JP4184050B2 - 液晶組成物並びに液晶表示素子、その製造方法およびその制御方法 - Google Patents

液晶組成物並びに液晶表示素子、その製造方法およびその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶組成物並びに液晶表示素子、その製造方法およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水素結合などの非共有結合性の分子間相互作用により、分子の自己集合または自己組織化が生ずる現象により形成される、いわゆる超分子材料が注目を集めている。特に、「液晶物理ゲル」と称される物質は、機能性流体である液晶が溶媒として含有されており、液晶としての光学的特性および電気的特性と、物理ゲルというソフトな固体としての性質を併有することから、新たな機能性材料として注目されている。
【0003】
物理ゲルは、水素結合などの分子間相互作用によって分子が繊維状に集合してネットワークを形成し、その中に溶媒を取り込むことによりゲル化したものである。しかも、この物理ゲルのミクロな分子間相互作用は、外的刺激や外的環境に応じて変化し、その結果として、ゲルの集合状態や組織化形態が変化する可能性を有する。そして、これらの変化は、当該物理ゲルにおいて、最終的にマクロな物性変化を生起することとなり、従って、外的刺激によって集合形態または組織化形態を制御することのできる液晶物理ゲルは、全く新しい多機能材料または高機能材料として期待されている。
【0004】
一般に液晶表示素子は、2枚の基板によって形成された液晶表示素子用セルに液晶物質が充填されて表示機能層が構成されており、液晶分子の配向方向の制御は、当該配向方向が、基板の内面に設けられたラビング処理された配向膜におけるラビング方向に依存することを利用して、行われている。
【0005】
一方、液晶性化合物に、それ自体がゲル化することによって当該液晶性化合物の配向状態を規制する液晶配向状態規制剤であって、液晶性化合物が一方向に配向した状態において当該液晶性化合物と同方向に配向した繊維状凝集体を形成するものが混合されてなる液晶組成物が提案されている(特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特願2001−46447
【0007】
しかしながら、液晶組成物であって、それ自体が液晶分子の配向方向を規制する特性、すなわち配向方向自己規制特性を有するものは、現在まで知られていない。
本発明は、液晶性化合物と、当該液晶性化合物に混合されてゲル化性混合物を形成するゲル化剤とを含有してなるゲル化性液晶組成物について研究を重ねた結果、特定の状態とされることによって配向方向自己規制特性を発揮する液晶組成物を見出したこと、並びに、この液晶組成物を用いた液晶表示素子において、液晶組成物の配向方向自己規制特性を利用して、液晶表示素子における配向膜のラビング方向による配向方向とは異なる方向に液晶分子が配向された状態を実現することができることを見出し、これによって完成されたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、変性された状態においてそれ自体において液晶分子の配向方向を規制する配向方向自己規制特性が発揮され、液晶表示素子の表示機能層において、ラビング方向による配向方向とは異なる方向に液晶分子が配向された状態を実現することができる新規な液晶組成物を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、上記の液晶組成物によって形成された未変性表示機能領域または上記の液晶組成物が変性された変性液晶組成物によって形成された変性表示機能領域を有する表示機能層が形成されてなる液晶表示素子を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、上記の液晶組成物によって形成された未変性表示機能領域と、上記の液晶組成物が変性された変性液晶組成物によって形成された変性表示機能領域との両方を有する表示機能層が形成されてなる液晶表示素子、その製造方法、並びにその制御方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶組成物は、液晶性化合物と、両末端に重合性二重結合を有する水素結合性化合物よりなり、前記液晶性化合物に混合されてゲル化性混合物を形成するゲル化剤と、当該ゲル化剤に係る水素結合性化合物の重合反応を生じさせる光重合開始剤とを含有してなり、
前記ゲル化剤が下記式(1)で表される水素結合性化合物であることを特徴とする。
【0012】
【化3】
Figure 0004184050
【0013】
以上の液晶組成物においては、液晶性化合物がシアノビフェニル系液晶化合物よりなることが好ましい。
【0015】
更に、光重合開始剤が下記式(2)で表される化合物よりなることが好ましい。
【0016】
【化4】
Figure 0004184050
【0017】
本発明の液晶表示素子は、ラビングされた2枚の基板と、この基板の間に形成された、上記の液晶組成物よりなる未変性表示機能領域を有する表示機能層とからなり、
未変性表示機能領域は、液晶組成物におけるゲル化剤に係る水素結合性化合物が凝集して配向された繊維状凝集体が形成されると共に、ラビング方向に従って液晶分子の配向方向が規制されるものであることを特徴とする。
【0018】
本発明の液晶表示素子は、ラビングされた2枚の基板と、この基板の間に形成された、上記の液晶組成物が光重合処理された変性液晶組成物よりなる変性表示機能領域を有する表示機能層とからなり、
変性表示機能領域は、光重合処理によって生成された配向した繊維状重合体によって液晶分子の配向方向が規制されるものであることを特徴とする。
【0019】
本発明の液晶表示素子は、ラビングされた2枚の基板と、この基板の間に形成された、上記の未変性表示機能領域および上記の変性表示機能領域を有する表示機能層とからなることを特徴とする。
以上の液晶表示素子においては、2枚の基板におけるラビング方向が互いに平行であることが好ましい。
【0020】
本発明の液晶表示素子の製造方法は、ラビングされた2枚の基板の間に形成された上記の液晶組成物よりなる層に、選択的に光を照射することにより、上記の未変性表示機能領域および変性表示機能領域よりなる表示機能層を形成することを特徴とする。
【0021】
本発明の液晶表示素子の制御方法は、上記の液晶表示素子の制御方法であって、未変性表示機能領域における液晶組成物の液晶分子が配向ゲル状態となる相転移温度をT1、並びに変性表示機能領域における液晶組成物の液晶分子が配向状態となる相転移温度をT2とするとき、表示機能層を、T1およびT2の高い方の温度より高い温度に保持すること、T1およびT2の低い方の温度以下の温度に保持すること、またはT1およびT2の間の温度に保持することにより、未変性表示機能領域および変性表示機能領域の表示状態を制御することを特徴とする。
【0022】
【作用】
本発明の液晶組成物によれば、そのままの未変性液晶組成物の状態で、温度条件を制御することにより、等方相状態と配向ゲル状態との間で可逆的に変化させることができると共に、当該未変性液晶組成物を配向ゲル状態において光重合させた変性液晶組成物では、配向方向自己規制特性を有する液晶ゲルとなるため、温度条件を制御することにより、等方相状態と配向状態との間で可逆的に変化させることができる。
【0023】
本発明の液晶表示素子によれば、未変性液晶組成物による表示機能と、変性液晶組成物による配向方向自己規制特性を利用した表示機能との両方または一方を利用することにより、特異な表示機能を得ることができる。
【0024】
本発明の液晶表示素子の製造方法によれば、上記の液晶組成物を用いて、簡単な手段により、未変性液晶組成物による未変性表示機能領域と、変性液晶組成物による変性表示機能領域とを有する表示機能層を形成することができる。
【0025】
本発明の液晶表示素子の制御方法によれば、未変性表示機能領域における未変性液晶組成物の液晶分子が配向ゲル状態となる相転移温度T1と、変性表示機能領域における変性液晶組成物の液晶分子が配向状態となる相転移温度T2とを基準として、表示機能層の温度を制御することにより、種々の態様で、未変性表示機能領域および変性表示機能領域における表示状態を制御することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液晶組成物は、下記の(1)〜(3)を必須の成分として含有してなるものである。
(1)液晶性化合物
(2)重合性二重結合を両末端に有する水素結合性分子よりなるゲル化剤
(3)当該ゲル化剤に係る水素結合性化合物の重合反応を生じさせる光重合開始剤
【0027】
本発明において、液晶性化合物としては、種々のものを単独で、あるいは複数のものを組み合せて用いることができるが、特にシアノビフェニル系液晶化合物を好ましく用いることができ、その好適な具体例としては、下記式(A)で表される混成液晶性化合物(以下、「液晶性化合物A」ともいう。)を挙げることができる。
【0028】
【化5】
Figure 0004184050
【0029】
ゲル化剤としては、例えばビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリル基、その他の重合性二重結合を分子の両末端に有する水素結合性分子よりなる化合物が用いられるが、特に上記一般式(1)で表される両末端にメタクリレート基を有する水素結合性化合物(以下、「水素結合性化合物B」ともいう。)を用いることが好ましい。この水素結合性化合物Bは、公知の方法で製造することができる。
【0030】
光重合開始剤としては、用いられるゲル化剤に係る水素結合性化合物の重合反応を生じさせる性能を有する化合物が用いられるが、特に上記式(2)で表される化合物よりなる光重合開始剤(以下、「光重合開始剤C」ともいう。)を用いることが好ましい。
【0031】
本発明の液晶組成物において、液晶性化合物に対するゲル化剤の含有割合は、例えば0.1〜5.0質量%の範囲、好ましくは0.3〜3.0質量%の範囲であり、また、液晶性化合物に対する光重合開始剤の含有割合は、ゲル化剤の使用量によっても異なるが、例えば0.01〜1.0質量%の範囲であることが好ましい。
【0032】
例えば、本発明の好ましい具体的な液晶組成物は、液晶性化合物Aと、この液晶性化合物Aに対して1.0質量%となる量の水素結合性化合物Bよりなるゲル化剤と、液晶性化合物Aに対して0.1質量%となる量の光重合開始剤Cとを混合することにより得られる組成物である。この組成物を、以下において、「特定の液晶組成物S」という。
【0033】
本発明の液晶表示素子は、液晶表示素子用セルにおいて上記の液晶組成物による表示機能層が形成されることによって構成される。
液晶表示素子用セルは、各々、ラビング処理された配向膜が設けられた2枚の基板が、各配向膜が内面となる状態で、僅かなセルギャップを介して対向するよう平行に保持されて構成されており、各基板におけるラビング方向は、好ましくは平行方向とされたものである。2枚の基板は、少なくとも一方が高い透光性を有するものであり、液晶表示素子用セルのセルギャップ内には、液晶組成物が充填されることにより、表示機能層が形成される。
配向膜は、ラビング処理の他に、変更紫外線、イオンビーム等の照射によって液晶配向性能を付与されたものであってもよい。また、各基板におけるラビング方向としては、平行方向の他に逆平行方向、直行方向等が挙げられる。
【0034】
特定の液晶組成物Sにより表示機能層が形成された液晶表示素子において、液晶組成物の相状態は、当該液晶組成物の物質系による固有の相転移温度(液晶ゲル化温度、すなわちこの温度より低い温度条件下では液晶ゲル状態となる温度)T1との関係における当該表示機能層の温度条件によって定まり、具体的には、相転移温度T1より高い温度条件下では、図1(イ)に示すように、液晶組成物は等方性液体相状態を呈する。図1において、細長い楕円球形で示されているものが液晶性化合物の分子(液晶分子)LCであり、球形で示されているものがゲル化剤に係る水素結合性化合物の分子(ゲル化剤分子)Gである。
【0035】
この特定の液晶組成物Sは、等方相−液晶(ネマチック相)転移温度が76℃、液晶(ネマチック相)−液晶(スメクチックA相)転移温度が65℃、液晶(スメクチックA相)−液晶ゲル(スメクチックA相)転移温度が42℃のものであり、相転移温度T1は42℃である。
【0036】
一方、表示機能層が相転移温度T1より低い温度条件下においては、液晶組成物の相状態は、図1(ロ)に示すように、液晶分子LCがスメクチックA相の状態であって矢印で示すラビング方向(図において右方)に沿った方向に配向すると共に、ゲル化剤分子Gはラビング方向に垂直な方向に沿って細長く紐状に凝集した繊維状凝集体Gaが形成された状態となって、ゲル化する。このように液晶分子LCが配向してゲル化している状態を、以下において「配向ゲル化状態」という。
【0037】
この配向ゲル化状態は安定な状態であるが、相転移温度T1さらに後述する相転移温度T2以上の温度に加熱することにより、図1(イ)に示される等方性液体相状態に変化する。このように、当該表示機能層の液晶組成物は、温度条件により、等方性液体相状態と配向ゲル化状態との間で可逆的に変化するものである。
従って特定の液晶組成物Sによる表示機能層が形成された液晶表示素子においては、相転移温度T1およびT2を基準として温度条件を制御することにより、相状態を、等方性液体相状態と配向ゲル化状態との間で可逆的に変化させることができるから、この現象を利用して、通常の液晶表示素子と同様に、各種の視覚的情報の表示に利用することができる。
【0038】
而して、表示機能層が図1(ロ)に示される配向ゲル化状態にある状態において、当該液晶表示素子の外部から表示機能層に対して、例えば室温で波長365nmの紫外線を照射すると、特定の液晶組成物Sに含有されている光重合開始剤Cが活性化してゲル化剤に係る水素結合性化合物Bにおいて化学的架橋重合反応が生じ、その結果、水素結合性化合物Bは繊維状凝集体Gaが形成された状態のままで重合することにより、ラビング方向に垂直な方向に伸びる繊維状重合体P(図2参照)が生成する。
【0039】
ここで、繊維状重合体Pが生成された状態の液晶組成物と、紫外線が照射される前の状態の液晶組成物とを区別するために、この明細書では、前者を「変性液晶組成物」、後者を「未変性液晶組成物」ということとし、更に、表示機能層において変性液晶組成物によって形成される領域を「変性表示機能領域」、同じく未変性液晶組成物によって形成される領域を「未変性表示機能領域」ということとする。
【0040】
上記のように繊維状重合体Pが生成した変性液晶組成物の系において、紫外線の照射直後における液晶組成物はゲル状である。そして、液晶分子LCの配向状態は、当該系についての固有の相転移温度との関係における当該表示機能層の温度条件によって定まり、具体的には、液晶分子LCが配向状態となる相転移温度T2より高い温度条件下では、図2(イ)に示すように、個々の液晶分子LCの方向はランダムであって、物理的状態はゲル状であって分子配列構造的には等方性の状態となる。
【0041】
この特定の液晶組成物Sの変性液晶組成物は、等方性状態−液晶ゲル(ネマチック相)転移温度が77℃、液晶ゲル(ネマチック相)−液晶ゲル(スメクチックA相)転移温度が67℃のものである。そして、等方性状態のゲルは、高い耐熱性を示し、温度150℃以下で安定なものである。従って、相転移温度T2は77℃または67℃である。
【0042】
紫外線の照射によって得られたゲルを加熱して、一旦等方性状態とした後に冷却して相転移温度T2以下の温度、例えば67℃以下の温度に保持すると、図2(ロ)に示すように、液晶分子LCは、繊維状重合体Pによってその配向方向が制御されることにより、繊維状重合体Pに平行な方向、すなわちラビング方向とは垂直な方向に沿って配向された状態となる。ここに、図2(ロ)は、スメクチックA相の状態を示している。
【0043】
この変性液晶組成物の配向ゲル状態も安定な状態であるが、これを相転移温度T2より高い温度に加熱すると、図2(イ)に示される等方性状態に変化させることができる。このように、当該表示機能層の変性液晶組成物は、温度条件により、等方性状態と配向状態との間で可逆的に変化するものである。
従って、特定の液晶組成物Sの変性液晶組成物による表示機能層が形成された液晶表示素子においては、相転移温度T2を基準として温度条件を制御することにより、相状態を、等方性状態と配向状態との間で可逆的に変化させることができるから、この現象を利用して、通常の液晶表示素子と同様に、各種の視覚的情報の表示に利用することができる。
【0044】
本発明においては、1つの液晶表示素子において、上記の未変性液晶組成物による未変性表示機能領域と、変性液晶組成物による変性表示機能領域との両者が例えば適宜のパターンに従って配列された状態の表示機能層を設けることができる。
具体的に説明すると、特定の液晶組成物Sがセルギャップに充填されてなる液晶表示素子は、いわば表示機能層の全体が未変性表示機能領域である。この状態の表示機能層の全域に対して領域的に選択的な紫外線照射を行うと、紫外線が照射された領域部分では、未変性液晶組成物が変性液晶組成物に変化して変性表示機能領域が形成され、紫外線が照射されなかった領域部分では、未変性液晶組成物がそのまま残存するために未変性表示機能領域のままである。そして、その結果、変性表示機能領域と未変性表示機能領域とが混在した状態の表示機能層が形成されることとなる。
【0045】
以上において、領域的に選択的な紫外線照射は、例えば、適宜のフォトマスクを介して、紫外線放射ランプからの紫外線を、未変性液晶組成物が充填されてなる液晶表示素子の表示機能層に照射することにより、行うことができる。そしてこれにより、フォトマスクのパターンに応じて、未変性表示機能領域と、変性表示機能領域とよりなる表示機能層が形成される。
【0046】
図3は、各々が方形の未変性表示機能領域Nと変性表示機能領域Rの多数が、いわゆる市松模様を形成する状態で配列されてなる表示機能層10を示す。
この表示機能層10においては、その未変性表示機能領域Nに係る未変性液晶組成物の液晶ゲル化の相転移温度T1が42℃であり、変性表示機能領域Rに係る変性液晶組成物の相転移温度T2が77℃(ネマチック相)または67℃(スメクチックA相)であるから、当該表示機能層10の温度をこの相転移温度T2以上の高温に加熱した状態に保持とすることにより、未変性表示機能領域Nでは図1(イ)に示される等方性液体相状態となり、かつ、変性表示機能領域Rでも図2(イ)に示される等方性状態となるから、当該表示機能層10においては、これに入射した光が反射されて散乱光となる機能が発揮される。
【0047】
一方、当該表示機能層10の温度を相転移温度T1(42℃)以下の低温に冷却した温度状態に保持することにより、未変性表示機能領域Nでは、液晶分子LCは図1(ロ)に示されるようにラビング方向に平行な方向に配向した配向ゲル化状態となり、変性表示機能領域Rでは、液晶分子LCは図2(ロ)に示されるように、ラビング方向に垂直な方向に配向した状態(スメクチックA相)となるから、当該表示機能層10においては、これに特定の方向から入射した光が透過されると共に、他の方向から入射した光は遮断される機能が発揮される。
【0048】
更に、当該表示機能層10の温度を相転移温度T1とT2の間の温度領域に保持した場合には、未変性表示機能領域Nではラビング方向に平行な方向に配向した液晶状態となるが、変性表示機能領域Rでは、保持温度に応じた配向状態となるので、入射光はそれに応じた光学的な作用を受けることとなる。
そして、このように、紫外線が照射されて形成される変性表示機能領域Rでは未変性表示機能領域Nとは入射光に対する光学的作用が異なることから、結局、表示機能層10の温度条件を制御することにより、フォトマスクに応じたパターンの画像情報を表示機能層10に表示することができることとなる。従って、当該表示機能層10を有する液晶表示素子を、原稿に応じた画像情報を表示する機能を有するものとすることが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の液晶組成物によれば、変性された状態において、それ自体において液晶分子の配向方向を規制する配向方向自己規制特性が発揮され、これにより、液晶表示素子において、ラビング方向による配向方向とは異なる方向に液晶分子が配向された状態を実現することができる。
すなわち、当該液晶組成物は、そのままの未変性液晶組成物の状態で、温度条件を制御することにより、等方相状態と配向ゲル状態との間で可逆的に変化させることができると共に、当該未変性液晶組成物を配向ゲル状態において光重合させた変性液晶組成物では、配向方向自己規制特性を有する液晶ゲルとなるため、温度条件を制御することにより、等方性状態と配向状態との間で可逆的に変化させることができる。
【0050】
本発明の液晶表示素子によれば、表示機能層において、未変性表示機能領域における未変性液晶組成物による表示機能と、変性表示機能領域における変性液晶組成物による配向方向自己規制特性を利用した表示機能との両方または一方を利用することにより、特異な表示機能を得ることができる。
【0051】
本発明の液晶表示素子の製造方法によれば、上記の液晶組成物を用いて、簡単な手段により、未変性液晶組成物による未変性表示機能領域と、変性液晶組成物による変性表示機能領域とを有する表示機能層を形成することができる。
【0052】
本発明の液晶表示素子の制御方法によれば、未変性表示機能領域における未変性液晶組成物の液晶分子が配向ゲル状態となる相転移温度T1と、変性表示機能領域における変性液晶組成物の液晶分子が配向状態となる相転移温度T2とを基準として、表示機能層の温度を制御することにより、種々の態様で、未変性表示機能領域および変性表示機能領域における表示状態を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)は、本発明の液晶組成物(未変性液晶組成物)の一例について、等方相状態にある液晶分子とゲル化剤分子の状態を模式的に示す説明図、(ロ)は配向ゲル状態にある状態を模式的に示す説明図である。
【図2】(イ)は、図1の液晶組成物が変性された変性液晶組成物について、等方相状態にある液晶分子と繊維状重合体の状態を模式的に示す説明図、(ロ)は配向ゲル状態にある状態を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の液晶表示素子における表示機能層について、未変性表示機能領域と変性表示機能領域の配列状態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
LC 液晶分子
G ゲル化剤分子
Ga 繊維状凝集体
P 繊維状重合体
N 未変性表示機能領域
R 変性表示機能領域
10 表示機能層

Claims (9)

  1. 液晶性化合物と、両末端に重合性二重結合を有する水素結合性化合物よりなり、前記液晶性化合物に混合されてゲル化性混合物を形成するゲル化剤と、当該ゲル化剤に係る水素結合性化合物の重合反応を生じさせる光重合開始剤とを含有してなり、 前記ゲル化剤が下記式(1)で表される水素結合性化合物であることを特徴とする液晶組成物。
    Figure 0004184050
  2. 液晶性化合物がシアノビフェニル系液晶化合物よりなることを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 光重合開始剤が下記式(2)で表される化合物よりなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶組成物。
    Figure 0004184050
  4. ラビングされた2枚の基板と、この基板の間に形成された、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液晶組成物よりなる未変性表示機能領域を有する表示機能層とからなり、
    未変性表示機能領域は、液晶組成物におけるゲル化剤に係る水素結合性化合物が凝集して配向された繊維状凝集体が形成されると共に、ラビング方向に従って液晶分子の配向方向が規制されるものであることを特徴とする液晶表示素子。
  5. ラビングされた2枚の基板と、この基板の間に形成された、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液晶組成物が光重合処理された変性液晶組成物よりなる変性表示機能領域を有する表示機能層とからなり、
    変性表示機能領域は、光重合処理によって生成された配向した繊維状重合体によって液晶分子の配向方向が規制されるものであることを特徴とする液晶表示素子。
  6. ラビングされた2枚の基板と、この基板の間に形成された、請求項4に記載の未変性表示機能領域および請求項5に記載の変性表示機能領域を有する表示機能層とからなることを特徴とする液晶表示素子。
  7. 2枚の基板におけるラビング方向が、互いに平行であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の液晶表示素子。
  8. ラビングされた2枚の基板の間に形成された、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の液晶組成物よりなる層に、選択的に光を照射することにより、請求項4に記載の未変性表示機能領域および請求項5に記載の変性表示機能領域よりなる表示機能層を形成することを特徴とする液晶表示素子の製造方法
  9. 請求項6に記載の液晶表示素子の制御方法であって、未変性表示機能領域における液晶組成物の液晶分子が配向ゲル状態となる相転移温度をT1、並びに変性表示機能領域における液晶組成物の液晶分子が配向状態となる相転移温度をT2とするとき、表示機能層を、T1およびT2の高い方の温度より高い温度に保持すること、T1およびT2の低い方の温度以下の温度に保持すること、またはT1およびT2の間の温度に保持することにより、未変性表示機能領域および変性表示機能領域の表示状態を制御することを特徴とする液晶表示素子の制御方法。
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