JP4186246B2 - 使用済み製品の処理支援方法および処理支援システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電品、OA機器等の製品が使用済みとなって処分されるときの処理支援方法及び処理支援システムに係り、特に適正な処理を証明可能な処理支援方法及び処理支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
家電品などが使用済みとなった場合、その多くは分解等の事前処理をほとんど行うことなく破砕され、鉄ならびに一部の非鉄金属のみが回収され、残りは埋立等の方法で最終処分されているのが現状である。適正処理対象物の回収を実現する1つの方法としては、特開平7−334583号公報等がある。これは、製品の情報を管理するデータベースを用いて、製品の中に存在する有害物を含んだ部品を示し、その分解を指示し、各部品毎に分解したか否かを部品の名称や部品固有の品番でチェックすることで、有害物を確実に取り外すという技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの従来技術は、使用済み製品を適正に処理することを支援する技術ではあるがための技術であり、例えば、処理工場において確実に適正な処理が行われたか否かを管理するものではなかった。家電品などには、電子回路基板に含まれる鉛や、冷蔵庫、エアコンのコンプレッサー内の潤滑油のように、そのまま廃棄されると環境に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている物質も含有されており、それらの物質が、回収されたないままシュレッダーダストに含有されて最終処分されると、地下水への溶出などの環境汚染の原因となる可能性もあり、使用済みとなった家電製品などの適正な処理が行われたか否かを管理することは非常に重要な課題となっていた。
【0004】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、使用済み製品に対して適正な処理が行われたか否かを管理することが可能な処理支援方法及び処理支援システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
我々は、処理工場における回収品の質量を管理することで、上記目的を達成することとした。
【0006】
すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、製造メーカ別の各種製品を構成する適正な処理を要する部品と、その想定質量を予めデータベースに記憶しておき、処理対象となる使用済み製品の製品情報を用いて予め記憶した製品の中から該当する製品の有する適正な処理を要する部品の想定質量を抽出し、該抽出した適正な処理を要する部品の想定質量と該使用済み製品を処理して得られる回収部品を計量した計量質量とを比較し、前記計量質量と前記想定質量が所定の許容誤差範囲内で一致した場合に、前記適正な処理を要する部品は適正に回収されたと判定することで該使用済み製品の処理を管理するものである。
【0007】
また、前記計量質量が前記想定質量と所定の許容誤差範囲内で一致しない場合にアラームを出力するものである。
【0008】
また、前記計量質量が前記想定質量と所定の許容誤差範囲内で一致しない場合に、前記使用済み製品の製品情報に対応させて前記使用済み製品を処理した映像をデータベースに記憶するものである。
【0009】
また、前記計量質量を前記使用済み製品の製品情報に対応させてデータベースに記憶し、前記使用済み製品の計量質量と想定質量とを用いて前記使用済み製品の処理が適正に行われたか否かを証明する適正処理証明書を作成するものである。
【0010】
また、複数の製品に対して各製品の有する回収物質ごとに、各製品が破砕・回収処理に投入された時点より前記回収物質が分離回収される過程を、横軸に時間、単位時間ごとに回収される前記回収物質の計量質量を縦軸とする回収関数として予め測定により求めて記憶しておき、処理対象となる複数の使用済み製品が前記破砕・回収処理に投入されると同時に、その投入時期を記録し、前記投入された各使用済み製品の製品情報を用いて予め記憶した各使用済み製品毎の投入時期、および製品毎、回収物質毎の回収関数を検索し、前記検索された投入時期および回収関数によって前記各使用済み製品の回収開始時刻と回収終了時刻を求め、前記破砕・回収処理によって計量される回収物質毎の回収量に、前記各使用済み製品の回収関数が表す回収量が所定の誤差内で一致、または含まれることを前記回収開始時刻から回収終了時刻まで確認することで前記各使用済み製品の処理を管理するものである。
【0011】
また、使用済み製品を処理する処理装置と、該使用済み製品を処理して得られる回収部品を計量する計量装置と、製造メーカ別の各種製品を構成する適正な処理を要する部品と、その想定質量を記憶するデータベースと、処理対象となる使用済み製品の製品情報を入力する手段と、該入力した製品情報を用いて該データベースに記憶した製品の中から該当する製品の有する適正な処理を要する部品の想定質量を抽出する手段と、該抽出した適正な処理を要する部品の想定質量と該使用済み製品を処理して得られる回収部品を計量した計量質量とを比較して、前記計量質量と前記想定質量が所定の許容誤差範囲内で一致した場合に、前記適正な処理を要する部品は適正に回収されたと判定する手段とを有する演算装置とを備えたものである。
【0012】
また、前記演算装置がさらに前記計量質量と前記想定質量とが所定の許容誤差範囲内で一致しない場合にアラームを出力する手段を有するものである。
【0013】
また、前記使用済み製品を処理する映像を撮影する撮像装置をさらに備え、前記演算装置が前記計量質量と前記想定質量とが所定の許容誤差範囲内で一致しない場合に、該撮像装置が撮影した使用済み製品を処理した映像を前記使用済み製品の製品情報に対応させて前記データベースに記憶するものである。
【0014】
また、前記演算装置がさらに前記計量質量を前記使用済み製品の製品情報に対応させて前記データベースに記憶させる手段と、前記使用済み製品の計量質量と想定質量とを用いて前記使用済み製品の処理が適正に行われたか否かを証明する適正処理証明書を作成する手段とを有するものである。
【0015】
また、複数の使用済み製品を破砕処理する破砕装置と、前記複数の使用済み製品を破砕して得られる破砕片より、それぞれ特定の材質の材料を選別して回収する選別装置と、前記各選別装置が回収した材料を計量する計量装置と、複数の製品に対して各製品の有する回収物質ごとに、各製品が破砕・回収処理に投入された時点より前記回収物質が分離回収される過程を、横軸に時間、単位時間ごとに回収される前記回収物質の計量質量を縦軸とする回収関数として予め測定により求めて記憶するデータベースと、処理対象となる複数の使用済み製品が前記破砕・回収処理に投入されると同時に、その投入時期を前記各使用済み製品の製品情報に対応させて前記データベースに記憶する記録手段と、処理対象となる複数の使用済み製品の製品情報を入力する手段と、該入力した製品情報を用いて前記データベースに記憶した製品の中から該当する製品の投入時期、および製品毎、回収物質毎の回収関数を検索する手段と、前記検索された投入時期および回収関数によって前記各使用済み製品の回収開始時刻と回収終了時刻を求め、前記破砕・回収処理によって計量される回収物質毎の回収量に、前記各使用済み製品の回収関数が表す回収量が所定の誤差内で一致、または含まれることを前記回収開始時刻から回収終了時刻まで確認する手段とを有する演算装置とを備えたものである。
【0016】
これによって、回収した部品や材料の質量を確認しながら確実に回収することができるため、使用済み製品からリサイクル可能な材料を確実に回収できる。すなわち、回収部品の質量を管理することで、適正な処理を行えたか否かを容易に判断することが可能となる。
【0017】
ところで、今後、使用済み製品のリサイクル処理が製造メーカの責任または負担になる可能性が大きくなっていることや、適正な処理が必要とされる物質に対する適正処理管理が強化される可能性が大きくなっている中で、適正な処理が必要な物質の回収の徹底とその回収量の把握による、適正処理実施の証明は、製造メーカやその処理を委託される処理業者にとって重要なことであるが、本発明によれば、適正な処理が必要とされる物質の回収の徹底とその回収量の把握が可能であり、その回収データを用いて、適正処理が実施されたことを証明する帳票類への出力・作成も容易に行なうことも可能となる。
また、本発明は使用済みの製品に含まれるリサイクル可能な部品および材料の割合を示すリサイクル率を算出することで使用済み製品の処理を管理する使用済み製品の処理支援方法であって、処理対象となる使用済み製品の質量を予めデータベースに記憶しておくとともに、該使用済み製品の処理後に得られる部品および材料のそれぞれについてのリサイクル可否の情報を予めデータベースに登録しておき、処理対象となる使用済み製品の製品情報に基づいて、前記データベースに記憶した使用済み製品の質量を読み出すとともに、前記使用済み製品より解体処理によって得られた部品、および前記使用済み製品、部組品またはそれらの一部を破砕処理して選別回収された材料のそれぞれについて、前記データベースに格納したリサイクル可否の情報を参照してリサイクルの可否の判定を行い、前記リサイクル可能と判定された部品および材料の質量を測定して、それぞれの測定値を合計し、前記製品の質量に前記リサイクル可能と判定された部品および材料の合計質量が占める割合を求めることでリサイクル率を算出することによって、使用済み製品の処理を管理するものである。
【0018】
また、製品の製造業者が、使用済み製品の処理を処理業者に委託して実施する場合を考えると、処理業者が本システムを導入すれば、処理業者が委託した使用済み製品の処理を適正に行なっているかの把握が容易になり、処理委託先の管理が容易になる。これにより、製造業者がISO14001で求められている廃棄物の処理委託先の処理状況管理が容易に行なうことが可能となる。同様に、処理業者から見れば、業者自身が行なっている処理が適正であることを容易に示すことも可能であり、他業者から処理を受託する時の交渉が行ない易くなるなどのメリットがあるとともに、ISO14001の認証取得のためのデータとして利用することも可能である。また、製品情報を用いた効率的な処理が可能であり、作業効率の向上も実現可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を詳述する。
【0020】
図1は本発明の全体構成を示す。
【0021】
図において、1は各種情報を出力する出力装置、2は処理対象4に添付されたバーコード5を読み取るバーコードリーダ、3はバーコードリーダ2に代わって製品の型式やサイズ、年式、メーカなどの製品を特定するための情報を入力するキーボードなどの入力装置、4は使用済み製品等の処理対象、5は処理対象4に付されたバーコード、6は処理対象4から分解回収した回収部品、7は分解回収した回収部品6の質量を計量する計量装置、8は製品情報と該製品に搭載される適正処理物情報等を記憶した製品情報データベース、9は計量装置7の計量結果等を記憶する処理実績データベース、10は処理実績データベースの内容を編集する演算装置、11は処理実績データベース9の内容を出力または演算装置10の編集して内容等を出力する出力装置、12は後述する適正処理の判定等を行う情報処理部である。
【0022】
なお、情報処理部12は、図2に示すように、製品情報データベース8に記憶された内容を読み出す製品情報読み出し部13、所定の適正処理の判定等の様々な処理を行うデータ処理部14、計量装置7の計量した結果を入力する計量データ入力部16、データ処理部の処理結果等を処理実績データベース9等に出力するデータ出力部16とを備えている。
【0023】
図1および図2に示す処理支援システムにおける処理手順を図3を用いて説明する。
【0024】
まず、作業者は、処理を行う処理対象4に添付されたバーコード5を、バーコードリーダ2で読み取るか、メーカ、型式、年式、寸法、質量などの製品を特定するための情報をキーボード3から入力する(ステップ100)。すなわち、処理対象となっている製品の製品識別情報を入力する。
【0025】
次に、情報処理部12では、入力された製品識別情報をもとに、製品情報読み出し部13が製品情報データベース8から、製品識別情報に該当する製品に関する情報、例えば分解が必要となる適正処理物を含有する部品や部組品を検索する(ステップ101)。
【0026】
図4は、製品情報データベース8に記憶された情報の例であり、製造メーカ毎の各種製品を構成する部品や部組品に関する情報を記憶している。特に、各製品に含まれる環境に悪影響を与える可能性のある物質、すなわち適正処理を必要とする適正処理物質と、適正処理物質を含有する部品名もしくは部組品名と、適正処理物質の含有質量(想定質量)とを記憶している。また、分解・解体時の使い勝手を向上させるために、適正処理すべき物質の位置、分解方法、分解に使用する工具などの分解作業指示内容、基基板板専用処理工程やリサイクル可といった後処理工程やリサイクル可否を記憶している。これらは分解・解体時に有効な情報ではあるが、必ずしも必要ではない。なお、製品内の対象部品の位置の記録方法としては、図4に示すような「本体内下側」といった表現の他に、製品内の位置を3次元(XYZ)で記録することで、コンピュータに指示がし易いようにする方法もある。
【0027】
次に、ステップ101での検索結果を表示装置1等に出力する(ステップ102)。すなわち、バーコード5等で製品の識別情報(例えば、製品名:パーソナルコンピュータ、型番:123‐456、製造メーカA社)を読み取り、図4に示すような製品情報データベース8から該当製品の部品情報(例えば、適正処理物、含有部品名、想定質量)を抽出して出力する。但し、必ずしも検索結果を出力する必要はない。
【0028】
図5は、表示装置1に表示する製品情報の表示例であり、製品情報データベース8に記憶する情報から該当する製品の必要な情報を編集して出力している。ここで、製品情報データベース8に、分解作業を指示する図面を併せて記憶しておき、これも併せて出力すれば、図5に例を示すような文字による指示だけでなく、図を用いた分解の作業の指示を行なうことも可能である。また、計量装置7での計量が終わった部品については、その結果を併せて表示することが望ましいので、その欄を設けている。図5では、既に回収実績が記述されているが、実際にはステップ100〜102までを実行した段階では記述はされていない。なお、図示されていないが、図5に示す製品の識別情報(例えば、製品名:パーソナルコンピュータ、型番:123‐456、製造メーカA社)に該当する製品情報は実際には図4に示す製品情報データベース8に他の製品情報と同様に記述されている。
【0029】
次に作業者は、出力装置1に表示された、適正処理物を含有する部品や部組品を分解作業により回収を開始する(ステップ103)。
【0030】
そして、必要な部品(部組品)6の分解が終了したら、該部品(部組品)を、計量装置7により計量する(ステップ104)。計量装置7で計量された計量データは、情報処理部12の計量データ入力15を介して入力され、データ処理部14で、その計量質量と製品情報データベース8に記憶された製品情報データの該当部品(部組品)の想定質量とを比較処理し、その処理結果を表示装置1に表示する(ステップ105)。図5はその表示例である。ここで、回収質量の欄には分解回収し計量した部品(部組品)6の質量を、判定欄には適正処理物を含有する部品(部組品)毎の想定質量と分解回収し計量した質量が一致した場合には「OK」を、一致していない場合には「NG」を表示する(ステップ106)。また、「NG」を表示する場合は「NG」の文字を点滅させる、ビープ音などを鳴らすなどの方法で、アラームを出す(ステップ106)。
【0031】
ここで「OK」だった場合には、適正処理物を含有する部品はきちんと回収されたと判断され、次に進むことができる。一方、「NG」が表示された場合、作業者は、製品情報の想定質量と分解回収後に計量した質量を比較し(ステップ107)、計量した質量が重い場合には、回収実績表の不一致理由欄にその理由、例えば「追加された基板有り」等を入力、または理由の一覧表から選択する(ステップ108)。一方、計量した質量が軽い場合には、未回収分がないか確認し(ステップ109)、未回収分があった場合には該未回収分を分解回収して計量装置7で再度計量する。未回収分がない場合にはその理由、例えば「事前に回収済み」等を入力、または理由の一覧表から選択する(ステップ108)。不一致理由が入力または選択されると、「NG」の表示やアラームは消え「OK」表示に変わり、その分解回収部品(部組品)の分解回収作業は終了し、回収データが決定される(ステップ110)。なお、各部品の判定について、「OK」が表示されていることを、さらに確認するために、例えばマウス等の入力装置で確認欄をチェックするといった方法を取ることで、さらに分解回収の確実性を上げることができる。
【0032】
以下、各部品(部組品)について、同様の手順で順次分解回収を行い、全ての部品(部組品)の分解回収が終了したら、回収実績表に表示された「終了」ボタンを押す、作業者の近傍に設置した作業終了ボタン(他の入力装置と同様に情報処理部12にも接続されているもの)を押すなどの方法により、回収実績表に表示された全てのデータが確定し、処理実績データベース9に記憶する(ステップ111)。
【0033】
これによって、適正処理対象物を含有する部品6や部組品の分解回収を行い、その回収物の計量質量と、製品情報として記憶された想定質量を比較して、確実な回収が行われたことを確認できるので、適正処理対象物を含有した部品や部組品が、分解回収されずに破砕され、シュレッダーダストに混入して、最終処分場の環境を汚染するといった問題がなくなる。
【0034】
なお、本システムにおいて、上記の計量した分解回収部品(部組品)の質量と製品情報データベース8に記録された想定質量の一致の判定においては、必ずしも完全に一致する必要はなく、例えば±10%の誤差は認めるといったアルゴリズムをデータ処理部14に導入しておくことで、例えば回路基板の回収時に、該部品(部組品)として想定されていない接続コードやねじなどが一緒に分解回収されてきた場合にも、判定が簡単には「NG」にはならず、処理システム、処理ライン、処理工場の動きがスムーズになると考えられる。ここで、例えば容認の範囲をプラス側20%、マイナス側0%のように範囲を取れば、分解すべき部品(部組品)が分解されないままになってしまうことを防ぐことができる可能性が大きくなる。
【0035】
また、本システムにおいて、例えば分解回収品の計量質量が、想定質量よりも少なかった場合には、例えば「事前に回収済み」といった入力をすることで、判定を「OK」にする方法を示したが、これを証明する手段として、該部品が存在したはずの部位の写真などの映像を撮影し、それを処理実績データベース9に回収済みだった証明として同時に記録することで、より確実な適正処理の証明が可能となる。なお映像の記録方法としては、写真の場合には、そのネガ番号とフィルム内のコマ番号を処理実績データベース9に記録する方法や、デジタルカメラで撮影し、映像のデジタル情報を、処理実績データベース9に直接記憶する方法が考えられる。なお、映像としては写真などのある一瞬の映像だけでなく、VTR等を用いた動画を撮影、記録することで、より確実な適正処理の証明が可能となる。この場合には、映像の記録方法としては、VTRのテープ番号とテープ内の記録時刻を処理実績データベース9に記録する方法や、MPEGカメラのような映像をデジタル情報で記録するメディアを使って撮影し、そのデジタル情報を、処理実績データベース9に直接記憶する方法が考えられる。
【0036】
また、上記の実施例においては、分解を実施したことを質量を計量することで確認しているが、例えばねじのように、部品数を数えることが容易な部品や部組品については、個数を入力または自動計数することにより、確実に分解回収することを証明する方法も考えられる。
【0037】
また、本システムが活用する製品情報データベース8は、例えば、新たに製品が追加される、処理技術の進歩などにより製品の別の処理方法が発見される、従来は有害と思われていなかった物質が有害と判明したために、新たに分解回収すべき部品や部組品が追加されるなど、本来刻々と変更になる可能性を持つ情報を蓄えており、常に最新の情報が提供されることが望ましい。そのためには、製品情報データベース8はネットワークなどを用いて外部のデータベースと接続することで、常にまたは適宜最新の情報に更新できる機能を持つことが望ましい。また別の方法としては、製品情報データベース本体を本システムから切り離し、情報処理部12が、直接ネットワークを用いて、外部に設けられた製品に関する最新の情報を蓄積したデータベースを参照する方式も考えられる。この方式によれば、データベースの内容の一括管理が行なえるために、その管理が容易になり、また個々のシステム側には膨大な量となるデータベースを持つ必要がなく、個別システムを小型化できる利点もある。
【0038】
一方、図6に示すように、製品情報データベース8に記憶された製品に関する情報と、計量装置7によって測定された部品6や部組品の計量結果データとを処理実績データベース9に記憶しておけば、演算装置10を用いて図7に示すようなフォーマットに編集することができる。図7は、適正処理対象物毎に編集した例であり、例えば、月毎、適正処理物名毎に分類している。この集計値と、該処理ラインや処理工場から外部に持ち出される、または別の処理ラインや処理工場に投入される該適正処理物の量を比較することにより、該処理ラインや処理工場が、適正処理物を、適正に処理しているかを判定することも可能となる。ここで、該処理ラインや処理工場から外部に持ち出される該適正処理物の量については、輸送の記録などの輸送物名、輸送量を特定可能な情報から、また別の処理ラインや処理工場に投入される該適正処理物の量については、該処理ラインや処理工場の投入量の管理台帳などから把握することが可能である。
【0039】
ところで、廃棄物処理業者は、回収した適正処理対象物を含有する部品や部組品を、専門処理業者に委託するなどの方法で適正に処理して、それを証明する必要があるが、現状では、適正処理証明書(マニフェスト)作成のためのデータ収集や、帳票作成が面倒で手間がかかるなどのために、マニフェストが作成されず、適正に処理されたかどうかの証明ができないという問題がある。しかし、このシステムのように処理実績データベース9に記憶したデータをもとに図7に示す適正処理対象物別リストなどを編集すれば、面倒なデータ収集や帳票作成が緩和され、マニフェスト発行による適正処理の証明が行われ易くなる。すなわち、このような編集により、適正な処理が必要とされる物質の回収の徹底とその回収量の把握が可能となり、この回収データを用いることで適正処理が実施されたことを証明する帳票類への出力・作成も容易に行なうことが可能となる。
【0040】
なお、図1に示す処理支援システムでは、製品情報データベース8と処理実績データベース9とを設けたが、これらを統一したデータベースに構成しても良い。また、演算装置10の機能を情報処理部12に持たせても良い。
【0041】
次に、本発明の別の実施例として、例えば製品や部組品、またはそれらの一部を破砕機などで破砕し、その後選別作業を行なった場合について、上記の方法を適用する方法を示す。
【0042】
使用済み製品の処理の場合、製品を構成する全ての部品を分解し、リサイクルすることは、分解に要する費用が高くなる可能性が高く、また回路基板のように、そこに含まれるハンダの適正な処理が求められているために、分解以外の専用の処理を行なうことが望ましい部組品などが存在するために、シュレッダーによる破砕後の選別による材料回収や専用の処理工程による材料回収などの処理方法を併用する場合がほとんどである。
【0043】
ここで、分解による回収の場合には、作業者や自動機による作業の直後に、分解の対象となった部品や部組品を、その形で回収することが可能であり、その結果、上記方法において、計量装置7による計量を実施することが可能である。これに対して、破砕後の選別や専用の処理工程による処理では、例えばシュレッダーに投入してから選別ラインに載って回収されるまでに時間遅れがあり、どの製品の投入物が、いつどの程度回収されたかを直接計量することは難しい。特に、シュレッダーのように、原則として処理対象である使用済みの製品などを、連続して投入する処理装置の場合には、どこまでが最初に投入された製品からの回収物で、どこからが次に投入された製品の回収物であるかの判定を行なうことが困難である。
【0044】
そこで、本方式では、例えばシュレッダーのように連続して投入・選別回収が行われる処理装置の場合、処理対象の投入から材料の回収までの時間遅れと回収量の関係が、図11に示すような山形の分布する特性を考慮し、選別回収される回収物の量を、連続的に測定し、その測定値と、図11に示す時間遅れの関係を用いることで、対象とする製品からの回収量を特定する方式を提供する。
【0045】
図8は,本方式を実施する装置の全体構成を示すものである。
【0046】
対象製品(製品を構成する一部の部品や部組品を分解した残りの場合も含む)は破砕装置30に投入される。この際破砕装置30には,検出装置31が設けられており,検出装置31が対象製品の投入の時期を検出する。検出装置31からの検出信号は信号線ケーブル38を通して演算装置35に送られる。
【0047】
一方、破砕装置30を出た破砕片は,搬送装置32により選別ラインに送られ,選別装置33を通る。選別装置33は複数種類のものが複数用意される場合もある。図においては、第一の選別装置33と第二の選別装置33を用意することで、それぞれの選別装置33により複数の材質を材質別に回収する。
【0048】
選別装置33により選別された各材料は,各計量装置34により所定の時間間隔で連続的に計量され,その計量結果は,信号線ケーブル38を通して演算装置35に送られる。演算装置35は,送られた計量結果を,計量した時間とともにデータベース36に記憶していく。また、検出装置31からの検出信号に基づいて投入した対象製品の製品識別情報と投入時期とともにデータベース36に記憶していく。
【0049】
図9にデータベース36に記憶する計量結果に関する情報の一例を示す。第1欄には計量した日付,第2欄には計量した時刻を記録する。これらは併せて記録してもよい。第3欄以降には,選別装置33で回収された各材質の計量結果(回収量)を記録する。なお回収量の記録方式としては,計量装置34から演算装置35に送られたデータ(この場合には電気的計測値の場合もある)をそのまま記録する方法や,その値を質量データに変換してから記録する方法がある。前者の場合には,リアルタイムでデータ変換を行なわないために計量装置34や演算装置35の負荷を下げられるメリットがある。この場合,記録データと同時に温度補償といった計測値から質量に変換する際に必要なデータをも記録しておく。
【0050】
図10にデータベース36に記憶する対象製品の投入時期に関する情報の一例を示す。第1欄には投入した日付,第2欄には投入した時刻を記録する。これらは併せて記録してもよい。第3欄以降には投入した対象製品に関する製品識別情報等を記録する。例えば製造メーカ,型番,年式などである。なお第3欄以降の投入した製品に関する情報については,上記の分解作業の指示を行なう際に,その製品毎に管理番号を付け,本データベースにはその管理番号のみを記録する方法もある。
【0051】
また、検出装置31の検出方法は,例えば光センサーにより,対象製品が破砕機の投入口を横切り,光が遮られたことを検出する方法などが考えられる。また検出装置31は必ずしも破砕機30本体に設置される必要はなく,例えば破砕機投入口直前や,破砕機につながる搬入経路に設けられてもよい。また投入のタイミングを調整している人または演算装置が存在する場合には,その人または演算装置からの投入命令のタイミングを演算装置35に送ることで,検出装置31を省略しても良い。
【0052】
また,搬送装置32は、ベルトコンベヤやパイプ式搬送装置などが考えられる。
【0053】
また、選別装置33は,鉄の選別が可能な磁力選別機,アルミや銅などの非鉄金属が選別可能な渦電流選別機,材料の比重差を利用する比重選別機などがある。なお図では選別装置33は搬送装置32上部に設けられているが,必ずしもこの位置とは限らず,搬送装置32の脇,下などに設置する場合もある。
【0054】
また,計量装置34は,例えば歪みケージ方式により,質量の変化を電気信号により検出し,その結果を信号線ケーブル38を通して演算装置35に送る方法などがある。ここで信号線ケーブル38にデータを伝送する前に,増幅装置などを通すと良い。なお,質量測定のタイミングは,計量装置34が計量するごとに演算装置35に測定データを送る方法と,演算装置35から信号線ケーブル38を通して計量装置34に計量の指示を出し,そのタイミングで計量装置34が計量結果を演算装置35に送る方法が考えられる。
【0055】
次に、連続して処理される対象製品毎の回収量を図9、図10に示す情報を用いて出力する方法を説明する。
【0056】
まず、図11に示すような、処理装置に処理対象製品(製品を構成する一部の部品や部組品を分解した残りの場合も含む)を投入した場合に,ある材質に関して投入してから回収するまでの時間と回収量の変化についての関数を作成する。図11に示した分布図の作成にあたっては、サンプルとなる製品やテストピースを処理工程に投入し、その回収実績に基づいて行った。すなわち、処理装置の有する回収実績に基づいて作成した。
【0057】
ただし,同じ処理装置でも,処理対象となる製品により,回収実績が異なる可能性がある。従って,この回収実績の蓄積による分布図の作成を,例えば冷蔵庫,エアコン,テレビといった製品の種類毎、さらにテレビの中でも14インチや19インチといったより細かい製品種別毎,さらに該製品種別毎でも85年式や90年式といった年式毎,また該製品種別毎でもA社製やB社製といったメーカ毎,さらには製品の型番毎に回収実績データを集計することが精度を向上させる上で好ましい。なお,図11の縦軸の回収量として,回収量の時間t1からt2までの積分値が1全回収量になるように設定すれば,図11の縦軸は各時間における回収割合を示すものになる。また、図11に示す分布図の作成は、例えば鉄、銅、アルミのように回収対象材料毎に行うことが好ましい。
【0058】
次に、複数個の製品が投入された場合の回収量の時間的変化のモデルを図12に示す。
【0059】
図12は,製品Aと製品Bをそれぞれt0A,t0Bに投入した場合の製品Aならびに製品Bに含まれるある材質に関する回収量の分布を示したものである。この場合には,分布図の縦軸は回収割合を用いている。この処理装置においては、その回収量を時間を追って連続的に計測しているものとする。
【0060】
ここで、時間tからt+Δt(ただしΔtは微少値)の間に回収されたこの材質の質量MΔtは、数1により表される。
【0061】
【数1】
【0062】
ここで、M(t+Δt)は、時間(t+Δt)における計量質量であり、Mtは時間tにおける計量質量である。
【0063】
このMΔtは、製品Aからの回収物と製品Bからの回収物が混合した状態であるため、それぞれの回収物の割合は、上記の製品A、製品Bのこの材質に関する推定回収量をMa、Mb、それぞれの理想的な回収量をm1、m2とすると、数2ならびに数3により表すことができる。
【0064】
【数2】
【0065】
【数3】
【0066】
ここで、数2は時間tにおける回収物の中の製品Aに関わる回収物の割合を示すもので、数3は時間tにおける回収物の中の製品bに関わる回収物の割合を示すものである。
【0067】
したがって、時間tからt+Δtの間に回収された製品A、製品Bに関する質量MaΔt、MbΔtは、数2ならびに数3を用いて数4なら並びに数5により表すことができる。
【0068】
【数4】
【0069】
【数5】
【0070】
従って、時間t1Aからt2Aにおける数4による算出結果を総和することにより、製品Aに関する回収量を特定することが可能であり,また時間t1Bからt2Bにおける数5による算出結果を総和することにより、製品Bに関する回収量を特定することが可能となる。
【0071】
このようなことから、図8に示すシステムにおいて、例えば図11に示すような各対象製品の各回収物質の有する関数(以下、回収関数と呼ぶ)を製品識別情報または処理装置や選別装置に対応させて記憶させるとともに、同時に回収される対象製品数に応じた数4、5等の数式を記憶させておけば、データベース36に記憶した対象製品の投入時期とその回収関数とから各対象製品の回収開始時刻と終了時刻を判断し、その回収開始時刻と回収終了時刻とから計測装置34が計測した時点で同時に回収されている対象製品数を判断し、その判断した対象製品数に応じた数4、数5等の数式を抽出し、その数4、数5等の数式を用いて各対象製品の回収開始時刻から終了時刻における算出結果の総和を求めることで、各対象製品の回収物質の回収量を予測することが可能となる。
【0072】
ところで、シュレッダーによる破砕後の選別作業においては、製品情報データベース8に記憶された製品A、製品Bのこの材質に関する推定回収量Ma、Mbは、必ずしも実際の回収量と一致しない場合がある。この場合、推定回収量と実際回収量の相違を補正する手段としては、第1として、装置の回収能力を事前に調査しておき、その値(割合)を数4ならびに数5に掛けあわせることで、時間tからt+Δtの間に回収された製品A、製品Bに関する質量MaΔt、MbΔtを算出する方法が考えられる。また別の方法としては、例えば図12では、時間t1Aからt2Bの間には、製品Aと製品Bに関してすべての回収がされ、また他の製品からの混入はないことがわかる。そこで、この時間t1Aとt2Bの間の回収量をM(t2B-t1A)とすれば、数6により、シュレッダーによる破砕後の選別に関する全体の能力が把握でき、上記数4ならびに数5に数6を掛け合わせることで、時間tからt+Δtの間に回収された製品A、製品Bに関する質量MaΔt、MbΔtを算出する方法がある。
【0073】
【数6】
【0074】
これらの考え方は、3つ以上の製品が続けて投入された場合にも、同様の式により回収量を特定することが可能であることは言うまでもない。
【0075】
別の計算方式を図13を用いて説明する。
【0076】
図13は,製品Aと製品Bをそれぞれt0A,t0Bに投入した場合の製品AならびにBに含まれるある材質に関する回収量の分布モデルを示したものである。なお、この場合には,分布図の縦軸は回収の絶対量を用いたもので考えている。したがって,この図の場合には,製品Aならびに製品Bについての回収実績のデータ(ただし,製品種類や,製品群,年式程度で集計したデータでも可)を用いている。この処理装置においては、その回収量を時間を追って連続的に計測しているものとする。
【0077】
ここで、時間tからt+Δt(ただしΔtは微少値)の間に回収されたこの材質の質量MΔtは、数1により表される。このMΔtは、製品Aからの回収物と製品Bからの回収物が混合した状態であるが、それぞれの回収物の割合は、図13のm1、m2により、数7ならびに数8により表される。
【0078】
【数7】
【0079】
【数8】
【0080】
ここで、数7は時間tにおける回収物の中の製品Aに関わる回収物の割合を示すもので、数8は時間tにおける回収物の中の製品bに関わる回収物の割合を示すものである。
【0081】
したがって、時間tからt+Δtの間に回収された製品A、製品Bに関する質量MaΔt、MbΔtは、数7ならびに数8を用いて数9並びに数10により表すことができる。
【0082】
【数9】
【0083】
【数10】
【0084】
以下、前述の数4と数5をこの数9と数10に変えることで、それぞれの対象製品の回収物質の回収量を予測することが可能となる。
【0085】
なお、前述と同様にシュレッダーによる破砕後の選別作業などにおいは、回収実績の集計値から算出した回収総量と,実際の回収総量が必ずしも一致しない場合がある。そこで,製品情報データベース8に記憶された製品A、製品Bのこの材質に関する推定回収量Ma、Mbを用いて,実際の回収量と推定回収量を補正する手段を示す。例えば図13では、時間t1Aからt2Bの間には、製品Aと製品Bに関してすべての回収がされ、また他の製品からの混入はないことがわかる。そこで、この時間t1Aとt2Bの間の回収量をM(t2B-t1A)とすれば、数6により、シュレッダーによる破砕後の選別に関する全体の能力が把握でき、上記数9ならびに数10に数6を掛け合わせることで、時間tからt+Δtの間に回収された製品A、製品Bに関する質量MaΔt、MbΔtを算出することができ,これを上記の時間について総和積分することで,各製品に対する回収量を算出することが可能である。なお,数12を掛ける計算は,総和積分後に行なっても同様である。
【0086】
これらの計算式についても、3つ以上の製品が続けて投入された場合にも、同様の式により回収量を特定することが可能であることは言うまでもない。
【0087】
上記のような計算方式によれば、使用済み製品の破砕後の選別のように、投入から回収までに時間遅れのある処理プロセスにおいても、投入した各製品毎に、材質別の回収量を容易に計算することが可能である。したがって、各製品毎に材質別の回収量の把握が必要な場面においても、処理対象である製品を連続して処理装置に投入することが可能となり、処理装置の効率的な活用が可能となり、結果として処理の効率を向上させることが可能である。
【0088】
次に、本発明の別の実施例として,複数の処理対象に連続で,複数の連続する処理を実施する場合の,回収物の計量方法の一例を示す。
【0089】
例えば回路基板を処理する場合には,表面のハンダを加熱や加熱後の衝撃などにより除去し,その後表面に実装されたIC等を除去し,残った基板を破砕処理などにより銅とその他に選別する方法などが提案されている。この処理は加熱処理などがあり,連続して複数の回路基板を処理した方が,エネルギ効率面などで有利である。ただし,このような処理の場合には,各回路基板毎の材質毎の回収は,上記の図12に示した例とは異なり,互いに重なり合うことなく実施することが可能な場合が多い。このような場合には,図14に示すような構成により,各回路基板毎の回収量が測定可能である。
【0090】
図14は,本方式を実施する装置の全体構成を示すものである。
【0091】
処理対象41は搬送装置32により,第一の処理装置42に投入される。ここで例えば加熱,加振などの処理により,処理対象41内の例えばハンダなどが除去され回収ケース39に溜まる。そして、再び搬送装置32により,次の第二の処理装置42に送られる。ここでは,第一の処理装置42を出た所に検出装置31を設置した。これにより、第一の処理装置42の処理が終了したことを検出することが可能となっている。そして、検査装置31からの信号が信号線ケーブル38を通して,演算装置35に送られてる仕組みになっている。
【0092】
演算装置35では、この終了の信号を受け取ったタイミングで,計量装置34から送られてくる計量データを記憶装置36に記憶するように制御する。この場合、検査装置31が対象製品41を検出するときに、第一の処理装置42において次の処理対象41が処理されていないことが条件となる。これによって、検査装置31が処理対象を検出したときに計量を行えば、該当する処理対象41から得られた質量のみを検出することができる。
【0093】
図15にデータベース36に記憶する計量結果に関する情報の一例を示す。第1欄には処理対象に関する情報を記録する。ここは例えば製造メーカ,型番,年式,部品番号,部品名称などに細分化される。第2欄には,計量装置34で計量された該処理対象に関する質量データを保管する。質量データの保管データについて,質量に変換したデータを記録する方法と,変換前のデータを記録する方法があることは,前記の方法と同様である。また,質量を記録する場合には,その時の計量データをそのまま記録する場合と,直前の記録データとの差分を記録する場合が考えられる。前者の場合には,回収ケース39に溜まっているそれまでの全ての処理対象に対する回収量が記録されるのに対して,後者の場合には,該処理対象だけの回収量が記録されることになる。前者の場合には,記録時の処理が容易というメリットがある。
【0094】
これによっても、複数の処理対象を連続で処理する場合であっても,各処理対象毎の回収量を求めることが可能となる。
【0095】
なお,検出装置31の検出方法としては,例えば光センサーにより,対象製品が破砕機の投入口を横切り,光が遮られたことを検出する方法,リミットスイッチを用いて,処理対象41が検出装置の上を通ったことを機械的に検出する方法などが考えられる。また検出装置31は必ずしも処理装置42の後に設置される必要はなく,例えば処理装置42の投入口直前や搬入経路に設けられてもよい。また投入のタイミングを調整している人または演算装置が存在する場合には,その人または演算装置からの投入命令のタイミングを演算装置35に送ることで,検出装置31を省略することもできる。
【0096】
また,搬送装置32は、ベルトコンベヤなどが考えられる。
【0097】
また,上記の計量装置34は,例えば歪みケージ方式により,質量の変化を電気信号により検出し,その結果を信号線ケーブル38を通して演算装置35に送る方法などがある。なお,質量測定のタイミングは,計量装置34が計量するごとに演算装置35に測定データを送る方法と,演算装置35から信号線ケーブル38を通して計量装置34に計量の指示を出し,そのタイミングで計量装置34が計量結果を演算装置35に送る方法が考えられる。
【0098】
次に上記本発明の方式により,リサイクル率を算出する方式を示す。
【0099】
上記本発明の各方式によれば、分解した部品や部組品ならびに破砕後の選別による回収品、専用の処理方法により処理した後の回収品の質量を、各製品毎に製品の型番などの情報と共に把握することが可能である。例えば、ある製品について、分解により回収した部品や部組品のうちリサイクルが可能な部品や部組品の質量をM11、破砕後の選別により回収した材料のうちリサイクルが可能な材料の質量をM12、専用の処理方法により処理した後の回収品のうちリサイクルが可能なものの質量をM13とすると、その製品について、リサイクルが可能な質量M1は、これらの数値を合計した数20により表わすことができる。ここで、回収品のうちM1に加算する質量、すなわちリサイクルが可能な質量は,必ずしも上記方法により回収したすべての部品や部組品,破砕後の選別やその他の専用の処理工程を経て回収した材料ではなく,その中のリサイクルが可能なものが対象である。リサイクルが可能か否かの判定にあたっては,図4にその例を示したように、各回収品について,それがリサイクル可能か否かをデータベースに登録しておき,計算を実施する際に,そのリサイクル可否のデータを参照しながら加算をするかしないかを判別する方法などが考えられる。例えば、図4によれば、D社のテレビ「D−256」のバックカバーはドライバーを用いたネジ外しにより分解が可能であり、回収した場合にはリサイクルが可能であることがわかる。この他に、例えば有害物を含む可能性があるために分解回収の対象となっている回路基板は、分解回収により回収し、上記システムにおいて計量し、その数値を記録することで適正処理の証明は行なっているが、回路基板は一般にそのままではリサイクルができないため、リサイクル率の対象となる質量は、例えば回路基板を専用の工程により処理し、その工程から回収できた材質のうちリサイクルが可能な材質の質量ということになる。なお材質毎のリサイクル可否については、その時の技術、市場動向などにより普遍のものではなく,部品、部組品や材質毎に適宜変更ができることが望ましい。
【0100】
【数20】
【0101】
この数値と数21を使うことにより、その製品に関するリサイクル率を算出することが可能である。
【0102】
【数21】
【0103】
ここで、R1はリサイクル可能率であり、M2は該製品の全体質量である。ここで全体質量は,製品情報データベース8に記憶しておきそこから読み取るか、または図18に示した本発明を実施する処理ラインの中で、投入部分に設けた計量装置71により測定した値を用いてもよい。
【0104】
ここで、リサイクル率の算出にあたっては、上記のように各製品毎に個別に算出する方法の他に、例えば1ヶ月間といった一定の期間内に処理した同じ型番の製品のそれぞれのM1、M2を合計し、その合計値を用いて数21を計算することで、その製品の一定期間内のリサイクル率の平均的な値を求めることも可能である。その他にも、例えばあるメーカの、例えば14型テレビといった製品種別毎の、例えば89年式といった年式毎に区分して、その製品群に含まれ、その期間内に処理した処理対象製品すべてについて、M1、M2を合計し、その合計値を用いて数21を計算することで、その製品群の平均的な値を出すことも可能である。
【0105】
ここで、各製品毎ではなく、製品毎の一定期間内の平均値や、製品群毎の一定期間内の平均値を求める手段としては、処理実績データベース9に保存された情報のうち、一定期間内に処理した該製品群の情報について、ユーザからの要求などにより、製品に関する情報を検索し、目的の製品または製品群に該当する製品を発見した場合には、その製品に関する上記のリサイクル可能な回収量を加算していき、また同時に製品の全体質量も加算を行ない、その加算結果に数21を適用することにより、該期間内に処理した該製品または該製品群のリサイクル率を求めることが可能である。
【0106】
本システムの方式によれば、リサイクル率を、製品種別毎または製品毎、製品種別内の年式毎などの製品群毎に求めることが可能であり、使用済み製品の処理の証明に必要な情報を簡単に得ることができる。
【0107】
次に,本発明を実施するに適切な処理装置についてその一例を示す。
【0108】
図16は,検出装置を組み込んだ処理装置の一例である。投入口付近に例えば電気的センサーを設置することで,センサー間を金属が移動することにより発生する電気的信号を検出することで,投入を検出することが可能となる。
【0109】
図17は,計量装置を組み込んだ選別装置の一例である。搬送装置32を通って選別装置33に投入された選別対象品は,選別部63により選別され,選別装置33内部にある回収ケース39に回収され,同じく選別装置33内部にある計量装置34により計量され,その計量データは信号線ケーブル38を通して,演算装置等に出力されるようになっている。本方式によれば,連続した計量が可能な選別装置を簡易な仕組みで提供することが可能となる。なお信号線ケーブル38に出力する前に,例えば増幅装置などを通すことも考えられる。
【0110】
次に,本発明を適用した使用済み製品の処理ラインの一例を図18に示す。
【0111】
処理ラインは、処理対象を投入するところには、処理対象4の全体質量を計量する計量装置71と、製品を特定するための情報を読み取るバーコードリーダ2またはキーボードなど一般的な入力装置3と、情報処理部12、出力装置1がある。そして処理対象4は搬送装置32により作業者73の前に運ばれる。作業者73の側には、分解すべき部品などの情報を指示し、また回収物の計量結果の表示、確認等を行なう大形表示装置72、また計量質量と想定質量が一致しなかった場合に、作業者73が理由等を入力または選択するためのキーボードなどの入力装置3、分解した部品や部組品を計量するための計量装置71、計量後の部品、部組品を搬送する搬送装置32がある。なお計量装置71で計量された結果は信号線ケーブル38を通して演算装置35に送られ、記憶装置36に記憶されるとともに、表示装置37に表示される。分解作業が終了した処理対象4は再び搬送装置32により、破砕装置30に運ばれ、投入される。この際検出装置31により、破砕装置30への投入が検出され、その情報は演算装置35に送られ、時刻の情報と共に記憶装置36に記録される。破砕装置30で処理された破砕片は、搬送装置32により選別装置33に運ばれ、選別され、回収ケース39に回収され、計量装置34により計量される。この計量結果は、信号線ケーブル38により演算装置35に送られ、時刻情報と共に記憶装置36に記憶されると共に、表示装置37に表示される。
【0112】
ここで、情報処理部12や演算装置35は一般的なパソコンが、出力装置1や表示装置37は一般的なディスプレイ装置が、記憶装置36には一般的なハードディスクが、大形表示装置72には一般的な大形ディスプレイ装置が利用できる。また計量装置71は搬送装置32の一部に設置することが望ましく、またこの計量装置71は、歪ゲージなどを用いて表示結果を電気的に出力することで、計量結果を直接情報処理部12や演算装置35に送ることができる。もし一般的なバネばかりのように機械的な表示がされる計量装置の場合には、投入したときまたは分解した部品や部組品を計量したときに作業者73は計量結果を入力装置3を用いて入力する必要がある。また、作業者73は複数の場合もあり、その場合には大形表示装置72、キーボードなどの入力装置3は作業者毎に用意することが望ましい。
【0113】
作業者73により分解され計量装置71で計量された部品または部組品は、搬送装置32により、例えば回路基板の場合には回路基板処理工程に送られて処理がされるなどのそれぞれの部品や部組品に見合った処理がされる。なお、搬送装置32に、計量した部品や部組品のその後の処理により、搬送経路を変える機構を持たせるとさらに便利である。この方法としては、図4に示したように、各回収部品の後処理工程をデータベースに記録し、搬送装置32を管理する情報処理部12(他の演算装置35や情報処理部12により扱ってもよい)は、データベースに記録された後処理工程の指示から、計量された物品の後処理工程を特定し、その結果に基づき、例えば後処理工程が基板処理の場合には基板処理装置に搬送し、フロン分解の場合にはその装置に搬送できるよう、搬送経路を変えるという方法が考えられる。これは、分解後の搬送装置だけでなく、破砕装置30後の搬送装置などでも同様である。なお、搬送経路を変える手段としては、現在一般に行われている方法である、例えば搬送経路途中に分岐を設け、搬送品が分岐点にきた時に、どちらに進むかを選択することにより実施が可能である。
【0114】
次に,本発明を適用した使用済み製品の処理工場の一例を図19に示す。
【0115】
処理工場は、出入口81付近に計量装置82を設け、搬入・搬出されるトラック等の質量の計量し、その情報を管理棟83の中に設置した管理用演算装置により管理し、搬入時と搬出時のトラック重量の違いにより、搬入または搬出した物品の質量を管理する。この際計量装置82で計量中のトラックのナンバー等を読み取るナンバー読取装置84を設け、その情報を前記管理用演算装置に入力すれば、搬出入の管理者の手間を省くことが可能である。搬入された使用済み製品は、ストックヤード85に、ラック86などに入れて保管されたのち、分解棟87に送られ、図18に示した分解ラインにより分解される。ここで、分解された部品や部組品のうち専用の処理が必要なものは搬送装置90により専用処理棟89に運ばれて処理、有価物回収などの処理が行なわれ、破砕が必要な物品は搬送装置90により破砕棟88に運ばれて、破砕・選別等の処理が行なわれる。分解棟87、破砕棟88、専用処理棟89で回収された部品や部組品、材料等各棟内に保管されるかまたは搬送装置90を通ってストックヤード85に保管され、トラック等により場外に搬出される。その際は計量装置82を通ることで、搬出質量を測定することが可能である。ここで、分解棟87、破砕棟88、専用処理棟89は必ずしも別々である必要はないが、破砕棟88はほぼ無人運転だが騒音や振動が大きい、分解棟87は人手作業が多い、専用処理棟89は化学的処理を行なう場合もあるといったそれぞれの作業の特徴を踏まえると、別にすることが理想的である。またすべての装置を必ずしも整える必要はなく、分解だけを専門に行なう工場、破砕選別だ家を専門に行なう工場、ある特定の専用処理だけを専門に行なう工場があってもよい。
【0116】
上記計量装置82は、遠隔で計量結果を管理用演算装置に入力する必要があり、電気的データで計量が可能な歪ゲージ方式などが考えられる。また搬送装置90としてはベルトコンベアなどが考えられる。
【0117】
また、上記管理用演算装置には、記憶装置を設け、その記憶装置には搬出入管理データベースを保管する。搬出入管理データベースは、日時、搬入したトラック等のナンバーを記録する搬入車ナンバー、搬入時質量、搬出時質量、搬入時質量と搬出時質量の差の絶対値を記録する物品質量、搬出入物品を記録する搬出入物、搬入者、データ登録問う力者名を記録する登録者などにより構成する。ここで、搬出入物名としては、回収された材料の場合にはその材料名を記録するが、例えば使用済み製品が搬入されたようなの場合には、「使用済み製品」といった表現や「冷蔵庫」などの製品を表わす表現、「90年式カラーテレビ」といったより具体的な製品群を表わす表現などがある。
【0118】
この搬出入管理データベースを用いると、例えば1ヶ月といった一定期間内に、工場内に搬入された使用済み製品の合計質量と、使用済み製品が処理されて搬出された部品や部組品、材料(リサイクルできないものも含む)の合計質量を比較すれば、回収した部品や部組品、材料を工場全体で正しく管理しているかを判定することができる。
【0119】
具体的には、例えば月初に存在した前月以前の搬入品の残り品の質量をM31、月内に搬入された使用済み製品の合計質量をM32、月末に存在した未処理品の質量をM33、月初に存在した処理済みで搬出前(各棟内やストックヤードに蓄えられているもの)の材料等の合計質量をM34、月末に存在した処理済みで搬出前(各棟内やストックヤードに蓄えられているもの)の材料等の合計質量をM35、月内に搬出された回収品の質量をM36とすると、これらの間には、数22に示す関係が成り立つはずである。
【0120】
【数22】
【0121】
また、破砕後の選別時などは、ダストとして離散するものもあり、また専用処理品の場合には、対象物の一部が熱として回収されている場合もあり、必ずしも100%を回収することは難しい。したがって、数22を用いた比較を行なう場合には、例えば±10%といった一定の誤差を容認するアルゴリズムを組込むことも必要である。
【0122】
また、搬出入管理データベースに記録された一定期間内の各材質毎の搬出量と、上記処理実績データベースに記録された該材質毎の処理量を該期間中の合計値を比較すれば、同様に工場の各材質毎や処理の管理が正しく行なわれているかの判定が可能である。
【0123】
具体的には、例えばある材料について、月初に存在した処理済みで搬出前(各棟内やストックヤードに蓄えられているもの)の材料等の合計質量をM41、月末に存在した処理済みで搬出前(各棟内やストックヤードに蓄えられているもの)の材料等の合計質量をM42、処理実績データベースから加算により求めた該材質の該期間内での回収実績の合計質量をM43、月内に搬出された該材質の質量をM44とすると、これらの間には、数23に示す関係が成り立つはずである。
【0124】
【数23】
【0125】
なお、本発明では、有害などの理由により適正な処理が必要な物質についてのみ記述を行なってきた、使用済みとなった製品には、例えば金や銅、アルミといった価値を持つ有価物も多く含まれており、これらを効率よく回収できれば、その売却収益により全体処理コストが低減できる場合も多い。したがって、分解作業指示を行なう際に、適正処理対象物質だけでなく、有価物質についても同様に行なうことで、本発明は上記と全く同じ方法により有価物の回収を支援することも可能である。
【0126】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、使用済み製品に対して適正な処理が行われたか否かを管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる全体構成図である。
【図2】本発明に関わるデータダ処理装置の概要である。
【図3】本発明に関わる作業とデータ処理のフローである。
【図4】本発明に関わる製品情報データベースの内容例である。
【図5】本発明に関わる製品情報の表示の内容例である。
【図6】本発明に関わる処理実績データベースの内容例である。
【図7】本発明に関わる処理実績データベースのデータを編集した内容例である。
【図8】本発明の別の実施例に関わる全体構成図である。
【図9】本発明に関わる回収実績データベースの内容例である。
【図10】本発明に関わる処理対象実績データベースの内容例である。
【図11】本発明に関わる処理装置の回収実績分布図の一例である。
【図12】本発明に関わるある材質における回収実績分布の一例である。
【図13】本発明の別の実施例に関わるある材質における回収実績分布の一例である。
【図14】本発明の別の実施例に関わる処理装置の一例の図である。
【図15】本発明の別の実施例に関わる計量実績データベースの内容例である。
【図16】本発明に関わる処理装置の一例の図である。
【図17】本発明に関わる選別装置の一例の図である。
【図18】本発明に関わる処理ラインの全体図の一例である。
【図19】本発明に関わる処理工場の全体図の一例である。
【符号の説明】
1…出力装置、2…バーコードリーダ、3…入力装置、4…処理対象、5…バーコード、6…部品、7…計量装置、8…製品情報データベース、9…処理実績デーベース、10…データ編集装置、12…情報処理部、14…データ処理部、16…データ出力部、30…破砕装置、31…検出装置、32…搬送装置、33…選別装置、34…計量装置、35…演算装置、36…記憶装置、37…表示装置、38…信号線ケーブル、39…回収ケース、41…処理対象、42…処理装置、51…処理装置、63…選別部、71…計量装置、72…大形表示装置、73…作業者、81…出入口、82…計量装置、83…管理棟、84…ナンバー読取装置、85…ストックヤード、86…ラック、87…分解棟、88…破砕棟、89…専用処理棟、90…搬送装置。
Claims (10)
- 製造メーカ別の各種製品を構成する適正な処理を要する部品と、その想定質量を予めデータベースに記憶しておき、
処理対象となる使用済み製品の製品情報を用いて予め記憶した製品の中から該当する製品の有する適正な処理を要する部品の想定質量を抽出し、
該抽出した適正な処理を要する部品の想定質量と該使用済み製品を処理して得られる回収部品を計量した計量質量とを比較し、
前記計量質量と前記想定質量が所定の許容誤差範囲内で一致した場合に、前記適正な処理を要する部品は適正に回収されたと判定することで前記使用済み製品の処理を管理することを特徴とする使用済み製品の処理支援方法。 - 前記計量質量が前記想定質量と所定の許容誤差範囲内で一致しない場合に、NGを表示する、またはアラームを出力することを特徴とする請求項1記載の使用済み製品の処理支援方法。
- 前記計量質量が前記想定質量と所定の許容誤差範囲内で一致しない場合に、ユーザからの不一致理由の入力を受付けて前記適正な処理を要する部品の回収作業は終了したと判定することで該使用済み製品の処理を管理することを特徴とする請求項2記載の使用済み製品の処理支援方法。
- 前記計量質量が前記想定質量と所定の許容誤差範囲内で一致しない場合に、前記使用済み製品の製品情報に対応させて前記使用済み製品を処理した映像をデータベースに記憶することを特徴とする請求項1記載の使用済み製品の処理支援方法。
- 前記計量質量を前記使用済み製品の製品情報に対応させてデータベースに記憶し、前記使用済み製品の計量質量と想定質量とを用いて前記使用済み製品の処理が適正に行われたか否かを証明する適正処理証明書を作成することを特徴とする請求項1記載の使用済み製品の処理支援方法。
- 使用済み製品を処理する処理装置と、
該使用済み製品を処理して得られる回収部品を計量する計量装置と、
製造メーカ別の各種製品を構成する適正な処理を要する部品と、その想定質量を記憶するデータベースと、
処理対象となる使用済み製品の製品情報を入力する手段と、該入力した製品情報を用いて該データベースに記憶した製品の中から該当する製品の有する適正な処理を要する部品の想定質量を抽出する手段と、該抽出した適正な処理を要する部品の想定質量と該使用済み製品を処理して得られる回収部品を計量した計量質量とを比較して、前記計量質量と前記想定質量が所定の許容誤差範囲内で一致した場合に、前記適正な処理を要する部品は適正に回収されたと判定する手段とを有する演算装置とを備えたことを特徴とする使用済み製品の処理支援システム。 - 前記演算装置がさらに前記計量質量と前記想定質量とが所定の許容誤差範囲内で一致しない場合に、NGを表示する、またはアラームを出力する手段を有することを特徴とする請求項6記載の使用済み製品の処理支援システム。
- 前記演算装置がさらに前記計量質量と前記想定質量とが所定の許容誤差範囲内で一致しない場合に、ユーザからの不一致理由の入力を受付けて前記適正な処理を要する部品の回収作業は終了したと判定する手段を有することを特徴とする請求項7記載の使用済み製品の処理支援システム。
- 前記使用済み製品を処理する映像を撮影する撮像装置をさらに備え、
前記演算装置が前記計量質量と前記想定質量とが所定の許容誤差範囲内で一致しない場合に、該撮像装置が撮影した使用済み製品を処理した映像を前記使用済み製品の製品情報に対応させて前記データベースに記憶することを特徴とする請求項6記載の使用済み製品の処理支援システム。 - 前記演算装置がさらに前記計量質量を前記使用済み製品の製品情報に対応させて前記データベースに記憶させる手段と、前記使用済み製品の計量質量と想定質量とを用いて前記使用済み製品の処理が適正に行われたか否かを証明する適正処理証明書を作成する手段とを有することを特徴とする請求項6記載の使用済み製品の処理支援システム。
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