JP4185753B2 - 電動機の運転制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の運転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
同期モータは、各相の巻線に電力を順次供給し、各相の巻線による磁界と永久磁石(回転子)による磁界との相互作用により回転子を回転させる。その際、同期モータでは、いずれの相の巻線に電力を供給するかのタイミングを決定するために、回転子の位置を正確に検出する必要がある。そのために、同期モータの運転制御装置では、検出した回転子の位置に基づいて通電切換信号を生成し、この通電切換信号を各相の巻線に電力を供給する駆動装置に送信している。通電切換信号は、いずれの相の巻線に電力を供給するかを示しており、駆動装置における各相に対して各々設けられたスイッチング素子をオン/オフするパルス信号からなる。
【0003】
同期モータでは、通電切換信号や各巻線への供給電力にノイズがのった場合やモータにかかる負荷が急変した場合等に、通電切換信号のパルスと回転子の回転とが同期を失った状態(いわゆる、脱調)になる場合がある。脱調が発生した場合、運転制御装置では同期モータを正常に制御できないので、脱調を迅速に検出し、運転制御装置における制御をリセットする必要がある。脱調の検出方法の一つとして、各相の巻線の端子に生じる逆起電圧の変化率が所定値以上の場合に脱調と判定する方法がある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−170781号公報
【特許文献2】
米国特許第4928043号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、同期モータがメカ的なトラブル等によって過回転異常が発生した場合も、各相の巻線の端子に生じる逆起電圧の変化率が過大となり、脱調と同様の現象となる。したがって、上記した従来の検出方法では、脱調と過回転とを区別して判定することができない。脱調の場合、運転制御装置における制御をリセットすることにより、同期モータを正常な状態に戻すことができる。一方、過回転の場合、同期モータ自体に異常が発生しているので、運転制御装置をリセットしても同期モータを正常な状態に戻すことはできない。そのため、脱調と過回転とを区別して判定する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、脱調と過回転とを判別可能な電動機の運転制御装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電動機の運転制御装置は、巻線による磁界と磁石による磁界との相互作用により回転子を回転させる電動機を制御する運転制御装置において、巻線の端子に生じる逆起電力に基づいて、電動機の駆動装置への通電切換信号を生成する切換信号生成手段と、通電切換信号に基づく電動機の回転数が、電動機の過回転状態における回転数より大きい脱調判定回転数より大きい場合に脱調と判定する脱調判定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
この電動機の運転制御装置では、巻線の端子に生じる逆起電圧に基づいて回転子の位置を検出し、その位置によりいずれの相の巻線に電力を供給するかを示す通電切換信号を生成する。さらに、運転制御装置では、通電切換信号に情報として含まれる電動機の回転数が、電動機のメカ的に回転可能な最大回転数より大きい脱調判定回転数を超える場合に脱調と判定する。というのは、運転制御装置では、通電切換信号のパルスと回転子の回転位置との同期が取れなくなると(脱調になると)、通電切換信号を生成する際の電動機の目標回転数を電動機のメカ的に回転可能な最大回転数(過回転時の回転数)よりも相当大きな回転数に設定するからである。そのため、運転制御装置では、脱調判定回転数に基づいて、脱調と過回転とを区別して判定することができる。
【0009】
なお、脱調判定回転数は、電動機が過回転状態になった場合のメカ的に回転可能な最大回転数よりも大きな回転数である。
【0010】
本発明に係る電動機の運転制御装置は、巻線による磁界と磁石による磁界との相互作用により回転子を回転させ、内燃機関に対して過給を行うターボチャージャのコンプレッサを回転駆動する電動機を制御する運転制御装置において、巻線の端子に生じる逆起電力に基づいて、電動機の駆動装置への通電切換信号を生成する切換信号生成手段と、通電切換信号に基づく電動機の回転数が、電動機の過回転状態における回転数より小さい過回転判定回転数より大きいか否かを判定する過回転判定手段と、過回転判定手段で電動機の回転数が過回転判定回転数より大きいと判定した後に、内燃機関への過給圧が判定過給圧より小さい場合に脱調と判定し、判定過給圧以上の場合に過回転と判定する脱調判定手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
この電動機の運転制御装置では、巻線の端子に生じる逆起電圧に基づいて回転子の位置を検出し、その位置によりいずれの相の巻線に電力を供給するかを示す通電切換信号を生成する。さらに、運転制御装置では、通電切換信号に情報として含まれる電動機の回転数が、電動機のメカ的に回転可能な最大回転数より小さい過回転判定回転数より大きいか否かを判定する。電動機の回転数が過回転判定回転数より大きいと判定した後、運転制御装置では、内燃機関への過給圧が判定過給圧未満の場合に脱調と判定し、判定過給圧以上の場合に過回転と判定する。というのは、運転制御装置では、脱調の場合には電動機が停止あるいは回転が減速して電動機によるアシストによって過給圧が大きくならないが、過回転の場合には電動機の回転が異常に速くなって過給圧が異常に大きくなるからである。そのため、運転制御装置では、過回転判定回転数及び判定過給圧に基づいて、脱調と過回転異常とを区別して判定することができる。
【0012】
なお、過回転判定回転数は、電動機が過回転状態になった場合のメカ的に回転可能な最大回転数よりも小さい回転数であり、かつ、運転制御装置おける制御上の最大回転数よりも大きな回転数である。また、判定過給圧は、電動機による制御上の最大アシストによって得られる過給圧よりも大きな過給圧である。
【0013】
本発明の上記電動機の運転制御装置は、通電切換信号に基づく電動機の回転数が、電動機の過回転状態における回転数より小さい過回転判定回転数より大きい場合に過回転と仮判定する過回転仮判定手段を備える構成としてもよい。
【0014】
この電動機の運転制御装置では、通電切換信号に基づく電動機の回転数が、電動機のメカ的に回転可能な最大回転数より小さい過回転判定回転数より大きい場合に過回転と仮判定する。この仮判定した後に、運転制御装置では、電動機の回転数を脱調判定回転数に基づいて判定するかあるいは過給圧を判定過給圧に基づいて判定し、過回転と脱調とを判別する。
【0015】
なお、請求項3において請求項2を引用した場合、請求項3に記載の過回転仮判定手段は、請求項2に記載の過回転判定手段を限定した手段である。
【0016】
本発明の上記電動機の運転制御装置は、過回転仮判定手段で過回転と仮判定した場合、電動機の出力を低下させる電動機出力低下手段を備える構成としてもよい。
【0017】
この電動機の運転制御装置では、過回転と仮判定した場合、過回転と脱調とを判別するまで電動機の出力を低下させる。そのため、運転制御装置では、この電動機の出力低下によって、過回転状態の場合に備えて、過回転状態による不具合現象を早期に防止するためのフェールアンドセーフ対策を予備的にとることができる。
【0018】
なお、電動機の出力の低下には、電動機の回転を停止して出力をゼロにする場合も含む。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る電動機の運転制御装置の実施の形態を説明する。
【0020】
本発明は、電動機における脱調と過回転とを区別して判定する。そのために、本発明では、通電切換信号に基づく電動機の回転数が電動機の過回転状態における回転数より大きい脱調判定回転数より大きい場合には脱調と判定する。また、ターボチャージャによる過給をアシストする電動機の場合、本発明では、通電切換信号に基づく電動機の回転数が電動機の過回転状態における回転数より小さい脱調判定回転数より大きい場合に、内燃機関への過給圧が判定過給圧より小さい時には脱調と判定する。
【0021】
本実施の形態は、本発明に係る電動機の運転制御装置を、自動車に搭載される電動機付ターボチャージャシステムにおける電動機の運転制御装置に適用する。本実施の形態では、脱調と過回転との判定方法が異なる2つの実施の形態がある。第1の実施の形態では、電動機の回転数(VCOの周波数)のみによって判定を行う。第2の実施の形態では、電動機の回転数(VCOの周波数)及び過給圧によって判定を行う。
【0022】
まず、第1の実施の形態について説明する。図1乃至図5を参照して、電動機付ターボチャージャシステム1Aの構成について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る電動機付ターボチャージャシステムの構成図である。図2は、インバータの構成図である。図3は、コントローラICにおける制御信号及び電動機の各相の巻線の通電/非通電を示す波形である。図4は、電動機の巻線の端子電圧の分圧の時間変化を示す波形である。図5は、VCOの周波数の時間変化を示すグラフであり、(a)が過回転時であり、(b)が脱調時である。
【0023】
電動機付ターボチャージャシステム1Aは、自動車に搭載され、エンジン(図示せず)の吸入空気量をターボチャージャ2で過給する。また、電動機付ターボチャージャシステム1Aは、低回転域の過給圧の立ち上がりを向上させるために、電動機3によって強制的にコンプレッサを駆動して所望の過給圧を得る。さらに、電動機付ターボチャージャシステム1Aでは、電動機3が発電機としても機能し、減速時等にバッテリ4を充電する。そのために、電動機付ターボチャージャシステム1Aは、ターボチャージャ2、電動機3、バッテリ4、電動機の駆動装置としてのインバータ5、運転制御装置6Aを備えている。
【0024】
ターボチャージャ2は、エンジンからの排気エネルギを利用して過給圧を上げる。ターボチャージャ2では、エンジンの排気通路側にタービンホイール20、吸気通路側にコンプレッサホイール21が配設されており、両ホイールがシャフト22で連結されている。このシャフト22の中央部には、電動機3の一構成要素であるロータ(図示せず)が固定されている。
【0025】
電動機3は、永久磁石同期型の三相交流モータであり、ターボチャージャ2の過給圧をアシストするとともに回生時にはバッテリ4を充電する。電動機3は、回転子としてのロータの周囲にステータ(図示せず)が配設されている。ロータには、永久磁石が設けられている。ステータは、複数枚の積層鋼板に巻線を巻いたものであり、ターボチャージャ2のハウジングに対して固定されている。巻線には、U相の巻線30、V相の巻線31、W相の巻線32がある(図2参照)。電動機3は、ロータ及びステータを主たる構成要素として、シャフト22を出力軸としてターボチャージャ2のハウジングの内部に構築されている。電動機3では、U相の巻線30、V相の巻線31、W相の巻線32に順次電力が供給されると磁界が順次発生し、このU相、V相、W相に順次発生する磁界とロータの永久磁石との磁界との相互作用によってロータが回転する。
【0026】
なお、電動機3は、メカ的には20万回転程度の回転数まで回転可能である。運転制御装置1Aでは、回転可能な20万回転より数万回転程度低い回転数を制御上の許容最大回転数としている。電動機3が許容最大回転数より大きな回転数で回転している場合、電動機3は過回転状態であり、電動機3自体やターボチャージャ2等にメカ的な不具合を発生させたりあるいはターボチャージャ2の背圧を異常上昇させたりする場合があるので、電動機3を迅速に停止させる必要がある。
【0027】
インバータ5は、運転制御装置6Aからのゲート信号Ga〜Gfに基づいて、電動機3の巻線30,31,32に電力を供給する。そのために、インバータ5は、6つのFET[Field Effect Transistor]50〜55を備えており(図2参照)、DC−DCコンバータ(図示せず)を介してバッテリ4に接続されている。インバータ5では、電動機3の巻線30,31,32に対して上側アーム及び下側アームを各々有しており、U相の巻線30に対しては上側アームにFET50及び下側アームにFET53が設けられ、V相の巻線31に対しては上側アームにFET51及び下側アームにFET54が設けられ、W相の巻線32に対しては上側アームにFET52及び下側アームにFET55が設けられている。
【0028】
インバータ5による電力供給の一例として、U相の巻線30に対する電力供給について説明する。上側アームのFET50はゲート信号Gaに基づいてオン/オフし、ゲート信号Gaが1の時にFET50がオンして巻線30に電源電圧(12V)を供給し、ゲート信号Gaが0の時にFET50がオフする(図3参照)。一方、下側アームのFET53はゲート信号Gdに基づいてオン/オフし、ゲート信号Gdが1の時にFET53がオンして巻線30にはFET53を介してグランド(0V)が接続され、ゲート信号Gdが0の時にFET53がオフする(図3参照)。
【0029】
運転制御装置6Aは、電動機3の駆動を制御する装置である。運転制御装置6Aでは、エンジンECU[Electronic Control Unit]7からの電動機3によるアシスト量を示す指令値に基づいて電動機3の目標回転数を決定し、ゲート信号Ga〜Gfをインバータ5に送信する。この際、運転制御装置6Aでは、巻線30〜32の各端子に生じる逆起電力に基づいて電動機3のロータの位置を検出し、VCO[Voltage Controlled Oscillator]を生成している。さらに、運転制御装置6Aでは、VCOの周波数(電動機3の回転数に相当)に基づいて電動機3の過回転及び脱調を判定し、過回転と判定した場合には電動機3を停止し、脱調と判定した場合には電動機3の制御をリセットする。そのために、運転制御装置6Aは、切換信号生成手段としてのコントローラIC[Integrated Circuit]60、電動機出力低下手段としてのインバータ停止回路61、脱調判定手段及び過回転仮判定手段としての回転数モニタ回路62Aを備えている。
【0030】
なお、本実施の形態では、ゲート信号Ga〜Gfのみならず、ゲート信号Ga〜Gfを生成する際の基準となるVCOも通電切換信号に相当する。
【0031】
コントローラIC60は、エンジンECU7からの電動機3によるアシスト量を示す指令値に基づいて、VCOの周波数(電動機3の回転数に相当)を決定する。さらに、コントローラIC60では、検出した電動機3のロータの位置情報に基づいて、VCOの各パルスの立ち上がりを設定し、VCOを生成する。VCOは、1(コントローラIC60の電源電圧)/0(グランド電圧)のパルス信号であり、電動機3の1回転当たり6つの周期からなる(図3参照)。
【0032】
さらに、コントローラIC60では、検出した電動機3のロータの位置情報及びVCOに基づいて、6つのゲート信号Ga〜Gfを生成する(図3参照)。ゲート信号Ga〜Gfは、インバータ5のFET50〜55をオン/オフするための信号であり、1(コントローラIC60の電源電圧)/0(グランド電圧)のパルス信号である。ゲート信号Ga〜Gfは、VCOの6周期のうち2周期分(電動機3の位相としては120°分)が1であり、他の4周期分が0である。ゲート信号Ga〜Gfにおける1となる2周期間は、U相、V相、W相の順で変わり、同相の上側アームと下側アームとでは上側アームが1の区間終了から1周期分経過した後に下側アームが1となる。
【0033】
また、コントローラIC60では、電動機3のロータの位置情報を検出するために、巻線30,31,32の端子電圧の分圧を各々取り入れる。この分圧の時間変化を示す分圧波VWは、上側アームに対するゲート信号の1の区間が上側アームの通電区間VWaとなり、下側アームに対するゲート信号の1の区間が下側アームの通電区間VWbとなり、上側アーム及び下側アームに対するゲート信号が共に0の区間が非通電区間VWcとなる(図4参照)。上側アームの通電区間VWaでは、インバータ5の電源電圧の分圧が出力される。下側アームの通電区間VWbでは、グランド電圧が分圧として出力される。非通電区間VWcでは、上側アーム及び下側アームから電力が供給されないので、電動機3の回転数に応じて発生した発電電圧(逆起電圧)の分圧が出力される。非通電区間VWcは、U相、V相、W相で順に変わり、その時間変化としては通電/非通電波NEa,NEb,NEcとなる(図3参照)。なお、逆起電圧は、電動機3の回転数が高くなるほど高くなり、回転数が低くなるほど低くなる。
【0034】
分圧は、非通電区間VWcでのみ時間とともに電圧が変化する。この電圧変化は、周期的な変化であり、正弦波SWで表すことができる(図4参照)。
【0035】
電動機3では、正弦波SWの振幅の頂点SWaと分圧波VWの上側アームの通電区間VWaの中心点VWa1とが一致している場合(正弦波SWの位相と分圧波VWの位相とが一致している場合)に(図4参照)、電動機3のロータの位置に応じて巻線30,31,32に正確なタイミングで電力が供給されている。そこで、運転制御装置6Aでは、頂点SWaと中心点VWa1とを一致させるための制御を行っている。
【0036】
そのために、コントローラIC60では、分圧波VWの振幅の中心線CLで分断されて非通電区間VWcに形成される2つの三角形T1(斜線部分),T2(網掛け部分)の面積を求め(図4参照)、この2つの面積差を算出している。この面積差は、電動機3のロータの位置に対する巻線30,31,32に電力を供給するタイミングとのずれを示しており、電動機3のロータの位置情報に相当する。したがって、面積差がゼロの場合、電動機3のロータの位置と巻線30,31,32への電力供給タイミングとにずれがない。なお、面積差は、プラス/マイナスで表され、プラスとマイナスにより三角形T1の面積と三角形T2の面積との大小関係も示す。
【0037】
三角形T1,T2の面積が同一の面積になると頂点SWaと中心点VWa1とが一致するので、コントローラIC60では、求めた面積差の大きさ及びプラス/マイナスに基づいて、面積差がゼロになるように、VCOの各パルスの立ち上がりタイミングを設定している。
【0038】
頂点SWaと中心点VWa1との位置ずれが非常に大きくなると、ゲート信号Ga〜Gf(VCO)の各パルスと電動機3のロータの回転位置との同期が取れなくなり、脱調となる。この際、コントローラIC60では、2つの三角形T1,T2を形成できなくなり、面積差を算出不能となる。そのため、コントローラIC60では、VCOを正常に生成できないので、VCOの周波数を一定の増加率で増加させて電源リセットされるまでVCOの周波数を脱調時周波数NPに固定するとともに(図5(b)参照)、ゲート信号Ga〜Gfを全て0に設定する。脱調時周波数NPは、電動機3のメカ的に回転可能な最大回転数よりかなり大きな回転数に相当するVCOの周波数であり、例えば、最大回転数+10万回転に相当するVCOの周波数である。
【0039】
また、コントローラIC60では、回転数モニタ回路62Aからリセット信号RSを受信すると、電源を一旦オフした後にオンし、電源リセットする。再起動時、コントローラIC60では、電動機3のロータの位相検出を行う。位相検出後、コントローラIC60では、回転数モニタ回路62Aからアシスト再開信号ASを受信すると、ゲート信号Ga〜Gfを生成し、電動機3によるアシストを再開させる。位相検出は、電動機3の回転数がゼロでロータの位相(位置)が判らないときに行われ、アライン、ランプ、ランの順で行われる。アラインは、3相のうちの一つの相の巻線に電力を供給し、永久磁石が設けられたロータをその電力を供給した巻線に対応する位置に一旦固定する。ランプは、ロータをある位置に固定した後、ロータの位置検出を行わずに、3相の巻線30,31,32に電力を順次供給し、ロータを回転する。ランは、ある回転数に達すると、巻線30,31,32の端子の分圧を取り出し、ロータの位置を検出する。このように、電源リセット後には、コントローラIC60における電動機3に対する制御がリセットされ、ロータの位置が新たに検出されるので、リセット前に脱調が発生していた場合にはその脱調が解消される。
【0040】
インバータ停止回路61は、回転数モニタ回路62Aからの停止信号SSに基づいて、インバータ5を停止する。インバータ停止回路61は、6個のnpn型のトランジスタ61a〜61fを備えており、トランジスタ61a〜61fのベースに回転数モニタ回路62Aが接続され、エミッタがグランドに接続され、コレクタがインバータ5のFET50〜55のゲートに各々接続される。インバータ停止回路61では、停止信号SSがトランジスタ61a〜61fのベースに各々入力されると、トランジスタ61a〜61fがオンする。すると、インバータ5では、FET50〜55の各ゲートがトランジスタ61a〜61fを介してグランドに接続され、FET50〜55がオフする。その結果、電動機3の巻線30,31,32への電力供給が停止される。
【0041】
回転数モニタ回路62Aは、コントローラIC60からのVCOに基づいて、電動機3の過回転及び脱調を判定する。回転数モニタ回路62Aでは、電動機3の正常、過回転、脱調を判別するために、VCOの周波数に対する2つの閾値(過回転判定回転数としての過回転判定周波数Nfと脱調判定回転数としての脱調判定周波数Nmax)を保持している(図5参照)。過回転判定周波数Nfは、電動機3の制御上の許容最大回転数より大きくかつ電動機3のメカ的に回転可能な最大回転数より小さい電動機3の回転数に相当するVCOの周波数が設定され、例えば、許容最大回転数と最大回転数との中間の回転数に相当するVCOの周波数である。脱調判定周波数Nmaxは、電動機3のメカ的に回転可能な最大回転数より大きくかつ脱調時周波数NPに応じた回転数より小さい電動機3の回転数に相当するVCOの周波数が設定され、例えば、最大回転数と脱調時周波数NPに応じた回転数との中間の回転数に相当するVCOの周波数である。
【0042】
回転数モニタ回路62Aでは、一定時間毎に(例えば、コントローラIC60でVCOが生成される毎に)、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きいか否かを判定する。回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きいと判定した場合(すなわち、電動機3が過回転と仮判定した場合)、インバータ5による電力供給を停止するために、インバータ5に停止信号SSを送信する。この時点では、過回転と脱調とを判別していないので、電動機3が過回転状態であった場合に備えて、フェールアンドセーフ対策としてインバータ5による電力の供給を停止して電動機3を停止させる。一方、回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nf以下と判定した場合(すなわち、電動機3が正常と判定した場合)、次回のVCOの周波数と過回転判定周波数Nfとの判定まで待つ。
【0043】
停止信号SSを送信開始後、回転数モニタ回路62Aでは、待機時間Tsが経過すると、VCOの周波数が脱調判定周波数Nmaxより大きいか否かを判定する。待機時間Ts経過してから判定するのは、コントローラIC60ではVCOの周波数を脱調時周波数NPに固定する際に一定の増加率で周波数を増加しているので、脱調時周波数NPに到達するまでに所定時間を要する。そこで、回転数モニタ回路62Aでは、その増加する際の所定時間より長い待機時間Tsを待ってから、VCOの周波数が過回転に相当する周波数かあるいは脱調時周波数NPかを判定する。
【0044】
回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が脱調判定周波数Nmaxより大きいと判定した場合(すなわち、脱調と判定した場合)(図5(b)参照)、コントロールIC60を電源リセットするために、コントロールIC60にリセット信号RSを送信する。コントロールIC60での電源リセット後、回転数モニタ回路62Aでは、脱調が解消されていることを確認するために、再度、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きいか否かを判定する。回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きい場合、上記と同様に、待機時間Ts経過した後、VCOの周波数が脱調判定周波数Nmaxより大きいか否かを判定する。一方、回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nf以下の場合(すなわち、電動機3が正常に戻った場合)、電動機3でのアシストを再開するために、コントローラIC60にアシスト再開信号ASを送信するとともに、インバータ停止回路61への停止信号SSの送信を終了する。
【0045】
回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が脱調判定周波数Nmax以下と判定した場合(すなわち、過回転と本判定した場合)(図5(a)参照)、ドライバに過回転であることを知らせるために、インスツルメントパネルのECU(図示せず)にターボチャージャのフェールランプを点灯させるためのフェールランプ点灯信号を送信する。というのは、電動機3の停止によって、電動機3によるアシストが無くなり、ターボチャージャ2による過給圧が低下するので、ドライバにターボチャージャ2の異常を知らせるためである。さらに、回転数モニタ回路62Aでは、エンジンECU7に電動機3に異常が発生して電動機3を強制的に停止させていることを知らせるために、エンジンECU7にフェール信号FSを送信する。そして、回転数モニタ回路62Aでは、イグニッションスイッチがオフされるまで停止信号SSを送信して電動機3を停止させ、イグニッションスイッチがオフされて後に再度オンされた場合には停止信号SSを送信しない。ちなみに、エンジンECU7では、フェール信号FSを受信すると、電動機3によるアシスト無しでのターボチャージャ2の制御に移る。
【0046】
それでは、図1乃至図5を参照して、電動機付ターボチャージャシステム1Aにおける過回転/脱調判定時の動作について図6に示すフローチャートに沿って説明する。図6は、第1の実施の形態に係る電動機付ターボチャージャシステムにおける過回転/脱調判定時の動作を示すフローチャートである。
【0047】
運転制御装置6AのコントローラIC60では、エンジンECU7からの指令値に基づいてVCOの周波数を設定する。また、コントローラIC60では、電動機3の巻線30,31,32の端子電圧の分圧から非通電区間VWcの2つの三角形T1,T2の面積を求め、その2つの面積T1、T2の面積差を算出する(図4参照)。そして、コントローラIC60では、面積差がゼロになるように、VCOの各パルスの立ち上がりを設定し、図3に示すVCOを生成する。さらに、コントローラIC60では、VCOに基づいて、図3に示す6つのゲート信号Ga〜Gfを生成し、インバータ5に送信する。インバータ5では、ゲート信号Ga〜Gfに基づいてFET50〜55がオン/オフし、巻線30,31,32に電力を順次供給する。すると、電動機3では、巻線30,31,32に磁界が順次発生し、永久磁石が設けられたロータがVCOの周波数に応じた回転数で回転する。この電動機3の回転によってターボチャージャ2がアシストされ、過給圧が増加する。
【0048】
なお、脱調となった場合、コントローラIC60では、2つの三角形T1,T2を形成できなくなり、面積差を算出不能となるので、VCOの周波数を脱調時周波数NPまで増加して固定する。
【0049】
運転制御装置6Aの回転数モニタ回路62Aでは、一定時間毎に、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きいか否かを判定する(S10)(図5参照)。
【0050】
回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きいと判定した場合、インバータ5に停止信号SSを送信する。すると、インバータ5では、FET50〜55が全てオフし、電動機3の巻線30,31,32への電力の供給を停止する(S11)。そのため、電動機3では、電動駆動が停止し、ターボチャージャ2に対するアシストを停止する。なお、インバータ5への停止信号SSの送信はS17の処理に移るまで続けられ、S17の処理に移った場合にアシストが再開される。
【0051】
一方、回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nf以下と判定した場合、次回のS10の処理に移る。
【0052】
S11にて停止信号SSの送信開始後、回転数モニタ回路62Aでは、待機時間Ts経過するのを待ち(S12)、VCOの周波数が脱調判定周波数Nmaxより大きいか否かを判定する(S13)。
【0053】
回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が脱調判定周波数Nmaxより大きいと判定した場合(図5(b)参照)、コントロールIC60にリセット信号RSを送信する。すると、コントロールIC60では、電源リセットする(S14)。再起動後、コントロールIC60では、電動機3の位相検出を開始し(S15)、位相検出を終了するとVCOを生成する。そして、回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きいか否かを判定する(S16)(図5参照)。回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きい場合、S12の処理に戻る。一方、回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nf以下の場合、コントローラIC60にアシスト再開信号ASを送信するとともにインバータ停止回路61への停止信号SSの送信を止め(S17)、次回のS10の処理に移る。アシスト再開信号ASを受信すると、コントローラIC60では、VCOに基づいてゲート信号Ga〜Gfを生成し、インバータ5に送信する(S17)。インバータ5では、停止信号SSによるFET50〜55の強制的なオフが解除されているので、ゲート信号Ga〜Gfに基づいてFET50〜55がオン/オフし、巻線30,31,32に電力を順次供給する(S17)。すると、電動機3では、巻線30,31,32に磁界が順次発生し、永久磁石が設けられたロータがVCOの周波数に応じた回転数で回転し、ターボチャージャ2へのアシストを再開する(S17)。
【0054】
一方、回転数モニタ回路62Aでは、VCOの周波数が脱調判定周波数Nmax以下と判定した場合(図5(a)参照)、インスツルメントパネルのECUにフェールランプ点灯信号を送信し(S18)、さらに、エンジンECU7にフェール信号FSを送信する(S19)。すると、インスツルメントパネル(図示せず)では、ターボチャージャのフェールランプを点灯させる(S18)。また、エンジンECU7では、電動機3によるアシスト無しでのターボチャージャ2の制御に移る。
【0055】
この運転制御装置6Aによれば、VCOの周波数に基づいて、電動機3の過回転と脱調とを区別して判定することができる。そのため、運転制御装置6Aでは、脱調と判定した場合にはコントロールIC60の電源リセットによって電動機3によるアシストを迅速に再開できるとともに、過回転と判定した場合にはイグニッションスイッチがオフされるまで電動機3を確実に停止することができる。また、運転制御装置6Aでは、過回転と仮判定した時点でインバータ5による電力の供給を停止して電動機3を停止しているので、過回転異常によるメカ的なトラブルの発生やターボチャージャ2の背圧の上昇等を早い段階で防ぐことができる。さらに、運転制御装置6Aでは、6つのトランジスタ61a〜61fによる簡単な構成によって、インバータ5の電力供給を強制的に停止することができる。
【0056】
次に、第2の実施の形態について説明する。図1乃至図5を参照して、電動機付ターボチャージャシステム1Bの構成について説明する。電動機付ターボチャージャシステム1Bは、第1の実施の形態に係る電動機付ターボチャージャシステム1Aと、過回転/脱調判定においてVCOの周波数の他に過給圧を用いる構成及び動作が異なり、その他の構成及び動作については基本的には同様の構成及び動作を有する。なお、電動機付ターボチャージャシステム1Bでは、電動機付ターボチャージャシステム1Aと同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
電動機付ターボチャージャシステム1Bは、ターボチャージャ2、電動機3、バッテリ4、インバータ5、運転制御装置6Bを備えている。
【0058】
運転制御装置6Bは、運転制御装置6Aと同様に電動機3の駆動を制御する装置であるが、電動機3の過回転及び脱調を判定する仕方が異なっている。すなわち、運転制御装置6Bでは、VCOの周波数及びエンジンへの過給圧に基づいて電動機3の過回転及び脱調を判定するのである。そのために、運転制御装置6Bは、運転制御装置6Aにおける回転数モニタ回路62Aに代えて、脱調判定手段及び過回転仮判定手段(過回転判定手段)としての回転数モニタ回路62Bを備えている。
【0059】
回転数モニタ回路62Bは、コントローラIC60からのVCO及びエンジンECU7からの過給圧信号FSに基づいて、電動機3の過回転及び脱調を判定する。過給圧信号FSは、過給圧センサ(図示せず)で検出され、過給圧センサからエンジンECU7に取り込んだ過給圧が設定された信号である。回転数モニタ回路62Bには、電動機3の正常、過回転、脱調を判別するために、VCOの周波数に対する1つの閾値(過回転判定回転数としての過回転判定周波数Nf)及び過給圧に対する1つの閾値(判定過給圧Pf)を保持している。判定過給圧Pfは、電動機3による制御上の最大アシストによって得られる過給圧より大きくかつ過回転状態の電動機3によるアシストによって得られる過給圧より小さい過給圧が設定される。
【0060】
回転数モニタ回路62Bでは、一定時間毎に(例えば、コントローラIC60でVCOが生成される毎に)、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きいか否かを判定する。回転数モニタ回路62Bでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きいと判定した場合(すなわち、電動機3が過回転と仮判定した場合)、インバータ5による電力供給を停止するために、インバータ5に停止信号SSを送信する。一方、回転数モニタ回路62Bでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nf以下と判定した場合(すなわち、電動機3が正常と判定した場合)、次回のVCOの周波数と過回転判定周波数Nfとの判定まで待つ。
【0061】
停止信号SSを送信開始後、回転数モニタ回路62Bでは、待機時間Tsが経過すると、過給圧が判定過給圧Pfより小さいか否かを判定する。電動機3が過回転状態の場合、電動機3によるアシストが制御上の最大アシストよりもかなり大きくなるので、非常に大きな過給圧となる。一方、制御上の脱調の場合、電動機3の電動駆動をロータの位相に合わせて行うことができない状態であるので、少なくとも過回転状態の場合のように非常に大きな過給圧となることはない。そこで、回転数モニタ回路62Bでは、過給圧が過回転で非常に大きくなっているか否かを判定する。
【0062】
回転数モニタ回路62Bでは、過給圧が判定過給圧Pfより小さいと判定した場合(すなわち、脱調と判定した場合)、コントロールIC60を電源リセットするために、コントロールIC60にリセット信号RSを送信する。コントロールIC60での電源リセット後、回転数モニタ回路62Bでは、脱調が解消されていることを確認するために、再度、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きいか否かを判定する。回転数モニタ回路62Bでは、VCOの周波数が過回転判定周波数Nfより大きい場合、上記と同様に、待機時間Ts経過した後、VCOの周波数が脱調判定周波数Nmaxより大きいか否かを判定する。一方、回転数モニタ回路62Bでは、過給圧数が過回転判定周波数Nf以下の場合(すなわち、電動機3が正常に戻った場合)、電動機3でのアシストを再開するために、コントローラIC60にアシスト再開信号ASを送信するとともに、インバータ停止回路61への停止信号SSの送信を終了する。
【0063】
回転数モニタ回路62Bでは、過給圧が判定過給圧Pf以上と判定した場合(すなわち、過回転と本判定した場合)、ドライバに過回転であることを知らせるために、インスツルメントパネルのECUにターボチャージャのフェールランプを点灯させるためのフェールランプ点灯信号を送信する。さらに、回転数モニタ回路62Bでは、エンジンECU7に電動機3に異常が発生して電動機3を強制的に停止させていることを知らせるために、エンジンECU7にフェール信号FSを送信する。そして、回転数モニタ回路62Bでは、イグニッションスイッチがオフされるまで停止信号SSを送信して電動機3を停止させ、イグニッションスイッチがオフされて後に再度オンされた場合には停止信号SSを送信しない。
【0064】
それでは、図1乃至図5を参照して、電動機付ターボチャージャシステム1Bにおける過回転/脱調判定時の動作について図7に示すフローチャートに沿って説明する。図7は、第2の実施の形態に係る電動機付ターボチャージャシステムにおける過回転/脱調判定時の動作を示すフローチャートである。電動機付ターボチャージャシステム1Bでは過回転/脱調判定には過給圧による判定以外の動作は第1の実施の形態に係る電動機付ターボチャージャシステム1Aと同様の動作を行うので、ここでは過給圧による判定動作についてのみ説明する。なお、図7のフローチャートでは、図6のフローチャートと同様の処理を行うステップには同一のステップ番号を付す。
【0065】
停止信号SSの送信開始後、回転数モニタ回路62Bでは、待機時間Ts経過するのを待ち(S12)、過給圧が判定過給圧Pfより小さいか否かを判定する(S20)。
【0066】
回転数モニタ回路62Bでは、過給圧が判定過給圧Pfより小さいと判定した場合、コントロールIC60にリセット信号RSを送信する。一方、回転数モニタ回路62Bでは、過給圧が判定過給圧Pf以上と判定した場合、インスツルメントパネルのECUにフェールランプ点灯信号を送信し(S18)、さらに、エンジンECU7にフェール信号FSを送信する(S19)。
【0067】
この運転制御装置6Bによれば、VCOの周波数及び過給圧に基づいて、電動機3の過回転と脱調とを区別して判定することができる。そのため、運転制御装置6Bでは、脱調と判定した場合にはコントロールIC60の電源リセットによって電動機3によるアシストを迅速に再開できるとともに、過回転と判定した場合にはイグニッションスイッチがオフされるまで電動機3を確実に停止することができる。また、運転制御装置6Bでは、過回転と仮判定した時点で6つのトランジスタ61a〜61fをオンするという簡単な構成によって、インバータ5による電力の供給を停止して電動機3による電動駆動を停止し、過回転異常による故障やターボチャージャ2の過過給等を早い段階で防ぐことができる。さらに、運転制御装置6Bでは、6つのトランジスタ61a〜61fによる簡単な構成によって、インバータ5の電力供給を強制的に停止することができる。
【0068】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では電動機付ターボチャージャシステムの電動機に適用したが、ガスタービン等の他の電動機にも適用可能である。
また、本実施の形態では電動機の回転数に相当するVCOの周波数に基づいて過回転/脱調判定を行ったが、VCOの周波数に基づいて電動機の回転数を算出する手段を備え、その算出した電動機の回転数に基づいて過回転/脱調判定を行ってもよい。
また、本実施の形態では過回転と仮判定した場合にインバータによる電力の供給を停止して電動機を停止させたが、電動機の出力を低下させる手段等を備え、電動機の出力を徐々に低下させるようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、電動機の過回転と脱調とを区別して判定することができ、脱調の場合には運転制御装置をリセットすることにより迅速に脱調を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る電動機付ターボチャージャシステムの構成図である。
【図2】本実施の形態に係るインバータの構成図である。
【図3】本実施の形態に係るコントローラICにおける制御信号及び電動機の各相の巻線の通電/非通電を示す波形である。
【図4】本実施の形態に係る電動機の巻線の端子電圧の分圧の時間変化を示す波形である。
【図5】本実施の形態に係るVCOの周波数の時間変化を示すグラフであり、(a)が過回転時であり、(b)が脱調時である。
【図6】第1の実施の形態に係る電動機付ターボチャージャシステムにおける過回転/脱調判定時の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る電動機付ターボチャージャシステムにおける過回転/脱調判定時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1A,1B…電動機付ターボチャージャシステム、2…ターボチャージャ、20…タービンホイール、21…コンプレッサホイール、22…シャフト、3…電動機、30〜32…巻線、4…バッテリ、5、…インバータ、50〜55…FET、6A,6B…運転制御装置、60…コントローラIC、61…インバータ停止回路、61a〜61f…トランジスタ、62A,62B…回転数モニタ回路、7…エンジンECU

Claims (4)

  1. 巻線による磁界と磁石による磁界との相互作用により回転子を回転させる電動機を制御する運転制御装置において、
    前記巻線の端子に生じる逆起電力に基づいて、前記電動機の駆動装置への通電切換信号を生成する切換信号生成手段と、
    前記通電切換信号に基づく電動機の回転数が、電動機の過回転状態における回転数より大きい脱調判定回転数より大きい場合に脱調と判定する脱調判定手段と
    を備えることを特徴とする電動機の運転制御装置。
  2. 巻線による磁界と磁石による磁界との相互作用により回転子を回転させ、内燃機関に対して過給を行うターボチャージャのコンプレッサを回転駆動する電動機を制御する運転制御装置において、
    前記巻線の端子に生じる逆起電力に基づいて、前記電動機の駆動装置への通電切換信号を生成する切換信号生成手段と、
    前記通電切換信号に基づく電動機の回転数が、電動機の過回転状態における回転数より小さい過回転判定回転数より大きいか否かを判定する過回転判定手段と、
    前記過回転判定手段で電動機の回転数が過回転判定回転数より大きいと判定した後に、前記内燃機関への過給圧が判定過給圧より小さい場合に脱調と判定し、判定過給圧以上の場合に過回転と判定する脱調判定手段と
    を備えることを特徴とする電動機の運転制御装置。
  3. 前記通電切換信号に基づく電動機の回転数が、電動機の過回転状態における回転数より小さい過回転判定回転数より大きい場合に過回転と仮判定する過回転仮判定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載する電動機の運転制御装置。
  4. 前記過回転仮判定手段で過回転と仮判定した場合、前記電動機の出力を低下させる電動機出力低下手段を備えることを特徴とする請求項3に記載する電動機の運転制御装置。
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