JP2003306646A - キトサン含有水性多彩模様塗料組成物 - Google Patents

キトサン含有水性多彩模様塗料組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性塗料や水性多彩模様塗料の意匠性を形成
する着色素材として、天然高分子を用いより安全性の高
い塗料を提供する。 【解決手段】 無機系および/または有機系顔料により
着色されたキトサン膜の破砕物を2色以上、塗料中に1
〜40重量%含有するキトサン含有水性多彩模様塗料組
成物である。無機系および/または有機系顔料により着
色されたキトサン膜は、キトサン/酸イオン錯体液に上
記顔料を添加し、同液から形成する。 【効果】 本発明の塗料組成物は、ホルムアルデヒド吸
着、悪臭成分の吸着及び抗菌作用等の機能を持つ天然高
分子キトサンを用いた水性塗料で、キトサン膜を多彩模
様の形成材料として利用し、有機溶剤の低減及び環境に
対する負荷低減に寄与えきる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は建築用仕上塗材の中
の多彩模様を形成する水性塗料組成物に関し、特に、天
然高分子であるキトサン膜の破砕物を多彩模様形成材料
として含む塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】建築用仕上塗材において、意匠性は機能
性と同じく製品開発の大きなテーマの一つである。近
年、意匠性塗料の中で注目されているのが、「多彩模様
塗料」であり、多くの戸建て住宅やプレハブ住宅の内外
装に使用されている。多彩模様を形成する塗料は、JIS
K 5667-1995に規定されているように、液状またはゲル
状の2色以上の色の粒が懸濁したもので、1回の塗装で
色散らし模様ができる塗料をいう。この様な構成を有す
る塗料としては、J.C.ZORAにより水系分散剤に色付けし
た溶剤系エナメルを分散させた水中油型塗料が代表的で
ある(特許第231698号)。その後、種々の多彩模
様塗料が開発されてきたが、いずれも色付けした有機溶
剤ベース塗料および油性の分散剤等を使用したものであ
った。この様な多彩模様塗料は、1種以上の有機溶剤を
必然的に含んでいる。
【0003】従って、塗装時に臭気が発生して環境に悪
影響を及ぼし、毒性、可燃性等の問題もあり、塗料中の
有機溶剤量を低減する意義は大変大きい。この観点か
ら、水溶性樹脂を成分とする着色水性塗料を分散媒とし
て、ポリアミノカルボン酸誘導体で分散粒子表面をゲル
化させ水に分散させた水性多彩模様塗料が、特開昭51
−7035号に記載されている。また、特開平9−17
6529号にはヘクトライト粘土を用いた水性多彩模様
塗料調合物が示されている。更に、樹脂以外の多彩模様
の形成材料として、特開2000−7954号には鱗片
状金属顔料および鱗片状雲母粉顔料を用いる多彩模様塗
料が記述されている。これらは、水性塗料といえども特
殊な着色物を使用しているため、塗料を撹拌すると着色
物が破壊され均一性を失う等の欠点がある。
【0004】更に、炭酸カルシウム等の無機物を着色し
たものを用いる吹付材もあるが、着色物が硬くて割れ易
く、塗装物は仕上がりにおいて均一性に欠け、施工に手
間を要する等の難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、環境保
全や人体への安全性並びに塗料の低VOC化、脱溶剤化
を目指し、多彩模様塗料を形成する種々問題のある現行
素材に代わり、環境や人体に優しい天然高分子の利用を
図るべく鋭意研究した結果、キトサン膜が新しい素材と
なり得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明は、このような水性塗料や水性多彩
模様塗料の意匠性を形成する着色素材として、天然高分
子を用いより安全性の高い塗料を提供するものであり、
有機溶剤低減、環境への負荷低減並びに塗料の低VOC
化に寄与できるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による第1のもの
は無機系および/または有機系顔料により着色されたキ
トサン膜の破砕物を2色以上、塗料中に1〜40重量%
含有するキトサン含有水性多彩模様塗料組成物に関す
る。
【0008】第1発明において、無機系および/または
有機系顔料により着色されたキトサン膜は、キトサン/
酸イオン錯体液に上記顔料を添加し、同液を例えば塗布
し塗布層を乾燥して形成したものである。
【0009】本発明による第2のものは、キトサン膜に
より被覆された2種以上の無機系および/または有機系
顔料を塗料中に1〜40重量%含有するキトサン含有水
性多彩模様塗料組成物に関する。
【0010】第2発明において、キトサン膜により被覆
された2種以上の無機系および/または有機系顔料は、
例えば、上記顔料を塩化カルシウム水溶液に添加し、次
いでキトサン/酸イオン錯体液を添加することにより形
成したものである。
【0011】第2発明において、キトサン膜により被覆
された2種以上の無機系および/または有機系顔料は、
上記顔料をキトサン/酸イオン錯体液に添加し、次いで
塩化カルシウム水溶液を添加することにより形成したも
のであってもよい。
【0012】このように、キトサン膜により被覆された
2種以上の無機系および/または有機系顔料を得るに
は、上記顔料とキトサン/酸イオン錯体液に塩化カルシ
ウムを共存させるのが好ましい。
【0013】本発明の基本構成成分となるキトサンは、
蟹や海老等の甲羅を粉砕して得られるキチン質を脱アセ
チル化した化合物で、主に食品添加物や健康食品等に多
用されている。しかし、キトサンは水や溶剤に溶けず、
イオン的に凝集作用を起こし易いとの理由から、一部の
無機系粉体塗材に添加剤的に利用されているにすぎな
い。本発明の特徴は、かかるキトサンの使用制約をでき
るだけ排除し、水性塗料の構成成分の一つとして応用で
きる様にした点にある。また、本発明の塗料組成物に含
まれるキトサンは、同組成物を内装塗材に用いる場合、
キトサンの持つホルムアルデヒドの吸着や悪臭成分の吸
着脱臭、抗菌作用を発揮できる点で好ましい素材であ
る。
【0014】本発明による水性塗料組成物およびこれに
含ませるキトサン膜調製法について、以下に具体的に説
明をする。
【0015】キトサンは、カルシウムと蛋白質の複合体
であるキチンを脱アセチル化したものであり、アミノ基
を有する唯一の多糖である。キチンは、蟹や海老等の甲
殻類の甲羅、昆虫の外皮殻等の成分として地球上に広く
分布している天然高分子の一つである。キトサンは白色
ないし深紅色の固体で、水や有機溶剤に不溶な食物繊維
の一種であり、従来は食品工場から出る蛋白質を含む排
水や活性汚泥の凝集剤として使用されてきた。その後、
これは、化粧品、人工皮膚、繊維、食品素材等に使用範
囲が増大し、最近では、成人病(生活習慣病)に対する
機能性食品として注目を浴び、既に食品添加物として厚
生省の指定を受け、一般食品の原料や健康食品向けの展
開も行われている。
【0016】この様にキトサンは天然に産出し、アミノ
基や水酸基等の反応性の高い官能基を有しているところ
から、悪臭成分の吸着、ホルムアルデヒドの吸着、抗菌
作用および生分解性等の優れた性質を持つ。しかし、こ
れら優れた機能を生かした水性塗料は従来殆ど検討され
ていなかった。これはキトサン自体が水や溶剤に不溶で
ある点、また、溶剤である酸の水溶液中ではポリカチオ
ン性を示すために、水性塗料に多く用いられているアニ
オン性乳化剤やアニオン性の添加剤と反応し凝集する点
に起因していると考えられる。
【0017】キトサンは、塩酸、酢酸や有機酸と水中で
容易に反応し、イオン錯体を形成する。このイオン錯体
は、乾燥すると薄膜を形成するが、この膜は水に再溶解
する性質を持っている。この膜をアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属塩の水溶液で処理すると、無色透明のキ
トサン膜が生成する。得られたキトサン膜は水や溶剤に
不溶で、乾燥膜は非常に強固であるにも拘らず、水中で
は膨潤し、柔軟性をもつ薄膜として存在する。この薄膜
を水中またはエマルション樹脂中で適度に攪拌すると雲
母状のフィルムとして粉砕されることもなく、安定な状
態を保つ。ただし、このキトサン膜は酸性水溶液(pH
=1〜4)や同様のpHを有するエマルション樹脂中で
は再溶解し、粘稠液を与える。通常、建築用の内外装仕
上塗材に使用されるエマルション樹脂である、アクリル
樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル変性シリコーン
樹脂、アクリル変性フッ素樹脂、ウレタン樹脂等のpH
域は、pH=5〜9とほぼ中性ないしアルカリ性であ
り、大抵の場合、キトサン膜が再溶解することはない。
【0018】一方、キトサンの微粒子化は、キトサンを
酸水溶液に溶解させた後、得られた溶液をアルカリ凝固
液に滴下する方法や、キトサン分散液を機械的に処理す
る方法が知られているが、これらはアルカリ処理の問題
や破砕装置の使用等の問題があり、有効な方法とは言え
なかった。
【0019】つぎに、本発明によるキトサン膜含有水性
多彩模様塗料組成物の各成分について、詳しく説明をす
る。
【0020】水性塗料用エマルション樹脂;一般に、水
性塗料に用いるエマルション樹脂はアクリル樹脂、アク
リルウレタン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、アク
リル変性フッ素樹脂である。ただし、アニオン系界面活
性剤を用いて乳化されている樹脂は、カチオン性を示す
キトサン溶液と反応し凝集を起こすので、使用には不向
きである。この際、アニオン系界面活性剤にノニオン系
界面活性剤が併用されていれば、特にアニオン系界面活
性剤より多く使用されている場合には、上記凝集作用は
緩和される。これは反応性乳化剤を使用した系でも同様
な結果を示す。しかし、キトサンはアニオン系界面活性
剤との相性から、経時的に粘度が高くなる等の問題点が
ある。この様に、キトサン溶液を汎用のエマルション樹
脂に添加し、塗料化するには、幾つかの制限があった。
【0021】本発明の多彩模様塗料に用いるキトサン膜
は、酸性条件下で生成するイオンコンプレックスではな
く、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、特に塩化カ
ルシウムにより錯体塩を形成し、安定化されているの
で、塗料に利用するエマルション樹脂は、上述の様な制
限が排除され、カチオン性界面活性剤単独、ノニオン性
界面活性剤単独、ノニオン/アニオン併用系界面活性剤
の何れの乳化系で合成されたものにも適用可能である。
【0022】キトサン;本発明の構成要素であるキトサ
ンは、市販されているものを使用することができ、分子
量、粉末の粒径およびキチンの脱アセチル化度の差異が
最終塗料へ与える影響は殆どない。得られた顔料皮膜の
強さを向上させる点で、より分子量の大きなキトサンを
使用する方が望ましい。
【0023】キトサン/酸イオン錯体膜の合成;用いる
酸は、硫酸や燐酸等以外は特に限定されないが、酢酸、
塩酸、蟻酸、アクリル酸、乳酸およびリンゴ酸等の無機
酸や有機酸が例示的に挙げられる。望ましいのは臭気の
少ない乳酸、リンゴ酸等の有機酸の水溶液である。この
際、使用する酸の濃度および酸の量には特に制限はない
が、キトサンの濃度が高くなるに伴い粘度が上昇し撹拌
が困難と なるので、キトサンの添加量は、酸の水溶液
100重量部に対し好ましくは1〜10重量部である。
【0024】キトサン膜の合成;得られたキトサン/酸
イオン錯体液の乾燥膜を水酸化ナトリウム水溶液または
塩化カルシウム水溶液等のアルカリ金属およびアルカリ
土類金属塩の水溶液、またはアンモニアやピリジン等の
含窒素化合物の水溶液中に浸漬する。これら各水溶液の
濃度は限定されないが、高濃度のものは特に必要なく低
濃度の液でよい。膜を液に浸漬し引き上げて乾燥させる
と、ほぼ無色透明のキトサン膜が得られる。得られたキ
トサン膜は、シンナーおよびアルコール等の有機溶剤、
また水に不溶である。通常、アルカリ性を示す水溶液で
は、廃水処理の問題があるので、塩化カルシウム水溶液
を使用するのが好ましい。
【0025】多彩模様形成着色体;市販の樹脂分散型着
色顔料を水酸化ナトリウムや塩化カルシウム等のアルカ
リ金属やアルカリ土類金属塩の水溶液に添加すると、着
色顔料の表層が被覆化され、一種のゲル化現象を起こ
す。このゲル化物を低速攪拌により適度に粉砕し濾取
し、十分水洗し乾燥後、多彩模様を形成する材料として
用いた場合、ローラー塗りまたは刷毛塗りすると被覆顔
料が破壊され、2色以上の色が混合され、多彩模様には
ならない。これは、表層被覆化された着色顔料の強度が
弱く、塗布時の機械的な塗布圧力に耐えられないことが
原因と考えられる。このゲル化した着色顔料の液にキト
サン/酸イオン錯体液を適量添加したものを攪拌により
適度に粉砕し濾取し、十分に水洗し乾燥後、得られたキ
トサン膜被覆顔料を、先と同様に、多彩模様を形成する
材料として用いた結果、ローラー塗りおよび刷毛塗り共
に、2色以上の顔料が破壊・混合されることなく、多彩
模様となることが認められ、多彩模様塗料を形成する素
材となり得る。
【0026】これらキトサン被覆着色体は塗料に2色以
上添加することで、多彩模様を形成するが、その添加量
は塗料の塗装作業性を損ねない条件下では特に制限はな
い。具体的には、塗料100重量部(固形分)に対し
0.01〜30重量部であるが、キトサン膜自体の持つ
諸機能が発揮され、更に意匠性等を考慮すると、1〜2
0重量部が好ましい。
【0027】本発明による水性塗料組成物は、上記の合
成方法により得られたキトサン膜を含有させて多彩模様
塗料組成物である。これは、建築用仕上塗材の構成成分
として、防腐剤、酸化防止剤、体質顔料、粘性調整剤、
レベリング剤、消泡剤、分散剤、成膜助剤、湿潤剤、難
燃剤、増粘剤等の添加剤を適宜含む。ただし、キトサン
膜を完全に溶解させる様な添加剤の使用は好ましくな
い。また、本発明の塗料組成物は主に建築用内装材とし
て設計されるが、外壁材に適用する場合には耐候性を向
上させる目的で、光安定剤や紫外線吸収剤を必要に応
じ、キトサン膜や塗料中に添加することも可能である。
【0028】この様にして調製された塗料は、スプレー
塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等の塗装法により、新築
および改修建物の一般内部、浴室や洗面所等の水周り部
に塗布できる。また、一般適用下地としては、外壁部を
含めコンクリート、モルタル、石綿スレート板や石膏ボ
ード等の無機質系ボード類、塩化ビニールクロス、壁紙
等が例示的に挙げられる。塗装に際しては、下地の状態
に適した下処理を行うことが好ましい。
【0029】
【発明の効果】本発明のキトサン膜を含有する水性塗料
組成物は、建築用仕上内外装塗材に使用でき、従来の石
油由来の添加剤に代わり天然素材を用いる事で、水性塗
料の更なる低VOC化および脱溶剤化に寄与し、ひいて
は環境や産業廃棄物への負荷低減に有用なものである。
【0030】また、内装面に使用する場合には、キトサ
ンによるホルムアルデヒド吸着、臭い成分の吸着、抗菌
性等の作用も発現される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に従って説
明するが、これにより本発明を限定するものではない。
【0032】実施例1(着色キトサン膜の合成) 300mlのプラスチック製ビーカーに蒸留水180g
と乳酸10gを入れ、室温下撹拌機で混合した。混合液
に市販のキトサン粉末(甲陽ケミカル社製、SK−5
0)10gを徐々に加え、90分間撹拌させたところ、
淡黄色透明の粘稠液体が得られた。この液200gに茶
系顔料(例示的に、チバスペシャルティーケミカルズ
社、ユニスパース−SRED OXIDE R-S)2gを添加し、更
に10分間撹拌させた。得られた液を、約0.8mmの
スペーサーを両端に貼り付けたガラス板に金属ヘラでフ
ラットに塗り付け、室温で16時間、次いで40℃の恒
温槽内で8時間乾燥させたところ、赤錆色のキトサン/
乳酸錯体膜約11gを得た。この膜を10%塩化カルシ
ウム水溶液中に浸漬し、引き上げて、数回水洗した後、
40℃の恒温槽内で16時間乾燥させ、赤錆色キトサン
膜を得た。同様にして、黄色、青色、緑色等の原色、更
にこれらを任意に混合してできる色についてもキトサン
膜を得た。このキトサン膜を約2mm以下の大きさの鱗
片状に細かく切断した。
【0033】実施例2(着色キトサン膜の合成) 300mlのプラスチック製ビーカーに蒸留水180g
と乳酸10gを入れ、室温下撹拌機で混合した。混合液
に市販のキトサン粉末(甲陽ケミカル社製、SK−5
0)10gを徐々に加え、90分間撹拌させたところ、
淡黄色透明の粘稠液体が得られた。この液200gにオ
ーカー系顔料(例示的に、チバスペシャルティーケミカ
ルズ社、ユニスパース−SYELLOW OXIDE M-S)3gと市
販の二酸化チタン(タイオキサイド社)5g、分散湿潤
剤(サンノプコ社、SN-2020)2gを添加し、更に20
分間撹拌した。得られた液を、約0.8mmのスペーサ
ーを両端に貼り付けたガラス板に金属ヘラでフラットに
塗り付け、室温で16時間、次いで40℃の恒温槽内で
8時間乾燥させたところ、淡黄色のキトサン/乳酸錯体
膜約14gを得た。この膜を10%塩化カルシウム水溶
液中に浸漬し、引き上げて数回水洗した後、40℃の恒
温槽内で16時間乾燥させ、クリーム色のキトサン膜を
得た。同様にして、青色、緑色、黒色、茶色等の色を任
意に混合してできる色についてもキトサン膜を得た。こ
のキトサン膜を約2mm以下の大きさの鱗片状に細かく
切断した。
【0034】実施例3(キトサン膜被覆着色体の合成) 市販の無機および有機顔料(界面活性剤分散型、樹脂分
散型を含む、例示的にチバスペシャルティーケミカルズ
社、ユニスパース−S、 YELLOW OXIDE M-S)5gを20
%塩化カルシウム水溶液20gに注ぎ込んだ。ディスパ
ーサーで約10分間低速攪拌(200〜400rpm)
した後、実施例1と同様にして調製したキトサン/乳酸
錯体液20gを加えて、更に10分間攪拌を行った。こ
うして適度に被覆顔料を粉砕した後、濾取し、十分に水
洗し、乾燥させ、黄土色のキトサン膜被覆着色破砕物を
合成した。別途、同じ系に二酸化チタン2重量部を加
え、淡クリーム系色の着色破砕物を調製した。同様にし
て、青色、緑色、茶色、黒色、白色等の色を任意に混合
してできる色のキトサン膜被覆着色破砕物を合成した。
得られたキトサン膜被覆着色体は、粒径1mm以下の粉
体であった。
【0035】実施例4(キトサン膜含有塗料の調製と塗
装) 汎用のノニオン/アニオン系界面活性剤により合成され
たスチレン/アクリル共重合エマルション樹脂(固形分
=約50%)55重量部、水12重量部、防腐剤0.1
重量部、炭酸カルシウム25重量部、セルロース系増粘
剤0.1重量部、非シリコーン系水性消泡剤0.3重量
部、レオロジーコントロール剤1.0重量部、ノニオン
系分散剤とアニオン系分散剤計1.5重量部から構成さ
れる塗料組成物をディスパーサーで均一になるまで十分
撹拌した後、その中に実施例で得られた数種の着色キト
サン膜被覆着色破砕物を数種混合したものを5重量部添
加し、更に数分間撹拌し、キトサン膜含有塗料を調製し
た。
【0036】石膏ボード(30cm×20cm)にアク
リル樹脂系プライマー(恒和化学工業社、エコシーラー
ホワイトまたはワイドシーラーホワイト)を標準塗布量
塗り、数時間乾燥後、上記塗料を中毛ローラーにて塗布
した。また、同様に下地を処理した別の石膏ボードに万
能ガン(口径4または5mm)を用いて上記塗料を吹付
塗装をした。
【0037】実施例5(キトサン包接着色体含有塗料の
調製と塗装) 汎用なノニオン/アニオン系界面活性剤により合成され
たアクリルエマルション樹脂(固形分=約50%)30
重量部、水15重量部、二酸化チタン5重量部、炭酸カ
ルシウム25重量部、セルロース系増粘剤0.1重量
部、非シリコーン系水性消泡剤0.3重量部、レオロジ
ーコントロール剤0.5重量部、ノニオン系分散剤とア
ニオン系分散剤計1.5重量部および防腐剤0.1重量
部から構成される塗料組成物をディスパーサーで均一に
なるまで十分撹拌した後、実施例3で得られたキトサン
膜被覆着色破砕物(例示的には茶系6重量部、白色系1
0重量部、灰色系4重量部、および黄白色系2.5重量
部の混合物)を添加し、数分間撹拌した。実施例4と同
様にプライマー処理した石膏ボード(30cm×20c
m)に上記塗料を中毛ローラーで塗布した。また、万能
ガン(口径5.5φ)を用いて上記塗料を吹付塗装を行
った。
【0038】性能評価 実施例により得られた塗膜の性能を次に示す性能試験に
より評価した。評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 *)性能評価試験の項目は、JIS K 5667(1
995)に準拠した。 一部の方法については、JIS K 5663(199
5)に従った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高市 恭規 東京都大田区北糀谷1丁目9番13号 恒和 化学工業株式会社内 (72)発明者 関藤 啓一 大阪府豊中市豊南町南6丁目2番10号 恒 和化学工業式会社内 (72)発明者 的場 康浩 大阪府豊中市豊南町南6丁目2番10号 恒 和化学工業式会社内 Fターム(参考) 4J038 BA012 CD091 CG001 DG001 DL001 MA08 MA10 NA01 PB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系および/または有機系顔料により
    着色されたキトサン膜の破砕物を2色以上、塗料中に1
    〜40重量%含有するキトサン含有水性多彩模様塗料組
    成物。
  2. 【請求項2】 無機系および/または有機系顔料により
    着色されたキトサン膜が、キトサン/酸イオン錯体液に
    上記顔料を添加し、同液から形成したものである、請求
    項1記載のキトサン含有水性多彩模様塗料組成物。
  3. 【請求項3】 キトサン膜により被覆された2種以上の
    無機系および/または有機系顔料を塗料中に1〜40重
    量%含有するキトサン含有水性多彩模様塗料組成物。
  4. 【請求項4】 キトサン膜により被覆された2種以上の
    無機系および/または有機系顔料が、上記顔料を塩化カ
    ルシウム水溶液に添加し、次いでキトサン/酸イオン錯
    体液を添加することにより形成したものである、請求項
    3記載のキトサン含有水性多彩模様塗料組成物。
  5. 【請求項5】 キトサン膜により被覆された2種以上の
    無機系および/または有機系顔料が、上記顔料をキトサ
    ン/酸イオン錯体液に添加し、次いで塩化カルシウム水
    溶液を添加することにより形成したものである、請求項
    3記載のキトサン含有水性多彩模様塗料組成物。
JP2002112830A 2002-04-16 2002-04-16 キトサン含有水性多彩模様塗料組成物 Expired - Fee Related JP4178309B2 (ja)

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