JP5983223B2 - 光学素子の検査方法、及び光学素子の検査装置 - Google Patents

光学素子の検査方法、及び光学素子の検査装置 Download PDF

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本発明は、光学素子の検査方法、及び光学素子の検査装置に関し、特に偏光方向が異なる偏光領域が所定の面積比にて2次元配置された光学素子の光学特性の良否を高速、且つ高精度に判定可能な光学素子の検査方法、及び光学素子の検査装置に関する。
半導体微細加工技術の進展に伴い、一辺が数μm程度の単位領域に夫々光学特性の異なる偏光フィルタを作製できるようになり、その利用が進んでいる。
例えば、液晶パネル等では、色素を混合したカラーレジストを基板に塗布した後に露光や現像を行うフォトリソグラフィを利用して、一辺が数μm程度の単位領域にRGBのフィルタを夫々作製したカラーフィルタアレイが実用化されている。
また、入射する波長以下の長さの微小構造からなるサブ波長偏光素子やワイヤグリッド偏光子、或いはフォトニック結晶素子を、一辺が数μm程度の単位領域に作製した偏光フィルタ(以下「混在型フィルタ」という)が実用化されている。混在型フィルタにおいては、偏光特性の異なる領域(フィルタ)が所定の面積比にて配置されている。
ところで、偏光フィルタの光学特性の検査は、一般に検査対象となる光学素子に検査光を照射し、検査光の反射強度や透過強度を測定することにより行われる(例えば特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に記載されたような従来の光学素子の検査方法では、混在型フィルタの特性を検査することは困難であった。即ち、混在型フィルタの単位領域は一辺が数μm程度のサイズのため、一般的な光学特性評価装置から検査光を照射した場合、検査光が照射される領域の大きさよりも単位領域の大きさが非常に小さいために、混在型フィルタの単位領域毎に透過率、反射率等の特性を測定することができないという問題がある。
従来は代替手段として、一般的な光学特性評価装置で測定可能なサイズ、言い換えれば、検査光の照射される領域の大きさよりも十分に大きいサイズのモニターパターン(またはモニターサンプル)を利用していた。即ち、混在型フィルタの各単位領域に形成されているフィルタと同様の条件で光学フィルタを作製し、そのモニターパターンの光学特性を評価し、評価結果を混在型フィルタに当てはめることで、混在型フィルタの光学特性を評価していた。
しかし、フォトニック結晶やワイヤグリッド偏光子等の微細構造を利用した混在型フィルタでは、混在型フィルタとモニターパターンにおける微細構造の配列の違いにより、加工後の寸法が異なる場合があり、結果的に混在型フィルタ上の光学特性と、モニターパターンの光学特性が一致しない場合がある。
また、混在型フィルタを製品として出荷する場合は、光学特性のムラや欠陥の検査を行う必要があるが、これらはモニターパターンによる代用が不可能であり、実際の混在型フィルタを直接検査する必要がある。しかし、前述のように、一般的な光学評価装置や検査装置は評価領域の分解能が低い、つまり混在型フィルタの各単位領域よりも検査光が照射される領域が非常に大きいため、混在型フィルタ全体の光学特性を評価することしかできないという問題があった。
そこで、モニターパターンを代用せずに、混在型フィルタの光学特性のムラや欠陥を高速に検査し、光学素子の良否判定を高精度に評価することができる光学素子の検査方法、及び検査装置が切望されていた。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、偏光方向が異なる偏光フィルタが所定の面積比にて2次元配置された光学素子の光学特性のムラや欠陥を高速に検査し、光学素子の良否判定を高精度に評価することが可能な光学素子の検査方法、及び光学素子の検査装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、入射した光の第一の偏光成分を透過させる第一偏光領域と、前記入射した光の第二の偏光成分を透過させる第二偏光領域と、が所定の面積比にて2次元配置された光学素子の検査方法であって、前記第一偏光領域と前記第二偏光領域よりも十分に大きい照射領域を有する検査光を前記光学素子に照射して、前記光学素子を透過した前記検査光の第一の偏光成分の強度を検出する第一の検出工程と、前記検査光を前記光学素子に照射して、前記光学素子を透過した前記検査光の第二の偏光成分の強度を検出する第二の検出工程と、前記第一の検出工程において検出された前記検査光の前記第一の偏光成分の強度から、前記第一の偏光成分の透過率を算出する第一の透過率算出工程と、前記第二の検出工程において検出された前記検査光の前記第二の偏光成分の強度から、前記第二の偏光成分の透過率を算出する第二の透過率算出工程と、前記第一の透過率算出工程において算出された前記第一の偏光成分の透過率と、前記第二の透過率算出工程において算出された前記第二の偏光成分の透過率と、から透過率比を算出する透過率比算出工程と、前記透過率比算出工程において算出された前記透過率比から前記面積比に応じた所定の基準値を減じた値の絶対値が所定の範囲内にある場合に、前記光学素子が良品であると判定する良否判定工程と、を有することを特徴とする。
本発明において、第一の検出工程において検出される第一の偏光成分は、第一偏光領域を透過した第一の偏光成分にほぼ等しい。従って、光学素子を透過した第一の偏光成分の透過率は、第一偏光領域を透過した第一の偏光成分の透過率にほぼ等しい。
また、第二の検出工程において検出される第二の偏光成分は、第二偏光領域を透過した第二の偏光成分にほぼ等しい。従って、光学素子を透過した第二の偏光成分の透過率は、第二偏光領域を透過した第二の偏光成分の透過率にほぼ等しい。
本発明によれば、検出工程において得られた第一の偏光成分の透過率と第二の偏光成分の透過率との比率である透過率比を、第一偏光領域と第二偏光領域の面積比に応じた基準値と比較することによって光学素子を評価するので、検査光の照射領域ごとに光学特性のムラや欠陥を検査することができ、光学素子の良否判定を高精度に行うことができる。
(a)〜(c)は、ワイヤグリッド偏光子が配置された光学素子の模式図である。 検査装置の概略構成図である。 検査装置によって行われる光学素子の検査方法を示したフローチャートである。 実施例1において検査対象とした光学素子の模式図である。 実施例2、3において検査対象とした光学素子の模式図である。 実施例4において検査対象とした光学素子の模式図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置等は特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
本発明は、偏光特性が異なる偏光フィルタが所定の面積比にて2次元に配置された光学素子(混在型フィルタ)の良否を判定し、さらには混在型フィルタの欠陥を検査する光学素子検査方法及び光学素子検査装置に関して、以下の特徴を有する。
要するに本発明は、予め「良品」と判定された基準部分における検査光の透過率(基準値)を把握しておき、基準部分の透過率と検査対象部分を透過した検査光の透過率(測定値)とを比較することによって、検査対象部分が「良品」か否かを判定する点に特徴がある。特に基準値には、混在型フィルタを構成する2種類の偏光フィルタの面積比に応じた値を用いるため、従来、その光学特性を直接測定することができなかった混在型フィルタについて、光学特性のムラや欠陥を高速に検査し、光学素子の良否判定を高精度に評価することが可能である。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。
〔良品判定原理〕
まず、本発明の原理について図1に基づいて説明する。図1(a)〜(c)は、ワイヤグリッド偏光子が配置された光学素子の模式図である。
ワイヤグリッド偏光子は、微細な金属ライン(金属ワイヤ)を一方向に周期的に並列配置した光学素子である。金属ラインの伸びる方向(ライン方向)と平行な方向に振動する電場成分を有する光を反射させ、金属ラインの伸びる方向と垂直な方向に振動する電場成分を透過させる光学特性を有する。以下、ワイヤグリッド偏光子のTE偏光(S偏光)とは、ワイヤグリッドを形成している金属ラインと平行に振動する電場成分を有する偏光のことであり、TM偏光(P偏光)とは、ワイヤグリッドを形成している金属ラインと垂直に振動する電場成分を有する偏光である、と定義する。
まず、図1(a)、(b)のように、単一の偏光領域からなるワイヤグリッド偏光子を考える。
図1(a)に示すように、ワイヤグリッド偏光子の全領域に対して微細な金属ラインがX方向に並列配置された金属ライン構造が形成されているワイヤグリッド(X方向ワイヤグリッド)において、そのTM偏光(P偏光)透過率をTp1、TE偏光(S偏光)透過率をTs1と定義する。同様に、図1(b)に示すように、ワイヤグリッド偏光子の全領域に対して微細な金属ラインがY方向に並列配置された金属ライン構造が形成されているワイヤグリッド(Y方向ワイヤグリッド)においても、そのTM偏光(P偏光)透過率をTp2、TE偏光(S偏光)透過率をTs2と定義する。
ワイヤグリッド偏光子の偏光選択性能は、その消光比 (TM透過率)/(TE透過率)、Tp1/Ts1、又はTp2/Ts2によって表され、これらの値が高いほど偏光選択性能が良好、即ちワイヤグリッドの欠陥が少ないことを示す。一般的には、これらの値が100以上を示す場合は、良好な偏光選択性能を有していると判断される。
次に、図1(c)に示すような、異なる偏光特性を有する複数の領域が混在した光学素子について考える。図示する混在型フィルタ10は、ミクロンオーダの領域に区分された微細な複数の単位領域11(11x、11y)を有しており、各単位領域11には、X方向ワイヤグリッド11x、又はY方向ワイヤグリッド11yが形成されている。即ち、混在型フィルタ10には、入射した光のうち、X方向に振動する電場成分を有する光(0°偏光:第一の偏光成分)を透過させるX方向ワイヤグリッド11x(第一偏光領域)と、Y方向に振動する電場成分を有する光(90°偏光:第二の偏向成分)を透過させるY方向ワイヤグリッド11y(第二偏光領域)と、が所定の面積比にて2次元配置されている。この混在型フィルタ10には、金属ラインの方向が互いに直交する2種類のワイヤグリッドが混在している。
ここで、混在型フィルタ10の全面積に対するX方向ワイヤグリッド11x形成領域の面積比率をAとし、混在型フィルタ10の全面積に対するY方向ワイヤグリッド11y形成領域の面積比率をB(=1−A)とする。AとBは、混在型フィルタ10を作製する上での設計値であり、既知の値である。
また、混在型フィルタ10の良否判定を行うに際して、以下の2つの測定を行う。
[1]混在型フィルタを透過する0°偏光の透過率T0を測定する。
[2]混在型フィルタを透過する90°偏光の透過率T90を測定する。
なお、透過率を測定する偏光の方向は、混在型フィルタ10を構成するワイヤグリッドの透過軸の方向と揃える。即ち、0°偏光は、X方向ワイヤグリッド11xの透過軸と平行な電場成分を有する光であり、90°偏光は、Y方向ワイヤグリッド11yの透過軸と平行な電場成分を有する光である。
測定された透過率T0とT90、及び面積比率AとBから、混在型フィルタ10の良否判定を行う。以下、良否判定ができるメカニズムと良否判定手順を以下に示す。
混在型フィルタ内のX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドのライン寸法が設計値通りの作製結果であり、さらには欠陥も無ければ、透過率T0とT90は、式(1)と式(2)で表される。
T0=A×Tp1+B×Ts2
=A×Tp1×{(1+(B/A)×(Ts2/Tp1)} ・・・(1)
T90=A×Ts1+B×Tp2
=B×Tp2×{(A/B)×(Ts1/Tp2)+1} ・・・(2)
ここで、ワイヤグリッド偏光子の消光比[TM透過率/TE透過率]が100以上である場合は、Ts1/Tp1<1/100、Ts2/Tp2<1/100となる。また、X方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの製作精度が同等である場合は、Tp1≒Tp2、Ts1≒Ts2となる。これらのことから、Ts2/Tp1<1/100、Ts1/Tp2<1/100と近似できる。
更に、面積比率Aと面積比率Bの比が最大で1:5(又は5:1)程度である場合は、0.2<A/B<5、又は0.2<B/A<5となる。このことから式(1)における(B/A)×(Ts2/Tp1)、および式(2)における(A/B)×(Ts1/Tp2)は、1に比べて十分に小さいので無視することができ、それぞれの式は、
T0≒A×Tp1 ・・・(1′)
T90≒B×Tp2 ・・・(2′)
と近似できる。従って、T0とT90の比率(透過率比)は
T0/T90=(A/B)×(Tp1/Tp2) ・・・(3)
となる。
ここで、式(1)及び(2)から式(3)への近似を成立させるためには、式(1)の(B/A)×(Ts2/Tp1)と、式(2)の(A/B)×(Ts1/Tp2)を、1に比べて十分に小さくする必要がある。従って、AとBの比が大きくなる場合(例えば5よりも大きい場合)には、混在型フィルタを構成する偏光子の消光比が高い(例えば100よりも高い)ことが要求される。仮に、混在型フィルタを構成する各ワイヤグリッドの消光比が1000以上である場合には、AとBの比率は10程度まで許容できる。
透過率T0とT90は測定により得られる値であるから、測定値から透過率比T0/T90を算出することができる。また、面積比A/Bは混在型フィルタの設計値より明らかであるため、式(3)から、Tp1/Tp2を近似的に算出することが可能である。以下、Tp1/Tp2を「TM透過率比」と呼ぶ。
透過率比T0/T90は、混在型フィルタ10に含まれるX方向ワイヤグリッド11xとY方向ワイヤグリッド11yの面積比A/Bに応じて変化する値である。また、TM透過率比Tp1/Tp2は、透過率比T0/T90を面積比A/Bにて除することによって得られる値であるから、透過率比T0/T90とTM透過率比Tp1/Tp2は、いずれも混在型フィルタ10に含まれるX方向ワイヤグリッド11xとY方向ワイヤグリッド11yの面積比に応じた値である。
このTM透過率比から、以下に説明するように、X方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッド夫々の偏光特性の傾向を知ることができる。
ここで、金属のラインパターンは通常、レジストパターンを用いてエッチングを行うことにより作製される。例えば、ウェハ上にアルミニウム薄膜を蒸着(成膜)した後にレジストのパターニングを行い、メタルエッチング等の手法によりワイヤグリッドの凹凸構造を形成することで、金属のラインパターンを作製する。
ワイヤグリッドの場合、金属ラインのピッチ、高さ(ワイヤグリッドの厚み方向における金属ラインの長さ)、及び幅によって異なる光学特性を示し、TM透過率(Tp1、Tp2)やTM透過率比(Tp1/Tp2)に影響を及ぼす。
混在型フィルタを構成するワイヤグリッドは、同一ウェハ内であれば、金属ラインのピッチとライン高さは略一定になり、ライン幅にばらつきが出やすい傾向がある。特にエッチングによりワイヤグリッドを作製する場合は、金属ラインのピッチ又は高さの誤差に比べて、ライン幅の誤差が大きくなる傾向がある。
即ち、混在型フィルタにおいて、金属ラインの高さは金属膜の成膜時に決定されるため、混在型フィルタの全領域においてほぼ一定(一様)となり、X方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドとの間に大きな差は生じない。また、エッチング後に残留するレジストの高さは、ワイヤグリッド素子の光学特性に大きな影響を与えない。
更に、金属ラインのピッチは、同一ウェハ内であれば、金属ラインの高さと同様に略一定となる傾向がある。
従って、TM透過率やTM透過率比に影響を与える要素は、X方向とY方向との間におけるライン幅の差異ということになる。例えばエッチングによりワイヤグリッドを作製する場合には、X方向とY方向とにおけるレジストパターンの幅の差異がそのままライン幅の差異として表れる。
X方向とY方向とのライン幅が異なるかどうかは、Tp1/Tp2の値により判断できる。例えばTp1/Tp2>1の場合は、X方向のライン幅の方がY方向よりも小さい場合である。Tp1/Tp2≒1の場合は、X方向のライン幅とY方向のライン幅がほぼ同じであり、好ましい状態である。Tp1/Tp2<1の場合にはX方向のライン幅の方がY方向よりも大きい場合である。
このように混在型フィルタの透過率T0、T90、及び面積比A/Bから求められるTM透過率比を利用することで、直交する2方向のライン幅に差があるか否かを知ることができる。従って、ワイヤグリッドの作製結果の良否を判定することができる。
なお、実際の良否判定においては、透過率比T0/T90を面積比A/Bにて除してTM透過率比を求めてから良否判定を行ってもよいし、透過率比T0/T90を用いて良否判定を行ってもよい。
ここで、良品判定においては基本的に、予め良品と判定できる基準値を設定し、この基準値と混在型フィルタ10の検査対象部分(測定点)の値(測定値)とを比較する必要がある。例えば、X方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの境界は、ワイヤグリッドとして機能しない。そのため、仮に、X方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの境界に光が入射した場合は、透過率が低下する傾向にあるため、理論値との比較を行うことができないためである。
例えば、透過率比T0/T90に基づいて良否判定を行う場合は、予め良品と判定されている混在型フィルタ10の部分を基準点とし、この基準点における透過率比T0/T90を基準値として設定する。この基準値と、測定点における透過率比T0/T90(測定値)と比較することにより良否を判定する。
上記基準点は、予め電子線顕微鏡観察等によりライン幅や欠陥の有無等について細かな計測が行われている測定点としてもよい。或いは上記基準点の代わりに、シミュレーション等により求められた値等を参考にして、混在型フィルタのライン幅やピッチに関する傾向を反映させた基準値を設定してもよい。そして、測定値と基準値との差が所定の許容値内にあるときには、検査対象とした混在型フィルタの測定点部分を良品と判定し、許容値内にないときには、検査対象とした混在型フィルタの測定点部分を不良品と判定する。このように、基準値と測定値とのデータ比較を行うことで、検査対象となる混在型フィルタの良否判定を行うことができる。
また、測定により得られる透過率T0とT90とから、混在型フィルタの「黒欠陥」又は「白欠陥」が存在するか否かを判定することができる。
「黒欠陥」とは、何らかの理由で光が遮断される欠陥であり、例えば金属ライン同士がつながっている場合や、金属ライン上に異物が存在している場合等に発生する。この場合は、TM透過率とTE透過率の両方の値が小さくなる。また「白欠陥」とは、何らかの理由で光が透過し過ぎる欠陥であり、例えば金属ラインが存在しない場合や、金属が酸化している場合等に発生する。この場合は、TM透過率とTE透過率の両方の値が大きくなる。
黒欠陥又は白欠陥の判定は、以下のように行う。まず、予め良品と判定されている混在型フィルタ10の部分(基準点)における透過率T0とT90とを測定して基準値とする。検査対象である混在型フィルタ10の部分(測定点)についても、透過率T0とT90(測定値)を測定する。透過率T0とT90の測定値を夫々基準値と比較することにより、良否を判定する。
例えば、測定点の透過率T0とT90が基準点の透過率T0とT90に比べてあまりにも小さい場合は、TM透過率とTE透過率の両方が基準点に比べてあまりにも低いと判断でき、黒欠陥が存在している可能性があると判定できる。逆に測定点の透過率T0とT90が基準点の透過率T0とT90に比べてあまりにも大きい場合は、TM透過率とTE透過率の両方が基準点に比べてあまりにも高いと判断でき、白欠陥が存在している可能性があると判定できる。
また、検査対象である混在型フィルタの透過率T0について、基準点の透過率T0との差異が大きい場合は、X方向ワイヤグリッドについて問題(白欠陥又は黒欠陥)があると判断でき、検査対象である混在型フィルタの透過率T90について、基準点の透過率T90との差異が大きい場合は、Y方向ワイヤグリッドについて問題(白欠陥又は黒欠陥)があると判断できる。
上記手法においては、特に欠陥の大きさがマイクロメートルオーダーと比較的大きな場合に、黒欠陥又は白欠陥が存在すると判定することができる。
なお、上記TM透過率比と透過率T0とT90を用いた良品判定においては、検査対象となる混在型フィルタの測定点を変更しながら行うことで、混在型フィルタの中でライン幅に差がある箇所や欠陥が存在する箇所を特定することができる。
〔検査装置〕
上記良品判定原理に基づいて混在型フィルタの検査を行う検査装置について図2に基づいて説明する。図2は、検査装置の概略構成図である。
検査装置100は、概略、光学系110と処理装置130と、から構成されている。
光学系110は、測定対象S(混在型フィルタ)に照射する検査光の光源111と、光源111から出射された検査光の光強度を均一にするビームエキスパンダ113(光強度平均化手段)と、ビームエキスパンダ113を通過した検査光をスポット状にして測定対象Sに照射するピンホール115と、測定対象Sを移動可能に支持するXYステージ117と、XYステージ117をX軸およびY軸方向にそれぞれ独立に駆動するステージ駆動部119(ステージ駆動手段)と、測定対象Sを透過した検査光のうち、所定の偏光成分を透過させる検光子121(検査用偏光子)と、検光子121を偏光軸の角度を調整可能に支持する検光子回転装置123と、検光子回転装置123を回転駆動する回転装置駆動部125(回転駆動手段)と、検光子121を透過した検査光を検出する検出器127(検出手段)と、を備えている。
光源111には、レーザ、又はLEDを利用することが望ましい。レーザとLEDは、共に指向性が良いため、測定精度を高めることができる。
また、レーザのような単一波長の光源を用いた方が強度の強い光を照射することができ、透過率を評価しやすいという効果を得られる。レーザを用いる場合には、波長660nm(赤色)や、波長532nm(緑色)や、波長780nm(近赤外)等、特定の波長を選んで検査を行っても良い。混在型フィルタが有する特定波長における光学特性に着目した評価を行うことが可能となる。
光源111から出射される検査光は、検光子121の透過軸が0°の場合と90°の場合とで、検出器127に検出される光強度がほぼ同じとなるような光であること、言い換えれば無偏光であることが好ましい。光源111として半導体レーザを用いる場合、その出射光は発光層と垂直な方向に光の強度が強い傾向があるため、入射角度によっては光の強度が一定しない問題がある。従って、光源111として半導体レーザを用いる場合には、検査光を測定対象S及び検光子121の表面に対して45°程度の傾きをもって入射させて、光の強度が一様となるようにすることが好ましい。なお、光源111として無偏光の白色光源やレーザ、或いはLEDを用いた場合は、上記事項は問題とならない。
ビームエキスパンダ113は、光源111と測定対象Sとの間に配置される。ビームエキスパンダ113は、光源111からの検査光の光強度を照射範囲内において均一化することで、測定対象Sの測定点に一様な強度の検査光が照射されるように、検査光を調整する。ビームエキスパンダ113によって光強度を均一化することで、透過率の測定精度を向上させることができる。
ピンホール115は、検査光の直径を所定の寸法に減少させる。ピンホール115により形成されるスポット光の直径は、測定対象Sである混在型フィルタの各ワイヤグリッドが形成された領域に比べて十分に大きくなるように設定される。そのため、スポットの照射範囲内には十分な数の領域が含まれることから、スポットの照射範囲内に含まれるX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの面積比は、測定対象Sとしての混在型フィルタのX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの面積比に略等しくなる。
XYステージ117は、測定対象Sの所望の測定点に検査光が照射されるように、測定対象Sを移動させる。XYステージ117を駆動するステージ駆動部119は、後述する処理装置130内の制御部131によって駆動制御される。
検光子121は、検査光の所定の偏光成分を透過させる偏光フィルタである。検光子121の透過軸の角度は、検光子回転装置123によって、0°偏光(第一の偏光成分)又は90°偏光(第二の偏光成分)を透過させるように調整される。検光子回転装置123を回転駆動する回転装置駆動部125は、後述する処理装置130内の制御部131によって駆動制御される。
検出器127(第一の検出手段、第二の検出手段)は、フォトダイオードを有する周知の光検出装置である。検出器127は、検光子121を透過した検査光の強度を検出して、アナログの光強度信号を後段の処理装置130内の制御部131に出力する。
処理装置130は、各種の演算処理を実行する制御部131と、測定対象の良否判定に必要な計算プログラムや各種データ等を記憶する記憶部133と、判定結果や設定内容等を表示する記憶部135と、設定内容を入力するキーボード137やマウス139等を備えた入力部と、を備えている。
制御部131は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。
ROMには、処理装置130の起動プログラム等が記憶されている。RAMには、ROMや記憶部133に記憶されたプログラムがブートされ、プログラムの起動時にRAMがこれらプログラムのCPUによるワークエリアとなる。CPUは、ROMや記憶部133内のプログラムをRAMにブートし、RAMをワークメモリとして使用しつつ、各プログラムを実行する。
記憶部133は、HDD(Hard Disk Drive)等を備えている。記憶部133には、ステージ駆動部119や回転装置駆動部125を制御するための制御プログラムや、透過率や透過率比の算出に関わるプログラムや、測定対象Sの各測定点の測定結果等が記憶される。
キーボード137やマウス139は、測定対象の良否判定をする際の許容値や、測定対象の測定点の座標軸等を入力する手段である。入力された許容値はRAMに記憶される。
以上説明した検査装置100は、測定対象Sと検出器127との間に検光子121が配置されたものである。しかし、検光子121の代わりに、光源111と測定対象Sとの間の任意の箇所に偏光子(検査用偏光子)を配置しても良い。なお、ここにいう偏光子は、検査光の所定の偏光成分を透過させる偏光フィルタである。
この場合についても上述の検光子121と同様に、偏光子を、その偏光軸の角度を調整可能に支持する偏光子回転装置によって支持する。そして回転装置駆動部によって偏光子回転装置を回転駆動することで、偏光子が0°偏光(第一の偏光成分)又は90°偏光(第二の偏光成分)を透過させるように、その偏光軸を調整する。回転装置駆動部の動作は、制御部131によって制御される。
また、検光子121と偏光子の双方を配置しても良い。この場合、透過率T0と透過率T90を測定するときに、検光子と偏光子の偏光軸の角度を一致させる必要がある。従って、透過率T0を測定するとき、制御部131は、検光子と偏光子の双方が0°偏光を透過させるように、検光子回転装置123の回転装置駆動部125と偏光子回転装置の回転装置駆動部の双方を制御する。また、透過率T90を測定するとき、制御部131は、検光子と偏光子の双方が90°偏光を透過させるように、検光子回転装置123の回転装置駆動部125と偏光子回転装置の回転装置駆動部の双方を制御する。
〔検査手順〕
光学素子の検査方法の手順について説明する。
上述の良品判定原理に基づいた混在型フィルタの検査方法の手順の概略は、以下の通りである。
[手順1]基準試料(基準点)の透過率(T0、T90)の測定、及び透過率比T0/T90の算出
[手順2]基準試料の欠陥の把握(電子線顕微鏡写真、異物等の欠陥観察)
[手順3]検査対象試料(測定点)の透過率(T0、T90)の測定、及び透過率比T0/T90の算出
[手順4]検査対象試料と基準試料との透過率(T0、T90)、T0/T90の比較
[手順5]検査対象試料の良品判定
図3は、検査装置によって行われる光学素子の検査方法を示したフローチャートである。このフローチャートは手順3−5を示したものである。なお、手順1についても検査装置によって行われるが、この場合は図3のフローチャートのうち、ステップS19、S23、S25を実行せずに処理を終了するように動作する。
まず、検査装置100の記憶部133は、予め測定対象を設置しない状態で検出器127によって検出された検査光の強度データ(透過率算出用初期データ)を記憶しており、透過率算出用初期データが透過率の算出に用いられる。
ステップS1において、制御部131は、XYステージ117を初期位置に移動させるようにステージ駆動部119を制御する。ここで、初期位置とは、測定対象Sである混在型フィルタ10の最初の測定点に検査光が照射される位置のことである。
ステップS3において、制御部131は、検光子121が0°偏光を透過させるように、回転装置駆動部125を制御する。即ち、制御部131は、回転装置駆動部125を制御することによって検光子121の偏光軸の角度を調整する。
ステップS5において、制御部131は、光源111が検査光を出射するように制御する。光源111から出射された検査光は、ビームエキスパンダ113に入射して光強度が均一化される。光強度が均一化された検査光は、ピンホール115に入射して、所定の直径のスポット光に変換される。スポット状に変換された検査光は、測定対象Sの所定の測定点に照射される。この検査光は、測定点内に含まれる混在型フィルタのX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの単位領域よりも十分に大きく、検査光の照射領域内に含まれるX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの面積比は、混在型フィルタの有するX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの面積比に等しい。測定対象Sを透過した検査光は検光子121に入射する。検光子121は、検査光の0°偏光のみを透過させる。検光子121を透過した検査光(0°偏光)は、検出器127に入射する。検出器127は、検査光(0°偏光)の光の強度を検出し、アナログの光強度信号を出力する。
ステップS7において、制御部131は、検出器127から出力された0°偏光に関するアナログの光強度信号を、A/D変換器131aにおいて所定の周波数のサンプリングクロックによりデジタルデータに変換して、光強度データを取得する。
ステップS9において、制御部131は、測定対象Sを透過した0°偏光の透過率T0を算出する。即ち、制御部131は、測定対象Sが存在しない状態にて予め測定され、記憶部133に記憶された0°偏光の光強度データ(比較強度データ)を記憶部133から読み出す。制御部131は、比較強度データと、ステップS7において取得した0°偏光の光強度データとから、測定対象Sを透過した0°偏光の透過率T0を算出する。また制御部131は、算出した透過率T0を記憶部133に記憶させる。
ステップS11において、制御部131は、検光子121が90°偏光を透過させるように、回転装置駆動部125を制御する。即ち、制御部131は、回転装置駆動部125を制御することによって検光子121の偏光軸の角度を調整する。
ステップS13において、制御部131は、検出器127から出力された90°偏光に関するアナログの光強度信号を、A/D変換器131aにおいて所定の周波数のサンプリングクロックによりデジタルデータに変換して、光強度データを取得する。
ステップS15において、制御部131は、測定対象Sを透過した90°偏光の透過率T90を算出する。即ち、制御部131は、測定対象Sが存在しない状態にて予め測定され、記憶部133に記憶された90°偏光の光強度データ(比較強度データ)を記憶部133から読み出す。制御部131は、比較強度データと、ステップS13において取得した90°偏光の光強度データとから、測定対象Sを透過した90°偏光の透過率T90を算出する。また制御部131は、算出した透過率T0を記憶部133に記憶させる。
ステップS17において、制御部131は、記憶部133に記憶された透過率T0と透過率T90とを読み出して、透過率比T0/T90を算出する。制御部131は、算出した透過率比T0/T90を記憶部133に記憶させる。
ステップS19において、制御部131は、測定点の良否判定を行う。具体的には、ステップS17において算出された透過率比T0/T90(測定値)を、透過率比T0/T90の基準値と比較して良否判定を行う。制御部131は、予め良品と判定されている混在型フィルタの基準点における透過率比T0/T90(基準値)を記憶部133から読み出す。ステップS17において算出された透過率比T0/T90(測定値)から、透過率比の所定の基準値を減じた値の絶対値を算出する。この絶対値が、所定の許容値範囲内にある場合には、当該測定点は良好な光学特性を有した良品部位であると判断し、絶対値が許容値の範囲外にある場合には、当該測定点は良好な光学特性を有していない不良品部位であると判断する。
また、このステップにおいて制御部131は、透過率比T0/T90に基づく測定点の良否判定の他、透過率T0及び透過率T90に基づく測定点の良否判定を合わせて行っても良い。具体的には、透過率比T0/T90に基づく良否判定と同様に、ステップS9において算出された透過率T0(測定値)とステップS15において算出された透過率T90(測定値)とを、予め良品と判定されている混在型フィルタの基準点における透過率T0と透過率T90の基準値と夫々比較し、測定値と基準値との差が所定の許容値範囲内にある場合に、透過率の観点からは測定点が良品部位であると判定してもよい。
測定点の良否判定を、透過率比T0/T90、透過率T0、及び透過率T90の3つの値に基づいて行う場合は、透過率比T0/T90、透過率T0、及び透過率T90の全てについて基準値との差が許容値内にあったときに、当該測定点が良品部位であると判断する。
なお、透過率T0と透過率T90に基づいた良否判定は、透過率比T0/T90について測定点と基準点の値を比較することにより測定点が「良品」と判定された場合についてのみ、追加的に行うようにしてもよい。
制御部131は、その判定結果をXYステージの座標軸、言い換えれば測定点の位置座標とともにラベリングして、記憶部133に記憶させる。
ステップS21において、制御部131は、光源111が検査光の出射を停止するように制御する。
ステップS23において、制御部131は、測定対象Sの全ての測定点において良品判定が行われたかを確認する。全ての測定点の良品判定が終了している場合(ステップS13においてYes)は、処理を終了する。良品判定をするべき測定点が残っている場合(ステップS13においてNo)は、ステップS14に進む。
ステップS14において、制御部131は、測定対象の次の測定点に検査光が照射される位置にXYステージ117を移動させるように、ステージ駆動部119を制御する。
そして、ステップS2以下を繰り返す。
〔実施例1〕
図4は、実施例1において検査対象とした光学素子の模式図である。本実施例において検査対象とした混在型フィルタ10は、X方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドが市松模様状に配置された混在型フィルタであり、X方向とY方向とのワイヤグリッドの面積比A:Bが1:1である。この混在型フィルタ10は、石英基板(4インチウェハ、厚み:1mm)上に、アルミニウム(Al)から形成されたX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドとを混在させたものである。
実施例1において、検査装置100(図2参照)の光源111には、赤色半導体レーザ(波長660nm)を用いた。また、ピンホール115の直径は約2mmとし、混在型フィルタ10表面に直径約2mmのスポット状の検査光を照射した。
以下、上述の〔検査手順〕に示した「手順の概略」の手順番号を参考に付して説明する。
[手順1、2]
図4の測定点1は、欠陥がほぼ存在せず、また、XY方向にてほぼAlのライン幅が一定であることが電子線顕微鏡観察により明らかになっている。この測定点1を基準測定点とする。
測定点1において0°偏光の透過率T0と90°偏光の透過率T90を検査装置100によって測定したところ、T0=43.2%、T90=43.0%であった。従って測定パラメータα1は、
α1=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=1.0046
となった。
測定点1におけるTp1、およびTp2の絶対値は明らかではないものの、α1がX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの面積比とほぼ同等の値(α1≒A/B=1)であるので、X方向ワイヤグリッドのTM透過率とY方向ワイヤグリッドのTM透過率が略同等の値であると推測できる。従って、金属ラインのピッチ、ライン高さ、及びライン幅について、何れもX方向ワイヤグリッドの製作誤差とY方向ワイヤグリッドの製作誤差が略同等であると判断できる。
上述のように、混在型フィルタを構成するワイヤグリッドは、同一ウェハ内であれば、金属ラインのピッチとライン高さは略一定になり、ライン幅にばらつきが出やすい傾向がある。従って、金属ラインのピッチ及びライン高さが同じであると仮定すると、Tp1及びTp2は主にライン幅に依存するが、α1≒A/B=1であるので、ライン幅に関してもX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドでほぼ一定であると推測される。以上のことから、この測定点1を基準測定点として他の測定点との比較を行う。
[手順3]
測定点2において0°偏光の透過率T0と90°偏光の透過率T90を測定した結果は、T0=43.0%、T90=42.4%であった。従って測定パラメータα2は、
α2=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=1.0141
となった。
測定点3において0°偏光の透過率T0と90°偏光の透過率T90を測定した結果は、T0=42.0%、T90=42.8%であった。従って測定パラメータα3は、
α3=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=0.9860
となった。
測定点4において0°偏光の透過率T0と90°偏光の透過率T90を測定した結果、T0=43.1%、T90=42.9%であった。従って測定パラメータα4は、
α4=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=1.0047
となった。
[手順4、5]
前述のように、測定点1は、欠陥が無く、また、縦横方向にてほぼライン幅が一定であることが予めわかっているため、
測定点1におけるT0/T90の値(測定パラメータα1)を基準値として、測定点2〜4の良品判定を行う。測定点2、3、4におけるT0/T90の値に対して、測定点1における値との差の絶対値を判定パラメータとして算出すると、以下のようになる。
|α2−α1|=0.0095
|α3−α1|=0.0186
|α4−α1|=0.0001
ここで、基準点との差の許容値として0.001以下を設定すると、α2とα3はα1と0.001以上の隔たりがあるため、測定点2と3のワイヤグリッドには何らかの欠陥がある、もしくは縦横にてライン幅が異なる等の光学特性上の課題があると判定できる。測定点4におけるT0/T90の値(α4)は、測定点1における値と近く、|α4−α1|の値は0.001以下であり、測定点1と同様に良好なパターンが形成され、良品と判定判断できる。
また、基準測定点1と他の測定点2〜3について、透過率T0とT90を比較すると、以下のようになる。
測定点1 T0=43.2%、T90=43.0%
測定点2 T0=43.0%(−0.2%)、T90=42.4%(−0.6%)
測定点3 T0=42.0%(−1.2%)、T90=42.8%(−0.2%)
測定点4 T0=43.1%(−0.1%)、T90=42.9%(−0.1%)
ここで、基準測定点1との差の許容値として、絶対値で0.5%以下を設定すると、測定点4については、透過率T0とT90がともに測定点1から許容値内にあるため、黒欠陥や白欠陥等の欠陥が存在していないと判断することができる。
他方、測定点2の透過率T90については、測定点1の透過率T90に対して0.6%低く、許容値を超えた差異がある。また、測定点3の透過率T0についても、測定点1の透過率T0に対して1.2%低く、許容値を超えた差異がある。このため、測定点2のY方向ワイヤグリッドと、測定点3のX方向ワイヤグリッドは「不良品」であり、黒欠陥が存在している可能性があると判断できる。
基準点に対する良否判断は3点のみで行ったが、実際にはより多くの測定点に対して検査することが可能である。また、連続的にXYステージを走査させて、欠陥有無の面分布を調べることも可能であるため、本発明の判定機構を用いることで、高速に判定することが可能となる。
許容値は、製品の歩留まりと、最終的に得たい製品の性能に応じて決定する。許容値を小さく、即ち基準点との差を小さく設定すれば、高い性能の混在型フィルタのみを選別できるが、製品の歩留まりが低下する。逆に許容値を大きくすれば、製品の歩留まりが向上することとなる。
〔実施例2〕
図5は、実施例2において検査対象とした光学素子の模式図である。本実施例において検査対象とした混在型フィルタ10には、X方向ワイヤグリッドのY方向ワイヤグリッドの面積比A:Bが3:1、すなわち、Aが75%、Bが25%の割合にて混在している。検査に用いた検査装置100は実施例1と同様であるため、その説明を省略する。
[手順1、2]
図5の測定点1は欠陥がほぼ存在せず、また、XY方向にてほぼAlのライン幅が一定であることが電子線顕微鏡観察により明らかになっているので、この測定点1を基準測定点とする。
測定点1における0°偏光の透過率T0と90°偏光の透過率T90を検査装置100によって測定したところ、T0=64.5%、T90=21.6%であった。従って測定パラメータα1は、
α1=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=2.9861
となる。
測定点1におけるTp1、およびTp2の絶対値は明らかではないもの、α1がX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドの面積比とほぼ同等の値(α1≒A/B=3)であるので、X方向ワイヤグリッドのTM透過率とY方向ワイヤグリッドのTM透過率は略同等の値であると推測できる。従って、金属ラインのピッチ、ライン高さ、及びライン幅について、何れもX方向ワイヤグリッドの製作誤差とY方向ワイヤグリッドの製作誤差が、略同等であると判断できる。
上述のように、混在型フィルタを構成するワイヤグリッドは、同一ウェハ内であれば、金属ラインのピッチとライン高さは略一定になり、ライン幅にばらつきが出やすい傾向がある。従って、金属ラインのピッチ及びライン高さが同じであると仮定すると、Tp1及びTp2は主にライン幅に依存するが、α1≒A/B=3であるので、ライン幅に関してもX方向ワイヤグリッドとY方向ワイヤグリッドでほぼ一定であると推測される。以上のことから、この測定点1を基準測定点として他の測定点との比較を行う。
[手順3]
測定点2において0°偏光の透過率T0と90°偏光の透過率T90を測定した結果、T0=62.5%、T90=21.0%であり、
α2=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=2.9762
となる。
測定点3において0°偏光の透過率T0と90°偏光の透過率T90を測定した結果、T0=64.6%、T90=21.6%であり、
α3=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=2.9907
となる。
測定点4において0°偏光の透過率T0と90°偏光の透過率T90を測定した結果、T0=64.4%、T90=21.3%であり、
α4=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=3.0235
となる。
[手順4、5]
測定点1におけるT0/T90の値(測定パラメータα1)を基準として、測定点2〜4の良品判定を行う。測定点2、3、4におけるT0/T90の値を(測定パラメータα2、α3、α4)α2、α3、α4とし、測定点1における値との差の絶対値を判定パラメータとして算出すると、以下のようになる。
|α2−α1|=0.0099
|α3−α1|=0.0046
|α4−α1|=0.0374
ここで、基準点との差の許容値として0.001以下とすると、すべての測定点で不良と判定できる。また、許容値として0.003以下とすると、測定点2と3は良品であるが、測定点4は不良品と判定できる。このように、良品と不良品の判定基準は、求める光学特性とのバランスから決定でき、任意に選ぶことができることが本発明の特徴でもある。
なお、本実施例においても実施例1と同様に、透過率比T0/T90の他、透過率T0とT90を基準値と比較した良否判定を行っても良い。
〔実施例3〕
実施例3において検査対象とした光学素子は、実施例2(図5)と同様である。即ち、検査対象とした混在型フィルタ10には、X方向ワイヤグリッドのY方向ワイヤグリッドの面積比A:Bが3:1、すなわち、Aが75%、Bが25%の割合にて混在している。また、検査に用いた検査装置100は実施例1と同様であるため、その説明を省略する。
検査対象とした混在型フィルタは、多層膜を用いた一次元フォトニック結晶素子である。検査対象試料には、Ta(五酸化タンタル)とSiO(二酸化ケイ素)が交互に積層された多層膜が形成されている。なお、Taが高屈折率材料として機能し、SiOが低屈折材料として機能する。
このような混在型フィルタは、石英基板表面にライン状のパターンをあらかじめ用意した後、真空成膜法によりTaとSiOを交互に成膜することにより形成できる。即ち、石英基板表面のラインパターンの方向を基準領域ごとに適宜変更することで、X偏光成分を透過させる第一偏光領域と、Y偏光成分を透過させる第二偏光領域とを所定のパターンにて2次元配置することができる。なお、実施例3において使用した混在型フィルタは、波長660nmにて偏光分離機能を示すように各膜厚を調整したものである。
この混在型フィルタに対して、図の4点について透過率の検査を行った。
[手順1、2]
測定点1は、欠陥が無く、また、XY方向にてほぼ同様な偏光分離特性を有し、基板におけるライン幅も均一であることが電子線顕微鏡観察により明らかになっている。この測定点において0°偏光の透過率と90°偏光の透過率は、T0=68.25%、T90=22.82%であり、測定パラメータα1は、
α1=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=2.9908
となる。
[手順3]
測定点2において0°偏光の透過率と90°偏光の透過率を測定した結果、T0=68.51%T90=22.93%であり、測定パラメータα2は、
α2=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=2.9888
となる。
測定点3において0°偏光の透過率と90°偏光の透過率を測定した結果、T0=65.66%T90=20.85%であり、測定パラメータα3は、
α3=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=3.1491
となる。
測定点4において0°偏光の透過率と90°偏光の透過率を測定した結果、T0=68.20%T90=22.83%であり、測定パラメータα4は、
α4=T0/T90=(A×Tp1)/(B×Tp2)=2.9873
となる。
[手順4、5]
測定点1は、欠陥が無く、また、縦横方向にてほぼライン幅が一定であることは既知のため、測定パラメータα1を基準値として、測定点2〜4の良品判定を行う。測定点2〜4におけるT0/T90の値(測定パラメータα2、α3、α4)から、測定点1における値(測定パラメータα1)を減じた値の絶対値を判定パラメータとして算出すると、以下のようになる。
|α2−α1|=0.0020
|α3−α1|=0.1583
|α4−α1|=0.0035
ここで、基準点との差の許容値として0.003以下を設定すると、測定点2は良品と判定でき、測定点3、4は欠陥が生じている、若しくはTaとSiOを成膜する際に、膜厚等が設計通りに形成されなかった等の理由により品質が不十分な不良品であると判定できる。
なお、本実施例においても実施例1と同様に、透過率比T0/T90の他、透過率T0とT90を基準値と比較した良否判定を行っても良い。
〔実施例4〕
図6は、実施例4において検査対象とした光学素子の模式図である。
図6に示す4インチウェハ13には複数のチップ15が作製されている。チップ15は3mm角の角チップである。チップ15には、ミクロンオーダの複数の単位領域11が形成され、夫々の単位領域11には、X方向ワイヤグリッド11x、又はY方向ワイヤグリッド11yが形成されている。即ち、チップ15は、上述の混在型フィルタ10と実質的には同一である。なお、チップ15は、X方向ワイヤグリッド11xとY方向ワイヤグリッド11yが市松模様状に配置された混在型フィルタであり、X方向とY方向とのワイヤグリッドの面積比A:Bが1:1である。
本実施例においては、ウェハ13を図2に示す測定対象SとしてXYステージ117に設置し、それぞれのチップ15に対して良否判定を実施した。検査光がそれぞれのチップ15の中心に照射されるように、ステージ駆動部119を制御部131のステージ駆動手段によって制御した。
なお、検査に用いた検査装置100は実施例1と同様であるため、その説明を省略する。
本実施例では、良否判定の結果、36個のチップ15から、良品34個、不良品2個を判別することができた。
以上説明した実施例においては、検査対象となる混在型フィルタとして、ワイヤグリッド素子と、多層膜による一次元フォトニック結晶とを挙げたが、本明細書に記載した検査方法は、0°偏光と90°偏光を透過させる領域が所定の面積比にて配置されたその他の種類の光学素子を検査対象とすることができる。例えば、ホウケイ酸ガラスに銀楕円体粒子を含む偏光子を検査対象とすることができる。また、光学素子の基板は、石英基板、ホウケイ酸ガラス基板、BK7等ガラス基板だけではなく、透明な樹脂フィルムの場合であってもよい。
10…混在型フィルタ、11…単位領域、11x…X方向ワイヤグリッド、11y…Y方向ワイヤグリッド、13…ウェハ、15…チップ、100…検査装置、110…光学系、111…光源、113…ビームエキスパンダ、115…ピンホール、117…XYステージ、119…ステージ駆動部、121…検光子、123…検光子回転装置、125…回転装置駆動部、127…検出器、130…処理装置、131…制御部、133…記憶部、135…記憶部、137…キーボード、139…マウス、S…測定対象
特開2007−315990公報

Claims (8)

  1. 入射した光の第一の偏光成分を透過させる第一偏光領域と、前記入射した光の第二の偏光成分を透過させる第二偏光領域と、が所定の面積比にて2次元配置された光学素子の検査方法であって、
    前記第一偏光領域と前記第二偏光領域よりも十分に大きい照射領域を有する検査光を前記光学素子に照射して、前記光学素子を透過した前記検査光の第一の偏光成分の強度を検出する第一の検出工程と、
    前記検査光を前記光学素子に照射して、前記光学素子を透過した前記検査光の第二の偏光成分の強度を検出する第二の検出工程と、
    前記第一の検出工程において検出された前記検査光の前記第一の偏光成分の強度から、前記第一の偏光成分の透過率を算出する第一の透過率算出工程と、
    前記第二の検出工程において検出された前記検査光の前記第二の偏光成分の強度から、前記第二の偏光成分の透過率を算出する第二の透過率算出工程と、
    前記第一の透過率算出工程において算出された前記第一の偏光成分の透過率と、前記第二の透過率算出工程において算出された前記第二の偏光成分の透過率と、から透過率比を算出する透過率比算出工程と、
    前記透過率比算出工程において算出された前記透過率比から前記面積比に応じた所定の基準値を減じた値の絶対値が所定の範囲内にある場合に、前記光学素子が良品であると判定する良否判定工程と、
    を有することを特徴とする光学素子の検査方法。
  2. 前記第一偏光領域が透過させる偏光成分と、前記第二偏光領域が透過させる偏光成分と、が直交することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の検査方法。
  3. 前記良品判定工程は、前記透過率比を前記面積比にて除した値が、近似的に前記第一偏光領域を透過した前記検査光の前記第一の偏光成分と前記第二偏光領域を透過した前記検査光の前記第二の偏光成分との比であるTM透過率比となることを利用することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の検査方法。
  4. 入射した光の第一の偏光成分を透過させる第一偏光領域と、入射した光の第二の偏光成分を透過させる第二偏光領域と、が所定の面積比にて2次元配置された光学素子の検査装置であって、
    前記光学素子の前記第一偏光領域と前記第二偏光領域よりも十分に大きい領域に対して検査光を照射するための光源と、
    前記光源から前記検査光を前記光学素子に照射して、前記光学素子を透過した前記検査光の第一の偏光成分の強度を検出する第一の検出手段と、
    前記光源から前記検査光を前記光学素子に照射して、前記光学素子を透過した前記検査光の第二の偏光成分の強度を検出する第二の検出手段と、
    前記第一の検出手段によって検出された前記検査光の前記第一の偏光成分の強度から、前記第一の偏光成分の透過率を算出する第一の透過率算出手段と、
    前記第二の検出手段によって検出された前記検査光の前記第二の偏光成分の強度から、前記第二の偏光成分の透過率を算出する第二の透過率算出手段と、
    前記第一の透過率算出手段によって算出された前記第一の偏光成分の透過率と、前記第二の透過率算出手段によって算出された前記第二の偏光成分の透過率と、から透過率比を算出する透過率比算出手段と、
    前記透過率比算出手段によって算出された前記透過率比から前記面積比に応じた所定の基準値を減じた値の絶対値が所定の範囲内にある場合に、前記光学素子が良品であると判定する良否判定手段と、
    を有することを特徴とする光学素子の検査装置。
  5. 前記第一偏光領域が透過させる偏光成分と、前記第二偏光領域が透過させる偏光成分と、が直交することを特徴とする請求項4に記載の光学素子の検査装置。
  6. 前記良品判定工程は、前記透過率比を前記面積比にて除した値が、近似的に前記第一偏光領域を透過した前記検査光の前記第一の偏光成分と前記第二偏光領域を透過した前記検査光の前記第二の偏光成分との比であるTM透過率比となることを利用することを特徴とする請求項4又は5に記載の光学素子の検査装置。
  7. 前記検査光の光強度を前記照射領域内において均一にする光強度平均化手段を前記光学素子の前段に備えたことを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の光学素子の検査装置。
  8. 前記光源は、単波長の検査光を照射する光源であることを特徴とする請求項4乃至7の何れか一項に記載の光学素子の検査装置。
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