JP4184470B2 - 塗料組成物 - Google Patents
塗料組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4184470B2 JP4184470B2 JP04272998A JP4272998A JP4184470B2 JP 4184470 B2 JP4184470 B2 JP 4184470B2 JP 04272998 A JP04272998 A JP 04272998A JP 4272998 A JP4272998 A JP 4272998A JP 4184470 B2 JP4184470 B2 JP 4184470B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- colloidal silica
- group
- parts
- acrylate
- meth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な塗料組成物に関し、詳細には、高硬度を有し、耐擦り傷性及び耐汚染性に優れる塗膜を形成し得る自動車用、自動車補修用、建築用、一般工業用、プレコートメタル用、缶用等に有用な塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、コロイダルシリカを含有する塗料組成物は、高硬度を有し、耐擦り傷性及び耐汚染性に優れる塗膜を形成し得るものとして種々の提案がなされている。例えば、特開昭63−286409号公報、特開平1−69674号公報、特開平1−4664号公報、特開平7−26206号公報にはコロイダルシリカを含有する塗料組成物が開示されているが、いずれの場合も塗膜の硬度、耐擦り傷性及び耐汚染性は無機系塗膜に比べ劣るという問題点があった。
【0003】
また、コロイダルシリカを含有する塗料組成物のもう1つの問題点は、コロイダルシリカと樹脂、硬化剤等の配合が困難であるという点である。例えば、米国特許第4,486,504号公報に開示されている塗料を配合する時に、本発明者等は、塗料組成物がゲル化する傾向が強いことを見出した。これは、コロイダルシリカが他の成分と相溶しにくく、凝集するためで、その結果、塗料がゲル化したり不透明な塗膜を形成する等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点がなく、貯蔵安定性が良好で、高硬度を有し、耐擦り傷性及び耐汚染性に優れる塗膜を形成し得る自動車用、自動車補修用、建築用、一般工業用、プレコートメタル用、缶用等に有用な塗料組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明者等は上記した課題を解決するために鋭意研究した。その結果、加水分解性アルコキシシリル基含有不飽和モノマーで修飾されたコロイダルシリカ、特定のポリシロキサン系マクロモノマー及び水酸基含有不飽和モノマーを共重合することにより得られる、コロイダルシリカと化学的に結合し、ポリシロキサン基及び水酸基を含有するアクリル系樹脂と硬化剤との組合せが上記従来技術の問題点の解決に極めて有用であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
しかして、本発明によれば、
(I)(a)加水分解性アルコキシシリル基含有不飽和モノマーで修飾された、有機溶剤中に均質に分散されたコロイダルシリカ、
(b)下記一般式(1)
【0007】
【化3】
【0008】
(式中、R1は炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基もしくはフェニル基を、R2、R3及びR4は炭素数1〜4のアルコキシル基もしくは水酸基を表わす。)で表わされる化合物(A)と下記一般式(2)
【0009】
【化4】
【0010】
(式中、R5は水素原子もしくはメチル基を、R6、R7及びR8は水酸基、炭素数1〜4のアルコキシル基もしくは炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を示す。但し、R6、R7及びR8のすべてが炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基であることはない。nは1〜6の整数を示す。)で表わされる化合物(B)とを反応させてなるポリシロキサン系マクロモノマー、
(c)水酸基含有不飽和モノマー及び
(d)その他の不飽和モノマー
を有機溶剤中で共重合することにより得られるコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂、及び
(II)硬化剤
を必須成分として含有することを特徴とする塗料組成物が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0012】
(I)コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂
加水分解性アルコキシシリル基含有不飽和モノマーで修飾された、有機溶剤中に均質に分散されたコロイダルシリカ(a):
本発明に用いるコロイダルシリカ(a)は、有機溶剤中に均質に分散されたコロイダルシリカと加水分解性アルコキシシリル基含有不飽和モノマーを混合し、室温〜約150℃の温度で10分〜24時間程度加熱して反応させることにより得ることができる。この反応の際、アルコキシシリル基を加水分解する程度の水分を含有していてもよい。
【0013】
上記の有機溶剤中に均質に分散されたコロイダルシリカは、それ自体既知のものであり、例えば、「メタノールシリカゾル」、「MA−ST−M」、「IPA−ST」、「EG−ST」、「EG−ST−ZL」、「NPC−ST」、「DMAC−ST」、「MEK」、「XBA−ST」、「MIBK−ST」(以上、日産化学工業(株)製品)、「OSCAL1132」、「OSCAL1232」、「OSCAL1332」、「OSCAL1432」、「OSCAL1532」、「OSCAL1632」、「OSCAL1132」、(以上、触媒化成工業(株)製品)の商品名で市販されているものを使用することができる。
【0014】
上記の加水分解性アルコキシシリル基含有不飽和モノマーとしては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0015】
有機溶剤中に均質に分散されたコロイダルシリカと加水分解性アルコキシシリル基含有不飽和モノマーの配合割合は、コロイダルシリカの固形分100重量部に対して加水分解性アルコキシシリル基含有不飽和モノマーが0.1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部が好適である。
【0016】
ポリシロキサン系マクロモノマー(b):
本発明に用いるポリシロキサン系マクロモノマー(b)は、主骨格がシロキサン結合で構成され、この主骨格のSiに脂肪族炭化水素基、フェニル基、水酸基、アルコキシル基、重合性不飽和結合などが直接もしくは間接的に結合しているものであって、上記一般式(1)で表わされる化合物(A)と、上記一般式(2)で表わされる化合物(B)とを反応させることによって得ることができる。
【0017】
上記化合物(A)において、R1としてはメチル基、フェニル基が特に好ましい。R2、R3及びR4としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、水酸基が特に好ましい。化合物(A)の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、フェニルトリシラノール、メチルトリシラノール等を挙げることができる。化合物(A)は単独又は組合せて用いることができる。
【0018】
上記化合物(B)において、R6、R7及びR8としてはメトキシ基、エトキシ基、水酸基が特に好ましく、nは2〜4の範囲が特に好ましい。化合物(B)の具体例としては、例えば、β−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリシラノール等を挙げることができる。化合物(B)は単独又は組合せて用いることができる。
【0019】
本発明において、ポリシロキサン系マクロモノマー(b)は、上記化合物(A)と化合物(B)とを混合し、反応させることによって得られる。両化合物の混合比率は、該化合物の合計量に基づいて、化合物(A)が70〜99.999モル%、好ましくは90〜99.9モル%、化合物(B)が30〜0.001モル%、好ましくは10〜0.1モル%の範囲内である。化合物(A)が70モル%より少なくなると共重合反応でゲル化しやすく、一方99.999モル%よりも多くなると共重合しないポリシロキサン量が多くなり、樹脂溶液に濁りが生じるので好ましくない。
【0020】
化合物(A)と化合物(B)との反応は、両化合物が有する水酸基又はアルコキシル基が加水分解して生じる水酸基が脱水縮合することにより行なわれている。この際、反応条件によっては脱水縮合のみではなく、一部脱アルコール縮合も起こる。
【0021】
この反応は、無溶媒でも行なうことができるが、化合物(A)及び化合物(B)を溶解できる有機溶媒、又は水を溶媒として行なうことが好ましい。該有機溶媒としては、例えば、ヘプタン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、メチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤;エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶剤等を挙げることができる。これらの溶剤は単独又は適宜組合せて用いることができる。
【0022】
溶液状態で用いる場合の化合物(A)と化合物(B)の濃度は、合計量として5重量%程度以上とすることが適当である。
【0023】
本発明における化合物(A)と化合物(B)との反応では、反応温度は、通常20〜180℃程度が適当であり、好ましくは50〜120℃程度である。また、反応時間は、通常1〜40時間程度とするのが適当である。
【0024】
また、この反応において、必要に応じて、重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤は、化合物(B)に含まれる不飽和結合が化合物(A)との反応中に重合するのを防ぐために友好であって、具体的には、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を使用することができる。
【0025】
また、このポリシロキサン系マクロモノマーの製造において、上記化合物(A)と化合物(B)との反応系中に、更にテトラアルコキシシランやジアルキルジアルコキシシランなどを添加しても差支えなく、該両化合物の20モル%程度以下で添加することができる。
【0026】
本発明では、ポリシロキサン系マクロモノマーとしては、数平均分子量が400〜100,000程度、好ましくは1,000〜20,000程度のものを用いる。数平均分子量が400程度未満では共重合時にゲル化しやすい傾向にあり、また100,000程度を越えると相溶性が低下する傾向にあるので好ましくない。
【0027】
本発明において、化合物(A)と化合物(B)との反応によって得られるポリシロキサン系マクロモノマーの主骨格はシロキサン結合によって構成され、その主骨格の構造は、主として長鎖(linear)状、梯子(ladder)状又はこれらの混合系等からなる。これらの構造は化合物(A)と化合物(B)との混合比率、水ならびに酸触媒などの配合量などによって任意に選択できる。
【0028】
該ポリシロキサン系マクロモノマーは、Siに結合した水酸基及び/又は炭素数が1〜4のアルコキシシリル基等の遊離の官能基(即ち、シラノール基及び/又はアルコキシシリル基)を1分子当り2個以上有する。
【0029】
また、該ポリシロキサン系マクロモノマーは、重合性不飽和結合を1分子当り平均して、0.2〜1.9個有することが好ましく、0.6〜1.4個有することがより好ましく、0.9〜1.2個有することが最も好ましい。重合性不飽和結合が少なすぎると、該マクロモノマーと不飽和モノマーとの共重合反応生成物が白濁しやすく、一方重合性不飽和結合が多すぎると、共重合反応中にゲル化する恐れがあるので好ましくない。
【0030】
ポリシロキサン系マクロモノマー(b)の共重合量は共重合量はコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)の樹脂分の1〜30重量%程度が良い。
【0031】
水酸基含有不飽和モノマー(c):
本発明に用いる水酸基含有不飽和モノマー(c)は、1分子中に重合性不飽和結合と水酸基を併せ持つ化合物であり、具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、7−ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5,6−ジヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルポリオールと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和モノマーとのモノエーテル;無水マレイン酸や無水イタコン酸のような酸無水基含有不飽和化合物と、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類とのモノエステル化物又はジエステル化物;ヒドロキシエチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテル類;アリルアルコール等;α,β−不飽和カルボン酸と、カージュラE10(シェル石油化学(株)製、商品名)やα−オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ化合物との付加物;グリシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸、脂肪酸類のような一塩基酸との付加物;上記水酸基含有モノマーとラクトン類(例えばε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン)との付加物等を挙げることができる。上記の水酸基含有不飽和モノマーは単独又は組合せて使用することができる。また、水酸基含有不飽和モノマーの共重合量はコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)の樹脂分の水酸基価が30〜200mgKOH/g、好ましくは50〜120mgKOH/g程度の範囲内となる量が良い。
【0032】
その他の不飽和モノマー(d):
本発明に用いるその他の不飽和モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有不飽和モノマー、(メタ)アクリル酸エステル類;ビニルエーテル及びアリールエーテル;オレフィン系化合物及びジエン化合物;炭化水素環含有不飽和単量体;含窒素不飽和単量体等を挙げることができる。
【0033】
カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、5−カルボキシペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0034】
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert- ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル等が挙げられる。
【0035】
ビニルエーテル及びアリールエーテルとしては、例えば、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル等の鎖状アルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、トリビニルエーテル等のアリールビニルエーテル類、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル等のアラルキルビニルエーテル類;アリルグリシジルエーテル、アリルエチルエーテル等のアリルエーテル類等が挙げられる。
【0036】
オレフィン系化合物及びジエン化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
【0037】
炭化水素環含有不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、p−tert−ブチル−安息香酸と(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとのエステル化物、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】
含窒素不飽和単量体としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアモド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン等の芳香族含窒素モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性ニトリル;アリルアミン等が挙げられる。
【0039】
本発明に従うコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)は、上記(a)〜(d)を共重合することによって容易に得ることができる。共重合手法は、一般的なビニルモノマーの重合法を用いることができるが、汎用性やコスト等を考慮して、有機溶剤中における溶液型ラジカル重合法が最も適している。即ち、キシレン、トルエン等の芳香族溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤;n−ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤等の溶剤中でアゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤やベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクタノエート、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシピバレート)、デカノイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤の存在下、60〜150℃程度の範囲内で共重合反応を行なうことによって、容易に目的の重合体を得ることができる。
【0040】
コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)の樹脂分は、重量平均分子量が1,000〜200,000の範囲内、好ましくは2,000〜20,000の範囲内にあることが好ましい。重量平均分子量が1,000未満の場合には、その分子鎖が短いために、所望の塗膜物性や性能が得られないので好ましくない。逆に、重量平均分子量が200,000を越えると、コロイダルシリカの単分散性が悪くなって塗料が凝集しやすくなるので好ましくない。
【0041】
(II)硬化剤
本発明において、上記コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)を架橋硬化させるために硬化剤が用いられる。該硬化剤の種類としては特に制限されず、例えば、メラミン系硬化剤、下記一般式
【0042】
【化5】
【0043】
(式中、R4、R5及びR6は同一または異なり、各々炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
で表わされるトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。
【0044】
上記のメラミン系硬化剤としては、トリアジン環の数が1〜5個のメラミン単体又はその縮合物からなる分子量が300〜3,000、特に500〜2,000の範囲内にあるメラミン樹脂の部分メチロール化又は完全メチロール化物、あるいはさらにそのメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどでエーテル化した部分アルキルエーテル化又は完全アルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂等を用いることができる。
【0045】
上記のトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジンの一般式において、R4、R5及びR6によって示される炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デカニル、n−ドデカニル、n−ウンデカニルなどのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチルなどのシクロアルキルアルキル基;フェニル、ビフェニル、アルキル置換フェニル、ナフチルなどのアリール基;ベンジル、フェネチルなどのアラルキル基などが挙げられる。該トリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジンは、それ自体既知のものであり(例えば特開平5−239038号公報参照)、例えば、「TACT」(サイテック(株)製品)の商品名で市販されているものを使用することができる。
【0046】
上記のポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族、脂環式又は脂肪族のポリイソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネート化合物の過剰量に、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物を反応させて得られるイソシアネート末端プレポリマー等が挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物はそのまま用いてもよく、あるいは必要に応じて、イソシアネート基がブロック剤でブロックされた形態で使用することもできる。該イソシアネートブロック剤としては、フェノール、m−クレゾール、キシレノール、チオフェノール等のフェノール類;メタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;カプロラクタム、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエチル、メチルエチルケトキシム等の活性水素含有化合物等を挙げることができる。これらのブロック剤を用いるポリイソシアネート化合物のブロッキングは、それ自体既知の方法に従って行なうことができる。
【0047】
コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)に対する硬化剤(II)の配合割合は、硬化剤(II)の種類等に応じて広い範囲にわたって変えることができるが、一般的には、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)の樹脂固形分100重量部あたり硬化剤(II)を固形分で4〜100重量部、好ましくは4〜80重量部、さらに好ましくは4〜60重量部の範囲内で用いるのが適当である。本発明に従う塗料組成物
本発明の塗料組成物は、以上に述べたコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)及び硬化剤(II)を必須成分とし、通常、有機溶剤型の塗料組成物として使用される。溶剤としては、各種の塗料用有機溶剤、例えば、芳香族又は脂肪族炭化水素系溶剤;アルコール系溶剤;エステル系溶剤;ケトン系溶剤;エーテル系溶剤等が使用できる。使用する有機溶剤は、配合する重合体の調製時に用いたものをそのまま用いても良いし、更に適宜加えても良い。該組成物の固形分濃度は、特に限定されないが、通常、10〜80重量%程度、好ましくは20〜60重量%程度である。
【0048】
本発明の塗料組成物は、以上に述べたコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)及び硬化剤(II)を必須成分とするものであるが、更に、有機溶剤中に均質に分散された未修飾のコロイダルシリカを含有することができる。該未修飾のコロイダルシリカの添加は、本発明の塗料組成物から得られる塗膜の硬度を更に向上させることができる。該未修飾のコロイダルシリカの添加量は特に制限されるものではないが、通常、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)の樹脂固形分100重量部あたり500重量部未満、好ましくは200重量部未満である。該未修飾のコロイダルシリカの添加量が500重量部を越えると、得られる塗膜の物性が弱くなり、成膜性が不十分となるので好ましくない。
【0049】
本発明の塗料組成物には、必要に応じて、硬化触媒を配合することができる。使用できる硬化触媒としては、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(トリフルオロアセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(イソプロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒダート)アルミニウム、トリス(2−エチルカルボニルフェノラート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒等を挙げることができる。また、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、配合溶剤や空気中に存在する水分による塗料の劣化を抑制するために、オルト酢酸トリメチル等のいわゆる脱水剤の使用も可能である。
【0050】
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、着色顔料、体質顔料、防錆顔料等の公知一般の顔料を配合できる。
【0051】
本発明の硬化性樹脂組成物には、更にまた、必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、泡消剤等の一般的な塗料用添加剤を配合することも可能である。
【0052】
本発明の塗料組成物は、常法により各種の被塗物に塗装され、通常、室温〜180℃の温度で、10〜60分間程度の加熱条件により、十分に硬化し、高硬度を有し、耐擦り傷性及び耐汚染性に優れる塗膜を形成する。
【0053】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物は、ポリシロキサン基を含有するため、コロイダルシリカとの相溶性が良好であり、コロイダルシリカの凝集による塗料のゲル化を抑制する効果がある。更に、本発明の塗料組成物は、ポリシロキサン基及びコロイダルシリカを含有するため、得られる塗膜は無機質特有の高硬度を発現すると同時に、有機質による優れた応力緩和能及び優れた塗膜物性を発現する。
【0054】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。尚、各例における部及び%は、いずれも重量基準である。
【0055】
製造例1 ポリシロキサン系マクロモノマー水溶液(b−1)の製造
メチルトリメトキシシラン 2,720g(20モル)
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 256g(1モル)
脱イオン水 1,134g
60%酢酸 2g
ハイドロキノン 1g
これらの混合物を80℃で5時間反応させ、ポリシロキサン系マクロモノマー水溶液(b−1)を得た。得られたポリシロキサン系マクロモノマー水溶液(b−1)のモノマー分は40重量%であった。また、得られたポリシロキサン系マクロモノマーの数平均分子量は2,000、平均的に1分子あたり1個のビニル基(重合性不飽和結合)と4個の水酸基を有していた。
【0056】
製造例2 コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−1)溶液の製造
フラスコ中に、n−ブタノール30部、「MIBK−ST」(商品名、日産化学工業(株)社製、平均粒径10nmのコロイダルシリカのメチルイソブチルケトン分散液、固形分30%)333部及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5部を仕込み、95℃で1時間撹拌した。その後、温度を95℃に保ち、下記混合物を3時間にわたって滴下し、30分熟成後メチルイソブチルケトン9.5部と2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部の混合物を1時間かけて滴下後2時間熟成し、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−1)の溶液を得た。
【0057】
スチレン 20部
メチルメタクリレート 30.7部
4−ヒドロキシブチルアクリレート 19.3部
製造例1で得たマクロモノマー水溶液(b−1) 75部
2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 6部
メチルイソブチルケトン 35部
得られたコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−1)の溶液の固形分は40%、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−1)の平均粒径(コールター社粒径測定装置「N−4」にて測定)は240nmであった。
【0058】
製造例3 コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−2)溶液の製造
フラスコ中に、n−ブタノール60部、「MIBK−ST」(商品名、日産化学工業(株)社製、平均粒径10nmのコロイダルシリカのメチルイソブチルケトン分散液、固形分30%)667部及びγ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン20部を仕込み、60℃で3時間撹拌した。その後、温度を95℃に保ち、下記混合物を3時間にわたって滴下し、30分熟成後酢酸ブチル9.5部と2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部の混合物を1時間かけて滴下後2時間熟成し、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−2)の溶液を得た。
【0059】
スチレン 10部
メチルメタクリレート 20部
n−ブチルメタクリレート 16.8部
4−ヒドロキシプロピルアクリレート 23.2部
製造例1で得たマクロモノマー水溶液(b−1) 75部
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 7部
得られたコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−2)の溶液の固形分は40%、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−2)の平均粒径(コールター社粒径測定装置「N−4」にて測定)は220nmであった。
【0060】
製造例4 コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−3)溶液の製造
フラスコ中に、n−ブタノール30部、「XBA−ST」(商品名、日産化学工業(株)社製、平均粒径10nmのコロイダルシリカのキシレン/n−ブタノール分散液、固形分30%)333部及びγ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン20部を仕込み、60℃で3時間撹拌した。その後、温度を95℃に保ち、下記混合物を3時間にわたって滴下し、30分熟成後キシレン9.5部と2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部の混合物を1時間かけて滴下後2時間熟成し、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−3)の溶液を得た。
【0061】
スチレン 20部
t−ブチルメタクリレート 20部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 30部
製造例1で得たマクロモノマー水溶液(b−1) 75部
2,2´−アゾビスイソブチロニトリル 4部
キシレン 57部
得られたコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−3)の溶液の固形分は40%、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−3)の平均粒径(コールター社粒径測定装置「N−4」にて測定)は280nmであった。
【0062】
製造例5(比較用) コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−4)溶液の製造
フラスコ中に、n−ブタノール30部、「MIBK−ST」(商品名、日産化学工業(株)社製、平均粒径10nmのコロイダルシリカのメチルイソブチルケトン分散液、固形分30%)333部及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5部を仕込み、95℃で1時間撹拌した。その後、温度を95℃に保ち、下記混合物を3時間にわたって滴下し、30分熟成後メチルイソブチルケトン9.5部と2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部の混合物を1時間かけて滴下後2時間熟成し、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−4)の溶液を得た。
【0063】
スチレン 20部
メチルメタクリレート 60.7部
4−ヒドロキシブチルアクリレート 19.3部
2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 10部
メチルイソブチルケトン 35部
得られたコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−4)の溶液の固形分は40%、コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−4)の粒径(コールター社粒径測定装置「N−4」にて測定)は30nm、70nm及び240nmの3峰性であった。
【0064】
製造例6(比較用) アクリル系樹脂(I−5)溶液の製造
フラスコ中に、メチルイソブチルケトン75.5部及びn−ブタノール30部を仕込み、95℃に昇温し、下記混合物を3時間にわたって滴下し、30分熟成後メチルイソブチルケトン9.5部と2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5部の混合物を1時間かけて滴下後2時間熟成し、アクリル系樹脂(I−5)の溶液を得た。
【0065】
スチレン 20部
メチルメタクリレート 30.7部
4−ヒドロキシブチルアクリレート 19.3部
製造例1で得たマクロモノマー水溶液(b−1) 75部
2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 10部
得られたコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I−5)の溶液の固形分は40%であった。
【0066】
実施例1〜3及び比較例1〜2
コロイダルシリカ含有アクリル系樹脂(I)、硬化剤(II)及びその他成分を表1に示す量(固形分)で配合し、各塗料組成物を得た。
【0067】
表1において、
(*1)「サイメル303」:商品名、三井サイテック社製、フルメチルエーテル化メラミン。
【0068】
(*2)「MS25」:商品名、三和ケミカル社製、メチル/ブチル混合エーテル化メラミン。
【0069】
(*3)「MS35」:商品名、三和ケミカル社製、メチル/ブチル混合エーテル化メラミン。
【0070】
(*4)「TACT」:商品名、三井サイテック社製、トリス(メトキシ/ブトキシカルボニルアミノ)トリアジン、固形分50%。
【0071】
(*5)「MIBK−ST」:商品名、日産化学工業(株)社製、平均粒径10nmのコロイダルシリカのメチルイソブチルケトン分散液、固形分30%。
【0072】
(*6)「XBA−ST」:商品名、日産化学工業(株)社製、平均粒径10nmのコロイダルシリカのキシレン/n−ブタノール分散液、固形分30%。
【0073】
(*7)「AMP中和DDBSA」:2−アミノ−2−メチルプロパノール中和ドデシルベンゼンスルホン酸
(*8)「アルミキレート」:アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)脱脂およびりん酸亜鉛処理した鋼板に、カチオン電着塗料「エレクロンGT−10」(関西ペイント(株)社製、商品名、カプロラクトン変性エポキシ樹脂ポリアミン・ブロックポリイソシアネート化合物系)を常法により膜厚20μm(硬化塗膜として、以下同じ)になるように電着塗装し、170℃で30分加熱して塗膜を硬化し、次いで該電着塗面に中塗塗料「TP−65プライマーサーフェーサー」(関西ペイント(株)社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系、有機溶剤型)を膜厚40μmになるように塗装し、140℃で30分加熱して塗膜を硬化し、次いで該中塗塗面に上塗ソリッドカラー塗料「US−300黒」(関西ペイント(株)社製、商品名、アクリル樹脂系、有機溶剤型)を膜厚40μmになるように塗装し、140℃で30分加熱して塗膜を硬化した。
【0074】
このように塗装した鋼板の上塗塗面に、上記実施例1〜3及び比較例1〜2で得た各塗料組成物を塗装(膜厚は表1に示す。)し、表1に示す焼付条件で加熱して塗膜を硬化し、試験塗板を作成した。試験塗板の塗膜性能試験結果も表1に併記した。
【0075】
塗膜性能試験方法および評価基準はつぎのとおりである。
【0076】
塗膜硬度:松沢精機社製微小硬度計「MXT−70−UL」にて測定した。数値が大きいほど硬質である。
【0077】
耐擦り傷性:染色物堅牢度試験機(大栄化学精器製作所製)を用い、磨き粉(ダルマ・クレンザー)を水で固練りして塗面に置き、その上を試験機端子で押さえて、300g荷重をかけ、20回往復研磨し、塗面状態を目視観察した。
【0078】
○:初期光沢と比較して全く変化がないか、わずかにツヤびけを生じた。
【0079】
△:初期光沢と比較してツヤびけを生じた。
【0080】
×:初期光沢と比較して著しくツヤびけを生じた。
【0081】
耐汚染除去性(カーボン):カーボンブラック/水=3/97(重量比)の割合の分散液1ccを塗面上にのせ、20℃の室内で72時間放置した後、水洗を行ない、分散液を載せた部分の塗面の変色程度を目視にて判定した。
【0082】
○:跡が認められないか、跡がわずかに認められる。
【0083】
△:かなり跡が残る。
【0084】
×:跡が濃く残る。
【0085】
耐汚染除去性(マジック):20℃の室内において、赤色の油性インキ(「マジックインキ大型赤」、登録商標)で塗面に線を引き72時間放置した後、ティッシュペーパー(「スコッティティッシュ」、クレシア(株)製品)にて拭き取った。拭き取った跡の油性インキの跡の外観を下記基準に従って評価した。
【0086】
○:跡が認められないか、跡がわずかに認められる。
【0087】
△:かなり跡が残る。
【0088】
×:跡が濃く残る。
【0089】
耐酸性:40%硫酸1ccを塗面上にのせ、20℃の室内で72時間放置した後、水洗を行ない、硫酸を載せた部分の塗面を目視にて判定した。
【0090】
○:初期光沢と比較して全く変化がないか、わずかにツヤびけを生じた。
【0091】
△:初期光沢と比較してツヤびけを生じた。
【0092】
×:初期光沢と比較して著しくツヤびけを生じた。
【0093】
【表1】
Claims (3)
- (I)(a)加水分解性アルコキシシリル基含有不飽和モノマーで修飾された、有機溶剤中に均質に分散されたコロイダルシリカ、
(b)下記一般式(1)
(c)水酸基含有不飽和モノマー及び
(d)その他の不飽和モノマー
を有機溶剤中で共重合することにより得られるコロイダルシリカ含有アクリル系樹脂、及び
(II)硬化剤
を必須成分として含有することを特徴とする塗料組成物。 - 更に、有機溶剤中に均質に分散された未修飾のコロイダルシリカを含有する請求項1記載の塗料組成物。
- 硬化剤がメラミン樹脂及び/又はトリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジンである請求項1記載の塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04272998A JP4184470B2 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04272998A JP4184470B2 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 塗料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11241047A JPH11241047A (ja) | 1999-09-07 |
JP4184470B2 true JP4184470B2 (ja) | 2008-11-19 |
Family
ID=12644154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04272998A Expired - Lifetime JP4184470B2 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4184470B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4082675A4 (en) * | 2019-12-26 | 2023-12-13 | Kansai Paint Co., Ltd | COATING COMPOSITION AND METHOD FOR FORMING MULTILAYER COATING FILM |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1215253A1 (en) | 1999-06-16 | 2002-06-19 | Nihon Yamamura Glass Co. Ltd. | Coating composition |
JP4903304B2 (ja) * | 2000-12-11 | 2012-03-28 | 株式会社ダイセル | コーティング用樹脂組成物および記録シート |
JP5037780B2 (ja) * | 2003-05-23 | 2012-10-03 | 三菱化学株式会社 | 活性エネルギー線硬化性組成物及びハードコートフィルム |
DE10326538A1 (de) * | 2003-06-12 | 2005-01-05 | Institut für Neue Materialien Gemeinnützige GmbH | Abriebfeste optische Schichten und Formkörper |
JP2007138144A (ja) * | 2005-10-18 | 2007-06-07 | Hitachi Chem Co Ltd | シリカ系被膜形成用組成物 |
JP5074055B2 (ja) * | 2006-08-17 | 2012-11-14 | 関西ペイント株式会社 | 上塗塗料組成物 |
DE102008002570A1 (de) * | 2008-06-20 | 2009-12-24 | Wacker Chemie Ag | Nanopartikuläre Silikonorganocopolymere und deren Verwendung in Beschichtungsmitteln |
JP5493645B2 (ja) * | 2009-09-25 | 2014-05-14 | 藤倉化成株式会社 | 防汚性塗料用樹脂組成物の製造方法、および防汚性塗料用樹脂組成物 |
JP5850526B2 (ja) * | 2011-10-04 | 2016-02-03 | 関西ペイント株式会社 | 塗料組成物および塗膜形成方法 |
JP6767987B2 (ja) * | 2015-09-24 | 2020-10-14 | 関西ペイント株式会社 | アクリル樹脂被覆シリカ粒子分散体の製造方法 |
JP6869184B2 (ja) * | 2015-10-01 | 2021-05-12 | 関西ペイント株式会社 | 塗料組成物 |
JP6997390B2 (ja) * | 2017-10-18 | 2022-01-17 | ダイキン工業株式会社 | 被膜 |
JP7091848B2 (ja) * | 2018-05-31 | 2022-06-28 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | アクリル変性ポリシロキサン化合物を含む組成物及びその製造方法、硬化物、基板、硬化物付基板、車両、並びに硬化物付車両 |
WO2022190464A1 (ja) * | 2021-03-08 | 2022-09-15 | 関西ペイント株式会社 | アクリル樹脂変性シリカ粒子、塗料組成物及び複層塗膜形成方法 |
JP7071606B1 (ja) * | 2021-03-08 | 2022-05-19 | 関西ペイント株式会社 | アクリル樹脂変性シリカ粒子、塗料組成物及び複層塗膜形成方法 |
-
1998
- 1998-02-25 JP JP04272998A patent/JP4184470B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP4082675A4 (en) * | 2019-12-26 | 2023-12-13 | Kansai Paint Co., Ltd | COATING COMPOSITION AND METHOD FOR FORMING MULTILAYER COATING FILM |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11241047A (ja) | 1999-09-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4184470B2 (ja) | 塗料組成物 | |
JP6767987B2 (ja) | アクリル樹脂被覆シリカ粒子分散体の製造方法 | |
JP6869184B2 (ja) | 塗料組成物 | |
JP5609355B2 (ja) | ウレタン塗料組成物および樹脂部材 | |
JP6996199B2 (ja) | ウレタン塗料組成物及び成形体 | |
JP2006517251A (ja) | 耐擦傷性および耐酸エッチング性を改善するためのアクリロシランポリマーを含むコーティング | |
JP5127519B2 (ja) | 水性メタリック塗料組成物 | |
CN114746523B (zh) | 涂料组合物和多层涂膜形成方法 | |
JP5604870B2 (ja) | 熱硬化性被膜用樹脂組成物 | |
JP7070818B2 (ja) | 粉体塗料用樹脂組成物、粉体塗料、該塗料の塗膜を有する物品 | |
JP4537552B2 (ja) | (メタ)アクリル酸エステル系樹脂組成物 | |
JP5052374B2 (ja) | リン酸基含有樹脂 | |
JP2007197705A (ja) | 水性メタリック塗料組成物 | |
JP7071606B1 (ja) | アクリル樹脂変性シリカ粒子、塗料組成物及び複層塗膜形成方法 | |
KR100414902B1 (ko) | 하이솔리드 아크릴수지 조성물 및 그 조성물을 함유하는비오염성 도료 | |
KR100997192B1 (ko) | 열가소성 아크릴 수지 조성물 | |
JP2006131809A (ja) | 被覆用組成物及び該被覆用組成物の硬化被膜を有する物品 | |
JPH04252282A (ja) | 熱硬化被覆組成物 | |
JP2002060672A (ja) | 熱硬化性被覆用樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050128 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071227 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080115 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080303 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080902 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080904 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |