JP4180833B2 - インバータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は様々な集積回路等の基本構成素子となるインバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
活性層にアモルファスSi半導体材料を用いた電界効果型トランジスタは、従来から知られており、工業製品として製造されている。この電界効果型トランジスタの典型的な構造では、図11及び図12に示すように、基板に対し、横型に配置されている。図11は、D. B. Thomasson & al., IEEE El. Dev. Lett., Vol. 18, p. 117; March 1997で記された水素化アモルファスSiを用いた電界効果型トランジスタの素子構造を示す。図11において、11は基板、12はアルミニウムからなるソース電極、13はアルミニウムからなるドレイン電極、14はゲート電極、15はゲート絶縁層、16は半導体チャンネル部である。
【0003】
図12はA. Dodabalapur & al., Appl. Phys. Lett., Vol. 69, pp. 4227-29, December 1996 で示された有機化合物を用いた電界効果型トランジスタの構造を示す。図12において、17は基板、18,19はドレイン電極及びソース電極、20はゲート電極、21は絶縁層、22は半導体チャネル部である。
これらの電界効果型トランジスタでは、ソース領域、ドレイン領域は電気的に中性であるチャネル領域により分離され形成されている。また、ゲート電極はゲート絶縁膜にて電気的に分離され、活性層中のチャネル領域上部に配置している。
【0004】
これらの電界効果型トランジスタは、活性層を構成する半導体材料としては無機アモルファス材料や無機多結晶材料、有機材料としてのπ共役高分子、芳香族分子などが用いられている。これらの典型的な電界効果型トランジスタの構造は、ゲート電極14、20よりゲート絶縁膜15、21を介して印加された電界が半導体チャネル部16、22に作用してソース電極12、18とドレイン電極13、19との間の半導体チャネル部16、22に電流を流すことでトランジスタ動作を実現している。
【0005】
有機半導体材料を用いた薄膜トランジスタは、製造方法の簡便さから、近年、精力的に研究が成されつつあり、その特徴は、Si系材料と比較して、真空を用いない素子作製プロセス、大面積で均一な素子作製、ソース領域/ドレイン領域の形成を行わずに電極配線ができることなど、単純工程、単純製造方法により安価である等の特徴を有している。一方、有機半導体材料を用いた薄膜トランジスタは、Si系材料を用いた薄膜トランジスタと比較して、キャリア移動度(トランジスタ性能を示すもの)が低く、大電流、高速動作の点で問題があった。
【0006】
ほとんどの公開公報に見られる、この問題の解決法は、有機材料の開発であった。例えば、高いキャリア移動度を実現させるものとして、π共役高分子の共役状態を制御したもの、分子配向技術を用いて分子電気伝導異方性を用いたもの、蒸着法にて、有機分子膜を得る際に、高い結晶性を実現させるものなどである。
【0007】
図11及び図12に示す電界効果トランジスタの動作は、ソース電極12、18とドレイン電極13、19との間に電圧を印加した状態で、ゲート電極14、20に電圧を印加して、ゲート絶縁膜15、21と半導体16、22の界面にチャネルを誘起させ、このチャネルを通してソース電極12、18とドレイン電極13、19との間に電流を流すものである。ここで、ソース電極12、18とドレイン電極13、19との間の電流Idは一般に次の式(1)で表わすことができる。
【0008】
【数1】
Figure 0004180833
【0009】
トランジスタ性能の向上とは、限られたトランジスタ寸法(W:ゲート幅、L:ゲート長)内で、より高いId値を実現することである。式(1)より、Idを向上させる因子(W,L以外)として、Cox、μの増加がある。
特開平10-270712号公報には比誘電率の高い材料を用いて実効的なCoxを向上させた薄膜トランジスタ・デバイス構造が記載され、特開平10-190001号公報にはπ共役系高分子材料の開発によりμを向上させた薄膜トランジスタが記載され、特開平2001-94107号公報には有機分子蒸着法によりμを向上させた有機半導体装置が記載されている。これらは全て図11及び図12に示す構造のトランジスタであった。
【0010】
式(1)において、特にLを減少させることは高いIdを得るのに得策である。これはSiテクノロジーにおいてゲート長の縮小化の変遷に対応している。Siテクノロジーに於いては、当初10μm幅のゲート長が、現在では0.1μm程まで縮小されつつある。これはCoxやμの開発を行わなくて、Id値に於いて100倍増加をもたらす。
この短ゲート長の傾向はリソグラフィー加工限界の向上に主に依存している。有機半導体を用いたトランジスタではゲート長は10〜5μm幅がもっぱら試作されている。
【0011】
有機半導体の特徴は低い製造コストであり、Siテクノロジーで開発されたリソグラフィー加工を有機半導体製造に用いることは、有機トランジスタの特徴である低製造コストの概念に反するものであり、有機半導体製造に積極的なリソグラフィー加工の技術の採用はありえない。
有機トランジスタの製造法として、ソフトリソグラフィーなる概念の工法が提案されており、この工法を用いた場合、上述の10μmないし5μmのゲート長しか製造できないのが現状である。従って、早急なゲート長の縮小化は困難である。
【0012】
この様な背景に鑑みて本発明者等は、ソース電極層、半導体層及びドレイン電極層が順次に積層され、それら層の一方の側壁に接するように垂直方向に立てて設けたゲート絶縁層及びゲート電極層を順次に有してなる、所謂、縦型電界効果トランジスタを提案し、特性の飛躍的な向上に至った。
【0013】
一方、電界効果型トランジスタは、Siを活性層に用い、半導体装置として実用に供されており、具体的には、個別の半導体素子として用いられる上、IC素子として組み上げられて多彩な機能を実現している。しかし、有機半導体を活性層に用いたトランジスタは、上記個別トランジスタ以外は以下の2、3のものを除きなされておらず、個別トランジスタでのみ実現可能であるため、機能が限られ且つ応用が極めて限定されていた。
【0014】
特開平5-152560号公報、特開平9-199732号公報には複数のトランジスタを組み合わせた素子に関する、唯一の提案が記載されているが、これに構成されている有機トランジスタは、縦型トランジスタではない。
図13はインバータ回路を示し、図4はその動作を説明するためのものである。インバータは入力信号に対し、出力信号として逆の信号を発生させる素子である。インバータにおいて、今、電源電圧として5Vを印加し、入力信号として5Vを入力した時には0Vを出力し、また入力信号が0Vの時には5Vを出力する。
【0015】
このインバータは、図13に示すように、1つのスイッチングトランジスタ23と負荷抵抗(ロード素子)24を接続した構成をとる。図14(a)に示すように入力信号が0Vの時はスイッチングトランジスタ23がオフになって出力側に電源電圧の5Vが出力され、また図14(b)に示すように入力信号が5Vの時は、スイッチングトランジスタ23はオン状態となり、電源電圧の5Vにより接地に対して電流が流れ、結果として出力端子は0Vになる。上記説明に於いてはn型のスイッチングトランジスタ23にて説明したが、p型のトランジスタを用い、電源電圧として−5Vを供給した場合に同様なインバータ動作を示すことは言うまでもない。
【0016】
図15は特開平5-15256号公報等に記載された、従来から提案されている横型電界効果トランジスタを用いたインバータを示す。図15に於いて、1は電気的開閉を行うスイッチング素子、2はスイッチング素子1に直列に接続されて電気的負荷として作用するロード素子である。3はインバータの入力端子、4はインバータの出力端子、5は電源VDDに接続された定電圧端子である。6、7、8はそれぞれスイッチング素子1のドレイン電極、ソース電極、ゲート電極であり、ドレイン電極6及びソース電極7は、相互間にギャップを有してゲート電極8に対向配置されている。ドレイン電極6は出力端子4に接続され、ソース電極7はグランドに接続され、ゲート電極8は入力端子3に接続されている。
【0017】
Science 290巻, 15番 (2000) 2123頁に記載された有機半導体性能を用いてインバータを設計した場合、トランジスタオン抵抗を40MΩとし、負荷抵抗の値をこれに比べて十分大きな値として例えば10倍の400MΩとすると、5μmのデザインルールで設計した場合、必要なトランジスタ占有面積は200μm×200μm、一方、負荷抵抗部はポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)系導電性高分子を用いた場合、この材料の抵抗率が10Ωcmと比較的高抵抗であるために30μm×30μmと比較的小型化できる。即ち、素子の集積化はスイッチングトランジスタの小型化を実行すればよい。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従来の有機半導体を活性層に用いた半導体素子は、個別のトランジスタとしてしか実現できず、また集積化が困難であるので、機能が限られ且つ応用が限定されるという問題がある。
本発明は、集積化が容易であるインバータを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ドレイン電極、半導体層、ソース電極を順次に積層した活性層部と、これらの層の一方の側壁に接するように垂直方向に立ててゲート絶縁層及びゲート電極を順次に設けたゲート部とを有し、前記半導体層が有機半導体材料からなる縦型電界効果トランジスタと、下部電極膜、抵抗膜、上部電極膜のサンドイッチ構造からなる負荷抵抗層部と、導電性部材からなる入力部及び出力部とを有するインバータであって、前記電界効果トランジスタ、前記負荷抵抗層部、前記入力部及び前記出力部が絶縁性基板上に多角柱形状に形成されるとともに、前記活性層部、前記負荷抵抗層部、前記入力部及び前記出力部は前記絶縁性基板上にパターニングされた電極によって接続されるものである。
【0020】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のインバータにおいて、前記多角柱形状は正六角形柱形状であるものである。
請求項3に係る発明は、請求項1記載のインバータにおいて、前記縦型電界効果トランジスタに前記負荷抵抗層部を負荷抵抗素子として電気的に接続したものである。
【0021】
請求項4に係る発明は、請求項3記載のインバータにおいて、前記負荷抵抗層部は電気伝導特性を有する有機化合物で構成したものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか 1 つに記載のインバータにおいて、前記ソース電極、前記ドレイン電極、前記ゲート電極、前記負荷抵抗層部及び、前記スイッチング素子と前記負荷抵抗層部を電気的に接続する前記パターニングされた電極が有機物を含めた導電性材料群からなるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態は、論理ゲート、メモリIC、スイッチング素子、増幅素子等の基本構成素子となるインバータであり、縦型有機トランジスタを用いたものである。縦型トランジスタの特徴としては、動作電流の飛躍的な向上のほか、素子1個の占有する面積が非常に小さく、従って、複数のトランジスタを組み合わせて論理演算素子を構成した場合、従来のものと比べ飛躍的な集積化が容易になる点がある。
【0024】
本発明の実施形態は、基板上に形成される電界効果型トランジスタであって、ソース電極、半導体層、ドレイン電極が積層され、且つ半導体領域とは異なる部位に絶縁領域及びゲート電極領域が配置され、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流が基板面に対して略直行方向に流れる縦型電界効果トランジスタにおいて、各々の電極が多角柱形状に形成されている。このため、素子の集積化が容易となる。本発明の実施形態は、一部もしくは全てを有機物から構成することができる。
【0025】
図1及び図2は本発明の一例を示す。図1及び図2では図の簡略化としてゲート絶縁膜、素子間絶縁膜の図示を省略してあり、図2(b)はこの例の各部34、35、37、38を分離して縦に並べて示してある。この例のインバータは、ドレイン電極31、半導体層32(この厚みがチャネル)、ソース電極33を順次に積層した活性層部34と、これらの層31〜33の一方の側壁に接するように垂直方向に立ててゲート絶縁層及びゲート電極層を順次に設けたゲート部35とでスイッチング素子としての有機半導体材料からなる縦型電界効果トランジスタ36が形成される。
【0026】
さらに、このインバータは、電気伝導特性を有する有機化合物で構成した、下部電極膜、抵抗膜、上部電極膜のサンドイッチ構造からなる負荷抵抗層(ロード素子)部37と、導電性部材からなる入力部38及び出力部39とを有し、各部36〜39が絶縁性基板40上に多角柱形状、例えば正六角柱状に形成され、活性層部34、負荷抵抗層部37、入力部38、出力部39はともに絶縁性基板40上にパターニングされた電極41によって接続される。
【0027】
縦型電界効果トランジスタ36には負荷抵抗層部37が電気的に接続され、活性層部34のドレイン電極31はリード線を介して接地される。活性層部34のソース電極33は基板40上のパターニング電極41により負荷抵抗層部37及び出力部39に接続される。ゲート部35のゲート電極層は基板40上のパターニング電極41、入力部38、リード線を介して入力信号源に接続され、負荷抵抗層部37はソース電極33に接続された端部とは反対側の端部にリード線を介して電源VDDの電圧が印加され、出力部39はソース電極33に接続された端部とは反対側の端部からリード線を介して出力信号を出力する。
【0028】
活性層部34及びゲート部35により形成される縦型電界効果トランジスタ36はゲート電極層に印加される入力信号が0Vの時にはオフし、出力部39から電源電圧が出力される。また、活性層部34及びゲート部35により形成される縦型電界効果トランジスタ36は、ゲート電極層に印加される入力信号が例えば5Vの時にはオン状態となり、電源電圧により接地に対して電流が流れ、結果として出力部39の出力信号が0Vになる。
【0029】
このように、縦型電界効果トランジスタ36を用いることにより、素子の小型化を図ることができ、また各々の電極が多角柱となっていることにより集積化に好適となり、更に電極リードが上面のみで連結される(リード線が活性層部34、負荷抵抗層37、出力部39の上面のみに接続される)ことにより電気的接続に好適になる。
【0030】
以下、本発明の実施形態のインバータを構成する縦型電界効果トランジスタについて図面を参照して説明する。尚、図面では縦型電界効果トランジスタを構成する最小ユニットのみを示している。
図3は本発明の実施形態における縦型電界効果トランジスタ素子構造を示す。図3において、51は絶縁性基板であり、ガラスまたは高分子シートのような絶縁材料であることが好ましい。活性層領域52はソース領域53、半導体領域54、ドレイン領域55が膜状に順次に積層される構成をとる。ゲート電極56は、活性層領域52とは異なる領域に配置され、ゲート絶縁膜57を介して活性層領域52に電界を印加する構造をとる。
【0031】
Si半導体素子のトランジスタ構成はソース領域、チャネル領域(半導体領域)、ドレイン領域が一般に活性層領域と定義されており、本発明の実施形態における縦型電界効果トランジスタにおいてもこの区分にしたがっている。
Si半導体素子では、Si材料とAl配線における電気的導通状態を良好に確保するため(オーミックコンタクトを得るため)、不純物拡散処理を行い、この部分と電極コンタクト部さらに電極を、ソース領域、ドレイン領域としている。
【0032】
従って、本発明の実施形態における縦型電界効果トランジスタのソース電極またはソース領域とは、電極膜、半導体素子と良好な電気的コンタクトを得るためのバッファー膜等を含む部位を称している。後述の有機半導体材料においては、電荷移送を役目とする電荷移送層と電極膜の両者を含む場合がある。一方、有機半導体材料の一部の材料は、バッファー膜を介さずに金属膜と良好な電気的コンタクトが形成される場合があり、その場合には本発明の実施形態における縦型電界効果トランジスタのソース電極またはソース領域とは単に電極膜を意味する。
【0033】
図4及び図5はこれらの縦型電界効果トランジスタの分類を示す。図4に示す縦型電界効果トランジスタにおいては、活性層領域52は、半導体層54、第1の電極膜58、バッファー膜59,60、第2の電極膜61の積層膜からなる。図5に示す縦型電界効果トランジスタにおいては、活性層領域52は、半導体層54、第1の電極膜58、第2の電極膜61の積層膜からなる。
【0034】
また、縦型電界効果トランジスタにおいて、他のバッファー層機能として、電界効果トランジスタオフ電流の低減の機能を保有させてもよい。電気伝導に寄与する伝導キャリアには電子とホールの二者が存在し、ホール輸送型の半導体材料のバッファー層としては電子輸送機能を有する材料を用い、また電子輸送型半導体材料のバッファー膜としてはホール輸送機能を有する材料を用いてもよい。この様に構成された素子において、伝導キャリアは、半導体層とバッファー層との界面に形成された僅かな電位障壁を越えて伝導するため、特に電界効果トランジスタのオフ電流の低減に効果的に作用する。
【0035】
図6は電界効果トランジスタを動作させる場合のゲート電圧、ソース・ドレイン間電圧を印加するための結線を示す。ソース領域53とドレイン領域55との間に印加されるソース・ドレイン間電圧VDSによりソース領域53とドレイン領域55との間に流れる電流Idはゲート電極56にゲート電圧VGを印加したとき、ゲート絶縁膜57を介して活性層領域52に作用する電界により半導体領域54とゲート絶縁膜57との界面にチャネルが形成されてIdが流れる。このIdは配置されているソース領域53、ドレイン領域55を流れるので、基板51面に直交するように電流Idが流れる。
この図6から、半導体層54の膜厚が(1)式中のLに相当していることが分かり、フォトリソグラフィー加工を用いなくて、飛躍的な短チャネル長を実現できる。
【0036】
次に、好ましい電界効果トランジスタ作製法について図7を参照して説明する。
絶縁性ガラス基板51上に第1の電極膜53としてAuを蒸着法等の周知の薄膜形成法により成膜する。一般にガラス基板とAu膜は密着力が乏しいので、ガラス基板53とAu膜との間に密着層として、Cr、Ti、Ta膜等を配置するのが好ましい。
【0037】
第1の電極膜53としてAu膜を用いた場合、アルカンチオール系有機材料は、Au表面に自己制御単分子吸着膜を形成するので、マイクロコンタクトプリンティング法を用いて、所望する領域にアルカンチオールの転写を行い、ウェットエッチングによりAuを除去し、第1の電極パターン53を形成する。
【0038】
マイクロコンタクトプリンティング法とは、図8(a)〜(d)に示すように所望するパターン形状のネガパターンをマスター(母材、主としてSi基板が用いられる)63に形成する。この場合、ネガパターンはフォトリソグラフィ・エッチングにて作製する。すなわち、図8(b)に示すようにマスター63上にフォトレジスト64をコーティングし、図8(c)に示すように所望するパターン形状の露光及び現像を行った後、図8(d)に示すようにエッチングを行ってネガパターンを形成する。
【0039】
次に、図8(e)に示すようにマスター63にポリジメチルシロキサン65を流し込んで熱処理した後、これを図8(f)に示すようにマスター63から剥すことにより版66を作製する。ポリジメチルシロキサンは柔軟な樹脂であり、マスターパターンからの転写は条件の適正化の下、5μm程の解像度を持つ。この様にして形成した版66に図8(g)に示すようにアルカンチオールインク67を付け、図8(h)に示すようにAu蒸着膜基板68上のAu蒸着膜に転写することで、アルカンチオール自己制御組織化膜が形成される。この組織化膜は、Auとチオール基が結合し、両面にはアルキル基が露出しているため、よう素/よう化アンモニウム水溶液などの、極性溶媒エッチング液でAu蒸着膜基板68を浸漬すると、アルカンチオールの無い部位のみがエッチングされる(図7(a)参照)。
【0040】
従来のフォトリソグラフィ・エッチング法のように、その都度、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト剥離にてパターン膜を得る工程と比較し、上述の様な方法を用いれば、一度、版を作製するのみで、多量の膜加工ができ、製造コストの低減に好適である。
【0041】
この様にして基板51上に第1の電極パターン53を形成した後、ゲート絶縁膜57の加工を行う。ゲート絶縁膜57の材料としては(1)式で示されるCoxを高めるため、比誘電率の高い材料が好ましい。また、有機材料は各種加工性に優れているため特に好適である。ノボラック樹脂にナフトキノンジアジド紫外線感光基を導入した、所謂ポジ型フォトレジストは有機物の中では比較的比誘電率が高いので好ましい。
【0042】
上述の基板51上に、フォトレジストを塗布してプリベークした後、高圧水銀ランプにて露光し、現像、ポストベーク処理を施して図7(b)に示すようにゲート絶縁膜57を含む構造体70を形成する。後工程でのレジスト膜変質を防ぐためにUVキュアを行ってもよい。
【0043】
図7(c)に示すように第1の電極パターン53上に形成する半導体材料54としては、π電子共役系の芳香族化合物、鎖式化合物、有機顔料等が好ましい。具体的には、半導体材料54としては、ペンタセン、テトラセン、チオフェンオリゴマー誘導体、フェニレン誘導体、フタロシアニン化合物、ポリアセチレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、シアニン色素などが挙げられる。
【0044】
半導体材料54は、低分子材料では、真空蒸着法にて成膜し、高分子材料ではキシレン、クロロホルムなどの溶媒に溶解させて塗布液とし、印刷法、インクジェット描画法などの手法により、所望する箇所に膜形成する。
【0045】
図7(c)において、イは活性層領域、ロはゲート電極領域であり、半導体材料54は選択的に活性層領域イの部分に形成する。半導体材料54は、真空蒸着法ではメタルマスクを配置し、ゲート電極領域ロの部分を遮蔽し、成膜することができる。メタルマスクは、開孔30μm程のパターンが加工できるので、好適である。インクジェット法による描画では同様な解像度が得られている。更に、グラビア印刷などにおいては10μm程のパターン形成が可能である。
【0046】
真空成膜法を用いた場合、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物、チタン酸ストロンチウムなどの複合酸化物等からなる無機半導体材料も成膜できる。
図7(c)に示すようにゲート電極領域ロの部位にはゲート電極56を配置する。ゲート電極56の材料としては、真空蒸着が可能な金属材料のほか印刷法、インクジェット法により形成可能なポリアニリン、ポリジオキシチオフェンなどの導電性高分子材料が選ばれる。
【0047】
半導体材料54上には、図7(d)に示すように第2の電極膜55として、同様の方法により電極膜を形成することで縦型電界効果トランジスタ素子が形成される。
また、第1の電極膜53と半導体膜54の中間に電荷移送を容易にさせるためのバッファー膜として、半導体材料54の仕事関数に整合した導電性材料を膜形成することも好適な結果を与える。印刷法やインクジェット法にて形成可能な導電性高分子材料、ポリアニリンやポリジオキシチオフェンなどのほか、有機EL材料で周知になっている電荷移送材を第1の電極膜53と半導体膜54の中間にバッファー膜として真空蒸着法にて形成してもよい。
【0048】
この様に縦型トランジスタが作製されるが、インバータを構成する負荷抵抗部37や入力電圧Vin及び出力電圧Voutが入出力される電極部位(入力部38、出力部39)は図7(d)にて説明したゲート電極形成時に、上述のように他の部位に各々形成すれば良い。
【0049】
次に、本発明の一実施例について説明する。
この実施例では、ガラス基板上に真空蒸着法を用いて、密着膜のCrを30 nm(ナノメートル)、Auを70 nm成膜して第1の電極膜を形成した。この第1の電極膜に対して、デカンチオールのマイクロコンタクトプリンティング転写を行ってよう素とよう化アンモニウム水溶液によりAuをエッチングし、引き続き硝酸セリウムアンモニウムを含む硝酸水溶液にてクロム膜をエッチングし、図1(b)に示すようなT型電極41を形成した。
【0050】
次に、上記ガラス基板上に東京応化社製フォトレジスト(OFPR800)を1μmの厚さでスピンコーティングし、正六角形の形状を露光して現像し、ポストベークとUVキュアにより、ゲート絶縁膜を形成した。このゲート絶縁膜は、更に、酸素プラズマによる灰化処理にて1μm厚のレジストパターンを0.5μm厚まで等方的にエッチングすることで、リソグラフィー加工より更に微細寸法に加工できる。ここに、トランジスタ動作部としてのチャネル幅は20μmとした。
【0051】
次に、この素子に対して、バイエル社製PEDOT導電性高分子溶液を用い、ドレイン電極を第1の電極膜上にインクジェット法により形成した後、p型半導体材料として、市販品ポリヘキシルチオフェンを精製し、クロロホルムに溶解し、半導体層をインクジェット法にて形成した。有機半導体濃度は0.5wt%以下にし、この結果、約100 nm以下の半導体層の形成が可能になった。
【0052】
引き続きソース電極層を半導体層上にインクジェット法にて形成し、ゲート電極をゲート絶縁膜の側壁にインクジェット法にて形成し、図9に示すように正六角柱形の縦型電界効果トランジスタ素子71を作製した。
また、上記ガラス基板上には縦型電界効果トランジスタ素子71に隣接して正六角柱形の負荷抵抗層部72、正六角柱形の導電性部材からなる入力部73、正六角柱形の導電性部材からなる出力部74を並列に形成し、縦型電界効果トランジスタ素子71、負荷抵抗層部72、入力部73、出力部74は上記ガラス基板上のT型電極によって接続した。縦型電界効果トランジスタ71には負荷抵抗層部72が電気的に接続され、縦型電界効果トランジスタ71のドレイン電極はリード線を介して接地される。縦型電界効果トランジスタ素子71のソース電極はガラス基板上のT型電極により負荷抵抗層部72及び出力部74に接続される。縦型電界効果トランジスタ71のゲート電極はガラス基板上のT型電極、入力部73、リード線を介して入力信号が印加され、負荷抵抗層部72はソース電極に接続された端部とは反対側の上端部にリード線を介して電源VDDの電圧が印加され、出力部74はソース電極に接続された端部とは反対側の上端部からリード線を介して出力信号を出力する。
【0053】
本発明の他の実施例では、上記実施例において、図10に示すように一辺が20μmの正三角柱の縦型電界効果トランジスタ素子75、一辺が20μmの正三角柱形の負荷抵抗層部76、一辺が20μmの正三角柱形の導電性部材からなる入力部77、一辺が20μmの正三角柱形の導電性部材からなる出力部78を絶縁性基板上に並列に形成してインバータを構成した。この実施例の占有面積は40μm×60μmである。これは、前述の横型トランジスタでの占有面積330μm×330μm(スイッチングトランジスタ200μm×200μm、負荷抵抗部30μm×30μm 、配線部100μm×100μm)の約35分の1に縮小された。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、縦型電界効果トランジスタを用いることにより、素子の小型化を図ることができ、また各々の電極が多角柱となっていることにより集積化に好適となり、更に電極リードが上面のみで連結されることにより電気的接続に好適になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例及びその一部を示す斜視図である。
【図2】同例の活性層部を示す斜視図、及び同例の各部を縦に並べて示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態における縦型電界効果トランジスタ素子構造を示す断面図である。
【図4】縦型電界効果トランジスタの分類例を示す図である。
【図5】縦型電界効果トランジスタの他の分類例を示す図である。
【図6】上記実施形態において電界効果トランジスタを動作させる場合のゲート電圧、ソース・ドレイン間電圧を印加するための結線を示す図である。
【図7】上記実施形態の電界効果トランジスタ作製法の一例を説明するための図である。
【図8】マイクロコンタクトプリンティング法を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施例を示す上面図である。
【図10】本発明の他の実施例を示す上面図である。
【図11】従来の横型電界効果型トランジスタを示す断面図である。
【図12】従来の他の横型電界効果型トランジスタを示す断面図である。
【図13】インバータ回路の一例を示す回路図である。
【図14】同インバータ回路の動作を説明するための図である。
【図15】従来の横型電界効果トランジスタを用いたインバータを示す平面図である。
【符号の説明】
31 ドレイン電極
32 半導体層
33 ソース電極
34 活性層部
35 ゲート部
36 縦型電界効果トランジスタ
37 負荷抵抗層部
38 入力部
39 出力部
40 絶縁性基板
41 電極

Claims (5)

  1. ドレイン電極、半導体層、ソース電極を順次に積層した活性層部と、これらの層の一方の側壁に接するように垂直方向に立ててゲート絶縁層及びゲート電極を順次に設けたゲート部とを有し、前記半導体層が有機半導体材料からなる縦型電界効果トランジスタと、
    下部電極膜、抵抗膜、上部電極膜のサンドイッチ構造からなる負荷抵抗層部と、
    導電性部材からなる入力部及び出力部とを有するインバータであって、
    前記電界効果トランジスタ、前記負荷抵抗層部、前記入力部及び前記出力部が絶縁性基板上に多角柱形状に形成されるとともに、前記活性層部、前記負荷抵抗層部、前記入力部及び前記出力部は前記絶縁性基板上にパターニングされた電極によって接続されることを特徴とするインバータ。
  2. 請求項1記載のインバータにおいて、前記多角柱形状は正六角形柱形状であることを特徴とするインバータ。
  3. 請求項1記載のインバータにおいて、前記縦型電界効果トランジスタに前記負荷抵抗層部を負荷抵抗素子として電気的に接続したことを特徴とするインバータ。
  4. 請求項3記載のインバータにおいて、前記負荷抵抗層部は電気伝導特性を有する有機化合物で構成したことを特徴とするインバータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか 1 つに記載のインバータにおいて、前記ソース電極、前記ドレイン電極、前記ゲート電極、前記負荷抵抗層部及び、前記スイッチング素子と前記負荷抵抗層部を電気的に接続する前記パターニングされた電極が有機物を含めた導電性材料群からなることを特徴とするインバータ。
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