(電子機器)
以下、本発明に係る電子機器の一実施形態を、折り畳み構造の携帯電話機を例に挙げて説明する。図1は、その携帯電話機の斜視図であり、特に、図1(a)はその携帯電話機を開いた状態を示し、図1(b)はその携帯電話機を折り畳んで閉じた状態を示している。また、図2は、携帯電話機のディスプレイが搭載された第1ボディの一部分を分解状態で示す斜視図である。
この携帯電話機50は第1ボディ51と第2ボディ52とを有し、これらのボディはヒンジ53によって互いに回り移動可能に接続されている。第1ボディ51には、受話口56及びアンテナ57が設けられる。また、第2ボディ52には、複数の操作キー59及び送話口61が設けられる。また、図1(a)に示すように第1ボディ51の内面にはメインディスプレイ54が設けられ、さらに第1ボディ51の外面には図1(b)に示すようにサブディスプレイ58が設けられる。
2つのボディ51及び52は、ヒンジ53を中心として角度を変えることができる。図1(a)のように、第1ボディ51と第2ボディ52とを開いた状態にすると、メインディスプレイ54の表示を観察でき、また、電話機として使用できる。
また、電話機未使用時には、図1(b)のように、第1ボディ51と第2ボディ52とを折り畳んで携帯し易いコンパクトな形状にすることができる。さらに、携帯電話機を折り畳んだ状態で、第1ボディ51に搭載されたサブディスプレイ58により、着信相手や、メールの受信や、時刻等を確認することができる。
第1ボディ51は、図2に示すように、上部ケース51a、下部ケース51b及びこれらのケースによって保持される電気光学装置としての液晶装置60Aを有する。ここでは詳細な構造については図示を省略するが、液晶装置60Aは、互いに対向する第1面65a及び第2面65bを有しており、第1面65aにはメインディスプレイ54(図1参照)の表示面が位置し、第2面65bにはサブディスプレイ58(図1参照)の表示面が位置する。上部ケース51aには、メインディスプレイ54の表示面が視認可能となるように第1孔部62が設けられる。一方、下部ケース51bには、サブディスプレイ58の表示面が視認可能となるように第2孔部63が設けられる。
(電気光学パネル及び電気光学装置の実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置の一実施形態を液晶装置を例に挙げて、同時に、本発明に係る電気光学パネルの一実施形態を液晶パネルを例に挙げて、図3から図5を用いて説明する。
図3は、液晶装置60Aの断面構造を示している。図4は、液晶装置60Aの斜視図である。図3は、図4に示した液晶装置60Aを筐体64に組み込んだ状態を示している。また、図3は、図4におけるA−A’線に従った断面図に相当する。図5は、液晶装置60Aを構成する液晶パネルに配置された電極や配線の位置関係を説明するための平面図である。
図3において、液晶装置60Aは、メインディスプレイ1Aと、サブディスプレイ2Aと、これらを保持する筐体64とを有する。メインディスプレイ1Aは透過型で単純マトリクス型の液晶装置であり、液晶層を挟んだパネル構造体である第1パネル3Aと、その第1パネル3Aを挟むように配置された一対の偏光板19a及び19bと、第1パネル3Aに対して光を照射する照明装置40aとを有する。
一方、サブディスプレイ2Aも、透過型で単純マトリクス型の液晶装置であり、液晶層を挟んだパネル構造体である第2パネル4Aと、その第2パネル4Aを挟むように配置された一対の偏光板29a及び29bと、第2パネル4Aに対して光を照射する照明装置40bとを有する。メインディスプレイ1Aとサブディスプレイ2Aは可撓性の第2配線基板8bによってつながり、さらにメインディスプレイ1Aには可撓性の第1配線基板8aが接続され、この第1配線基板8aを通して外部回路から液晶装置60Aへ信号、電源電圧等が供給される。
照明装置40a及び40bは、ぞれぞれ、導光板41,41と、光源42,42とを有する。なお、ここでは図示していないが、照明装置40aの導光板41と第1パネル3Aとの間及び照明装置40bの導光板41と第2パネル4Aとの間には、プリズムシート等といった光学シートを必要に応じて配置することができる。
本実施形態において、電気光学パネルとしての液晶パネルは、第1パネル3Aと、第2パネル4Aと、第1パネル3Aと第2パネル4Aとをつなぐ第2配線基板8bとによって構成されるものとする。また、電気光学装置としての液晶装置60Aは、上記の液晶パネルに照明装置40a,40bと、偏光板19a,19b,29a,29bと、第1配線基板8aとを装着することによって構成されるものとする。そして、このようにして構成される液晶装置60Aは筐体64によって保持される。
なお、液晶パネルは1つのユニットとして市場に供給される構造として認識されるものであり、従って、第1パネル3A及び第2パネル4Aに偏光板19a,19b,29a,29bが装着された状態が1つのユニットと考えられる場合は、それらの偏光板を含んだ構造が液晶パネルとなる。
また、液晶装置60Aを携帯電話機に組み込む際には、第1パネル3Aの表示面と第2パネル4Aの表示面とが、それぞれ、図2の液晶装置60Aにおける互いに対向する面65a及び65bに位置するように、図3の第2配線基板8bが折り曲げられる。
図3において、メインディスプレイ1Aは、第1基板10aと第2基板10bとを所定の間隙を隔ててシール材30aによって接着して固定することによって形成される。第1基板10a及び第2基板10bは、例えば、透明なガラス、透明な石英又は透明なプラスチック等によって矢印B方向から見て矩形状に形成される。また、シール材30aには、図5に示すように、液晶を注入する際の液晶注入口31となる途切れ部分が形成され、この液晶注入口31は液晶の注入後に、例えば紫外線硬化樹脂から成る封止材(図示せず)で封止される。
図3において、第1基板10aと第2基板10bとの間のうち、シール材30aで区画された領域、すなわち液晶封入領域内には電気光学物質としてのSTN(Super Twisted Nematic:スーパーツイステッドネマチック)液晶5が封入される。第1基板10a及び第2基板10bには、互いに直交する方向に液晶駆動用の第1電極15a及び第2電極15bが、例えば透明なITO(Indium Tin Oxide)膜等によって矢印B方向から見てストライプ状に形成される。また、第1基板10a及び第2基板10bの内側表面には配向膜11,11が形成される。
上記の電極15a,15bには、各画素を構成する液晶を駆動するための駆動信号が印加される。本実施形態では、照明装置40a及び40bからの光を第1パネル3A及び第2パネル4Aを透過させて表示を行う構造の透過型表示を行うが、これに代えて、反射型表示や半透過反射型表示を行う場合には、これらの電極の一方をアルミニウム等といった反射性金属によって形成することにより、この一方の電極を光反射膜として用いることもできる。
画素は、第1電極15a及び第2電極15bの交差部分に対応して形成される。本実施形態に係る液晶装置は単純マトリクス型であるので、第1電極15aがオン電圧やオフ電圧の画像信号が印加される画像信号電極として機能し、第2電極15bが走査信号が印加される走査電極として機能する。さらに、第1基板10a及び第2基板10bのそれぞれの外側表面には偏光板19a及び19bが貼られる。さらに、各基板10a,10bと各偏光板19a,19bの間には、必要に応じて、位相差板を介在させることができる。この位相差板は、液晶5によって形成される液晶層において生じた着色を解消する。
図3において、サブディスプレイ2Aは、第1基板20aと第2基板20bとを所定の間隙を隔ててシール材30bによって接着して固定することによって形成される。第1基板20a及び第2基板20bは、例えば、透明なガラス、透明な石英又は透明なプラスチック等によって矢印C方向から見て矩形状に形成される。また、シール材30bには、図5に示すように、液晶を注入する際の液晶注入口31となる途切れ部分が形成され、この液晶注入口31は液晶の注入後に、例えば紫外線硬化樹脂から成る封止材(図示せず)で封止される。
第1基板20aと第2基板20bとの間のうち、シール材30bで区画された領域、すなわち液晶注入領域内には電気光学物質としてのSTN液晶5が封入される。第1基板20a及び第2基板20bには、互いに直交する方向に液晶駆動用の第3電極15c及び第4電極15dが、例えば透明なITO膜等によって矢印C方向から見てストライプ状に形成される。また、第1基板20a及び第2基板20bの内側表面には配向膜11,11が形成される。
上記の電極15c,15dには、各画素を構成する液晶を駆動するための駆動信号が印加される。なお、液晶装置によって反射型表示や半透過反射型表示を行う場合には、これらの電極の一方をアルミニウム等といった反射性金属によって形成することにより、この一方の電極を光反射膜として用いることもできる。
画素は、第3電極15c及び第4電極15dの交差部分に対応して形成される。本実施形態に係る液晶装置は単純マトリクス型であるので、第3電極15cがオン電圧やオフ電圧の画像信号が印加される画像信号電極として機能し、第4電極15dが走査信号が印加される走査電極として機能する。さらに、第1基板20a及び第2基板20bのそれぞれの外側表面には偏光板29a及び29bが貼られる。さらに、各基板20a,20bと各偏光板29a,29bとの間には、必要に応じて、位相差板を介在させることができる。この位相差板は、液晶5によって形成される液晶層において生じた着色を解消する。
なお、図5においては、液晶パネルの構造を分かり易く示すために、電極15a,15b,15c,15dを実際よりも広い幅及び広い間隔で模式的に示してあるが、実際には、これらの電極の幅及び間隔は図示の状態よりも狭くなっている。
図3に示すメインディスプレイ1Aにおいて、第1基板10aは第2基板10bよりも大きく形成され、さらに、第1基板10aは第2基板10bの対向する2辺からそれぞれ張り出した第1張出し部21a及び第2張出し部21bを有する。また、サブディスプレイ2Aにおいて、第1基板20aは第2基板20bよりも大きく形成され、さらに、第1基板20aは第2基板20bから張り出す第3張出し部21cを有する。
第1張出し部21aには、図4に示すように、第2基板10bの一辺に沿って可撓性の第1配線基板8aが接着される接続領域が形成され、この接続領域より内側には、その接続領域と平行にIC実装領域17が設けられる。このIC実装領域17は、メインディスプレイ1A及びサブディスプレイ2Aに配置される電極15a,15b,15c,15d(図5参照)に駆動信号を出力する駆動回路としての駆動用IC7を実装するための領域である。
第1配線基板8aの接続領域は、外部から駆動用IC7へ各種の信号や電源電圧を供給する第1配線基板8aを第1基板10aに接続するための領域である。駆動用IC7は、液晶装置の各画素を駆動するために各配線に駆動信号を印加するものであって、ベアチップ状態であり、その能動面を基板に対向させた状態でCOG(Chip On Glass)方式で当該基板に実装される。図5において、駆動用IC7は、第1電極15a及び第3電極15cへ画像信号を供給し、第2電極15b及び第4電極15dへ走査信号を供給する。
一方、図4において、第2張出し部21bには、第1基板10aの一辺に沿って可撓性の第2配線基板8bの一辺が接着される接続領域が設けられる。また、第3張出し部21cには、第1基板20aの一辺に沿って第2配線基板8bの他の一辺が接着される接続領域が設けられる。
図5において、メインディスプレイ1A内の第2基板10bに形成された第2電極15bの一端部は、第2基板10b上に配置された引回し配線36の一端部と電気的に接続する。この引回し配線36の他端部は、第2基板10bと第1基板10aとをシール材30aで接着したときに、当該シール材30aに含まれる導通材を介して、第1基板10a上のIC実装領域17の両端から延びる引回し配線34の一端部に電気的に接続される。
すなわち、引回し配線34及び36は、第2電極15bと駆動用IC7とを電気的に接続する第2配線として機能する。駆動用IC7はその能動面に出力電極26を有しており、引回し配線34はACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)6(図3参照)を介してその出力電極26に電気的に接続される。
第1基板10aに形成された第1電極15aは、その一端部が第1配線35の一端部に電気的に接続し、この第1配線35の他端部は駆動用IC7の出力電極26にACF6(図3参照)を介して電気的に接続される。一方、一部(本実施形態では4つ)の第1電極15aの他端部は、第2張出し部21bに配置された第3配線32の一端部に電気的に接続される。また、第1基板10a上には、第2配線基板8bと駆動用IC7とを電気的に接続するための第4配線33が第1基板10aの縁部に沿って配置され、その第4配線33の端部は第2張出し部21bに配置される。
サブディスプレイ2Aの第1基板20aには、第3電極15cと電気的に接続される第5配線37と、第4電極15dと電気的に接続されるべき引回し配線39が配置される。一方、第1基板20aに対向する第2基板20bには、第4電極15dと電気的に接続される引回し配線43が配置される。第1基板20a上の引回し配線39と第2基板20b上の引回し配線43は、シール材30bに混入された導電材を介して互いに電気的に接続する。引回し配線39と引回し配線43は、第4電極15dを第2配線基板8bに導電接続させるための第6配線を構成する。第6配線の一部である引回し配線39と第5配線37は、第2配線基板8bに備えられた電極28(図3参照)にACF6(図3参照)を介して電気的に接続される。
図5において、メインディスプレイ1A内の第3配線32は、第2配線基板8bに備えられた電極を介してサブディスプレイ2Aの第5配線37と電気的に接続される。このとき、第5配線37と第3電極15cとは電気的に接続されているので、第3電極15cには、メインディスプレイ1A内の第1電極15aの一部を介して画像信号が駆動用IC7から供給される。言い換えると、メインディスプレイ1Aとサブディスプレイ2Aは、1つの駆動用IC7から供給される画像信号が印加される配線を電気的に共有する。
また、メインディスプレイ1A内の第4配線33は、第2配線基板8bに備えられた電極を介してサブディスプレイ2A内の引回し配線39に電気的に接続される。すなわち、メインディスプレイ1Aに対して信号を供給する駆動用IC7と同じ駆動用IC7からサブディスプレイ2Aの第4電極15dに対して走査信号が供給されることになる。言い換えれば、1つの駆動用IC7は、メインディスプレイ1A及びサブディスプレイ2Aのそれぞれに対応する走査信号を供給する。
このように、本実施形態では、異なる複数のディスプレイ1A,2Aのそれぞれを駆動するための駆動用ICを共有することができ、従って、別々に駆動用ICを設ける場合と比較して、消費電力を大幅に減少できる。
また、メインディスプレイ1Aに配置される第1電極15a及び第2電極15b、並びにサブディスプレイ2Aに配置される第3電極15c及び第4電極15dは、それぞれ、直線形状を有する。そして、メインディスプレイ1Aに配置される第1電極15aとサブディスプレイ2Aに配置される第3電極15cとは、ほぼ互いに平行に配置される。このため、第1電極15aと第3電極15cは、ほぼ最短距離で電気的に接続することができ、それ故、第1電極15aと第3電極15cの両方に共通して供給される画像信号が第3電極15cに対して遅延することを抑えることができる。
なお、メインディスプレイ1Aに対するサブディスプレイ2Aの接続の仕方として、メインディスプレイ1Aにおける第1配線基板8aが接着される一辺と直交する辺に第2配線基板8bを接着し、サブディスプレイ2Aを第1配線基板8aが接着される一辺と直交する辺側に位置するようにしても良い。しかしながら、こうすると、第1電極15aと第3電極15cとを接続するための配線が長くなって、第3電極15cへの信号の伝達が遅延するおそれが考えられる。
これに対し、本実施形態のように、サブディスプレイ2Aをメインディスプレイ1Aの第1配線基板8aが接着される一辺と対向する辺側に位置させれば、そのような信号の伝達の遅延を防ぐことができる。さらに、第1電極15a及び第3電極15cは、それぞれ、配線抵抗の低い導電膜、例えばアルミニウム単体やアルミニウム合金等といったアルミニウムを含む導電膜を用いることが望ましく、こうすれば、信号の遅延をさらに抑えることができる。
さらに、本実施形態では、メインディスプレイ1Aを表示しているときには、サブディスプレイ2Aに走査信号を供給せず、さらに、サブディスプレイ2Aを表示しているときにはメインディスプレイ1Aに走査信号を供給しないように、駆動用IC7内の駆動回路を構成することができる。これにより、消費電力を低減できる。
(変形例)
上記実施形態では、メインディスプレイ1A及びサブディスプレイ2Aの両方共に透過型の液晶パネル構造を用いたが、半透過反射型の液晶パネルや、反射型の液晶パネル等を用いることもできる。
また、上記実施形態では、メインディスプレイ1A及びサブディスプレイ2Aの両方共に単純マトリクス型の液晶パネルを用いたが、TFT(Thin Film Transistor)等といった2端子型のスイッチング素子や、TFD(Thin Film Diode)等といった3端子型のスイッチング素子を用いたアクティブマトリクス型の液晶パネルを用いることもできる。
(電気光学パネル及び電気光学装置の他の実施形態)
以下、TFD素子を用いたアクティブマトリクス型の電気光学パネル及びその電気光学パネルを用いて構成される電気光学装置に本発明を適用した場合の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、単純マトリクス型の液晶パネルをディスプレイに用いた構造の上記の実施形態と比較して、電極構造及び駆動回路構造が主に異なり、その他の構造についてはほぼ同じであるため、主に、電極構造及び回路構造について図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る液晶装置60B内に配置された電極や配線の位置関係を説明するための平面図である。図6において、液晶装置60Bは、メインディスプレイ1Bと、サブディスプレイ2Bとを有する。メインディスプレイ1B及びサブディスプレイ2Bは、それぞれ、透過型でアクティブマトリクス型の液晶パネルであり、これらに照明装置及び偏光板が装着される点は図3から図5に示した先の実施形態の場合と同じである。
なお、本実施形態において、電気光学パネルとしての液晶パネルは、メインディスプレイ1Bの一部を構成すると共に液晶層を内蔵したパネル構造体である第1パネル3Bと、サブディスプレイ2Bの一部を構成すると共に液晶層を内蔵したパネル構造体である第2パネル4Bと、第1パネル3B及び第2パネル4Bの両方に接着によって接続された可撓性の第2配線基板78bとを有する。また、第1パネル3Bには、さらに、可撓性の第1配線基板78aが接着によって接続される。
メインディスプレイ1Bは、第1基板80aと、それに対向する第2基板80bとを所定の間隙を隔ててシール材30aによって接着して固定することによって形成される。第1基板80a及び第2基板80bは、例えば、透明なガラス、透明な石英、透明なプラスチック等によって矩形状に形成される。また、シール材30aには、液晶を注入する際の液晶注入口31となる途切れ部分が形成され、この液晶注入口31は液晶の注入後に、例えば紫外線硬化樹脂から成る封止材(図示せず)で封止される。
第1基板80aとそれに対向する第2基板80bの間のうち、シール材30aで区画された領域、すなわち液晶注入領域内には電気光学物質としての90度捩れのTN(Twisted Nematic:ツイステッドネマチック)液晶(図示省略)が封入される。第1基板80aには直線状のライン配線73が形成され、第1基板80aに対向する第2基板80bにはライン配線73に直交する直線状の第2電極15bが形成される。本実施形態では、ライン配線73にはデータ信号が供給され、第2電極には走査信号が供給されるものとする。
図6では図示を省略してあるが、第1基板80a上には、図8に示すように、ライン配線73に電気的に接続するTFD素子74と、そのTFD素子74を介してライン配線73に電気的に接続する画素電極75とが形成される。画素電極75は、例えば、ITO等といった透明導電膜によってドット状に形成される。
画素電極75は、1つのライン配線73の延在方向、すなわちX方向に沿って複数個が列状に並べられ、さらに、その列状の画素電極75がライン配線73と直角の方向、すなわちY方向に互いに平行に並べられている。この結果、複数の画素電極75はX方向とY方向とによって規定される平面内においてマトリクス状に配列される。
複数の画素電極75は、それらの個々が表示ドットの1つづつを構成し、それらの表示ドットが複数個、マトリクス状に配列されることにより、映像を表示するための表示領域が形成される。なお、R(赤)、G(緑)、B(青)やC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等といった3原色の色絵素を有するカラーフィルタを用いる場合には、3原色の色絵素に対応する3つの表示ドットによって1つの画素が構成される。また、カラーフィルタを用いないで白黒表示を行う場合には、1つの表示ドットがそのまま1つの画素を構成する。
図6において、サブディスプレイ2Bは、第1基板90aと、それに対向する第2基板90bとを所定の間隙を隔ててシール材30bによって接着して固定することによって形成される。第1基板90a及びそれに対向する第2基板90bは、例えば、透明なガラス、透明な石英、透明なプラスチック等によって矩形状に形成される。
シール材30bには、液晶を注入する際に液晶注入口31となる途切れ部分が形成され、この液晶注入口31は液晶の注入後に、例えば、紫外線硬化樹脂から成る封止材(図示せず)で封止される。第1基板90aとそれに対向する第2基板90bとの間のうちシール材30bで区画された領域、すなわち液晶封入領域内には、電気光学物質としての90度捩れのTN液晶(図示省略)が封入される
。
第1基板90aには直線状のライン配線83が形成され、第1基板90aに対向する第2基板90bにはライン配線83に直交する直線状の第4電極15dが形成される。本実施形態では、ライン配線83にはデータ信号が供給され、第4電極15dには走査信号が供給されるものとする。
第1基板90a上には、ライン配線83に電気的に接続するTFD素子(図示省略)と、そのTFD素子を介してライン配線83に電気的に接続する画素電極(図示省略)とが形成される。この画素電極は、例えば、ITO等といった透明導電膜によって形成される。また、1つの画素は、画素電極と第4電極15dとの交差部分によって形成される。なお、サブディスプレイ2Bに含まれるTFD素子及び画素電極は、メインディスプレイ1Bに含まれるTFD素子74及び画素電極76と同じ構成とすることができる。
個々のTFD素子74は、図9に示すように、第1TFD要素76aと第2TFD要素76bとを直列に接続することによって形成されている。このTFD素子74は、例えば、次のようにして形成される。すなわち、まず、TaW(タンタルタングステン)によってライン配線73の第1層77a及びTFD素子74の第1金属86を形成する。次に、陽極酸化処理によってライン配線73の第2層77b及びTFD素子74の絶縁膜87を形成する。次に、例えばCr(クロム)によってライン配線73の第3層77c及びTFD素子74の第2金属88を形成する。
第1TFD要素76aの第2金属88はライン配線73の第3層77cから延びている。また、第2TFD要素76bの第2金属88の先端に重なるように、画素電極75が形成される。ライン配線73から画素電極75へ向けて電気信号が流れることを考えれば、その電流方向に従って、第1TFD要素76aでは第2電極88→絶縁膜87→第1金属86の順に電気信号が流れ、一方、第2TFD要素76bでは第1金属86→絶縁膜87→第2金属88の順に電気信号が流れる。
つまり、第1TFD要素76aと第2TFD要素76bとの間では電気的に逆向きの一対のTFD要素が互いに直列に接続されている。このような構造は、一般に、バック・ツー・バック(Back-to-Back)構造と呼ばれており、この構造のTFD素子は、TFD素子を1個のTFD要素だけによって構成する場合に比べて、安定した特性を得られることが知られている。なお、図において符号84は、必要に応じて設けられる下地膜を示している。
図6に示すメインディスプレイ1Bにおいて、第1基板80aはそれに対向する第2基板80bよりも大きく形成され、さらに、第1基板80aは第2基板の対向する2辺からそれぞれ張り出した第1張出し部81a及び第2張出し部81bを有する。また、サブディスプレイ2Bにおいて、第1基板90aはそれに対向する第2基板90bよりも大きく形成され、さらに、第1基板90aは第2基板90bから張り出した第3張出し部81cを有する。
第1張出し部81aには、可撓性の第1配線基板78aが第2基板80bの1辺に沿って接着される接続領域が設けられ、この接続領域より内側には、その接続領域と平行にIC実装領域が設けられる。このIC実装領域は、メインディスプレイ1B及びサブディスプレイ2Bに配置されるライン配線73及び83、並びに第2電極15b及び15dに駆動信号を出力する半導体装置としての駆動用ICを実装するための領域である。
本実施形態では、駆動用ICとして、データ線駆動用IC67aと、走査線駆動用IC67bとが設けられる。走査線駆動用IC67bは、データ線駆動用IC67aを間に挟んでIC実装領域の両脇に1つづつ設けられる。データ線駆動用IC67aは、メインディスプレイ1Bのライン配線73及びサブディスプレイ2Bのライン配線83へ画像信号を供給する。また、走査線駆動用IC67bは、メインディスプレイ1Bの第2電極15b及びサブディスプレイ2Bの第4電極15dへ走査信号を供給する。
メインディスプレイ1Bの第1基板80aの第1張出し部81aに設けられた第1配線基板78aのための接続領域は、可撓性の第1配線基板78aを第1基板80aに接続するための領域であり、こうして接続された第1配線基板78aは、外部から駆動用IC67a及び67bへ各種の信号や電源電圧を供給する。駆動用IC67a及び67bは、ベアチップ状態であり、それらの能動面を第1基板80aに対向させた状態で当該第1基板80aへ実装される。この実装方法は、いわゆるCOG(Chip On Glass)方式の実装方法である。
一方、第1基板80aの第2張出し部81bには、可撓性の第2配線基板78bが第1基板80aの1辺に沿って接着される接続領域が設けられる。また、サブディスプレイ2Bの第1基板90aの張出し部81cには、第1基板90aの1辺に沿って第2配線基板78bが接着される接続領域が設けられる。
メインディスプレイ1Bの第1基板80aに対向する第2基板80bに形成された第2電極15bは、当該第2基板80b上に配置された引回し配線96の一端部に電気的に接続する。さらに、引回し配線96の他端部は、第1基板80aとそれに対向する第2基板80bとをシール材30aで接着したときに、そのシール材30aの中に含まれる導通材を介して、引回し配線94の端部に接続される。
この引回し配線94は、第1基板80aにおいて走査線駆動用IC67bが実装される領域の両端から延びている。また、引回し配線94は、走査線駆動用IC67bに備えられた出力電極26にACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)を介して電気的に接続される。以上から分かるように、引回し配線94及び96は、第2電極15bと走査線駆動用IC67bとを電気的に接続する第2配線として機能する。
メインディスプレイ1Bの第1基板80aに形成されたライン配線73は、その一端部が第1配線95の一端部に電気的に接続し、この第1配線95の他端部はデータ線駆動用IC67aに備えられた出力電極26にACFを介して電気的に接続される。一方、一部(本実施形態では4つ)のライン配線73の他端部は、第2張出し部81bに配置された第3配線97に電気的に接続する。また、第1基板80a上には、可撓性の第2配線基板78bと駆動用IC67bとを電気的に接続する第4配線93が第1基板80aの縁部に沿って配置され、その端部は第2張出し部81bに配置されている。
サブディスプレイ2Bの第1基板90aには、ライン配線83に電気的に接続する第5配線91と、引回し配線92とが形成される。また、第1基板90aに対向する第2基板90bには、第4電極15dと電気的に接続する引回し配線98が形成される。第1基板90a上の引回し配線92と第2基板90b上の引回し配線98とは、シール材30bに混入された導電材により互いに電気的に接続される。これらの引回し配線92及び98は、第4電極15dと駆動用IC67bとを電気的に接続する第6配線として機能する。第5配線91と、第6配線の一部である引回し配線92とは、第2配線基板78bに備えられた電極にACF6(図3参照)を介して電気的に接続される。
メインディスプレイ1Bに形成された上記の第3配線97は、第2配線基板78bに備えられた電極を介してサブディスプレイ2Bの第5配線91に電気的に接続される。ここで、第5配線91とライン配線83とは電気的に接続されているので、ライン配線83には、メインディスプレイ1B内のライン配線73の一部を介して画像信号がデータ線駆動用IC67aから供給されることになる。言い換えると、メインディスプレイ1Bとサブディスプレイ2Bは、1つのデータ駆動用IC67aから供給される画像信号が印加される配線を共有する。
メインディスプレイ1B内の第4配線93は、第2配線基板78bに備えられた電極を介して引回し配線92に電気的に接続される。すなわち、メインディスプレイ1Bに対して信号を供給する走査線駆動用IC67bと同じ駆動用ICからサブディスプレイ2Bの第4電極15dへ走査信号が供給される。言い換えると、1つの走査線駆動用IC67bは、メインディスプレイ1Bとサブディスプレイ2Bの両方に対応する走査信号を供給する。
このように、本実施形態では、異なる複数のディスプレイを駆動するための駆動用ICを共有することができ、ディスプレイ毎に別々に駆動用ICを設ける場合と比較して、消費電力を大幅に低減できる。
さらに、本実施形態においても、メインディスプレイ1Bを表示しているときには、サブディスプレイ2Bに走査信号を供給せず、さらに、サブディスプレイ2Bを表示しているときには、メインディスプレイ1Bに走査信号を供給しないように駆動回路を構成でき、これにより、消費電力をさらに低減できる。
以上のように、本発明は、単純マトリクス型の液晶装置だけでなく、アクティブマトリクス型の液晶装置にも適用できる。
(変形例)
上記実施形態では、メインディスプレイ1A,1Bに設けられた第2電極15b及びサブディスプレイ2A,2Bに設けられた第4電極15dは、いずれも、櫛歯状に配置されている。これに対し、第2電極15b及び第4電極15dを図7に示す液晶装置60Cのように配置しても良い。
この液晶装置60Cでは、メインディスプレイ1C、サブディスプレイ2Cのそれぞれのパネル画面を図の上下に分割し、パネル画面の上部に対応する領域では、図面上でパネルの左辺から第2電極15b及び第4電極15dが表示領域に向かって延在し、一方、パネル画面下部に対応する領域では、図面上でパネルの右辺から第2電極15b及び第4電極15dが表示領域に向かって延在する。
なお、図7に示す実施形態は、単純マトリクス型の液晶装置に本発明を適用したものであり、図5に示した単純マトリクス型の液晶装置と比べて、第2電極15b及び第4電極15dの配置だけが異なるものである。従って、図7に示す実施形態において、図5に示す実施形態の場合と同じ要素は同じ符号を付して示すことにする。
次に、上記の実施形態では、画像信号が印加されるメインディスプレイ上の配線の一部と、画像信号が印加されるサブディスプレイ上の配線とを電気的に接続することにより、画像信号が印加される配線を電気的に共有した。しかしながら、配線の共有の仕方はこれ以外に種々考えられ、例えば、走査信号が印加されるメインディスプレイ上の配線の一部と、走査信号が印加されるサブディスプレイ上の配線とを電気的に接続することにより、走査信号が印加される配線を電気的に共有することもできる。
また、上記の実施形態では、メインディスプレイ1A,1B,1C及びサブディスプレイ2A,2B,2Cは、いずれも、モノクロ表示のディスプレイを例に挙げて説明した。しかしながら、本発明は、一方又は両方のディスプレイがカラー表示を行う構造の液晶装置に対しても適用できる。
また、上記の実施形態では、透過型の液晶装置を例に挙げて説明したが、本発明は、半透過反射型の液晶装置や反射型の液晶装置に対しても適用できる。
また、図3から図5に示した液晶装置60Aでは、メインディスプレイ1Aとサブディスプレイ2Aとが電子機器に組み込まれた状態で互いに対向する面に位置するものと考えた。しかしながら、メインディスプレイとサブディスプレイとの位置関係はこれ以外に種々考えられ、例えば、メインディスプレイとサブディスプレイとを同じ面に位置させることもでき、あるいは、メインディスプレイが位置する面から見た側面にサブディスプレイが位置するといった構造とすることもできる。
また、上記の実施形態では、1つの液晶装置に2つのディスプレイを設ける場合を例示したが、ディスプレイは1つの液晶装置に対して3つ以上設けることもできる。
また、上記の実施形態では、電子機器として携帯電話機を例に挙げたが、本発明は、複数のディスプレイを有する構造のあらゆる種類の電子機器に対して適用できる。
(電気光学パネル及び電気光学装置のさらに他の実施形態)
図10は、本発明に係る電気光学パネル及び電気光学装置のさらに他の実施形態の平面構造を示している。ここに示す電気光学パネルは液晶パネルであり、電気光学装置は液晶装置である。また、この液晶パネルは、TFD素子等といったスイッチング素子を用いるアクティブマトリクス方式であり、さらに照明装置をバックライトとして用いる透過方式である。これらの方式は、図6に示した先の実施形態に係る液晶装置60Bで用いられる液晶パネルと同じである。
図10に示す電気光学パネル及び電気光学装置において、図6に示した電気光学パネル及び電気光学装置と同じ要素は同じ符号を用いて示すことにして、その要素の説明は省略するものとする。
図10において、メインディスプレイ1Dを構成する主たるパネル構造体である第1パネル3Dと、サブディスプレイ2Dを構成する主たるパネル構造体である第2パネル4Dとを、第2配線基板68によってつなぐことにより、液晶パネルが構成される。そして、この液晶パネルに偏光板、照明装置、その他の必要な付帯要素を装着することにより、液晶装置60Dが構成される。
図6の液晶装置60Bでは、外部回路からの信号等を液晶装置60Bへ導くための第1配線基板78aと、メインディスプレイ1Bとサブディスプレイ2Bとをつなぐ第2配線基板78bとを別々に設けたが、図10の液晶装置60Dでは、外部回路からの信号等を液晶装置60Dへ導くための機能も第2配線基板68に持たせてある。
図6の液晶装置60Bと同様に、図10の液晶装置60Dにおいても、メインディスプレイ1Dにおいて信号線として機能するライン配線73は、第1配線95を通してデータ線駆動用IC67aの出力電極26に接続される。また、走査線として機能する第2電極15bは、引回し配線96及び引回し配線94によって構成される第2配線を通して走査線駆動用IC67bの出力電極26に接続される。
また、サブディスプレイ2Dにおいて信号線として機能するライン配線83は、サブディスプレイ2Dの第1基板90a上に形成された第5配線91、第2配線基板68上に形成された配線109a、及びメインディスプレイ1Dの第1基板80a上に形成された第3配線97の各配線を通してデータ線駆動用IC67aの出力電極26に接続される。
また、サブディスプレイ2Dにおいて走査線として機能する第4電極15dは、第2基板90b上に形成した引回し配線98及び第1基板90a上に形成した引回し配線92によって構成される第6配線、第2配線基板68上に形成された配線109b、並びにメインディスプレイ1Dの第1基板80a上に形成された第4配線93の各配線を通して走査線駆動用IC67bの出力電極26に接続される。
本実施形態では、メインディスプレイ1Dのライン配線(すなわち、信号線)73と、サブディスプレイ2Dのライン配線(すなわち、信号線)83とが、データ線駆動用IC67aの同じ出力電極26に接続されており、従って、信号線が共有される状態となっている。
図6に示した液晶装置60Bでは、サブディスプレイ2B内の第2パネル4Bは、メインディスプレイ1Bにおいて駆動回路すなわち駆動用IC67a及び67bを実装した辺(すなわち、第1張出し部81aに対応する辺)に対向する辺(すなわち、第2張出し部81bに対応する辺)の所で、第2配線基板78bによってメインディスプレイ1B内の第1パネル3Bに接続された。
これに対し、図10に示した本実施形態では、サブディスプレイ2D内の第2パネル4Dは、メインディスプレイ1Dにおいて駆動回路すなわち駆動用IC67a及び67bを実装した辺(すなわち、第1張出し部81aに対応する辺)の所で、第2配線基板68によってメインディスプレイ1D内の第1パネル3Dに接続される。
換言すれば、図6の実施形態の場合には、メインディスプレイ1Bの表示領域とサブディスプレイ2Bとが駆動用IC67a,67bに対して同じ方向の側に配置されたのに対し、図10に示す本実施形態では、メインディスプレイ1Dの表示領域とサブディスプレイ2Dとが駆動用IC67a,67bを挟んで互いに反対側に配置されている。
(電気光学パネル及び電気光学装置のさらに他の実施形態)
図11は、本発明に係る電気光学パネル及び電気光学装置のさらに他の実施形態の平面構造を示している。ここに示す電気光学パネルは液晶パネルであり、電気光学装置は液晶装置である。また、この液晶パネルは、TFD素子等といったスイッチング素子を用いるアクティブマトリクス方式であり、さらに照明装置をバックライトとして用いる透過方式である。これらの方式は、図6に示した先の実施形態に係る液晶装置60Bや図10に示した先の実施形態に係る液晶装置60Dで用いられる液晶パネルと同じである。
図11に示す電気光学パネル及び電気光学装置において、図6及び図10に示した電気光学パネル及び電気光学装置と同じ要素は同じ符号を用いて示すことにして、その要素の説明は省略するものとする。
図11において、メインディスプレイ1Eを構成する主たるパネル構造体である第1パネル3Eと、サブディスプレイ2Eを構成する主たるパネル構造体である第2パネル4Eとを、第2配線基板68によってつなぐことにより、液晶パネルが構成される。そして、この液晶パネルに偏光板、照明装置、その他の必要な付帯要素を装着することにより、液晶装置60Eが構成される。この実施形態でも、図10の場合と同様に、第2配線基板68は、メインディスプレイ1Eとサブディスプレイ2Eとをつなぐ機能と、外部回路からの信号等を液晶装置60Eへ導くための機能の両方を併有する。
図11の液晶装置60Eにおいても、メインディスプレイ1Eにおいて信号線として機能するライン配線73は、第1配線95を通してデータ線駆動用IC67aの出力電極26に接続される。また、走査線として機能する第2電極15bは、引回し配線96及び引回し配線94によって構成される第2配線を通して走査線駆動用IC67bの出力電極26に接続される。
また、サブディスプレイ2Eにおいて信号線として機能するライン配線83は、サブディスプレイ2Eの第1基板90a上に形成された第5配線91、第2配線基板68上に形成された配線109a、及びメインディスプレイ1Eの第1基板80a上に形成された第3配線97の各配線を通してデータ線駆動用IC67aの出力電極26に接続される。
また、サブディスプレイ2Eにおいて走査線として機能する第4電極15dは、第2基板90b上に形成した引回し配線98及び第1基板90a上に形成した引回し配線92によって構成される第6配線、第2配線基板68上に形成された配線109b、並びにメインディスプレイ1Eの第1基板80a上に形成された第4配線93の各配線を通して走査線駆動用IC67bの出力電極26に接続される。
本実施形態では、メインディスプレイ1Eの第2電極15b(すなわち、走査線)と、サブディスプレイ2Eの第4電極15d(すなわち、走査線)とが、走査線駆動用IC67bの同じ出力電極26に接続されており、従って、走査線が共有される状態となっている。
また、本実施形態でも、サブディスプレイ2E内の第2パネル4Eは、メインディスプレイ1Eにおいて駆動回路すなわち駆動用IC67a及び67bを実装した辺(すなわち、第1張出し部81aに対応する辺)の所で、第2配線基板68によってメインディスプレイ1E内の第1パネル3Eに接続される。つまり、メインディスプレイ1Eの表示領域とサブディスプレイ2Eとは、駆動用IC67a,67bを挟んで互いに反対側に配置されている。
(電気光学パネル及び電気光学装置のさらに他の実施形態)
図12は、本発明に係る電気光学パネル及び電気光学装置のさらに他の実施形態の平面構造を示している。ここに示す電気光学パネルは液晶パネルであり、電気光学装置は液晶装置である。また、この液晶パネルは、TFD素子等といったスイッチング素子を用いるアクティブマトリクス方式であり、さらに照明装置をバックライトとして用いる透過方式である。これらの方式は、図6に示した先の実施形態に係る液晶装置60Bや、図10に示した先の実施形態に係る液晶装置60Dや、図11に示した先の実施形態に係る液晶装置60Eで用いられる液晶パネルと同じである。
図12に示す電気光学パネル及び電気光学装置において、図6、図10及び図11に示した電気光学パネル及び電気光学装置と同じ要素は同じ符号を用いて示すことにして、その要素の説明は省略するものとする。
図12において、メインディスプレイ1Fを構成する主たるパネル構造体である第1パネル3Fと、サブディスプレイ2Fを構成する主たるパネル構造体である第2パネル4Fとを、第2配線基板68によってつなぐことにより、液晶パネルが構成される。そして、この液晶パネルに偏光板、照明装置、その他の必要な付帯要素を装着することにより、液晶装置60Fが構成される。この実施形態でも、図11の場合と同様に、第2配線基板68は、メインディスプレイ1Fとサブディスプレイ2Fとをつなぐ機能と、外部回路からの信号等を液晶装置60Fへ導くための機能の両方を併有する。
図12の液晶装置60Fにおいても、メインディスプレイ1Fにおいて信号線として機能するライン配線73は、第1配線95を通してデータ線駆動用IC67aの出力電極26に接続される。また、走査線として機能する第2電極15bは、引回し配線96及び引回し配線94によって構成される第2配線を通して走査線駆動用IC67bの出力電極26に接続される。
また、サブディスプレイ2Fにおいて信号線として機能するライン配線83は、サブディスプレイ2Fの第1基板90a上に形成された第5配線91、第2配線基板68上に形成された配線109a、及びメインディスプレイ1Fの第1基板80a上に形成された第3配線97の各配線を通してデータ線駆動用IC67aの出力電極26に接続される。
また、サブディスプレイ2Fにおいて走査線として機能する第4電極15dは、第2基板90b上に形成した引回し配線98及び第1基板90a上に形成した引回し配線92によって構成される第6配線、第2配線基板68上に形成された配線109b、並びにメインディスプレイ1Fの第1基板80a上に形成された第4配線93の各配線を通して走査線駆動用IC67bの出力電極26に接続される。
本実施形態では、駆動用IC67a及び67bの出力電極26がメインディスプレイ1Fとサブディスプレイ2Fとの間で共通に使用されることがない。すなわち、メインディスプレイ1Fのライン配線73、メインディスプレイ1Fの第2電極15b、サブディスプレイ2Fのライン配線83、及びサブディスプレイ2Fの第4電極15dは、それぞれ、駆動用IC67a,67bの出力電極26の異なる部分に接続される。つまり、本実施形態では、信号線及び走査線のいずれも共有されない状態となっている。
また、本実施形態でも、サブディスプレイ2F内の第2パネル4Fは、メインディスプレイ1Fにおいて駆動回路すなわち駆動用IC67a及び67bを実装した辺(すなわち、第1張出し部81aに対応する辺)の所で、第2配線基板68によってメインディスプレイ1F内の第1パネル3Fに接続される。つまり、メインディスプレイ1Fの表示領域とサブディスプレイ2Fとは、駆動用IC67a,67bを挟んで互いに反対側に配置されている。
(電気光学パネル及び電気光学装置のさらに他の実施形態)
図13は、本発明に係る電気光学パネル及び電気光学装置のさらに他の実施形態の平面構造を示している。ここに示す電気光学パネルは液晶パネルであり、電気光学装置は液晶装置である。また、この液晶パネルは、TFD素子等といったスイッチング素子を用いるアクティブマトリクス方式であり、さらに照明装置をバックライトとして用いる透過方式である。これらの方式は、図6に示した先の実施形態に係る液晶装置60Bで用いられる液晶パネルと同じである。
図13に示す電気光学パネル及び電気光学装置において、図6に示した電気光学パネル及び電気光学装置と同じ要素は同じ符号を用いて示すことにして、その要素の説明は省略するものとする。
図13において、メインディスプレイ1Gを構成する主たるパネル構造体である第1パネル3Gと、サブディスプレイ2Gを構成する主たるパネル構造体である第2パネル4Gとを、第2配線基板68bによってつなぐことにより、液晶パネルが構成される。そして、この液晶パネルに偏光板、照明装置、その他の必要な付帯要素を装着することにより、液晶装置60Gが構成される。
本実施形態では、図6の液晶装置60Bと同様に、外部回路からの信号等を液晶装置60Gへ導くための第1配線基板68aがメインディスプレイ1Gに接続される。つまり、メインディスプレイ1Gとサブディスプレイ2Gとをつなぐ第2配線基板68aと、外部回路からの信号等を液晶装置60Gへ導くための第1配線基板68aとが別々に用いられる。
図6の液晶装置60Bと同様に、図13の液晶装置60Gにおいても、メインディスプレイ1Gにおいて信号線として機能するライン配線73は、第1配線95を通してデータ線駆動用IC67aの出力電極26に接続される。また、走査線として機能する第2電極15bは、第2基板80b側の引回し配線96及び第1基板80a側の引回し配線94によって構成される第2配線を通して走査線駆動用IC67bの出力電極26に接続される。
また、サブディスプレイ2Gにおいて信号線として機能するライン配線83は、サブディスプレイ2Gの第1基板90a上に形成された第5配線91、第2配線基板68b上に形成された配線109a、そして、メインディスプレイ1Gの第2基板80b上に形成された引回し配線97bと第1基板80a上に形成された引回し配線97aから成る第3配線の各配線を通してデータ線駆動用IC67aの出力電極26に接続される。
また、サブディスプレイ2Gにおいて走査線として機能する第4電極15dは、第2基板90b上に形成した引回し配線98及び第1基板90a上に形成した引回し配線92によって構成される第6配線、第2配線基板68b上に形成された配線109b、並びにメインディスプレイ1Gの第2基板80b上に形成された第4配線93の各配線を通して走査線駆動用IC67bの出力電極26に接続される。
本実施形態では、メインディスプレイ1Gの第2電極15b(すなわち、走査線)と、サブディスプレイ2Gの第4電極15d(すなわち、走査線)とが、走査線駆動用IC67bの同じ出力電極26に接続されており、従って、走査線が共有される状態となっている。
図6に示した液晶装置60Bでは、サブディスプレイ2B内の第2パネル4Bは、メインディスプレイ1Bにおいて駆動回路すなわち駆動用IC67a及び67bを実装した辺(すなわち、第1張出し部81aに対応する辺)に対向する辺(すなわち、第2張出し部81bに対応する辺)の所で、第2配線基板78bによってメインディスプレイ1B内の第1パネル3Bに接続される。
これに対し、図13に示した本実施形態では、サブディスプレイ2G内の第2パネル4Gは、メインディスプレイ1Gにおいて駆動回路すなわち駆動用IC67a及び67bを実装した辺(すなわち、第1張出し部81aに対応する辺)の隣辺の所で、第2配線基板68bによってメインディスプレイ1G内の第1パネル3Gに接続される。
換言すれば、図6の実施形態の場合には、メインディスプレイ1Bの表示領域とサブディスプレイ2Bとが駆動用IC67a,67bに対して同じ方向の側に配置されたのに対し、図13に示す本実施形態では、メインディスプレイ1Gの表示領域とサブディスプレイ2Gとが駆動用IC67a,67bの配列方向と平行の方向に並んで配置されている。
なお、図13の実施形態では、メインディスプレイ1Gとサブディスプレイ2Gとの間で走査線を共用するようにしたが、これに代えて、信号線を共用することもできる。このことは、例えばメインディスプレイ1G側のライン配線73の一端とサブディスプレイ2G側のライン配線83の一端とを配線によって電気的に接続することによって達成できる。
(その他の実施形態)
以上、いくつかの好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、以上の実施形態では、液晶としてTN型やSTN型を用いる場合を例示したが、これらの液晶に代えて、BTN(Bi-stable Twisted Nematic)型や強誘電型等といったメモリ性を有する双安定型や、高分子分散型や、GH(ゲストホスト)型等といった液晶と用いることもできる。
ここで、GH型液晶とは、分子の長軸方向と短軸方向とで可視光の吸収に異方性を有する染料(すなわち、ゲスト)を一定の分子配列の液晶(すなわち、ホスト)に溶解して、染料分子を液晶分子と平行に配列させた構造の液晶である。
また、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する、という垂直配向(すなわち、ホメオトロピック配向)の構成とすることもできる。また、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する、という平行配向、すなわち水平配向(すなわち、ホモジニアス配向)の構成とすることもできる。
このように、本発明は、液晶や配向方式が異なる種々の液晶装置に適用できる。
次に、上記実施形態では、電気光学装置として液晶装置を例示したが、本発明を適用可能な電気光学装置としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス装置、無機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置(EPD:Electrophoretic Display)、フィールドエミッションディスプレイ装置(FED:Field Emission Display:電界放出表示装置)等が考えられる。
次に、上記実施形態では、電子機器として携帯電話機を例示したが、本発明を適用可能な電子機器としては、例えば、パーソナルコンピュータ、デジタルスチルカメラ、腕時計型電子機器、PDA(Personal Digital Assistant)、テレビ、ビューファインダ型のビデオテープレコーダ、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末器等が挙げられる。