JP4178739B2 - 電子写真用トナー粒子及び画像処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法によって画像形成を行う際用いられる電子写真用トナー粒子、及びトナー粒子を用いて行う画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法を用いた画像形成装置にあっては、像形成体上に一様帯電がなされた後に像露光が行われて潜像が形成される。デジタル方式の画像形成装置にあっては、潜像部分は続く現像手段によって反転現像が行われ、トナー像が形成される。
【0003】
像露光は、例えばパルス幅変調されたドットによって像露光が行われるが、潜像は高濃度の画像部分は、面積当たりのドット数も多く、1ドットの大きさも大きく電位の低下も大きい。一方、低濃度の画像部分は面積当たりのドット数も少なく1ドットの大きさも小さく電位の低下も小さい。このことによって、反転現像後は像形成体上の高濃度の画像部分にはトナー付着量は多く、低濃度の画像部分にはトナー付着量は少ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、トナーについてみると、平均粒径が5μm前後を境として、小粒径とすることによってドット再現性は向上して行くが、大粒径トナーの方が現像性や転写性やクリーニング性等において優れている。また、低濃度部の画像にはトナーの付着状態が不安定で、トナー像の乱れ易い傾向にある。大粒径トナーは帯電量が大きい傾向にあることもあって、低濃度部に付着した大粒径トナーは安定した状態にあるが、小粒径トナーは付着せず不安定で、トナー像の乱れが目立ち易い。このように大粒径トナーは、画像形成に当たって現像性や転写性やクリーニング性について有利ではあるが、大粒径トナーを用いたときは画像にトナーの粗さが目立ち、画質は悪くなり、ダイナミックレンジは狭くなって、画像の鮮鋭度は失われる。
【0005】
本発明は、小粒径トナーとすることなく、画質特に低濃度部に付着したトナーの付着状態が不安定となっても画像の粗さが目立たず、かつダイナミックレンジが広く、トナー像が安定して転写がなされる電子写真用トナー粒子、及びかかるトナー粒子を用いた画像処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的の電子写真用トナー粒子は、
粒子中の中央部に濃部と、その周辺部に淡部とを有した着色粒子からなる電子写真用トナー粒子であって、前記トナー粒子中の濃部の割合は、中央部での断面積で25〜70%であることを特徴とする電子写真用トナー粒子(請求項1の発明)を提供するものである。
【0007】
上記目的の画像処理方法は、粒子中の中央部に濃部と、その周辺部に淡部とを有し、前記トナー粒子中の濃部の割合は、中央部での断面積で25〜70%である着色トナー粒子を用いて、像形成体上の潜像の現像を行うことを特徴とする画像処理方法(請求項8の発明)を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
先ず本発明の電子写真用トナー粒子について説明を行う。
【0009】
本実施形態のトナー粒子は、中央部に濃部とその周辺部に淡部とを有した着色粒子から成るトナー粒子であって、濃部と淡部とは同一色相を有している。図1には本実施形態のトナー粒子の中央部での断面形成を模式的に示している。本実施形態のトナー粒子の個数平均粒径D0は4〜10μmであって、中央部近くに位置した濃部についての個数平均粒径D1は2〜7μmである。トナー粒子中で濃部の占める割合は中央部での断面積で25〜70%となっている。そして、トナー付着量が0.5mg/cm2の状態において、淡部のみから成るトナー粒子のトナー濃度は、濃部のみから成るトナー粒子のトナー濃度の15〜35%となっている。
【0010】
本実施形態のトナー粒子は、濃度は小径なので観察される画面上での粗さが目立たず、淡部については大径であっても色調が淡いので、画面上での粗さが目立たない優れた特徴をもっている。
【0011】
図2は、本実施形態のトナー粒子と、淡部のみから成るトナー粒子(淡トナー)と、濃部のみから成るトナー粒子(濃トナー)とについて、トナー付着量と反射画像濃度との関係を示している。ここで、各トナー粒子の平均粒径は7μmのものである。トナー付着量は0.5mg/cm2で略1層のトナーが付着した状態となり、1.0mg/cm2で略2層のトナーが付着した状態となる。従来、一般に用いられているトナーでは、トナー付着量が0.5mg/cm2になると画像濃度は略飽和状態となる。濃トナーについても同様であって、トナー付着量0.5mg/cm2の条件下において、淡トナーの反射画像濃度は濃トナーの反射濃度の15〜35%の関係となっている。本発明トナーにあっては、トナー付着量が0.5mg/cm2の条件下でトナーの淡部は重なり合っているが濃部は重なり合っていないので、反射濃度は飽和状態には達しない。
【0012】
トナー付着量が0.5mg/cm2以下の条件下では、本発明トナーではトナー淡部も重ならず、トナー付着量の増加と共に、比例的に反射画像濃度は高くなる。
【0013】
トナー付着量が1.0mg/cm2の条件下では、例えば濃部の断面積が1/2の本発明トナーについてはトナー濃部も重なって、反射画像濃度は略飽和状態となる。
【0014】
本発明トナーでは、トナー濃部の断面積の割合を変えることによって、図2に示す反射画像濃度の傾きが変化し、トナー濃部断面積の割合と飽和トナー層の層厚とは、略逆数の関係になっている。例えばトナーの濃部断面積が1/2の場合には、トナー層厚が2層で反射濃度は略飽和状態となる。従って、画像形成に当たっての帯電条件、現像条件の設定はかかるトナーの特応して設定がなされる。
【0015】
次に本発明トナーの製造方法について説明する。粒子中の中央部に濃部(核)と、その周辺部に淡部とを有した着色トナー粒子は、▲1▼高濃度着色核使用懸濁重合法、▲2▼ミニエマコアシェル化法、▲3▼高濃度着色核粒子表面改質法の何れかによって製造することができる。
【0016】
▲1▼高濃度着色核使用懸濁重合法
・ポリオレフィンなどのワックス類と着色剤とを混合し、ワックス類を着色する。ついで、モノマーに分散し、懸濁重合する。その結果、内部に着色剤を高濃度で含有するトナー粒子を形成することができる。ここで、モノマー中にワックス類よりも少ない量の着色剤を含有させる。
【0017】
まずポリオレフィン(低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン)と着色剤とを混合、ついで混練して着色剤含有のポリオレフィンを調製する。この着色されたポリオレフィンを着色剤(前述のポリオレフィン中に存在する着色剤の10〜80質量%の量とする)を分散あるいは溶解したしたスチレンやアクリル系モノマー中に分散する。その際、加熱(最大で80℃程度。これ以上高温にするとモノマーの熱重合が開始されてしまう。)して分散することが好ましい。加熱分散した後に冷却することでモノマー中にある大きさの核として着色されたポリオレフィンが分散された状態となる。このものを分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。
【0018】
▲2▼ミニエマコアシェル化法
・着色剤と樹脂粒子を塩析/融着させ、高濃度の着色剤粒子を調製し、その周囲にミニエマ重合で着色剤を少量含有する樹脂粒子を塩析/融着させ、コアシェル化する。
【0019】
乳化重合法で樹脂粒子を調製する。ついで、この乳化重合法で調製された樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着することで着色粒子を形成する。この際、モノマー中に着色剤を分散あるいは溶解させたものを使用し、50〜1000nmの液滴に機械的に分散させた後に重合させて着色樹脂粒子を調製する方法を使用してもよい。この着色剤含有樹脂粒子を核樹脂粒子とする。なお、核樹脂粒子の大きさは個数平均粒径で0.5〜6.0μmである。
【0020】
別途、モノマー中に着色剤を分散あるいは溶解させたものを使用し、50〜1000nmの液滴に機械的に分散させた後に重合させて着色樹脂粒子を調製する。この際、核となる部分の着色剤に対して着色剤の量は10〜80質量%とする。この着色樹脂粒子を表層樹脂粒子とする。なお、この表層樹脂粒子の大きさは体積平均粒子径で50〜1000nmである。この粒子径は大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800等で測定することができる。
【0021】
前述の核樹脂粒子を核としてこの表層樹脂粒子を塩析/融着させることで本発明の濃淡トナーを調製することができる。
【0022】
*塩析/融着型トナーを製造するための例
樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
【0023】
なお、この核樹脂粒子を塩析/融着型ではなく、モノマー中に高濃度に着色剤を分散あるいは溶解させ、ついで懸濁重合することで高濃度着色された核樹脂粒子を調製してもよい。
【0024】
▲3▼高濃度着色核粒子表面改質法
・高濃度の着色粒子を混練粉砕法あるいは懸濁重合法等の重合法で製造し、その表面に着色剤濃度の少なく且つ粒径の小さい着色粒子を機械的攪拌で付着させ、ついて機械的衝撃力を付与することで表面に固着する。乾式コーティング方法と呼ばれる製法である。
【0025】
まず、樹脂と着色剤とを溶融、混練、粉砕して個数平均粒径が0.5〜6.0μmの着色剤含有樹脂粒子を調製する。この着色剤含有樹脂粒子を核樹脂粒子とする。
【0026】
別途、モノマー中に着色剤を分散あるいは溶解させたものを使用し、50〜1000nmの液滴に機械的に分散させた後に重合させて着色樹脂粒子を調製する。この際、核となる部分の着色剤に対して着色剤の量は10〜80質量%とする。この着色樹脂粒子を表層樹脂粒子とする。なお、この表層樹脂粒子の大きさは体積平均粒子径で50〜1000nmである。この粒子径は大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800等で測定することができる。この表層樹脂粒子は前述の溶融混練粉砕法で、着色剤の量は10〜80質量%として調製してもよい。この場合、体積平均粒子径で1.0〜2.0μmの粒子とする。
【0027】
ついで、前述の核樹脂粒子と表層樹脂粒子とを乾式で混合し、静電的に核樹脂粒子表面に表層樹脂粒子を付着させ、ついで機械的衝撃力を付与することで機械的に核樹脂粒子表面に表層樹脂粒子を融着させ、本発明の濃淡トナーを製造することができる。
【0028】
この乾式で混合する装置としては、ヘンシェルミキサー、V型混合機、OMダイザー、LAM等をあげることができ、機械系衝撃力を付与するための装置としてはヘンシェルミキサー、LAM、ハイブリダイザーなどをあげることができる。
【0029】
▲1▼▲2▼▲3▼で説明した製造方法では、トナーに使用する着色剤として次のものが用いられる。
【0030】
(顔料の構成)
本発明のトナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができる。
【0031】
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
【0032】
製造に当たって、樹脂を構成するためのモノマーとしては、下記のものが用いられる。
【0033】
(樹脂を構成するためのモノマーの例)
樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0034】
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0035】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0036】
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
【0037】
また、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
【0038】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
【0039】
先に説明した塩析/融着型トナーを製造するに当たっての素材としては、下記のものが用いられる。
【0040】
(塩析/融着の場合の素材使用例)
塩析/融着の場合に使用される凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用してもよい。
【0041】
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学 17、601(1960)日本高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
【0042】
本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0043】
無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対して無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明においては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。特に、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%が好ましい。
【0044】
以上、製造法の説明を行った本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加したものであってもよい。
【0045】
さらに、定着性改良剤としての低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0046】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0047】
なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0048】
また、本発明のトナーでは、外添剤として無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用することでより効果を発揮することができる。この理由としては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することができるため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0049】
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せきされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
【0050】
疎水化度={a/(a+50)}×100
この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0051】
本発明のトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が考えられ、いずれも好適に使用することができるが、本発明ではキャリアと混合して使用する二成分現像剤として使用することが好ましい。
【0052】
トナー粒子の形状は図1に示した球形、あるいは球形から変形した不定形性を有するものが好ましく用いられる。本発明のトナーの形状は、下記式で示される形状係数の平均値(平均円形度)が0.930〜0.990、好ましくは0.940〜0.985であるのが好ましい。
【0053】
形状係数=(円相当径から求めた円周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
又、形状係数の分布がシャープであることが好ましく、円形度の標準偏差は0.10以下がよく、下記式で算出されるCV値は20%未満が好ましく、さらに10%未満が好ましい。
【0054】
CV値={(円形度の標準偏差)/(平均円形度)}×100
この平均円形度を0.930〜0.990とすることで、トナーが有する形状をある程度不定形化することができ、熱の伝達を効率化することができ、定着性をより向上することができる。すなわち、平均円形度を0.990以下とすることで定着性を向上することができる。さらに、感光体への付着力も低減することが出来るのでクリーニング性も向上することが出来る。また、0.930以上の平均円形度とすることで、粒子の不定形度合いを抑制し、長期に亘る使用時のストレスによる粒子の破砕性を抑制することができる。
【0055】
さらに、形状係数の分布がシャープであることが好ましく、円形度の標準偏差は0.10以下とすることで形状が揃ったトナーとすることができ、トナー間での定着性能差を少なくすることができるため、定着率の向上及びオフセット性の低減による定着装置の汚染防止効果がより発揮される。また、CV値も20%未満とすることで、同様にシャープな形状分布とすることができ、定着性向上効果をより顕著に発揮することができる。
【0056】
尚、上記形状係数の測定方法は限定されるものではないが、例えばトナー粒子を電子顕微鏡で500倍に拡大した写真を撮影し、画像解析装置を使用し、500個のトナーについて円形度を測定し、その算術平均値を求めることで、平均円形度を算出することができる。また、簡便な測定方法としては、FPIA−2000(東亜医用電子社製)により測定することができる。
【0057】
このようにして形成されたトナー粒子の核部分に相当する濃部の断面積は、トナー全体の断面積の25〜65%である。断面積の測定は、透過型電子顕微鏡で観察する。5000倍に拡大した断面写真を使用し、画像解析装置を使用し、トナー自体の断面積と核部分の断面積を観察する。トナー200個を観察し、その算術平均値とする。
【0058】
また、トナー粒子の個数平均粒径は4〜10μmで、濃部の個数平均粒径は2〜7μmであって、測定はコールターカウンターTAIIあるいはコールターカウンターマルチサイザー(いずれもコールター社製)により想定された個数平均粒径を求める。なお、濃部の個数平均粒径とは前述のトナー断面写真を使用し、各トナーの水平方向での径を求め、その算術平均を示している。
【0059】
本発明のトナー粒子は、同一色相を有する着色トナーであって、濃、淡部の色材は少なくとも一部は共通の顔料を使用し、使用色材の量(質量%)を変化させることによって濃淡が生じるようにしている。濃、淡部に用いられる色材量(質量%)は、濃部に対し淡部は10〜40%となっている。濃、淡部について同一色相とすることによって、トナーの付着量の違いによっても色味の変化をなくすようにしている。色材に共通の顔料を用いれば、濃、淡部について色相は略同一に保たれるが、更に色材を一部付加することが必要な場合もある。例えば黒色トナーについては、カーボンブラックが色材として用いられるが、淡部に対しての少量のカーボンブラックの添加では、カーボンブラックの種類によっては灰色から赤、茶、青系のものに色味が少しずれてしまうことがある。このような場合には少量の他の色材を添加しブレンドして、淡部でも灰色になるような色材の添加が行われる。
【0060】
同一色のトナーについて、濃部トナーと淡部トナーとは同じ色相であることが望ましいが、図3の色空間で色相角差Δθがある場合も、Δθは20°以下、好ましくは10°以下であることを必要する。この色相角差Δθが上記の条件内に保たれていると、色補正を行うことにより画像上での同一色の高濃度部を低濃度部との間で色味の違いを感じることはない。
【0061】
図3は、濃部トナーに対する淡部トナーの色相角差Δθを示している。好ましい色補正は、色空間を6色相程度に分割し、各領域毎に色修正を行う色相別マスキングや非線形マスキングや、色補正の対応テーブルにより直接色補正を行うダイレクトマッピングによるマスキングである。
【0062】
以上説明した本発明のトナーは、一成分現像を行う際の現像剤としても用いられるが、好ましくは二成分現像を行う際のトナーとして用いられる。二成分現像を行う際のキャリアとしては下記のものが用いられる。
【0063】
(二成分現像剤のキャリアの例)
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、磁性粒子としては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その個数平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが良い。キャリアの個数平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0064】
キャリアは、さらに樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0065】
本発明によるトナーは電子写真方式によって画像形成を行う画像形成装置に広く用いることができる。モノクロ画像を形成する画像形成装置にも勿論用いられるが、多色のトナーを用いてのカラー画像形成装置に用いるときは、階調性と色調において優れ、しかも解像性の高い画像を形成することができる。次に本発明の多色のトナーを内蔵した現像装置を複数組搭載した画像形成装置の一例であるカラープリンタの画像形成プロセス及び各機構について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の画像形成装置の一例であるカラープリンタの断面構成図であり、図5はその像形成体の断面構成図である。
【0066】
図4または図5によれば、像形成体である感光体ドラム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の透光性部材によって形成される円筒状の基体の外周に、透光性の導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体層を形成したものである。
【0067】
感光体ドラム10は、図示しない駆動源からの動力により、透光性の導電層を接地された状態で図4の矢印で示す時計方向に回転される。
【0068】
本実施例では、画像露光用の露光ビームは、その結像点である感光体ドラム10の光導電体層において、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対して適正なコントラストを付与できる波長の露光光量を有していればよい。従って、本実施形態における感光体ドラムの透光性の基体の光透過率は、100%である必要はなく、露光ビームの透過時にある程度の光を吸収するような特性を有していてもよい。要は、適切なコントラストを付与できればよい。透光性の基体の素材としては、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを重合したものが、透光性、強度、精度、表面性等において優れており好ましく用いられるが、その他一般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、露光光に対して透光性を有していれば、着色していてもよい。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CVD法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用できる。また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が使用できる。
【0069】
光導電体層の感光層としての有機感光層は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いために有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。なお有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされてもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、通常バインダ樹脂が含有される。
【0070】
以下に説明する帯電手段としてのスコロトロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系12、現像手段としての現像器14は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されており、本実施形態においては、図4の矢印にて示す感光体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順に配置される。
【0071】
帯電手段としてのスコロトロン帯電器11は像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して直交する方向(図4において紙面垂直方向)に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム10の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持された制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極11aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性のコロナ放電とによって帯電作用(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0072】
各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセルフォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた露光用ユニットとして構成される。円柱状の保持部材20に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0073】
各色毎の画像書込手段としての露光光学系12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロトロン帯電器11と現像器14との間で、現像器14に対して感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態で、感光体ドラム10の内部に配置される。
【0074】
露光光学系12は、別体のコンピュータ(不図示)から送られ、或いは原稿画像が読み取られてメモリに記憶された各色の画像データに基づいて後に詳しく説明する画像処理を施した後、一様に帯電した感光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い680〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面から像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に有しないこれより短い波長でもよい。
【0075】
各色毎の現像手段としての現像器14は、トナーホッパ200(T)からトナー補給され内部に後に実施例で説明するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色(K)の二成分の現像剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像剤担持体である現像スリーブ141を備えている。
【0076】
現像領域では、現像スリーブ141は、突き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置において順方向に回転するようになっており、現像時、現像スリーブ141に対してトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流電圧ACを重畳する現像バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転現像が行われる。この時の現像間隔精度は画像ムラを防ぐために20μm程度以下が必要である。
【0077】
以上のように現像器14は、スコロトロン帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光によって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のトナー(本実施形態においては感光体ドラムは負帯電であり、トナーは負極性)により反転現像する。
【0078】
図5に示すように、感光体ドラム10と保持部材20とは、装置背面側と前面側の端部において、それぞれ感光体ドラム10を回転可能に支持する支持部材であるフランジ部材10A,10Bと、保持部材20を支持するフランジ120A,120Bとを圧入もしくはネジ等の手段を介して一体的に構成されている。感光体ドラム10は、その支持部材であるフランジ部材10Aならびにフランジ部材10Bが、保持部材20のフランジ120Aの一体とする固定部材であるシャフト121ならびにフランジ120Bに対して、それぞれベアリングB1ならびにベアリングB2を介して回動自在に支持されている。
【0079】
シャフト121は感光体ドラム10を保持する軸部121Aを備えており、また背面側の装置基板70には係合穴130Aを備えるシャフト121の保持手段である支軸130が設けられている。係合穴130AにはリニアベアリングB4が嵌入されており、受け部材130aを挟んで支軸130がネジ等により背面側の装置基板70に固定されている。支軸130は駆動歯車G1に噛合する歯車G2の中心に位置され、歯車G2を一体とする伝導部材131をベアリングB3を介して回動自在に支持している。一方装置前面側の装置基板70には保持部材20に固定される露光光学系12を一体とする感光体ドラム10を挿脱可能とする開口部70Aが開口されている。
【0080】
保持部材20は背面側の装置基板70に対しては、シャフト121の軸部121Aを支軸130に設けられたリニアベアリングB4に挿入し、軸部121Aに挿通した係合ピン121Pを支軸130の係合部130Bに形成したV字状の溝に係合することにより露光光学系12の角度関係位置を規制して取り付けられ、前面側の装置基板70に対しては、端部の一体とするフランジ120Cを緩衝材Kを挟み前蓋120Dを軸方向に押圧した状態でネジ52により固定することにより所定の位置に装着される。
【0081】
感光体ドラム10を支持する支持部材であるフランジ部材10Aの側面に取付けられる係合部材であるカプリング10Cと、歯車G2を一体とする伝導部材131の側面に取付けられる結合部材である駆動ピン131Aと、止めネジ51とにより、フランジ部材10Aと歯車G2との結合部が構成され、保持部材20を一体とする感光体ドラム10の装着状態においては、フランジ部材10Aの側面に取付けられるカプリング10Cが歯車G2を有する伝導部材131の側面に取付けられる駆動ピン131Aに嵌込まれ、係合後、歯車G2を有する伝導部材131とフランジ部材10Aを有する感光体ドラム10とが中心及び外周面を合わされた状態で、感光体ドラム10の側方から止めネジ51を用いて駆動ピン131Aとカプリング10Cとが固定され、フランジ部材10Aと歯車G2とが結合、固定される。
【0082】
画像形成のスタートにより不図示の像形成体駆動モータの始動により、駆動歯車G1の回転動力が歯車G2により結合部を介して感光体ドラム10に伝達され、感光体ドラム10が図4の矢印で示す時計方向へ回転され、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露光光学系12において第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光が開始され感光体ドラム10の回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像器14により非接触の状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0083】
次いで、感光体ドラム10は前記イエロー(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに対応する電気信号による露光が行われ、Mの現像器14による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0084】
同様のプロセスにより、Cのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器14によってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器14によって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。
【0085】
このように、本実施の形態では、Y、M、C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム10の外部から露光してもよい。
【0086】
一方、転写材としての記録紙Pは、転写材収納手段としての給紙カセット15より、送り出しローラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号なし)により給送されてタイミングローラ16へ搬送される。
【0087】
記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器150の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段としての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上のカラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0088】
カラートナー像が転写された記録紙Pは、転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置17へと搬送される。
【0089】
定着装置17はカラートナー像を定着するための上側のロール状の熱線定着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ローラ17aと、下側の定着部材としての加圧ゴムローラ47aとにより構成され、熱線定着ローラ17aの内部には、光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線等の熱線を発光するハロゲンランプ171gが熱線照射手段として配設される。
【0090】
熱線定着ローラ17aと加圧ゴムローラ47aとの間で形成されるニップ部Nで記録紙Pが挟持され、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラートナー像が定着され、記録紙Pが排紙ローラ18により送られて、装置上部のトレイへ排出される。
【0091】
本発明においては、Y,M,C,K各色の画像濃度データは、それぞれ画像処理がなされた後、露光光学系12により感光体ドラム10上への像露光が行われる。
【0092】
図6には、本実施形態における画像処理システムのブロック図を示している。CCD等の固体撮像素子を用いた画像読み取り手段によって原稿像の読み取りが行われる(F1)。CCDからの出力増幅したアナログ画像手段は1画素毎に8〜10ビットのデジタル信号にA/D変換され、シェーディング補正と、シェーディング補正後の輝度情報は256レベルの濃度情報に変換される(F2)。
【0093】
続いて画像処理(2)ではマスキング、UCR、色補正等の色処理が行われる(F3)。マスキングとしては一般に線形マスキング、或いは高度の色補正を行う際には非線形マスキングやルックアップテーブルを用いたマスキングが用いられる。またUCRでは3色成分からグレー成分を取り除き黒(K)に置き換える操作を行い、シャドー部や文字部の再現性が向上する処理が行われる。
【0094】
続いて得られた画像データは各トナーに対してのγ補正を行い(F4)、本発明による解像度の変更処理が行われた(F5)のち、PWM処理がなされ(F6)、露光光学系12に出力されてプリンタでの画像形成が行われる(F7)。
【0095】
本実施形態においては、画像処理(1)で得られた画像データは、データの濃度分布や隣接するドット間での濃度差をチェックすることによって、原稿像が写真や絵等の中間調画像であるか、文字や線画等の文字画像であるかの画像判別が行われ(F11)、画像処理についてはUCR、γ補正、解像度の変更処理を次のように切り換え制御する。
【0096】
・UCR量については、中間調画像では低く10〜15%に設定し、文字画像では高く40〜100%に設定する。
【0097】
・γ補正については、中間調画像では低く、文字画像では高く切り替え設定を行う。
【0098】
本発明は、解像度の変更処理(F5)において、高濃度部に対しては高解像度の潜像形成を行い、低濃度部に対しては低解像度の潜像形成を行うよう解像度の変更処理を行う。
【0099】
高濃度部に対応して高解像度の、低濃度部に対応して低解像度の潜像を形成するのに次の4〜12ビットの多値変調手段が実施例として用いられる。
【0100】
▲1▼ 本実施例Aは、画像濃度に応じた解像度の変更が記録周期の変更によるようにしたものである。図7(a)には記録周期変更を用いたパルス幅変調回路50Aを示している。参照波選択回路51Aには、1画素周期の参照波Aと2画素周期の参照波Bとが入力されていて、入力される画像の濃度情報に応じて出力される参照波を選択する。即ち、濃度情報が高濃度部であると判断されたときは参照波A(1画素周期)を出力し、低濃度部であると判断されたときは参照波B(2画素周期)を出力する。52Aは比較回路で、濃度情報は参照波選択回路51Aから出力される参照波との比較がなされ、濃度情報はパルス幅変調されて出力される。
【0101】
図7(b)にはパルス幅変調の状態を示している。高濃度部に対しては1画素周期の参照波Aによってパルス幅変調がなされ、低濃度部に対しては2画素周期の参照波Bによってパルス幅変調がなされる。かかる回路によりハイライトの低濃度部には記録単位の大きいドットを形成する。
【0102】
▲2▼ 本実施例Bは、画像濃度に応じた解像度の変更が濃度情報の分配によるようにしたもので、HIEST(Highlight Image Enhancement Screen Technology)の技術手段が用いられる。図8(a)はHIESTを適用した濃度分配回路を用いたパルス幅変調回路50Bを示している。濃度情報は濃度判別回路51Bに入力されると、濃度判別回路51Bでは高濃度情報と低濃度情報とに分別し、高濃度情報は直接D/Aコンバータ53Bに入力される。一方、低濃度情報は画像情報の再配分を行うデータ処理部52Bを経てD/Aコンバータ53Bに入力される。高濃度情報と画像情報の再配分処理がなされた低濃度情報とはD/A変換され、比較回路54Bで参照波との比較がなされ、濃度情報はパルス幅変調されて出力される。
【0103】
データ処理部52Bで行う画像情報の再配分処理は、低濃度部の隣接する画素の濃度データを足し合わせ、そのデータを画像濃度に応じて再配分するもので、低濃度については主走査方向のドット数の低数化が行われる。ハイライト領域について主走査方向のドット数を低数化し、ドット間距離を広くすることによってハイライト領域での潜像のコントラストを向上させ、安定した階調画像再現が行われる。
【0104】
図8(b)は像形成体上でのドットの濃度に応じての再配分状態を示す概念図で、例えば画像濃度の配列(25,25,25,25)を(35,15,35,15)と再配分し、画像濃度の配列(7,7,7,7)を(15,0,15,0)と再配分し、濃度に応じた再配分することが行われる。なお実施に当たっては、図8(b)のハイライト部に示した再配分では縞模様が認識されることもあるので、副走査毎に或いは2副走査毎に重み付けを変化させて千鳥格子模様のドット配分とすることが好ましい。
【0105】
▲3▼ 本実施例Cは、画像濃度に応じた解像度の変更が参照波振幅の変更によるようにしたものである。図9(a)は参照波振幅変更を用いたパルス幅変調回路50Cを示している。参照波選択回路51Cには同一振幅の参照波Aと、大小の振幅から成る参照波Cとが入力されていて、参照波選択回路51Cに入力する濃度情報が高濃度部と判断されたときは参照波Aを出力し、濃度情報が低濃度部と判断されたときは参照波Cを出力する。比較回路52Cでは濃度情報と参照波選択回路51Cから出力する参照波との比較がなされる。高濃度部に対しては同一振幅の参照波Aが、また低濃度部に対しては大小振幅から成る参照波Cが比較されて、濃度情報はパルス幅変調されて出力される。
【0106】
図9(b)にはパルス幅変調の状態を示している。高濃度部に対しては同一振幅の参照波Aによってパルス幅変調がなされ、低濃度部に対しては大小振幅の参照波Bによってパルス幅変調がなされる状態を示している。かかる回路により低濃度部ではドットが寄せ集まった割合を高くし、先に説明したHIEST法によるのと近似したドットが形成されることとなる。
【0107】
▲4▼ 本実施例Dは、多値の誤差拡散法により処理を行った多値画像データを、パルス幅変調により出力してドットを形成することもできる。
【0108】
上記説明した実施例A,B,C,Dの何れかの多値変調によるときは、高濃度部については本発明のトナーの効果であるダイナミックレンジの広さにより情報の欠落を防いで細部の濃度差の再現が確保され、低濃度のハイライト領域についてはドットの付着汚れが視認しずらい本発明のトナーの効果に加えて、ドットの付着を確実にして階調画像の粗さを改善して再現性を高めることとなる。
【0109】
ここで上記の画像形成装置に用いるY,M,C,K(Bk)4色のトナーの実施例について説明する。
【0110】
先ず核樹脂粒子の調製例を3例示す。
核樹脂粒子調製例1Bk
高速攪拌装置(TKホモミキサー)を備えた4つ口フラスコにイオン交換水710質量部と0.1モル/リットルの燐酸三ナトリウム水溶液600質量部を加え、65℃に加温し、回転数12000rpmの攪拌条件下に1.0モル/リットルの塩化カルシウム水溶液120質量部を徐々に加え、コロイド状燐酸三カルシウムを含む分散液を含む水系分散媒体を調製した。さらにドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムを0.1質量部加え、ついで、スチレンモノマー165質量部、n−ブチルアクリレート35質量部にカーボンブラック(リーガル330R)40質量部を加えサンドグラインダーで分散した分散液に重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を加えたものを前記水系分散媒体中に回転数13000rpmの攪拌条件下で徐々に加え、水中にモノマーを含む溶液を分散させた。窒素気流下、65℃、200rpm攪拌条件下で10時間重合反応を行ない、個数平均粒径が4.3μmの核樹脂粒子を得た。重合反応終了時に塩酸を加え、分散安定剤である燐酸三カルシウムを除去し、濾過、洗浄乾燥し、着色粒子を調製した。このものを「核樹脂粒子1Bk」とする。
核樹脂粒子調製例1Y
核樹脂粒子調製例1Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー185を使用した他は同様にして核樹脂粒子を得た。これを「核樹脂粒子1Y」とする。
核樹脂粒子調製例1M
核樹脂粒子調製例1Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を使用した他は同様にし核樹脂粒子を得た。これを「核樹脂粒子1M」とする。
核樹脂粒子調製例1C
核樹脂粒子調製例1Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を使用した他は同様にして核樹脂粒子を得た。これを「核樹脂粒子1C」とする。
核樹脂粒子調製例2Bk
スチレンアクリル樹脂100質量部に対してカーボンブラック20質量部を加え、溶融混練し、ついで粉砕、分級して個数平均粒径が4.6μmの核樹脂粒子を得た。これを「核樹脂粒子2Bk」とする
核樹脂粒子調製例2Y
核樹脂粒子調製例2Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ソルベントイエロー93を使用した他は同様にして核樹脂粒子を得た。これを「核樹脂粒子2Y」とする。
核樹脂粒子調製例2M
核樹脂粒子調製例2Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を使用した他は同様にし核樹脂粒子を得た。これを「核樹脂粒子2M」とする。
核樹脂粒子調製例2C
核樹脂粒子調製例2Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を使用した他は同様にして核樹脂粒子を得た。これを「核樹脂粒子2C」とする。
核樹脂粒子分散液調製例3Bk
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けたセパラブルフラスコに予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を添加する。窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。スチレン115質量部、n−ブチルアクリレート45質量部、メタクリル酸10質量部からなるモノマーを80℃にて循環経路を有する機械式分散機により混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。ついで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.8質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し80℃にて3時間加熱、撹拌することでラテックス粒子を作製した。引き続いて更に重合開始剤(KPS)8質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた溶液を添加し、15分後、80℃でスチレン380質量部、n−ブチルアクリレート140質量部、メタクリル酸30質量部の混合液を120分かけて滴下した。滴下終了後60分加熱撹拌させた後40℃まで冷却しラテックスを得た。
【0111】
一方、n−ドデシル硫酸ナトリウム=9質量部をイオン交換水300質量部に撹拌溶解する。この液に、撹拌下、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)50質量部を徐々に加え、ついで、クレアミックスを用いて分散した。大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均径で112nmであった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
【0112】
前述のラテックス1200質量部とイオン交換水2000質量部及び「着色剤分散液1」を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を付けた5リットルの四口(74)フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、PHを10.0に調整した。ついで、塩化マグネシウム6水和物56質量部をイオン交換水100質量部に溶解した水溶液を攪拌下、30℃にて10分間で添加した。その後、3分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温する(昇温速度=10℃/分)。その状態で粒径をコールターカウンターTAIIにて測定し、個数平均粒径が3.2μmになった時点で塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、さらに継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、撹拌を停止した。以上のようにして得られた核樹脂粒子分散液を「核樹脂粒子3Bk分散液」とする。
核樹脂粒子分散液調製例3Y
核樹脂粒子分散液調製例3Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ソルベントイエロー93を使用した他は同様にして核樹脂粒子分散液を得た。これを「核樹脂粒子3Y分散液」とする。
核樹脂粒子分散液調製例3M
核樹脂粒子分散液調製例3Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を使用した他は同様にし核樹脂粒子分散液を得た。これを「核樹脂粒子3M分散液」とする。
核樹脂粒子分散液調製例3C
核樹脂粒子分散液調製例3Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を使用した他は同様にして核樹脂粒子分散液を得た。これを「核樹脂粒子3C分散液」とする。
【0113】
次に表層樹脂分散液の調製例を示す。
表層樹脂粒子1Bk分散液調製例
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けたセパラブルフラスコに予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を添加する。窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。スチレン115質量部、n−ブチルアクリレート45質量部、メタクリル酸10質量部からなるモノマーにカーボンブラック(リーガル330R)8.5質量部をサンドグラインダーでよく分散した分散液を上記水溶液に加え、50℃にて循環経路を有する機械式分散機により混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。ついで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.8質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し80℃にて3時間加熱、撹拌することでラテックス粒子を作製した。このラテックス粒子の大きさは大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて測定した結果、重量平均径で139nmであった。この分散液を「表層樹脂粒子1Bk分散液」とする。
表層樹脂粒子分散液調製例1Y
表層樹脂粒子分散液調製例1Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ソルベントイエロー93を使用した他は同様にして表層樹脂粒子の分散液を得た。この表層樹脂粒子の大きさは125nmである。これを「表層樹脂粒子1Y分散液」とする。
表層樹脂粒子分散液調製例1M
表層樹脂粒子分散液調製例1Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を使用した他は同様にし表層樹脂粒子を得た。この表層樹脂粒子の大きさは171nmである。これを「表層樹脂粒子1M分散液」とする。
表層樹脂粒子分散液調製例1C
表層樹脂粒子分散液調製例1Bkにおいてカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を使用した他は同様にして表層樹脂粒子を得た。この表層樹脂粒子の大きさは146nmである。これを「表層樹脂粒子1C分散液」とする。
【0114】
上記の核樹脂粒子と表層樹脂粒子分散液を用いてのトナー調製例を示す。
トナー調製例1Bk
核樹脂粒子1Bk100質量部に対して表層樹脂粒子1Bk分散液より噴霧乾燥により取り出した表層樹脂粒子1Bkを100質量部添加し、ヘンシェルミキサーで20℃にて10m/secの条件で10分間乾式混合した。ついで、ハイブリダイザー1型を使用し、周速100m/sec、品温(内部を循環している気流の温度をセンサーでモニターしている最高品温を示す)80℃の条件にて3分間処理し、表面に表層樹脂粒子を固着したトナーを得た。このものの透過型電子顕微鏡での観察の結果、核部分の個数平均粒径は2.9μm、断面積はトナー全体の43%であった。なお、トナーの個数平均粒径は6.3μmであった。また、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して26%であった。このものに対して疎水性シリカ(疎水化度=72%、数平均一次粒子径=12nm)を1質量%添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。これを「トナー1Bk」とする。
トナー調製例1Y
トナー調製例1Bkにおいて、核樹脂粒子1Bk100質量部の代わりに核樹脂粒子1Y100質量部を使用し、表層樹脂粒子1Bkの代わりに表層樹脂粒子1Bkと同様にして取り出した表層樹脂粒子1Yを80質量部使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は3.8μm、断面積はトナー全体の62%、トナーの個数平均粒径は5.9μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して26%であった。これを「トナー1Y」とする。
トナー調製例1M
トナー調製例1Bkにおいて、核樹脂粒子1Bk100質量部の代わりに核樹脂粒子1M100質量部を使用し、表層樹脂粒子1Bkの代わりに表層樹脂粒子1Bkと同様にして取り出した表層樹脂粒子1Mを80質量部使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は3.5μm、断面積はトナー全体の63%、トナーの個数平均粒径は5.8μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して26%であった。これを「トナー1M」とする。
トナー調製例1C
トナー調製例1Bkにおいて、核樹脂粒子1Bk100質量部の代わりに核樹脂粒子1C100質量部を使用し、表層樹脂粒子1Bkの代わりに表層樹脂粒子1Bkと同様にして取り出した表層樹脂粒子1Cを70質量部使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は3.9μm、断面積はトナー全体の68%、トナーの個数平均粒径は5.7μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して24%であった。これを「トナー1C」とする。
トナー調製例2Bk
トナー調製例1Bkにおいて、核樹脂粒子1Bk100質量部の代わりに核樹脂粒子2Bk100質量部を使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は3.7μm、断面積はトナー全体の61%、トナーの個数平均粒径は6.1μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して26%であった。これを「トナー2Bk」とする。
トナー調製例2Y
トナー調製例2Bkにおいて、核樹脂粒子2Bk100質量部の代わりに核樹脂粒子2Y100質量部を使用し、表層樹脂粒子1Bkの代わりに表層樹脂粒子1Yを80質量部使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は3.6μm、断面積はトナー全体の61%、トナーの個数平均粒径は5.9μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して26%であった。これを「トナー2Y」とする。
トナー調製例2M
トナー調製例2Bkにおいて、核樹脂粒子2Bk100質量部の代わりに核樹脂粒子2M100質量部を使用し、表層樹脂粒子1Bkの代わりに表層樹脂粒子1Mを80質量部使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は3.5μm、断面積はトナー全体の62%、トナーの個数平均粒径は5.7μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して25%であった。これを「トナー2M」とする。
トナー調製例2C
トナー調製例2Bkにおいて、核樹脂粒子2Bk100質量部の代わりに核樹脂粒子2C100質量部を使用し、表層樹脂粒子1Bkの代わりに表層樹脂粒子1Cを70質量部使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は3.8μm、断面積はトナー全体の68%、トナーの個数平均粒径は5.4μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して24%であった。これを「トナー2C」とする。
トナー調製例3Bk
「核樹脂粒子3Bk分散液」と「表層樹脂粒子1Bk分散液」を混合し、さらにイオン交換水2000質量部を加え、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を付けた反応容器に入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを11.0に調整した。ついで、塩化マグネシウム6水和物526質量部をイオン交換水720質量部に溶解した水溶液を攪拌下、30℃にて10分間で添加した。その後、3分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温する(昇温速度=10℃/分)。その状態で粒径をコールターカウンターTAIIにて測定し、個数平均粒径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム1000質量部をイオン交換水7000質量部に溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、さらに継続して液温度を90℃にて5時間攪拌し、塩析/融着させる。その後、8℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した着色粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥し、さらに疎水性シリカ(疎水化度=65、数平均一次粒子径=10nm)を1質量%加え、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。これを「トナー3Bk」とする。核部分の個数平均粒径は4.0μm、断面積はトナー全体の61%、トナーの個数平均粒径は6.5μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して23%であった。
トナー調製例3Y
トナー調製例3Bkにおいて、「核樹脂粒子3Bk分散液」の代わりに「核樹脂粒子3Y分散液」を使用し、「表層樹脂粒子1Bk分散液」の代わりに「表層樹脂粒子1Y分散液」を使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は3.8μm、断面積はトナー全体の63%、トナーの個数平均粒径は6.5μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して26%であった。これを「トナー3Y」とする。
トナー調製例3M
トナー調製例3Bkにおいて、「核樹脂粒子3Bk分散液」の代わりに「核樹脂粒子3M分散液」を使用し、「表層樹脂粒子1Bk分散液」の代わりに「表層樹脂粒子1M分散液」を使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は4.1μm、断面積はトナー全体の63%、トナーの個数平均粒径は6.5μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して26%であった。これを「トナー3M」とする。
トナー調製例3C
トナー調製例3Bkにおいて、「核樹脂粒子3Bk分散液」の代わりに「核樹脂粒子3C分散液」を使用し、「表層樹脂粒子1Bk分散液」の代わりに「表層樹脂粒子1C分散液」を使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は4.1μm、断面積はトナー全体の63%、トナーの個数平均粒径は6.5μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して26%であった。これを「トナー3C」とする。
トナー調製例4Bk
ポリオレフィンワックス(軟化点=135℃)100質量部とカーボンブラック(モーガルL)40質量部を150℃の温度条件で高速攪拌型分散機を使用して溶融状態でポリオレフィン中にカーボンブラックを分散させた。ついで、このものを冷却し、粉砕し、100μm程度の着色ポリオレフィンとした。この着色ポリオレフィン100質量部とスチレンモノマー165質量部、n−ブチルアクリレート35質量部にカーボンブラック(リーガル330R)5質量部を加えサンドグラインダーで分散した分散液に重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を加えたものを用意した。ついで、高速攪拌装置(TKホモミキサー)を備えた4つ口フラスコにイオン交換水710質量部と0.1モル/リットルの燐酸三ナトリウム水溶液600質量部を加え、65℃に加温し、回転数12000rpmの攪拌条件下に1.0モル/リットルの塩化カルシウム水溶液120質量部を徐々に加え、コロイド状燐酸三カルシウムを含む分散液を含む水系分散媒体を調製した。さらにドデシルベンセンスルフォン酸ナトリウムを0.1質量部加え、ついで前記モノマーへ着色ポリオレフィンを分散したものを前記水系分散媒体中に回転数15000rpmの攪拌条件下で徐々に加え、水中にモノマーを含む溶液を分散させた。窒素気流下、65℃、200rpm攪拌条件下で10時間重合反応を行ない、個数平均粒径が6.9μmの樹脂粒子を得た。重合反応終了時に塩酸を加え、分散安定剤である燐酸三カルシウムを除去し、濾過、洗浄乾燥し、着色粒子を調製した。このものの透過型電子顕微鏡観察の結果、核にポリオレフィンワックス中にカーボンブラックが分散されたものが形成され、その周囲にカーボンブラックが分散されたスチレンアクリル樹脂で形成されているものであることが確認された。ついで疎水性シリカ(疎水化度=65、数平均一次粒子径=10nm)を1質量%加え、ヘンシェルミキサーで混合してトナーを得た。これを「トナー4Bk」とする。このものの核部分の個数平均粒径は2.1μm、断面積はトナー全体の30%、トナーの個数平均粒径は6.9μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して12%であった。
トナー調製例4Y
トナー調製例4Bkにおいて、カーボンブラックの代わりにC.I.ソルベントイエロー93を使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は2.1μm、断面積はトナー全体の31%、トナーの個数平均粒径は6.7μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して13%であった。これを「トナー4Y」とする。
トナー調製例4M
トナー調製例4Bkにおいて、カーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は2.2μm、断面積はトナー全体の33%、トナーの個数平均粒径は6.6μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して13%であった。これを「トナー4M」とする。
トナー調製例4C
トナー調製例4Bkにおいて、カーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を使用した他は同様にしてトナーを得た。核部分の個数平均粒径は2.2μm、断面積はトナー全体の33%、トナーの個数平均粒径は6.6μm、表層部分の着色剤濃度は核部分に対して13%であった。これを「トナー4C」とする。
【0115】
本実施形態においては、トナー調製例1〜4によって得られたトナーを用いて画像形成を行っている。かかる実施例のトナーを用いての画像は何れも階調性において優れ、ダイナミックレンジが広く、しかも解像性の高い画像が得られた。特に本実施形態の多値変調を行う画像処理方法によるときは、優れた効果が顕著に認められた。本発明者らはその効果を確認するため、次の2種の比較用トナーを製造し、テストを行っている。
比較用トナー1Bk
トナー調製例3Bkにおいて、「核樹脂粒子3Bk分散液」のみを使用してトナーを得た。これを「比較トナー1Bk」とする。
比較用トナー1Y
トナー調製例3Yにおいて、「核樹脂粒子3Y分散液」のみを使用してトナーを得た。これを「比較トナー1Y」とする。
比較用トナー1M
トナー調製例3Mにおいて、「核樹脂粒子3M分散液」のみを使用してトナーを得た。これを「比較トナー1M」とする。
比較用トナー1C
トナー調製例3Cにおいて、「核樹脂粒子3C分散液」のみを使用してトナーを得た。これを「比較トナー1C」とする。
比較用トナー2Bk
トナー調製例3Bkにおいて、「表層樹脂粒子1Bk分散液」のみを使用してトナーを得た。これを「比較トナー2Bk」とする。
比較用トナー2Y
トナー調製例3Yにおいて、「表層樹脂粒子1Y分散液」のみを使用してトナーを得た。これを「比較トナー2Y」とする。
比較用トナー2M
トナー調製例3Mにおいて、「表層樹脂粒子1M分散液」のみを使用してトナーを得た。これを「比較トナー2M」とする。
比較用トナー2C
トナー調製例3Cにおいて、「表層樹脂粒子1C分散液」のみを使用してトナーを得た。これを「比較トナー2C」とする。
【0116】
実施例と、実施例と等しい外径形状をもった比較例との差異をみるために、K(Bk)の単色画像について比較を行っている。本実施例のトナー1Bkの画像濃度(絶対反射濃度)1.44に対して、同条件において比較用トナー1Bkでは1.48,比較用トナー2Bkでは1.20となる。また解像度について比較を行うと、本実施例のトナー1Bkで7本/mmの解像度に対して、同条件において比較用トナー1Bkでは5本/mm、比較用トナー2Bkでは濃度が低く判別が困難であるが3本/mm程度である。
【0117】
本発明者らは、本実施例のトナー1Bk(Y,M,C)と、比較用トナー1Bk(Y,M,C)との間での画像形成特性の差異を確認するため、カラーの階調性をもったテストチャートを用い、本実施例のトナー1Bk(Y,M,C)によるカラー画像を500枚と、比較用トナー1Bk(Y,M,C)によるカラー画像を500枚のカラー画像と、併せて1000枚のプリント画像について1枚宛画像判別を行った。その結果、本実施例のトナー1Bk(Y,M,C)を用いたプリント画像は、明らかに画像階調のリニアリティにおいて優れ、広いダイナミックレンジを有し、かつ観察された画像はトナー乱れからくる粗さを感じさせない優れたものであることが確認された。
【0118】
また本発明の画像処理方法で、本発明の濃部を核とし淡部を周辺部に有した着色粒子から成るトナーを用い、画像処理に際して本来トナー粒子の付着状態が不安定になり易い、多値変調を行った場合、従来トナーを用いたときとの対比において更に本発明の優れた画像の改良効果が認められた。
【0119】
【発明の効果】
請求項1〜7の本発明による電子写真用トナー粒子は、従来トナーと比較して、階調性において優れ、高濃度部の画像に対しても必要とする画像濃度を有し、観察して得られる解像度の高い画像が得られる特性を有し、現像性や転写性においても優れた特性を有している。
【0120】
請求項8〜11の本発明による画像処理方法は、上記の本発明の電子写真用トナー粒子を用いて、更に優れた画像が得られる画像処理方法であることが認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のトナー粒子の断面形状を示す模式図。
【図2】トナー付着量と反射画像濃度との関係を示すグラフ。
【図3】濃部トナーと淡部トナーの関係を示す色相図。
【図4】本実施形態のカラープリンタの断面構成図。
【図5】像形成体の断面構成図。
【図6】画像処理システムのブロック図。
【図7】実施例Aのパルス幅変調回路と、画像濃度と参照波との比較図。
【図8】実施例Bのパルス幅変調回路と、ドットの再配分状態を示す説明図。
【図9】実施例Cのパルス幅変調回路と、画像濃度と参照波との比較図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム
11 スコロトロン帯電器
12 露光光学系
14 現像器
14a 搬送ベルト
14c 転写器
17 定着装置
20 保持部材
Claims (11)
- 粒子中の中央部に濃部と、その周辺部に淡部とを有した着色粒子からなる電子写真用トナー粒子であって、前記トナー粒子中の濃部の割合は、中央部での断面積で25〜70%であることを特徴とする電子写真用トナー粒子。
- トナー付着量が0.5mg/cm 2 の状態で、前記淡部のみからなるトナー粒子のトナー濃度は、前記濃部のみからなるトナー粒子のトナー濃度の15〜35%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー粒子。
- 前記トナー粒子の個数平均粒径は4〜10μmで、前記濃部の個数平均粒径は2〜7μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー粒子。
- 前記トナー粒子は重合法によって製造した粒子であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子写真用トナー粒子。
- 前記濃部と前記淡部とは同一色相を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子写真用トナー粒子。
- 前記濃部及び前記淡部に用いる色材は、少なくとも一部は共通の色材を使用し、色材量を変化させることを特徴とする請求項5に記載の電子写真用トナー粒子。
- 前記濃部に用いる色材量に対し、前記淡部に用いる色材量は10〜40質量%であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子写真用トナー粒子。
- 粒子中の中央部に濃部と、その周辺部に淡部とを有し、前記トナー粒子中の濃部の割合は、中央部での断面積で25〜70%である着色トナー粒子を用いて、像形成体上の潜像の現像を行うことを特徴とする画像処理方法。
- トナー付着量が0.5mg/cm 2 の状態で、前記淡部のみからなるトナー粒子のトナー濃度は、前記濃部のみからなるトナー粒子のトナー濃度の15〜35%であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理方法。
- 前記濃部と前記淡部とは同一色相を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の画像処理方法。
- 画像処理に当たって多値変換を行うことを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
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