JP6638534B2 - キトサン含有着色塗料、キトサン含有着色ゲル粒子および塗料組成物 - Google Patents

キトサン含有着色塗料、キトサン含有着色ゲル粒子および塗料組成物 Download PDF

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本発明は、キトサン含有着色塗料、キトサン含有着色ゲル粒子および塗料組成物に関する。
液状またはゲル状の2色以上の着色粒子が懸濁した多彩模様塗料は、1回の塗装で散らし模様ができることから、壁材等の装飾に利用されている。
多彩模様塗料等に用いられるゲル状の着色粒子(着色ゲル粒子)として、キトサンと酸水溶液と着色剤とを含む着色塗料を用いたものが知られている。このような着色塗料においては、キトサンと酸とがイオン錯体を形成しており、塩化カルシウム水溶液等の分散媒と接触させると、着色塗料の表面がゲル化してキトサン膜が形成される(例えば特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載の着色ゲル粒子は安定が低い問題がある。例えば、該着色ゲル粒子を含有する塗料の保管時に、着色ゲル粒子同士が付着して再分散できなくなったり、着色ゲル粒子から漏れ出した着色剤によって塗料が濁ったりする。その結果、鮮明な多彩模様が得られない問題があった。
特開2003−306646号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、安定性に優れたキトサン含有着色ゲル粒子が得られるキトサン含有着色塗料、安定性に優れたキトサン含有着色ゲル粒子およびこれを用いた塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]キトサンと、酸と、水と、四級アンモニウム塩基を有するカチオン化多糖類と、着色剤とを含むことを特徴とするキトサン含有着色塗料。
[2]前記カチオン化多糖類の含有量が、前記キトサン100質量部に対して6.0〜200質量部である[1]に記載のキトサン含有着色塗料。
[3]前記[1]または[2]に記載のキトサン含有着色塗料を用いたキトサン含有着色ゲル粒子。
[4]前記[3]に記載のキトサン含有着色ゲル粒子を含む塗料組成物。
本発明のキトサン含有着色塗料によれば、安定性に優れたキトサン含有着色ゲル粒子が得られる。
本発明のキトサン含有着色ゲル粒子は、安定性に優れる。
本発明の塗料組成物に含まれるキトサン含有着色ゲル粒子は、安定性に優れる。
<キトサン含有着色塗料>
本発明のキトサン含有着色塗料(以下、単に「着色塗料」とも記す。)は、キトサンと、酸と、水と、四級アンモニウム塩基を有するカチオン化多糖類と、着色剤とを含む。
キトサンとしては、特に限定されず、市販品を用いることができる。
キトサンの脱アセチル化度は、希酸への溶解性の点から、75%以上が好ましい。キトサンの脱アセチル化度は、コロイド滴定法により測定される。
キトサンの分子量は、100万以上が好ましい。分子量が前記範囲の下限値以上であれば得られる着色ゲル粒子の強度が優れる。キトサンの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される標準プルラン(例えば昭和電工株式会社製)換算の重量平均分子量である。
酸は、キトサンと酸とのイオン錯体を形成し、キトサンを水に溶解させるために用いられる。着色塗料を後述する分散媒に接触させたときに、着色塗料の表面でイオン錯体がゲル化し、キトサンを含む皮膜が形成される。
酸としては、水に溶解し、キトサンとイオン錯体を形成するものであれば特に限定されず、例えば塩酸、硝酸等の無機酸;酢酸、ギ酸、アクリル酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸等の有機酸等が挙げられる。これらの酸は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの中では、臭気とコストの点で、乳酸、リンゴ酸、塩酸が好ましい。
カチオン化多糖類は、カチオン性基を有する多糖類である。本発明においてはカチオン性基として少なくとも四級アンモニウム塩基を有する多糖類が用いられる。四級アンモニウム塩基を有するカチオン化多糖類が着色塗料に含まれることで、得られるキトサン含有着色ゲル粒子の安定性が優れる。
カチオン化多糖類としては、例えば、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グアルゴム、カチオン化ローカストビーンガム等が挙げられる。
四級アンモニウム塩基としては、例えば下記式(1)で表される基が挙げられる。
−N・X・・・(1)
式中、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基を示し、Xは対イオンを示す。
〜Rにおけるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基等が挙げられる。
としては、四級アンモニウムイオンと塩を形成可能なものであればよく、例えばCl、F、Br、I等のハロゲン化物イオン等が挙げられる。
カチオン化多糖類における四級アンモニウム塩基の含有量は、デュマ法により測定される窒素の値として、0.4〜3.0重量%が好ましく、1.0〜2.0重量%がより好ましい。
カチオン化多糖類は、市販のものを用いることができる。公知の方法により製造したものを用いてもよい。例えばグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン化剤と多糖類とを反応させることでカチオン化多糖類が得られる。
着色剤としては、例えばカーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、クロム酸鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド等の無機顔料;パール顔料、マイカ顔料、マイカコーティングパール顔料、アルミニウム粉、ステンレス粉等の光輝性顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド等の有機顔料等が挙げられる。これら着色剤は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
本発明の着色塗料は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、キトサン、酸、前記カチオン化多糖類および着色剤以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分としては、例えば樹脂エマルション、体質顔料、公知の添加剤等が挙げられる。
樹脂エマルションとしては、一般に市販されている樹脂エマルションを使用することができ、例えばポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル、ベオバ(分岐脂肪酸ビニルエステル)、天然又は合成ゴムや、それらの共重合体のエマルション等が挙げられる。これらの樹脂エマルションは1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。中でも、アクリル樹脂のエマルションが好ましい。
体質顔料としては、例えばカオリン、硫酸バリウム、含水ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの体質顔料は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、例えば増粘剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、レベリング剤等が挙げられる。
本発明の着色塗料中、酸の含有量は、キトサン100質量部に対して20〜150質量部が好ましく、60〜90質量部がより好ましい。酸の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、キトサンの溶解性が良好で、前記範囲の上限値以下であれば、着色ゲル粒子の強度が良好である。
本発明の着色塗料中、水の含有量は、着色塗料の全質量(100質量%)に対して40〜97質量%が好ましい。
本発明の着色塗料中、前記カチオン化多糖類の含有量は、キトサン100質量部に対して6.0〜200質量部が好ましく、6.0〜100質量部がより好ましく、6.0〜50質量部がさらに好ましい。前記カチオン化多糖類の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、キトサン含有着色ゲル粒子の安定性がより優れる。前記カチオン化多糖類の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、キトサン含有着色ゲル粒子の強度が高く、この着色ゲル粒子を含む塗料組成物の塗装時に、スプレー法で塗装した場合でも、キトサン含有着色ゲル粒子の形状が崩れにくい。そのため、形成される塗膜におけるキトサン含有着色ゲル粒子由来の模様が鮮明になる。
本発明の着色塗料中、着色剤の含有量は、キトサンと酸と水と前記カチオン化多糖類との合計100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.1〜30質量部がより好ましい。
本発明の着色塗料は、キトサンと、酸と、水と、前記カチオン化多糖類と、着色剤と、必要に応じて他の成分とを混合することにより調製できる。各成分の混合順序は特に限定されない。例えば、酸の水溶液にキトサンおよび前記カチオン化多糖類を加えて撹拌混合し、得られた混合物に着色顔料を加えて撹拌混合することで本発明の着色塗料を得ることができる。
(作用効果)
以上説明した着色塗料にあっては、キトサンと、酸と、水と、着色剤とを含むため、後述するように分散媒と接触させることで、キトサン含有着色ゲル粒子が得られる。また、四級アンモニウム塩基を有するカチオン化多糖類を含むため、得られるキトサン含有着色ゲル粒子の安定性が優れる。
例えば、本発明の着色塗料を用いて得られるキトサン含有着色ゲル粒子は、塗料組成物中で長期間保管されたときに、着色ゲル粒子同士の凝集が生じにくい。保管中に着色ゲル粒子が沈降しても、塗料組成物を振とうさせる等の簡単な操作で、着色ゲル粒子を分散媒に再分散させることができる。また、保管中に着色ゲル粒子から着色剤が漏れ出して塗料組成物が濁る等の不具合が生じにくい。
また、本発明の着色塗料を用いて得られるキトサン含有着色ゲル粒子は、強度に優れる。特に、カチオン化多糖類の含有量がキトサン100質量部に対して6.0〜100質量部の範囲内である場合には、スプレー塗装のような、キトサン含有着色ゲル粒子にかかる負荷が大きい塗装方法で塗料組成物を塗布した場合でも、キトサン含有着色ゲル粒子の形状が崩れにくい。そのため、キトサン含有着色ゲル粒子に由来して塗膜に形成される模様が鮮明になる。したがって、キトサン含有着色ゲル粒子は、塗料中だけでなく単独で保管したときの安定性にも優れる。
<キトサン含有着色ゲル粒子>
本発明のキトサン含有着色ゲル粒子(以下、単に「着色ゲル粒子」とも記す。)は、前述の本発明の着色塗料を用いたものである。
本発明の着色塗料に分散媒を接触させると、着色塗料の表面がゲル化して皮膜が形成される。これにより、皮膜と該皮膜に内包された着色塗料とから構成される着色ゲル粒子が得られる。この皮膜には少なくともキトサンおよびカチオン化多糖類が含まれる。
着色ゲル粒子の形状としては、特に限定されない。
(分散媒)
分散媒は、ゲル化剤を含む水溶液である。
ゲル化剤としては、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニア水等が挙げられる。これらゲル化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも塩化カルシウムが好ましい。
分散媒は、必要に応じて、ゲル化剤以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば水溶性高分子化合物、体質顔料、公知の添加剤等が挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。中でもカルボキシメチルセルロースまたはメチルセルロースが好ましい。
体質顔料としては、着色塗料の説明において先に例示した体質顔料が挙げられる。
添加剤としては、着色塗料の説明において先に例示した添加剤が挙げられる。
分散媒中、ゲル化剤の含有量は、分散媒の全質量(100質量%)に対し、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。ゲル化剤の含有量が上記範囲内であれば、安定した皮膜が得られやすくなる。
分散媒中、水溶性高分子化合物の含有量は、分散媒の全質量(100質量%)に対し、0.05〜3質量%が好ましい。
分散媒は、例えば、ゲル化剤を含む水溶液を用意し、必要に応じて水溶性高分子化合物を含む水溶液、体質顔料を含む分散液等とを撹拌混合し、水を加えて希釈することにより得られる。
(着色ゲル粒子の製造方法)
本発明の着色ゲル粒子は、本発明の着色塗料と分散媒とを接触させる工程を経て製造される。本発明の着色ゲル粒子の製造方法としては、例えば以下の(1)〜(3)の方法が挙げられる。
(1)本発明の着色塗料の乾燥膜を形成し、該乾燥膜を分散媒に浸漬してゲル化させ、ゲル化した膜を分散媒から引き上げて任意の大きさに切断する方法。
(2)本発明の着色塗料を分散媒に投入し、ディソルバ等の分散機で撹拌しながら細分化する方法。
(3)本発明の着色塗料を、製造する着色ゲル粒子の形状に成形し、成形した着色塗料を乾燥させることなく分散媒に移動させる方法。
上記(3)の方法において、着色塗料を所定の形状に成形する方法としては、例えば、印刷等により着色塗料を担体上に塗布し、該着色塗料を担体ごと、または担体から分離させて分散媒へ移動させるする方法(特開2015−71733号公報)、所定の形状の網の目を有する網状体を着色塗料に浸漬し、引き上げて網の目に着色塗料の膜を張り、該網状体を分散媒に浸漬して着色塗料の膜を分散媒に移動させる方法(特開2015−813337号公報)、着色塗料をノズルで分散媒へ直接滴下し移動させる方法等が挙げられる。
担体上または網状体の網の目に形成する着色塗料の膜の厚さは、特に制限されないが、通常、10〜300μm程度である。
上記(2)、(3)の方法では、着色ゲル粒子が分散媒に分散した分散液が得られる。この分散液をそのまま塗料組成物の調製に用いてもよいし、分散液から着色ゲル粒子を回収し、回収した着色ゲル粒子を塗料組成物の調製に用いてもよい。
≪塗料組成物≫
本発明の塗料組成物は、前述の本発明の着色ゲル粒子を含む。
塗料組成物に含まれる着色ゲル粒子は1種でもよく2種以上でもよい。塗料組成物が色調の異なる2種以上の着色ゲル粒子を含む場合、該塗料組成物を多彩模様塗料として用いることができる。
塗料組成物には、着色ゲル粒子を分散する分散媒が含まれる。塗料組成物の分散媒としては、水、着色ゲル粒子の説明において挙げた分散媒等が挙げられる。
塗料組成物には、必要に応じて、樹脂エマルション、公知の添加剤等が含まれてもよい。塗料組成物が樹脂エマルションを含む場合、樹脂エマルションに含まれる水が塗料組成物の分散媒を兼ねてもよい。
樹脂エマルションは、バインダの役割を果たす。樹脂エマルションとしては、着色塗料の説明において先に例示した樹脂エマルションが挙げられ、アクリル樹脂エマルションが好ましい。
添加剤としては、着色塗料の説明において先に例示した添加剤が挙げられる。
塗料組成物中、着色ゲル粒子の含有量は、特に限定されないが、塗料組成物の全質量(100質量%)に対し、5〜80質量%が好ましい。
塗料組成物中、樹脂エマルションの含有量は、固形分換算量として、塗料組成物の全質量(100質量%)に対し、10〜50質量%が好ましい。樹脂エマルションの含有量が上記範囲内であれば、塗料組成物の塗装作業性がよく、耐久性のよい塗膜が得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の各例中、「部」は「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示す。
各例で使用した材料を以下に示す。
<使用材料>
キトサン:甲陽ケミカル株式会社製「コーヨーキトサンSK−200」、脱アセチル化度90%、分子量200万。
カチオン化HEC:塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製「レオガード(登録商標)MLP」。
カチオン化ローカストビーンガム:ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、東邦化学工業株式会社製「カチナール(登録商標)CLB−100」。
HEC:ヒドロキシエチルセルロース、ダイセルファインケム社製「HECダイセルSP600」。
カチオン化PVA:四級アンモニウム塩基含有変性ポリビニルアルコール、日本合成化学社製「ゴーセネックス(登録商標)K−434」。
PVA:ポリビニルアルコール、日本合成化学社製「ゴーセノール(登録商標)GM−14」。
CMC:カルボキシメチルセルロース、ダイセルファインケム社製「CMCダイセル2260」。
メチルセルロース水溶液:信越化学工業株式会社製「メトローズ(登録商標)SM−25」。
アクリル樹脂エマルション:DIC株式会社製「ボンコート(登録商標)CF−6140」。
<実施例1〜7、比較例1〜4>
(着色塗料の製造)
表1〜2に示す組成に従い、以下の手順で各材料を混合して着色塗料を製造した。
5%乳酸水溶液を入れたステンレス容器に、表1〜2中の乳酸水溶液および着色剤以外の材料を添加し、室温にて90分間攪拌し、透明な液体を得た。その後、着色剤を添加し、着色塗料を得た。
(着色ゲル粒子の製造)
塩化カルシウム水溶液とメチルセルロース水溶液とを混合して、塩化カルシウム濃度1%、メチルセルロース濃度0.8%の分散媒200gを調製した。
上記着色塗料100gを上記分散媒200gと接触させて、着色ゲル粒子の水分散液を得た。着色塗料と分散媒との接触は、着色塗料を0.2mmのスペーサーを両端に貼り付けたアクリル板しごき塗りを行い、アクリル板ごと分散媒に浸漬し、分散媒中でアクリル板から着色ゲル粒子を剥離することによって行った。
上記着色ゲル粒子の水分散液から、濾過にて着色ゲル粒子を回収した。
幅2mm長さ10mm厚み0.2mmの着色ゲル粒子が多数得られた。
(塗料組成物の製造および評価)
上記着色ゲル粒子100部に対してアクリル樹脂エマルション80部を添加し、塗料組成物を得た。
得られた塗料組成物について、以下の評価を行った。ただし、安定性評価の結果が×であった比較例1〜4については、スプレー評価は行わなかった。結果を表1〜2に示す。
「安定性評価」
塗料組成物を、50℃にて1ヶ月間保管した。保管後の塗料組成物中の着色ゲル粒子の安定状態(着色ゲル粒子同士の凝集のない均一な状態であるかどうか、着色ゲル粒子の膜の破れに伴う塗料組成物の濁りがないかどうか)を目視にて確認し、以下の基準で安定性を評価した。
○:着色ゲル粒子が均一な状態であり、再分散できる。
×:着色ゲル粒子が不均一な状態であり、塗料組成物に濁りがある。
「スプレー評価」
基材(アクリル板)の表面に、上記安定性評価で50℃、1ヶ月間保管した後の塗料組成物をスプレーにより塗布し、常温で乾燥して塗膜を形成した。得られた塗膜の状態(着色ゲル粒子による模様の鮮明さ)を目視にて確認し、以下の基準で評価した。塗膜の模様が鮮明であることは、着色ゲル粒子の強度が高く、スプレー塗装時に着色ゲル粒子の形状が崩れなかったことを示す。
○:塗膜の模様が鮮明であった。
×:塗膜の模様に不鮮明な部分があった。
Figure 0006638534
Figure 0006638534
上記結果に示すように、実施例1〜7で得られた着色ゲル粒子は、塗料中での安定性に優れていた。特に、カチオン化多糖類の含有量がキトサン100質量部に対して6.0〜100質量部である実施例1〜5、7の着色ゲル粒子は強度が高く、スプレー塗装時に形状が崩れなかった。
一方、四級アンモニウム塩基を有するカチオン化多糖類の代わりにカチオン化されていない多糖類を用いた比較例1、多糖類ではないカチオン化高分子化合物を用いた比較例2、アニオン化多糖類を用いた比較例3の着色ゲル粒子は、それらを用いていない比較例4と同様、安定性が悪かった。

Claims (4)

  1. キトサンと、酸と、水と、四級アンモニウム塩基を有するカチオン化多糖類と、着色剤とを含むことを特徴とするキトサン含有着色塗料。
  2. 前記カチオン化多糖類の含有量が、前記キトサン100質量部に対して6.0〜200質量部である請求項1に記載のキトサン含有着色塗料。
  3. 請求項1または2に記載のキトサン含有着色塗料を用いたキトサン含有着色ゲル粒子。
  4. 請求項3に記載のキトサン含有着色ゲル粒子を含む塗料組成物。
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