JP4181013B2 - 表示装置およびその製造方法 - Google Patents

表示装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4181013B2
JP4181013B2 JP2003374064A JP2003374064A JP4181013B2 JP 4181013 B2 JP4181013 B2 JP 4181013B2 JP 2003374064 A JP2003374064 A JP 2003374064A JP 2003374064 A JP2003374064 A JP 2003374064A JP 4181013 B2 JP4181013 B2 JP 4181013B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
resin layer
plastic substrate
fiber cloth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003374064A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005140818A (ja
Inventor
典子 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2003374064A priority Critical patent/JP4181013B2/ja
Publication of JP2005140818A publication Critical patent/JP2005140818A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4181013B2 publication Critical patent/JP4181013B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Description

本発明は表示装置およびその製造方法に関し、特にプラスチック基板を用いた表示装置およびその製造方法に関する。
フラットパネルディスプレイは種々の分野において表示装置として広く使用されている。その一例である液晶表示装置は、薄型、軽量で、且つ、消費電力が低いという特徴から、携帯電話やPDAなどのモバイルディスプレイ分野において、幅広く使用されている。これらの分野では、液晶表示装置のさらなる薄型化、軽量化が望まれるようになっている。
液晶表示装置の厚さおよび重量の大半を占めるガラス基板の薄板化が行われているが、ガラス基板は、薄くすると非常に割れやすくなるという問題がある。そこで、ガラス基板の代わりにプラスチック基板を用いるという対策が提案されている。しかしながら、樹脂材料をシート化したプラスチック基板は、基板の線膨張率が大きく、例えばTFT液晶表示装置のような高いアライメント精度を必要とする表示装置の基板には不向きである。
プラスチック基板の線膨張率を小さくするために、樹脂マトリクス中に充填材(フィラー)を混合した材料(複合材料)を用いてプラスチック基板を構成する方法が提案されている。本明細書において、複合材料から形成された基板を特に「複合基板(コンポジット基板)」ということもある。
例えば、特許文献1には、ガラス繊維布(ガラスクロス)に樹脂を含浸させて硬化することによって形成された複合基板を備える反射型導電性基板が開示されている。この他にも、樹脂にガラスファイバーを分散させて形成された複合基板など、様々な複合基板が提案されているが、上記ガラス繊維布を用いた複合基板はガラスの長繊維を密に織って作製されるため、他の種類の複合基板に比べて割れにくく、線膨張率が低い。
また、特許文献2は、樹脂中に繊維を線状あるいは帯状に繊維同士が互いに接触しないように配置された複合基板を開示している。特許文献2によると、特許文献1に開示されている繊維布(織布)を充填した複合基板を用いると繊維布の繊維の織目や重なり目に起因した微小な凹凸が基板表面に生じ、表示品位の低下の原因となってしまうのに対し、上記構成とすることによって平坦な複合基板が得られる。
特開平11−2812号公報 特開2001−133761号公報
上記特許文献2にも記載されているように、ガラス繊維布を用いてプラスチック基板を形成すると、その表面に凹凸が形成される。また、特許文献2に記載されているプラスチック基板は作製が困難であり、また、作製できたとしても、例えば100nm以下のレベルまで凹凸を抑制することは困難である。
また、プラスチック基板の表面を平坦化するために、上記凹凸を有する表面に平坦化膜を形成する方法がある。平坦化膜を形成することによって、例えば凹凸を100nm以下のレベルに抑制した平坦な表面を得ることができる。しかしながら、本発明者の検討によると、この平坦な表面上に例えば無機層を形成すると、無機層の表面に100nm以上の凹凸が形成される場合があることが分かった。無機層は、例えば、空気中の水分および/または酸素に対するプラスチック基板のバリア性を向上するために設けられる。
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであり、プラスチック基板の表面の平坦性を向上させることにより、表示装置の表示品位を向上させることを目的とする。
本発明の表示装置は、繊維布と樹脂層とを含む複合体層を有し、かつ、前記樹脂層に含まれる樹脂材料の線膨張率が前記繊維布の線膨張率よりも大きいプラスチック基板であって、前記繊維布の体積分率が第1の値である第1複合体層領域と、前記第1の値よりも小さい第2の値である第2複合体層領域とを備えるプラスチック基板と、前記プラスチック基板上に設けられた表示媒体層とを有する表示装置であって、前記樹脂層は前記樹脂材料と充填材とを含み、前記充填材の線膨張率は前記樹脂材料の線膨張率よりも小さいことを特徴とする。
本発明の表示装置は、繊維布と樹脂層とを含む複合体層を有し、かつ、前記樹脂層に含まれる樹脂材料の線膨張率が前記繊維布の線膨張率よりも大きいプラスチック基板であって、前記繊維布の体積分率が第1の値である第1複合体層領域と、前記第1の値よりも小さい第2の値である第2複合体層領域とを備えるプラスチック基板と、前記プラスチック基板上に設けられた表示媒体層とを有する表示装置であって、前記第2複合体層領域の前記樹脂層は、前記第1複合体層領域の前記樹脂層よりも線膨張率が小さいことを特徴とする。
ある好ましい実施形態では、前記樹脂層は樹脂材料と充填材とを含み、前記充填材の線膨張率は前記樹脂材料の線膨張率よりも小さく、前記第2複合体層領域の前記樹脂層は、前記第1複合体層領域の前記樹脂層よりも前記充填材を高密度で含んでいる。
ある好ましい実施形態では、前記プラスチック基板は、前記繊維布の体積分率が0である第3複合体層領域を備え、前記第3複合体層領域の前記樹脂層は、前記第1複合体層領域および前記第2複合体層領域の前記樹脂層よりも前記充填材を高密度で含んでいる。
ある好ましい実施形態では、前記樹脂層は、前記繊維布を覆う第1樹脂層と、前記繊維布の両側に設けられた第2樹脂層とを含み、前記第1樹脂層は第1樹脂材料を含み、前記第2樹脂層は第2樹脂材料と前記充填材とを含む。
ある好ましい実施形態では、前記樹脂層は、第2樹脂層の上に配置された第3樹脂層をさらに含み、第3樹脂層は第3樹脂材料を含む。
ある好ましい実施形態では、前記充填材は、ガラスファイバーおよびガラスビーズのいずれか一方を少なくとも含む。
ある好ましい実施形態では、前記繊維布はガラス繊維で形成されている。
ある好ましい実施形態では、前記表示媒体層は液晶材料を含む。
ある好ましい実施形態では、前記表示媒体層は有機EL材料を含む。
ある好ましい実施形態では、前記プラスチック基板は、前記複合体層の少なくとも一方の表面に形成された無機膜を含む。
ある好ましい実施形態では、前記プラスチック基板の表面粗さは100nm以下である。
本発明の表示装置の製造方法は、プラスチック基板と、前記プラスチック基板上に設けられた表示媒体層とを有する表示装置の製造方法であって、前記プラスチック基板の製造プロセスは、基板面内において互いに交差するように配列された複数の繊維束を含むことによって交差部に形成される凸部と非交差部に形成される凹部とを有する繊維布と、前記繊維布の表面を覆う含浸樹脂層とを有する樹脂含浸繊維布を用意する工程と、前記樹脂含浸繊維布に充填材を散布することによって、前記凸部に比べて前記凹部に高密度で前記充填材を付与し、前記充填材が付与された前記樹脂含浸繊維布に樹脂材料を付与することによって前記樹脂材料と前記充填材とを含む樹脂層を形成する工程と、を包含し、前記樹脂材料の線膨張率は前記繊維布の線膨張率よりも大きく、かつ、前記充填材の線膨張率は前記樹脂材料の線膨張率よりも小さいことを特徴とする。
本発明の表示装置の製造方法は、プラスチック基板と、前記プラスチック基板上に設けられた表示媒体層とを有する表示装置の製造方法であって、前記プラスチック基板の製造プロセスは、基板面内において互いに交差するように配列された複数の繊維束を含むことによって交差部に形成される凸部と非交差部に形成される凹部とを有する繊維布と、前記繊維布の表面を覆う含浸樹脂層とを有する樹脂含浸繊維布を用意する工程と、樹脂材料と充填材との混合物を前記凹部に選択的に付与するとともに、前記樹脂材料のみを前記凸部に選択的に付与することによって、前記樹脂含浸繊維布に樹脂層を形成する工程と、を包含し、前記樹脂材料の線膨張率は前記繊維布の線膨張率よりも大きく、かつ、前記充填材の線膨張率は前記樹脂材料の線膨張率よりも小さいことを特徴とする。
本発明の表示装置の製造方法は、ラスチック基板と、前記プラスチック基板上に設けられた表示媒体層とを有する表示装置の製造方法であって、前記プラスチック基板の製造プロセスは、基板面内において互いに交差するように配列された複数の繊維束を含むことによって、交差部に形成される凸部と非交差部に形成される凹部とを有する繊維布を用意する工程と、前記繊維布に充填材を散布することによって、前記凸部に比べて前記凹部に高密度で前記充填材を付与し、前記充填材が付与された前記繊維布に樹脂材料を付与することによって前記樹脂材料と前記充填材とを含む樹脂層を形成する工程と、を包含し、前記樹脂材料の線膨張率は前記繊維布の線膨張率よりも大きく、かつ、前記充填材の線膨張率は前記樹脂材料の線膨張率よりも小さいことを特徴とする。
本発明の表示装置の製造方法は、プラスチック基板と、前記プラスチック基板上に設けられた表示媒体層とを有する表示装置の製造方法であって、前記プラスチック基板の製造プロセスは、基板面内において互いに交差するように配列された複数の繊維束を含むことによって、交差部に形成される凸部と非交差部に形成される凸部とを有する繊維布を用意する工程と、樹脂材料と充填材との混合物を前記凹部に選択的に付与するとともに、前記樹脂材料のみを前記凸部に選択的に付与することによって、前記繊維布に樹脂層を形成する工程と、を包含し、前記樹脂材料の線膨張率は前記繊維布の線膨張率よりも大きく、かつ、前記充填材の線膨張率は前記樹脂材料の線膨張率よりも小さいことを特徴とする。
ある好ましい実施形態では、前記樹脂層の上に、薄膜堆積法を用いて200℃以上で無機膜を形成する工程をさらに含む。
ある好ましい実施形態では、前記充填材は、ガラスファイバーおよびガラスビーズのいずれか一方を少なくとも含む。
ある好ましい実施形態では、前記繊維布はガラス繊維で形成されている。
本発明による表示装置のプラスチック基板は、繊維布の体積分率が互いに異なる複合体層領域において、樹脂層の線膨張率が適宜調整されているので、異なる複合体層領域間の線膨張率の差が従来よりも低減されている。したがって、例えば複合体層上に無機層を形成するための加熱処理工程において、無機層の表面に凹凸が形成されることが無く、平坦な表面を有している。このため、表示装置を構成した場合に、プラスチック基板の表面の凹凸に起因するセル厚のむらが無く、高品位の表示を実現することができる。
上述したように、本発明者は、所定の平坦性を有する複合基板の平坦化膜の表面上に、例えば無機層を形成すると、平坦性が損なわれ、無機層の表面に100nm以上の凹凸が形成されるという現象を見出した。まず、図1および図2を参照しながら、この現象を説明する。
図1は、プラスチック基板に用いられる樹脂を含浸したガラス繊維布3の一部を模式的に示すものであり、図1(a)は断面図であり、図1(b)は平面図である。
図1に示した樹脂含浸ガラス繊維布3は、ガラス繊維布1Sと、ガラス繊維布1Sを覆う樹脂層2とを有している。ガラス繊維布1Sは、複数のガラス繊維1を束ねた繊維束1Aを縦横(図1(b)のx軸方向とy軸方向)に平織したものである。樹脂層2は、ガラス繊維布1Sを例えばエポキシ樹脂に含浸することによって形成されるので、ガラス繊維束1Aの表面を覆う薄膜として形成される。樹脂含浸ガラス繊維布3は、図1(a)に模式的に示したように、繊維束1Aが互いに重なる織り目に応じた凹凸を有する。
例えば、繊維束1Aを構成する繊維1の直径は約10μmであり、繊維束1Aの幅は約200μmで、繊維束1Aの間のピッチは縦横いずれにおいても約500μmである。樹脂層2の厚さは、場所によって異なるが、例えば薄い部分では5〜10μmである。この樹脂含浸ガラス繊維布3は、約500nmから600nmの程度の凹凸(うねり)を有している。
従来は、図2(a)に示すように、この樹脂含浸ガラス繊維布3の凹凸を平坦化するための平坦化樹脂層4が設けられていた。平坦化樹脂層4を設けることによって、表面の凹凸は約100nm程度にまで低減される。
この平坦化樹脂層4の上に、空気中の水分および/または酸素に対するバリア性を向上するために、無機層5が設けられる。SiO2を加熱成膜プロセス(例えば200℃で真空蒸着)で堆積することによって、厚さが約100nmの無機層5を形成すると、得られたプラスチック基板10の表面(無機層5の表面)は、図2(b)に模式的に示すように、凹凸の程度が約100nm超に増大される。
後述するが、図5(b)に模式的に示すように、上記プラスチック基板10と同様の基板10Aと基板10Bとの間に液晶層104を配置した液晶表示装置150を構成すると、プラスチック基板10Aおよび10Bの表面の凹凸の影響を受けて、液晶層の厚さ(セル厚)に不均一な分布が形成される。液晶層の厚さの不均一な分布は、リタデーションの不均一な分布となるので、表示むらとして観察される。
一旦平坦化された表面に再び凹凸が形成されるメカニズムを種々の実験結果に基づいて検討した。その結果、以下に説明するメカニズムであると考えるに至った。
図2(a)に示した平坦化樹脂層4上にSiO2を堆積する際に、基板(ここでは、樹脂含浸ガラス繊維布3およびその上に形成された平坦化樹脂層4のことを指す。)が例えば200℃に加熱される。上述したように、繊維の線膨張率は樹脂材料の線膨張率よりも小さい。基板内には、繊維1(繊維布1S)の体積分率が異なる領域が存在するので、熱膨張量に不均一な分布が形成される。すなわち、繊維1が多く存在する領域の熱膨張量が小さく、繊維1が少ない領域の熱膨張量は大きくなる。もちろん、繊維1が存在しない領域の熱膨張量が最も大きい。この熱膨張量の不均一分布によって基板(平坦化樹脂層4)の表面に凹凸が形成される。この凹凸が形成された表面上にSiO2が堆積されると、SiO2膜(無機層)の表面は、下地の凹凸を反映した凹凸を有したものとなる。SiO2膜の熱膨張率は樹脂に比べて小さく、且つ、硬い(弾性率が高い)ので、成膜終了後に室温に戻っても、基板の表面に形成された凹凸が維持される。
なお、一般に、ガラス基板上に上記と同様に無機層を高温で蒸着する場合、蒸着後温度が低下する際に、基板と膜との熱膨張率差によるストレスで、無機層の表面に細かいランダムなしわが生じることある。しかしながら、ガラス基板および無機層の熱膨張率はいずれも面内で均一であるため、上記ガラス繊維布を用いたプラスチック基板のように周期的で振幅の大きい凹凸が生じることはない。
本発明者らは、基板内に繊維1の体積分率が異なる領域が存在することによって、プラスチック基板の表面に凹凸が形成される上記のメカニズムを考慮し、プラスチック基板の繊維の体積分率が異なる領域毎に熱膨張率を調整することによって、凹凸が100nm以下の表面を得る方法を見出した。また、平坦化樹脂層4の熱膨張率を低減させることによって、凹凸が100nm以下の表面を得る方法を見出した。
以下、図3および図4を参照しながら、本発明の実施形態による表示装置に好適に用いられるプラスチック基板の構成および製造方法について説明する。
図3(a)および(b)は、プラスチック基板30の製造方法を説明するための図である。
図3(a)に示すように樹脂含浸ガラス繊維布34を用意する。樹脂含浸ガラス繊維布34は上述した従来の樹脂含浸ガラス繊維布3と同じものを用いることができる。樹脂含浸ガラス繊維布34は、繊維束32を縦横に平織したガラス繊維布と、ガラス繊維布を覆う樹脂層36とを有している。樹脂層36は、ガラス繊維布をエポキシ樹脂に含浸することによって形成されている。ガラス繊維布は、図1(b)を参照して説明したように、基板面内において互いに交差するように配列されたx軸方向に延びる繊維束と、y軸方向に延びる繊維束とが平織されて形成されている。x軸方向に延びる繊維束とy軸方向に延びる繊維束とが交差する部分(交差部)は、x軸方向に延びる繊維束およびy軸方向に延びる繊維束のいずれか一方が存在する部分(非交差部)に比べて繊維が多く存在するので、樹脂含浸ガラス繊維布34は上記交差部に形成される凸部と、上記非交差部に形成される凹部とを有する。なお、図3(a)の断面図に示した樹脂含浸ガラス繊維布34の凹部は、いずれか一方向に延びる繊維を含んでいるが、図1(b)に示したように繊維の存在しない凹部も存在する。上述したようにこの凹凸(うねり)は、例えば約500nmから600nm程度である。
次に、樹脂含浸ガラス繊維布34上に、樹脂材料と充填材とを含む平坦化樹脂層38を形成する。ここで、樹脂材料の線膨張率はガラス繊維の線膨張率よりも大きく、充填材の線膨張率は樹脂材料の線膨張率よりも小さい。樹脂材料と充填材とを用いて平坦化樹脂層38を形成することによって、樹脂材料のみで平坦化樹脂層38を形成する場合に比べて平坦化樹脂層38の線膨張率を小さくすることができる。樹脂材料としては、例えばエポキシ樹脂(線膨張率70ppm以上)を用いることができる。また、充填材としては、例えばガラスビーズ(線膨張率10ppm以下)を用いることができる。平坦化樹脂層38は、例えば下記の2つの方法を用いて形成することができる。
第1の方法を説明する。まず、樹脂含浸ガラス繊維布34に充填材40を散布する。上述したように、樹脂含浸ガラス繊維布34は凹部と凸部とを有しているので、充填材40は自然に凸部よりも凹部に多く堆積される。充填材40を付与した後、樹脂含浸ガラス繊維布34に樹脂材料を付与する。以上の工程により、凹部に充填材の密度の高い樹脂層を形成し、凸部に充填材を含まない樹脂層を形成することができる。充填材を散布した後、樹脂材料に充填材を分散した混合物を付与しても良い。
第2の方法では、例えば、樹脂材料と充填材40との混合物を用意し、この混合物を樹脂含浸ガラス繊維布34の凹部に選択的に付与する。その後、樹脂含浸ガラス繊維布34の凸部上に樹脂材料のみ付与する。以上の工程によって、凹部に充填材の密度の高い樹脂層を形成し、凸部に充填材を含まない樹脂層を形成することができる。もちろん、凸部上に付与する樹脂材料に充填材を混合しても良い。ただし、凹部の樹脂層と凸部の樹脂層との熱膨張量の差を低減できるように、充填材の密度を調節することが好ましい。
ここで、樹脂含浸繊維布34およびこの上に形成された平坦化樹脂層38とを合わせて複合体層44と呼ぶことにする。また、複合体層44において、樹脂含浸ガラス繊維布34の凸部に対応する領域、すなわち、ガラス繊維布の体積分率のより大きい領域を第1複合体層領域50とし、樹脂含浸ガラス繊維布34の凹部に対応する領域、すなわち、ガラス繊維布の体積分率のより小さい領域を第2複合体層領域52とする。また、上述したように、図3(a)には図示されていないが、ガラス繊維布の体積分率が実質的に0である第3複合体層領域を有する。なお、複合体層領域とは、複合体層の面内に規定される2次元の領域内に存在する複合体層の全体を指す。例えば、ここでは、x方向の繊維束とy方向の繊維束とが重なる領域として複合体層の面内における2次元的な広がりの外延が規定される複合体層の全体が第1複合体層領域であり、一方の繊維束だけが存在する領域が第2複合体層領域である。複合体層44は、さらに、繊維束を含まない領域(不図示:第3複合体層領域)を含む。
上述した2つの平坦化樹脂層38の形成方法を用いることにより、第1複合体層領域50よりも第2複合体層領域52に充填材40を高密度で含む平坦化樹脂層を形成できる。また、上記の説明では省略したが、繊維束を含まない第3複合体層領域は、第2複合体層領域よりもさらに深い凹部を形成するので、上述の2つの方法または上述の2つの方法を適宜改変することによって、第3複合体層領域に、第2複合体層領域よりも充填材を高密度で含む平坦化樹脂層40を形成することができる。
充填材40の線膨張率は樹脂材料よりも小さいので、第1複合体層領域50の平坦化樹脂層に比べて第2複合体層領域52の平坦化樹脂層に高密度で充填材40を付与することにより、第1複合体層領域50の平坦化樹脂層に比べて第2複合体層領域52の平坦化樹脂層の線膨張率をより小さくすることができる。さらに、第2複合体層領域52の平坦化樹脂層に比べて第3複合体層領域の平坦化樹脂層に高密度で充填材40を付与することにより、第2複合体層領域52の平坦化樹脂層に比べて第3複合体層領域の平坦化樹脂層の線膨張率をより小さくすることができる。第2複合体層領域52は第1複合体層領域50よりも繊維布の体積分率が小さく、平坦化樹脂層の体積分率が大きい。また、第3複合体層領域50は繊維布を含まず、実質的に平坦化樹脂層だけで構成される。したがって、各複合体層領域に含まれる充填材の密度を、第1複合体層領域<第2複合体層領域<第3複合体層領域とすることにより、第1、第2および第3複合体層領域の間の線膨張率の差を小さくし、より好ましくはその差を0にすることができる。
平坦化樹脂層38を形成した後、図3(b)に示すように、複合体層44の上に無機層46を堆積する。無機層46の材料および堆積方法は従来と同じであってよい。無機層46は、優れたバリア性を有するSiO2膜を用いることが好ましい。SiO2膜(厚さ100nm)の透湿度は、0.4g/m2/dayである。ただし、室温で成膜したSiO2膜は耐薬品性に劣り、例えばTFTの製造プロセスで不具合を発生することがあるので、加熱条件下で堆積することが好ましく、200℃以上で堆積することがさらに好ましい。無機層46の厚さは、バリア性の観点から約20nm以上であることが好ましく、基板のフレキシビリティーを保つという観点から約300nm以下であることが好ましい。無機層46は、具体的には、例えば200℃の温度条件下、蒸着法を用いて形成された膜厚100nmのSiO2膜で構成することができる。なお、無機層46には、SiO2以外にもSiNxyやPSGなどを用いることもできる。
このようにして形成された無機層46の表面は、図3(a)に示した平坦化樹脂層38と同様に100nm以下の凹凸を有する。
本実施形態のプラスチック基板には、縦方向に延びる繊維束と横方向に延びる繊維束とが隙間なく織られている繊維布を用いても良い。この場合、複合体層44は、ガラス繊維布の体積分率が実質的に0である第3複合体層領域を有さず、第1複合体層領域50および第2複合体層領域52のみを有する。
なお、本明細書で、複合体層の線膨張率または、樹脂層の線膨張率とは、プラスチック基板の厚さ方向における線膨張率をいう。
以下、プラスチック基板30をより具体的に説明する。
ガラス繊維布(繊維径10μm、繊維束の幅200μm、ピッチ500μm)にエポキシ樹脂を含浸して形成された樹脂含浸ガラス繊維布(含浸樹脂層の膜厚最薄部5〜10μm)34に、上記第1の方法を用いて平坦化樹脂層38を形成した。
充填材としては、直径1μmのガラスビーズ40を用いた。樹脂材料には、ガラス繊維布に含浸した樹脂と同じエポキシ樹脂を用いた。平坦化樹脂層38は、樹脂含浸ガラス繊維布の両面に、それぞれ、厚さ10μm程度で形成した。
無機層46を形成する前に、約100nmの凹凸を有していた複合体層44の両表面に、約200℃でSiO2を約100nm蒸着した。蒸着後の基板表面(無機層46の表面)は、100nm以下の凹凸を有していた。
上記樹脂含浸ガラス繊維布34に、上記第2の方法を用いて平坦化樹脂層38を形成した場合も、SiO2無機層46の表面の凹凸を100nm以下とすることができた。平坦化樹脂層38は、第2複合体層領域52の平坦化樹脂層におけるガラスビーズ40の体積分率を30%とし、第1複合体層領域50の平坦化樹脂層におけるガラスビーズ40の体積分率を10%以下として形成した。また、繊維を含まない第3複合体層領域におけるガラスビーズ40の体積分率は最も大きく、60%とした。
なお、ここで用いたプラスチック基板の大きさは100mm×100mmであり、ほぼ全面に亘り凹凸を評価した。
プラスチック基板30に代えて、図4に模式的に示すプラスチック基板60を用いることもできる。図4(a)および(b)は、プラスチック基板60の製造方法を説明するための図である。
プラスチック基板60は、平坦化樹脂層56がほぼ全体に亘って同程度の密度で充填材40を含んでいる。すなわち、繊維布の体積分率が互いに異なる第1、第2および第3複合体層領域の平坦化樹脂層56が、いずれも、同程度の密度で充填材40を含んでいる。
充填材40は樹脂材料の線膨張率よりも小さいので、樹脂材料のみで平坦化樹脂層を形成する場合に比べて、平坦化樹脂層56の線膨張率を低くすることができる。したがって、樹脂材料のみで平坦化樹脂層を形成する場合に比べて、第1複合体層領域の平坦化樹脂層56の線膨張率と、第2の平坦化樹脂層56の線膨張率と、第3複合体層領域の平坦化樹脂層56の線膨張率との間の差を小さくできる。
このプラスチック基板60は上記プラスチック基板30(図3(b))と異なり、第1、第2および第3複合体層領域の平坦化樹脂層56の線膨張率を、全て、等しくすることはできないが、これらの間の差を小さくすることは可能である。
例えば、ガラス繊維布(繊維径10μm、繊維束の幅200μm、ピッチ500μm)を用い、平坦化樹脂層の膜厚を10μmとした場合、プラスチック基板60では、平坦化樹脂層に対してガラスビーズ(直径1μm)の体積分率を20%以上とすれば、基板の表面凹凸を100nm以下とすることができる。これに対して、プラスチック基板30では、平坦化樹脂層に対してガラスビーズの体積分率を10%以上とすれば、基板の表面凹凸を100nm以下とすることができる。
プラスチック基板60は、以下の方法を用いて作製することができる。
所定の体積分率で充填材が添加された、樹脂材料と充填材とを含む混合物を用意する。
図4(a)に示すように、樹脂含浸ガラス繊維布34の両面に、上記樹脂材料と充填材とを含む混合物を塗布し、平坦化樹脂層56を形成する。次に、平坦化樹脂層56の上に、膜厚数μm程度のさらなる樹脂層58を形成する。本製造方法のように樹脂材料と充填材との混合物を用いて平坦化樹脂層56を形成する場合、充填材40の一部分が平坦化樹脂層56の表面から突出し易いので、表面凹凸のより小さい複合体層54を形成するのに効果的である。なお、この樹脂層58は省略可能である。
樹脂層58を形成した後、図4(b)に示すように、複合体層54の上に無機層46を堆積し、プラスチック基板60が作製される。なお、無機層46の材料および堆積方法は上述したプラスチック基板30の場合と同じである。
プラスチック基板60では、平坦化樹脂層56に添加する充填材40の密度を複合体層54の領域毎に異ならせる必要がないので、上記プラスチック基板30に比べて作製が容易である。
このプラスチック基板60においても、平坦化樹脂層56に含める充填材40の量を適切に調整することにより、例えば100nm以下の表面粗さを実現できる。
以下、プラスチック基板60をより具体的に説明する。
ガラス繊維布(繊維径10μm、繊維束の幅200μm、ピッチ500μm)にエポキシ樹脂を含浸して形成された樹脂含浸ガラス繊維布(含浸樹脂層の膜厚最薄部5〜10μm)34に、下記の方法を用いて平坦化樹脂層56を形成した。
充填材としては、直径1μmのガラスビーズ40を用いた。樹脂材料には、ガラス繊維布に含浸した樹脂と同じエポキシ樹脂を用いた。エポキシ樹脂にガラスビーズを体積分率20%程度混入させた混合物を、樹脂含浸ガラス繊維布34の両面に塗布した。平坦化樹脂層38は、樹脂含浸ガラス繊維布34の両面に、それぞれ、厚さ10μm程度形成した。
平坦化樹脂層38を形成した後、その表面にエポキシ樹脂を数μm塗布することによって樹脂層58を形成し、複合体層54を得た。
無機層46を形成する前に、約100nmの凹凸を有していた複合体層54の両表面に、約200℃でSiO2を約100nm蒸着した。蒸着後の基板表面(無機層46の表面)は、100nm以下の凹凸を有していた。
なお、ここで用いたプラスチック基板の大きさは100mm×100mmであり、ほぼ全面に亘り凹凸を評価した。
なお、本発明の表示装置に用いられるプラスチック基板の構成は、上述したプラスチック基板に限定されない。
図3(b)に示したプラスチック基板30も、プラスチック基板60と同様に、平坦化樹脂層38の上にさらなる樹脂層58を有していても良い。特に平坦化樹脂層38を第2の方法で形成する場合には、第2複合体層領域52において、平坦化樹脂層56の表面から充填材40が突出し易いので、表面凹凸の小さい複合体層を形成するのに効果的である。
上記の説明では、複合体層が有する樹脂層のうち、平坦化樹脂層だけが選択的に充填材40を含んでいる場合を例示したが、例えば、平坦化樹脂層に代えてガラス繊維束32を覆う樹脂層(含浸樹脂層)36が充填材40を含んでいてもよい。あるいは、この樹脂層36と平坦化樹脂層とがいずれも充填材40を含んでいてもよい。
また、例えば、ガラス繊維束32を覆う樹脂層36が充填材40を含んでいる場合、平坦化樹脂層を省略してもよい。この場合、プラスチック基板は、複合体層として樹脂含浸ガラス繊維布のみを有する。
また、樹脂含浸ガラス繊維布34として凹凸を有しない繊維布を用いても、線膨張率の互いに異なる複数の複合体層領域を有していれば、上述したように200℃以上の温度で無機層を形成すると、100nmを超える表面凹凸が形成されることがある。表面が平坦な樹脂含浸ガラス繊維布上に、異なる密度で充填材を含む樹脂層を形成することによって、表面凹凸が100nm以下のプラスチック基板を得ることができる。異なる密度で充填材を含む樹脂層は、例えば以下に説明する方法を用いて形成することができる。もちろんこれらの方法は、表面凹凸を有する繊維布にも適用できる。
マスクを用い、樹脂含浸ガラス繊維布の線膨張率の大きい領域に選択的に充填材を散布する。この後、上記と同様の方法で樹脂材料を付与する。
あるいは、まず、充填材および樹脂材料の混合物を樹脂含浸ガラス繊維布に付与して、第1の樹脂層を形成し、樹脂含浸ガラス繊維布の線膨張率の小さい領域の第1の樹脂層のみをフォトリソグラフィ技術を用いて除去する。この後、樹脂材料のみを樹脂含浸ガラスに付与して、充填材を含まない第2の樹脂層を形成する。
異なる密度で充填材を含む樹脂層を形成する方法以外に、表面が平坦な樹脂含浸ガラス繊維布上に、全体に亘って同程度の密度で充填材を含む樹脂層を設けることによっても、表面凹凸が100nm以下のプラスチック基板を得ることができる。
無機層46は少なくとも、表示領域の全面に亘って形成されることが好ましく、基板の全面に形成することが好ましい。ただし、液晶層や有機EL層が設けられる側の面と反対側については省略することができる。
本発明の表示装置に好適に用いられるプラスチック基板を構成する材料は、上記に例に限られない。
透明なプラスチック基板30および60を得るために用いられる透明樹脂としては、一般的な透明樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂、フェノール―エポキシ系樹脂混合系、ビスマレイミド―トリアジン樹脂混合系などの熱硬化樹脂や、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドなどの熱可塑性樹脂を使用することができる。
また、透明繊維としては、Eガラス、Dガラス、Sガラスなどの無機繊維および芳香族ポリアミド等の樹脂などによる有機繊維を使用することができる。透明繊維は、上述したように繊維束として用いることが好ましく、織布として用いることがさらに好ましい。
複合基板の機械的強度を向上するため、さらに機械的特性および光学的特性の均一性を高めるために、繊維を面内に均等に配置することが好ましく、繊維径および繊維束の径は細い方が好ましく、繊維束のピッチも狭い方が良い。具体的には、個々の繊維径は、約20μm以下が好ましく、約10μm以下であることがさらに好ましい。繊維束の幅としては200μm以下であることが好ましく、繊維束のピッチは500μm以下であることが好ましい。
また、繊維布の織り方は、上述したように、平織が最も好ましいが、朱子織および綾織等の一般的な織り方を採用することもできるし、不織布を使用することもできる。
プラスチック基板の透明性は高い方が好ましいので、繊維と樹脂マトリクスとの界面における拡散反射や繊維による散乱を抑制するために、繊維の屈折率と樹脂マトリクスの屈折率はできるだけ一致するように選択することが好ましい。一般に、繊維の材料よりも、樹脂マトリクスの材料の方が選択の範囲が広く、また、樹脂骨格に置換基(例えばフッ素原子を導入すると低屈折率化、臭素原子を導入すると高屈折率化できる)などの方法で上記の樹脂を改質することによって屈折率を調整することが好ましい。
プラスチック基板は、上記の繊維(繊維束または織布)および樹脂マトリクスの材料を用いて、種々の公知の方法で製造される。熱硬化性樹脂を用いる場合には、圧縮成形法、圧延成形法、注型法やトランスファー成形法などで製造することができ、熱可塑性樹脂を用いる場合は、圧縮法、射出成形法、押出し法などを用いて成形することができる。
充填材としては、ガラスビーズ以外にも例えばガラスファイバーを用いることができる。本実施形態で用いることのできるガラスビーズやガラスファイバーの直径に、特に制限はないが、凹凸を有する繊維布にガラスビーズ等を散布することによって、繊維布の凸部よりも凹部に高密度でガラスビーズ等を付与する場合(例えば図3(a))には、ガラスビーズ等の直径は、数μmもしくはそれ以下であれば効果的に付与できる。
図5(a)は、本発明による実施形態の液晶表示装置100の構成を模式的に示したものである。
液晶表示装置100は、プラスチック基板30Aおよびプラスチック基板102と、これらの間に設けられた液晶層104とを有する。プラスチック基板30Aは、樹脂含浸ガラス繊維布34および平坦化層38を含む複合体層44(図3(a)参照)と、複合体層44の液晶層側表面に形成された無機層46とを有する。プラスチック基板30Aは、無機層46が複合体層44の片側表面にのみ設けられている点を除いて、前述のプラスチック基板30と実質的に同じ構成を有しており、その表面の凹凸は100nm以下に低減されている。
プラスチック基板102として、透過型または透過/反射型(半透過型)の場合には、プラスチック基板30Aと同じ基板を用いることが好ましいが、例えば、反射型液晶表示装置を構成する場合、プラスチック基板102には透明性が要求されないので、異なる構成を採用することができる。
プラスチック基板30Aおよびこれと同じ構成を有するプラスチック基板102を用いて、一般的なプロセスで液晶表示装置100を作製することができる。例えば、一方のプラスチック基板上に、無機膜の蒸着温度(例えば200℃)よりも低い温度でTFT素子(不図示)および透明導電膜(ITO)106と配向膜108を形成し、他方のプラスチック基板上に、無機膜の蒸着温度(例えば200℃)よりも低い温度でカラーフィルタ(不図示)および透明導電膜(ITO)106と配向膜108を形成する。カラーフィルタ側の基板にシール材を付与し、TFT側の基板にスペーサを散布した後、これらの基板を互いに貼り合せる。その後、これらの基板の間隙に真空注入法により液晶材料の注入を行う。得られた液晶表示装置の基板の表面は、上述したように、凹凸が100nm以下に低減された状態が維持されているので、セル厚むらに起因する表示品位の低下は発生しない。
図5(b)は、比較例の液晶表示装置150の構成を模式的に示したものである。
液晶表示装置150は、プラスチック基板10Aおよび10Bを有している。プラスチック基板10Aおよび10Bは、無機層5が一方の表面にのみ設けられている点を除いて、図2(b)に示した従来例のプラスチック基板10と同じである。プラスチック基板10Aおよび10Bの表面には、繊維布の織り目に対応した凹凸が生じており、その凹凸は100nm超である。
比較例の液晶表示装置150は、主として、プラスチック基板30Aおよび102に代えてプラスチック基板10Aおよび10Bを用いたこと以外は、図5(a)に示した液晶表示装置100と同じ構成を有しており、液晶表示装置100と同様の方法で作製した。得られた液晶表示装置150は、繊維布の凹凸により、セルギャップが周期的に変化しているため、繊維布の織り目の模様に対応したセルギャップむらが観察され、良好な表示均一性を得ることができなかった。
図6(a)は、本発明による実施形態の有機EL表示装置200の構成を模式的に示したものである。
有機EL表示装置200は、プラスチック基板30Bと、プラスチック基板30B上に基板30B側からこの順に積層された透明電極(ITO)202と、正孔輸送層204と、発光層206と、背面電極208とを有する。基板30B上の積層構造は、封止板210によって封止されている。プラスチック基板30Bは、樹脂含浸ガラス繊維布34および平坦化樹脂層38を含む複合体層44と、複合体層44の片側表面に形成された無機層46とを有する。有機EL表示装置は水分によって容易に劣化するので、無機層46は、SiO2等の無機膜と有機膜とを交互に数層重ねることによって形成する。プラスチック基板30Bは、無機層46が上記無機膜と有機膜との積層構造を有する点および無機層46が複合体層44の片側表面にのみ設けられている点を除いて、前述のプラスチック基板30と実質的に同じであり、その表面の凹凸は100nm以下に低減されている。
有機EL表示装置は、一般的なプロセスで作製することができる。例えば、平坦な表面を有する基板30B上に、蒸着により透明電極202、正孔輸送層204、発光層206、および背面電極208を順に積層したのち、基板30Bの外周部にエポキシ樹脂を塗布し、封止板(例えば金属板)210を用いて封止することにより、作製される。
このようにして得られた有機EL装置200は、プラスチック基板30Bが表面平滑性に優れるため、基板表面の凹凸による電界強さの差が輝度むらとして現れることがなく、均一で、高い表示品位を実現できる。
なお、封止板210にプラスチック基板30Bと同じ構成の基板を用いれば、表裏両面から観察できる透明な有機EL表示装置が得られる。
図6(b)は、比較例の有機EL表示装置250の構成を模式的に示したものである。
有機EL表示装置250は、プラスチック基板10Cを有している。プラスチック基板10Cは、無機層46が無機膜と有機膜との積層構造を有する点および無機層46が複合体層44の片側表面にのみ設けられている点を除いて、図2(b)に示した比較例のプラスチック基板10と同じである。プラスチック基板は、平坦化樹脂層を形成した時点では100nm以下の平坦性であったが、無機膜を蒸着することにより、プラスチック基板10Cの表面には、繊維布の織り目に対応した凹凸が生じており、その凹凸は100nm超であった。
比較例の有機EL表示装置250は、主としてプラスチック基板30Bに代えてプラスチック基板10Cを用いたこと以外は、図6(a)に示した有機EL表示装置200と同じ構成を有しており、有機EL表示装置200と同様の方法で作製した。得られた有機EL表示装置250は、繊維布の織り目に対応した凹凸による電界強さの差が輝度むらとして現れ、良好な表示均一性を得ることができなかった。
本発明による表示装置は、プラスチック基板を備えているので、軽量、薄型および耐衝撃性が要求される用途に好適に用いられ、従来よりも高品位の表示を提供できる。本発明は、液晶表示装置、有機EL表示装置に限られず、電気泳動型表示装置など他の表示装置にも適用できる。
プラスチック基板に用いられる樹脂を含浸したガラス繊維布3の一部を模式的に示すものであり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 (a)および(b)は、従来のプラスチック基板10の製造方法および表面に凹凸が形成されるメカニズムを説明するための図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態の表示装置に用いられるプラスチック基板30の製造方法を説明するための図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態の表示装置に用いられるプラスチック基板60の製造方法を説明するための図である。 (a)は本発明による実施形態の液晶表示装置100の構成を模式的に示す図であり、(b)は比較例の液晶表示装置150の構成を模式的に示す図である。 (a)は本発明による実施形態の有機EL表示装置200の構成を模式的に示す図であり、(b)は比較例の有機EL表示装置250の構成を模式的に示す図である。
符号の説明
1 繊維
1A 繊維束
1S 繊維布
2 樹脂層
3 樹脂含浸ガラス繊維布(複合体層)
4 平坦化樹脂層
5 無機層
10 プラスチック基板
10A プラスチック基板
10B プラスチック基板
10C プラスチック基板
30 プラスチック基板
30A プラスチック基板
32 繊維束
34 樹脂含浸ガラス繊維布
36 樹脂層
38 平坦化樹脂層
40 充填材
44 複合体層
46 無機層
50 第1複合体層領域
52 第2複合体層領域
54 複合体層
56 平坦化樹脂層
58 樹脂層
60 プラスチック基板
100 液晶表示装置
102 プラスチック基板
104 液晶層
106 透明導電膜
108 配向膜
150 液晶表示装置
200 有機EL表示装置
202 透明電極
204 正孔輸送層
206 発光層
208 背面電極
210 封止板
250 有機EL表示装置

Claims (15)

  1. 繊維布と樹脂層とを含む複合体層を有し、かつ、前記樹脂層に含まれる樹脂材料の線膨張率が前記繊維布の線膨張率よりも大きいプラスチック基板であって、前記繊維布の体積分率が第1の値である第1複合体層領域と、前記第1の値よりも小さい第2の値である第2複合体層領域とを備えるプラスチック基板と、
    前記プラスチック基板上に設けられた表示媒体層とを有する表示装置であって、
    前記樹脂層は樹脂材料と充填材とを含み、前記充填材の線膨張率は前記樹脂材料の線膨張率よりも小さく、
    前記第2複合体層領域の前記樹脂層は、前記第1複合体層領域の前記樹脂層よりも前記充填材を高密度で含んでおり、前記第2複合体層領域の前記樹脂層は、前記第1複合体層領域の前記樹脂層よりも線膨張率が小さい、表示装置。
  2. 前記プラスチック基板は、前記繊維布の体積分率が0である第3複合体層領域を備え、前記第3複合体層領域の前記樹脂層は、前記第1複合体層領域および前記第2複合体層領域の前記樹脂層よりも前記充填材を高密度で含んでいる、請求項に記載の表示装置。
  3. 前記樹脂層は、前記繊維布を覆う第1樹脂層と、前記繊維布の両側に設けられた第2樹脂層とを含み、
    前記第1樹脂層は第1樹脂材料を含み、
    前記第2樹脂層は第2樹脂材料と前記充填材とを含む、請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記樹脂層は、第2樹脂層の上に配置された第3樹脂層をさらに含み、第3樹脂層は第3樹脂材料を含む、請求項に記載の表示装置。
  5. 前記充填材は、ガラスファイバーおよびガラスビーズのいずれか一方を少なくとも含む、請求項からのいずれかに記載の表示装置。
  6. 前記繊維布はガラス繊維で形成されている、請求項1からのいずれかに記載の表示装置。
  7. 前記表示媒体層は液晶材料を含む、請求項1からのいずれかに記載の表示装置。
  8. 前記表示媒体層は有機EL材料を含む、請求項1からのいずれかに記載の表示装置。
  9. 前記プラスチック基板は、前記複合体層の少なくとも一方の表面に形成された無機膜を含む、請求項1からのいずれかに記載の表示装置。
  10. 前記プラスチック基板の表面粗さは100nm以下である、請求項に記載の表示装置。
  11. プラスチック基板と、前記プラスチック基板上に設けられた表示媒体層とを有する表示装置の製造方法であって、前記プラスチック基板の製造プロセスは、
    基板面内において互いに交差するように配列された複数の繊維束を含むことによって交差部に形成される凸部と非交差部に形成される凹部とを有する繊維布と、前記繊維布の表面を覆う含浸樹脂層とを有する樹脂含浸繊維布を用意する工程と、
    樹脂材料と充填材との混合物を前記凹部に選択的に付与するとともに、前記樹脂材料のみを前記凸部に選択的に付与することによって、前記樹脂含浸繊維布に樹脂層を形成する工程と、を包含し、
    前記樹脂材料の線膨張率は前記繊維布の線膨張率よりも大きく、かつ、前記充填材の線膨張率は前記樹脂材料の線膨張率よりも小さい、表示装置の製造方法。
  12. プラスチック基板と、前記プラスチック基板上に設けられた表示媒体層とを有する表示装置の製造方法であって、前記プラスチック基板の製造プロセスは、
    基板面内において互いに交差するように配列された複数の繊維束を含むことによって、交差部に形成される凸部と非交差部に形成される凸部とを有する繊維布を用意する工程と、
    樹脂材料と充填材との混合物を前記凹部に選択的に付与するとともに、前記樹脂材料のみを前記凸部に選択的に付与することによって、前記繊維布に樹脂層を形成する工程と、を包含し、
    前記樹脂材料の線膨張率は前記繊維布の線膨張率よりも大きく、かつ、前記充填材の線膨張率は前記樹脂材料の線膨張率よりも小さい、表示装置の製造方法。
  13. 前記樹脂層の上に、薄膜堆積法を用いて200℃以上で無機膜を形成する工程をさらに含む、請求項11または12に記載の表示装置の製造方法。
  14. 前記充填材は、ガラスファイバーおよびガラスビーズのいずれか一方を少なくとも含む、請求項11から13のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
  15. 前記繊維布はガラス繊維で形成されている、請求項11から14のいずれかに記載の表示装置の製造方法。
JP2003374064A 2003-11-04 2003-11-04 表示装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4181013B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003374064A JP4181013B2 (ja) 2003-11-04 2003-11-04 表示装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003374064A JP4181013B2 (ja) 2003-11-04 2003-11-04 表示装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005140818A JP2005140818A (ja) 2005-06-02
JP4181013B2 true JP4181013B2 (ja) 2008-11-12

Family

ID=34685897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003374064A Expired - Fee Related JP4181013B2 (ja) 2003-11-04 2003-11-04 表示装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4181013B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4484733B2 (ja) * 2005-03-03 2010-06-16 シャープ株式会社 表示装置用プラスチック基板およびその製造方法
WO2009019787A1 (ja) * 2007-08-09 2009-02-12 Pioneer Corporation 有機半導体装置用樹脂基板
KR102026604B1 (ko) * 2008-07-10 2019-10-01 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광 장치 및 전자 기기
KR102040563B1 (ko) 2008-07-10 2019-11-05 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광장치 및 전자기기
TWI475282B (zh) * 2008-07-10 2015-03-01 Semiconductor Energy Lab 液晶顯示裝置和其製造方法
JP5042163B2 (ja) * 2008-08-20 2012-10-03 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置の作製方法
JP5216716B2 (ja) 2008-08-20 2013-06-19 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置及びその作製方法
KR101613865B1 (ko) * 2009-03-26 2016-04-20 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광 장치 및 그 제작 방법
JP5523510B2 (ja) * 2012-07-10 2014-06-18 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置の作製方法
WO2014098275A1 (ko) * 2012-12-17 2014-06-26 코오롱글로텍주식회사 플렉서블 디스플레이를 위한 평탄화 섬유기판의 제조방법
JP5802302B2 (ja) * 2014-04-08 2015-10-28 株式会社半導体エネルギー研究所 発光装置の作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005140818A (ja) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4233433B2 (ja) 表示装置の製造方法
JP4181013B2 (ja) 表示装置およびその製造方法
KR102107563B1 (ko) 광학 필름, 이를 포함하는 표시 장치 및 광학 필름의 제조 방법
KR100794239B1 (ko) 플라스틱 기판 및 그것을 구비한 액정 표시 장치
CN100489628C (zh) 液晶显示板和液晶显示设备
JP4181060B2 (ja) 液晶表示装置
JP5274006B2 (ja) ワイヤグリッド偏光子およびその製造方法
JP2007511872A (ja) バリア層および歪みレリーフを有するoled構造
KR20110109443A (ko) 디스플레이 장치용 컬러시프트 저감 광학필터 및 이의 제조방법
CN109244238B (zh) 用于显示面板的柔性基板及其制作方法
KR102460687B1 (ko) 플렉서블 표시 장치
CN108594515B (zh) 柔性偏光盖板及其制备方法、包含它的显示面板和显示装置
JP2001133761A (ja) 液晶表示素子及び有機led素子
JP4484733B2 (ja) 表示装置用プラスチック基板およびその製造方法
JP2004233851A (ja) 透明基板
KR101560772B1 (ko) 표시장치 및 그 제조방법
KR20150079054A (ko) 적층형 광학시트
JP2004109171A (ja) 光学フィルム、その製造方法及び液晶表示装置
JP2009058974A (ja) 表示装置
TW200835959A (en) Liquid crystal display and its manufacturing method
CN114023901A (zh) 薄膜封装结构及其制备方法、显示面板
KR20220085201A (ko) 플렉서블 표시 장치
KR101385198B1 (ko) 디스플레이용 광학 투명 복합필름 및 제조방법
KR102598479B1 (ko) 플렉서블 기판과 이를 포함하는 플렉서블 표시장치
KR100294196B1 (ko) 평활막을구비한액정표시소자및그형성방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080826

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080828

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees