JP4179597B2 - オレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤、並びに帯電防止性及び防滑性を有するオレフィン重合体フィルム - Google Patents

オレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤、並びに帯電防止性及び防滑性を有するオレフィン重合体フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤、並びに帯電防止性及び防滑性を有するオレフィン重合体フィルムに関する。オレフィン重合体フィルムはその製造乃至加工工程や製品使用場面で帯電し易い。そのため、オレフィン重合体フィルムには通常、帯電防止剤が使用される。近年ではオレフィン重合体フィルムの用途展開も多方面に亘り、例えば重袋と称される内容量が10kgを超えるような袋物にも使用されるようになっている。このような内容物を入れた重袋は、それを積み重ねて保管したり、輸送されるが、この際に荷崩れが起き易い。そのため、オレフィン重合体フィルムには、帯電防止性だけでなく、同時に防滑性も要求される。本発明は、かかる要求に応える、オレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤、並びに帯電防止性及び防滑性を有するオレフィン重合体フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オレフィン重合体フィルム用帯電防止剤としては、多価アルコールの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ヒドロキシアルキル置換脂肪族アミン、ヒドロキシアルキル置換脂肪酸アミド等、分子内にヒドロキシ基を有する各種の化合物やその混合物が知られており(例えば、特許文献1〜5参照)、また前記のような分子内にヒドロキシ基を有する化合物と有機スルホン酸塩との混合物が知られている(例えば、特許文献6〜9参照)。しかし、これら従来のオレフィン重合体フィルム用帯電防止剤には、オレフィン重合体フィルムに付与する帯電防止性が不充分且つ不均一であり、また防滑性が不充分であって、とりわけオレフィン重合体フィルムに付与した帯電防止性及び防滑性が経日的により低くなるという問題がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−212435号公報
【特許文献2】
特開平9−157458号公報
【特許文献3】
特開平11−140240号公報
【特許文献4】
特開平11−335567号公報
【特許文献5】
特開2001−11204号公報
【特許文献6】
特開平4−227762号公報
【特許文献7】
特開平5−65363号公報
【特許文献8】
特開2000−103904号公報
【特許文献9】
特開2001−164041号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、オレフィン重合体フィルムに、経日的にも優れた均一な帯電防止性及び防滑性を同時に付与できるオレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤、並びに経日的にも優れた均一な帯電防止性及び防滑性を同時に有するオレフィン重合体フィルムを提供する処にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記の課題を解決するべく研究した結果、オレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤として、特定の部分エステルの混合物と特定のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物とを所定割合で含有して成るものを用いることが正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、下記の部分エステルの混合物とアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物とから成り、且つ該部分エステルの混合物/該アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物=60/40〜80/20(重量比)の割合で含有して成ることを特徴とするオレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤に係る。
【0007】
部分エステルの混合物:ジグリセリン、ソルビタン及びトリグリセリンから選ばれるポリオールと脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの混合物であり、該脂肪族モノカルボン酸のモノエステルを30〜90重量%含有するものであって、該脂肪族モノカルボン酸として炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸から選ばれる炭素数の異なる二つ以上の脂肪族モノカルボン酸を用い且つ該脂肪族モノカルボン酸として全脂肪族モノカルボン酸の60〜90重量%となる量の炭素数18の脂肪族モノカルボン酸を用いたもの
【0008】
アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物:炭素数12〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩から選ばれる炭素数の異なる二つ以上のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物であって、炭素数14のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩と炭素数15のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩とを合計で50重量%以上含有するもの
【0009】
また本発明は、前記の本発明に係るオレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤をオレフィン重合体に該オレフィン重合体100重量部当たり0.05〜1重量部の割合となるよう混合又は混練したオレフィン重合体組成物を、インフレーション成形又はTダイ成形して成ることを特徴とする帯電防止性及び防滑性を有するオレフィン重合体フィルムに係る。
【0010】
本発明に係るオレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤(以下、単に本発明に係る防滑性帯電防止剤という)は部分エステルの混合物とアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物とから成るものである。
【0011】
本発明に係る防滑性帯電防止剤に供する部分エステルの混合物は、ジグリセリン、ソルビタン及びトリグリセリンから選ばれるポリオールと脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの混合物であり、該脂肪族モノカルボン酸のモノエステルを30〜90重量%含有するものであって、該脂肪族モノカルボン酸として炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸から選ばれる炭素数の異なる二つ以上の脂肪族モノカルボン酸を用い且つ該脂肪族モノカルボン酸として全脂肪族モノカルボン酸の60〜90重量%となる量の炭素数18の脂肪族モノカルボン酸を用いたものである。かかる部分エステルの混合物には、1)ポリオールと炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸から選ばれる第1の脂肪族モノカルボン酸とから得られる第1の部分エステルと、ポリオールと炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸から選ばれる前記第1の脂肪族モノカルボン酸とは炭素数の異なる第2の脂肪族モノカルボン酸とから得られる第2の部分エステルとの混合物、2)ポリオールと、炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸から選ばれる第1の脂肪族モノカルボン酸と該第1の脂肪族モノカルボン酸とは炭素数の異なる第2の脂肪族モノカルボン酸との混合脂肪族モノカルボン酸とから得られる第1の部分エステルと第2の部分エステルとの混合物が含まれる。
【0012】
前記1)の混合物は、予め第1の部分エステルと第2の部分エステルとを得ておき、しかる後にこれらを混合したものであり、また前記2)の混合物は、ポリオールとのエステル化反応に第1の脂肪族モノカルボン酸と第2の脂肪族モノカルボン酸との混合脂肪族モノカルボン酸を用いて第1の部分エステルと第2の部分エステルとを同時に得たものである。以上の説明は脂肪族モノカルボン酸として第1の脂肪族モノカルボン酸と第2の脂肪族モノカルボン酸とを用いた場合についてであるが、更に炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸から選ばれる第3や第4等の脂肪族モノカルボン酸を用い得ることはいうまでもない。
【0013】
本発明に係る防滑性帯電防止剤に供する部分エステルの混合物は、脂肪族モノカルボン酸として全脂肪族モノカルボン酸の60〜90重量%となる量の炭素数18の脂肪族モノカルボン酸を用いたものであり、また脂肪族モノカルボン酸のモノエステルを30〜90重量%含有するものである。
【0014】
以上説明した部分エステルの混合物において、部分エステルの原料となるポリオールとしては、ジグリセリン、ソルビタン及びトリグリセリンから選ばれるものを用いる。
【0015】
また以上説明した部分エステルの混合物において、部分エステルの原料となる脂肪族モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
【0016】
そして以上説明した部分エステルの混合物において、ジグリセリンと脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの具体例としては、ジグリセリンモノラウラート、ジグリセリンモノミリスタート、ジグリセリンモノパルミタート、ジグリセリンモノミリストレアート、ジグリセリンモノステアラート、ジグリセリンモノオレアート、ジグリセリンモノリノレアート、ジグリセリンジラウラート、ジグリセリンジミリスタート、ジグリセリンジパルミタート、ジグリセリンジミリストレアート、ジグリセリンジステアラート、ジグリセリンジオレアート、ジグリセリンジリノレアート、ジグリセリンラウロミリスタート、ジグリセリンミリストパルミタート、ジグリセリンパルミトステアラート、ジグリセリンパルミトオレアート、ジグリセリンステアロパルミトレアート、ジグリセリントリラウラート、ジグリセリントリミリスタート、ジグリセリントリパルミタート、ジグリセリントリミリストレアート、ジグリセリントリステアラート、ジグリセリントリオレアート、ジグリセリントリリノレアート、ジグリセリンジラウロミリスタート、ジグリセリンラウロジミリスタート、ジグリセリンジミリストパルミタート、ジグリセリンミリストジパルミタート、ジグリセリンジパルミトステアラート、ジグリセリンパルミトジステアラート、ジグリセリンジパルミトオレアート、ジグリセリンパルミトジオレアート、ジグリセリンジステアロパルミトレアート、ジグリセリンステアロジパルミトレアート等が挙げられる。またソルビタンと脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの具体例としては、ソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノミリスタート、ソルビタンモノパルミタート、ソルビタンモノミリストレアート、ソルビタンモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノリノレアート、ソルビタンジラウラート、ソルビタンジミリスタート、ソルビタンジパルミタート、ソルビタンジミリストレアート、ソルビタンジステアラート、ソルビタンジオレアート、ソルビタンジリノレアート、ソルビタンラウロミリスタート、ソルビタンミリストパルミタート、ソルビタンパルミトステアラート、ソルビタンパルミトオレアート、ソルビタンステアロパルミトレアート、ソルビタントリラウラート、ソルビタントリミリスタート、ソルビタントリパルミタート、ソルビタントリミリストレアート、ソルビタントリステアラート、ソルビタントリオレアート、ソルビタントリリノレアート、ソルビタンジラウロミリスタート、ソルビタンラウロジミリスタート、ソルビタンジミリストパルミタート、ソルビタンミリストジパルミタート、ソルビタンジパルミトステアラート、ソルビタンパルミトジステアラート、ソルビタンジパルミトオレアート、ソルビタンパルミトジオレアート、ソルビタンジステアロパルミトレアート、ソルビタンステアロジパルミトレアート等が挙げられる。
【0017】
更にトリグリセリンと脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの具体例としては、トリグリセリンモノラウラート、トリグリセリンモノミリスタート、トリグリセリンモノパルミタート、トリグリセリンモノミリストレアート、トリグリセリンモノステアラート、トリグリセリンモノオレアート、トリグリセリンモノリノレアート、トリグリセリンジラウラート、トリグリセリンジミリスタート、トリグリセリンジパルミタート、トリグリセリンジミリストレアート、トリグリセリンジステアラート、トリグリセリンジオレアート、トリグリセリンジリノレアート、トリグリセリンラウロミリスタート、トリグリセリンミリストパルミタート、トリグリセリンパルミトステアラート、トリグリセリンパルミトオレアート、トリグリセリンステアロパルミトレアート、トリグリセリントリラウラート、トリグリセリントリミリスタート、トリグリセリントリパルミタート、トリグリセリントリミリストレアート、トリグリセリントリステアラート、トリグリセリントリオレアート、トリグリセリントリリノレアート、トリグリセリンジラウロミリスタート、トリグリセリンラウロジミリスタート、トリグリセリンジミリストパルミタート、トリグリセリンミリストジパルミタート、トリグリセリンジパルミトステアラート、トリグリセリンパルミトジステアラート、トリグリセリンジパルミトオレアート、トリグリセリンパルミトジオレアート、トリグリセリンジステアロパルミトレアート、トリグリセリンステアロジパルミトレアート等が挙げられる。
【0018】
本発明に係る防滑性帯電防止剤に供するアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物は、炭素数12〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩から選ばれる炭素数の異なる二つ以上のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物であって、炭素数14のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩と炭素数15のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩とを合計で50重量%以上含有するものである。アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物において、炭素数12〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩としては、ドデシルスルホン酸リチウム、トリデシルスルホン酸リチウム、テトラデシルスルホン酸リチウム、ペンタデシルスルホン酸リチウム、ヘキサデシルスルホン酸リチウム、ヘプタデシルスルホン酸リチウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、トリデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、ペンタデシルスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、ヘプタデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸カリウム、トリデシルスルホン酸カリウム、テトラデシルスルホン酸カリウム、ペンタデシルスルホン酸カリウム、ヘキサデシルスルホン酸カリウム、ヘプタデシルスルホン酸カリウム等が挙げられる。
【0019】
本発明に係る防滑性帯電防止剤に供するアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物は、炭素数14のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩と炭素数15のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩とを合計で50重量%以上含有するものであるが、炭素数14のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩と炭素数15のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩との混合物が好ましい。
【0020】
本発明に係る防滑性帯電防止剤は、以上説明したような部分エステルの混合物とアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物とから成るものである。部分エステルの混合物とアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物との含有割合は、部分エステルの混合物/アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物=60/40〜80/20(重量比)とする。
【0021】
本発明に係る防滑性帯電防止剤の適用対象となるオレフィン重合体フィルムとしては、エチレンを重合したエチレン重合体のフィルム、エチレンとα−オレフィンとを共重合したエチレン・α−オレフィン共重合体のフィルム、前記のエチレン重合体と前記のエチレン・α−オレフィン共重合体との混合物のフィルム、エチレンと酢酸ビニルとを共重合したエチレン・酢酸ビニル共重合体のフィルム等が挙げられる。なかでも、エチレン重合体のフィルム、エチレン・α−オレフィン共重合体のフィルム、エチレン重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体との混合物のフィルムを適用対象とするのが好ましく、エチレンと該エチレンに対して50モル%以下のα−オレフィンとを共重合させたエチレン・α−オレフィン共重合体のフィルムを適用対象とするのがより好ましく、かかるα−オレフィンとして炭素数4〜12のα−オレフィンを用いたエチレン・α−オレフィン共重合体のフィルムを適用対象とするのが特に好ましい。オレフィン重合体フィルムの成形原料となる前記のようなエチレン重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、これらの混合物等としては、その密度が0.900〜0.940g/cmのものが好ましく、また190℃で2.16kg荷重時におけるメルトフローレート(以下、単にMFRという)が0.1〜20g/10分のものが好ましい。
【0022】
本発明に係る帯電防止性及び防滑性を有するオレフィン重合体フィルム(以下、単に本発明に係るオレフィン重合体フィルムという)は、以上説明した本発明に係る防滑性帯電防止剤をオレフィン重合体に該オレフィン重合体100重量部当たり0.05〜1.5重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部の割合となるよう混合又は混練したオレフィン重合体組成物を、インフレーション成形又はTダイ成形したものである。オレフィン重合体フィルムの成形原料となるオレフィン重合体については、本発明に係る防滑性帯電防止剤の適用対象において前記したことと同様である。
【0023】
本発明に係るオレフィン重合体フィルムにおいて、オレフィン重合体に本発明に係る防滑性帯電防止剤を混合又は混練してオレフィン重合体組成物を得る手段としては、1)オレフィン重合体と本発明に係る防滑性帯電防止剤とをタンブラーブレンダーやヘンシェルミキサー等の混合機に投入して混合した後、更に単軸押出機や多軸押出機等の押出機により溶融混練しつつ造粒して、本発明に係る防滑性帯電防止剤を高濃度に含有するマスターペレットを作製し、このマスターペレットを更にオレフィン重合体と所定割合で混合してオレフィン重合体組成物とする方法、2)オレフィン重合体と本発明に係る防滑性帯電防止剤とを所定割合でタンブラーブレンダーやヘンシェルミキサー等の混合機に投入して混合し、更にニーダーやバンバリーミキサー等で溶融混練しつつ造粒してオレフィン重合体組成物とする方法等が挙げられる。
【0024】
また本発明に係るオレフィン重合体フィルムにおいて、インフレーション成形としては、空冷インフレーション成形、空冷2段インフレーション成形、水冷インフレーション成形等が挙げられ、Tダイ成形としては、Tダイとしてストレート・マニホールド型、コート・バンガー型、これらを組み合わせたもの等を使用する成形が挙げられる。本発明に係るオレフィン重合体フィルムは、経日的にも優れた均一な帯電防止性及び防滑性を有するため、これを重袋用単層フィルムとする場合に好適である。かかる重袋用単層フィルムの厚さとしては、20〜250μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
【0025】
本発明に係るオレフィン重合体フィルムは、合目的的に他の剤を併用したものとすることもできる。かかる他の剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、中和剤、滑剤、耐候剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤が挙げられるが、これらの他の剤の併用量は可及的に少量とするのが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明に係る防滑性帯電防止剤の実施形態としては、次の1)〜9)が挙げられる。
1)下記の部分エステルの混合物(AM−1)/下記のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−1)=75/25(重量比)の割合から成る防滑性帯電防止剤(P−1)。
部分エステルの混合物(AM−1):ジグリセリンとパルミチン酸とから得られる部分エステル(A−2)/ジグリセリンとステアリン酸とから得られる部分エステル(A−1)=10/90(重量比)の割合からなる混合物
アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−1):テトラデシルスルホン酸ナトリウム/ペンタデシルスルホン酸ナトリウム=50/50(重量比)の割合からなる混合物
【0027】
2)下記の部分エステルの混合物(AM−9)/下記のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−2)=80/20(重量比)の割合から成る防滑性帯電防止剤(P−2)。
部分エステルの混合物(AM−9):トリグリセリンと、パルミチン酸/ステアリン酸=40/60(重量比)の割合からなる混合脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの混合物
アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−2):テトラデシルスルホン酸ナトリウム/ペンタデシルスルホン酸ナトリウム/ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム=30/40/30(重量比)の割合からなる混合物
【0028】
3)下記の部分エステルの混合物(AM−3)/下記のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−3)=60/40(重量比)の割合から成る防滑性帯電防止剤(P−3)。
部分エステルの混合物(AM−3):ソルビタンとパルミチン酸とから得られる部分エステル(A−5)/ソルビタンとイソステアリン酸とから得られる部分エステル(A−6)=30/70(重量比)の割合からなる混合物
アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−3):トリデシルスルホン酸ナトリウム/テトラデシルスルホン酸ナトリウム/ペンタデシルスルホン酸ナトリウム=10/45/45(重量比)の割合からなる混合物
【0029】
4)下記の部分エステルの混合物(AM−11)/前記のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−3)=65/35(重量比)の割合から成る防滑性帯電防止剤(P−4)。
部分エステルの混合物(AM−11):ジグリセリンと、パルミトレイン酸/ステアリン酸=20/80(重量比)の割合からなる混合脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの混合物
【0030】
5)下記の部分エステルの混合物(AM−5)/下記のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−4)=70/30(重量比)の割合から成る防滑性帯電防止剤(P−5)。
部分エステルの混合物(AM−5):トリグリセリンとパルミチン酸とから得られる部分エステル(A−3)/ジグリセリンとステアリン酸とから得られる部分エステル(A−1)=25/75(重量比)の割合からなる混合物
アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−4):テトラデシルスルホン酸リチウム/ペンタデシルスルホン酸リチウム/ヘキサデシルスルホン酸リチウム=20/35/45(重量比)の割合からなる混合物
【0031】
6)下記の部分エステルの混合物(AM−8)/前記のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−1)=70/30(重量比)の割合から成る防滑性帯電防止剤(P−9)。
部分エステルの混合物(AM−8):ジグリセリンと、パルミチン酸/ステアリン酸=15/85(重量比)の割合からなる混合脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの混合物
【0032】
7)下記の部分エステルの混合物(AM−2)/前記のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−4)=60/40(重量比)の割合から成る防滑性帯電防止剤(P−10)。
部分エステルの混合物(AM−2):トリグリセリンとパルミチン酸とから得られる部分エステル(A−3)/トリグリセリンとステアリン酸とから得られる部分エステル(A−4)=40/60(重量比)の割合からなる混合物
【0033】
8)下記の部分エステルの混合物(AM−10)/前記のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−3)=75/25(重量比)の割合から成る防滑性帯電防止剤(P−11)。
部分エステルの混合物(AM−10):ソルビタンと、パルミチン酸/ステアリン酸=30/70(重量比)の割合からなる混合脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの混合物
【0034】
9)下記の部分エステルの混合物(AM−4)/前記のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−2)=80/20(重量比)の割合から成る防滑性帯電防止剤(P−12)。
部分エステルの混合物(AM−4):ジグリセリンとパルミチン酸とから得られる部分エステル(A−7)/ジグリセリンとオレイン酸とから得られる部分エステル(A−8)=20/80(重量比)の割合からなる混合物
【0035】
また本発明に係るオレフィン重合体フィルムの実施形態としては、次の10)、11)が挙げられる。
10)先ず、前記1)〜5)から選ばれるいずれか一つの本発明に係る防滑性帯電防止剤10重量部とエチレン・1−ブテン共重合体(エチレンを96モル%及び1−ブテンを4モル%の割合で共重合した、密度が0.930g/cmで、MFRが1g/10分の共重合体)90重量部とをタンブラーブレンダーに投入して混合した後、更に二軸押出機により溶融混練しつつ造粒してマスターペレットを製作する。次に、このマスターペレット3重量部と前記のエチレン・1−ブテン共重合体97重量部とを再びタンブラーブレンダーにて混合し、オレフィン重合体組成物を得る。最後に、このオレフィン重合体組成物をインフレーション成形したオレフィン重合体フィルム。
【0036】
11)先ず、前記6)〜9)から選ばれるいずれか一つの本発明に係る防滑性帯電防止剤10重量部とエチレン・1−ヘキセン共重合体(エチレンを95モル%及び1−ヘキセンを5モル%の割合で共重合した、密度が0.920g/cmで、MFRが2.1g/10分の共重合体)90重量部とをタンブラーブレンダーに投入して混合した後、更に二軸押出機により溶融混練しつつ造粒してマスターペレットを製作する。次に、このマスターペレット3重量部と前記のエチレン・1−ヘキセン共重合体97重量部とを再びタンブラーブレンダーにて混合し、オレフィン重合体組成物を得る。最後に、このオレフィン重合体組成物をTダイ成形したオレフィン重合体フィルム。
【0037】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
【0038】
【実施例】
試験区分1(部分エステルの合成)
部分エステル(A−1)の合成
フラスコにステアリン酸568g(2モル)及びジグリセリン166g(1モル)を仕込み、窒素ガス下に75℃で溶融した後、水酸化ナトリウム7.3gを加え、160℃で2mmHgの減圧下に3時間反応させた。反応後、窒素ガス下に105℃で常圧に戻し、吸着剤を添加して触媒を処理した。次いで生成物を再結晶により精製した。得られた精製物をガスクロマトグラフィ−マススペクトロメーター、分取高速液体クロマトグラフィ、NMR、IR、元素分析等で分析したところ、ステアリン酸のモノエステルを40重量%、ジエステルを51重量%及びトリエステルを9重量%含有する部分エステル(A−1)であった。
【0039】
部分エステル(A−2)〜(A−12)及び(a−1)〜(a−3)の合成
部分エステル(A−1)の合成と同様にして、部分エステル(A−2)〜(A−12)及び(a−1)〜(a−3)を合成した。部分エステル(A−1)も含め、以上で合成した各部分エステルの内容を表1にまとめて示した。
【0040】
【表1】
Figure 0004179597
【0041】
表1において、
L−1:ジグリセリン
L−2:トリグリセリン
L−3:ソルビタン
L−4:ペンタエリスリトール
LR−1:グリセリン
S−1:ステアリン酸
S−2:パルミチン酸
S−3:イソステアリン酸
S−4:オレイン酸
S−5:パルミトレイン酸
S−6:ラウリン酸
S−7:ミリスチン酸
SR−1:オクタン酸
これらは以下同じ
【0042】
試験区分2(部分エステルの混合物の調製)
部分エステルの混合物(AM−1)の調製
部分エステル(A−1)90部と部分エステル(A−2)10部とを溶融しつつ混合し、部分エステルの混合物(AM−1)を調製した。
【0043】
部分エステルの混合物(AM−2)〜(AM−7)及び(am−1)、(am−2)の調製
部分エステルの混合物(AM−1)の調製と同様にして、部分エステルの混合物(AM−2)〜(AM−7)及び(am−1)、(am−2)を調製した。部分エステル(AM−1)も含め、以上で調製した各部分エステルの混合物の内容を表2にまとめて示した。
【0044】
【表2】
Figure 0004179597
【0045】
表2において、
*1:部分エステルの混合物を調製するために用いた脂肪族モノカルボン酸の割合(重量比)
*2:部分エステルの混合物を調製するために用いた全脂肪族モノカルボン酸中における炭素数18の脂肪族モノカルボン酸の割合(%)
C−12:炭素数12の脂肪族モノカルボン酸
C−14:炭素数14の脂肪族モノカルボン酸
C−16:炭素数16の脂肪族モノカルボン酸
C−18:炭素数18の脂肪族モノカルボン酸
これらは以下同じ
【0046】
試験区分3(部分エステルの混合物の合成乃至調製)
部分エステルの混合物(AM−8)の合成乃至調製
フラスコにパルミチン酸46g(0.2モル)、ステアリン酸483g(1.7モル)及びジグリセリン166g(1モル)を仕込み、窒素ガス下に75℃で溶融した後、水酸化ナトリウム7.0gを加え、160℃で2mmHgの減圧下に3時間反応させた。反応後、窒素ガス下に105℃で常圧に戻し、吸着剤を添加して触媒を処理した。次いで生成物を再結晶により精製した。得られた精製物をガスクロマトグラフィ−マススペクトロメーター、分取高速液体クロマトグラフィ、NMR、IR、元素分析等で分析したところ、パルミチン酸乃至ステアリン酸のモノエステルを40重量%、ジエステルを50重量%及びトリエステルを10重量%含有する部分エステルの混合物(AM−8)であった。
【0047】
部分エステルの混合物(AM−9)〜(AM−13)及び(am−3)の合成乃至調製
部分エステルの混合物(AM−8)の合成乃至調製と同様にして、部分エステルの混合物(AM−9)〜(AM−13)及び(am−3)を合成乃至調製した。部分エステルの混合物(AM−8)も含め、以上で合成乃至調製した各部分エステルの混合物の内容を表3にまとめて示した。
【0048】
【表3】
Figure 0004179597
【0049】
試験区分4(アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物の調製)
アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−1)の調製
テトラデシルスルホン酸ナトリウム50部とペンタデシルスルホン酸ナトリウム50部とを溶融しつつ混合して、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−1)を調製した。
【0050】
アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−2)〜(B−5)及び(b−1)、(b−2)の調製
アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−1)の調製と同様にして、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−2)〜(B−5)及び(b−1)、(b−2)を調製した。アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−1)も含め、以上で調製した各アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物の内容を表4にまとめて示した。
【0051】
【表4】
Figure 0004179597
【0052】
表4において、
*3:アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物中における炭素数14のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩と炭素数15のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩との合計割合(%)
【0053】
試験区分5(防滑性帯電防止剤の調製)
実施例1
試験区分2で調製した部分エステルの混合物(AM−1)75部と試験区分4で調製したアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物(B−1)25部とを溶融しつつ混合して、防滑性帯電防止剤(P−1)を調製した。
【0054】
実施例又は参考例2〜15及び比較例1〜7
実施例1と同様にして、防滑性帯電防止剤(P−2)〜(P−15)及び(R−1)〜(R−7)を調製した。防滑性帯電防止剤(P−1)も含め、以上で調製した各例の防滑性帯電防止剤の内容を表5にまとめて示した。
【0055】
【表5】
Figure 0004179597
【0056】
試験区分6(オレフィン重合体フィルムの作製その1)
実施例16
エチレンを96モル%及び1−ブテンを4モル%の割合で共重合させた、密度が0.930g/cmで、MFRが1.0g/10分のエチレン・1−ブテン共重合体(E−1)90部と、試験区分5で調製した防滑性帯電防止剤(P−1)10部とをタンブラーブレンダーに投入して混合した後、更に二軸押出機により溶融混練しつつ造粒してマスターペレットを得た。このマスターペレット3部と前記のエチレン・1−ブテン共重合体(E−1)97部とをタンブラーブレンダーにて混合した後、75mmφでリップ間隙0.5mmのダイを取り付けたインフレーション成形機(中部化学機械製作所社製のTKN−40)に供し、樹脂押し出し温度200℃及びBUR=1.8の条件下でインフレーション成形を行ない、厚さ150μmのオレフィン重合体フィルムを作製した。
【0057】
実施例又は参考例17〜28及び比較例8〜14
実施例16のオレフィン重合体フィルムの作製と同様にして、実施例又は参考例17〜28のオレフィン重合体フィルム及び比較例8〜14のオレフィン重合体フィルムを作製した。実施例16のオレフィン重合体フィルムも含め、以上で作製した各例のオレフィン重合体フィルムの内容を表6にまとめて示した。
【0058】
試験区分7(オレフィン重合体フィルムの評価その1)
試験区分6で作製したオレフィン重合体フィルムについて、帯電防止性及び防滑性を下記の方法で評価した。結果を表6にまとめて示した。
【0059】
帯電防止性についての評価
・条件1
試験区分6で作製したオレフィン重合体フィルムを、20℃で相対湿度65%の条件下に24時間調湿した後、同条件下で表面固有抵抗値(Ω)を表面抵抗値測定装置(東亜電波工業社製の商品名SM−8210)を用いて測定し、下記の基準で評価した。尚、測定は同一フィルムの異なる場所20点で行い平均値と標準偏差を求めた。
・・帯電防止性の評価基準
◎:平均値が1×1012Ω未満(帯電防止性が優れている)
○:平均値が1×1012Ω以上1×1013Ω未満(帯電防止性が良好である)
△:平均値が1×1013Ω以上1×1014Ω未満(帯電防止性が劣っている)
×:平均値が1×1014Ω以上(帯電防止性が著しく劣っている)
・・帯電防止性のばらつきの評価基準
◎:標準偏差が平均値の10%未満(ばらつきがなく優れている)
○:標準偏差が平均値の10%以上30%未満(ばらつきが少なく良好である)
△:標準偏差が平均値の30%以上100%未満(ばらつきがあり劣っている)
×:100%以上(ばらつきが大きく著しく劣っている)
【0060】
・条件2
条件1の測定及び評価に使用したオレフィン重合体フィルムを、更に40℃で相対湿度50%の条件下に30日間放置し、引き続き20℃で相対湿度65%の条件下に24時間調湿した後、同条件下で表面固有抵抗値(Ω)を表面抵抗値測定装置(東亜電波工業社製の商品名SM−8210)を用いて測定し、前記の基準で評価した。なお、測定は同一フィルムの異なる場所20点で行い平均値と標準偏差を求めた。
【0061】
防滑性についての評価
・条件1
試験区分6で作製したオレフィン重合体フィルムを、20℃で相対湿度65%の条件下に24時間調湿した後、東洋精機社製の摩擦測定機TR型を用い、ASTM−D−1894に準じて静摩擦係数を測定し、測定値を下記の基準で評価した。
・・防滑性の評価基準
◎:0.40以上0.70未満(防滑性が優れている)
○:0.30以上0.40未満(防滑性が良好である)
△:0.20以上0.30未満(防滑性が若干劣っている)
×:0.20以下(防滑性が著しく劣り、実用できない)
【0062】
・条件2
条件1の測定及び評価に使用したオレフィン重合体フィルムを、更に40℃で相対湿度50%の条件下に30日間放置し、引き続き20℃で相対湿度65%の条件下にて24時間調湿した後、東洋精機社製の摩擦測定機TR型を用い、ASTM−D−1894に準じて静摩擦係数を測定し、測定値を前記の基準で評価した。
【0063】
【表6】
Figure 0004179597
【0064】
表6において、
添加量:オレフィン重合体100部当たりの防滑性帯電防止剤の添加部
E−1:エチレン・1−ブテン共重合体(エチレン共重合比率96%、密度0.930g/cm、MFR1.0g/10分)
E−2:エチレン・1−ヘキセン共重合体(エチレン共重合比率95%、密度0.920g/cm、MFR2.1g/10分)
E−3:エチレン・1−オクテン共重合体(エチレン共重合比率96%、密度0.939g/cm、MFR2.1g/10分)
E−4:ポリエチレン(密度0.927g/cm、MFR4.0g/10分)
E−5:E−1/E−4=80/20(重量比)の割合からなる混合物
E−6:エチレン・プロピレン共重合体(エチレン共重合比率4%、密度0.90g/cm、MFR8.0g/10分)
E−7:エチレン・酢酸ビニル共重合体(エチレン共重合比率93%、密度0.920、MFR1.5g/10分)
これらは以下同じ
【0065】
試験区分8(オレフィン重合体フィルムの作製その2)
実施例29
エチレンを95モル%及び1−ヘキセンを5モル%の割合で共重合させた、密度が0.920g/cmで、MFRが2.1g/10分のエチレン・1−ヘキセン共重合体(E−2)90部と、防滑性帯電防止剤(P−9)10部とをタンブラーブレンダーに投入して、混合した後、更に二軸押出機により溶融混練しつつ造粒して、マスターペレットを得た。更にこのマスターペレット4部と前記のエチレン・1−ヘキセン共重合体(E−2)96部とをタンブラーブレンダーにて混合した。得られた混合物を、樹脂押し出し温度250℃、冷却温度30℃、ダイリップ幅1mmの条件下でTダイ成形し、厚さ100μmのオレフィン重合体フィルムを作製した。
【0066】
実施例又は参考例30〜41及び比較例15〜21
実施例29のオレフィン重合体フィルムの作製と同様にして、実施例又は参考例30〜41のオレフィン重合体フィルム及び比較例15〜21のオレフィン重合体フィルムを作製した。実施例29のオレフィン重合体フィルムも含め、以上で作製した各例のオレフィン重合体フィルムの内容を表7にまとめて示した。
【0067】
試験区分9(オレフィン重合体フィルムの評価その2)
試験区分8で作製したオレフィン重合体フィルムについて、試験区分7と同様に、帯電防止性及び防滑性を評価した。結果を表7にまとめて示した。
【0068】
【表7】
Figure 0004179597
【0069】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明に係る防滑性帯電防止剤には、オレフィン重合体フィルムに経日的にも優れた均一な帯電防止性及び防滑性を同時に付与できるという効果があり、また本発明に係るオレフィン重合体フィルムには、経日的にも優れた均一な帯電防止性及び防滑性を有するという効果がある。

Claims (5)

  1. 下記の部分エステルの混合物とアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物とから成り、且つ該部分エステルの混合物/該アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物=60/40〜80/20(重量比)の割合で含有して成ることを特徴とするオレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤。
    部分エステルの混合物:ジグリセリン、ソルビタン及びトリグリセリンから選ばれるポリオールと脂肪族モノカルボン酸とから得られる部分エステルの混合物であり、該脂肪族モノカルボン酸のモノエステルを30〜90重量%含有するものであって、該脂肪族モノカルボン酸として炭素数12〜18の脂肪族モノカルボン酸から選ばれる炭素数の異なる二つ以上の脂肪族モノカルボン酸を用い且つ該脂肪族モノカルボン酸として全脂肪族モノカルボン酸の60〜90重量%となる量の炭素数18の脂肪族モノカルボン酸を用いたもの
    アルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物:炭素数12〜18のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩から選ばれる炭素数の異なる二つ以上のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩の混合物であって、炭素数14のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩と炭素数15のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩とを合計で50重量%以上含有するもの
  2. エチレン重合体のフィルム、エチレン・α−オレフィン共重合体のフィルム又はエチレン重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体との混合物のフィルム用のものである請求項1記載のオレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤。
  3. 請求項1記載のオレフィン重合体フィルム用防滑性帯電防止剤をオレフィン重合体に該オレフィン重合体100重量部当たり0.05〜1.5重量部の割合となるよう混合又は混練したオレフィン重合体組成物を、インフレーション成形又はTダイ成形して成ることを特徴とする帯電防止性及び防滑性を有するオレフィン重合体フィルム。
  4. オレフィン重合体が、エチレン重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体又はエチレン重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体との混合物である請求項記載の帯電防止性及び防滑性を有するオレフィン重合体フィルム。
  5. 重袋用単層フィルムである請求項又は記載の帯電防止性及び防滑性を有するオレフィン重合体フィルム。
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