JP2009297670A - 電気式脱イオン水製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転時の省エネルギー化を実現し、かつ、比抵抗の高い、良好な水質を得られるEDIを目的とする。
【解決手段】本発明のEDIは、陽極室20と陰極室10との間に、カチオン交換膜52とアニオン交換膜54とで区画される空間にイオン交換体が充填されて主脱塩室50が設けられ、前記主脱塩室50の両側に濃縮室60、62が設けられ、陽極室20に隣接する副脱塩室40および/または陰極室10に隣接する副脱塩室30を有し、副脱塩室30もしくは副脱塩室40を流通した被処理水を主脱塩室50に流通させる手段、および/または、前記主脱塩室50を流通した被処理水を前記副脱塩室30もしくは前記副脱塩室40に流通させる手段を有することよりなる。
【選択図】図1

Description

本発明は電気式脱イオン水製造装置に関する。
脱イオン水を製造する方法として、従来からイオン交換樹脂に被処理水を通水して脱イオンを行う方法が知られている。しかし、この方法ではイオン交換樹脂が飽和したときに、薬剤によって再生を行う必要がある。近年、このような処理操作上の不利な点を解消するため、薬剤による再生が不要な電気式脱イオン装置(以下、EDIという)が実用化されている。
EDIは、電気泳動と電気透析とを組み合わせた純水製造装置である。EDIは、アニオン交換膜とカチオン交換膜との間にイオン交換体を充填し、イオン交換膜の外側に陽極を備える陽極室と、陰極を備える陰極室(以下、陽極室と陰極室を総じて、電極室ということがある)を配置した装置である。EDIによる脱イオン水の製造方法は、電極に直流電圧を印加した状態でイオン交換体層に被処理水を通水することにより、被処理水中のイオン成分をイオン交換体で吸着し、電気泳動にて膜面までイオンを泳動させ、イオン交換膜にて電気透析して濃縮水中へと除去するものである。
従来型のEDIにおける、脱塩室のイオン交換体の再生は、脱塩室内の異種のイオン交換体の界面にて起こる、主に、水の解離反応にて生じるHとOHにて行われていた。このため、脱塩室には水の解離反応を進行させるだけの電圧を印加させる必要があり、脱塩室の数に応じて電圧が加算されていく構造となっていた。また、従来型のEDIは、電極室と脱塩室との間に濃縮室を設けているか、電極室と脱塩室とが隣接していても、電極室は濃縮室として利用されていたため、電極室における電極反応にて生成するHならびにOHイオンは有効利用されずに、装置外に排出されていた。
このような問題に対し、例えば、電極室を脱塩室として用い、電極室における電極で進行する水の電解反応(電極反応)により発生するHとOHとを電極室(脱塩室)内のイオン交換体の再生に利用したEDIが開示されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載の発明では、電極反応で生じたガス成分や、酸化性物質等も脱イオン水に含まれるという懸念がある。
電極反応で生じたガス成分等が、脱イオン水に直接影響しないような構造として、電極室に隣接する脱塩室を設け、該脱塩室に被処理水を流通させるEDIが開示されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、特許文献2のEDIでは、脱塩室当たりの電極の数が多く、また、処理水量を増やすためには、装置が大型化するという問題がある。
イオン交換体が充填された電極室に、脱塩室で処理した脱イオン水を流通させ、電極の劣化防止、運転電圧の低減化、脱塩効率の向上を図ったEDIが開示されている(例えば、特許文献3)。しかしながら、特許文献3のEDIでは、電極への塩の析出等を防いで、電極の能力を延命することができるものの、電極室で生成するHとOHは、有効利用されることなく、EDIの装置外に排出されていた。
特許第3793229号公報 特公平5−79397号公報 特許第3801821号公報
本発明は、運転時の省エネルギー化を実現し、かつ、比抵抗の高い、良好な水質を得られるEDIを目的とする。
本発明のEDIは一側のカチオン交換膜と、他側のアニオン交換膜とで区画される空間にイオン交換体が充填されて、1以上の主脱塩室が設けられ、前記カチオン交換膜、または、前記アニオン交換膜を介して、前記主脱塩室の両側に濃縮室が設けられ、前記主脱塩室と前記濃縮室とが、陽極と陽極側仕切り膜とで区画される陽極室と、陰極と陰極側仕切り膜とで区画される陰極室との間に配置され、前記陽極側仕切り膜をカチオン交換膜とし、前記陽極室にイオン交換体が充填され、前記陽極側仕切り膜と該陽極側仕切り膜と対向して配置されるカチオン交換膜とで区画される空間にイオン交換体が充填されて形成された副脱塩室、および/または、前記陰極側仕切り膜をアニオン交換膜とし、前記陰極室にイオン交換体が充填され、前記陰極側仕切り膜と該陰極側仕切り膜と対向して配置されるアニオン交換膜とで区画される空間に、イオン交換体が充填されて形成された副脱塩室が設けられ、前記副脱塩室を流通した被処理水を前記主脱塩室に流通させる手段、および/または、前記主脱塩室を流通した被処理水を前記副脱塩室に流通させる手段が設けられていることを特徴とする。
前記陽極室と前記陰極室との間に、2以上の前記主脱塩室が前記濃縮室を介して配置され、前記副脱塩室を流通させた被処理水を任意の主脱塩室に流通させ、前記任意の主脱塩室を流通させた被処理水を他の主脱塩室に流通させても良く、任意の主脱塩室を流通させた被処理水を他の主脱塩室に流通させ、その後、前記主脱塩室を流通させた被処理水を前記副脱塩室に流通させても良い。
前記陽極室と前記陰極室との間に、2以上の前記主脱塩室が前記濃縮室を介して配置され、前記副脱塩室を流通させた被処理水を分配し、分配した被処理水を複数の前記主脱塩室に流通させても良く、複数の主脱塩室を流通させた被処理水を合流させ、合流させた被処理水を前記副脱塩室に流通させても良い。
前記主脱塩室には、一側のカチオン交換膜と他側のアニオン交換膜との間に中間イオン交換膜を配置し、前記主脱塩室の厚さ方向に多段に区画された小脱塩室が形成されていても良い。前記陽極室、および/または、前記陰極室には、前記主脱塩室または前記副脱塩室で処理された水が、通水されていることが好ましく、比抵抗値0.2〜18.2MΩ・cmの水が通水されていることが好ましい。
本発明のEDIによれば、運転時の省エネルギー化を実現し、かつ、比抵抗の高い、良好な水質を得ることができる。
本発明のEDIは、陽極室と陰極室(以下、総じて電極室ということがある)との間に主脱塩室が設けられ、電極室の少なくとも一方には、仕切り膜を介して隣接する副脱塩室が設けられ、前記副脱塩室を流通した被処理水を前記主脱塩室に流通する手段、および/または、前記主脱塩室を流通した被処理水を前記副脱塩室に流通する手段が設けられているものである。
本発明のEDIにおける、運転時の省エネルギー化、および、水質向上の原理について、図1を用いて説明する。図1は、本発明のEDI8における、イオン成分の流れを説明する模式図である。図1に示すとおり、EDI8は、陰極室10と陽極室20との間に、主脱塩室50と、主脱塩室50の両側に設けられた濃縮室60、62とを有し、陰極室10側および陽極室20側にそれぞれ副脱塩室30、40が設けられている。
陰極室10は、陰極12とアニオン交換膜である陰極側仕切り膜14とで区画された空間に、イオン交換体が充填され、形成されている。陽極室20は、陽極22とカチオン交換膜である陽極側仕切り膜24とで区画された空間に、イオン交換体が充填されて形成されている。
副脱塩室30は、陰極室10を形成する陰極側仕切り膜14と、アニオン交換膜32とで区画された空間に、イオン交換体が充填され、形成されている。副脱塩室40は、陽極室20を形成する陽極側仕切り膜24と、カチオン交換膜42とで区画された空間に、イオン交換体が充填され形成されている。主脱塩室50は、陰極室10側に配置されたカチオン交換膜52と、陽極室20側に配置されたアニオン交換膜54とで区画された空間に、イオン交換体が充填され形成されている。
濃縮室60は、副脱塩室30を形成するアニオン交換膜32と、主脱塩室50を形成するカチオン交換膜52とで区画されて形成されている。濃縮室62は、副脱塩室40を形成するカチオン交換膜42と、主脱塩室50を形成するアニオン交換膜54とで区画されて形成されている。
ここで、陰極室10と副脱塩室30とにはアニオン交換体を単床形態で充填し、陽極室20と副脱塩室40とにはカチオン交換体を単床形態で充填した場合を例として、イオン成分の流れについて説明する。
脱イオン水の製造は、まず、陰極室10と陽極室20とに電極水を流通させ、陰極12と陽極22との間に直流電圧を印加する。また、濃縮室60、62に濃縮水を流通させる。そして、副脱塩室30または副脱塩室40に被処理水を流通させて処理し、処理された被処理水を主脱塩室50へ流通させ、脱イオン水の製造が行われる。あるいは、主脱塩室50に被処理水を流通させ、処理された被処理水を副脱塩室30または副脱塩室40に流通させ、脱イオン水の製造が行われる。
脱イオン水の製造中、陰極室10では、陰極12における電極反応で、H、OH等が生成する。この内、Hは、電極水に取り込まれ、陰極室10から排出される。OHは、対極である陽極22に引き寄せられ、アニオン交換膜である陰極側仕切り膜14を透過し、副脱塩室30に移動する。
副脱塩室30では、被処理水が副脱塩室30のアニオン交換体中を拡散しながら流通し、主にアニオン成分(Cl、HCO 、CO 2−、SiO(シリカは、特別な形態をとることが多いため、一般のイオンとは異なった表示とする)等)が、アニオン交換体に吸着される。ここで、アニオン交換体は、陰極室10から移動したOHと、吸着されているCl、HCO 等のアニオン成分とが交換され、再生される。そして、アニオン交換体から脱着したアニオン成分は、アニオン交換膜32を透過して、濃縮室60に移動する。濃縮室60に移動したアニオン成分は、濃縮水に取り込まれて排出される。
陽極室20では、陽極22における電極反応で、O、H等が生成する。この内、Oは、電極水に取り込まれ、陽極室20から排出される。Hは、対極である陰極12に引き寄せられ、カチオン交換膜である陽極側仕切り膜24を透過し、副脱塩室40に移動する。
副脱塩室40では、被処理水が、副脱塩室40のカチオン交換体中を拡散しながら流通し、主にカチオン成分(Na、Ca2+、Mg2+等)が、カチオン交換体に吸着される。ここで、カチオン交換体は、陽極室20から移動したHと、吸着されているNa、Ca2+等のカチオン成分とが交換され、再生される。そして、カチオン交換体から脱着したカチオン成分は、カチオン交換膜42を透過して、濃縮室62に移動する。濃縮室62に移動したカチオン成分は、濃縮水に取り込まれて排出される。
上述の脱イオン水製造において、副脱塩室30では、陰極室10から移動してくる、OHの存在により、アニオン交換体の再生が効率良く行われる。副脱塩室40では、陽極室20から移動してくる、Hの存在により、カチオン交換体の再生が効率良く行われるこのため、副脱塩室30、40における、イオン成分の移動をスムーズに行うことが可能となり、電圧を低下させて運転することができる。
さらに、副脱塩室30、40は、イオン交換体の再生効率が高いため、主脱塩室50に比べて、被処理水の流速である空間速度(SV)を増大させることができる。即ち、副脱塩室30、40を主脱塩室50と比較して薄くしても、同等以上の脱塩処理の能力を有する。このため、陰極12と陽極22との距離を短くすることができ、これにより、さらに運転電圧を下げることができる。なお、SVとは、イオン交換体の単位体積(L)に対して、1時間に流通させる流量(L)であって、単位はL/L・h−1で表される(以降において同じ)。
加えて、副脱塩室30には、隣接する陰極室10からOHが豊富に移動してくる。このため、低いpHの被処理水であっても、副脱塩室30で前処理することで、被処理水を主脱塩室50での処理に適したpHに調整することができる。
他方、副脱塩室40には、隣接する陽極室20からHが豊富に移動してくる。このため、高いpHの被処理水であっても、副脱塩室40で前処理することで、被処理水を主脱塩室50での処理に適したpHに調整することができる。
本発明のEDIについて、例を挙げて説明するが、本実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
本発明のEDIの第1の実施形態について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態のEDI100の断面図である。図2に示すとおり、EDI100は、陰極室110と陽極室120との間に、主脱塩室150と主脱塩室155とが濃縮室160に挟持されて配置され、陰極室110と陰極側仕切り膜114を介して隣接する副脱塩室130が設けられている。そして、EDI100は、副脱塩室130を流通した被処理水を任意の主脱塩室に流通させた後、さらに他の主脱塩室に流通させるものである。
陰極112と陽極122とは、図示されない電源と接続されている。
陰極室110は、陰極112と、枠体111と、陰極側仕切り膜114とが順に配置され、枠体111の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。陰極室110には、電極水流入ライン116と、電極水流出ライン118とが接続されている。
陽極室120は、陽極122と、枠体121と、陽極側仕切り膜124とが順に配置され、枠体121の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。陽極室120には、電極水流入ライン126と、電極水流出ライン128とが接続されている。
副脱塩室130は、陰極112側から順に陰極側仕切り膜114と、枠体131と、アニオン交換膜132とが配置され、枠体131の開口部にイオン交換体が充填されて、形成されている。副脱塩室130には、被処理水流入ライン134と、被処理水流出ライン136とが接続されている。被処理水流出ライン136は、図示されない配管により、被処理水流入ライン156と接続されている。そして、被処理水流出ライン136と、図示されない配管と、被処理水流入ライン156とにより「副脱塩室を流通した被処理水を主脱塩室に流通させる手段」が構成されている。
主脱塩室150は、カチオン交換膜152と、枠体151と、アニオン交換膜154とが陰極112側から順に配置され、枠体151の開口部にイオン交換体が充填されて、形成されている。主脱塩室150には、被処理水流入ライン156と、被処理水流出ライン157とが接続され、被処理水流出ライン157は、図示されない配管により、被処理水流入ライン158と接続されている。
主脱塩室155は、陰極112側から順にカチオン交換膜152と、枠体151と、アニオン交換膜154とが配置され、枠体151の開口部にイオン交換体が充填されて、形成されている。主脱塩室155には、被処理水流入ライン158と、脱イオン水流出ライン159とが接続されている。
濃縮室160は、主脱塩室150、155の両側に、枠体161が配置され形成されている。濃縮室160には、濃縮水流入ライン162と濃縮水流出ライン164とが接続されている。
陰極112は、陰極として機能を発揮するものであれば特に限定されず、例えば、板状のステンレスや網状のステンレスを挙げることができる。
陽極122は、陽極として機能を発揮するものであれば特に限定されないが、被処理水中にClが存在する場合には、陽極には塩素発生が起きるため、耐塩素性能を有するものが好ましい。例えば、白金、パラジウム、イリジウム等の貴金属、あるいは前記貴金属をチタン等に被覆した網状あるいは板状の電極を挙げることができる。
陰極側仕切り膜114は、アニオン交換膜である。イオン交換膜としては、大別すると、原料モノマー液を補強体に含浸させた後に重合させ、全体を均質に形成した均質膜と、イオン交換樹脂を溶解成型可能なポリオレフィン系樹脂と共に粉砕成型した不均質膜の2種類がある。本実施形態における陰極側仕切り膜114のアニオン交換膜は特に限定されず、EDIの製造の簡便さや、被処理水の水質、脱イオン水に求める水質、処理量等に応じていずれのアニオン交換膜を選択することができる。
陰極室110に充填されるイオン交換体は特に限定されず、イオン交換機能を有するものであれば良い。例えば、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、モノリス状多孔質イオン交換体等を挙げることができる。この内、最も汎用的である、イオン交換樹脂が好ましい。イオン交換樹脂としては、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂が挙げられる。前記アニオン交換樹脂としては強塩基性アニオン交換樹脂、弱塩基性アニオン交換樹脂が挙げられ、例えば、市販品としてローム・アンド・ハース社製のアンバーライト(商品名)を挙げることができる。前記カチオン交換樹脂としては、強酸性カチオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂が挙げられ、例えば、市販品としてローム・アンド・ハース社製のアンバーライト(商品名)を挙げることができる。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、イオン交換体の充填形態は特に限定されないが、アニオン交換体単床形態、カチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態等のいずれも用いることができる。このうち、アニオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、アニオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。陰極室110では、陰極112の電極反応により生成したOHの、副脱塩室130への移動を円滑にするためである。
陽極側仕切り膜124は特に限定されず、カチオン交換膜またはアニオン交換膜のいずれを用いても良い。また、陽極側仕切り膜124は、均質膜、不均質膜のいずれを選択することもできる。
陽極室120に充填するイオン交換体は特に限定されず、上述した陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
また、陽極室120のイオン交換体の充填形態は、上述した陰極室110の充填形態と同様に特に限定されず、アニオン交換体単床形態、カチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態等のいずれも用いることができる。
枠体111、121は、絶縁性を有し、電極水が漏洩しない素材であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリカーボネート、ノリル等の樹脂製の枠体を挙げることができる。
枠体111、121の厚さは特に限定されることなく、所望する陰極室110、陽極室120の厚さに応じて設定することができる。
また、枠体111、121の開口部の面積が大きい場合には、枠体111、121のくりぬかれた空間に支持体を設けても良い。支持体を設けることで、陰極側仕切り膜114、陽極側仕切り膜124が湾曲して、イオン交換体の充填量が不均一になることを防止できるためである。前記支持体は、絶縁性を有し、被処理水の流通を妨げない素材であれば特に限定されず、例えば、スリットが設けられた、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリカーボネート、ノリル等の樹脂製の支持体を挙げることができる。
陰極室110の厚さは特に限定されず、両電極間に印加する電圧等を考慮して決定することができ、例えば、0.3〜10mmの範囲で選択することが好ましい。陽極室121の厚さも、陰極室110の厚さと同様である。
副脱塩室130のアニオン交換膜132は特に限定されず、均質膜、不均質膜のいずれも用いることができる。
副脱塩室130に充填するイオン交換体は特に限定されず、陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
副脱塩室130のイオン交換体の充填形態は特に限定されないが、アニオン交換体を含むことが好ましく、より好ましくはアニオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、アニオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。陰極室110側の副脱塩室130では、主に被処理水中のCl、HCO 等のアニオン成分を除去し、陰極室110から移動してくる豊富なOHをアニオン交換体の再生に利用できるためである。
枠体131は枠体111と同様のものを用いることができる。また、枠体131の厚さは特に限定されず、所望する副脱塩室130の厚さに応じて設定することができる。
副脱塩室130の厚さは特に限定されず、被処理水や脱イオン水の水質、処理量等を勘案して決定することができ、例えば、4〜50mmの範囲とすることが好ましい。副脱塩室130の厚さが薄すぎると、通水差圧が高くなり、副脱塩室130の破損等を招き好ましくない。副脱塩室130の厚さが厚すぎると、流れ方にムラが生じ、電流効率が低くなるおそれがあるためである。
主脱塩室150、155を形成するカチオン交換膜152、アニオン交換膜154は特に限定されず、均質膜、不均質膜のいずれを用いることもできる。
主脱塩室150、155に充填するイオン交換体は特に限定されず、陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
主脱塩室150のイオン交換体の充填形態は特に限定されず、アニオン交換体またはカチオン交換体の単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態のいずれの形態も用いることができる。また、主脱塩室155のイオン交換体の充填形態は、主脱塩室150と同様である。なお、主脱塩室150、155のイオン交換体の種類、充填形態は、同じであっても良いし、異なっていても良い。
枠体151は、枠体111と同様のものを用いることができる。枠体151の厚さは特に限定されず、所望する主脱塩室150、155の厚さに応じて決定することができる。
主脱塩室150、155の厚さは特に限定されず、イオン交換体の種類と充填形態とによって、適切な厚さを決定することが好ましい。例えば、主脱塩室150、155の厚さは、4〜100mmの範囲で決定することが好ましく、8〜60mmの範囲で適宜決定することが好適である。なお、主脱塩室150、155の厚さは同じであっても良いし、異なっていても良い。
濃縮室160の枠体161は、枠体111と同様のものを用いることができる。枠体161の厚さは特に限定されず、所望する濃縮室の厚さに応じて決定することができる。
濃縮室160は、濃縮水が流通できれば特に限定されず、メッシュを配置しても良いし、イオン交換体を充填しても良い。電気抵抗を少なくする観点からは、イオン交換体が充填されていることが好ましい。
濃縮室160にイオン交換体を充填する場合、充填するイオン交換体は特に限定されず、陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
濃縮室160におけるイオン交換体の充填形態は特に限定されず、被処理水の水質等を勘案して決定することができ、アニオン交換体単床形態、カチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態等のいずれも用いることができる。例えば、濃縮室160のアニオン交換膜154面でのスケール生成防止の観点から、アニオン交換体が単床形態で充填されていても良い。アニオン交換膜154に接するアニオン交換体層を有することにより、主脱塩室150、155から濃縮室160へのアニオン成分の移動が促進され、濃縮室160側のアニオン交換膜154面にアニオン成分が高濃度にて存在して、濃度分極が生じるのを抑制できるためである。
本実施形態における脱イオン水の製造方法について、陰極室110、副脱塩室130、主脱塩室155には、アニオン交換体を単床形態で充填し、陽極室120、主脱塩室150には、カチオン交換体を単床形態で充填した場合を例にして説明する。
まず、電極水流入ライン116から陰極室110に電極水を流入させ、電極水流入ライン126から陽極室120に電極水を流入させる。濃縮水流入ライン162から濃縮室160に濃縮水を流入させる。そして、陰極112と陽極122との間に、直流電圧を印加する。直流電圧を印加すると、陰極室110では、陰極112の電極反応により、下記(1)式に示す、電極近傍にある水の電解反応が生じ、HとOHとが生成される。生成したHは、電極水に取り込まれて電極水流出ライン118へ排出される。一方、生成したOHは、対極である陽極122側に引き寄せられ、陰極室110に充填されたアニオン交換体内を移動し、アニオン交換膜である陰極側仕切り膜114を透過して、副脱塩室130に移動する。
2HO+2e→H+2OH ・・・(1)
次いで、被処理水流入ライン134から、副脱塩室130に被処理水を流入させる。流入した被処理水は、副脱塩室130のアニオン交換体中を拡散しながら流通し、被処理水流出ライン136から流出する。この間、主に被処理水中のCl、HCO 等のアニオン成分が、アニオン交換体に吸着して、被処理水から除去される。
ここで、Cl、HCO 等のアニオン成分を吸着したアニオン交換体は、陰極室110から移動してきたOHで再生される。脱着した該アニオン成分は、陽極122側に引き寄せられ、アニオン交換膜132を透過して、濃縮室160に移動する。濃縮室160に移動したアニオン成分は、濃縮水に取り込まれて、濃縮水流出ライン164より排出される。また、一般的に、EDIの被処理水に使用する原水には炭酸ガスが溶解し、弱酸(pH5.5〜6.0程度)になっているが、陰極室110から副脱塩室130に移動してきたOHにより、副脱塩室130内の被処理水のpHは、中性付近に調整される。
副脱塩室130で処理された被処理水は、被処理水流出ライン136から、図示されない配管を経由して、被処理水流入ライン156を流通し、主脱塩室150に流入する。主脱塩室150に流入した被処理水は、主脱塩室150内のカチオン交換体中を拡散しながら流通し、被処理水流出ライン157から流出する。この間、主に被処理水中のNa、Ca2+等のカチオン成分が、カチオン交換体に吸着される。ここで、被処理水のpHは中性付近に保たれており、競合イオンであるH濃度が副脱塩室130に流入する前の被処理水より低くなっている。このため、電流効率が高くなり、被処理水中のカチオン成分の除去が良好に行われる。
この段階で、被処理水中に含まれていたイオン成分は、概ね除去される。しかし、副脱塩室130で除去されたアニオン成分の中でも、炭酸イオンは、濃縮室160内で高濃度に濃縮されることで、カチオン交換膜152を透過して、主脱塩室150に逆移動してくることがある。このため、再度のアニオン成分除去を主脱塩室155にて行う。主脱塩室150で処理された被処理水は、被処理水流出ライン157から、図示されない配管を経由して、被処理水流入ライン158を流通し、主脱塩室155に流入する。主脱塩室155に流入した被処理水は、アニオン交換体中を拡散しながら流通する。こうして、被処理水は、Na、Ca2+等のカチオン成分とCl、HCO 等のアニオン成分との両イオン成分が、高度に除去された脱イオン水となって、脱イオン水流出ライン159から流出する。
被処理水は特に限定されることはないが、工業用水や井水の濁質成分を除濁膜にて除去した水を、逆浸透(RO)膜にて処理した水等が挙げられる。
副脱塩室130内における被処理水の通水量は特に限定されることはなく、EDI100の能力や被処理水の水質等を勘案して決定することができる。ここで、通水量は空間速度(SV)で表すことができ、SVが大きすぎると、イオン除去性能が低下したり、SVの上昇と共に発生する通水速度(LV)の上昇によって差圧が高くなり、副脱塩室130の破損を招いたり、運転上の困難を起こしたりするので好ましくない。ここで、LVとは、単位面積当たりの流量で、m/hで表される線速度である(以降において同じ)。一方、SVが小さすぎると、脱イオン水の生産量が低くなり、好ましくない。
なお、副脱塩室130内における被処理水のSVは、主脱塩室150、155のSVよりも高くすることができる。副脱塩室130では、アニオン交換体の再生が良好に行われるため、主脱塩室150、155における被処理水より高いSVとしても、良好にアニオン成分を除去できるためである。
主脱塩室150における被処理水の通水量は特に限定されることなく、EDI100の能力や被処理水の水質等を勘案して決定することができる。主脱塩室150において、被処理水のSVが大きすぎると、イオン除去性能が低下したり、SVの上昇と共に発生するLVの上昇によって差圧が高くなり、主脱塩室150の破損を招いたり、運転上の困難を起こしたりするので好ましくない。一方、SVが小さすぎると、脱イオン水の生産量が低くなり、好ましくない。
主脱塩室155における被処理水の通水量は、主脱塩室150における通水量と同様である。
濃縮室160内における、濃縮水の流量は特に限定されることはなく、EDI100の能力や、被処理水の水質や処理量を勘案して決定することができる。濃縮水は、濃縮室160に移動してきたイオンを濃縮水内に拡散して、EDI100外へ流出させるという目的を有する。このことから、濃縮水の流量は、被処理水の通水量や、被処理水のイオン濃度、脱イオン水の生産量との関係で決定することが好ましく、例えば、下記(2)式で表される濃縮倍率が3〜20となるように、濃縮水の流量を決定することが好ましい。なお、下記(2)式による濃縮倍率は、被処理水と濃縮水に同一の原水を用いて、かつ主脱塩室150中のイオンが全て濃縮室160に移行すると仮定し定義付けられる。
Figure 2009297670
濃縮水の流量が少なすぎると、濃縮室160に移行したイオンの濃度拡散にむらが生じ、イオン交換膜面の濃度分極層が厚くなり、スケール生成のおそれがある。一方、濃縮水の流量が多すぎると、脱イオン水の回収率が低下するため好ましくないためである。
濃縮水は、特に限定されることはなく、被処理水と同じ水源の水を濃縮水として使用しても良いし、脱イオン水や純水等を使用しても良い。
陰極室110における電極水は特に限定されることはなく、被処理水と同じ水源の水を電極水としても良いし、副脱塩室130、もしくは、主脱塩室150、もしくは、主脱塩室155で処理された水、または、比抵抗値0.2〜18.2MΩ・cmの水を電極水としても良い。中でも、副脱塩室130、もしくは、主脱塩室150、もしくは、主脱塩室155を流通して処理された水、または、比抵抗値0.2〜18.2MΩ・cmの水であることが好ましい。このような、カチオン成分やアニオン成分等の不純物が少ない水を用いることで、水の電気分解を優先的に進行させ、陰極112の表面に析出物が生じることを防止し、電流効率の維持を図ることができる。陽極室120における電極水は、陰極室110における電極水と同様である。
印加する電流は特に限定されることはなく、被処理水の水質や、EDI100の規模等を勘案して決定することが好ましい。
陰極室110、陽極室120における電極水の流量は特に限定されず、印加電圧等に応じて決定することが好ましい。電極水の流量が少なすぎると、発生したH、O、Clガスを充分に排出することが困難となり、電極水の流量が多すぎると、回収率が低下するため、好ましくない。
本実施形態のEDI100では、副脱塩室130に充填されたイオン交換体の再生に必要なOHが、陰極室110から供給されるため、副脱塩室130に充填するイオン交換体を単床形態としても、イオン交換体の再生が良好に行われる。そして、単床形態とすることで、イオンの移動がより円滑となり、EDI100の運転電圧をさらに低減することができる。
また、再生効率の高い副脱塩室130で被処理水を処理することで、被処理水中のアニオン成分を良好に除去することができる。加えて、被処理水が酸性の場合、副脱塩室130でpH調整が行われた被処理水を主脱塩室150で処理するため、主脱塩室150では、カチオン成分を良好に除去することができる。さらに、主脱塩室155で処理することで、アニオン成分とカチオン成分の両イオン成分が高度に除去された、比抵抗の高い、良好な水質の脱イオン水を製造できる。
(第2の実施形態)
本発明のEDIの第2の実施形態について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態のEDI200の断面図である。図3に示すとおり、EDI200は、陰極室110と陽極室120との間に、主脱塩室250が濃縮室160に挟持されて配置され、陰極室110と陰極側仕切り膜114を介して隣接する副脱塩室230が設けられている。そして、EDI200は、副脱塩室230で処理した被処理水を分配し、複数の主脱塩室250に流通させるものである。
副脱塩室230は、第1の実施形態における、副脱塩室130と同様である。副脱塩室230には、被処理水流入ライン234と、被処理水流出ライン236とが接続されている。被処理水流出ライン236は、図示されない配管により、被処理水流入ライン252と接続されている。そして、被処理水流出ライン236と、図示されない配管と、被処理水流入ライン252とにより「副脱塩室を流通した被処理水を主脱塩室に流通させる手段」が構成されている。
主脱塩室250は、第1の実施形態における、主脱塩室150、155と同様である。主脱塩室250には、脱イオン水流出ライン258が接続されている。被処理水流入ライン252は、複数の分岐ライン254を有し、前記分岐ライン254が、それぞれ、主脱塩室250と接続されている。
本実施形態における脱イオン水の製造方法について、陰極室110、副脱塩室230にはアニオン交換体を単床形態で充填し、陽極室120、主脱塩室250には、カチオン交換体を単床形態で充填した場合を例にして説明する。
被処理水流入ライン234から、副脱塩室230に被処理水を流入させる。流入した被処理水は、副脱塩室230内のアニオン交換体内を拡散しながら流通し、被処理水流出ライン236から流出する。この間、主に被処理水中のCl、HCO 等のアニオン成分が、アニオン交換体に吸着され、被処理水から除去される。そして、アニオン交換体に吸着されたCl、HCO 等のアニオン成分は、陰極室110から移動してきたOHにより交換され、アニオン交換体から脱着する。脱着したアニオン成分は、アニオン交換体への吸着と、OHによる再生とを繰り返し、陽極122側に引き寄せられ、アニオン交換膜132を透過して、濃縮室160に移動する。濃縮室160に移動したアニオン成分は、濃縮水に取り込まれて、濃縮水流出ライン164より排出される。
副脱塩室230で処理され、pH調整された被処理水は、被処理水流出ライン236から、図示されない配管を経由して被処理水流入ライン252を流通し、分岐ライン254に分配されて、主脱塩室250に流入する。主脱塩室250に流入した被処理水は、カチオン交換体中を拡散しながら流通し、脱イオン水となって脱イオン水流出ライン258から流出する。この間、主に被処理水中のNa、Ca2+等のカチオン成分が、カチオン交換体に吸着される。ここで、被処理水中のカチオン成分の除去が進んでも、競合イオンとなるH濃度は、副脱塩室230に流入する前の被処理水よりも低くなる。このため、電流効率が高くなり、被処理水中のカチオン成分の除去が良好に行われる。
副脱塩室230における被処理水の通水量は、SVが大きすぎると、イオン除去性能が低下したり、副脱塩室230の破損を招いたり、運転上の困難を起こしたりするので好ましくない。一方、SVが小さすぎると、主脱塩室250への流量分配が適切に行われず、脱塩処理が充分な主脱塩室250と、脱塩処理が不充分な主脱塩室250とが生じると共に、各主脱塩室250間における流れが不均一となり、EDI200全体としての性能に悪影響を与える場合がある。
主脱塩室250における被処理水の通水量は、第1の実施形態の主脱塩室150、155における被処理水の通水量と同様である。
本実施形態によれば、複数の脱塩室に直列的に被処理水を流通させる多段処理を行う場合に、再生効率が高い副脱塩室230のみで、複数の主脱塩室250に流通させる被処理水を賄うことができる。従来型のEDI、例えば、2つの主脱塩室に順に通水して行う多段処理を行うのに比べ、一段目の脱塩処理を副脱塩室230に集約できるため、濃縮室と主脱塩室との数を少なくできる。このため、陰極112と陽極122との距離を近くし、運転電圧を低くすることができ、省エネルギーにて脱イオン水の製造を行うことができる。
(第3の実施形態)
本発明のEDIの第3の実施形態について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態のEDI300の断面図である。図4に示すとおり、EDI300は、陰極室110と陽極室120との間に、主脱塩室350が濃縮室160に挟持されて配置され、陰極室110と陰極側仕切り膜114を介して隣接する副脱塩室330が設けられている。
副脱塩室330は、第1の実施形態における、副脱塩室130と同様である。副脱塩室330には、被処理水流入ライン334と、被処理水流出ライン336とが接続されている。被処理水流出ライン336は、図示されない配管により、被処理水流入ライン360と接続されている。そして、被処理水流出ライン336と、図示されない配管と、被処理水流入ライン360とにより「副脱塩室を流通した被処理水を主脱塩室に流通させる手段」が構成されている。
主脱塩室350は、小脱塩室352と小脱塩室354とで構成されている。小脱塩室352は、陰極112側から順に、カチオン交換膜152と、枠体353と、中間イオン交換膜356とが配置され、枠体353の開口部にイオン交換体が充填されて、形成されている。小脱塩室354は、陰極112側から順に、中間イオン交換膜356と、枠体355と、アニオン交換膜154とが配置され、枠体355の開口部にイオン交換体が充填されて形成されている。そして、小脱塩室352と小脱塩室354とは、中間イオン交換膜356を介して隣接している。
被処理水流入ライン360は、複数の分岐ライン362を有し、前記分岐ライン362が、それぞれ、小脱塩室352と接続されている。小脱塩室352には、被処理水流出ライン364が接続され、被処理水流出ライン364は、図示されない配管により、被処理水流入ライン365と接続されている。小脱塩室354には、被処理水流入ライン365と、脱イオン水流出ライン368とが接続されている。
中間イオン交換膜356は、限定されず、被処理水の水質や、脱イオン水に求める水質に応じて選択することが好ましい。中間イオン交換膜356としては、アニオン交換膜、もしくはカチオン交換膜の単一膜、または、アニオン交換膜とカチオン交換膜との両方を配置した複合膜のいずれであっても良い。複合膜とは、イオン交換膜が極性の異なる領域を有するものをいう。例えば、モザイク膜やバイポーラ膜等が挙げられる。複合膜における、アニオン交換膜とカチオン交換膜との比率は、被処理水の水質や処理目的等によって、適宜決定することができる。
小脱塩室352、354に充填するイオン交換体は、陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
小脱塩室352に充填するイオン交換体の充填形態は特に限定されないが、カチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、カチオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。陰極112側の小脱塩室352では、主にカチオン成分を除去するためである。
小脱塩室354に充填するイオン交換体の充填形態は特に限定されないが、アニオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、アニオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。陽極122側の小脱塩室354では、主にアニオン成分を除去するためである。
なお、小脱塩室352、354に充填するイオン交換体の種類、充填形態は同じであっても良いし、異なっていても良い。
枠体353、355は、枠体111と同様のものを用いることができる。枠体353、355の厚さは特に限定されず、所望する小脱塩室352、354の厚さに応じて決定することができる。
小脱塩室352の厚さは、被処理水や脱イオン水の水質、処理量を勘案して決定する事が好ましく、例えば、3〜50mmの範囲で決定することが好ましい。小脱塩室354の厚さは、小脱塩室352の厚さと同様である。なお、小脱塩室352、354の厚さは同じとしても良いし、異なる厚さとしても良い。
本実施形態における脱イオン水の製造方法について、陰極室110、副脱塩室330、小脱塩室354は、アニオン交換体の単床形態とし、小脱塩室352、陽極室120は、カチオン交換体の単床形態とした場合を例として説明する。
被処理水流入ライン334から、被処理水を副脱塩室330に流入させる。流入した被処理水は、副脱塩室330内のアニオン交換体中を拡散しながら流通し、被処理水流出ライン336から流出する。この間、主に被処理水中のCl、HCO 等のアニオン成分が、アニオン交換体に吸着して、被処理水から除去される。一方で、副脱塩室330内のアニオン交換体に吸着されたCl、HCO 等のアニオン成分は、陰極室110から移動してきたOHにより交換され、アニオン交換体から脱着する。そして、脱着したアニオン成分は、陽極122側に引き寄せられ、アニオン交換膜132を透過して、濃縮室160に移動する。濃縮室160に移動したアニオン成分は、濃縮水に取り込まれて、濃縮水流出ライン164より排出される。加えて、陰極室110から副脱塩室330に移動してくる豊富なOHにより、副脱塩室330内の被処理水のpHは、中性付近となる。
副脱塩室330で処理され、pH調整された被処理水は、被処理水流出ライン336から、図示されない配管を経由して被処理水流入ライン360を流通し、分岐ライン362に分配されて、小脱塩室352に流入する。小脱塩室352に流入した被処理水は、カチオン交換体中を拡散しながら流通し、被処理水流出ライン364から流出する。この間、主に被処理水中のNa、Ca2+等のカチオン成分が、カチオン交換体に吸着される。ここで、小脱塩室352に流入した被処理水のpHは中性付近であるため、Na、Ca2+等のカチオン成分の競合イオンであるH濃度が低い。このため、被処理水中のカチオン成分に対する電流効率が高くなり、カチオン成分の除去が良好に行われる。なお、被処理水は、小脱塩室352を流通する間に、カチオン成分が除去されるにつれ、競合イオンであるHが放出され、pHが酸性側に傾く。
小脱塩室352を流通した被処理水は、被処理水流出ライン364から、図示されない配管を経由して被処理水流入ライン365を流通し、小脱塩室354に流入する。小脱塩室354に流入した被処理水は、アニオン交換体中を拡散しながら流通し、脱イオン水となって、脱イオン水流出ライン368から流出する。この間、主に被処理水中のCl、HCO 等のアニオン成分が、アニオン交換体に吸着される。ここで、被処理水は、pHが酸性側に傾いた状態、即ち、Cl、HCO 等のアニオン成分の競合イオンであるOH濃度が低い状態で小脱塩室354に流入する。このため、アニオン成分に対する電流効率が高く、アニオン成分の除去が良好に行われる。こうして、Cl、HCO 等のアニオン成分とNa、Ca2+等のカチオン成分との両成分が除去された脱イオン水を得ることができる。
副脱塩室330における被処理水の通水量は、第2の実施形態の副脱塩室230における被処理水の通水量と同様である。
小脱塩室352、354における被処理水の通水量は、第1の実施形態の主脱塩室150、155における被処理水の通水量と同様である。
本実施形態によれば、主脱塩室350は、中間イオン交換膜356で区画された小脱塩室352、354を有する。このため、濃縮室160を増やすことなく、被処理水の多段処理を行うことができる。この結果、多段処理を行うに際し、陰極112と陽極122との距離を短くすることができ、運転電圧を下げることができる。また、例えば、上述のように、小脱塩室352はカチオン交換体の単床形態、小脱塩室354はアニオン交換体の単床形態とした場合には、各小脱塩室中のイオン交換体同士の異種イオン界面が存在しなくなるため、電気抵抗を低く抑えることができ、さらに低い運転電圧とすることができる。
(第4の実施形態)
本発明のEDIの第4の実施形態について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態のEDI400の断面図である。図5に示すとおり、EDI400は、陰極室410と陽極室420との間に、主脱塩室450が濃縮室160に挟持されて配置され、陽極室420と陽極側仕切り膜424を介して隣接する副脱塩室440が設けられている。そして、主脱塩室450を流通した被処理水を合流させ、副脱塩室440に流通させるものである。
陰極室410は、陰極112と、枠体111と、陰極側仕切り膜414とが順に配置され、枠体111の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。陰極室410には、電極水流入ライン116と、電極水流出ライン118とが接続されている。
陽極室420は、陽極122と、枠体121と、陽極側仕切り膜424とが順に配置され、枠体121の開口部にイオン交換体が充填され、形成されている。陽極室420には、電極水流入ライン126と、電極水流出ライン128とが接続されている。
主脱塩室450は、陰極112側から順に、カチオン交換膜152と枠体151とアニオン交換膜154とが配置され、枠体151の開口部にイオン交換体が充填されて、形成されている。主脱塩室450には、被処理水流入ライン452と、被処理水流出ライン456とが接続されている。被処理水流出ライン456は、図示されない配管により、被処理水流入ライン444と接続されている。そして、被処理水流出ライン456と、図示されない配管と、被処理水流入ライン444とで「主脱塩室を流通した被処理水を副脱塩室に流通させる手段」が構成されている。
副脱塩室440は、陰極112側から順に、カチオン交換膜442と、枠体441と、カチオン交換膜である陽極側仕切り膜424とが配置され、枠体441の開口部にイオン交換体が充填されて、形成されている。副脱塩室440には、被処理水流入ライン444と、脱イオン水流出ライン446とが接続されている。
陰極側仕切り膜414はイオン交換膜であれば特に限定されず、カチオン交換膜またはアニオン交換膜のいずれを用いても良い。また、陰極側仕切り膜414は、均質膜、不均質膜のいずれを選択することができる。
陰極室410に充填するイオン交換体は特に限定されず、上述した陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
また、イオン交換体の充填形態は特に限定されないが、アニオン交換体単床形態、カチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態等のいずれも用いることができる。
陽極側仕切り膜424はカチオン交換膜であれば特に限定されず、均質膜、不均質膜のいずれを選択することもできる。
陽極室420に充填するイオン交換体は特に限定されず、上述した陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
また、陽極室420のイオン交換体の充填形態は特に限定されないが、カチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、カチオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。陽極室420では、陽極122の電極反応により生成したHの、副脱塩室440への移動を円滑にするためである。
副脱塩室440を形成するカチオン交換膜442としては、均質膜、不均質膜のいずれも用いることができる。
副脱塩室440に充填するイオン交換体は、陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
また、副脱塩室440のイオン交換体の充填形態は特に限定されないが、カチオン交換体を含むことが好ましく、より好ましくはカチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、カチオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。陽極室420側の副脱塩室440では、主に被処理水中のNa、Ca2+等のカチオン成分を除去し、陽極室420から移動してくる豊富なHをカチオン交換体の再生に利用できるためである。
枠体441は、枠体111と同様のものを用いることができる。枠体441の厚さは特に限定されず、副脱塩室440の厚さに応じて決定することができる。
副脱塩室440の厚さは特に限定されず、被処理水や脱イオン水の水質、処理量等を勘案して決定することができ、例えば、4〜50mmの範囲とすることが好ましい。副脱塩室440の厚さが薄すぎると、通水差圧が高くなり、副脱塩室440の破損等を招き好ましくない。副脱塩室40の厚さが厚すぎると、流れ方にムラが生じ、電流効率が低くなるおそれがあるためである。
本実施形態における脱イオン水の製造方法について、陰極室410、主脱塩室450には、アニオン交換体を単床形態で充填し、陽極室420、副脱塩室440には、カチオン交換体を単床形態で充填した場合を例にして説明する。
まず、電極水流入ライン116から陰極室410に電極水を流入させ、電極水流入ライン126から陽極室420に電極水を流入させる。濃縮水流入ライン162から濃縮室160に濃縮水を流入させる。そして、陰極112と陽極122との間に、直流電圧を印加する。直流電圧を印加すると、陽極室420では、陽極122の電極反応により、下記(3)式に示す、電極近傍にある水の電解反応が生じ、OとHとが生成される。生成したOは、電極水に取り込まれて電極水流出ライン128へ排出される。一方、生成したHは、対極である陰極112側に引き寄せられ、陽極室420に充填されたカチオン交換体内を移動し、カチオン交換膜である陽極側仕切り膜424を透過して、副脱塩室440に移動する。
2HO→O+4H+4e ・・・(3)
次いで、被処理水流入ライン452から、被処理水を主脱塩室450に流入させる。流入した被処理水は、主脱塩室450内のアニオン交換体中を拡散しながら流通し、被処理水流出ライン456から流出する。この間、主に被処理水中のCl、HCO 等のアニオン成分が、アニオン交換体に吸着して、被処理水から除去される。そして、アニオン交換体に吸着されたCl、HCO 等のアニオン成分は、陽極122側に引き寄せられ、アニオン交換膜154を透過して、濃縮室160に移動する。濃縮室160に移動したアニオン成分は、濃縮水に取り込まれて、濃縮水流出ライン164より排出される。
各主脱塩室450を流通し、処理された被処理水は、被処理水流出ライン456で合流し、図示されない配管を経由し、被処理水流入ライン444を流通し、副脱塩室440に流入する。流入した被処理水は、副脱塩室440内のカチオン交換体中を拡散しながら流通し、脱イオン水となって、脱イオン水流出ライン446から流出する。この間、主に被処理水中のNa、Ca2+等のカチオン成分が、カチオン交換体に吸着され、被処理水から除去される。そして、カチオン交換体に吸着されたNa、Ca2+等のカチオン成分は、陽極室420から移動してきたHで交換され、カチオン交換体から脱着する。脱着したカチオン成分は、陰極112側に引き寄せられ、カチオン交換膜442を透過して、濃縮室160に移動する。濃縮室160に移動したカチオン成分は、濃縮水に取り込まれて、濃縮水流出ライン164より排出される。こうして、Cl、HCO 等のアニオン成分とNa、Ca2+等のカチオン成分との両成分が除去された脱イオン水を得ることができる。
被処理水は特に限定されることはないが、工業用水や井水の濁質成分を除濁膜にて除去した水を、逆浸透(RO)膜にて処理した水等が挙げられる。
副脱塩室440内における被処理水の通水量は特に限定されることはなく、EDI400の能力や被処理水の水質、副脱塩室440の強度、主脱塩室450の処理能力等を勘案して決定することができる。主脱塩室450での、被処理水の通水量は、SVが高すぎると、イオン除去性能が低下したり、SVの上昇と共に発生するLVの上昇によって差圧が高くなり、副脱塩室440の破損を招いたり、運転上の困難を起こしたりするので好ましくない。
なお、副脱塩室440内における被処理水のSVは、主脱塩室450のSVよりも高くすることができる。副脱塩室440では、カチオン交換体の再生が良好に行われるため、主脱塩室450における被処理水のSVより高くしても、カチオン成分を除去できるためである。
主脱塩室450における被処理水の通水量は特に限定されず、被処理水や脱イオン水の水質、処理量を勘案して決定することができ、第1の実施形態の主脱塩室150における通水量と同様である。
陽極室420における電極水は、特に限定されることはなく、被処理水と同じ水源の水を電極水としても良いし、主脱塩室450で処理された水、もしくは、副脱塩室440で処理された水、または、比抵抗値0.2〜18.2MΩ・cmの水を電極水としても良い。中でも、主脱塩室450、もしくは、副脱塩室440を流通して処理された水、または、比抵抗値0.2〜18.2MΩ・cmの水であることが好ましい。このような、カチオン成分やアニオン成分等の不純物が少ない水を用いることで、陽極122の表面に析出物が生じることを防止し、電流効率の維持を図ることができる。陰極室410における電極水は、陽極室420における電極水と同様である。
本実施形態によれば、副脱塩室440は、カチオン交換体の再生効率が高いため、多段処理を行う場合、前段処理を行う複数の主脱塩室450に対し、後段の処理を1つの副脱塩室440で賄うことができる。この結果、前段の処理を行う主脱塩室に応じた数の後段の主脱塩室を設ける必要がなく、前記後段の主脱塩室とこれに対応した濃縮室を設置しない分だけ、陰極112と陽極122との距離が短くなり、運転電圧を下げることができる。
(第5の実施形態)
本発明のEDIの第5の実施形態について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態のEDI500の断面図である。図6に示すとおり、EDI500は、陰極室110と陽極室420との間に、主脱塩室550が濃縮室160に挟持されて配置されている。陰極室110と、陰極側仕切り膜114を介して隣接する副脱塩室530が設けられ、陽極室420と、陽極側仕切り膜424を介して隣接する副脱塩室540が設けられている。そして、EDI500は、副脱塩室530を流通させた被処理水を分配し、複数の主脱塩室550に流通させ、主脱塩室550を流通させた被処理水を合流させ、副脱塩室540に流通させるものである。
副脱塩室530は、陰極112側から順にアニオン交換膜である陰極側仕切り膜114と、枠体131と、アニオン交換膜132とが配置され、枠体131の開口部にイオン交換体が充填されて、形成されている。副脱塩室530には、被処理水流入ライン532と、被処理水流出ライン534とが接続され、被処理水流出ライン534は、図示されない配管により被処理水流入ライン560と接続されている。そして、被処理水流出ライン534と、図示されない配管と、被処理水流入ライン560とで、「副脱塩室を流通した被処理水を主脱塩室に流通させる手段」が構成されている。
主脱塩室550は、小脱塩室552と小脱塩室554とで構成されている。小脱塩室552は、陰極112側から順に、カチオン交換膜152と、枠体353と、中間イオン交換膜356とが配置され、枠体353の開口部にイオン交換体が充填されて、形成されている。小脱塩室554は、陰極112側から順に、中間イオン交換膜356と、枠体355と、アニオン交換膜154とが配置され、枠体355の開口部にイオン交換体が充填されて形成されている。そして、小脱塩室552と小脱塩室554とは、中間イオン交換膜356を介して隣接している。
被処理水流入ライン560は、複数の分岐ライン562を有し、前記分岐ライン562が、それぞれ、小脱塩室552と接続されている。小脱塩室552には、被処理水流出ライン564が接続され、被処理水流出ライン564は、図示されない配管により、被処理水流入ライン565と接続されている。小脱塩室554には、被処理水流入ライン565と、被処理水流出ライン568とが接続されている。被処理水流出ライン568は、図示されない配管により、被処理水流入ライン544と接続されている。そして、被処理水流出ライン568と、図示されない配管と、被処理水流入ライン544とにより、「主脱塩室を流通した被処理水を副脱塩室に流通させる手段」が構成されている。
副脱塩室540は、陰極112側から順にカチオン交換膜442と、枠体441と、カチオン交換膜である陽極側仕切り膜424とが配置され、枠体441の開口部にイオン交換体が充填されて、形成されている。副脱塩室540には、被処理水流入ライン544と、脱イオン水流出ライン546とが接続されている。
副脱塩室530に充填するイオン交換体は、陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
副脱塩室530のイオン交換体の充填形態は特に限定されないが、アニオン交換体を含むことが好ましく、より好ましくはアニオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、アニオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。陰極室110側の副脱塩室530では、主に被処理水中のCl、HCO 等のアニオン成分を除去し、陰極室110から移動してくる豊富なOHをアニオン交換体の再生に利用できるためである。
副脱塩室540に充填するイオン交換体は、陰極室110に充填するイオン交換体と同様のものを用いることができる。
副脱塩室540のイオン交換体の充填形態は特に限定されないが、カチオン交換体を含むことが好ましく、より好ましくはカチオン交換体単床形態、または、アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、もしくは、複床形態とすることが好ましい。アニオン交換体とカチオン交換体との混床形態、または、複床形態とする場合には、カチオン交換体を50体積%以上100体積%未満とすることが好ましい。陽極室420側の副脱塩室540では、主に被処理水中のNa、Ca2+等のカチオン成分を除去し、陽極室420から移動してくる豊富なHをカチオン交換体の再生に利用できるためである。
副脱塩室530、540の厚さは特に限定されず、被処理水や脱イオン水の水質、処理量、主脱塩室550の処理能力等を勘案して決定することが好ましい。
小脱塩室552の厚さは、被処理水や脱イオン水の水質、処理量を勘案して決定する事が好ましく、例えば、3〜50mmの範囲で決定することが好ましい。小脱塩室554の厚さは、小脱塩室552の厚さと同様である。なお、小脱塩室552、554の厚さは同じとしても良いし、異なる厚さとしても良い。
本実施形態における脱イオン水の製造方法について、陰極室110、副脱塩室530、小脱塩室554には、アニオン交換体を単床形態で充填し、陽極室420、副脱塩室540、小脱塩室552には、カチオン交換体を単床形態で充填した場合を例にして説明する。
被処理水流入ライン532から、被処理水を副脱塩室530に流入させる。流入した被処理水は、副脱塩室530内のアニオン交換体中を拡散しながら流通し、被処理水流出ライン534から流出する。この間、被処理水中のCl、HCO 等のアニオン成分が、アニオン交換体に吸着されて除去される。該アニオン交換体は、陰極室110から副脱塩室530に移動してきたOHを利用して、再生される。また、陰極室110から移動してきたOHにより、被処理水のpHがアルカリ性側に傾く調整がされる。
副脱塩室530で処理された被処理水は、被処理水流出ライン534から、図示されない配管を経由して被処理水流入ライン560へ至り、複数の分岐ライン562に分配されて、小脱塩室552に流入する。流入した被処理水は、小脱塩室552内のカチオン交換体中を拡散しながら流通し、Na、Ca2+等のカチオン成分が除去される。ここで、被処理水中のカチオン成分の除去が進んでも、H濃度は、OHが対イオンとして存在することでHOに変換され、副脱塩室530に流入する前の被処理水よりも低くなる。このため、電流効率が高くなり、被処理水中のNa、Ca2+等のカチオン成分の除去が良好に行われる。
小脱塩室552で処理された被処理水は、被処理水流出ライン564から、図示されない配管を経由して、被処理水流入ライン565を流通して、小脱塩室554に流入する。流入した被処理水は、小脱塩室554内のアニオン交換体中を拡散しながら流通し、Cl、HCO 等のアニオン成分が除去される。
小脱塩室554で処理された被処理水は、被処理水流出ライン568から、図示されない配管を経由して、被処理水流入ライン544を流通し、副脱塩室540に流入する。流入した被処理水は、副脱塩室540内のカチオン交換体中を拡散しながら流通し、脱イオン水となって、脱イオン水流出ライン546から流出する。この間、被処理水中のNa、Ca2+等のカチオン成分が、カチオン交換体に吸着されて除去される。また、該カチオン交換体は、陽極室420から副脱塩室540に移動してきたHを利用して、再生される。こうして、Cl、HCO 等のアニオン成分とNa、Ca2+等のカチオン成分との両成分が除去された脱イオン水を得ることができる。
副脱塩室530内における被処理水の通水量は特に限定されることはなく、EDI500の能力や被処理水の水質、副脱塩室530の強度、主脱塩室550の処理能力等を勘案して決定することができる。副脱塩室530における、被処理水の通水量は、SVが高すぎると、イオン除去性能が低下したり、SVの上昇と共に発生するLVの上昇によって差圧が高くなり、副脱塩室530の破損を招いたり、運転上の困難を起こしたりするので好ましくない。一方、SVが小さすぎると、主脱塩室550への流量分配が適切に行われず、各主脱塩室550間における流れが不均一となり、EDI500全体としての性能に悪影響を与える場合がある。
なお、副脱塩室530内における被処理水のSVは、主脱塩室550のSVよりも高くすることができる。副脱塩室530では、アニオン交換体の再生が良好に行われるため、主脱塩室550における被処理水のSVより高くしても、アニオン成分を除去できるためである。
副脱塩室540内における被処理水の通水量は、副脱塩室530における被処理水の通水量と同様である。また、副脱塩室540内における被処理水のSVは、主脱塩室550のSVよりも高くすることができる。副脱塩室540では、カチオン交換体の再生が良好に行われるため、主脱塩室550における被処理水のSVより高くしても、カチオン成分を除去できるためである。
主脱塩室550の小脱塩室552、554における被処理水の通水量は特に限定されず、被処理水や脱イオン水の水質、処理量を勘案して決定することができ、第1の実施形態の主脱塩室150における通水量と同様である。
本実施形態によれば、副脱塩室530、小脱塩室552、小脱塩室554、副脱塩室540の順に被処理水を流通させて、多段処理を行うことで、比抵抗の高い、良好な水質の脱イオン水を得ることができる。
ここで、従来のEDIにおいて、任意の主脱塩室550で処理した被処理水を他の主脱塩室550に流通することで、本実施形態と同等の多段処理を行うことができる。しかし、本実施形態においては、一段目の処理を副脱塩室530のみで行い、四段目(最終段)の処理を副脱塩室540のみで行うため、従来のEDIと同等の処理を行うための主脱塩室550の数を大幅に減らすことができる。これに伴い、濃縮室160の数も大幅に削減することができる。この結果、陰極112と陽極122との距離を短くすることができ、低電圧でEDIを運転することができる。また、主脱塩室550と濃縮室160の数を少なくできるため、EDIのコンパクト化を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、単床形態の小脱塩室を設けて多段処理を行うことで、各小脱塩室ではイオン成分の移動が一方向になり、アニオン成分とカチオン成分を良好に除去することができる。
本発明は、上述の実施形態に限られることはない。第1〜3の実施形態では、被処理水を陰極側に設けられた副脱塩室に流通させた後、主脱塩室に流通させている。しかし、被処理水の流通順序はこれに限られることはなく、第4の実施形態のごとく、主脱塩室を流通した被処理水を副脱塩室に流通させても良い。
第4の実施形態では、主脱塩室で処理した被処理水を、陽極側に設けられた副脱塩室に流通させている。しかし、被処理水の流通順序はこれに限られることはなく、第1〜3の実施形態のごとく、副脱塩室を流通した被処理水を主脱塩室に流通させても良い。
第3、第5の実施形態では、主脱塩室は、中間イオン交換膜により、2つの小脱塩室に区画されているが、主脱塩室は3つ以上の小脱塩室に区画されていても良い。また、第5の実施形態では、主脱塩室は、中間イオン交換膜により、2つの小脱塩室に区画されているが、第1、第2の実施形態のように、主脱塩室が中間イオン交換膜により区画されていなくても良い。
第4の実施形態において、主脱塩室は、中間イオン交換膜で、2つ以上に区画された小脱塩室を有するものであっても良い。
第1〜4の実施形態では、陰極室および陽極室にイオン交換体が充填されているが、イオン交換体が充填される電極室は、副脱塩室が隣接する電極室のみであっても良い。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(水質評価)
<導電率・比抵抗>
水質評価には導電率ならびに比抵抗を用いた。不純物を全く含んでいない水の場合、25℃の水における導電率の理論値は0.055μS/cm、比抵抗の理論値は18.2MΩ・cmとなる。脱イオン水の水質は、比抵抗が18.2MΩ・cmに近づき、かつ高ければ高いほど水質としては清浄であると評価できる。脱イオン水の水質評価は、比抵抗をもって行った。
導電率は、導電率計(873CC、FOXBORO社製)を用いて測定した。また、比抵抗は、比抵抗計(873RS、FOXBORO社製)を用いて測定した。
(実施例1)
主脱塩室を1枚とした以外は、図4に示すEDI300と同様の、中間イオン交換膜で2つの小脱塩室に区画されている主脱塩室が設けられ、該主脱塩室の両側に濃縮室が設けられ、陰極室側に副脱塩室が設けられたEDIを下記仕様にて作製して、EDI−Aを得た。得られたEDI−Aについて、下記運転条件にて連続運転を行った。被処理水は、陰極室側に設けられた副脱塩室に下降流で流通した後、カチオン交換膜側の小脱塩室に下降流で流通させ、次いで、アニオン交換膜側の小脱塩室に下降流で流通させた。
濃縮水は、各濃縮室に下降流で流通させて排水し、電極水は、陰極室と陽極室にそれぞれ流通させて排水した。
運転開始1000時間後における、運転電圧と、脱イオン水の比抵抗を測定し、その結果を表1に示す。
<EDI仕様>
(1)カチオン交換膜:株式会社アストム製
(2)中間イオン交換膜:株式会社アストム製アニオン交換膜
(3)アニオン交換膜:株式会社アストム製
(4)アニオン交換膜側の小脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ6mm
(5)カチオン交換膜側の小脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ6mm
(6)アニオン交換膜側の小脱塩室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(7)カチオン交換膜側の小脱塩室の充填イオン交換体:カチオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(8)濃縮室:幅100mm、高さ300mm、厚さ4mm
(9)濃縮室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂の単床形態
(10)陰極室:幅100mm、高さ300mm、厚さ4mm
(11)陽極室:幅100mm、高さ300mm、厚さ4mm
(12)陰極室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂の単床形態
(13)陽極室の充填イオン交換体:カチオン交換樹脂の単床形態
(14)副脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ4mm
(15)副脱塩室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂の単床形態
<運転条件>
(1)被処理水の導電率:17〜23μS/cm(NaCl/超純水)
(2)被処理水の比抵抗:0.043〜0.059MΩ・cm
(3)被処理水流量:40L/h
(4)濃縮水の導電率:17〜23μS/cm(NaCl/超純水)
(5)濃縮水流量:20L/h
(6)電極水の比抵抗:比抵抗が15MΩ・cmを超える超純水
(7)電極水流量:10L/h
(9)運転電流値:0.25A
(比較例1)
比較例1に用いた従来型のEDIについて、図7を用いて説明する。
図7は、従来のEDI900の断面図である。EDI900は、陰極室910と陽極室920との間に、1枚の主脱塩室950と、主脱塩室950の両側に設けられた濃縮室960とが配置されている。
陰極室910は、陰極912と、枠体911と、アニオン交換膜である陰極側仕切り膜914とが順に配置され、枠体911の開口部にアニオン交換樹脂が充填されて、形成されている。陽極室920は、陽極922と、枠体921と、カチオン交換膜である陽極側仕切り膜924とが順に配置され、枠体921の開口部にカチオン交換体が充填されて、形成されている。
陰極室910には電極水流入ライン916と、電極水流出ライン918とが接続され、陽極室920には、電極水流入ライン926と電極水流出ライン928とが接続されている。
主脱塩室950は、小脱塩室951と、小脱塩室951と中間イオン交換膜955を介して隣接する小脱塩室952とで構成されている。小脱塩室951は、カチオン交換膜953と、枠体954と、中間イオン交換膜とが陰極912側から順に配置され、枠体954の開口部にカチオン交換樹脂が充填されて、形成されている。小脱塩室952は、中間イオン交換膜955と、枠体956とアニオン交換膜957とが陰極912側から順に配置され、枠体956の開口部にアニオン交換樹脂が充填されて、形成されている。
小脱塩室951には、被処理水流入ライン970と、被処理水流出ライン972とが接続されている。小脱塩室952には、被処理水流入ライン974と、脱イオン水流出ライン976とが接続されている。そして、被処理水流出ライン972と、被処理水流入ライン974とは、図示されない配管により、接続されている。
濃縮室960は、主脱塩室950の両側に、枠体961が配置され、該枠体961の開口部にアニオン交換体が充填されて、形成されている。濃縮室960には濃縮水流入ライン962と、濃縮水流出ライン964とが接続されている。
EDI900と同様に、主脱塩室950を1枚配置し、下記仕様にて製造し、EDI−Bとした。EDI−Bを用いて、実施例1と同様の運転条件で連続運転を行った。運転に際し、被処理水を被処理水流入ライン970から小脱塩室951を下降流で流通させた後、被処理水流出ライン972、被処理水流入ライン974を経由して小脱塩室952を下降流で流通させ、脱イオン水流出ライン976から脱イオン水を流出させて、脱イオン水を得た。濃縮水は、各濃縮室に下降流で流通させて排水し、電極水は、陰極室910と陽極室920にそれぞれ上昇流で流通させて排水した。
運転開始1000時間後における、運転電圧と、脱イオン水の比抵抗を測定し、その結果を表1に示す。
<EDI仕様>
(1)カチオン交換膜:株式会社アストム製
(2)中間イオン交換膜:株式会社アストム製アニオン交換膜
(3)アニオン交換膜:株式会社アストム製
(4)アニオン交換膜側の小脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ6mm
(5)カチオン交換膜側の小脱塩室:幅100mm、高さ300mm、厚さ6mm
(6)アニオン交換膜側の小脱塩室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(7)カチオン交換膜側の小脱塩室の充填イオン交換体:カチオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製)の単床形態
(8)濃縮室:幅100mm、高さ300mm、厚さ4mm
(9)濃縮室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂の単床形態
(10)陰極室:幅100mm、高さ300mm、厚さ4mm
(11)陽極室:幅100mm、高さ300mm、厚さ4mm
(12)陰極室の充填イオン交換体:アニオン交換樹脂の単床形態
(13)陽極室の充填イオン交換体:カチオン交換樹脂の単床形態
Figure 2009297670
表1に示すとおり、実施例1で得られた脱イオン水は、比較例1で得られた脱イオン水よりも比抵抗が高かった。このことから、副脱塩室で処理した被処理水を主脱塩室に流通させることで、得られる脱イオン水の水質向上が図れることが判った。
また、実施例1では運転開始1000時間後の運転電圧が7Vであったのに対し、比較例1では26Vであり、実施例1の約3.7倍となっていた。このことから、実施例1のような副脱塩室を設けたことで、電極間の距離が長くなっても、電流の有効利用が図られるため、省エネルギーで脱イオン水の製造ができることが判った。
本発明のEDI8におけるイオン成分の流れを説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態にかかるEDIを示す断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかるEDIを示す断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかるEDIを示す断面図である。 本発明の第4の実施形態にかかるEDIを示す断面図である。 本発明の第5の実施形態にかかるEDIを示す断面図である。 比較例1に用いた従来型のEDIを示す模式図である。
符号の説明
8、100、200、300、400、500、900 電気式脱イオン水製造装置
10、110、410、910 陰極室
12、112、912 陰極
14、114、414、914 陰極側仕切り膜
24、124、424、924 陽極側仕切り膜
20、120、420、920 陽極室
22、122、922 陽極
30、40、130、230、330、440、530、540 副脱塩室
50、150、155、250、350、450、550、950 主脱塩室
32、54、132、154、957 アニオン交換膜
42、52、152、442、953 カチオン交換膜
60、62、160、960 濃縮室
136、157、236、336、364、456、534、564、568、972 被処理水流出ライン
156、158、252、360、365、444、452、544、560、565、970、974 被処理水流入ライン
254、362、562 分岐ライン
352、354、552、554、951、952 小脱塩室
356、955 中間イオン交換膜

Claims (8)

  1. 一側のカチオン交換膜と、他側のアニオン交換膜とで区画される空間にイオン交換体が充填されて、1以上の主脱塩室が設けられ、
    前記カチオン交換膜、または、前記アニオン交換膜を介して、前記主脱塩室の両側に濃縮室が設けられ、
    前記主脱塩室と前記濃縮室とが、陽極と陽極側仕切り膜とで区画される陽極室と、陰極と陰極側仕切り膜とで区画される陰極室との間に配置され、
    前記陽極側仕切り膜をカチオン交換膜とし、前記陽極室にイオン交換体が充填され、前記陽極側仕切り膜と該陽極側仕切り膜と対向して配置されるカチオン交換膜とで区画される空間にイオン交換体が充填されて形成された副脱塩室、および/または、前記陰極側仕切り膜をアニオン交換膜とし、前記陰極室にイオン交換体が充填され、前記陰極側仕切り膜と該陰極側仕切り膜と対向して配置されるアニオン交換膜とで区画される空間に、イオン交換体が充填されて形成された副脱塩室が設けられ、
    前記副脱塩室を流通した被処理水を前記主脱塩室に流通させる手段、および/または、前記主脱塩室を流通した被処理水を前記副脱塩室に流通させる手段が設けられている、電気式脱イオン水製造装置。
  2. 前記陽極室と前記陰極室との間に、2以上の前記主脱塩室が前記濃縮室を介して配置され、前記副脱塩室を流通させた被処理水を任意の主脱塩室に流通させ、前記任意の主脱塩室を流通させた被処理水を他の主脱塩室に流通させることを特徴とする、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  3. 前記陽極室と前記陰極室との間に、2以上の前記主脱塩室が前記濃縮室を介して配置され、任意の主脱塩室を流通させた被処理水を他の主脱塩室に流通させ、その後、前記主脱塩室を流通させた被処理水を前記副脱塩室に流通させることを特徴とする、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  4. 前記陽極室と前記陰極室との間に、2以上の前記主脱塩室が前記濃縮室を介して配置され、前記副脱塩室を流通させた被処理水を分配し、分配した被処理水を前記主脱塩室に流通させることを特徴とする、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  5. 前記陽極室と前記陰極室との間に、2以上の前記主脱塩室が前記濃縮室を介して配置され、それぞれの主脱塩室を流通させた被処理水を合流させ、合流させた被処理水を前記副脱塩室に流通させることを特徴とする、請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  6. 前記主脱塩室には、一側のカチオン交換膜と他側のアニオン交換膜との間に中間イオン交換膜を配置し、前記主脱塩室の厚さ方向に多段に区画された小脱塩室が形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  7. 前記陽極室、および/または、前記陰極室には、前記主脱塩室または前記副脱塩室で処理された水が、通水されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
  8. 前記陽極室、および/または、前記陰極室には、比抵抗値0.2〜18.2MΩ・cmの水が通水されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置。
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