JP4180179B2 - オゾン発生装置用放電セル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレート型オゾン発生装置に使用される放電セル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プレート型オゾン発生装置に使用される従来の代表的な放電セルの構造を図14に示す。この放電セルは、所定の隙間をあけて対向配置された面状の高圧電極1及び接地電極2を備えている。高圧電極1及び接地電極2の各対向面には誘電体3,3がコーティングにより形成されている。そして、誘電体3,3の間に所定のギャップ量の放電空隙4を形成するために、この間にはスペーサ5が設けられている。
【0003】
一方、高圧電極1及び接地電極2の外面側にはヒートシンク6,7が密着して設けられている。高圧電極1の側のヒートシンク6は高圧電源8の高圧端子と接続され、接地電極2の側のヒートシンク7は、高圧電源8の接地端子と共に接地されている。
【0004】
オゾンを発生させる場合は、ヒートシンク6,7に接続された高圧電源8により高圧電極1と接地電極2の間に高電圧を印加し、誘電体3,3間の放電空隙4に無声放電を発生させる。この状態で放電空隙4に酸素ガス、空気等の原料ガスを流通させることにより、原料ガスの一部が無声放電に曝されてオゾン化される。
【0005】
実際のプレート型オゾン発生装置では、上記の放電セルを1モジュールとしてその複数を厚み方向に積層して使用する場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のオゾン発生装置用放電セルには次のような問題がある。
【0007】
誘電体3,3の間に所定のギャップ量の放電空隙4を形成するために、この間にスペーサ5が設けられている。このスペーサ5としては、放電セルを複数積層するときの締め付け力から誘電体3,3を保護するために、弾力性のあるシリコンシートが使用されている。スペーサ5が硬いと、複数の放電セルを積層して締め付けたときの力により、誘電体3,3が破損するおそれがあるからである。
【0008】
しかし、オゾンは天然の酸化剤のなかではフッ素に次ぐ酸化力を有している。このため、シリコンシートは耐酸化性に優れるとはいえ、オゾンに長期間さらされるとその酸化力ゆえに変質や劣化を避けえない。この点において、従来の放電セルは耐久性に問題があった。
【0009】
シリコンシートからなるスペーサ5は、放電空隙4の気密性を確保するために、誘電体3,3に対して接着剤により接合されているが、その接合力は強固なものではない。このため、放電空隙4を流通する原料ガスの圧力が制限される。
【0010】
放電空隙4は無声放電発生時その放電エネルギーにより発熱する。この発熱は生成されたオゾンの分解を促進するために、オゾン発生効率を低下させる原因になる。これを改善するために、ヒートシンク6,7が直接又はアルミ箔等の熱伝導性に優れた材料のシートを介して高圧電極1及び接地電極2に密着されている。
【0011】
ここで、接地電極2の側のヒートシンク7としては冷却効率の高い水冷式が採用されるが、高圧電極1の側のヒートシンク6としては、絶縁抵抗率の低い冷却水による短絡を防止するために、空冷式が採用される。しかし、空冷式は水冷式と比べて冷却効率が悪い。このため、従来の放電セルでは、オゾン発生効率の低下を余儀なくされる。
【0012】
加えて、ヒートシンク6,7は他の構成部材に比べて大きく、空冷式のヒートシンク6は特に大型となる。このため、放電セルの小型化が困難である。
【0013】
本発明の目的は、耐久性に優れると共に、高い原料ガス圧力を確保でき、しかも小型でオゾン発生効率の高いオゾン発生装置用放電セルを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のオゾン発生装置用放電セルは、一対の面状電極の間に誘電体を介して形成された放電空隙を有し、該放電空隙に流通する原料ガスを放電によりオゾン化するプレート型オゾン発生装置用放電セルであって、複数の絶縁体層が、対応する焼成前の絶縁体シートを積層し焼成することにより、層厚方向に一体化されて形成された1又は複数の絶縁体ブロックを主構成体とする。
【0015】
この絶縁体ブロックは、当該絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層をスペーサとして当該絶縁体層を挟む2つの絶縁体層の間に放電空隙を形成する。ここにおける絶縁体としては、機械的強度に優れたセラミックが好適であるが、ガラスでもよい。
【0016】
一対の面状電極は、その一方又は両方が、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設けられる。一対の面状電極の両方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設けた場合は、放電空隙を挟む2つの絶縁体層が誘電体となり、一対の面状電極の一方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設けた場合は、一方の側の絶縁体層が誘電体となり、他方の側では、面状電極が絶縁体層の空隙側に設けられて放電空隙に臨むことになる。
【0017】
放電空隙へのパーティクルの放出を抑制する観点からは、面状電極を放電空隙に臨ませない構成が好ましいが、面状電極が放電空隙に臨む構成は、原料ガスとして触媒作用のある窒素ガス或いは炭酸ガス等を含まない高純度酸素ガスを用いた場合に問題となるオゾン濃度の経時的な低下を抑制するのに有効である。
【0018】
絶縁体ブロック内に形成された放電空隙の冷却は、次の4つの形態により行われる。
【0019】
▲1▼ 放電空隙を挟む2つの絶縁体層の両側に位置する2つの絶縁体層の両方に形成された冷媒流通路を流通する液体冷媒により、放電空隙を両側から液冷する(両面液冷)。
▲2▼ 放電空隙を挟む2つの絶縁体層の両側に位置する2つの絶縁体層の一方に形成された冷媒流通路を流通する液体冷媒により、放電空隙を片側から液冷する(片面液冷)。
▲3▼ 当該絶縁体ブロックの両側に配置された一対の空冷ヒートシンクにより、絶縁体ブロック内の放電空隙を両側から空冷する(両面空冷)。
▲4▼ 当該絶縁体ブロックの片側に配置された空冷ヒートシンクにより、絶縁体ブロック内の放電空隙を片側から空冷する(片面空冷)。
【0020】
本発明のオゾン発生装置用放電セルでは、放電空隙を挟む一対の絶縁体層の一方又は両方が誘電体として機能することにより、放電空隙で放電が発生し、ここを流通する原料ガスの一部がオゾン化される。ここで、放電空隙を形成するスペーサは、絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層により構成されている。このため、スペーサがオゾンに長期間さらされても、そのスペーサに変質や劣化は生じない。
【0021】
中間の絶縁体層を挟む一対の絶縁体層は、その間の絶縁体層や他の絶縁体層と積層されて一体化されているために、締め付け部の絶縁体厚が大きくなる。このため、スペーサが硬い絶縁体層によって構成されているにもかかわらず、締め付けを大きくしても、一対の絶縁体層が破損せず、中間の絶縁体層を含む他の絶縁体層も破損しない。
【0022】
従って、本発明のオゾン発生装置用放電セルは耐久性に優れる。
【0023】
また、放電空隙用のスペーサを形成する中間の絶縁体層とこれを挟む一対の絶縁体層が一体化されているために、放電空隙の気密性に優れる。従って、高い原料ガス圧力を確保することもできる。
【0024】
放電空隙の冷却については、中間の絶縁体層をスペーサとして該絶縁体層を挟む一対の絶縁体層の間に放電空隙が形成さるため、放電空隙のギャップを小さくできる。また、中間の絶縁体層もこれを挟む一対の絶縁体層も熱伝導性が良好である。これらのために、絶縁体ブロック及びその内部の放電空隙の冷却性能が本質的に高い。
【0025】
そして、絶縁体層が電気的な絶縁層となることにより、高圧電極側においても液冷による効率的な冷却が可能となり、高圧電極側及び低圧電極側の両方から放電空隙を液冷する両面液冷の場合は、特に高い冷却性能が得られ、片方(通常は低圧電極側)から液冷する片面液冷の場合でも、高い冷却性能が確保される。従って、高いオゾン発生効率が得られる。
【0026】
しかも、液体冷媒の流通路が放電空隙と同様に薄く形成されるため、冷却構造の大型化が回避され、片面液冷の場合は、一方の冷却構造が省略されることにより、その小型化が特に顕著であり、製造コストも低減される。
【0027】
また、絶縁体ブロック及びその内部の放電空隙の冷却性能が本質的に高いため、空冷式でも比較的高い冷却性能が得られ、小型化も可能となる。空冷式は水冷式よりオゾン発生効率は劣るが、ファシリティの制限が少なくて使いやすく安価に製作できる利点がある。空冷式の場合も両側からの空冷(両面空冷)だけでなく、片側からの空冷(片面空冷)も可能である。
【0028】
このように、本発明のオゾン発生装置用放電セルは、放電空隙の冷却性能に優れることにより、高いオゾン発生効率を確保でき、合わせて冷却構造の大型化を効果的に回避できる。
【0029】
面状電極としては、導電板でもよいが、絶縁体層の表面にメタライズにより形成した導電性薄膜が、印刷焼成で一体化できる点などから好ましい。この薄膜は、隣接する絶縁体層の間に封入される。この封入は、周辺電極や部品との間の耐電圧向上の点、及び組立時の部品点数の低減による組立性向上の点などから好ましい。面状電極は又、放電空隙に対応する部分と通電に必要な部分に限定的に設けることができる。この構成によると、一対の面状電極に挟まれた放電空隙以外の絶縁体に流れる無効電流が減ることで電力効率が向上し、且つ無効電流による発熱が抑えられることでオゾン発生効率も向上する。この構成は、放電空隙が後述する分割形式の場合に特に有効である。
【0030】
放電空隙に原料ガスを導入するガス導入路、及び放電空隙で生じたオゾンガスを外部に排出するガス排出路は、複数の絶縁体層を層厚方向に貫通して形成するのが、構造簡略化、小型化等の点から好ましい。
【0031】
冷媒流通路に液体冷媒を導入する冷媒導入路、及び冷媒流通路から外部へ液体冷媒を排出する冷媒排出路についても、複数の絶縁体層を層厚方向に貫通して形成するのが、構造簡略化、小型化等の点から好ましい。
【0032】
放電空隙及び冷媒流通路は、流通方向に直角な方向に分割された複数の流通路により構成するのが好ましい。この構成は流体の均一分布の点から好ましく、放電空隙ではギャップを精度よく保持できる点、冷媒流通路を仕切るリブ部が熱伝導体となって放電空隙の冷却を促進する点、更には沿面放電を期待できる点からも好ましい。
【0033】
本発明のオゾン発生装置用放電セルは、絶縁体ブロックを構成する複数の絶縁体層に各対応する複数枚の絶縁体シートを作製するべく、複数枚の焼成前の絶縁体シートに加工及び/又は処理を行い、作製された複数枚の絶縁体シートを重ね合わせて焼成して絶縁体ブロックとなす方法により、簡単に製造される。
【0034】
なお、絶縁体のなかのセラミックとしては、例えばサファイア、アルミナ、ジルコニア等を挙げることができる。特に好ましいセラミックは電極を入れて一体焼成が可能なアルミナ90%以上である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0036】
図1は本発明の第1実施形態にかかる放電セルを用いたオゾン発生装置の平面図及び側面図、図2は同オゾン発生装置に使用されるポートプレートの平面図及び底面図、図3は同オゾン発生装置に使用されるボトムプレートの平面図及び底面図、図4は同放電セルを構成する絶縁体ブロックの斜視図、図5は同絶縁体ブロックを構成する複数の絶縁体層を便宜上分解して示した斜視図である。
【0037】
オゾン発生装置は、図1に示すように、放電セル100を上下のエンドプレート60,70の間に挟み、4本のタイロッド80,80・・により、エンドプレート60,70の間に固定した構造になっている。放電セル100は両面液冷型で、偏平な直方体形状をした複数(図では4個)の絶縁体ブロック10,10・・を重ね合わせて、上段のポートプレート110と下段のボトムプレート120の間に挟んだ構成になっている。ポートプレート110及びボトムプレート120も絶縁体からなる。絶縁体はここではセラミックであるが、ガラスであってもよい。
【0038】
各絶縁体ブロック10は、図4及び図5に示すように、7層の絶縁体層11〜17を層厚方向に積層して一体化した構成になっている。各絶縁体層は正方形の薄板であるが、それぞれの構造については後で説明する。なお図5では、7層の絶縁体層11〜17が分離して示されているが、これは構造及び製法を説明するためであり、実際は層厚方向(積層方向)に一体化されて境界のない絶縁体ブロック10を形成している。
【0039】
絶縁体ブロック10の中には、放電用の上下一対の面状電極30,30が、絶縁体ブロック10の上下面に沿って封入されている。面状電極30,30の間には、原料ガスが流通する放電空隙20が、面状電極30,30に沿って形成されている。絶縁体ブロック10の上面には、冷媒としての冷却水が流通する冷媒流通路40が、面状電極30,30に沿って形成されている。冷媒流通路40と上段の面状電極30の間には、アース用の面状電極50が、面状電極30,30に沿って封入されている。放電空隙20及び冷媒流通路40は、流体流通方向に直角な方向に分割されている。
【0040】
絶縁体ブロック10の左右の縁部には、放電空隙20に対して原料ガスの導入及び排出を行うガス導入路21及びガス排出路22が、絶縁体ブロック10を上下方向に貫通して形成されている。絶縁体ブロック10の前後の縁部には、冷媒流通路40に対して冷媒の導入及び排出を行う冷媒導入路41及び冷媒排出路42が、絶縁体ブロック10を上下方向に貫通して形成されている。
【0041】
絶縁体ブロック10を構成する7つの絶縁体層11〜17のうち、上から1層目の絶縁体層11は、冷媒流通路40を形成するためのスペーサである。2層目の絶縁体層12はアースである。3層目の絶縁体層13は絶縁体である。4層目の絶縁体層14は放電用の誘電体である。5層目の絶縁体層15は、放電空隙20を形成するためのスペーサである。6層目の絶縁体層16は放電用の誘電体である。7層目の絶縁体層17は絶縁体である。これら絶縁体層の詳細な構造は以下の通りである。
【0042】
なお、絶縁体である3層目の絶縁体層13の厚みが十分に厚い場合は、2層目のアース用絶縁体層12がなくても冷媒への電流漏洩が防止されるので、絶縁体層12が省略可能である。
【0043】
冷媒流通路40を形成するためのスペーサである1層目の絶縁体層11には、その冷媒流通路40の形成のために、前縁部から後縁部に延びる複数のスリット11d,11d・・が幅方向に等間隔で設けられている。絶縁体層11の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部11a,11aが設けられている。冷媒導入路41及び冷媒排出路42は冷媒流通路40に連通するので、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部は設けられていない。絶縁体層11の前縁部には端子部10′を形成するために突起11eが設けられている。絶縁体層11の厚みは例えば2.0mmである。
【0044】
アースである2層目の絶縁体層12の下面には、導電性の薄膜からなるアース用の面状電極50が、縁部を除いて被覆されている。面状電極50の一部を絶縁体ブロック10の外に引き出すための端子部10′を形成するために、絶縁体層12には前方に突出する突起12eが設けられており、その下面にも面状電極50が被覆されている。絶縁体層12の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部12a,12aが設けられており、前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部12b,12bが設けられている。絶縁体層12の厚みは例えば0.3mmである。面状電極50の厚みは例えば10〜20μmである。
【0045】
絶縁体である3層目の絶縁体層13の下面には、導電性の薄膜からなる面状電極30が被覆されている。この面状電極30は高圧電極である。高圧電極の一部を絶縁体ブロック10の外に引き出すための端子部10′を形成するために、絶縁体層13には前方に突出する突起13eが設けられており、その下面にも面状電極30が被覆されている。絶縁体層13の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部13a,13aが設けられている。絶縁体層13の前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部13b,13bが設けられている。絶縁体層13の厚みは例えば3.0mmである。面状電極30の厚みは例えば10〜20μmmmである。
【0046】
誘電体である4層目の絶縁体層14には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部14a,14aが左右の縁部に位置して設けられ、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部14b,14bが前後の縁部に位置して設けられている。SiO2 コーティングを行う場合は、これが絶縁体層14の下面に実施される。絶縁体層14の厚みは例えば0.3mmである。
【0047】
放電空隙20を形成するためのスペーサである5層目の絶縁体層15には、その放電空隙20の形成のために、一方の側縁部から他方の側縁部に延びる複数のスリット15d,15d・・が前後方向に等間隔で設けられている。絶縁体層15の前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部15b,15bが設けられている。ガス導入路21及びガス排出路22は放電空隙20に連通するので、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部は設けられていない。絶縁体層15の厚みは、放電空隙20のギャップを狭くするために例えば0.2mmと薄くされている。
【0048】
誘電体である6層目の絶縁体層16は、同じく誘電体である4層目の絶縁体層14と実質同一であり、SiO2 コーティングを行う場合はこれが上面に実施される。絶縁体層16の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部16a,16aが設けられており、前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部16b,16bが設けられている。絶縁体層16の厚みは例えば0.3mmである。
【0049】
絶縁体である7層目の絶縁体層17の上面には、導電性の薄膜からなる面状電極30が被覆されている。この面状電極30は低圧電極である。低圧電極の一部を絶縁体ブロック10の外に引き出すための端子部10′を形成するために、絶縁体層17には前方に突出する突起17eが設けられており、その下面にも面状電極30が被覆されている。絶縁体層17の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部17a,17aが設けられている。絶縁体層17の前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部17b,17bが設けられている。絶縁体層17の厚みは例えば3.0mmである。面状電極30の厚みは例えば10〜20μmmmである。
【0050】
絶縁体ブロック10は、以上7つの絶縁体層11〜17を一体化することにより構成されている。従って、絶縁体ブロック10の1層目には冷媒流通路40が形成され、5層目には放電空隙20・・が形成される。また、放電空隙20に連通するガス導入路21及びガス排出路22、並びに冷媒流通路40に連通する冷媒導入路41及び冷媒排出路42が各層を貫通して形成される。
【0051】
一方、3層目のセラミック13と4層目の絶縁体層14の間には、高圧電極である面状電極30が封入され、6層目のセラミック16と7層目の絶縁体層17の間には、低圧電極である面状電極30が封入される。これにより、面状電極30,30の間には誘電体である絶縁体層14,16を介して放電空隙20が形成される。また、2層目のセラミック12と3層目の絶縁体層13の間には、アース用の面状電極50が封入される。
【0052】
そして、放電セル100は、上記の絶縁体ブロック10を複数段に重ね合わせて上段のポートプレート110と下段のボトムプレート120の間に挟み、更にこれらを上下のエンドプレート60,70間に挟み、4本のタイロッド80,80・・により、エンドプレート60,70間に固定される。隣接する絶縁体の間は例えばガラス接合されるが、エポキシ接着剤やろう付け等でもよい。ろう付けの場合は、両方の接合面にタングステン等を焼成し、その表面にNiメッキ等を施す。
【0053】
絶縁体ブロック10,10・・を重ね合わせることにより、各絶縁体ブロック10のガス導入路21同士、ガス排出路22同士、冷媒導入路43同士及び冷媒排出路42同士は、相互に連通することになる。また、2〜4段目の絶縁体ブロック10,10,10の各上面に形成された冷媒流通路40は、その下面が上段の絶縁体ブロック10の下面により閉じられる。1段目の絶縁体ブロック10の上面に形成された冷媒流通路40は、その上面が上段のポートプレート110により閉じられる。
【0054】
エンドプレート60,70は、いずれもステンレス鋼板等の金属板からなる。絶縁体からなる上段のポートプレート110には、図2に示すように、ガス導入口111、ガス排出口112、冷媒導入口113及び冷媒排出口114が貫通して設けられており、これらにはガス導入管115、ガス排出管116、冷媒導入管117及び冷媒排出管118が接続ポート115′,116′,117′,118′を介して接続されている(図1参照)。ここでポートプレート110及びボトムプレート120は前述したとおりセラミックからなる。これにより、放電セル100は少なくともガス系統については完全なメタルレス構造となり、金属コンタミネーションの発生を大幅に低減させることが可能になる。ガス配管用の接続ポート115′,116′は例えばステンレス鋼等からなるが、セラミック又はフッ素樹脂等の非金属にした場合は金属コンタミネーションの発生を大幅に低減させることが可能になる。
【0055】
上段のエンドプレート60には、接続ポート115′,116′,117′,118′が貫通する切込み乃至貫通孔が設けられている。ポートプレート110の下面には、ガス導入口111、ガス排出口112、冷媒導入口113及び冷媒排出口114に各連通する流体集合用の凹部111′,112′,113′,114′が設けられている。一方、下段のボトムプレート120の上面には、図3に示すように、4段目の絶縁体ブロック10を下方から水冷するために冷媒流通溝121,121・・が設けられている。
【0056】
このようにして構成されたオゾン発生装置用放電セルの機能は以下の通りである。
【0057】
エンドプレート60,70間に固定された両面液冷型の放電セル100は、複数の絶縁体ブロック10,10・・を重ね合わせることにより構成されている。各絶縁体ブロック10では、低圧電極である下段の面状電極30及びアース用の面状電極50は接地され、高圧電極である上段の面状電極30は高圧電源の高圧端子に接続される。
【0058】
放電セル100では、各絶縁体ブロック10のガス導入路21同士、ガス排出路22同士、冷媒導入路43同士及び冷媒排出路42同士は、相互に連通している。また、各段の絶縁体ブロック10,10・・0の各上面には冷媒流通路40が形成れされ、最下段の絶縁体ブロック10の下方には、ボトムプレート120により冷媒流通溝121,121・・がその絶縁体ブロック10の下面に接して形成されている。
【0059】
従って、ガス導入管115から装置内に導入された原料ガスは、各絶縁体ブロック10の放電空隙20に並列に供給され、ガス排出管116から装置外に排出される。同様に、冷媒導入管117から装置内に導入された冷却水は、各絶縁体ブロック10の冷媒流通路40及びボトムプレート120の冷媒流通溝121,121・・に並列に供給され、冷媒排出管118から装置外に排出される。
【0060】
この状態で高圧電源を作動させると、面状電極30,30間に高電圧が印加される。ここで、面状電極30,30は、絶縁体層15に形成された放電空隙20に、絶縁体層14,16を挟んで対向している。このため、放電空隙20で無声放電が発生し、ここを流通する原料ガスがオゾン化される。放電空隙20は、流通方向に直角な方向に分割された構成であるので、内圧制御等に対して放電ギャップ量を精度良く保持することができる。また、沿面放電による放電の重畳が期待でき、これによる電力効率及びオゾン発生効率が可能になる。更に、放電空隙20に接する絶縁体層14,16の表面にSiO2 をコーティングした場合は、オゾン発生効率の更なる向上や、オゾン濃度の安定化も図られる。なお、絶縁体層14,16の表面全体にSiO2 がコーティングされた場合、絶縁体層14,15の間、及び絶縁体層15,16の間には薄いSiO2 層が介在するが、これも絶縁体層であるので、絶縁体層11〜17の一体性は損なわれない。
【0061】
また、各段の絶縁体ブロック10では、放電空隙20が、その上方の冷媒流通路40を流通する冷却水により、上段の面状電極30と共に上方から冷却される。最下段の絶縁体ブロック10を除いた絶縁体ブロック10では、放電空隙20が、下方の放電セル100の冷媒流通路40を流通す冷却水により下段の面状電極30と共に下方からも冷却される。最下段の放電セル100では、下段のボトムプレート120の冷媒流通路121,121・・を流通する冷却水により、下段の面状電極30と共に下方からも冷却される。つまり、全ての絶縁体ブロック10では、放電空隙20が、面状電極30,30と共に上下、即ち高圧電極側及び低圧電極側の両方から効果的に水冷される。
【0062】
ここで、上段の面状電極30は高圧電極であるが、その上方の冷媒流通路40との間には、絶縁体層12,13と、この間に封入されたアース用の面状電極50とが設けられているので、冷却水による短絡は発生しない。
【0063】
絶縁体層13の厚みによっては、アースである面状電極50付きの絶縁体層12を省略することができる。また、各絶縁体ブロック10では、冷媒流通路40は面状電極30,30の上方だけでなく上下両方に設けることが可能である。
【0064】
放電セル100を構成する絶縁体ブロック10の厚みは、例えば約7mmとなる。この厚みには冷却構造も含まれている。同一規模の従来装置の場合、冷却部分であるヒートシンクが厚くなるために、上下の放電セル間でヒートシンクを共用する場合にも、セル1個当たりの厚さは60mm程度となる。これに比べると、放電セル100は極めて薄型であることが明かである。
【0065】
面状電極30,30間に放電セル20を形成するためのスペーサである絶縁体層13は、オゾンと長期間接触しても変質や劣化を生じない。
【0066】
絶縁体ブロック10は、タイロッド80,80・・により厚み方向に締め付けられても、締め付け部の厚みが例えば約7mmも確保されるので、締め付け力が大きい場合も破損を生じない。
【0067】
放電セル20を形成する絶縁体層15は、誘電体である上下の絶縁体層14,16と一体化しているので、放電セル20に高い気密性を付与する。従って、原料ガス圧力を高くできる。
【0068】
次に、放電セル100の製造方法について説明する。
【0069】
絶縁体ブロック10は、基本的に各絶縁体層に対応するグリーンシートと呼ばれる焼成前のセラミックシートを重ね合わせて、焼成することにより作製される。
【0070】
即ち、絶縁体ブロック10の2,3,4,6,7層目の絶縁体層12,13,14,16,17に対応する焼成前のセラミックシートには、ガス・冷媒導入路用及びガス・冷媒排出路用の開口部を形成するための打ち抜き加工を行う。絶縁体ブロック10の2,3,7層目の絶縁体層12,13,17に各対応するセラミックシートには、更に電極形成用のペーストをスクリーン印刷により塗布する。また、SiO2 コーティングを行う場合は、絶縁体層14,16の反電極側表面にSiO2 を塗布する。絶縁体ブロック10の1層目の絶縁体層11に対応する焼成前のセラミックシートには、冷媒流通路用の開口部及びガス導入・排出路用の開口部を形成するための打ち抜き加工を行う。絶縁体ブロック10の5層目の絶縁体層15に対応する焼成前のセラミックシートには、放電空隙用の開口部及び冷媒導入・排出路用の開口部を形成するための打ち抜き加工を行う。
【0071】
これらのセラミックシートを重ね合わせ、100℃程度に加熱した状態で、プレス機により一体化させた後、還元性雰囲気中で1500℃程度に加熱して、セラミックを焼結する。
【0072】
これにより絶縁体ブロック10が完成し、これを重ね合わせることにより放電セル100が構成される。構成された放電セル100の使用方法は前述した通りである。
【0073】
このように、放電セル100は非常に簡単に製造される。また、量産にも適している。更に、スペーサを任意の形状に加工することができるので、放電空隙20を設計する際の自由度が上がる。放電空隙20を流通方向に直角な方向に分割したものは、前述した通り、沿面放電による電力効率の向上、オゾン発生効率の向上及びオゾン濃度の安定化を期待できる。
【0074】
セラミックシートとしては、アルミナの純度が90%以上のものが電極との一体焼成の点から好ましい。電極形成のためのペーストとしてはタングステン,モリブデン又は銀を主成分とするものを使用することができる。
【0075】
図6は本発明の第2実施形態にかかる放電セルに使用される絶縁体ブロックの分解斜視図である。
【0076】
第2実施形態にかかる放電セルは片面液冷型であり、第1実施形態に係る両面液冷型の放電セルと同様、複数の絶縁体ブロック10,10・・を重ねてポートプレートとボトムプレートの間に挟み、これを上下のエンドプレート間に固定することにより構成される。第1実施形態に係る両面液冷型の放電セルとの相違点は、各段の絶縁体ブロック10の構造である。絶縁体はここでもセラミックであるが、ガラスであってもよい。
【0077】
各段の絶縁体ブロック10は、9層の絶縁体層11〜19を層厚方向に積層して一体化した構成になっている。1層目の絶縁体層11は、冷媒流通路40を形成するためのスペーサである。2層目の絶縁体層12は絶縁体であり、3層目の絶縁体層13は放電用の誘電体である。4層目の絶縁体層14は、1段目の放電空隙20を形成するためのスペーサである。5層目の絶縁体層15は放電用の誘電体である。6層目の絶縁体層16も放電用の誘電体である。7層目の絶縁体層17は、2段目の放電空隙20を形成するためのスペーサである。8層目の絶縁体層18は放電用の誘電体である。9層目、即ち一番下の絶縁体層19は絶縁体である。
【0078】
冷媒流通路40を形成するためのスペーサである1層目の絶縁体層11には、その冷媒流通路40の形成のために、前縁部から後縁部に延びる複数のスリット11d,11d・・が幅方向に等間隔で設けられている。絶縁体層11の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部11a,11aが設けられている。絶縁体層11の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起11e,11eが設けられている。絶縁体層11の厚みは例えば2.0mmである。
【0079】
絶縁体である2層目の絶縁体層12には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部12a,12aが、左右の縁部に位置して設けられると共に、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部12b,12bが、前後の縁部に位置して設けられている。絶縁体層12の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起11e,11eが設けられている。絶縁体層12の厚みは例えば0.3mmである。
【0080】
誘電体である3層目の絶縁体層13の上面には、導電性の薄膜からなる面状電極30が、縁部を除いて被覆されている。この面状電極30は低圧電極であり、絶縁体層13の前側の縁部に設けられた突起13e,13eの一方に引き出されている。SiO2 コーティングを行う場合は、絶縁体層13の下面にこれが実施される。また、絶縁体層13の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部13a,13aが設けられており、前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部13b,13bが設けられている。絶縁体層13の厚みは例えば0.3mmである。面状電極30の厚みは例えば10〜20μmである。
【0081】
放電空隙20を形成するためのスペーサである4層目の絶縁体層14には、その放電空隙20の形成のために、一方の側縁部から他方の側縁部に延びる複数のスリット14d,14d・・が前後方向に等間隔で設けられている。絶縁体層14の前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部14b,14bが設けられている。絶縁体層14の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起14e,14eが設けられている。絶縁体層14の厚みは、放電空隙20のギャップを狭くするために例えば0.2mmと薄くされている。
【0082】
誘電体である5層目の絶縁体層15は、同じく誘電体である3層目の絶縁体層13と基本的に同じである。即ち、絶縁体層15の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部15a,15aが設けられており、前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部15b,15bが設けられている。絶縁体層15の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起15e,15eが設けられている。SiO2 コーティングを行う場合は絶縁体層15の上面にこれが実施される。絶縁体層15の厚みは例えば0.3mmである。
【0083】
誘電体である6層目の絶縁体層16は、同じく誘電体である3層目の絶縁体層13と実質的に同じである。即ち、絶縁体層16の上面には、導電性の薄膜からなる面状電極30が、縁部を除いて被覆されている。この面状電極30は高圧電極であり、絶縁体層16の前側の縁部に設けられた突起16e,16eの他方に引き出されている。SiO2 コーティングを行う場合は絶縁体層16の下面にこれが実施される。また、絶縁体層16の両側の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部16a,16aが設けられており、前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部16b,16bが設けられている。絶縁体層15の厚みは例えば0.3mmである。面状電極30の厚みは例えば10〜20μmである。
【0084】
放電空隙20を形成するためのスペーサである7層目の絶縁体層17は、4層目の絶縁体層14と全く同じである。即ち、絶縁体層17には、放電空隙20の形成のために、一方の側縁部から他方の側縁部に延びる複数のスリット17d,17d・・が幅方向に等間隔で設けられている。絶縁体層17の前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部17b,17bが設けられている。絶縁体層17の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起17e,17eが設けられている。絶縁体層17の厚みは、放電空隙20のギャップを狭くするために例えば0.2mmと薄くされている。
【0085】
誘電体である8層目の絶縁体層18は、同じく誘電体である3,5,6層目の絶縁体層13,15,16と基本的に同じである。即ち絶縁体層18の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部18a,18aが設けられており、前後の縁部には、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部18b,18bが設けられている。但し、導電性の薄膜からなる面状電極30は、絶縁体層18の下面に被覆されている。この面状電極30は低圧電極であり、絶縁体層18の前側の縁部に設けられた突起18e,18eの一方に引き出されている。SiO2 コーティングを行う場合は絶縁体層18の上面にこれが実施される。絶縁体層18の厚みは例えば0.3mmである。
【0086】
絶縁体である9層目の絶縁体層19には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部19a,19aが、左右の縁部に位置して設けられると共に、冷媒導入路41及び冷媒排出路42を形成するための開口部19b,19bが、前後の縁部に位置して設けられている。絶縁体層19の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起19e,19eが設けられている。絶縁体層12の厚みは例えば2.0mmである。
【0087】
絶縁体ブロック10は、以上9つの絶縁体層11〜19を一体化することにより構成されている。従って、絶縁体ブロック10の1層目(上面)には冷媒流通路40が形成され、4,7層目には放電空隙20,20が形成される。また、放電空隙20に連通するガス導入路21及びガス排出路22、並びに冷媒流通路40に連通する冷媒導入路41及び冷媒排出路42が各層を貫通して形成される。また、各層の突起が合体させ、各突起にスルーホールが設けられることにより、機械的強度に優れた一対の端子部10′,10′が形成される。
【0088】
更に、2層目の絶縁体層12と3層目の絶縁体層13の間には、低圧電極である面状電極30が封入される。5層目のセラミック15と6層目の絶縁体層16の間には、高圧電極である面状電極30が封入される。8層目の絶縁体層18と9層目の絶縁体層19の間には、低圧電極である面状電極30が封入される。
【0089】
そして、放電セル100は、上記の絶縁体ブロック10を複数段に重ね合わせてポートプレートとボトムプレートの間に挟み、更にこれを上下のエンドプレート間に挟んで4本のタイロッドにより上下のエンドプレート間に固定される。
【0090】
絶縁体ブロック10,10・・を重ね合わせることにより、各絶縁体ブロック10のガス導入路21同士、ガス排出路22同士、冷媒導入路43同士及び冷媒排出路42同士は、相互に連通することになる。また、2段目以降の絶縁体ブロック10,10・・の各上面に形成された冷媒流通路40は、その上面が上方の絶縁体ブロック10の下面により閉じられる。1段目の絶縁体ブロック10の上面に形成された冷媒流通路40は、その上面がポートプレートにより閉じられる。最下段の絶縁体ブロック10の下方には、ボトムプレートにより冷媒流通溝が形成される。
【0091】
このようにして構成されたオゾン発生装置用放電セルの機能は以下の通りである。
【0092】
放電セル100を構成する各絶縁体ブロック10では、低圧電極である上下の面状電極30,30は接地されている。
【0093】
上段のポートプレートを介して放電セル100内に導入された原料ガスは、各絶縁体ブロック10の放電空隙20,20に並列に供給され、上段のエンドプレートを介して放電セル100外に排出される。同様に、上段のエンドプレートを介して放電セル100内に導入された冷却水は、各絶縁体ブロック10の冷媒流通路40及びボトムプレートの上面に形成された冷媒流通溝に並列に供給され、上段のエンドプレートを介して放電セル100外に排出される。
【0094】
この状態で、高圧電極である中段の面状電極30に高電圧を印加すると、上下の放電空隙20,20で無声放電が発生し、ここを流通する原料ガスがオゾン化される。各放電空隙20は、流通方向に直角な方向に分割された構成であるので、内圧制御等に対して放電ギャップ量を精度良く保持することができる。また、沿面放電による放電の重畳が期待でき、これによる電力効率及びオゾン発生効率が可能になる。更に、放電空隙20に接する絶縁体層13,15,16,18の表面にSiO2 をコーティングした場合は、オゾン発生効率の更なる向上や、オゾン濃度の安定化も図られる。
【0095】
また、各段の絶縁体ブロック10では、上段の放電空隙20が冷媒流通路40を流通する冷却水により上側、即ち低圧電極側から冷却される。下段の放電空隙20は、下方の絶縁体ブロック10の冷媒流通路40を流通する冷却水により下側、即ち低圧電極側から冷却される。最下段の絶縁体ブロック10では、ボトムプレートの冷媒流通溝を流通する冷却水により下側、即ち低圧電極側から冷却される。
【0096】
高圧電極である中段の面状電極30は冷却水に触れないので、冷却水による短絡は発生しない。
【0097】
上下の放電空隙20,20は高圧電極側からの冷却を受けないが、放電空隙20,20の各ギャップが小さく、且つ絶縁体ブロック10の熱伝導性が良好であるため、低圧電極側からの冷却のみでも効率的に冷却される。
【0098】
絶縁体ブロック10の厚みは、例えば約4mmとなる。この厚みには2つの放電空隙20,20とその冷却構造が含まれている。放電セル100が極めて薄型となることは明かである。
【0099】
図7は本発明の第3実施形態にかかる放電セルの斜視図、図8は同放電セルに使用される絶縁体ブロックの分解斜視図、図9及び図10は同放電セルに使用されるヒートシンクの平面図及び正面図である。
【0100】
第3実施形態にかかる放電セル100は両面空冷型である。この放電セル100は、図7に示すように、絶縁体ブロック10を挟んで空冷式のヒートシンク90を複数段に重ね合わせることにより構成されている。各段のヒートシンク90は幅方向に並列する多数の通気孔91,91・・を有するアルミ引き抜き材である。最上段のヒートシンク90と最下段のヒートシンク90は上下のエンドプレートを兼ねている。
【0101】
各段の絶縁体ブロック10は、図8に示すように、5層の絶縁体層11〜15を層厚方向に積層して一体化した構成になっている。1層目の絶縁体層11は絶縁体である。2層目の絶縁体層12は放電用の誘電体である。3層目の絶縁体層13は、放電空隙20を形成するためのスペーサである。4層目の絶縁体層14は放電用の誘電体である。5層目の絶縁体層15は絶縁体である。なお、絶縁体はセラミックであるが、ガラスの使用も可能である。
【0102】
絶縁体である1層目の絶縁体層11には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部11a,11aが両側の縁部に位置して設けられている。絶縁体層11の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起11e,11eが設けられている。絶縁体層11の厚みは例えば0.3mmである。
【0103】
誘電体である2層目の絶縁体層12の上面には、導電性の薄膜からなる面状電極30が、縁部を除いて被覆されている。この面状電極30は、絶縁体層12の前側の縁部に設けられた突起12e,12eの一方に引き出されている。SiO2 コーティングを行う場合は絶縁体層12の下面にこれが実施される。また、絶縁体層12の両側の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部12a,12aが設けられている。絶縁体層12の厚みは例えば0.3mmである。面状電極30の厚みは例えば10〜20μmである。
【0104】
放電空隙20を形成するためのスペーサである3層目の絶縁体層13には、その放電空隙20の形成のために、一方の側縁部から他方の側縁部に延びる複数のスリット13d,13d・・が前後方向に等間隔で設けられている。絶縁体層13の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起13e,13eが設けられている。絶縁体層13の厚みは、放電空隙20のギャップを狭くするために例えば0.2mmと薄くされている。
【0105】
誘電体である4層目の絶縁体層14は、同じく誘電体である2層目の絶縁体層12と基本的に同じである。即ち、絶縁体層14の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部14a,14aが設けられている。絶縁体層14の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起14e,14eが設けられている。但し、導電性の薄膜からなる面状電極30は、絶縁体層14の下面に被覆されている。この面状電極30は、絶縁体層13の前側の縁部に設けられた突起14e,14eの他方に引き出されている。SiO2 コーティングを行う場合は絶縁体層14の上面にこれが実施される。絶縁体層14の厚みは例えば0.3mmである。
【0106】
絶縁体である5層目の絶縁体層15は、同じく絶縁体である1層目の絶縁体層11と同じである。即ち、この絶縁体層15には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部15a,15aが両側の縁部に位置して設けられている。絶縁体層15の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起15e,15eが設けられている。絶縁体層15の厚みは例えば0.3mmである。
【0107】
絶縁体ブロック10は、複数段に重ねられた空冷式のヒートシンク90,90・・の間に挟まれる。1段目の絶縁体ブロック10では、上段の面状電極30が低圧電極とされ、下段の面状電極が高圧電極とされる。2段目の絶縁体ブロック10では、上段の面状電極30が高圧電極とされ、下段の面状電極が低圧電極とされる。以下同様に、高圧電極を対向させて、絶縁体ブロック10,10・・が複数段に配置される。
【0108】
上段のエンドプレートを兼ねる最上段のヒートシンク90には、図9に示すように、その下側の絶縁体ブロック10のガス導入路21及びガス排出路22に連通する丸孔状の貫通孔92が設けられており、これらにはガス導入管93及びガス排出管94が接続されている。中間のヒートシンク90には、図10に示すように、各段の絶縁体ブロック10のガス導入路21同士及びガス排出路22同士を連通させるために、長孔状の貫通孔95,95が設けられている。下段のエンドプレートを兼ねる最下段のヒートシンク90には、ガス路連通用の貫通孔は設けられていない。
【0109】
最上段のヒートシンク90を介して放電セル100内に導入された原料ガスは、各絶縁体ブロック10の放電空隙20に並列に供給され、最上段のヒートシンク90を介して放電セル100外に排出される。この状態で、高圧電極である面状電極30に高電圧を印加すると、放電空隙20で無声放電が発生し、ここを流通する原料ガスがオゾン化される。各放電空隙20は、流通方向に直角な方向に分割された構成であるので、内圧制御等に対して放電ギャップ量を精度良く保持することができる。また、沿面放電による放電の重畳が期待でき、これによる電力効率及びオゾン発生効率が可能になる。更に、放電空隙20に接する絶縁体層12,14の表面にSiO2 をコーティングした場合は、オゾン発生効率の更なる向上や、オゾン濃度の安定化も図られる。
【0110】
また、各段の絶縁体ブロック10では、放電空隙20が上下のヒートシンク90,90により高圧電極側及び低圧電極側の両方から空冷される。絶縁体ブロック10の熱伝導性が良好であるため、空冷式としては放電空隙20の冷却性能に優れ、オゾン発生効率が向上する。各層の突起を合体させ、各突起にスルーホールを設けることにより、機械的強度に優れた一対の端子部10′,10′が形成される。
【0111】
絶縁体ブロック10の厚みは、例えば約1.4mmと非常に薄い。絶縁体ブロック10の熱伝導性が良好であり、ヒートシンク90の薄型化も可能であるので、放電セル100は空冷式としては非常に薄型となる。
【0112】
図11は本発明の第4実施形態にかかる放電セルに使用される絶縁体ブロックの分解斜視図である。
【0113】
第4実施形態にかかる放電セルは片面空冷型である。この放電セルは、第3実施形態にかかる両面空冷型の放電セルと同様、絶縁体ブロック10を挟んで空冷式のヒートシンクを複数段に重ね合わせることにより構成される。第3実施形態にかかる両面空冷型の放電セルとの相違点は、各段の絶縁体ブロック10の構造であり、絶縁体はセラミックである。
【0114】
各段の絶縁体ブロック10は、第2実施形態にかかる片面液冷型の放電セルに使用される9層構造の絶縁体ブロックから、冷媒流通路に関係する1層目の絶縁体層、冷媒導入路及び冷媒排出路を省略した8層構造になっている。
【0115】
絶縁体ブロック10を構成する8つの絶縁体層11〜18のうち、1層目の絶縁体層11は絶縁体である。2層目の絶縁体層12は放電用の誘電体である。3層目の絶縁体層13は、1段目の放電空隙20を形成するためのスペーサである。4層目の絶縁体層14は放電用の誘電体である。5層目の絶縁体層15も放電用の誘電体である。6層目の絶縁体層16は、2段目の放電空隙20を形成するためのスペーサである。7層目の絶縁体層17は、放電用の誘電体である。8層目の絶縁体層18は絶縁体である。
【0116】
絶縁体である1層目の絶縁体層11には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部11a,11aが両側の縁部に位置して設けられている。絶縁体層11の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起11e,11eが設けられている。絶縁体層11の厚みは例えば0.3mmである。
【0117】
誘電体である2層目の絶縁体層12の上面には、導電性の薄膜からなる面状電極30が、縁部を除いて被覆されている。この面状電極30は低圧電極であり、絶縁体層12の前側の縁部に設けられた突起12e,12eの一方に引き出されている。SiO2 コーティングを行う場合は絶縁体層12の下面にこれが実施される。また、絶縁体層12の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部12a,12aが設けられている。絶縁体層12の厚みは例えば0.3mmである。面状電極30の厚みは例えば10〜20μmである。
【0118】
放電空隙20を形成するためのスペーサである3層目の絶縁体層13には、その放電空隙20の形成のために、一方の側縁部から他方の側縁部に延びる複数のスリット13d,13d・・が前後方向に等間隔で設けられている。絶縁体層13の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起13e,13eが設けられている。絶縁体層13の厚みは、放電空隙20のギャップを狭くするために例えば0.2mmと薄くされている。
【0119】
誘電体である4層目の絶縁体層14は、同じく誘電体である2層目の絶縁体層12と基本的に同じである。即ち、絶縁体層14の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部14a,14aが設けられており、前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起14e,14eが設けられている。SiO2 コーティングを行う場合は、絶縁体層14の上面にこれが実施される。絶縁体層14の厚みは、絶縁体層12と同じ例えば0.3mmである。
【0120】
誘電体である5層目の絶縁体層15は、同じく誘電体である2,4層目の絶縁体層12,14と実質的に同じである。即ち、絶縁体層15の上面には、導電性の薄膜からなる面状電極30が、縁部を除いて被覆されている。この面状電極30は高圧電極であり、絶縁体層15の前側の縁部に設けられた突起15e,15eの他方に引き出されている。SiO2 コーティングを行う場合は絶縁体層15の下面にこれが実施される。絶縁体層15の両側の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部15a,15aが設けられている。絶縁体層15の厚みは例えば0.3mmである。面状電極30の厚みは例えば10〜20μmである。
【0121】
放電空隙20を形成するためのスペーサである6層目の絶縁体層16は、3層目の絶縁体層13と全く同じである。即ち、絶縁体層16には、放電空隙20の形成のために、一方の側縁部から他方の側縁部に延びる複数のスリット16d,16d・・が幅方向に等間隔で設けられており、前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起16e,16eが設けられている。絶縁体層16の厚みは、放電空隙20のギャップを狭くするために例えば0.2mmと薄くされている。
【0122】
誘電体である7層目の絶縁体層17は、同じく誘電体である2,4,5層目の絶縁体層12,14,15と基本的に同じである。即ち、絶縁体層17の左右の縁部には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部17a,17aが設けられている。但し、導電性の薄膜からなる面状電極30は、絶縁体層17の下面に被覆されている。この面状電極30は低圧電極であり、絶縁体層17の前側の縁部に設けられた突起17e,17eの一方に引き出されている。SiO2 コーティングを行う場合は、絶縁体層17の上面にこれが実施される。絶縁体層17の厚みは、絶縁体層12,14,15と同じ例えば0.3mmである。
【0123】
絶縁体である8層目の絶縁体層18は、同じく絶縁体である1層目の絶縁体層11と同じである。即ち、この絶縁体層18には、ガス導入路21及びガス排出路22を形成するための開口部18a,18aが両側の縁部に位置して設けられている。絶縁体層18の前側の縁部には、端子部10′,10′を形成するために突起18e,18eが設けられている。絶縁体層18の厚みは例えば0.3mmである。
【0124】
最上段のヒートシンクを介して放電セル内に導入された原料ガスは、各絶縁体ブロック10の放電空隙20,20に並列に供給され、最上段のヒートシンクを介して放電セル外に排出される。この状態で、高圧電極である中段の面状電極30に高電圧を印加すると、放電空隙20,20で無声放電が発生し、ここを流通する原料ガスがオゾン化される。各放電空隙20は、流通方向に直角な方向に分割された構成であるので、内圧制御等に対して放電ギャップ量を精度良く保持することができる。また、沿面放電による放電の重畳が期待でき、これによる電力効率及びオゾン発生効率が可能になる。更に、放電空隙20に接する絶縁体層の表面にSiO2 をコーティングした場合は、オゾン発生効率の更なる向上や、オゾン濃度の安定化も図られる。
【0125】
また、各段の絶縁体ブロック10では、上段の放電空隙20が上側のヒートシンクにより低圧電極側から空冷される。下段の放電空隙20は下側のヒートシンクにより低圧電極側から空冷される。絶縁体ブロック10の熱伝導性が良好であるため、片面空冷式としては放電空隙20の冷却性能に優れ、オゾン発生効率が向上する。各段の絶縁体ブロック10では又、各層の前縁部に設けられた突起が合体し、各突起にスルーホールが設けられることにより、機械的強度に優れた一対の端子部10′,10′が形成される。
【0126】
絶縁体ブロック10の厚みは、例えば約2.2mmと非常に薄く、しかも2つの放電空隙20,20を含んでいる。更に、絶縁体ブロック10の熱伝導性が良好であり、ヒートシンクの薄型化も可能である。従って、放電セルは片面空冷式としては極めて薄型となる。
【0127】
なお、上述した実施形態では、高圧電極及び低圧電極ともに、放電空隙を形成する2つの絶縁体層の反空隙側に配置されているが、前述した通り、その一方、通常は安全上の配慮から低圧電極を、放電空隙を形成する2つの絶縁体層の空隙側に配置して放電空隙に臨ませる構成も可能である。この構成によると、電極が触媒として機能するので、触媒ガスを混ぜない高純度の酸素ガスを使用しても、オゾン濃度の経時的な低下が防止される。誘電体が絶縁体を兼ね、絶縁体である絶縁体層が不要になるため、絶縁体ブロックの厚みが低減される。電極間から一方の誘電体が取り除かれることで、印加される放電電圧の低下が可能になる。低い電圧で電流密度を増加させることができ、電源の高効率化、オゾン発生の高効率化が可能になる。
【0128】
上述した実施形態では又、面状電極30は、図12(a)のように、絶縁体ブロック10の外縁部を除く部分に全面的に設けられているが、図12(b)のように、放電空隙20の形状に対応する部分と通電に必要な部分(相互接続部と端子部)に限定的に設けることができる。この構成によると、一対の面状電極に挟まれた放電空隙以外の絶縁体に流れる無効電流が減ることで電力効率が向上し、且つ無効電流による発熱が抑えられることでオゾン発生効率も向上する。
【0129】
図13は放電セル100における配線構造を示す。積層された複数の絶縁体ブロック10,10・・の対応する端子部10′,10′・・同士は同じ位置にある。各端子部10′では、スルーホールが設けられると共に、スルーホールの内面にも面状電極に続く導電性薄膜が被覆されている。そして端子部10′,10′・・の各スルーホールに配線130を通し、ハンダ付けを行うことにより、端子部10′,10′・・は外部と電気的に接続される。この配線構造によれば、複数の絶縁体ブロック10,10・・の対応する端子部10′,10′・・に対する配線130が1本となり、配線130の取り付け作業が簡単になる。
【0130】
【発明の効果】
以上に説明した通り、本発明のオゾン発生装置用放電セルは、複数の絶縁体層を積層して一体化する構成を採用するので、スペーサ部分を含めた全体の耐久性に著しく優れ、機械的強度も高い。しかも、放電空隙に高い気密性を付与できるので、高い原料ガス圧力を確保できる。更に、小型であり、なおかつ高い冷却効率を確保できるので、オゾン発生効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る放電セルを用いたオゾン発生装置の側面図である。
【図2】同オゾン発生装置に使用される上段のポートプレートの平面図及び底面図である。
【図3】同オゾン発生装置に使用される下段のボトムプレートの平面図及び底面図である。
【図4】同オゾン発生装置に使用される絶縁体ブロックの斜視図である。
【図5】同絶縁体ブロックの分解斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る放電セルに使用される絶縁体ブロックの分解斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る放電セルの斜視図である。
【図8】同放電セルに使用される絶縁体ブロックの分解斜視図である。
【図9】同放電セルに使用される最上段のヒートシンクの平面図及び正面図である。
【図10】同放電セルに使用される中間のヒートシンクの平面図及び正面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る放電セルに使用される絶縁体ブロックの分解斜視図である。
【図12】面状電極の形状を示す絶縁体ブロックの分解斜視図である。
【図13】絶縁体ブロックの配線構造を示す放電セルの部分斜視図である。
【図14】従来の放電セルの断面図である。
【符号の説明】
10 絶縁体ブロック
11〜19 絶縁体層
20 ガス流通路
21 ガス導入路
22 ガス排出路
30 放電用の面状電極
40 冷媒流通路
41 冷媒導入路
42 冷媒排出路
50 アース用の面状電極
60,70 エンドプレート
80 タイロッド
90 空冷式のヒートシンク
100 放電セル
110 ポートプレート
120 ボトムプレート

Claims (16)

  1. 一対の面状電極の間に誘電体を介して形成された放電空隙を有し、該放電空隙に流通する原料ガスを放電によりオゾン化するプレート型オゾン発生装置用放電セルであって、複数の絶縁体層が、対応する焼成前の絶縁体シートを積層し焼成することにより、層厚方向に一体化されて形成された1又は複数の絶縁体ブロックを主構成体としており、該絶縁体ブロックは、絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層をスペーサとして当該絶縁体層を挟む2つの絶縁体層の間に放電空隙を形成すると共に、該放電空隙を、前記2つの絶縁体層の両側に位置する2つの絶縁体層の両方に形成された冷媒流通路を流通する液体冷媒により、両側から液冷し、且つ前記一対の面状電極の両方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設け、放電空隙を挟む2つの絶縁体層を前記誘電体とした構成であることを特徴とするオゾン発生装置用放電セル。
  2. 一対の面状電極の間に誘電体を介して形成された放電空隙を有し、該放電空隙に流通する原料ガスを放電によりオゾン化するプレート型オゾン発生装置用放電セルであって、複数の絶縁体層が、対応する焼成前の絶縁体シートを積層し焼成することにより、層厚方向に一体化されて形成された1又は複数の絶縁体ブロックを主構成体としており、該絶縁体ブロックは、絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層をスペーサとして当該絶縁体層を挟む2つの絶縁体層の間に放電空隙を形成すると共に、該放電空隙を、前記2つの絶縁体層の両側に位置する2つの絶縁体層の両方に形成された冷媒流通路を流通する液体冷媒により、両側から液冷し、且つ前記一対の面状電極の一方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設けて、その一方の側の絶縁体層を前記誘電体とし、他方の面状電極を、他方の側の絶縁体層の空隙側に設けて放電空隙に臨ませた構成であることを特徴とするオゾン発生装置用放電セル。
  3. 一対の面状電極の間に誘電体を介して形成された放電空隙を有し、該放電空隙に流通する原料ガスを放電によりオゾン化するプレート型オゾン発生装置用放電セルであって、複数の絶縁体層が、対応する焼成前の絶縁体シートを積層し焼成することにより、層厚方向に一体化されて形成された1又は複数の絶縁体ブロックを主構成体としており、該絶縁体ブロックは、絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層をスペーサとして当該絶縁体層を挟む2つの絶縁体層の間に放電空隙を形成すると共に、該放電空隙を、前記2つの絶縁体層の両側に位置する2つの絶縁体層の一方に形成された冷媒流通路を流通する液体冷媒により、片側から液冷し、且つ前記一対の面状電極の両方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設け、放電空隙を挟む2つの絶縁体層を前記誘電体とした構成であることを特徴とするオゾン発生装置用放電セル。
  4. 一対の面状電極の間に誘電体を介して形成された放電空隙を有し、該放電空隙に流通する原料ガスを放電によりオゾン化するプレート型オゾン発生装置用放電セルであって、複数の絶縁体層が、対応する焼成前の絶縁体シートを積層し焼成することにより、層厚方向に一体化されて形成された1又は複数の絶縁体ブロックを主構成体としており、該絶縁体ブロックは、絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層をスペーサとして当該絶縁体層を挟む2つの絶縁体層の間に放電空隙を形成すると共に、該放電空隙を、前記2つの絶縁体層の両側に位置する2つの絶縁体層の一方に形成された冷媒流通路を流通する液体冷媒により、片側から液冷し、且つ前記一対の面状電極の一方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設けて、その一方の側の絶縁体層を前記誘電体とし、他方の面状電極を、他方の側の絶縁体層の空隙側に設けて放電空隙に臨ませた構成であることを特徴とするオゾン発生装置用放電セル。
  5. 一対の面状電極の間に誘電体を介して形成された放電空隙を有し、該放電空隙に流通する原料ガスを放電によりオゾン化するプレート型オゾン発生装置用放電セルであって、複数の絶縁体層が、対応する焼成前の絶縁体シートを積層し焼成することにより、層厚方向に一体化されて形成された1又は複数の絶縁体ブロックを主構成体としており、該絶縁体ブロックは、絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層をスペーサとして当該絶縁体層を挟む2つの絶縁体層の間に放電空隙を形成すると共に、該放電空隙を、当該絶縁体ブロックの両側に配置された一対の空冷ヒートシンクにより、両側から空冷し、且つ前 記一対の面状電極の両方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設け、放電空隙を挟む2つの絶縁体層を前記誘電体とした構成であることを特徴とするオゾン発生装置用放電セル。
  6. 一対の面状電極の間に誘電体を介して形成された放電空隙を有し、該放電空隙に流通する原料ガスを放電によりオゾン化するプレート型オゾン発生装置用放電セルであって、複数の絶縁体層が、対応する焼成前の絶縁体シートを積層し焼成することにより、層厚方向に一体化されて形成された1又は複数の絶縁体ブロックを主構成体としており、該絶縁体ブロックは、絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層をスペーサとして当該絶縁体層を挟む2つの絶縁体層の間に放電空隙を形成すると共に、該放電空隙を、当該絶縁体ブロックの両側に配置された一対の空冷ヒートシンクにより、両側から空冷し、且つ前記一対の面状電極の一方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設けて、その一方の側の絶縁体層を前記誘電体とし、他方の面状電極を、他方の側の絶縁体層の空隙側に設けて放電空隙に臨ませた構成であることを特徴とするオゾン発生装置用放電セル。
  7. 一対の面状電極の間に誘電体を介して形成された放電空隙を有し、該放電空隙に流通する原料ガスを放電によりオゾン化するプレート型オゾン発生装置用放電セルであって、複数の絶縁体層が、対応する焼成前の絶縁体シートを積層し焼成することにより、層厚方向に一体化されて形成された1又は複数の絶縁体ブロックを主構成体としており、該絶縁体ブロックは、絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層をスペーサとして当該絶縁体層を挟む2つの絶縁体層の間に放電空隙を形成すると共に、該放電空隙を、当該絶縁体ブロックの片側に配置された一対の空冷ヒートシンクにより、片側から空冷し、且つ前記一対の面状電極の両方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設け、放電空隙を挟む2つの絶縁体層を前記誘電体とした構成であることを特徴とするオゾン発生装置用放電セル。
  8. 一対の面状電極の間に誘電体を介して形成された放電空隙を有し、該放電空隙に流通する原料ガスを放電によりオゾン化するプレート型オゾン発生装置用放電セルであって、複数の絶縁体層が、対応する焼成前の絶縁体シートを積層し焼成することにより、層厚方向に一体化されて形成された1又は複数の絶縁体ブロックを主構成体としており、該絶縁体ブロックは、絶縁体ブロック内の中間の絶縁体層をスペーサとして当該絶縁体層を挟む2つの絶縁体層の間に放電空隙を形成すると共に、該放電空隙を、当該絶縁体ブロックの片側に配置された一対の空冷ヒートシンクにより、片側から空冷し、且つ前記一対の面状電極の一方を、放電空隙を挟む絶縁体層の反空隙側に設けて、その一方の側の絶縁体層を前記誘電体とし、他方の面状電極を、他方の側の絶縁体層の空隙側に設けて放電空隙に臨ませた構成であることを特徴とするオゾン発生装置用放電セル。
  9. 前記放電空隙は、絶縁体層に沿ってガス流通方向に直角な方向に複数分割されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のオゾン発生装置用放電セル。
  10. 前記一対の面状電極は、放電空隙に対応する部分と通電に必要な部分に限定的に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のオゾン発生装置用放電セル。
  11. 原料ガスは、触媒作用のあるガスを含まない高純度酸素ガスであることを特徴とする請求項2、4、6又は8に記載のオゾン発生装置用放電セル。
  12. ガス配管接続ポートとして非金属を用いたメタルレス構造であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のオゾン発生装置用放電セル。
  13. 前記絶縁体は、セラミック又はガラスであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のオゾン発生装置用放電セル。
  14. 前記絶縁体ブロックは、複数の絶縁体層を層厚方向に貫通して形成されて放電空隙に連通するガス導入路及びガス排出路を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のオゾン発生装置用放電セル。
  15. 前記絶縁体ブロックは、複数の絶縁体層を層厚方向に貫通して形成されて液体冷媒の流路に連通する冷媒導入路及び冷媒排出路を有することを特徴とする請求 項1〜4のいずれかに記載のオゾン発生装置用放電セル。
  16. 複数の絶縁体ブロックを備え、各絶縁体ブロックは周囲に突出して一体形成された端子部を同じ位置に有し、各端子部に設けられたスルーホールを貫通する共通の導線を介して外部と電気的に接続されることを特徴とする請求項1〜4、15のいずれかに記載のオゾン発生装置用放電セル。
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