JP2000080535A - 強化繊維織物およびコンクリート構造物におけるfrp積層数検出方法 - Google Patents

強化繊維織物およびコンクリート構造物におけるfrp積層数検出方法

Info

Publication number
JP2000080535A
JP2000080535A JP10249475A JP24947598A JP2000080535A JP 2000080535 A JP2000080535 A JP 2000080535A JP 10249475 A JP10249475 A JP 10249475A JP 24947598 A JP24947598 A JP 24947598A JP 2000080535 A JP2000080535 A JP 2000080535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal wire
reinforcing fiber
woven fabric
reinforcing
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10249475A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000080535A5 (ja
JP4268704B2 (ja
Inventor
Akira Nishimura
明 西村
Taku Kobayashi
卓 小林
Ikuo Horibe
郁夫 堀部
Tatsuro Yoshinaga
達郎 吉永
Kazuo Eguchi
和雄 江口
Takashi Sato
孝志 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Sho Bond Corp
Original Assignee
Toray Industries Inc
Sho Bond Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc, Sho Bond Corp filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP24947598A priority Critical patent/JP4268704B2/ja
Publication of JP2000080535A publication Critical patent/JP2000080535A/ja
Publication of JP2000080535A5 publication Critical patent/JP2000080535A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4268704B2 publication Critical patent/JP4268704B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Woven Fabrics (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】FRPに成形した後の基材の積層状態が簡単に
検出可能な強化繊維織物およびコンクリート構造物をF
RP板で補修・補強工事した後の、基材の強化繊維の配
列方向や積層数や検出する方法を提供する。 【解決手段】下記(A)〜(C)の要件を満足すること
を特徴とする強化繊維織物。 (A)応力が集中するような屈曲を有しない強化繊維マ
ルチフィラメント糸を、一方向に互いに並行かつシート
状に引き揃えてなる糸条群のシート両面側によこ方向補
助糸群が位置し、それらよこ方向補助糸群と、前記強化
繊維マルチフィラメント糸と並行するたて方向補助糸群
とが織組織をなして糸条群を一体に保持し、(B)前記
隣接する強化繊維マルチフィラメント糸間には0.3〜
2mmの間隙を有し、(C)かつ金属線が挿入されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物の補修、補強に用いられた繊維強化プラスチック(以
後FRPと呼称する)板を構成する強化繊維織物および
その強化繊維織物の積層数を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】土木、建築の分野におけるコンクリート
構造物、すなわち橋の橋脚、桁、床版および建築物の
柱、壁や桁などの地震対策や劣化対策として、施工が容
易であることなどからFRPで補修、補強されるケース
が多くなってきている。
【0003】FRP板による補強は、設定した機械的特
性となるように、強化繊維が所定の方向に、所定の量が
配列するように織物などの強化繊維からなるシート基材
を積層し、樹脂含浸、樹脂を硬化することによって行わ
れる。これら作業は人間が行うため、基材の積層方向や
積層数を人的ミスによって誤ることがある。FRPは強
化繊維の方向には引張強度や引張弾性率の機械的性質に
優れるが、繊維の方向とずれると急激に機械的性質が低
下する、異方性の大きな材料である。また、補強による
コンクリート構造物の機械的特性の補強効果は繊維量に
よって支配されるから、補強工事後の強化繊維の方向、
つまり基材の方向や、とくに基材の積層枚数が規定通り
になっているか確認することが信頼性の観点から重要な
ことである。
【0004】現在、強化繊維の配列の方向や積層数の確
認は、1層の積層、含浸作業が完了した後に写真撮影し
て確認する方法などによって行われているが、補強箇所
の全体を網羅するには膨大な数の写真を取る必要があ
り、厄介である。また、補強した箇所のFRP板のサン
プルを切り出し、FRP板の断面を観察したり、樹脂部
分を焼き飛ばして強化繊維の基材を取り出し、層数や繊
維の配列方向を調査、確認する方法もあるが、折角補強
した箇所を破壊して調査しなければならず非効率であ
り、また、サンプル採集にあって補強箇所の強度や剛性
が低下するという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の技術における上述した問題点を解決し、FRPに成形
した後の基材の積層状態が簡単に検出可能な強化繊維織
物およびコンクリート構造物をFRP板で補修・補強工
事した後の、基材の強化繊維の配列方向や積層数や検出
する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の強化繊維織物は応力が集中するような屈曲
を有しない強化繊維マルチフィラメント糸を、一方向に
互いに並行かつシート状に引き揃えてなる糸条群のシー
ト両面側によこ方向補助糸群が位置し、それらよこ方向
補助糸群と、該強化繊維マルチフィラメント糸と並行す
るたて方向補助糸群とが織組織をなして糸条群を一体に
保持し、隣接する強化繊維糸間には0.3〜2mmの間
隙があり、かつ金属線が挿入されていることを特徴とす
る。
【0007】また、本発明の強化繊維織物の積層数検出
方法は、コンクリート構造物面に樹脂を塗布し、ついで
シート状の強化繊維織物を貼付けながら同時に該強化繊
維織物に樹脂を含浸させ、常温硬化させてCFRPとな
すことで該コンクリート構造物を補強した後、該強化繊
維織物の積層数を検出する方法において、本発明の強化
繊維織物の金属線の挿入箇所が互いに異なるように積
層、樹脂含浸、樹脂の硬化してコンクリート構造物を補
強した後、前記金属線の挿入箇所を感知することによっ
て該強化繊維織物の積層数を検出することを特徴とする
方法からなる。
【0008】本発明に係わる金属線の感知は、(1)金
属線を交流磁界内に導入し、磁界を乱すことにより感知
する、(2)金属線を電磁誘導によって発熱し、該発熱
部分を赤外線放射温度計で感知する、のいずれかを特徴
とする方法からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明の強化繊維織物の積層数検出方法を
説明するに、まず、コンクリート面に付着している油な
どの不純物をアセトンなどの有機溶剤や石鹸水で除去
し、コンクリートのひび割れ部や欠けた箇所に樹脂やモ
ルタルを充填し、また、コンクリートの凸部を削り接着
面を平滑にする。コンクリート面とFRP板の接着性を
向上させるため、粘度の低いエポキシ樹脂系プライマー
を塗布し、1〜2日間程度プライマー樹脂が硬化するま
で放置する。つぎに、プライマーの上にFRPのマトリ
ックスとなる樹脂を塗布ローラで塗布し、長さ方向に強
化繊維が並行配列している強化繊維織物を所定の方向に
積層し、含浸ローラ掛けし、強化繊維織物への樹脂含浸
と同時に脱泡を行い、常温で硬化させる。同様に、さら
に強化繊維織物を所定の方向に積層し、樹脂を塗布した
後ローラがけし、樹脂含浸および脱泡を行って常温で硬
化させて、コンクリート面にFRP層を形成し、コンク
リート構造物の補強を行う。補強の度合いによって、こ
れら積層作業を繰り返し、積層枚数、すなわち強化繊維
量を増やす。
【0011】以上は、通常行われている、FRPによる
コンクリート構造物の補修、補強方法であり、本発明に
おいてなんら変わることはないが、本発明では、上記に
おいて金属線が挿入された強化繊維織物を、金属線の挿
入箇所が各層で異なるように積層する。
【0012】図1に本発明の、金属線が挿入された強化
繊維織物1の一例を示す概略図を示した。図1に基づい
て本発明の織物を説明するに、応力が集中するような屈
曲を有しない強化繊維マルチフイラメント糸2を一方向
に互いに並行にシート状に引き揃えてなる、強化繊維マ
ルチフイラメント糸の糸条群イと、強化繊維マルチフイ
ラメント糸間に強化繊維マルチフイラメント糸と並行す
るたて方向補助糸3群ロと、よこ方向はシート面の両側
に位置するよこ方向補助糸4群ハと金属線5とからな
り、金属線5は織物の表面と裏面に2本ずつ配列し、た
て方向補助糸群ロとよこ方向補助糸群ハおよび金属線と
が織り組織をなして糸条群イが一体に保持されている。
また、隣接する強化繊維マルチフイラメント糸間には間
隙Aを有し、また、たて糸とよこ糸の交点は、樹脂含浸
ローラ等による糸のずれ、すなわち目ずれを防ぐため低
融点ポリマー6が接着されている。
【0013】このような一方向織物は、強化繊維マルチ
フイラメント糸1が、屈曲することなく真直ぐに配列し
て、いわゆるノンクリンプ構造となっているので、樹脂
で固めても、応力集中が発生することなく、FRPの引
張強度、引張弾性率が大きくなる。
【0014】なお、上記において、金属線が1箇所で2
本引き揃えてあり、これを2回、つまり4本挿入してい
るが、金属線は1箇所で1本であってもよい。
【0015】図2は本発明の強化繊維織物1の長さ方向
に間隔をあけてよこ方向に上記金属線5が配列している
様子を示しているが、織物の長さ方向にピッチBの間隔
で配列されている。
【0016】本発明の織物に使用する強化繊維は、炭素
繊維、ポリアラミド繊維、ガラス繊維などであるが、な
かでも炭素繊維は耐アリカリ性に優れ、引張強度、引張
弾性率に優れるのでコンクリート構造物の補修、補強に
は好ましく用いられる。なお、安価に織物を製造するこ
とが出来ることから強化繊維マルチフイラメント糸の繊
度は3,000デニール〜30,000デニール程度が
好ましい。
【0017】たて方向およびよこ方向の補助糸は、加熱
によって共重合ナイロンなどの低融点ポリマー糸を溶融
する際、加熱収縮しないようにするため、ガラス繊維や
ポリアラミド繊維が好ましい。また、補助糸は本質的に
は強化繊維として作用させるものではなく、織物形成の
ために使用するものであるから、繊度は100デニール
〜1,300デニール程度であることが好ましい。
【0018】また、強化繊維マルチフイラメント糸間の
間隙Aは0.3mm〜2mmが好ましい。補修、補強で
用いられる樹脂は、樹脂の垂れ落ちや織物の滑り落ちを
防ぐ観点から、常温硬化型の30ポイズから200ポイ
ズとハンドレイアップ成形としては粘度の高いエポキシ
樹脂が使われている。このような樹脂を、たとえばコン
クリート面に下塗り樹脂を塗布し、織物を貼り付けて上
塗り樹脂を塗布した後、へら掛けやローラ掛けしても、
下塗り樹脂が織物を通過して上塗り樹脂側に移動しな
い。したがって、下塗り樹脂はコンクリート面と織物の
間に残り、余分な樹脂によってへら掛けやローラ掛けの
跡が残り、硬化後のFRPの表面が凸凹し、見栄えが悪
くなってしまう。このようなことから間隙は0.3mm
以上あることが好ましい。また、間隙が大きいと、逆に
相対的に強化繊維糸が配列可能な間隔が小さくなるの
で、強化繊維の目付が小さな織物しか得られなくなる。
また、通常の炭素繊維目付が300g/m2 〜400g
/m2 程度の織物にすると、狭い間隔の中に強化繊維糸
が配列させられることになるから、強化繊維のフイラメ
ントの配列密度が大きくなり、強化繊維糸への樹脂の含
浸を阻害されるので、2mm以下が好ましい。
【0019】金属線の配列方向は、図1ではよこ方向に
配列した例について記載したが、たて方向に配列してい
てもよい。ただ、FRPにした後、層数検出するには金
属線の位置をずらしながら積層することが必要となるの
で、たて方向に配列させておくと、挿入位置の異なる織
物を多種類準備しなければならず、織物製造やロット管
理も厄介でとなる。一方、よこ方向に一定間隔に金属線
が配列した織物であると、1種類の織物で、積層の際、
金属挿入箇所が所定の間隔づつずれるように裁断すれば
よい、また、このような織物はドビーの操作によって自
動的に製造することが可能であるので、織物製造の製造
は簡単であり、またロット管理の必要も無くなる。
【0020】図3は本発明の強化繊維織物1がコンクリ
ート構造物7の表面8に積層され、FRPになった状態
で、金属線の検出法の一例を説明する部分破断概略図で
ある。
【0021】図3において、コンクリート表面8に本発
明の強化繊維織物1が4層、強化繊維の方向が同じにな
るように積層され、マトリック樹脂が含浸されてFRP
の状態となっている。FRPにおいて1層目の織物1
1 、2層目の織物12 、3層目の織物13 および4層目
の織物14 の金属線51 、52 、53 および54 は等間
隔でCづつずれるように積層されている。この間隔Cは
あまり小さいと、金属線を検出する際、各層の金属線を
判別できなくなるので、2cm以上であることが好まし
い。また、FRPにおける各層の金属線のずれ間隔Cは
必ずしも等間隔である必要はないが、等間隔であると検
出の際、検出本数を間違えることはないので好ましい。
【0022】本発明の織物における金属線挿入箇所のピ
ッチPは、積層枚数や積層するさいのずらし間隔Bによ
っても異なるが、30〜100cm程度であることが好
ましい。金属線検出で、金属線配列のピッチPのなかに
全ての層の金属線が1箇所づつ入いるように積層する
と、このピッチP内で検出される金属線挿入箇所の数を
積層数とすることが出来る。
【0023】FRPの上部で検出装置のセンサー9を金
属線の存在する箇所を移動させ、または検出装置のセン
サー9を設置し、FRPに埋め込まれた金属線の挿入箇
所を把握することによって、強化繊維織物の積層数を非
破壊で検出することができる。
【0024】本発明の金属線の感知は、 A法;金属線を交流磁界内に導入し、磁界を乱すことで
行う方法、 B法;金属線を電磁誘導によって発熱させ、該発熱部分
を赤外線放射温度計で検出する方法、 のいずれかで行うことが好ましい。
【0025】つぎに、本発明の検出方法について説明す
る。
【0026】図4および図5は検出手段がA法の原理の
一例を説明する概略図である。図4に示すように発振器
10及び励磁コイル11によって平衡な1次磁界12が
形成されているなかに、図5に示すように、FRPの金
属線5が入ると定常交流磁界が乱れて金属線5に誘導電
流が流れる。この誘導電流によって金属線の周りに2次
磁界15が発生し、平衡な磁界を乱す。この乱れによっ
て受磁コイル13に微小電圧が誘起され、この電圧を検
出器14が検知し、金属線の存在を感知することが出来
るのである。
【0027】織物の積層数検出は、FRP表面に検出装
置を置き、これを基材への金属線挿入箇所のピッチP、
つまり1周期の距離だけ、検出装置を金属線の配列方向
に対して垂直方向に移動しながら、その間に検出装置が
金属線挿入箇所を感知する回数を数える。金属線挿入箇
所を感知した回数がFRPの積層数となる。
【0028】この方法に用いられる検出装置としては、
金属探知器や近接スイッチが挙げられる。これらの装置
は、小型で軽量なので取扱いが簡単で高所や狭い部分な
ど、検出が困難な所でも使用できるのでよい。
【0029】B法の検出手段、すなわち検出手段は赤外
線カメラであり、金属線を電磁誘導によって発熱させ、
該発熱部分を赤外線放射温度計で検出する方法について
説明する。
【0030】この方法は、誘導発熱装置のコイルを流れ
る電流によって発生する磁界のなかに、FRPの金属線
を入れ、金属線に渦電流を流し、この渦電流によって金
属線にジュール熱を発生させ、金属線を加熱する。この
発熱部分を赤外線放射温度計で検出して、金属線の位置
を検知することができるのである。なお、時間が経過す
ると熱がFRP中に伝わって拡散して金属線の温度が下
がるので、赤外線放射温度計による検出作業を温度が下
がる前にすみやかに行うことが好ましい。
【0031】この方法では発熱させた部分が赤外線放射
温度計を用いて観察すると、発熱部分が線状に現れるの
で、シート材への金属線配列の1周期の間隔内にある発
熱部分の総数から、積層数を検出することが出来るので
ある。
【0032】B法の検出手段である赤外線放射温度計
は、測定対象物から自己放射される赤外放射エネルギー
を検出し、最終的にカラーまたは白黒の熱画像として表
示するものであり、サーモトレーサ、サーモグラフィ、
赤外線カメラなどがあるが、このような機能を有してい
るものであれば、特に指定はしない。
【0033】なお、B法は金属線を線状に検出すること
が出来るので、積層数のみならず積層方向も容易に検出
することができる。
【0034】本発明に用いる金属線は、磁界によって容
易に磁化されるて、検知が容易となる鉄、ニッケル、及
び、これらの合金、並びに酸化クロムIV(CrO2 )な
どの強磁性体からなるの線材がよく、なかでも鉄線が安
価であり好ましい。
【0035】但し、挿入箇所での金属線の断面積が小さ
いと感知が困難となり、また太過ぎると金属線の剛性が
高くなってシート材と一体にしにくくなってしまうし、
挿入箇所が凸状に盛り上がるので好ましくない。従っ
て、金属線は、断面積が0.005〜0.07mm2
下の単線を2〜4本シート材と並行になるように挿入す
るとよい。
【0036】本発明において強化繊維に炭素繊維を使用
し、金属線と炭素繊維の電位が異なるので電流が流れ、
金属線が電蝕で錆びてしまい、炭素繊維強化プラスチッ
クの変色や物性へ悪影響する。従って、金属線の周囲に
絶縁被覆をすることが好ましく、特に、被覆率100%
とすると電蝕防止が確実となるのでよい。
【0037】絶縁性被覆材としては、樹脂を透過する繊
維状物がよく、これを金属線周囲に捲回するのがよい。
たとえば、被覆材としてはポリエステル、ナイロン、ガ
ラス、ビニロンなどの繊維フィラメント糸があり、これ
らを、芯材とする金属線の周囲にカバーリング法や製紐
法で捲回することにより被覆ができる。
【0038】ポリエステル、ナイロン、ガラス、ビニロ
ン、ポリプロピレン、ポリアラミドなどの繊維が挙げら
れるが、上記材料の役割は絶縁性の確保なので、特に限
定しない。但し、マトリックス樹脂との接着性の良さや
電蝕防止から吸水率の低いものを選択するのがよい。ま
た、被覆材に赤や緑などの色を着けていると、シート材
の積層における金属線のずれ量を目視しながら設定しや
すく、積層作業が効率よく行える。
【0039】
【実施例】(実施例1)金属線として線径が0.11m
mの鉄線を使用し、この鉄線に75デニールのポリエス
テルフィラメント糸をS方向に、ついで100デニール
の低融点ナイロン糸をZ方向にともに1,000回/m
捲回して被覆し、被覆率が100%の絶縁被覆した鉄線
を準備した。
【0040】ついで、本発明の強化繊維織物は次のよう
に作製した。
【0041】たて方向に炭素繊維マルチフイラメント糸
(単糸数:24,000本、繊度:14,400デニー
ル、引張強度4,900MPa、引張弾性率230GP
a)とたて方向の補助糸としてガラス繊維糸(405デ
ニール)を1本交互に各々を1.88本/cmの密度で
配列させ、よこ方向には203デニールのガラス繊維に
50デニールの低融点ナイロン糸を被覆したカバーリン
グ糸をよこ方向の補助糸として5本/cmの密度で打ち
込み、50cmの間隔で2ピック分補助糸の打込みを止
めて、前記の被覆鉄線2本引き揃えて合計4本の鉄線を
打込み(1箇所の金属線の挿入長さは2mm)、その後
補助糸を打込み、これを繰り返すことによって、よこ方
向に50cmの間隔で被覆鉄線を挿入しながら、織機上
に取りつけたヒータで鉄線に絶縁被覆に使用した低融点
ナイロン糸および補助糸の低融点ナイロン糸を溶融する
ことによって、よこの補助糸とたての補助糸および炭素
繊維糸と接着することによって、目どめした。50cm
の間隔、つまり配列周期が50cmで鉄線が配列した炭
素繊維目付が300g/m2 の25cm幅の、炭素繊維
マルチフイラメント糸が真直ぐに配列し、炭素繊維糸間
の隙間が0.5mmの本発明の一方向性炭素繊維織物を
作製した。
【0042】ついで、積層に備えて、織物のよこ方向が
揃えられた状態で金属線挿入箇所の位置が5cmづつず
れるように4枚裁断した。
【0043】ついで、プライマーが塗布し1昼夜放置さ
れた橋脚のコンクリート表面に下塗りとして粘度が55
ポイズの常温硬化型のエポキシ樹脂を400g/m2
布し、まず1層目の織物を橋脚の周方向に貼り付け、さ
らに織物の上に上塗りとしてエポキシ樹脂を200g/
2 塗布した後、含浸ローラで樹脂を織物に含浸し、つ
いで200g/m2 の樹脂を塗布した後2層目の織物を
1層目の上に、織物のよこ方向を揃えて橋脚の周方向に
貼り付けて1層目と同じように樹脂を塗布し、含浸ロー
ラで樹脂を織物に含浸した。同様に3層目、4層目の積
層、樹脂の塗布、樹脂の含浸を行い、常温で硬化させ
て、コンクリート表面を積層体、すなわち炭素繊維織物
のFRPで補強した。
【0044】織物の炭素繊維糸間に隙間があるので、各
層の織物への樹脂含浸ローラ掛けの際、余分の樹脂が部
分的に偏在することなく、下塗りの樹脂が織物の炭素繊
維糸間に隙間から抜けて上塗り樹脂側の方に抜けて、硬
化したFRPの表面は平滑であった。
【0045】金属線の検出には金属探知器として、セン
サ外径φ30の近接スイッチを使用した。この装置は、
金属を感知するとランプが点灯するもので、これをFR
Pの表面に置いた。次に、スイッチを2m/minのス
ピードで、金属線の長手方向に対して垂直な向き動か
し、50cm移動させた所でスイッチを止めた。この移
動の間のランプ点灯回数を測定したところ4回であり、
積層数が4枚であることが確かめられた。
【0046】炭素繊維は黒いため、積層体も黒くなり、
外観から金属線の存在を視認することが出来ないが、近
接スイッチで非破壊で積層数の検出が可能であった。
【0047】(実施例2)実施例1と同じコンクリート
に貼り付けられたFRPを、100V、1400Wの電
磁誘導装置で1分間金属線を加熱したのち電磁誘導装置
を取り外し、FRPから1mの距離に設置した赤外線放
射温度計で測定した。なお、赤外線放射温度計として、
HgCdTe検出器で、30℃での最小検知温度差が
0.08℃、温度測定範囲が−50〜2000℃のもの
を使用した。
【0048】温度分布をカラーの熱画像として表示させ
た所、橋脚の長さ方向に細長く続く高温部分が4ヶ所観
察され、積層数が4枚であることが検出できた。
【0049】
【発明の効果】本発明の強化繊維織物は、通常の非破壊
検査方法では検出することができないFRP積層数、積
層方向を容易に検出することが出来る。また本発明の積
層数検出方法によれば、コンクリート構造物におけるF
RPの積層数、積層方向を非破壊で、簡単に検出するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係わる、金属線が織物の
幅方向と並行に配列した一方向強化繊維織物を説明する
図である。
【図2】本発明の一実施態様に係わる、織物の長さ方向
に挿入されている状態を説明する図である。
【図3】本発明の一実施態様に係わる、積層体における
金属線配列状態と積層数検出の様子を説明する図であ
る。
【図4】本発明の一実施態様に係わる、金属線の感知の
原理を説明する図で、磁界が平衡状態にあることを説明
する図である。
【図5】本発明の一実施態様に係わる、金属線の感知の
原理を説明する図で、磁界の中に金属線が入り不平衡状
態にあることを説明する図である。
【符号の説明】
1:強化繊維織物 2:強化繊維マルチフイラメント糸 3:たて方向補助糸 4:よこ方向補助糸 5:金属線 6:低融点ポリマー 7:コンクリート構造体 8:構造体表面 9:センサー 10:発振器 11:励磁コイル 12:1次磁界 13:受磁コイル 14:検出器 15:2次磁界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 25/72 G01N 25/72 K 27/72 27/72 (72)発明者 小林 卓 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515番地 東 レ株式会社愛媛工場内 (72)発明者 堀部 郁夫 愛媛県伊予郡松前町大字筒井1515番地 東 レ株式会社愛媛工場内 (72)発明者 吉永 達郎 茨城県つくば市桜1丁目17番地 ショーボ ンド建設株式会社補修工学研究所内 (72)発明者 江口 和雄 茨城県つくば市桜1丁目17番地 ショーボ ンド建設株式会社補修工学研究所内 (72)発明者 佐藤 孝志 東京都千代田区神田錦町3丁目18番地 シ ョーボンド建設株式会社内 Fターム(参考) 2E176 AA01 BB29 BB38 2G040 AB08 BA02 BA08 BA26 CA02 DA06 DA12 EA04 EB02 GB01 HA02 2G053 AA09 AA21 AB21 BA02 BA15 BC02 BC14 CB27 CB29 4F100 AB01A AB01B AB01C AB01D AB01E AG00A AG00B AG00C AG00D AG00E AK01A AK01B AK01C AK01D AK01E AK48A AK48B AK48C AK48D AK48E AK53 AK79A AK79B AK79C AK79D AK79E BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA10A BA10B BA10C BA10D BA10E BA41 DG04A DG04B DG04C DG04D DG04E DG12A DG12B DG12C DG12D DG12E DG19A DG19B DG19C DG19D DG19E EH51 EH512 EJ82A EJ82B EJ82C EJ82D EJ82E EK15 GB07 GB90 JG01 JG06 4L048 AA04 AA05 AA20 AA24 AA48 AA51 AB07 AB10 AB19 BA01 BA02 CA01 DA30 DA41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)〜(C)の要件を満足すること
    を特徴とする強化繊維織物。 (A)応力が集中するような屈曲を有しない強化繊維マ
    ルチフィラメント糸を、一方向に互いに並行かつシート
    状に引き揃えてなる糸条群のシート両面側によこ方向補
    助糸群が位置し、それらよこ方向補助糸群と、前記強化
    繊維マルチフィラメント糸と並行するたて方向補助糸群
    とが織組織をなして糸条群を一体に保持し、 (B)前記隣接する強化繊維マルチフィラメント糸間に
    は0.3〜2mmの間隙を有し、 (C)かつ金属線が挿入されている。
  2. 【請求項2】下記(a)および(b)の要件を満足する
    ことを特徴とするコンクリート構造物における強化繊維
    織物の積層数検出方法。 (a)請求項1に記載の強化繊維織物の金属線の挿入箇
    所が互いに異なるように積層、樹脂含浸、樹脂を硬化し
    てコンクリート構造物を補強した後、 (b)前記金属線を感知することによって前記強化繊維
    織物の積層数を検出する。
  3. 【請求項3】前記強化繊維マルチフィラメント糸が炭素
    繊維であり、前記金属線には絶縁被覆がなされているこ
    とを特徴とする請求項2に記載のコンクリート構造物に
    おける強化繊維織物の積層数検出方法。
  4. 【請求項4】前記金属線を交流磁界内に導入し、該磁界
    を乱すことで前記金属線を検出することを特徴とする請
    求項2または3に記載のコンクリート構造物における強
    化繊維織物の積層数検出方法。
  5. 【請求項5】前記金属線を電磁誘導によって発熱させ、
    該発熱部分を赤外線カメラで検出することで前記金属線
    を検出することを特徴とする請求項2または3に記載の
    コンクリート構造物における強化繊維織物の積層数検出
    方法。
JP24947598A 1998-09-03 1998-09-03 強化繊維織物およびコンクリート構造物におけるfrp積層数検出方法 Expired - Lifetime JP4268704B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24947598A JP4268704B2 (ja) 1998-09-03 1998-09-03 強化繊維織物およびコンクリート構造物におけるfrp積層数検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24947598A JP4268704B2 (ja) 1998-09-03 1998-09-03 強化繊維織物およびコンクリート構造物におけるfrp積層数検出方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000080535A true JP2000080535A (ja) 2000-03-21
JP2000080535A5 JP2000080535A5 (ja) 2005-10-06
JP4268704B2 JP4268704B2 (ja) 2009-05-27

Family

ID=17193524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24947598A Expired - Lifetime JP4268704B2 (ja) 1998-09-03 1998-09-03 強化繊維織物およびコンクリート構造物におけるfrp積層数検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4268704B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003013513A (ja) * 2001-07-02 2003-01-15 Fudo Constr Co Ltd 外断熱部材の製造方法及び外断熱pcコンクリート板の製造方法
US7012425B2 (en) 2003-09-18 2006-03-14 Tdk Corporation Eddy-current probe
US7078895B1 (en) 2003-09-18 2006-07-18 Tdk Corporation Eddy-current probe
US7098655B2 (en) 2003-07-22 2006-08-29 Kanazawa University Eddy-current sensor with planar meander exciting coil and spin valve magnetoresistive element for nondestructive testing
JP2006265769A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Toray Ind Inc 導電性織物およびその製造方法
CN103808765A (zh) * 2014-02-14 2014-05-21 盐城工学院 一种自监测智能织物增强混凝土及其制作方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003013513A (ja) * 2001-07-02 2003-01-15 Fudo Constr Co Ltd 外断熱部材の製造方法及び外断熱pcコンクリート板の製造方法
US7098655B2 (en) 2003-07-22 2006-08-29 Kanazawa University Eddy-current sensor with planar meander exciting coil and spin valve magnetoresistive element for nondestructive testing
US7012425B2 (en) 2003-09-18 2006-03-14 Tdk Corporation Eddy-current probe
US7078895B1 (en) 2003-09-18 2006-07-18 Tdk Corporation Eddy-current probe
JP2006265769A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Toray Ind Inc 導電性織物およびその製造方法
JP4635674B2 (ja) * 2005-03-24 2011-02-23 東レ株式会社 導電性織物およびその製造方法
CN103808765A (zh) * 2014-02-14 2014-05-21 盐城工学院 一种自监测智能织物增强混凝土及其制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4268704B2 (ja) 2009-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100563130B1 (ko) 보강용 탄소섬유기재, 적층체 및 검출방법
US7981495B2 (en) Materials methodology to improve the delamination strength of laminar composites
US4772092A (en) Crack detection arrangement utilizing optical fibres as reinforcement fibres
CA2097111C (en) Method of repairing electric pole made of concrete and electric pole
US20030056847A1 (en) Woven preform for structural joints
KR0163628B1 (ko) 철근 콘크리트 구조물의 보강방법
JP3097497B2 (ja) 補強繊維シートおよびコンクリート構造物
EP1834173A1 (en) Electrical damage detection system for a self-healing polymeric composite
US20060172638A1 (en) Textile composite intended for mechanical reinforcement of a bitumen-based waterproof coating
US11422046B2 (en) Sensing textile
JP2000080535A (ja) 強化繊維織物およびコンクリート構造物におけるfrp積層数検出方法
JP4186262B2 (ja) 積層体および積層体の積層数検出方法
ITMI982195A1 (it) Tessuto atto all'applicazione come rinforzo di opere edili
JP4300597B2 (ja) 補強用繊維基材及び構造物の歪み検出方法
US20160177483A1 (en) Composite reinforcement
JP2004044322A (ja) コンクリート構造物の補修・補強方法
JP2000080535A5 (ja)
JPH094049A (ja) 補強繊維シートおよびコンクリート構造物
JP2001004440A (ja) 光ファイバセンサ埋込板、光ファイバセンサ埋込型複合材料およびその製造方法
JPH08142238A (ja) 一方向性強化繊維複合基材及びその製造方法
JP2000085044A (ja) 多層強化繊維シートおよび構造物の補修・補強方法
KR0130505Y1 (ko) 보강재용 탄소 섬유 재직 구조
JPH04336242A (ja) 繊維強化樹脂補強セメント系構造体
Tsovolos et al. Composite structure repair scheme assessment
JP2006168089A (ja) 防水シート

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050524

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090127

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090223

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term