JP4185264B2 - 偏光方向制御素子及び露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置に係り、特に、光源から射出された光により記録媒体を走査して画像を形成する露光記録装置において用いられる露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、外周面に感光材料(記録媒体)が装着されたドラムを主走査方向に回転させると共に、上記感光材料に記録すべき画像の画像データに応じて変調されたレーザビームを上記主走査方向と直交する副走査方向に走査させることで、2次元画像を上記感光材料に記録するようにした露光記録装置が用いられている。
【0003】
この種の露光記録装置において、解像度を低くして画像を記録するためには、感光材料表面におけるレーザビームのスポット径を拡大すると共に、副走査方向に対する記録ピッチを大きくするか、又はスポット径の大きさ及び記録ピッチは変更せずに、同一の画像データからなる画素を解像度を低くした分だけ繰り返し記録する方法が採られている。一方、解像度を高くして画像を記録する場合は、これと逆の方法が採られている。
【0004】
しかしながら、このようにしてレーザビームのスポット径を拡大、ないし縮小するためには、駆動機構を用いて光学系のレンズ等を駆動する必要があることから、装置が大型化すると共に、コストが上昇する、という問題点があった。また、同一の画像データからなる画素を解像度を低くした分だけ繰り返し記録することで解像度を低くする場合には、副走査方向に対する記録ピッチが一定であるため、記録速度を向上できない、という問題点があった。
【0005】
そこで、この問題点を解消するために、本発明の出願人による特開2000−284206号公報に記載の技術では、光源から射出された光を複数に分割し、集光光学系による記録媒体上での集光点を、当該記録媒体の副走査方向に対して複数生成する複数集光点生成手段と、解像度に応じて副走査方向の記録間隔を制御する副走査制御手段と、を備えておき、光源から射出された光を集光光学系を介して記録媒体上に集光させて画像を記録する際に、記録画像の解像度に応じて、複数集光点生成手段により副走査方向に分割して生成される集光点の数を制御することでビームスポットの大きさを調整すると共に、副走査方向のビームスポットの記録間隔を調整することにより、解像度に応じた画像を効率的に記録することを可能としていた。
【0006】
ところで、記録速度の向上を目的として、複数の光源から射出された各レーザビームを各々光ファイバーで単一の露光ヘッドに案内すると共に、当該露光ヘッドにおいて各光ファイバーにおけるレーザビームの出射口端部を副走査方向に並べて配置しておき、上記複数の光源から射出された複数のレーザビームによる露光を同時に行う露光記録装置がある。
【0007】
この種の露光記録装置に対して、前述の特開2000−284206号公報に記載の技術を適用した場合、1つのレーザビームを複数に分割して露光することができるため、記録速度の更なる向上が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような光ファイバーを用いた露光記録装置では、図14に示すように、光ファイバーに加えられる外力変位(振動変位、圧力変位、ねじれ変位、温度変位等)によって光ファイバーから出射される光の偏光方向が時々刻々と変化する場合があり、この場合には複数に分割された光の光量が競合してしまい、集光スポットが不安定な形状となってしまうため、記録画像の画質が劣化する、という問題点があった。
【0009】
すなわち、一例として図15(A)に示すように、中心光強度が高く、中心から離れるに従って光強度が徐々に低くなる強度分布からなる半導体レーザを光源として用い、前述の複数集光点生成手段によって2つの集光点を生成する場合には、当該2つの集光点に対応する2つの分割光の強度分布が図15(B)に示すように同一の状態となることが画質の点で理想的である。
【0010】
しかしながら、レーザビームの偏光方向が上記のように時間的に変化する場合、当該変化に応じて図15(C)に示すように各集光点に対応する2つの分割光の強度が大きく異なった分布状態となる事態が発生するため、記録画像の画質が劣化するのである。本発明の発明者による実験により、ある光ファイバーカップルド半導体レーザ光源の場合、水平偏光と垂直偏光の偏光比(水平偏光:垂直偏光)が、1:4から4:1までの範囲内で変動することも見出されている。
【0011】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、記録画像の画質を向上することができる露光装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1記載の露光装置は、光を射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出された光をそれぞれ導光して所定方向に沿って所定間隔でそれぞれ射出する複数の光ファイバと、前記複数の光ファイバから射出された光を記録媒体上に集光する集光光学系と、前記光を偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、前記光源と前記偏光分離素子との間に配置されると共に、前記偏光分離素子により分離される光の偏光方向に対して前記1/2波長板の結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように配置された偏光方向制御素子と、を備えたものである。なお、上記結晶光軸は「光学軸」とも呼ばれているものであるが、本明細書では、「結晶光軸」と統一して記載する。更に、上記45度を含む所定範囲の角度は、理想的には45度であるが、当該偏光方向制御素子の製造上許容される範囲内の角度、当該偏光方向制御素子が適用される装置において許容される範囲内の角度等の各種許容範囲内の角度を意味するものである。
【0013】
ここで、図13を参照して、本発明の原理について説明する。なお、ここでは、本発明の偏光方向制御素子を、1/2波長板と、透過する光の偏光方向に大きな影響を与えない透明平行板と、を組み合わせて構成した場合について説明する。
【0014】
同図に示すように、偏光分離素子により分離する光の偏光方向を(x,y)としたとき、偏光方向制御素子における1/2波長板の結晶光軸の方向が(x,y)に対して45度傾斜される方向となるように偏光方向制御素子を配置するものとする。なお、このときの1/2波長板における結晶光軸の座標系を(X,Y)とする。また、ここでは、偏光方向制御素子における透明平行板と1/2波長板の光透過率の差がないか、無視できるほど小さいことを前提として、1/2波長板に入射する光の光量と、入射しない光の光量との比が1:1となるように光量分配される位置に偏光方向制御素子を配置するものとする。
【0015】
偏光方向制御素子に入射される光の電界ベクトルαをα=(a,b)として、1/2波長板に入射する光を考えた場合、(x,y)座標系を45度回転させるための行列をA、Y座標の光を1/2波長位相を遅らせる行列をB、−45度回転させて元の(x,y)座標系に戻す行列をCとすると、それぞれは次のように表わされる。
【0016】
【数1】
Figure 0004185264
【0017】
従って、1/2波長板を通過した後の光の電界ベクトルβは次のように表わされる。
【0018】
【数2】
Figure 0004185264
【0019】
αとβは、光量分配として1:1に配分されるように設定されていることから、それぞれの光量Iα、Iβは次のように表わされる。
【0020】
【数3】
Figure 0004185264
【0021】
従って、それぞれの光を足し合わせたときの光量Iは次のようになる。
【0022】
【数4】
Figure 0004185264
【0023】
この結果は、1/2波長板を通過した光と、通過しなかった光とを足し合わせた場合、偏光分離素子でxとyの各偏光方向に分離された光は、等光量で分離されることを示している。
【0024】
なお、ここで偏光方向制御素子に設けた透明平行板は必ずしも必要なものではなく、入射された光の偏光方向に大きな影響を与えない他の部材(例えば、ND(Neutral Density)フィルタ)を透明平行板に代えて適用することもでき、これらの部材を設けずに、何もない素通しの状態とすることもできる。
【0025】
以上の原理に基づき、請求項1に記載の露光装置の偏光方向制御素子は、偏光分離素子と組み合わせて用いた場合に当該偏光分離素子により光を等光量で分離することが可能となり、偏光分離素子を用いた露光記録装置における記録画像の画質を向上することができる。
【0026】
なお、上記のように偏光分離素子により光を等光量で分離させるためには、偏光方向制御素子における透明平行板(又は透明平行板に代る前述のNDフィルター等の部材、又は何もない素通しの部分)と1/2波長板の光透過率の差がないか、無視できるほど小さいという条件下において、1/2波長板に入射する光の光量と、入射しない光の光量との比が1:1となるように光量分配されることが必要である。
【0027】
そこで、請求項1記載の偏光方向制御素子は、請求項2記載の発明のように、前記1/2波長板の前記光が入射される領域と、前記1/2波長板に入射されない前記光の領域との面積比が略1対1となるように構成することが、分離された光の強度分布の均一化の点で有利である。なお、ここでいう「前記1/2波長板に入射されない前記光の領域」は、前述の透明平行板の前記光が入射される領域、又は当該透明平行板に代るNDフィルター等の部材の前記光が入射される領域、又は何もない素通しの部分の前記光が入射される領域に相当する。
【0028】
ところで、請求項2記載の発明は、偏光方向制御素子における透明平行板(又は透明平行板に代る前述のNDフィルター等の部材、又は何もない素通しの部分)と1/2波長板の光透過率の差がないか、無視できるほど小さいという条件下では、分離された光の強度分布の均一化の点で有利であるが、上記光透過率の差が無視できない程度である場合には、分離された光の強度分布を均一化することは難しい。
【0029】
そこで、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記1/2波長板の前記光が入射される領域と、前記1/2波長板に入射されない前記光の領域との面積比を、前記偏光分離素子によって得られる前記2つの光の各々の光量が略同一となるように構成するものである。これによって、分離された光の強度分布を確実に均一化することができる。なお、ここでいう「前記1/2波長板に入射されない前記光の領域」も、前述の透明平行板の前記光が入射される領域、又は当該透明平行板に代るNDフィルター等の部材の前記光が入射される領域、又は何もない素通しの部分の前記光が入射される領域に相当する。
【0030】
なお、請求項3記載の発明の具体的な実現例としては、1/2波長板と、1/2波長板に入射されない光の通過領域(前述の透明平行板、又は当該透明平行板に代るNDフィルター等の部材、又は何もない素通しの部分)の、偏光分離素子により分離される光の偏光方向に対する光透過率比が(1/2波長板:1/2波長板に入射されない光の通過領域)=1:ηである場合、1/2波長板の前記光が入射される領域の面積Hと、当該1/2波長板に入射されない光の領域の面積Sと、の比を次の(1)式によって示される比となるように設定することが例示できる。
【0031】
(H:S)=η:1 ・・・(1)
また、本発明に係る偏光方向制御素子は、請求項4記載の発明のように、複数の1/2波長板を前記光の全入射領域において各々所定間隔毎に配置して構成する形態を適用することができる。
【0032】
また、本発明の偏光方向制御素子は、請求項5記載の発明のように、入射された光の偏光方向を制御する偏光方向制御素子であって、透過された前記光と透過されなかった前記光の光量が略同一となるように1/2波長板を配置して構成することもできる。
【0033】
なお、この際の、光量を略同一とする具体的な実現例としては、1/2波長板の光が入射される領域と、1/2波長板に入射されない光の領域との面積比を調整することの他、1/2波長板を透過した光と透過しなかった光の光量を、ARコート(Antireflection coating:反射防止膜)、及びNDフィルターの少なくとも一方を用いて調整すること等を例示することができる。
【0034】
更に、以上の請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の露光装置の偏光方向制御素子は、請求項6記載の発明のように、透明平行板に前記1/2波長板を取り付けて構成する形態を採ることができる。
【0035】
なお、上記透明平行板は、入射された光の偏光方向を大きく変化させないようなものであれば、必ずしも完全に透明である必要はなく、光透過率が100%である必要もない。
【0037】
請求項1に記載の露光装置によれば、光源から射出された光が集光光学系によって記録媒体上に集光される際に、当該光が偏光分離素子によって偏光方向が互いに直交する2つの光に分離される。なお、上記光源には、各種半導体レーザが含まれる。また、上記偏光分離素子には、ローションプリズム(Rochon Prism)、ウォラストンプリズム(WollastonPrism)等の各種プリズムが含まれる。
【0038】
ここで、請求項1に記載の発明では、本発明に係る偏光方向制御素子が、光源と偏光分離素子との間に、偏光分離素子により分離される光の偏光方向に対して1/2波長板の結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように配置される。なお、上記45度を含む所定範囲の角度は、理想的には45度であるが、本発明の露光装置において許容される範囲内の角度等の各種許容範囲内の角度を意味するものである。
【0039】
このように、請求項1に記載の露光装置によれば、本発明の偏光方向制御素子を、光源と偏光分離素子との間に、偏光分離素子により分離される光の偏光方向に対して1/2波長板の結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように配置しているので、偏光分離素子により光を等光量で分離することが可能となり、分離された光により記録媒体に画像を記録する際の当該画像の画質を向上することができる。
【0040】
なお、請求項7記載の露光装置のように、請求項1記載の発明における前記偏光分離素子は、前記光を常光線と異常光線の2つの光に分離するものとすることができる。
【0041】
ここで、請求項8記載の露光装置のように、前記偏光分離素子を、前記光が略平行光束となる部位に配設し、前記2つの光を異なる角度で出射するものとすることで前記光を分離することができる。
【0042】
また、請求項9記載の発明のように、前記偏光分離素子を、前記光が発散する部位又は集光する部位に配設し、前記2つの光を当該偏光分離素子による光の分離方向に対する異なる位置から出射するものとすることで前記光を分離することもできる。
【0043】
更に、請求項10記載の発明のように、前記偏光分離素子が前記光の光軸上に挿抜されるように当該偏光分離素子を移動させる移動手段を更に備えることにより、当該移動手段により偏光分離素子を光路上に挿抜することによって、記録媒体に画像を記録する際の解像度を容易に変更することができる。
【0044】
また、請求項11記載の発明のように、前記偏光方向制御素子及び前記偏光分離素子が同時に前記光の光軸上に挿抜されるように当該偏光方向制御素子及び偏光分離素子を移動させる移動手段を更に備えることによっても、当該移動手段により偏光方向制御素子及び偏光分離素子を光路上に挿抜することによって、記録媒体に画像を記録する際の解像度を容易に変更することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明の偏光方向制御素子及び露光装置をレーザ記録装置に適用した場合について説明する。
【0046】
〔第1実施形態〕
まず、図1を参照して、本第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aの構成について説明する。同図に示すように、本第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aは、各々レーザビームを射出する3以上の奇数個(本実施の形態では、7個)の半導体レーザLDと、各半導体レーザLDから射出された各レーザビームを集光する露光ヘッド12と、画像が記録される記録フィルムFが装着されかつ当該記録フィルムFが主走査方向に移動するように回転駆動されるドラム14と、ボールネジ18を回転駆動させることによってボールネジ18上に配置された露光ヘッド12を上記主走査方向に直交する方向である副走査方向に移動させる副走査モータ16と、を含んで構成されている。なお、本実施の形態では、半導体レーザLDとして、図15(A)に示される強度分布からなる光ファイバーカップルド半導体レーザを適用している。
【0047】
一方、露光ヘッド12には、上記奇数個の半導体レーザLDから導波された各レーザビームを取り纏めて出射するファイバーアレイ部30が備えられており、各半導体レーザLDから射出されたレーザビームは、各々光ファイバー20によってファイバーアレイ部30まで案内される。なお、本実施の形態では、レーザビームを高出力とするために、コア径の比較的大きな多モード光ファイバーを光ファイバー20として用いている。
【0048】
図2には、ファイバーアレイ部30の図1矢印B方向に見た場合の構成が示されている。同図に示すように、本実施の形態に係るファイバーアレイ部30には、上面に半導体レーザLDと同数のV字溝が副走査方向に沿って隣接するように設けられた基台30Aが備えられると共に、各V字溝に対して光ファイバー20が1本ずつ嵌め込まれて構成されている。従って、ファイバーアレイ部30からは、各半導体レーザLDから射出された複数のレーザビームLが、副走査方向に沿った所定間隔毎に出射されることになる。
【0049】
また、露光ヘッド12には、ファイバーアレイ部30側より、コリメータレンズ32、偏光方向制御素子34、偏光分離素子36、及び集光レンズ38が順に配列されている。
【0050】
更に、露光ヘッド12には、回転軸が図1矢印A方向に回転することにより、偏光分離素子36をレーザビームLの光路上に挿抜することができる素子移動モータ40が備えられている。
【0051】
本実施の形態に係る偏光分離素子36は、図3に示すように、結晶光軸が互いに直交する2つの一軸性結晶36A、36Bを張り合わせて構成した、レーザビームLを記録フィルムFの副走査方向に対して常光線及び異常光線に分離するローションプリズムであり、例えば、レーザビームLの入射側に配置される一軸性結晶36Aの結晶光軸がレーザビームLの光軸に平行に設定され、レーザビームLの出射側に配置される一軸性結晶36Bの結晶光軸がレーザビームLの光軸及び副走査方向と直交する方向に設定される。この場合、常光線は偏光分離素子36を直進し、異常光線は偏光分離素子36によって副走査方向に屈折される。
【0052】
なお、偏光分離素子36としては、一軸性結晶36Aの結晶光軸がレーザビームLの光軸に直交すると共に副走査方向に平行に設定され、一軸性結晶36Bの結晶光軸がレーザビームLの光軸及び副走査方向と直交する方向に設定されるウォラストンプリズムを適用してもよい。
【0053】
また、偏光分離素子36は、レーザビームLを必ずしも常光線と異常光線とに分離させる必要はなく、偏光方向の異なる2つの光に分離するものであればよい。
【0054】
一方、本実施の形態に係る偏光方向制御素子34は、図4(A)及び図4(B)に示すように、ガラス板34Bを基台とし、偏光分離素子36の光軸方向上流側に設けられた際に、レーザビームLの一部が透過されると共に、偏光分離素子36により分離される光の偏光方向に対して結晶光軸が略45度傾斜するように1/2波長板34Aを配置して構成したものである。また、ここでは、1/2波長板34A及びガラス板34Bの光が入射される領域の面積比が略1対1となるように、複数の1/2波長板34Aを、所定間隔毎に各々の両端部(レーザビームLが通過しない部位)をガラス板34Bに接着して構成したものである。
【0055】
ここで、本実施の形態に係る偏光方向制御素子34は、光ファイバー20としてコア径が50μm〜60μm程度のものを想定すると共に、光入射面におけるレーザビームLのビーム径が約20mmであることを想定し、1/2波長板34Aとガラス板34Bの光入射面における配列ピッチ間隔D(図4(A)の側面図参照)を約2mmであるものとしている。これにより、1/2波長板34Aに入射するレーザビームの光量とガラス板34Bに直接入射するレーザビームの光量を略同一とすることができる。
【0056】
このように、本実施の形態に係る偏光方向制御素子34は、1/2波長板34AのレーザビームLが入射される領域と、当該1/2波長板34Aに入射されないレーザビームLの領域、すなわち、ガラス板34BのレーザビームLが入射される領域との面積比が略1対1となるように、複数の1/2波長板34AをレーザビームLの全入射領域において各々所定間隔D毎に配置して構成したものであるが、レーザ記録装置10Aの装置仕様等に基づいて、1/2波長板34A及びガラス板34BのレーザビームLが入射される領域の面積比が、偏光分離素子36によって得られる2つのレーザビームの各々の光量が略同一となるように構成するものとすることもできる。また、1/2波長板34Aを透過したレーザビームLと、透過しなかったレーザビームL(すなわち、ガラス板34Bのみを透過したレーザビームL)の光量が略同一となるように1/2波長板34Aの配置位置を調整して構成するものとすることもできる。なお、これらの偏光方向制御素子の構成は、図4に示されるものと略同一であるので、これらの偏光方向制御素子の他の図示は省略する。
【0057】
ここで、以上のように構成された偏光方向制御素子34を用いない場合と、偏光方向制御素子34を用いた場合の、偏光分離素子36によるレーザビームの分離状態について説明する。まず、図5を参照して、偏光方向制御素子34を用いない場合のレーザビームの分離状態について説明する。
【0058】
図5(A)に示すように、例えば、偏光がe1+e2のレーザビーム(偏光e1に対して45度傾斜した偏光のレーザビーム)が偏光分離素子36に入射した場合は、均等に2つの偏光e1及び偏光e2に分離される。
【0059】
一方、図5(B)に示すように、偏光e1のレーザビームが偏光分離素子36に入射した場合には、偏光e1のレーザビームしか偏光分離素子36から出射されない。従って、この場合は、均等に2つのレーザビームに分離することは困難である。
【0060】
次に、図6を参照して、偏光方向制御素子34を用いた場合のレーザビームの分離状態について説明する。
【0061】
図6(A)に示すように、偏光がe1+e2のレーザビーム(偏光e1に対して45度傾斜した偏光のレーザビーム)がガラス板34Bに入射した場合は、偏光方向が変化することなく透過し、このレーザビームが偏光分離素子36に入射して、均等に2つの偏光e1及び偏光e2に分離される。これに対し、偏光がe1+e2のレーザビームが1/2波長板34Aに入射した場合は、結晶光軸が偏光e1に対して45度傾斜しているため、偏光方向が変化することなく透過し、このレーザビームが偏光分離素子36に入射して、均等に2つの偏光e1及び偏光e2に分離される。
【0062】
一方、図6(B)に示すように、偏光e1のレーザビームがガラス板34Bに入射した場合は、偏光方向が変化することなく透過し、このレーザビームが偏光分離素子36に入射して、偏光e1のみのレーザビームを出射する。これに対し、偏光e1のレーザビームが1/2波長板34Aに入射した場合は、結晶光軸が偏光e1に対して45度傾斜しているため、偏光e1に直交する偏光e2となって出射され、このレーザビームが偏光分離素子36に入射して、偏光e2のみのレーザビームを出射する。従って、空間的には異なる位置となるが、総合的にみてレーザビームを均等に分割することができる。
【0063】
次に、図7を参照して、本実施の形態に係るレーザ記録装置10Aの制御系の構成について説明する。同図に示すように、当該制御系は、画像データに応じて半導体レーザLDを駆動するLD駆動回路54と、素子移動モータ40を駆動する素子移動モータ駆動回路56と、副走査モータ16を駆動する副走査モータ駆動回路58と、LD駆動回路54、素子移動モータ駆動回路56及び副走査モータ駆動回路58を制御する制御回路52と、を備えている。ここで、制御回路52には、記録フィルムFに記録する画像を示す画像データ、及び画像記録の解像度を示す解像度データが供給される。
【0064】
ガラス板34Bが本発明の透明平行板に、半導体レーザLDが本発明の光源に、コリメータレンズ32及び集光レンズ38が本発明の集光光学系に、素子移動モータ40が本発明の移動手段に、各々相当する。
【0065】
次に、以上のように構成されたレーザ記録装置10Aの作用について、図8に示すフローチャートを参照しつつ説明する。なお、ここでは、偏光分離素子36をレーザビームLの光路上に位置させない場合の、すなわちレーザビームLを分離させない場合の各レーザビームLによる記録フィルムF上の高解像度側での副走査方向の走査線ピッチ間隔をεとした場合、ビームスポットの間隔が2・εに設定されており、偏光分離素子36により分離された2つのレーザビームの記録フィルムF上の偏光分離素子36によるビームスポットのずらし量がεに設定されていることを前提に説明する。
【0066】
まず、作業者は、レーザ記録装置10Aに対して記録する画像の解像度を示す解像度データを入力する(ステップ100)。この解像度データ、及び記録すべき画像の画像データは制御回路52に供給され、制御回路52は、これらのデータに基づいて調整された信号をLD駆動回路54、素子移動モータ駆動回路56及び副走査モータ駆動回路58に供給する。なお、本実施の形態では、上記解像度としてR(dpi)と2・R(dpi)の2種類の解像度で画像を記録できるものとして以下の説明を行う。
【0067】
作業者によって入力された解像度が2・R(dpi)である場合(ステップ102で肯定判定された場合)、素子移動モータ駆動回路56は素子移動モータ40を駆動し、偏光分離素子36がレーザビームLの光路上に位置しないように偏光分離素子36を移動させる(ステップ104)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔Wを次のように設定する(ステップ106)。
【0068】
【数5】
Figure 0004185264
【0069】
但し、Nは半導体レーザLDの数(本実施の形態では‘7’)である。
【0070】
すなわち、解像度が2・R(dpi)である場合、偏光分離素子36をレーザビームLの光路上から外すことによって、レーザビームLを副走査方向に2つのレーザビーム(常光線及び異常光線)に分離しないようにしており、これによってレーザビームLを分離する場合の2倍の解像度を実現している。
【0071】
上述のように偏光分離素子36の移動及び副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに応じて各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ108)。
【0072】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、コリメータレンズ32によって平行光束とされた後、偏光方向制御素子34に入射する。偏光方向制御素子34に入射したレーザビームLは、ガラス板34Bに入射したレーザビームについては偏光方向が変更されることなく出射される。また、1/2波長板34Aに入射したレーザビームについては、偏光方向が1/2波長板34Aの結晶光軸に一致する偏光は偏光方向が変更されることなく、偏光方向が上記結晶光軸に一致しない偏光は当該偏光方向と上記結晶光軸とのなす角度に応じた方向に偏光方向が変更されて出射される。
【0073】
そして、この偏光方向制御素子34から出射されたレーザビームLは、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに集光される。
【0074】
この場合、記録フィルムF上には、各々図15(A)に示す強度分布からなるビームスポットS1〜S7(図9(A))が形成される。このビームスポットS1〜S7は、図9(A)に示すように、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔Wのピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることにより、解像度が2・R(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ110)。
【0075】
次に、解像度が2・R(dpi)からR(dpi)に変更された場合(ステップ102で否定判定された場合)について説明する。この場合、素子移動モータ駆動回路56は素子移動モータ40を駆動し、偏光分離素子36がレーザビームLの光路上に位置するように偏光分離素子36を移動させる(ステップ112)。また、この場合、副走査モータ駆動回路58は副走査モータ16による露光ヘッド12の副走査方向に対する送り間隔W’を次のように設定する(ステップ114)。
【0076】
【数6】
Figure 0004185264
【0077】
すなわち、解像度がR(dpi)である場合、偏光分離素子36をレーザビームLの光路上に位置させることによって、偏光分離素子36に入射されたレーザビームLを副走査方向に2つのレーザビーム(常光線及び異常光線)に分離するようにしており、これによってレーザビームLを分離しない場合の2分の1の解像度を実現している。
【0078】
上述のように偏光分離素子36の移動及び副走査方向に対する送り間隔の設定が終了すると、LD駆動回路54は、画像データに応じて各半導体レーザLDの駆動を制御する(ステップ108)。
【0079】
各半導体レーザLDから射出されたレーザビームLは、コリメータレンズ32によって平行光束とされた後、偏光方向制御素子34に入射する。偏光方向制御素子34に入射したレーザビームLは、ガラス板34Bに入射したレーザビームについては偏光方向が変更されることなく出射される。また、1/2波長板34Aに入射したレーザビームについては、偏光方向が1/2波長板34Aの結晶光軸に一致する偏光は偏光方向が変更されることなく、偏光方向が上記結晶光軸に一致しない偏光は当該偏光方向と上記結晶光軸とのなす角度に応じた方向に偏光方向が変更されて出射される。
【0080】
偏光方向制御素子34から出射されたレーザビームLは偏光分離素子36に供給され、常光線及び異常光線の双方が透過する。そして、この常光線及び異常光線は、集光レンズ38を介してドラム14の記録フィルムFに集光される。
【0081】
この場合、記録フィルムF上には、図15(B)に示す2つの強度分布、すなわち常光線による強度分布と異常光線による強度分布とが副走査方向に合成された状態の強度分布からなるビームスポットS1’〜S7’(図9(B))が形成される。
【0082】
このビームスポットS1’〜S7’は、図9(B)に示すように、露光ヘッド12が副走査方向に送り間隔W’のピッチで送られると共に、ドラム14が主走査方向に回転されることにより、解像度がR(dpi)となる2次元画像が記録フィルムF上に形成される(ステップ110)。
【0083】
このように、記録画像の解像度を2・R(dpi)からR(dpi)に変更した場合、偏光分離素子36をレーザビームLの光路上に挿入するだけでビームスポットS1〜S7をビームスポットS1’〜S7’に容易に拡大することができ、しかも、副走査速度が高速化されるので、高速で画像記録を行うことが可能となる。
【0084】
同様にして、解像度をR(dpi)から2・R(dpi)に変更することができる。
【0085】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、本発明の偏光分離素子を光が略平行光束となる部位に配設し、2つの光を異なる角度で出射するものとした場合の一形態について説明したが、本第2実施形態では、偏光分離素子を光が発散する部位に配設し、2つの光を当該偏光分離素子による光の分離方向に対する異なる位置から出射するものとした場合の一形態について説明する。
【0086】
まず、図10を参照して、第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bの構成について説明する。なお、同図における図1に示されるレーザ記録装置10Aと同一の構成要素には図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0087】
同図に示すように、本第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bは、偏光分離素子36に代えて一軸性結晶からなる偏光分離素子36’を用いている点と、偏光方向制御素子34及び偏光分離素子36’をファイバーアレイ部30とコリメータレンズ32との間のレーザビームLの発散する部位に配設した点のみが、上記第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aと相違している。この場合、偏光分離素子36’の結晶光軸の方向は、レーザビームLの光軸方向と副走査方向との間となるように設定される。
【0088】
解像度をR(dpi)に設定した場合において、偏光方向制御素子34により偏光方向が制御されたレーザビームLは、図11に示すように偏光分離素子36’によって常光線及び異常光線に分離される。この場合、常光線に対する偏光分離素子36’の屈折率は、結晶光軸の方向によらず一定であるため、レーザビームLの光軸上の仮想発光点Poから射出されてコリメータレンズ32に導かれる。一方、異常光線に対する偏光分離素子36’の屈折率は、レーザビームLの入射方向と結晶光軸の方向とによって異なり、結晶光軸がレーザビームLの光軸方向と副走査方向との間に設定されているため、レーザビームLの光軸から副走査方向に所定量変位した仮想発光点Peより射出されてコリメータレンズ32に導かれる。
【0089】
この結果、常光線及び異常光線はコリメータレンズ32、及び集光レンズ38を介して記録フィルムF上の副走査方向に所定量ずれた位置に各々集光されることにより、図9(B)に示すビームスポットS1’〜S7’が得られる。これによって、解像度がR(dpi)の画像を形成することができる。
【0090】
一方、解像度が2・R(dpi)の画像を形成する場合は、偏光分離素子36’をレーザビームLの光路上に位置しないように移動させ、図9(A)に示すビームスポットS1〜S7を得るように制御すればよい。
【0091】
以上詳細に説明したように、上記各実施形態に係る偏光方向制御素子34は、レーザビームLを偏光方向が互いに直交する2つのレーザビームに分離する偏光分離素子36のレーザビームLの光軸方向上流側に設けられる偏光方向制御素子であって、偏光分離素子36の光軸方向上流側に設けられた際に、レーザビームLの一部が透過されると共に、偏光分離素子36により分離される光の偏光方向に対して結晶光軸が略45度傾斜するように1/2波長板34Aを配置して構成しているので、偏光分離素子36と組み合わせて用いた場合に当該偏光分離素子36によりレーザビームLを等光量で分離することが可能となり、偏光分離素子36を用いたレーザ記録装置における記録画像の画質を向上することができる
また、上記各実施形態に係る偏光方向制御素子34は、1/2波長板34AのレーザビームLが入射される領域と、1/2波長板34Aに入射されないレーザビームLの領域、すなわち、ガラス板34BのレーザビームLが直接入射される領域との面積比が略1対1となるように構成されているので、分離されたレーザビームの強度分布を均一化することができる。
【0092】
また、上記各実施形態に係る偏光方向制御素子34は、複数の1/2波長板34AをレーザビームLの全入射領域において各々所定間隔毎に配置して構成しているので、容易に作成することができる。
【0093】
また、上記各実施形態に係るレーザ記録装置10A、10Bでは、以上のような偏光方向制御素子34を、半導体レーザLDと偏光分離素子36との間に、偏光分離素子36により分離されるレーザビームLの偏光方向に対して1/2波長板34Aの結晶光軸が略45度傾斜するように配置しているので、偏光分離素子36によりレーザビームLを等光量で分離することが可能となり、分離されたレーザビームLにより記録フィルムFに画像を記録する際の当該画像の画質を向上することができる。
【0094】
また、上記各実施形態に係るレーザ記録装置10A、10Bでは、偏光分離素子36がレーザビームLの光軸上に挿抜されるように当該偏光分離素子36を移動させる素子移動モータ40を備えているので、当該素子移動モータ40により偏光分離素子36を光路上に挿抜することによって、記録フィルムFに画像を記録する際の解像度を容易に変更することができる。
【0095】
なお、上記各実施形態では、本発明の偏光方向制御素子として、ガラス板34Bに複数の平板状の1/2波長板34Aを所定間隔で貼り付けることによって構成した偏光方向制御素子34(図4(A)参照)を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図12(A)に示すように、円柱状のガラス板に対して、結晶光軸が偏光分離素子により分離される光の偏光方向に対して略45度傾斜しており、かつ径が異なる複数の円筒状の1/2波長板を上記ガラス板の同心円上に貼り付けて構成する形態とすることもできる。この場合も、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0096】
また、上記各実施形態では、偏光方向制御素子34を複数の1/2波長板34Aの配列方向が副走査方向となるように配設した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図12(B)に示すように上記配列方向が副走査方向に直交する方向となるように配設する形態とすることもできる。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0097】
また、上記各実施形態では、本発明をマルチビームスキャンを行うレーザ記録装置10A、10Bに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、光源が1つの半導体レーザで構成されたシングルビームスキャンを行うレーザ記録装置に適用することもできる。この場合も、上記各実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0098】
また、上記各実施の形態では、素子移動モータ40を偏光分離素子36のみをレーザビームLの光路上に挿抜することができるものとして構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、素子移動モータ40を偏光方向制御素子34及び偏光分離素子36を同時にレーザビームLの光路上に挿抜することができるものとして構成することもできる。この場合の素子移動モータ40が請求項12記載の発明の移動手段に相当する。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0099】
また、上記第2実施形態では、偏光分離素子36’をレーザビームが発散する部位に配設した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、レーザビームが集光する部位、すなわち、集光レンズ38と記録フィルムFの間に配設する形態とすることもできる。この場合も、上記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0101】
【発明の効果】
発明に係る露光装置によれば、本発明の偏光方向制御素子を、光源と偏光分離素子との間に、偏光分離素子により分離される光の偏光方向に対して1/2波長板の結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように配置しているので、偏光分離素子により光を等光量で分離することが可能となり、分離された光により記録媒体に画像を記録する際の当該画像の画質を向上することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るレーザ記録装置10Aの概略構成図(平面図)である。
【図2】実施の形態に係るファイバーアレイ部30の概略構成図(側面図)である。
【図3】第1実施形態に係る偏光分離素子36の構成及び作用の説明に供する概略図(平面図)である。
【図4】(A)は実施の形態に係る偏光方向制御素子34の概略構成図(正面図及び側面図)であり、(B)は偏光方向制御素子34の結晶光軸の方向を示す概略図である。
【図5】実施の形態に係るレーザ記録装置10において偏光方向制御素子34を用いない場合の偏光分離素子36によるレーザビームの分離状態を示す概略図である。
【図6】実施の形態に係るレーザ記録装置10において偏光方向制御素子34を用いた場合の偏光分離素子36によるレーザビームの分離状態を示す概略図である。
【図7】実施の形態に係るレーザ記録装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
【図8】解像度に応じて画像記録を行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係るレーザ記録装置10による記録フィルムF上でのビームスポットの状態を示す概略図である。
【図10】第2実施形態に係るレーザ記録装置10Bの概略構成図(平面図)である。
【図11】第2実施形態に係る偏光分離素子36’の作用の説明に供する概略図(平面図)である。
【図12】(A)は本発明の偏光方向制御素子の他の構成例を示す概略構成図(正面図)であり、(B)は偏光方向制御素子の他の配置状態を示す概略図である。
【図13】本発明の原理の説明に供する概略図である。
【図14】従来技術の問題点の説明に供する概略図である。
【図15】集光点におけるレーザビームの強度分布の状態例を示すグラフである。
【符号の説明】
10A、10B レーザ記録装置
12 露光ヘッド
14 ドラム
16 副走査モータ
20 光ファイバー
30 ファイバーアレイ部
32 コリメータレンズ(集光光学系)
34 偏光方向制御素子
34A 1/2波長板
34B ガラス板(透明平行板)
36 偏光分離素子
36’ 偏光分離素子
38 集光レンズ(集光光学系)
40 素子移動モータ(移動手段)
L レーザビーム
LD 半導体レーザ(光源)
F 記録フィルム

Claims (11)

  1. 光を射出する複数の光源と、
    前記複数の光源から射出された光をそれぞれ導光して所定方向に沿って所定間隔でそれぞれ射出する複数の光ファイバと、
    前記複数の光ファイバから射出された光を記録媒体上に集光する集光光学系と、
    前記光を偏光方向が互いに直交する2つの光に分離する偏光分離素子と、
    前記光源と前記偏光分離素子との間に配置されると共に、前記偏光分離素子により分離される光の偏光方向に対して前記1/2波長板の結晶光軸が45度を含む所定範囲の角度で傾斜するように配置された偏光方向制御素子と、
    を備えた露光装置。
  2. 前記偏向方向制御素子は、前記1/2波長板の前記光が入射される領域と、前記1/2波長板に入射されない前記光の領域との面積比が略1対1となるように構成された
    請求項1記載の露光装置。
  3. 前記偏向方向制御素子は、前記1/2波長板の前記光が入射される領域と、前記1/2波長板に入射されない前記光の領域との面積比を、前記偏光分離素子によって得られる前記2つの光の各々の光量が略同一となるように構成された
    請求項1記載の露光装置。
  4. 前記偏向方向制御素子は、複数の1/2波長板を前記光の全入射領域において各々所定間隔毎に配置して構成された
    請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の露光装置。
  5. 前記偏向方向制御素子は、透過された前記光と透過されなかった前記光の光量が略同一となるように1/2波長板を配置して構成された
    請求項1記載の露光装置。
  6. 前記偏向方向制御素子は、透明平行板に前記1/2波長板を取り付けて構成された
    請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の露光装置。
  7. 前記偏光分離素子を、前記光を常光線と異常光線の2つの光に分離するものとした
    請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の露光装置。
  8. 前記偏光分離素子を、前記光が略平行光束となる部位に配設し、前記2つの光を異なる角度で出射するものとした
    請求項又は請求項記載の露光装置。
  9. 前記偏光分離素子を、前記光が発散する部位又は集光する部位に配設し、前記2つの光を当該偏光分離素子による光の分離方向に対する異なる位置から出射するものとした
    請求項又は請求項記載の露光装置。
  10. 前記偏光分離素子が前記光の光軸上に挿抜されるように当該偏光分離素子を移動させる移動手段
    を更に備えた請求項乃至請求項の何れか1項記載の露光装置。
  11. 前記偏光方向制御素子及び前記偏光分離素子が同時に前記光の光軸上に挿抜されるように当該偏光方向制御素子及び偏光分離素子を移動させる移動手段
    を更に備えた請求項乃至請求項の何れか1項記載の露光装置。
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