JP4177943B2 - 蓋開け具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビンなどの蓋開けに用いる簡単な構造の蓋開け具に関する。
【0002】
【従来の技術】
蜂蜜などの粘調物質や加熱殺菌した瓶詰などの容器の蓋は、極めて開きづらいものである。特に、子供や老人など、握力や腕力の弱い人の場合には、これらの容器以外にも、ちょっと固く閉められた容器の蓋や径の小さい蓋が非常に開け辛いことが多い。
【0003】
そのため、従来から様々な蓋開け具が提案され且つ上市されている。しかし、従来のこの種のものは操作が煩雑であるとか、蓋に掛ける部分が滑って用をなさないなど、中々理想的なものが少ないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、蓋を握る力を利用して、簡単且つ確実に蓋開けができる用具について種々試作研究した結果、本発明を完成させたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の蓋開け具は、容器の蓋に一重前後に巻付けられる寸法の渦巻き状或いは巴状の弾性体又は弾性発泡体であって、容器の蓋に巻き付けた場合に段差ができず、また径が大きくならないように、両端部外面を斜めに切断したことを特徴とする。そして、容器の蓋に巻き付けて手で握ると、握り方如何にかかわらず蓋に密着し、そのまま開ける方向に回すと、弾性体或いは弾性発泡体の摩擦力で容易に開蓋するものである。
【0006】
蓋が、小型ドリンク剤の蓋のように径が20mm前後と小さいものは、モーメントが小さくて若い力のある人でも開けづらいものである。本発明の蓋開け具の特徴は、肉厚が3〜15mmもあるので、見かけの径が大きくなり、モーメントが大きくなって開け易くなる。従って、蓋の径が小さいものはに対しては肉厚を大きなものにすれば、モーメントがその分大きくなり、開蓋し易くなる。もっとも、発泡体の場合は握って力を入れれば厚みは幾分薄くなるため、実際上の径の増加は、肉厚の2倍よりは小さくなる。
【0007】
また、素材が弾性体又は弾性発泡体であるため、どのような握り方をしても、力は蓋の周面に均等にかかり、開蓋力を増加させる。このことは、弾性発泡体の場合に、より効果が大きい。そして、高さ(厚み)が10〜40mm程度であるので、蓋全体を包み込むには充分な大きさとなる。尚、本蓋開け具の外径は、30〜200mm程度である。蓋開け具外径が30mm程度の場合、蓋の径が20mm前後のものに十分対応するが、より小さい蓋の場合には、一部をダブらせた状態で巻き付けるとよい。また、完全に一周して巻き付ける必要はないので、蓋の径が40mm程度までは十分に対応する。蓋開け具の外径が100〜150mmを越えると、大人でも片方の手では握りづらくなる。その場合には容器も大きくなるので、膝や足で容器を固定し、両手で蓋開け具を押さえるようにして開蓋するとよい。実用上、蓋開け具の外径は200mm程度までである。
【0008】
素材は、ゴムやプラスチックなどの弾性体や弾性発泡体である。プラスチックの場合、種類によっては滑り易いものがあるので、ゴム100%のものや、ゴムにプラスチックを適宜混合したもの、またプラスチックの場合は滑り難い材質のものや滑り止め用充填剤を入れたものを選ぶとよい。尚、先端部の外面は斜めに裁断されている。これにより、一重以上に巻き付けた場合の段差がなくなり、把持が確実になる。
【0009】
本発明の蓋開け具は、発泡ゴム等の弾性で蓋に圧縮密着されるが、蓋の素材や側面形状により滑り易いことがある。このような場合、内側にくる蓋開け具の先端部内側に滑り防止として、粘着層や微小吸盤を設けるとよい。ただ、長時間の使用でこれら粘着剤や微小吸盤は剥離する可能性がある。該部分に薬品や熱処理等により粘着処理すれば、長時間の使用に耐える。
【0010】
本発明の蓋開け具は、渦巻き状或いは巴状のものを1個ずつ成型してもよいが、弾性体又は弾性発泡体のチューブ或いはホースを適宜寸法(10〜40mm程度)に裁断し、得られたリング状体の一か所を斜めに切断して渦巻き状のものを得てもよい。尚、渦巻き状とは一部が重なり合った状態を言い、巴状とは両端が接するか幾分開いた状態を言う。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施の形態 1)
次に、図面に基づいて本発明の蓋開け具をより具体的に説明する。図1は、本発明の蓋開け具1の一例を示す斜視図である。この蓋開け具1は、外径が50mmで肉厚tが10mmのゴム発泡体チューブを、高さ(厚み)20mmに裁断して得たリング状体2を、図2に示すように1箇所を切断線3で斜め弧状に切断した、巴状のものである。この切断により、両端1a、1bは外面が斜めに傾斜している。また、一方の端部1aが内側にくるように加熱変形させてある。
【0012】
図3は、この蓋開け具1を用いて開蓋する状態を示す斜視図である。この蓋開け具1は、内径が30mmになるので、これよりも径の小さな蓋4の場合、図3のように一重以上に巻きつくことになる。そして、手で蓋開け具1を握って開蓋方向に回転させる場合、蓋4の半径をammとすると、蓋開け具1を取り付けた場合の半径bは、b=a+10mmとなり、回転モーメントが蓋だけの場合よりも大きくなる。もっとも、発泡体故にこの増加分は幾分少ない。即ち、蓋開け具1の圧縮倍率をαとすると、b=a+αtとなる。また、開蓋しょうとする5本の指の力(矢印F:押圧力と回転力の合成力)が、蓋側面の略全面均一に押圧・回転力として伝わり(二重矢印f)、且つゴム等の素材の故に蓋との間の滑りもなく、これら3者(回転モーメントの増加、F→f、滑り無し)の効果により、極めて容易に開蓋することができる。
【0013】
また、蓋開け具1の内径よりも大きな径の蓋5の場合、図4のように蓋側面の一部に巻きつくことになるが、この場合も同様に弱い力で容易確実に開蓋することができる。
【0014】
(実施の形態 2)
図5は、本発明蓋開け具6の他の例を示す斜視図である。この蓋開け具6は、内側にくる先端部6aの内面側に、粘着層7や微小吸盤を設けるか、粘着処理したものである。このようにすると、蓋開け具6と蓋との間の滑りが完全に防止され、押圧力を幾分弱くしても開蓋がより容易に行なわれる。
【0015】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の蓋開け具は、外径が30〜200mm程度で、肉厚が3〜15mm程度、高さが10〜40mm程度の渦巻き状乃至巴状の弾性体又は弾性発泡体からなり、両端部を斜めに切断したものである。
【0016】
従って、構造が極めて簡単でありながら、通常の蓋開けの操作と全く同じ状態で、径の小さい蓋や固くなった蓋などが弱い力が簡単且つ容易に開蓋できるものである。また、低コストで大量に得られる利点もある。
【0017】
また、内側にくる先端部の内面に粘着層等を設けると、蓋への密着がよく、更に開蓋が楽に行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋開け具の一例を示す斜視図である。
【図2】リング状体の平面図である。
【図3】図1に示す蓋開け具の使用状態を示す平面図で、蓋の径が蓋開け具の内径よりも小さい場合を示す。
【図4】図1に示す蓋開け具の使用状態を示す平面図で、蓋の径が蓋開け具の内径よりも大きい場合を示す。
【図5】本発明の蓋開け具の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 蓋開け具
1a 先端部(内側)
1b 先端部(外側)
2 リング状体
3 切断箇所
4 蓋
5 蓋
6 蓋開け具
6a 先端部(内側)
7 粘着層
F 指の力
f 押圧・回転力
Claims (1)
- 外径が30〜200mm程度で、肉厚が3〜15mm程度、高さが10〜40mm程度の渦巻き状或いは巴状の弾性体又は弾性発泡体からなり、両端部を重ね合わせた場合に段差ができないように両端部を斜めに切断し、且つ、内側にくる先端部の内面側に、粘着層や微小吸盤を設けるか、粘着処理したことを特徴とする蓋開け具。
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1999
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