JP4178309B2 - キトサン含有水性多彩模様塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する利用分野】
本発明は建築用仕上塗材の中の多彩模様を形成する水性塗料組成物に関し、特に、天然高分子であるキトサン膜の破砕物を多彩模様形成材料として含む塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築用仕上塗材において、意匠性は機能性と同じく製品開発の大きなテーマの一つである。近年、意匠性塗料の中で注目されているのが、「多彩模様塗料」であり、多くの戸建て住宅やプレハブ住宅の内外装に使用されている。多彩模様を形成する塗料は、JIS K 5667-1995に規定されているように、液状またはゲル状の2色以上の色の粒が懸濁したもので、1回の塗装で色散らし模様ができる塗料をいう。この様な構成を有する塗料としては、J.C.ZORAにより水系分散剤に色付けした溶剤系エナメルを分散させた水中油型塗料が代表的である(特許第231698号)。その後、種々の多彩模様塗料が開発されてきたが、いずれも色付けした有機溶剤ベース塗料および油性の分散剤等を使用したものであった。この様な多彩模様塗料は、1種以上の有機溶剤を必然的に含んでいる。
【0003】
従って、塗装時に臭気が発生して環境に悪影響を及ぼし、毒性、可燃性等の問題もあり、塗料中の有機溶剤量を低減する意義は大変大きい。この観点から、水溶性樹脂を成分とする着色水性塗料を分散媒として、ポリアミノカルボン酸誘導体で分散粒子表面をゲル化させ水に分散させた水性多彩模様塗料が、特開昭51−7035号に記載されている。また、特開平9−176529号にはヘクトライト粘土を用いた水性多彩模様塗料調合物が示されている。更に、樹脂以外の多彩模様の形成材料として、特開2000−7954号には鱗片状金属顔料および鱗片状雲母粉顔料を用いる多彩模様塗料が記述されている。これらは、水性塗料といえども特殊な着色物を使用しているため、塗料を撹拌すると着色物が破壊され均一性を失う等の欠点がある。
【0004】
更に、炭酸カルシウム等の無機物を着色したものを用いる吹付材もあるが、着色物が硬くて割れ易く、塗装物は仕上がりにおいて均一性に欠け、施工に手間を要する等の難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、環境保全や人体への安全性並びに塗料の低VOC化、脱溶剤化を目指し、多彩模様塗料を形成する種々問題のある現行素材に代わり、環境や人体に優しい天然高分子の利用を図るべく鋭意研究した結果、キトサン膜が新しい素材となり得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、このような水性塗料や水性多彩模様塗料の意匠性を形成する着色素材として、天然高分子を用いより安全性の高い塗料を提供するものであり、有機溶剤低減、環境への負荷低減並びに塗料の低VOC化に寄与できるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1のものは無機系および/または有機系顔料により着色されたキトサン膜の破砕物を2色以上、塗料中に1〜40重量%含有するキトサン含有水性多彩模様塗料組成物に関する。
【0008】
第1発明において、無機系および/または有機系顔料により着色されたキトサン膜は、キトサン/酸イオン錯体液に上記顔料を添加し、同液を例えば塗布し塗布層を乾燥して形成したものである。
【0009】
本発明による第2のものは、キトサン膜により被覆された2種以上の無機系および/または有機系顔料を塗料中に1〜40重量%含有するキトサン含有水性多彩模様塗料組成物に関する。
【0010】
第2発明において、キトサン膜により被覆された2種以上の無機系および/または有機系顔料は、例えば、上記顔料を塩化カルシウム水溶液に添加し、次いでキトサン/酸イオン錯体液を添加することにより形成したものである。
【0011】
第2発明において、キトサン膜により被覆された2種以上の無機系および/または有機系顔料は、上記顔料をキトサン/酸イオン錯体液に添加し、次いで塩化カルシウム水溶液を添加することにより形成したものであってもよい。
【0012】
このように、キトサン膜により被覆された2種以上の無機系および/または有機系顔料を得るには、上記顔料とキトサン/酸イオン錯体液に塩化カルシウムを共存させるのが好ましい。
【0013】
本発明の基本構成成分となるキトサンは、蟹や海老等の甲羅を粉砕して得られるキチン質を脱アセチル化した化合物で、主に食品添加物や健康食品等に多用されている。しかし、キトサンは水や溶剤に溶けず、イオン的に凝集作用を起こし易いとの理由から、一部の無機系粉体塗材に添加剤的に利用されているにすぎない。本発明の特徴は、かかるキトサンの使用制約をできるだけ排除し、水性塗料の構成成分の一つとして応用できる様にした点にある。また、本発明の塗料組成物に含まれるキトサンは、同組成物を内装塗材に用いる場合、キトサンの持つホルムアルデヒドの吸着や悪臭成分の吸着脱臭、抗菌作用を発揮できる点で好ましい素材である。
【0014】
本発明による水性塗料組成物およびこれに含ませるキトサン膜調製法について、以下に具体的に説明をする。
【0015】
キトサンは、カルシウムと蛋白質の複合体であるキチンを脱アセチル化したものであり、アミノ基を有する唯一の多糖である。キチンは、蟹や海老等の甲殻類の甲羅、昆虫の外皮殻等の成分として地球上に広く分布している天然高分子の一つである。キトサンは白色ないし深紅色の固体で、水や有機溶剤に不溶な食物繊維の一種であり、従来は食品工場から出る蛋白質を含む排水や活性汚泥の凝集剤として使用されてきた。その後、これは、化粧品、人工皮膚、繊維、食品素材等に使用範囲が増大し、最近では、成人病(生活習慣病)に対する機能性食品として注目を浴び、既に食品添加物として厚生省の指定を受け、一般食品の原料や健康食品向けの展開も行われている。
【0016】
この様にキトサンは天然に産出し、アミノ基や水酸基等の反応性の高い官能基を有しているところから、悪臭成分の吸着、ホルムアルデヒドの吸着、抗菌作用および生分解性等の優れた性質を持つ。しかし、これら優れた機能を生かした水性塗料は従来殆ど検討されていなかった。これはキトサン自体が水や溶剤に不溶である点、また、溶剤である酸の水溶液中ではポリカチオン性を示すために、水性塗料に多く用いられているアニオン性乳化剤やアニオン性の添加剤と反応し凝集する点に起因していると考えられる。
【0017】
キトサンは、塩酸、酢酸や有機酸と水中で容易に反応し、イオン錯体を形成する。このイオン錯体は、乾燥すると薄膜を形成するが、この膜は水に再溶解する性質を持っている。この膜をアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩の水溶液で処理すると、無色透明のキトサン膜が生成する。得られたキトサン膜は水や溶剤に不溶で、乾燥膜は非常に強固であるにも拘らず、水中では膨潤し、柔軟性をもつ薄膜として存在する。この薄膜を水中またはエマルション樹脂中で適度に攪拌すると雲母状のフィルムとして粉砕されることもなく、安定な状態を保つ。ただし、このキトサン膜は酸性水溶液(pH=1〜4)や同様のpHを有するエマルション樹脂中では再溶解し、粘稠液を与える。通常、建築用の内外装仕上塗材に使用されるエマルション樹脂である、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、アクリル変性フッ素樹脂、ウレタン樹脂等のpH域は、pH=5〜9とほぼ中性ないしアルカリ性であり、大抵の場合、キトサン膜が再溶解することはない。
【0018】
一方、キトサンの微粒子化は、キトサンを酸水溶液に溶解させた後、得られた溶液をアルカリ凝固液に滴下する方法や、キトサン分散液を機械的に処理する方法が知られているが、これらはアルカリ処理の問題や破砕装置の使用等の問題があり、有効な方法とは言えなかった。
【0019】
つぎに、本発明によるキトサン膜含有水性多彩模様塗料組成物の各成分について、詳しく説明をする。
【0020】
水性塗料用エマルション樹脂;一般に、水性塗料に用いるエマルション樹脂はアクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、アクリル変性フッ素樹脂である。ただし、アニオン系界面活性剤を用いて乳化されている樹脂は、カチオン性を示すキトサン溶液と反応し凝集を起こすので、使用には不向きである。この際、アニオン系界面活性剤にノニオン系界面活性剤が併用されていれば、特にアニオン系界面活性剤より多く使用されている場合には、上記凝集作用は緩和される。これは反応性乳化剤を使用した系でも同様な結果を示す。しかし、キトサンはアニオン系界面活性剤との相性から、経時的に粘度が高くなる等の問題点がある。この様に、キトサン溶液を汎用のエマルション樹脂に添加し、塗料化するには、幾つかの制限があった。
【0021】
本発明の多彩模様塗料に用いるキトサン膜は、酸性条件下で生成するイオンコンプレックスではなく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、特に塩化カルシウムにより錯体塩を形成し、安定化されているので、塗料に利用するエマルション樹脂は、上述の様な制限が排除され、カチオン性界面活性剤単独、ノニオン性界面活性剤単独、ノニオン/アニオン併用系界面活性剤の何れの乳化系で合成されたものにも適用可能である。
【0022】
キトサン;本発明の構成要素であるキトサンは、市販されているものを使用することができ、分子量、粉末の粒径およびキチンの脱アセチル化度の差異が最終塗料へ与える影響は殆どない。得られた顔料皮膜の強さを向上させる点で、より分子量の大きなキトサンを使用する方が望ましい。
【0023】
キトサン/酸イオン錯体膜の合成;用いる酸は、硫酸や燐酸等以外は特に限定されないが、酢酸、塩酸、蟻酸、アクリル酸、乳酸およびリンゴ酸等の無機酸や有機酸が例示的に挙げられる。望ましいのは臭気の少ない乳酸、リンゴ酸等の有機酸の水溶液である。この際、使用する酸の濃度および酸の量には特に制限はないが、キトサンの濃度が高くなるに伴い粘度が上昇し撹拌が困難と なるので、キトサンの添加量は、酸の水溶液100重量部に対し好ましくは1〜10重量部である。
【0024】
キトサン膜の合成;得られたキトサン/酸イオン錯体液の乾燥膜を水酸化ナトリウム水溶液または塩化カルシウム水溶液等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩の水溶液、またはアンモニアやピリジン等の含窒素化合物の水溶液中に浸漬する。これら各水溶液の濃度は限定されないが、高濃度のものは特に必要なく低濃度の液でよい。膜を液に浸漬し引き上げて乾燥させると、ほぼ無色透明のキトサン膜が得られる。得られたキトサン膜は、シンナーおよびアルコール等の有機溶剤、また水に不溶である。通常、アルカリ性を示す水溶液では、廃水処理の問題があるので、塩化カルシウム水溶液を使用するのが好ましい。
【0025】
多彩模様形成着色体;市販の樹脂分散型着色顔料を水酸化ナトリウムや塩化カルシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩の水溶液に添加すると、着色顔料の表層が被覆化され、一種のゲル化現象を起こす。このゲル化物を低速攪拌により適度に粉砕し濾取し、十分水洗し乾燥後、多彩模様を形成する材料として用いた場合、ローラー塗りまたは刷毛塗りすると被覆顔料が破壊され、2色以上の色が混合され、多彩模様にはならない。これは、表層被覆化された着色顔料の強度が弱く、塗布時の機械的な塗布圧力に耐えられないことが原因と考えられる。このゲル化した着色顔料の液にキトサン/酸イオン錯体液を適量添加したものを攪拌により適度に粉砕し濾取し、十分に水洗し乾燥後、得られたキトサン膜被覆顔料を、先と同様に、多彩模様を形成する材料として用いた結果、ローラー塗りおよび刷毛塗り共に、2色以上の顔料が破壊・混合されることなく、多彩模様となることが認められ、多彩模様塗料を形成する素材となり得る。
【0026】
これらキトサン被覆着色体は塗料に2色以上添加することで、多彩模様を形成するが、その添加量は塗料の塗装作業性を損ねない条件下では特に制限はない。具体的には、塗料100重量部(固形分)に対し0.01〜30重量部であるが、キトサン膜自体の持つ諸機能が発揮され、更に意匠性等を考慮すると、1〜20重量部が好ましい。
【0027】
本発明による水性塗料組成物は、上記の合成方法により得られたキトサン膜を含有させて多彩模様塗料組成物である。これは、建築用仕上塗材の構成成分として、防腐剤、酸化防止剤、体質顔料、粘性調整剤、レベリング剤、消泡剤、分散剤、成膜助剤、湿潤剤、難燃剤、増粘剤等の添加剤を適宜含む。ただし、キトサン膜を完全に溶解させる様な添加剤の使用は好ましくない。また、本発明の塗料組成物は主に建築用内装材として設計されるが、外壁材に適用する場合には耐候性を向上させる目的で、光安定剤や紫外線吸収剤を必要に応じ、キトサン膜や塗料中に添加することも可能である。
【0028】
この様にして調製された塗料は、スプレー塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等の塗装法により、新築および改修建物の一般内部、浴室や洗面所等の水周り部に塗布できる。また、一般適用下地としては、外壁部を含めコンクリート、モルタル、石綿スレート板や石膏ボード等の無機質系ボード類、塩化ビニールクロス、壁紙等が例示的に挙げられる。塗装に際しては、下地の状態に適した下処理を行うことが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
本発明のキトサン膜を含有する水性塗料組成物は、建築用仕上内外装塗材に使用でき、従来の石油由来の添加剤に代わり天然素材を用いる事で、水性塗料の更なる低VOC化および脱溶剤化に寄与し、ひいては環境や産業廃棄物への負荷低減に有用なものである。
【0030】
また、内装面に使用する場合には、キトサンによるホルムアルデヒド吸着、臭い成分の吸着、抗菌性等の作用も発現される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に従って説明するが、これにより本発明を限定するものではない。
【0032】
実施例1(着色キトサン膜の合成)
300mlのプラスチック製ビーカーに蒸留水180gと乳酸10gを入れ、室温下撹拌機で混合した。混合液に市販のキトサン粉末(甲陽ケミカル社製、SK−50)10gを徐々に加え、90分間撹拌させたところ、淡黄色透明の粘稠液体が得られた。この液200gに茶系顔料(例示的に、チバスペシャルティーケミカルズ社、ユニスパース−SRED OXIDE R-S)2gを添加し、更に10分間撹拌させた。得られた液を、約0.8mmのスペーサーを両端に貼り付けたガラス板に金属ヘラでフラットに塗り付け、室温で16時間、次いで40℃の恒温槽内で8時間乾燥させたところ、赤錆色のキトサン/乳酸錯体膜約11gを得た。この膜を10%塩化カルシウム水溶液中に浸漬し、引き上げて、数回水洗した後、40℃の恒温槽内で16時間乾燥させ、赤錆色キトサン膜を得た。同様にして、黄色、青色、緑色等の原色、更にこれらを任意に混合してできる色についてもキトサン膜を得た。このキトサン膜を約2mm以下の大きさの鱗片状に細かく切断した。
【0033】
実施例2(着色キトサン膜の合成)
300mlのプラスチック製ビーカーに蒸留水180gと乳酸10gを入れ、室温下撹拌機で混合した。混合液に市販のキトサン粉末(甲陽ケミカル社製、SK−50)10gを徐々に加え、90分間撹拌させたところ、淡黄色透明の粘稠液体が得られた。この液200gにオーカー系顔料(例示的に、チバスペシャルティーケミカルズ社、ユニスパース−SYELLOW OXIDE M-S)3gと市販の二酸化チタン(タイオキサイド社)5g、分散湿潤剤(サンノプコ社、SN-2020)2gを添加し、更に20分間撹拌した。得られた液を、約0.8mmのスペーサーを両端に貼り付けたガラス板に金属ヘラでフラットに塗り付け、室温で16時間、次いで40℃の恒温槽内で8時間乾燥させたところ、淡黄色のキトサン/乳酸錯体膜約14gを得た。この膜を10%塩化カルシウム水溶液中に浸漬し、引き上げて数回水洗した後、40℃の恒温槽内で16時間乾燥させ、クリーム色のキトサン膜を得た。同様にして、青色、緑色、黒色、茶色等の色を任意に混合してできる色についてもキトサン膜を得た。このキトサン膜を約2mm以下の大きさの鱗片状に細かく切断した。
【0034】
実施例3(キトサン膜被覆着色体の合成)
市販の無機および有機顔料(界面活性剤分散型、樹脂分散型を含む、例示的にチバスペシャルティーケミカルズ社、ユニスパース−S、 YELLOW OXIDE M-S)5gを20%塩化カルシウム水溶液20gに注ぎ込んだ。ディスパーサーで約10分間低速攪拌(200〜400rpm)した後、実施例1と同様にして調製したキトサン/乳酸錯体液20gを加えて、更に10分間攪拌を行った。こうして適度に被覆顔料を粉砕した後、濾取し、十分に水洗し、乾燥させ、黄土色のキトサン膜被覆着色破砕物を合成した。別途、同じ系に二酸化チタン2重量部を加え、淡クリーム系色の着色破砕物を調製した。同様にして、青色、緑色、茶色、黒色、白色等の色を任意に混合してできる色のキトサン膜被覆着色破砕物を合成した。得られたキトサン膜被覆着色体は、粒径1mm以下の粉体であった。
【0035】
実施例4(キトサン膜含有塗料の調製と塗装)
汎用のノニオン/アニオン系界面活性剤により合成されたスチレン/アクリル共重合エマルション樹脂(固形分=約50%)55重量部、水12重量部、防腐剤0.1重量部、炭酸カルシウム25重量部、セルロース系増粘剤0.1重量部、非シリコーン系水性消泡剤0.3重量部、レオロジーコントロール剤1.0重量部、ノニオン系分散剤とアニオン系分散剤計1.5重量部から構成される塗料組成物をディスパーサーで均一になるまで十分撹拌した後、その中に実施例で得られた数種の着色キトサン膜被覆着色破砕物を数種混合したものを5重量部添加し、更に数分間撹拌し、キトサン膜含有塗料を調製した。
【0036】
石膏ボード(30cm×20cm)にアクリル樹脂系プライマー(恒和化学工業社、エコシーラーホワイトまたはワイドシーラーホワイト)を標準塗布量塗り、数時間乾燥後、上記塗料を中毛ローラーにて塗布した。また、同様に下地を処理した別の石膏ボードに万能ガン(口径4または5mm)を用いて上記塗料を吹付塗装をした。
【0037】
実施例5(キトサン包接着色体含有塗料の調製と塗装)
汎用なノニオン/アニオン系界面活性剤により合成されたアクリルエマルション樹脂(固形分=約50%)30重量部、水15重量部、二酸化チタン5重量部、炭酸カルシウム25重量部、セルロース系増粘剤0.1重量部、非シリコーン系水性消泡剤0.3重量部、レオロジーコントロール剤0.5重量部、ノニオン系分散剤とアニオン系分散剤計1.5重量部および防腐剤0.1重量部から構成される塗料組成物をディスパーサーで均一になるまで十分撹拌した後、実施例3で得られたキトサン膜被覆着色破砕物(例示的には茶系6重量部、白色系10重量部、灰色系4重量部、および黄白色系2.5重量部の混合物)を添加し、数分間撹拌した。実施例4と同様にプライマー処理した石膏ボード(30cm×20cm)に上記塗料を中毛ローラーで塗布した。また、万能ガン(口径5.5φ)を用いて上記塗料を吹付塗装を行った。
【0038】
性能評価
実施例により得られた塗膜の性能を次に示す性能試験により評価した。評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
*)性能評価試験の項目は、JIS K 5667(1995)に準拠した。
一部の方法については、JIS K 5663(1995)に従った。
Claims (5)
- 無機系および/または有機系顔料により着色されたキトサン膜の破砕物を2色以上、塗料中に1〜40重量%含有するキトサン含有水性多彩模様塗料組成物。
- 無機系および/または有機系顔料により着色されたキトサン膜が、キトサン/酸イオン錯体液に上記顔料を添加し、同液から形成したものである、請求項1記載のキトサン含有水性多彩模様塗料組成物。
- キトサン膜により被覆された2種以上の無機系および/または有機系顔料を塗料中に1〜40重量%含有するキトサン含有水性多彩模様塗料組成物。
- キトサン膜により被覆された2種以上の無機系および/または有機系顔料が、上記顔料を塩化カルシウム水溶液に添加し、次いでキトサン/酸イオン錯体液を添加することにより形成したものである、請求項3記載のキトサン含有水性多彩模様塗料組成物。
- キトサン膜により被覆された2種以上の無機系および/または有機系顔料が、上記顔料をキトサン/酸イオン錯体液に添加し、次いで塩化カルシウム水溶液を添加することにより形成したものである、請求項3記載のキトサン含有水性多彩模様塗料組成物。
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