JP4183992B2 - 高濃度硼酸水溶液の製造方法 - Google Patents

高濃度硼酸水溶液の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度硼酸水溶液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、硼酸の製造方法としては、硼砂に硫酸などの他の鉱酸を加えて、高濃度硼酸水溶液を製造する方法が知られている。また、硼砂からではなく、下水道などの一般廃水に微量含有された硼素を回収して希硼酸を製造する方法が、例えば、特公平 3-10378号公報に報告されており、具体的には、硼素選択性イオン交換樹脂に一般廃水を接触させて、該樹脂に硼素を吸着させた後、硫酸などの鉱酸により硼酸として溶離させる方法が開示されている。しかしながら、得られる硼酸水溶液の硼酸濃度としてはは、硼素の吸着を繰り返しても、4.1 g/L にとどまり、溶離する際に使用した鉱酸を大量に含有するという問題点があった。
本発明の目的は、微量な硼素しか含まない一般廃水などの原料水からでも、鉱酸を低減せしめた高濃度硼酸水溶液を製造する方法を提供することである。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は、硫酸、塩酸、硝酸及びリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の鉱酸を0.1N以上を含有し、硼酸を0.01〜370g/Lを含有する水溶液を、電気透析することを特徴とする高濃度硼酸水溶液の製造方法;
鉱酸と硼酸とを含有する水溶液として、硼素を含有する原料水を硼素選択性イオン交換樹脂に接触させたのち、該樹脂から鉱酸にて硼酸として溶離させて得られた水溶液を用いることを特徴とする製造方法;
回分式電気透析を用いて電気透析することを特徴とする製造方法;
該製造方法によって得られた高濃度硼酸水溶液を陰イオン交換樹脂と接触させることを特徴とする鉱酸濃度の低い高濃度硼酸水溶液の製造方法;
該製造方法によって副生された鉱酸水をさらに電気透析することを特徴とする高濃度鉱酸の製造方法である。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、硫酸、塩酸、硝酸及びリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の鉱酸を0.1N以上を含有し、硼酸を0.01〜370g/Lを含有する水溶液(以下、希硼酸という)を、電気透析することを特徴とする高濃度硼酸水溶液の製造方法である。
電気透析に用いる電気透析装置の一例としては、陽極1、陰極2、陽イオン交換膜3、陰イオン交換膜4、鉱酸濃縮室A、脱鉱酸室B、陽極室Cおよび陰極室Dが設けられ、陽極1と陰極2との間で直流電圧を加える装置などが挙げられる。
電気透析を効率良く実施するために、陰・陽両極室間に陽イオン交換膜3、鉱酸濃縮室A、陰イオン交換膜4、脱鉱酸室B、陽イオン交換膜3を交互に並べられた複数のセル(室)を構成する電気透析装置(図1)を用いてもよい。
本発明の実施の一形態である図1の電気透析装置を用い、鉱酸として硫酸を用いた場合を具体例として、電気透析の詳細を説明する。
【0005】
電気透析装置の一端には、陽極1が存在する陽極室Cが設けられ、他端に陰極が存在する陰極室(D)が設けられており、その間に陽イオン交換膜3、鉱酸濃縮室A、陰イオン交換膜4、脱鉱酸室B、陽イオン交換膜3の組み合わせが交互に配列されている。そして脱鉱酸室に硫酸を含有する硼酸水溶液(以下、希硼酸という)が供給される。
【0006】
希硼酸中に含有されている硫酸は、陽イオンとしての水素イオン(H+)と陰イオンとしての硫酸イオン(SO4 2- )に解離しているため、陰極1と陽極2との間に直流電流が印加されると水素イオンは陽イオン交換膜3を通って陰極側に移動し、次の陰イオン交換膜4でほとんど阻止される。硫酸イオンは陰イオン交換膜4を通って陽極側に移動し、次の陽イオン交換膜でほとんど阻止される。従って、脱鉱酸室における希硼酸中の硫酸は減少し、鉱酸濃縮室中に硫酸が濃縮されることになる。
希硼酸中の硼素は、中性から酸性溶液中では非解離のB(OH)として存在し、陽イオン交換膜および陰イオン交換膜のいずれにもほとんど透過しない。
よって、脱鉱酸室(B)からは、硫酸が低減して高濃度化された硼酸水溶液が得られ、鉱酸濃縮室(A)からは硫酸濃度が上昇した鉱酸水が得られる。
【0007】
電気透析のプロセスとしては、例えば、図2に示すような回分式処理法等を挙げることができる。
図2に示す回分式処理法について具体的に説明すると、希硼酸槽6から希硼酸がポンプ10により硼酸濃縮槽7に送られ、続いて、硼酸濃縮槽7からポンプ11により直流電流を印加した電気透析装置5の脱鉱酸室に送られる。電気透析により高濃度化された硼酸水溶液は、脱鉱酸室から硼酸濃縮槽7に戻って循環する。
循環することによって、電気伝導度計14により測定された電気伝導度から、硼酸濃縮槽7の硼酸水溶液が所望の鉱酸濃度まで低下すると、該水溶液は、高濃度硼酸水溶液として取り出すことができる。尚、高濃度硼酸水溶液として排出した分だけ硼酸濃縮槽7に希硼酸槽6の希硼酸を供給することにより、連続して、高濃度硼酸水溶液を製造することもできる。
図2には、電極液槽9の電極液をポンプ13により陽極室および陰極室を循環している場合について例示している。
【0008】
一方、鉱酸水槽8には、最初、イオン交換水を仕込んでおき、ポンプ12で電気透析装置5の鉱酸濃縮室へ送り、流出する鉱酸水を鉱酸水槽8に戻し循環させる。循環することによって、電気伝導度計15により測定された電気伝導度から、鉱酸水槽8の鉱酸水が所定の硫酸濃度に達すると、鉱酸水を鉱酸水槽8から取り出すことができる。また、硫酸濃度が所定の濃度を上回ったらイオン交換水を注入し、希釈することにより硫酸濃度を管理することもできる。
イオン交換水の注入方法としては、通常、隔膜式定量ポンプ等のポンプを用い、鉱酸濃度の上昇に合わせて一定量のイオン交換水を注入する方法;電気伝導度計15の電気信号によりポンプを作動/停止させる方法等が挙げられる。
鉱酸水槽8から取り出された鉱酸水は、例えば、後述する硼素選択性イオン交換樹脂の溶離液として使用したり、さらに電気透析して濃縮された鉱酸として使用するなどの再利用が可能である。
【0009】
本発明に用いられる電気透析装置の電極液としては、通常、電気伝導度が約5mS/cm以上の水溶液であり、好ましくは、系を単純化するために鉱酸水溶液を使用する。電極液は陰極室を循環する陰極液と陽極室を循環する陽極液がある。陰極液と陽極液をタンクとポンプを区別して循環してもよいし、陰極液と陽極液のタンクとポンプを共用して循環してもよい。
図2には、電極液槽9の電極液をポンプ13により陽極室および陰極室を循環している場合について例示している。陰極1と陽極2間に直流電流が印加されると陽極液中の水素イオンは陽イオン交換膜3を通って陰極側に移動する。一方、濃縮液中の水素イオンは陽イオン交換膜3を通って陰極側に移動し、陰極液へ入る。尚、図1においては電極液の循環を省略して記載している。
【0010】
本発明に用いられる電気透析装置の陽極としては、例えば、白金、白金を被覆したチタン、カーボン、ニッケル、ルテニウムを被覆したチタン、イリジウムを被覆したチタンなどが挙げられる。また、陰極としては、鉄、ニッケル、白金、白金を被覆したチタン、カーボン、ステンレス鋼などが挙げられる。
電気透析装置の陽極および陰極などの電極の構造としては、例えば、メッシュ状、格子状、板状等の構造が挙げられる。
【0011】
本発明で用いられる陽イオン交換膜3としては、例えば、陽イオン交換基含有モノマーの重合体、陽イオン交換基含有モノマーと炭化水素系モノマーとの共重合体、炭化水素系モノマーの重合体に濃硫酸、発煙硫酸などでスルホン化して得られる重合体などが挙げられる。
ここで、陽イオン交換基含有モノマーとしては、例えば、スルホン基、カルボキシル基、フェノール性水酸基などを含有するモノマーであり、具体的には、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルフェノールなどが挙げられる。
【0012】
本発明で用いられる陰イオン交換膜4としては、例えば、陰イオン交換基含有モノマーの重合体、陰イオン交換基含有モノマーと炭化水素系モノマーとの共重合体などが挙げられる。
ここで、陰イオン交換基含有モノマーとしては、例えば、1〜3級アミノ基、第4級アンモニウム基などを含有するモノマーであり、具体的には、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−ビニル−2,4−ジメチルイミダゾール、N−ビニル−2−エチルイミダゾール、N−ビニル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール及び1−メチル−2−ビニルイミダゾール等のビニルイミダゾール類;4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類などの複素環系モノマー等が挙げられる。また、3級アミノ基含有重合体を、塩化メチル、沃化メチル、ジブロモヘキサン、硫酸ジメチルなどにより第4級アンモニウム塩に変換してもよい。
【0013】
また、炭化水素系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、アクリロニトリル、アクロレイン、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル、無水マレイン酸、イタコン酸エステル、無水イタコン酸、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルシクロヘキサン、ジビニルナフタレン、クロロメチルスチレン等が挙げられる。
【0014】
陽イオン交換膜3および陰イオン交換膜4としては、その製造方法から、例えば、重合型、縮合型、均一型、不均一型などが挙げられる。また、これらイオン交換膜には補強心材があってもよい。さらに、炭化水素系のものとフッ素系のものの複合膜であってもよい。
本発明で用いられる陽イオン交換膜3および陰イオン交換膜4は、通常、厚さ0.1〜0.6mm程度、電気抵抗0.2〜10Ω・cm2程度である。
本発明に用いられるイオン交換膜として、例えば、ネオセプタ(商品名、株式会社トクヤマ製)、アシプレックス(商品名、旭化成株式会社製)、セレミオン(商品名、旭硝子製)、フレミオン(商品名、旭硝子製)、ナフィオン(商品名、デュポン社製)等、市販品のイオン交換膜を使用することができる。
【0015】
本発明において、電気透析時の各種の溶液温度としては、通常、5〜70℃程度、好ましくは20〜50℃程度である。また、電流密度は、通常、0.01〜20A/dm2程度、好ましくは、0.05〜10A/dm2程度である。
印加する電圧としては、陽イオン交換膜3、陰イオン交換膜4、鉱酸濃縮室A及び脱鉱酸室Bを1セルとした場合の1セルあたり、通常、0.02〜5V程度、好ましくは0.1〜2V程度である。通電時間としては、回分式の場合、1バッチあたり、通常、5〜2000分程度、好ましくは20〜300分程度である。
【0016】
本発明で用いられる鉱酸とは、硫酸、塩酸、硝酸及びリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、中でも塩酸、硫酸が好ましく、とりわけ、硫酸が好適である。鉱酸の中に、蟻酸、酢酸、乳酸などの有機酸を混合せしめてもよいが、通常は、実質的に鉱酸のみを使用する。
【0017】
本発明において、電気透析に供せられる希硼酸に含有される鉱酸濃度としては、0.1N以上であり、通常、0.1〜10N程度、好ましくは、0.1〜3N程度、とりわけ好ましくは、0.2〜2N程度である。
また、希硼酸の硼酸濃度としては、0.01〜370g/Lであり、好ましくは、1〜30g/L程度である。
希硼酸には、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなどの硼素以外の陽イオンや、電気透析に使用される鉱酸イオン以外の陰イオンを含有していてもよいが、実質的に、これらイオンを含有しないことが好ましい。
【0018】
電気透析することにより、通常、0.0001〜0.1N程度、好ましくは、0.001〜0.01N程度まで鉱酸濃度を低減された高濃度硼酸水溶液を得ることができる。また、該高濃度硼酸水溶液に含有される硼素の含有量としては、硼酸濃度として通常、0.01〜370g/L程度、好ましくは、1〜30g/L程度、とりわけ好ましくは5〜25g/L程度である。
電気透析を終了して得られる鉱酸水は、通常、0.01〜10N程度、好ましくは、0.1〜3N程度の鉱酸濃度である。また、該鉱酸水における硼素は、硼酸濃度として、通常、20g/L程度以下、好ましくは、3g/L程度以下、とりわけ好ましくは1g/L程度以下しか含有しない。
【0019】
電気透析によって、陰イオン交換膜を挟んで脱鉱酸室と鉱酸濃縮室との間の鉱酸濃度に大きな差が生じ、濃度勾配による鉱酸の逆拡散が起こる場合があり、結果として鉱酸水中の鉱酸濃度が十分に高めることが困難な場合がある。このような場合には、多段回分式処理法の電気透析のプロセスが有効である。
本発明の実施の一形態である2段の回分処理法により電気透析するプロセスについて、図3を例示しているので、それを具体例として以下に説明する。
尚、図3は、図2のような回分式ではあるが、希硼酸槽6、鉱酸水槽8、電極液槽9およびポンプ等は省略している。
【0020】
硼酸濃縮槽7から希硼酸を第1の電気透析装置5に供給し、電気透析して、高濃度硼酸水溶液を得る。同時に、鉱酸濃縮室へは初期にイオン交換水を供給し、同室から鉱酸水を回収する。該鉱酸水は更に濃度を高めるために、第2の電気透析装置16の脱鉱酸室へ供給し電気透析し、必要に応じて、循環等を繰り返すことにより、鉱酸濃縮室から所望の高濃度の鉱酸が回収される。回収された鉱酸における硼素の含有量としては、硼酸として通常、1g/L以下程度、好ましくは0.1g/L以下程度にとどまる。
回収された鉱酸は、高濃度鉱酸であることから、希硼酸のpH調整剤、後述する硼素選択性イオン交換樹脂の硼酸溶離液などに使用することができる。
また、鉱酸濃度が低下した脱鉱酸室の水溶液は、第1の電気透析装置5へ再び供給してやればよい。
【0021】
本発明に用いられる希硼酸の製造方法としては、例えば、硼素選択性イオン交換樹脂を用いて得られた方法などが挙げられる。以下、硼素選択性イオン交換樹脂を用いる希硼酸の製造方法について説明する。
硼素選択性イオン交換樹脂を用いる希硼酸の製造方法とは、硼素を含有する原料水を、硼素吸着選択性のある硼素選択性イオン交換樹脂に硼素を吸着させたのち、鉱酸により該樹脂から硼酸として溶離させる方法であり、この方法を用いることにより、1ppm程度の微量の硼素しか含有しない原料水からも高濃度硼酸水溶液の製造方法に供し得る希硼酸を製造することができる。
【0022】
原料水は、任意の濃度の硼素を含有する水であり、具体的には、河川水、海水、下水道排水、上水道原水などの一般原水等が挙げられる。
原料水には、塩酸、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどの塩化物(水中では、塩化物イオン及びその対イオンとして存在する)、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩(水中では、硫酸イオン及びその対イオンとして存在する)等の無機化合物;ブチルアルコール、ペンタアルコール、プロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、アセトンなどのケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類等の有機化合物などが含有されていてもよい。
【0023】
以下、本発明の実施の一形態を示すフローチャートである図3を参照しながら、希硼酸の製造方法についてさらに詳細に説明する。図3では、pH調整槽17、イオン交換樹脂塔18及び、電気透析装置2台(5、16)が、この順番でつながれている。pH調整槽17には、原料水が導入され、ここで必要に応じてpH調整剤、通常は鉱酸が加えられて、pH6〜11程度に調整される。pH調整後の硼素を含有する原料水は、硼素選択性イオン交換樹脂塔18に導かれ、ここのイオン交換樹脂19に硼素が吸着される。硼素以外のイオンや化合物は処理水20として系外に排出される。硼素選択性イオン交換樹脂に吸着された硼素は鉱酸により溶離されて、鉱酸と硼酸とを含有する水溶液(以下、希硼酸21という)となる。希硼酸21は第1電気透析装置5、すなわち図1に相当する電気透析装置により電気透析し、必要により循環させることにより、目的の高濃度硼酸水溶液と鉱酸水に分離される。
鉱酸水は、例えば、前記に述べたように、第2の電気透析装置でさらに濃縮されて高濃度鉱酸となることが図示されているが、濃縮することなく、硼素選択性イオン交換樹脂に吸着した硼素を溶離せしめるための鉱酸として使用してもよい。
【0024】
原料水について、さらに詳細に説明すると、pH調整槽17に供給される原料水としては、通常、pH6〜11程度、好ましくは8〜10程度に調整したのち硼素選択性イオン交換樹脂により処理される。原料水のpHがすでに6〜11になっている場合には、そのまま硼素の吸着させることができる。また、原料水のpHが11より高い場合は、適宜酸を加えることによって、pHを約11以下に調整し、pHが6より低い場合は、適宜アルカリを加えることによって、pHを約6以上に調整する。
原料水のpHが11より高い場合は、硼素選択性イオン交換樹脂への硼素の吸着量が低下する傾向にあり、pHが6より低い場合は、硼素は主に非解離のB(OH)3として存在し、硼素の吸着量が低下する傾向にある。
【0025】
pH調整に用いる酸は、原料水のpHを下げることができるものであればよいが、好ましくは原料水中の成分と反応して沈殿などを生じない酸である。具体例としては、前記鉱酸、蟻酸、酢酸などの有機酸類などが挙げられる。
pH調整に用いるアルカリとしては、原料水のpHを上げることができるものであればよいが、好ましくは原料水中の成分と反応して沈殿などを生じないアルカリである。具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などの無機アルカリなどが挙げられる。
【0026】
希硼酸の製造方法において用いられる硼素選択性イオン交換樹脂は、硼素を選択的に吸着するイオン交換樹脂であればよく、例えば、硼素に対して選択性の高いことが知られている多価アルコール残基を官能基とするイオン交換樹脂が好ましく用いられる。
【0027】
硼素に対して選択性の高い多価アルコール残基としては、例えば、グルカミンのN−残基、N−メチルグルカミンのN−残基、ジグルカミンのN−残基、フェノール基などが挙げられる。このような多価アルコール残基を官能基とする硼素選択性イオン交換樹脂は、例えば、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体のような基体樹脂に、クロロメチル基のようなアミン反応性基を導入し、これに、グルカミン、N−メチルグルカミン、ジグルカミンのようなアミノ基含有多価アルコールを反応させる方法などにより、得ることができる。
硼素選択性イオン交換樹脂として、例えば、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体を樹脂基体とし、N−メチルグルカミンのN−残基を官能基として有する“デュオライトES371N”(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、同じくスチレン/ジビニルベンゼン共重合体を樹脂基体とし、N−メチルグルカミンを官能基として有する“アンバーライトIRA743”(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、同じくスチレン/ジビニルベンゼン共重合体を樹脂基体とし、N−メチルグルカミンを官能基として有する“ダイヤイオン CRB02”(商品名、三菱化学社製)などの市販品を使用してもよい。
【0028】
硼素選択性イオン交換樹脂による処理は、図3では、かかる樹脂をカラムに充填した硼素選択性イオン交換樹脂塔を用いる態様を示しており、処理の簡素化や処理効率、装置のコンパクト化などを考慮すると、工業的にはこのような充填塔を用いるカラム通液法が好ましい。この処理は通常、常温付近で行うことができ、具体的には10〜60℃程度の温度である。またこの処理は、原料水中の硼素の含有量などによっても異なるが、通常は、原料水と硼素選択性イオン交換樹脂との接触時間が5分〜2時間程度となるように行えばよく、カラム通液法を採用する場合は、空間速度SVが1〜40hr-1程度である。
【0029】
硼素選択性イオン交換樹脂が、適当な量の硼素、例えば、ほぼ飽和量の硼素を吸着したら、この樹脂を鉱酸と接触させて、希硼酸21として溶離せしめる。
この溶離処理も、カラム通液法及びバッチ法のいずれでも行うことができるが、工業的にはカラム通液法が好ましい。また、通常は常温付近、例えば、10〜60℃程度の温度で溶離せしめる。
【0030】
溶離処理によって得られた希硼酸21を再び硼素選択性イオン交換樹脂に吸着せしめると、つまり、希硼酸を硼素選択性イオン交換樹脂に繰返し吸着・溶離せしめると、得られる希硼酸の硼酸濃度が向上することから好ましい。
また、硼素選択性イオン交換樹脂を溶離する際に、カラム通液法による溶離液の最初の部分と最終部分の溶離液(図3では、合わせて(22)と表した)は、硼酸濃度が低いことから、例えば、pH調整槽17などに循環させてもよい。
【0031】
かくして得られた希硼酸は、溶離するために使用した鉱酸以外の不純物をほとんど含まない水溶液であり、電気透析装置処理を引き続き実施することができるのである。
硼酸を溶離した硼素選択性イオン交換樹脂は、そのまま、必要に応じて水洗したり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのようなアルカリ水溶液での洗浄することにより、さらに硼素の吸着を繰り返すことができる。
【0032】
本発明の電気透析によって得られた高濃度硼酸水溶液を陰イオン交換樹脂に接触させることにより、該水溶液に含有された鉱酸を一層、低減せしめることができる。
ここで、陰イオン交換樹脂とは、前記陰イオン交換基含有モノマーの重合体、前記陰イオン交換基含有モノマーと前記炭化水素系モノマーの共重合体等である。陰イオン交換樹脂の形状としては、膜状でもよいが、通常、粒状である。
陰イオン交換樹脂としては、中でも、3級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を陰イオン交換基として含有する陰イオン交換樹脂が好ましい。
【0033】
陰イオン交換樹脂として、例えば、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体を樹脂基体とし、4級アンモニウム塩を陰イオン交換基として有する“デュオライトA113シリーズ、同109D、同A116シリーズ、同A378D、同368S”(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、“ダイヤイオンSA10A、同SA20A、同WA30”(商品名、三菱化学製)、“アンバーライト IRA400、同IRA410”(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、“マラソン A、同A2”(商品名、ダウ社製)、“ダウエックスD3、同66”(商品名、ダウ社製)、“レバチットM500、同M610、同MP64”(商品名、バイエル社製)などが挙げられる。
【0034】
陰イオン交換樹脂との接触方法としては、例えば、該水溶液と陰イオン交換樹脂とを混合したのち、濾過等により水溶液と陰イオン交換樹脂を分離する方法;陰イオン交換樹脂を充填したカラムに該水溶液を通液する方法;膜状の陰イオン交換膜を用いて、該水溶液中の鉱酸を膜分離する方法などが挙げられる。中でも、陰イオン交換樹脂を充填したカラムに該水溶液を通液する方法が好ましく、とりわけ、空間速度SVが1〜100hr-1程度で通液することが好ましい。
【0035】
電気透析によって得られた高濃度硼酸水溶液に陰イオン交換樹脂を接触させる際、接触させる前、あるいは接触させた後、陽イオン交換樹脂をも接触させてもよい。高濃度硼酸水溶液に陽イオン交換樹脂を接触させることにより、高濃度硼酸水溶液に含有されるカルシウム、ナトリウムなどの陽イオンを低減させることができる。
ここで、陽イオン交換樹脂とは、前記陽イオン交換基含有モノマーの重合体、前記陽イオン交換基含有モノマーと前記炭化水素系モノマーの共重合体、炭化水素系モノマーにスルホン化して得られる前記重合体等である。陽イオン交換樹脂の形状としては、膜状でもよいが、通常、粒状である。
陰イオン交換樹脂としては、中でも、スルホン酸基を陽イオン交換基として含有する陽イオン交換樹脂が好ましい。
【0036】
陽イオン交換樹脂として、例えば、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体を樹脂基体とし、スルホン酸基を陽イオン交換基として有する“デュオライトC20、同255”(商品名、ローム・アンド・ハース社製)、“ダイヤイオンSK1B、同PK212”(商品名、三菱化学製)、“マラソンC”(商品名、ダウ社製)、“レバチットS100”(商品名、バイエル社製)などが挙げられる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施の一形態として、図3に示されるように原料水から硼酸と硫酸を含有する水溶液(希硼酸)を得、電気透析して高濃度硼酸水溶液を得るとともに、電気透析によって回収された硫酸水が、さらに電気透析されて、高濃度硫酸が得られる場合について詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、水中の硼酸濃度は、 JIS K 0102 (1998)「工場排水試験方法」の「47.3IPC発光分光分析法」に準じて硼素として測定し、硼酸に換算して表記した。また、硫酸イオン濃度は JIS K 0101 (1998)「工業用水試験方法」の「42.4 イオンクロマトグラフ法」に準じて測定した。
【0038】
(実施例1)
イオン交換水に硫酸ナトリウム(300ppm)、硫酸カリウム(100ppm)、塩化マグネシウム(50ppm)、及び硼酸(100ppm)添加して、苛性ソーダでpH9.0に調整した原料水を調製した。
硼素選択性イオン交換樹脂(デュオライトES371N)100mlに原料水を500ml/hrの速度で20L通水し、イオン交換水200mlを500ml/hrの速度で通水したところ、該イオン交換樹脂から排出された水の硼酸濃度から、該イオン交換樹脂には、硼酸が17g/L(Resin)吸着されていた。
該イオン交換樹脂に1N硫酸を200ml通液した後、イオン交換水300mlを通液した。通液した水溶液の体積を該イオン交換樹脂の体積に対する倍率で表した通液倍率(BV)と、該水溶液中の硼酸濃度(g/L)との関係を溶離曲線として図4に示した。溶離液の硼酸濃度の高いb〜cの範囲の溶離液180mlを回収した。
b〜cの溶離液における硼酸水溶液は、硼酸濃度として7.6g/Lであり、硫酸濃度0.7Nであった。続いて、濃硫酸を加えて硫酸濃度1N、200mlの溶液に調製した。
【0039】
該イオン交換樹脂に1Nの苛性ソーダを200ml通液し、イオン交換水400ml通水して、硼素選択性イオン交換樹脂の再生を行った。
次に、前記と同様に調製された原料水を500ml/hrの速度で20L通水したのち、該イオン交換樹脂の溶離液として、前記の溶離液(b〜cの範囲、200ml)を2回目の溶離液として用いた。溶離曲線は図5に示した。
この時の溶離液をf〜gの範囲で分取した。
この時の溶離液f〜gの硼酸濃度は15g/Lであり、硫酸濃度は0.7Nであり、その他のイオン(Na+,Ca2+,Mg2+,Cl-)は0.1g/L以下であった。
すなわち、硼酸濃度15g/L、硫酸濃度0.7N、その他のイオン(Na+,Ca2+,Mg2+,Cl-)は0.1g/L以下の希硼酸を得た。
【0040】
別途、希硼酸として、前記実験に基づき、イオン交換水に硼酸と硫酸を加えて、硼酸15g/L、硫酸0.7Nの水溶液を調製した。
この希硼酸を使用し、図2に略記された回分式処理法による第1電気透析装置5((株)トクヤマ製、TS−2−5型(有効膜面積200cm2/枚)により電気透析した。尚、電気透析槽には陰イオン交換膜ネオセプタACM((株)トクヤマ製)を5枚、陽イオン交換膜ネオセプタCMX((株)トクヤマ製)を6枚、図1のように組み込んだ。
該装置の脱鉱酸室Aに上記の希硼酸5Lを供給し、図2のポンプ11により1.6L/minの流量にて循環した。また、鉱酸濃縮室Bには0.25Nの硫酸5Lを供給し、ポンプ12により1.6L/minの流量にて循環した。陽陰極間に6.0Vの一定電圧を印加することにより通電した。通電時間は85minで、その間の平均電流値は4.8A(電流密度は2.4A/dm2)であった。尚、鉱酸濃縮室Bで濃縮する硫酸(鉱酸水)は次に説明する第2電気透析装置16の脱鉱酸室Aへも供給し濃度を調整した。脱鉱酸室Aから得られた高濃度硼酸水溶液は4.1Lで、組成は硼酸濃度17g/L、硫酸濃度0.0014Nであった。
【0041】
前記第1電気透析装置とは別に、第2電気透析装置16を図3の如く接続した。第1電気透析装置5の鉱酸濃縮室Bから、0.25N硫酸(鉱酸水)5.0Lを第2電気透析装置16の脱鉱酸室Aに1.6L/minの流量にて供給した。また、第2電気透析装置16の鉱酸濃縮室Bには1.0Nの硫酸5.0Lを1.6L/minの流量にて循環した。
第2電気透析装置16の陽陰極間に4.0Vの一定電圧を印加することにより通電した。通電時間は85minで、その間の平均電流値は4.8A(電流密度は2.4A/dm2)であった。尚、鉱酸濃縮室Bで濃縮された硫酸はイオン交換水を30ml/minの速度で注入することにより、硫酸濃度を調整した。第1電気透析装置5の鉱酸濃縮室Bと第2電気透析装置16の脱鉱酸室Aから得られた硫酸は5.0Lで、組成は硼酸濃度として0.872g/L、硫酸濃度0.25Nであった。鉱酸濃縮室Bから得られた硫酸は8.5Lで、組成は硼酸濃度として0.034g/L、硫酸濃度1.0Nであった。結果を表1にまとめた。
【0042】
【表1】
Figure 0004183992
【0043】
【表2】
Figure 0004183992
【0044】
(鉱酸を低減した高濃度硼酸の製造例1)
カラム(20mmφ)に充填された陰イオン交換樹脂(デュオライトA116)100mlに1N-NaOH水溶液 200mlを400ml/hrの速度で通水し、イオン交換水500mlを500ml/hrの速度で1000ml通水した後、電気透析された高濃度硼酸水溶液(硼酸濃度17g/L、硫酸濃度0.0014N)を通液したところ、硼酸濃度17g/L、硫酸濃度が検出限界(5ppm)以下である高濃度硼酸水溶液40000mlを得た。
【0045】
(鉱酸を低減した高濃度硼酸の製造例2)
カラム(20mmφ)に充填された陰イオン交換樹脂(デュオライトA378D)100mlを中性に調整したのち、電気透析された高濃度硼酸水溶液(硼酸濃度17g/L、硫酸濃度0.0014N)を通液したところ、硼酸濃度17g/L、硫酸濃度が検出限界(5ppm)以下である高濃度硼酸水溶液70000mlを得た。
【0046】
(鉱酸を低減した高濃度硼酸の製造例3)
1N-NaOH水溶液170mlを通水速度340ml/hrで通水し、イオン交換樹脂650mlを通水速度340ml/hrで通水した陰イオン交換樹脂(デュオライトA116)65mlと1N-硫酸水溶液100mlとを 200ml/hrで通水し、イオン交換水350mlを200ml/hrで通水した陽イオン交換樹脂(デュオライトC20)35mlとをカラム(20mmφ)に混合し充填した。続いて、電気透析された高濃度硼酸水溶液(硼酸濃度17g/L、硫酸濃度0.0014N、ナトリウムイオン 50ppm)を通液したところ、硼酸濃度17g/L、硫酸濃度が検出限界(5ppm)以下、ナトリウムイオン濃度が検出限界(5ppm)以下の高濃度硼酸水溶液6000mlを得た。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、原料水中の硼酸を硼素選択性イオン交換樹脂により硼酸を濃縮し、鉱酸で溶離した後、該溶離液を電気透析することにより、鉱酸を著しく低減せしめ、かつ、高濃度で純度の高い硼酸を得ることができる。さらに電気透析によって得られた高濃度硼酸水溶液に陰イオン交換樹脂を接触させることにより、鉱酸をもほとんど含有しない高濃度硼酸を製造することができ、高濃度硼酸水溶液に陽イオン交換樹脂を接触させることにより、陽イオンをもほとんど含有しない高濃度硼酸を製造することができる。
また、電気透析により得られた鉱酸水を電気透析することにより、高濃度の鉱酸を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す電気透析装置である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す2段の回分処理法により電気透析装置のプロセスである。
【図3】本発明の実施の一形態を示すプロセスであり、2段の回分処理法により電気透析装置を用いて、高濃度硼酸水溶液と高濃度鉱酸とを製造する工程と、希硼酸を製造する工程とを有するプロセスである。
【図4】実施例1の希硼酸の1回目を製造した際の硼酸の溶離曲線である。
【図5】実施例1において、硼素選択性イオン交換樹脂を再生したのち、希硼酸の1回目を製造した際の硼酸の溶離曲線である。
【符号の説明】
A・・・鉱酸濃縮室
B・・・脱鉱酸室
C・・・陽極室
D・・・陰極室
1・・・陽極
2・・・陰極
3・・・陽イオン交換膜
4・・・陰イオン交換膜
5・・・第1電気透析装置
6・・・希硼酸槽
7・・・硼酸濃縮槽
8・・・鉱酸水槽
9・・・電極液槽
10・・・ポンプ
11・・・ポンプ
12・・・ポンプ
13・・・ポンプ
14・・・電気伝導度計
15・・・電気伝導度計
16・・・第2電気透析装置
17・・・pH調整槽
18・・・イオン交換樹脂塔
19・・・イオン交換樹脂
20・・・処理水
21・・・希硼酸(鉱酸と硼酸とを含有する水溶液)
22・・・硼酸としての濃度が低い硼素含有水溶液

Claims (6)

  1. 硫酸、塩酸、硝酸及びリン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種の鉱酸を0.1N以上を含有し、硼酸を0.01〜370g/Lを含有する水溶液を、電気透析することを特徴とする高濃度硼酸水溶液の製造方法。
  2. 鉱酸と硼酸とを含有する水溶液として、硼素を含有する原料水を硼素選択性イオン交換樹脂に接触させたのち、該樹脂から鉱酸にて硼酸として溶離させて得られた水溶液を用いることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 硼素選択性イオン交換樹脂として、多価アルコールを官能基として含有するイオン交換樹脂を用いることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 回分式電気透析装置を用いて電気透析することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって得られた高濃度硼酸水溶液を陰イオン交換樹脂と接触させることを特徴とする鉱酸濃度の低い高濃度硼酸水溶液の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって副生された鉱酸水をさらに電気透析することを特徴とする高濃度鉱酸の製造方法。
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