JP4179648B2 - ポリテトラフルオロエチレン分散液およびその製造方法ならびにこの分散液を用いた水素吸蔵合金電極の製造方法 - Google Patents
ポリテトラフルオロエチレン分散液およびその製造方法ならびにこの分散液を用いた水素吸蔵合金電極の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素樹脂分散液およびその製造方法ならびにこのフッ素樹脂分散液を用いた水素吸蔵合金電極の製造方法に係り、特に、水素吸蔵合金電極に撥水性を付与するために添加するフッ素樹脂分散液およびその製造方法ならびにこの製造方法により得られたフッ素樹脂分散液を水素吸蔵合金電極に添加して同水素吸蔵合金電極に撥水性を付与する水素吸蔵合金電極の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用電子・通信機器の急速な普及により従来に増して高性能な蓄電池が要請されている。このような背景にあって、従来のニッケル−カドミウム蓄電池、鉛蓄電池より軽量かつ高容量で高エネルギー密度が得られ、しかもクリーンな蓄電池となることから負極に水素吸蔵合金を用いたニッケル−水素蓄電池が注目されるようになった。
【0003】
このようなニッケル−水素蓄電池においては、正極側で容量が規制されるようになされているので、電池を充電すると、まず容量の小さい正極が満充電となり、さらに充電を続けると過充電状態となって、正極から酸素ガスが発生する。正極より発生した酸素ガスは負極で消費されて水(H2O)が生成される。この生成された水は負極表面が親水性であると、負極表面が濡れた状態となって、酸素ガスの負極表面への拡散が阻害され、酸素ガスの負極での消費速度が遅くなる。このため、電池内圧が上昇し、安全弁が作動して電池内のガスを放出するとともに、電解液も電池外へ漏出する。その結果、セパレータ中の電解液が枯渇し、電池のサイクル特性が低下するという問題があった。
【0004】
このようなことから、水素吸蔵合金粉末に撥水性を付与するフッ素樹脂を混合したり、フッ素樹脂を水素吸蔵合金電極に塗布して撥水処理を施すことが提案されるようになった。この撥水処理により、酸素ガス、電解液および水素吸蔵合金表面の、いわゆる気相、液相、固相の3相界面が形成され、酸素ガスの消費反応が円滑に行われるようになる。
【0005】
このような撥水処理を施すに際しては、フッ素樹脂を分散させる必要がある。例えば、フッ素樹脂を有機溶剤に分散させて有機フッ素樹脂分散液としたり、フッ素樹脂を水中に分散させて水溶性フッ素樹脂分散液とし、このようなフッ素樹脂分散液と水素吸蔵合金粉末と水溶性結着剤とを混合して水素吸蔵合金電極としたり、あるいは水素吸蔵合金電極の表面にこのようなフッ素樹脂分散液を塗布するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般的に、水素吸蔵合金粉末は水溶性結着剤とともに用いられるので、有機フッ素樹脂分散液を用いる場合、有機フッ素樹脂分散液は水溶性結着剤と均一に混合することが難しく、また有機フッ素樹脂分散液を水素吸蔵合金電極の表面に均一に塗布することが難しいため、水素吸蔵合金電極に不均一な撥水相が形成されて、充分な酸素ガス消費反応が行われないという問題を生じるとともに、有機溶剤のみで水素吸蔵合金電極を作製することは製造設備が複雑になって、水素吸蔵合金電極の製造コストが上昇するという問題も生じた。
【0007】
一方、水溶性フッ素樹脂分散液を用いると、フッ素樹脂は疎水性であるため、水中に均一に分散させることが難しく、また水溶性フッ素樹脂分散液は凝集を起こしやすいために、水素吸蔵合金電極の表面に均一に塗布することが難しく、撥水性が不均一となって充分に酸素ガス消費反応が行われないという問題も生じた。
【0008】
このようなことから、フッ素樹脂を界面活性剤によって水中に分散させたフッ素樹脂の水性ディスパージョンと有機溶剤との混合溶液に水素吸蔵合金負極を浸漬もしはこの混合溶液を水素吸蔵合金負極表面に塗着するようにしたものが特開平8−88003号公報において提案された。
【0009】
この特開平8−88003号公報において提案された方法においては、界面活性剤によって水中に分散させたフッ素樹脂の水性ディスパージョンに有機溶剤を混合させると、均一に分散しているフッ素樹脂同士を凝集させることができる。このため、水素吸蔵合金粒子間の隙間にフッ素樹脂が入り込みにくくなって電極表面の水素吸蔵合金粒子上に付着し、電極内部に混合溶液が浸透しにくくなる。したがって、電極表面に確実に撥水性を付与でき、電極の空孔をフッ素樹脂が閉塞せず、均一な充放電反応が進行するようになるというものである。
【0010】
しかしながら、上記特開平8−88003号公報において提案された方法においても、フッ素樹脂が水中に分散し、この水中に分散したフッ素樹脂が有機溶剤に分散しているため、フッ素樹脂は水素吸蔵合金電極の表面に不均一に分布することとなって充分な酸素ガス消費反応が行われないという問題を生じた。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、フッ素樹脂を水素吸蔵合金電極の表面に均一に分布させることができる分散液を得るとともに、この分散液を用いてフッ素樹脂を水素吸蔵合金電極の表面に均一に分布させるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明は、水素吸蔵合金電極に撥水性を付与するために添加するポリテトラフルオロエチレン(以下、フッ素樹脂)分散液であって、上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明においては、有機溶剤中に均一に分散させたフッ素樹脂粉末と、このフッ素樹脂粉末が均一に分散した有機溶剤を均一に分散させた水溶液とを含有するようにしている。
【0013】
このような分散液は、有機溶剤中にフッ素樹脂が分散しているため、フッ素樹脂の凝集が生じることがなく、かつ水中油滴型分散液となっていることからポリエチレンオキサイド(以下、水溶性結着剤)との親和性がよくなり、均一に水素吸蔵合金粉末と混合できるようになるとともに、均一に水素吸蔵合金電極に塗布することが可能となって、このような水素吸蔵合金粉末を用いた電極の酸素ガス吸収能力が格段に向上する。また、水中油滴型分散液は水溶液として取り扱うことができるため、その取り扱いが簡単になって、この種の水素吸蔵合金電極の製造が容易となる。
【0014】
請求項2に記載の発明においては、上述の水溶液は界面活性剤を含有するようにしている。界面活性剤は水中油滴型分散剤となるため、水溶液に界面活性剤を含有させることにより、フッ素樹脂を均一に分散させた有機溶剤(有機溶剤油滴)は水溶液に均一に分散することとなって、有機溶剤油滴の凝集が起こりにくいため、より均一に水素吸蔵合金粉末と混合できるようになるとともに、より均一に水素吸蔵合金電極に塗布することが可能となって、このような水素吸蔵合金粉末を用いた電極の酸素ガス吸収能力が一層向上する。
【0015】
請求項3に記載の発明においては、上述の水溶液は水溶性結着剤を含有するようにしている。水溶性結着剤に水溶液を含有させると水溶液の粘度が増大するため、これを水素吸蔵合金電極に塗布しても電極の内部まで浸透し過ぎることが抑制されるので、このような水素吸蔵合金粉末を用いた電極の酸素ガス吸収能力がさらに向上する。
【0016】
また、本発明は、水素吸蔵合金電極に撥水性を付与するために添加するフッ素樹脂分散液の製造方法であって、上記課題を解決するために、請求項4に記載の発明においては、有機溶剤中にフッ素樹脂粉末を分散させる工程と、このフッ素樹脂粉末を分散させた有機溶剤を水溶液に分散させる工程とを備え、フッ素樹脂粉末を水溶液に均一に分散させてフッ素樹脂分散液とするようにしている。
【0017】
このように分散液を製造すると、有機溶剤中にフッ素樹脂が分散しているため、フッ素樹脂に凝集が生じることが防止できるようになるとともに、水中油滴型分散液となるため、水溶性結着剤との親和性が向上する。そのため、水素吸蔵合金粉末と均一に混合できるようになるとともに、水素吸蔵合金電極に均一に塗布することが可能となるので、酸素ガス吸収能力が格段に向上した水素吸蔵合金粉末を用いた電極を製造することが可能になる。また、水中油滴型分散液は水溶液として取り扱うことができるため、その取り扱いが簡単になって、この種の水素吸蔵合金電極の製造が容易となる。
【0018】
請求項5に記載の発明においては、上述の水溶液に界面活性剤を添加するようにしている。界面活性剤は水中油滴型分散剤となるため、水溶液に界面活性剤を含有させることにより、フッ素樹脂を均一に分散させた有機溶剤(有機溶剤油滴)は水溶液に均一に分散することとなって、有機溶剤油滴の凝集が起こりにくいため、より均一に水素吸蔵合金粉末と混合できるようになるとともに、より均一に水素吸蔵合金電極に塗布することが可能となって、このような水素吸蔵合金粉末を用いた電極の酸素ガス吸収能力が一層向上する。
【0019】
請求項6に記載の発明においては、上述の水溶液に水溶性結着剤を添加するようにしている。水溶液に水溶性結着剤を含有させると水溶液の粘度が増大するため、これを水素吸蔵合金電極に塗布しても電極の内部まで浸透し過ぎることが抑制されるので、このような水素吸蔵合金粉末を用いた電極の酸素ガス吸収能力がさらに向上する。
【0020】
さらに、本発明は、フッ素樹脂分散液を水素吸蔵合金粉末に混合して水素吸蔵合金電極に撥水性を付与する水素吸蔵合金電極の製造方法であって、上記課題を解決するために、請求項7に記載の発明においては、フッ素樹脂粉末を均一に分散させた有機溶剤を水溶液に均一に分散させてフッ素樹脂分散液とする分散工程と、この分散工程により得られたフッ素樹脂分散液と水素吸蔵合金粉末と水溶性結着剤とを混練してスラリーとするスラリー工程と、このスラリー工程により得られたスラリーを集電体に塗着する塗着工程と、この塗着工程により集電体に塗着されたスラリーを乾燥する乾燥工程と、この乾燥工程により乾燥された水素吸蔵電極を圧延する圧延工程とを備えるようにしている。
【0021】
このように分散液を製造した後、この分散液と水素吸蔵合金粉末と水溶性結着剤とを混練してスラリーとすると、有機溶剤中にフッ素樹脂が分散しているため、フッ素樹脂に凝集が生じることなく水素吸蔵合金粉末に均一に分散するようになる。また、この分散液は水中油滴型分散液となるため、水溶性結着剤との親和性も向上する。このため、フッ素樹脂と水素吸蔵合金粉末と水溶性結着剤とが均一に混合できるようになるので、酸素ガス吸収能力が格段に向上した水素吸蔵合金電極を製造することが可能になる。また、水中油滴型分散液は水溶液として取り扱うことができるため、その取り扱いが簡単になって、この種の水素吸蔵合金電極の製造が容易になる。
【0022】
また、本発明は、フッ素樹脂分散液を水素吸蔵合金電極に塗布して同水素吸蔵合金電極に撥水性を付与する水素吸蔵合金電極の製造方法であって、上記課題を解決するために、請求項8に記載の発明においては、フッ素樹脂粉末を均一に分散させた有機溶剤を水溶液に均一に分散させてフッ素樹脂分散液とする分散工程と、水素吸蔵合金粉末と水溶性結着剤とを混練してスラリーとするスラリー工程と、このスラリー工程により得られたスラリーを集電体に塗着する塗着工程と、この塗着工程により集電体に塗着されたスラリー上に先の分散工程により得られたフッ素樹脂分散液を塗着する分散液塗着工程と、スラリーおよび同スラリー上に塗着されたフッ素樹脂分散液を乾燥する乾燥工程と、この乾燥工程により乾燥された水素吸蔵電極を圧延する圧延工程とを備えるようにしている。
【0023】
このように分散液を製造し、スラリー工程により得られたスラリーを集電体に塗着した後、このスラリー上にフッ素樹脂分散液を塗着すると、フッ素樹脂は有機溶剤中に均一分散しているのでフッ素樹脂に凝集が生じることなくスラリー上に均一に塗布されることとなる。そのため、水素吸蔵合金電極上に均一にフッ素樹脂が分布することとなって、酸素ガス吸収能力が格段に向上した水素吸蔵合金電極を製造することが可能になる。
【0024】
請求項9に記載の発明においては、上述のフッ素樹脂分散液にガス吸収触媒を添加するようにしている。フッ素樹脂が分散液に均一に分散していると、この分散液にガス吸収触媒を添加して混合すると、フッ素樹脂と水素吸蔵合金とガス吸収触媒とが互いに接触する接触面積が増大するようになるため、この水素吸蔵合金電極の酸素ガスの吸収能力が格段に向上するようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
a.フッ素樹脂分散液の作製
(1)実施例1
シクロヘキサン(有機溶剤)にフッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を15重量%分散させた有機中分散液を作製する。この有機中分散液70重量%をホモジナイザー(機械的攪拌、超音波照射などにより2液相を混合分散してエマルジョンとする装置)を用いて30重量%の水中に分散させてフッ素樹脂分散液を作製する。このようにして作製されたフッ素樹脂分散液を実施例1のフッ素樹脂分散液Aとする。
【0026】
(2)実施例2
シクロヘキサンにフッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を15重量%分散させた有機中分散液を作製する。この有機中分散液70重量%をホモジナイザー(機械的攪拌、超音波照射などにより2液相を混合分散してエマルジョンとする装置)を用いて、4重量%の界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(キシダ化学製,商品名:Tween20))を含有する30重量%の水中に分散させてフッ素樹脂分散液を作製する。このようにして作製されたフッ素樹脂分散液を実施例2のフッ素樹脂分散液Bとする。
【0027】
(3)実施例3
上述のフッ素樹脂分散液Aに10重量%のカーボン粉末(ガス吸収触媒)を混合したものを実施例3のフッ素樹脂分散液Cとする。
【0028】
(4)実施例4
上述のフッ素樹脂分散液Aに10重量%のニッケル粉末(ガス吸収触媒)を混合したものを実施例4のフッ素樹脂分散液Dとする。
【0029】
(5)実施例5
上述のフッ素樹脂分散液Aに5重量%のカーボン粉末(ガス吸収触媒)と5重量%のニッケル粉末(ガス吸収触媒)を混合したものを実施例5のフッ素樹脂分散液Eとする。
【0030】
(6)実施例6
上述のフッ素樹脂分散液Bに10重量%のカーボン粉末(ガス吸収触媒)を混合したものを実施例6のフッ素樹脂分散液Fとする。
【0031】
(7)実施例7
上述のフッ素樹脂分散液Bに10重量%のニッケル粉末(ガス吸収触媒)を混合したものを実施例7のフッ素樹脂分散液Gとする。
【0032】
(8)実施例8
上述のフッ素樹脂分散液Bに5重量%のカーボン粉末(ガス吸収触媒)と5重量%のニッケル粉末(ガス吸収触媒)を混合したものを実施例8のフッ素樹脂分散液Hとする。
【0033】
(9)比較例1
シクロヘキサンにフッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を15重量%分散させたものを比較例1のフッ素樹脂分散液Iとする。
【0034】
(10)比較例2
水に4重量%の界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(キシダ化学製,商品名:Tween20))とフッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を15重量%分散させたものを比較例2のフッ素樹脂分散液Jとする。
【0035】
(11)比較例3
水に4重量%の界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート(キシダ化学製,商品名:Tween20))とフッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を15重量%分散させて水中分散液を作製する。この水中分散液50重量%とシクロヘキサン50重量%を混合したものを比較例3のフッ素樹脂分散液Kとする。
【0036】
b.負極の作製
(1)実施例1
ミッシュメタル(Mm:希土類元素の混合物)、ニッケル、コバルト、アルミニウム、およびマンガンを元素比で1:3.2:1.0:0.2:0.6の比率で混合し、この混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉で誘導加熱して合金溶湯となす。この合金溶湯を公知の方法で冷却し、組成式Mm1.0Ni3.2Co1.0Al0.2Mn0.6で表される水素吸蔵合金のインゴットを作製する。この水素吸蔵合金インゴットを機械的に粉砕し、平均粒子径が約100μmの水素吸蔵合金粉末となし、この水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液A(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して実施例1の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0037】
(2)実施例2
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液B(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して実施例2の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0038】
(3)実施例3
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液C(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して実施例3の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0039】
(4)実施例4
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液D(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して実施例4の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0040】
(5)実施例5
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液E(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して実施例5の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0041】
(6)実施例6
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液F(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して実施例6の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0042】
(7)実施例7
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液G(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して実施例7の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0043】
(8)実施例8
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液H(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して実施例8の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0044】
(9)実施例9
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液A(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して実施例9の水素吸蔵合金負極とする。
【0045】
(10)実施例10
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)0.5重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液B(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して実施例10の水素吸蔵合金負極とする。
【0046】
(11)実施例11
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液C(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して実施例11の水素吸蔵合金負極とする。
【0047】
(12)実施例12
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液D(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して実施例12の水素吸蔵合金負極とする。
【0048】
(13)実施例13
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液E(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して実施例13の水素吸蔵合金負極とする。
【0049】
(14)実施例14
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液F(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して実施例14の水素吸蔵合金負極とする。
【0050】
(15)実施例15
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液G(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して実施例15の水素吸蔵合金負極とする。
【0051】
(16)実施例16
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液H(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して実施例16の水素吸蔵合金負極とする。
【0052】
(17)実施例17
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末に水溶性結着剤、例えばポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。上述のフッ素樹脂分散液B(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)を塗布し、乾燥して実施例17の水素吸蔵合金負極とする。
【0053】
(18)比較例1
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液I(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して比較例1の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0054】
(19)比較例2
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液J(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して比較例2の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0055】
(20)比較例3
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、上述のフッ素樹脂分散液K(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して比較例3の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0056】
(21)比較例4
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、1重量%のフッ素樹脂粉末(L)と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して比較例4の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0057】
(22)比較例5
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液I(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して比較例5の水素吸蔵合金負極とする。
【0058】
(23)比較例6
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂分散液J(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して比較例6の水素吸蔵合金負極とする。
【0059】
(24)比較例7
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に上述のフッ素樹脂粉末K(水素吸蔵合金に対してフッ素樹脂固形分が1重量%となる)にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5%重量を混合したスラリーを塗布し、乾燥して比較例7の水素吸蔵合金負極とする。
【0060】
(25)比較例8
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド(PEO)0.5重量%と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して水素吸蔵合金負極を作製する。このようにして作製した水素吸蔵合金負極の表面に1重量%のフッ素樹脂粉末を塗布し、乾燥して比較例8の水素吸蔵合金負極とする。
【0061】
(26)比較例9
実施例1と同様に作製した水素吸蔵合金粉末にポリエチレンオキサイド(PEO)1重量%と、1重量%のフッ素樹脂粉末と、適量の水を加えて混練して水素吸蔵合金スラリーを作製する。このスラリーをパンチングメタルに塗布し、乾燥した後、厚み0.4mmに圧延して比較例9の水素吸蔵合金負極を作製する。
【0062】
c.ニッケル電極の作製
水酸化ニッケルを主成分とする活物質スラリーを多孔度95%で、厚み1.6mmの発泡ニッケルからなる基板に充填し、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)水溶液に浸漬した後、乾燥を行う。乾燥後、厚み0.60mmとなるように圧延を行い非焼結式ニッケル正極を作製した。
【0063】
d.電池の作製
上述のように作製した実施例1〜17および比較例1〜9の水素吸蔵合金負極と非焼結式ニッケル正極とをポリプロピレン製不織布のセパレータを介して卷回して、渦巻状の電極群を作製した後、この電極群を外装缶に挿入する。その後、外装缶内に電解液として30重量%の水酸化カリウム水溶液を注入し、更に外装缶を封口して、ニッケル−水素蓄電池を組み立てる。このようにして作製した電池の理論容量は1000mAHとなる。なお、実施例1〜17の水素吸蔵合金負極を用いたニッケル−水素蓄電池をそれぞれ1〜17の電池とし、比較例1〜9の水素吸蔵合金負極を用いたニッケル−水素蓄電池をそれぞれ18〜26の電池とする。
【0064】
e.電池の活性化
上述のように作成した1〜26のニッケル−水素蓄電池を室温で0.1Cの充電電流で16時間充電した後、0.2Cの放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させた後、1時間休止するサイクルを3サイクル繰り返してニッケル−水素蓄電池を活性化する。
【0065】
f.電池内圧の測定
上述のようにして活性化した1〜26のニッケル−水素蓄電池を1000mAで充電電流で1.5時間充電した後の電池内圧を測定すると以下の表1に示すような結果となった。
【0066】
【表1】
【0067】
上記表1より以下のことが明らかとなった。即ち、フッ素樹脂が無添加の負極を用いた電池26より、フッ素樹脂を極板の内部あるいは表面に添加した電池18〜25の内圧は低下するが、それほど内圧低下の効果は大きくない。その理由は次のように考えることができる。比較例18と22(分散液Iを用いたもの)の問題点は、フッ素樹脂が有機溶剤中に分散しているため、有機溶剤は水溶性糊料(PEO)と混合したときに均一に混合できないため、フッ素樹脂の混合または塗布が不均一となり、内圧低減効果が十分でない。また、比較例19と23(分散液Jを用いたもの)の問題点は、フッ素樹脂の分散が十分でないことによる。フッ素樹脂は疎水性のため、水中に分散しにくく、凝集を起こしやすい。そのために分散剤(界面活性剤)を用いているが、疎水性の有機溶剤に分散させた方が良好である。
【0068】
さらに、比較例20と24(分散液Kを用いたもの)の問題点は、フッ素樹脂が水中に分散していること、およびこの水中に分散したフッ素樹脂を有機溶剤に混合していることから、スラリー混合時、あるいは負極表面への塗着時にフッ素樹脂が不均一に分布することにより、内圧低減効果が十分ではない。また、比較例21と25(フッ素樹脂粉末Lを用いたもの)の問題点は、フッ素樹脂を粉末状態で混合したり、あるいはフッ素樹脂粉末を負極表面へ塗着するため、フッ素樹脂が不均一に分布することにより、内圧低減効果が十分ではない。
【0069】
これに対して、実施例のフッ素樹脂分散液を用いた電池1〜17の内圧低減効果は大きい。まず、実施例1と9は、有機溶剤中にフッ素樹脂が分散しているため、フッ素樹脂の凝集が起こらず、水中油滴型分散液となっているために水溶性結着剤(PEO)との親和性が良く、均一に混合、塗布することができるためと考えることができる。そして、水中油滴型分散液は水溶液として取り扱うことができるため、取り扱いが容易となる。
【0070】
実施例2と10は、さらに内圧低減効果は大きい。これは水中油滴型分散剤(界面活性剤)により有機溶剤油滴の凝集が起こりにくいため、より均一に混合、塗布することができるためと考えることができる。実施例3〜8と11〜16は、ガス吸収触媒(カーボンあるいはニッケル)を混合しているために、さらに内圧低減効果は大きい。これはフッ素樹脂が均一に分散しているため、水素吸蔵合金とフッ素樹脂と触媒の接触面積が増加するためと考えることができる。
【0071】
なお、実施例17と実施例2との比較で分かるように、水溶性結着剤(PEO)を添加すると、内圧低減効果が大きくなるということができる。これは、フッ素樹脂分散液に水溶性結着剤(PEO)を添加すると、フッ素樹脂分散液の粘度が増大し、フッ素樹脂が負極内部まで浸透しすぎることが抑制されるためと考えることができる。
【0072】
なお、上述した実施形態においては、有機溶剤としてシクロヘキサンを用いる例について説明したが、有機溶剤としては、これ以外にシクロヘプタン、ヘプタン、トルエン、ヘキサン等を用いるようにしてもよい。
Claims (9)
- 水素吸蔵合金電極に撥水性を付与するために添加するポリテトラフルオロエチレン分散液であって、有機溶剤中に均一に分散させたポリテトラフルオロエチレン粉末と、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末が均一に分散した前記有機溶剤を均一に分散させた水溶液とを含有することを特徴とするポリテトラフルオロエチレン分散液。
- 前記水溶液は界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリテトラフルオロエチレン分散液。
- 前記水溶液はポリエチレンオキサイドを含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリテトラフルオロエチレン分散液。
- 水素吸蔵合金電極に撥水性を付与するために添加するポリテトラフルオロエチレン分散液の製造方法であって、 有機溶剤中にポリテトラフルオロエチレン粉末を分散させる工程と、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末を分散させた有機溶剤を水溶液に分散させる工程とを備え、前記ポリテトラフルオロエチレン粉末を前記水溶液に均一に分散させてポリテトラフルオロエチレン分散液とすることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン分散液の製造方法。
- 前記水溶液に界面活性剤を添加したことを特徴とする請求項4に記載のポリテトラフルオロエチレン分散液の製造方法。
- 前記水溶液にポリエチレンオキサイドを添加したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載のポリテトラフルオロエチレン分散液の製造方法。
- ポリテトラフルオロエチレン分散液を水素吸蔵合金粉末に混合して水素吸蔵合金電極に撥水性を付与する水素吸蔵合金電極の製造方法であって、ポリテトラフルオロエチレン粉末を均一に分散させた有機溶剤を水溶液に均一に分散させてポリテトラフルオロエチレン分散液とする分散工程と、前記分散工程により得られたポリテトラフルオロエチレン分散液と水素吸蔵合金粉末とポリエチレンオキサイドとを混練してスラリーとするスラリー工程と、前記スラリー工程により得られたスラリーを集電体に塗着する塗着工程と、 前記塗着工程により集電体に塗着されたスラリーを乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程により乾燥された水素吸蔵電極を圧延する圧延工程とを備えたことを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法。
- ポリテトラフルオロエチレン分散液を水素吸蔵合金電極に塗布して同水素吸蔵合金電極に撥水性を付与する水素吸蔵合金電極の製造方法であって、ポリテトラフルオロエチレン粉末を均一に分散させた有機溶剤を水溶液に均一に分散させてポリテトラフルオロエチレン分散液とする分散工程と、水素吸蔵合金粉末とポリエチレンオキサイドとを混練してスラリーとするスラリー工程と、前記スラリー工程により得られたスラリーを集電体に塗着する塗着工程と、前記塗着工程により集電体に塗着されたスラリー上に前記分散工程により得られたポリテトラフルオロエチレン分散液を塗着する分散液塗着工程と、前記スラリーおよび同スラリー上に塗着された前記ポリテトラフルオロエチレン分散液を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程により乾燥された水素吸蔵電極を圧延する圧延工程とを備えたことを特徴とする水素吸蔵合金電極の製造方法。
- 前記ポリテトラフルオロエチレン分散液にガス吸収触媒を添加したことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の水素吸蔵合金電極の製造方法。
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