ポリエステル樹脂(「ポリライトFH123」:大
日本インキ(株)製)100部、硬化触媒(「パーメツク
H」:日本油脂(株)製)1.0部を配合したマトリツク
ス樹脂液を用いてハンドレイアツプ法で積層板を
作り乾燥、硬化させた。 この積層板について、緯糸方向についての物性
値を測定した。結果を表−1に示す。また基布の
経糸と緯糸との接着性および緯糸配列状態の観察
結果を表−1に示す。 基布として、繊維束の幅2.9〜3.9mmの繊維束を
有するガラスロービングを経糸として用いた。 緯糸に巻いた熱融着糸の幅は0.4mmであつた。 比較例では接着剤としてポリオレフインエマル
ジヨン(固形分35%)を用い緯糸ガラス繊維重量
当りポリオレフイン固形分換算で30%付着させ
た。 巻き数が200〜800回/mにおいて物性値および
接着性が優れており、100回/m以下では接着性
が低下して緯糸の配列が乱れはじめ、それに伴つ
て物性値は低い値となる。 また、1200回/m以上では緯糸繊維束のマトリ
ツクス樹脂の浸透が悪くなり、巻数が高くなるに
つれて物性は漸次低下していく。 比較例として、緯糸全部に接着剤を付与した場
合には物性は極端に悪くなり、繊維補強の効果が
あまりあらわれていない。
【表】
【表】
実施例 2
経糸2として炭素繊維(3600d、撚数12回/
m)を芯糸として共重合ポリエステルのマルチフ
ラメントを100回/m巻き付けて実施例1と同一
手段によつて5本/cmに配列し、緯糸として炭素
繊維束(3600d、撚数15回/m)を芯糸として共
重合ポリエステルのマルチフイラメント繊維束
(100d、10F)を100、200、400、800、1200回/
mの割合で巻き付けた緯糸を実施例1と同一手段
によつて3.7本/cmに配列してシートを形成し、
経糸と緯糸シートを実施例1と同様に接着し巻き
取つて基布を作成した。 得られた基布の経糸およひ緯糸を観察したとこ
ろ経糸の幅は1.4〜1.6mm、緯糸の融着糸の見掛け
幅は0.8〜0.85mmであつた。 この基布を用いて、実施例1と同じ様に繊維強
化積層板を作り緯糸方向の物性を測定した。結果
を表−2に示す。 緯糸の巻数が200〜800回/mの範囲で物性値、
接着性が良好であり、200回/m未満では接着性
および物性が共に低下している。 また、1200回/m以上では実施例1と同じ様に
物性値が低下する。 比較例として、緯糸に接着剤としてポリオレフ
インエマルジヨンを緯糸重量に体して30%(固形
分換算)付着させたものを使用した。このときの
基布の物性値が悪くなるのがわかる。
m)を芯糸として共重合ポリエステルのマルチフ
ラメントを100回/m巻き付けて実施例1と同一
手段によつて5本/cmに配列し、緯糸として炭素
繊維束(3600d、撚数15回/m)を芯糸として共
重合ポリエステルのマルチフイラメント繊維束
(100d、10F)を100、200、400、800、1200回/
mの割合で巻き付けた緯糸を実施例1と同一手段
によつて3.7本/cmに配列してシートを形成し、
経糸と緯糸シートを実施例1と同様に接着し巻き
取つて基布を作成した。 得られた基布の経糸およひ緯糸を観察したとこ
ろ経糸の幅は1.4〜1.6mm、緯糸の融着糸の見掛け
幅は0.8〜0.85mmであつた。 この基布を用いて、実施例1と同じ様に繊維強
化積層板を作り緯糸方向の物性を測定した。結果
を表−2に示す。 緯糸の巻数が200〜800回/mの範囲で物性値、
接着性が良好であり、200回/m未満では接着性
および物性が共に低下している。 また、1200回/m以上では実施例1と同じ様に
物性値が低下する。 比較例として、緯糸に接着剤としてポリオレフ
インエマルジヨンを緯糸重量に体して30%(固形
分換算)付着させたものを使用した。このときの
基布の物性値が悪くなるのがわかる。
【表】
実施例 3
ガラスヤーン(67.5tex)に共重合ナイロンの
熱融着繊維(100d、12F、溶融温度125℃)を150
回/m巻き付けた経糸2をクリルスタンド6から
下層に100本引き出して、整経手段7を通して1
本/cm、100cmφに配列した。 緯糸3としては、共重合ナイロンの熱融着繊維
(100d、12F、溶融温度125℃)を250回/m巻き
付けたガラスヤーン(67.6tex)を用いて、回転
する腕8に通した緯糸を支持部材9の回転で前進
して、1本/cmの間隔で平行な緯糸のシートを形
成し、緯糸支持部材9の端部近傍からエンドレス
ベルト10aおよび10bに挟持しつつ前進させ
る。熱融着糸成分は加熱炉12で溶融状態となつ
て加熱押えロール11に導かれる。 経糸と緯糸との結合部である加熱押えロールで
は、下ロールの経糸のロール側に目付け30g/m2
のガラスペーパーを挿入し、経糸と緯糸とガラス
ペーパーが接着した長繊維補強のガラスペーパー
を形成した。接着後、緯糸挟持ベルト10aおよ
び10bから緯糸を離して経糸を切り取つた後、
巻き取りロール13で巻き取つた。 用いたガラスペーパーは以下の組成であつた。 ガラス繊維:13μm×25mm 目付け:30g/m2 バインダー:不飽和ポリエステル 付着量:10重量% 得られたガラスヤーン補強ガラスペーパーの引
張強度は経方向12.5Kg/50mm、緯方向11.3Kg/50
mmであつた。なお、未補強ガラスペーパーの引張
強度はそれぞれ、1.5Kg/50mmおよび0.5Kg/50mm
であつた。こうて得られたガラスペーパーを用い
ると、補強ヤーンにも含浸されるので、ヤーンと
マトリツクスとの層間剥離がなく、例えば糸、ゴ
ム引きターポリンの基布としてタテ・ヨコの強度
が高い複合材が容易に得られる。
熱融着繊維(100d、12F、溶融温度125℃)を150
回/m巻き付けた経糸2をクリルスタンド6から
下層に100本引き出して、整経手段7を通して1
本/cm、100cmφに配列した。 緯糸3としては、共重合ナイロンの熱融着繊維
(100d、12F、溶融温度125℃)を250回/m巻き
付けたガラスヤーン(67.6tex)を用いて、回転
する腕8に通した緯糸を支持部材9の回転で前進
して、1本/cmの間隔で平行な緯糸のシートを形
成し、緯糸支持部材9の端部近傍からエンドレス
ベルト10aおよび10bに挟持しつつ前進させ
る。熱融着糸成分は加熱炉12で溶融状態となつ
て加熱押えロール11に導かれる。 経糸と緯糸との結合部である加熱押えロールで
は、下ロールの経糸のロール側に目付け30g/m2
のガラスペーパーを挿入し、経糸と緯糸とガラス
ペーパーが接着した長繊維補強のガラスペーパー
を形成した。接着後、緯糸挟持ベルト10aおよ
び10bから緯糸を離して経糸を切り取つた後、
巻き取りロール13で巻き取つた。 用いたガラスペーパーは以下の組成であつた。 ガラス繊維:13μm×25mm 目付け:30g/m2 バインダー:不飽和ポリエステル 付着量:10重量% 得られたガラスヤーン補強ガラスペーパーの引
張強度は経方向12.5Kg/50mm、緯方向11.3Kg/50
mmであつた。なお、未補強ガラスペーパーの引張
強度はそれぞれ、1.5Kg/50mmおよび0.5Kg/50mm
であつた。こうて得られたガラスペーパーを用い
ると、補強ヤーンにも含浸されるので、ヤーンと
マトリツクスとの層間剥離がなく、例えば糸、ゴ
ム引きターポリンの基布としてタテ・ヨコの強度
が高い複合材が容易に得られる。
第1図は本発明強化用基布の模式図、第2図は
本発明強化用基布製造装置の概略図である。 図中、1は融着糸、2は経糸、3は緯糸、4は
経糸と緯糸の交点および5は強化用基布を示す。
本発明強化用基布製造装置の概略図である。 図中、1は融着糸、2は経糸、3は緯糸、4は
経糸と緯糸の交点および5は強化用基布を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 融着糸をマルチフイラメントの無撚または甘
撚糸である経糸と緯糸双方に巻きつけ、緯糸を経
糸の配列面の片面または両面に重ね、あるいは緯
糸の両面に経糸を重ね、この交点において融着糸
を介して両者を接着させた補強用基布。 2 経糸および緯糸が高強度、高剛性及び高弾性
のマルチフイラメントである第1項記載の基布。 3 融着糸が経糸および緯糸より融点が低く、か
つ両者に対して融着性である第1項記載の基布。 4 マルチフイラメントが炭素繊維、黒鉛繊維、
芳香族ポリアミド繊維またはガラス繊維である第
1項記載の基布。 5 融着糸がポリエチレン、ポリプロピレン、ナ
イロンコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリエチレン酢酸ビニルまたはそれら
のコンジユゲート糸である第1項記載の基布。 6 融着糸の見掛け太さが2mm以下である第1項
記載の基布。 7 融着糸の巻数を、融着糸が経糸と緯糸の交点
に実質上介在するごとき範囲で選択した第1項記
載の基布。 8 複合成形体用である第1項記載の基布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62126135A JPS6366362A (ja) | 1987-05-22 | 1987-05-22 | 補強用基布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62126135A JPS6366362A (ja) | 1987-05-22 | 1987-05-22 | 補強用基布 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6366362A JPS6366362A (ja) | 1988-03-25 |
JPH043461B2 true JPH043461B2 (ja) | 1992-01-23 |
Family
ID=14927539
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62126135A Granted JPS6366362A (ja) | 1987-05-22 | 1987-05-22 | 補強用基布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6366362A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5836715A (en) | 1995-11-19 | 1998-11-17 | Clark-Schwebel, Inc. | Structural reinforcement member and method of utilizing the same to reinforce a product |
JP2007046197A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Kurabo Ind Ltd | 繊維強化プラスチック用多軸不織シートおよびその製造方法 |
JP2013245156A (ja) * | 2012-05-29 | 2013-12-09 | Taiheiyo Materials Corp | 戸建て住宅用下地構造物とその施工方法 |
JP6227903B2 (ja) | 2013-06-07 | 2017-11-08 | Jfeスチール株式会社 | 粉末冶金用合金鋼粉および鉄基焼結体の製造方法 |
WO2015045273A1 (ja) | 2013-09-26 | 2015-04-02 | Jfeスチール株式会社 | 粉末冶金用合金鋼粉および鉄基焼結体の製造方法 |
JP6493094B2 (ja) * | 2015-08-28 | 2019-04-03 | 株式会社豊田自動織機 | 繊維構造体及び繊維強化複合材 |
DE202019005160U1 (de) * | 2019-12-18 | 2020-04-08 | Head Technology Gmbh | Ballspielschlägerrahmen |
-
1987
- 1987-05-22 JP JP62126135A patent/JPS6366362A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6366362A (ja) | 1988-03-25 |
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