JP4177788B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)における光の取り出し効率を高めるために、従来、素子内部に回折格子を形成する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。回折格子は、周期的かつ微細な凸凹からなり、半導体の微細加工に用いられるフォトリソグラフィー工程等によって有機EL素子の内部に形成される。素子内部の導波光は、こうした回折格子により回折されて、素子外部に取り出される。しかしながら、微細な凸凹パターンは、ピッチが1μm程度以下になると高価な露光装置や複雑なプロセスが必要となり、製造コストが非常に高くなってしまう。さらに、数cm四方以上といった大面積の基板上に、高いスループットで微細な凸凹パターンを形成することは難しい。
また、有機EL素子内部に単粒子層を設け、光取り出し効率を改善するといった手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。周期的な配列を有する単粒子層が、上述したような回折格子部として機能する。単粒子層を構成する微粒子径を選択することによって、数十nmから数μmにわたる周期の回折格子を得ることができる。さらに、微粒子が比較的安価であるため、フォトリソグラフィー工程等を用いる方法より低コストで、有機EL素子の光取り出し効率を高めることができる。しかしながら、この方法では微粒子が単一の媒質中に完全に埋没しているため、回折格子形状が周期的に配列した単粒子層形状によって一義的に決定されてしまう。その結果、高回折効率を有する最適な回折格子形状が、必ずしも得られないという問題がある。また、微粒子分散液を塗布するのみで、多粒子層部分および欠陥部分を含まず単粒子層を作製するためには、塗布条件の範囲が限定されるため、プロセスマージンが狭くなるという問題も生じる。
このように、有機EL素子における光の取り出し効率は未だ不十分であり、光取り出し効率を高めることが有機EL素子の実用化に不可欠である。
特開平11−283751号公報 特開2001−230069号公報
本発明は、上記課題を改善するためになされたものであって、光取り出し効率に優れた有機EL素子を提供することを目的とする。
また本発明は、光取り出し効率に優れた有機EL素子を高スループットで製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1の電極および第2の電極で有機層を挟持してなる発光部と、
前記発光部に積層形成され、周期的に配置された微粒子と前記微粒子の少なくとも一部を包埋する媒質とを備えた二次元回折格子としての微粒子層部とを具備し、
前記周期的に配置された微粒子は、前記微粒子層中においてドメイン構造を形成し、 前記微粒子層における媒質は、屈折率の異なる第1の粒子コート層および第2の粒子コート層を含み、前記第2の粒子コート層は前記第1の粒子コート層より屈折率が大きく、前記発光部側に設けられていることを特徴とする。
本発明の一態様にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板上に、微粒子層部を形成する工程、および
前記微粒子層部の上に、第1の電極と第2の電極との間に有機層が設けられた発光部を形成する工程を具備し、
前記微粒子層を形成する工程は、
第1の粒子コート層を形成する工程と、
前記第1の粒子コート層上に微粒子層を形成する工程と、
前記基板を加熱して前記第1の粒子コート層を流動性とし、前記微粒子層の隙間を濡れ上がる前記流動性の第1の粒子コート層の毛管現象により、前記微粒子を前記第1の粒子コート層中に埋め込む工程と、
前記第1の粒子コート層よりも屈折率の大きな第2の粒子コート層で、前記微粒子層の空隙を充填する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の他の態様にかかる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板上に、第1の電極と第2の電極との間に有機層が設けられた発光部を形成する工程、および
前記発光部の上に微粒子層部を形成する工程を具備し、
前記微粒子層部を形成する工程は、
第2の粒子コート層を形成する工程と、
前記基板を加熱して前記第2の粒子コート層を流動性とし、前記微粒子層の隙間を濡れ上がる前記流動性の第2の粒子コート層の毛管現象により、前記第2の粒子コート層上に微粒子層を形成する工程と、
前記微粒子を前記第2の粒子コート層中に埋め込む工程と、
前記第2の粒子コート層よりも屈折率の小さな第1の粒子コート層で、前記微粒子層の空隙を充填する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の態様によれば、光取り出し効率に優れた有機EL素子が提供される。また、光取り出し効率に優れた有機EL素子を高スループットで製造する方法が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明の一実施形態にかかる有機EL素子の構造を表わす断面図を図1に例示する。図1は本発明の実施形態の理解を助けるための典型的な例を示したものであって、本発明が図1の構造に限定されないのは言うまでもない。
図1に示されるように、本発明の一実施形態にかかる有機EL素子は、基板1と微粒子層部5と発光部9とを有する。微粒子層部5においては、周期的に配列した微粒子2が、第1の粒子コート層3と第2の粒子コート層4に包埋されており、第1の電極6と第2の電極8との間に有機層7を設けて発光部9が構成される。第1および第2の粒子コート層3および4は、微粒子層部5を構成する媒質ということができ、発光部9から遠い粒子コート層を第1の粒子コート層とし、発光部に近い粒子コート層を第2の粒子コート層と定義する。これら第1および第2の粒子コート層は屈折率が異なり、第1の粒子コート層3の屈折率は、第2の粒子コート層4の屈折率より小さい。
図示する例においては、基板1上に微粒子層部5および発光部9が順次積層されているが、基板1上に発光部9および微粒子層部5の順序で積層された素子構造でもよい。また、基板1、微粒子層部5および発光部9のそれぞれの間には、保護層等が挿入されていてもよい。
図1に示した有機EL素子は、基板1側から面発光させるボトムエミッション型の構造である。この場合、基板1としては、ガラス基板等の可視光に対して透光性を有する材質を用いることができ、その厚さは特に限定されない。基板1側を発光面としない場合には、任意の材質で基板1を構成することができる。
発光部9は、第1の電極6および第2の電極8と、これらの間に設けられた有機層7とから構成される。
第1の電極6および第2の電極8のうち、いずれか一方は陽極であり、他方は陰極である。陽極は、正孔を有機層7中に注入する役割を担うため、4.0eV以上の仕事関数を有する材質であることが好ましい。例えば、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫、金、銀、白金、銅等の金属またはこれらの酸化物、ならびにこれらの混合物等を用いて陽極を形成することができるが、特に限定されない。一方、陰極は電子を注入する役割を担うため、仕事関数が小さい材質であることが好ましい。特に限定されることはないが、陰極材料としては、インジウム、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、スカンジウムならびにこれらの混合物等を用いることができる。
第1の電極6および第2の電極8において、発光面側の電極は発光スペクトルに対して透光性を有することが好ましい。これらの電極6,8の厚さは、電極としての本来の機能が発現される厚さであれば特に限定されることはないが、0.01μmから5μmの範囲であることが好ましい。
有機層7は、上述した2つの電極間に活性層を含む一層以上の有機層が積層した構造を有する。活性層とは、正孔と電子とが結合する領域をさす。例えば、正孔と電荷との結合効率を向上させるため、活性層の他に、正孔輸送層および電子輸送層の少なくとも一方を含んでいてもよい。この場合、正孔輸送層は活性層と陽極との間に挿入され、電子輸送層は活性層と陰極との間に挿入される。活性層、正孔輸送層、および電子輸送層の材質は特に限定されず、有機EL素子において通常用いられる活性層材料、正孔輸送材料、電子輸送材料であれば任意の材料を用いることができる。
例えば、活性層材料としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム錯体(Alq3)やビスジフェニルビニルビフェニル(BDPVBi)、1,3−ビス(p−t−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾールイル)フェニル(OXD−7)、N,N’−ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェニル)ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(BPPC)、および1,4ビス(p−トリル−p−メチルスチリルフェニルアミノ)ナフタレンなどが挙げられる。
また、正孔輸送材料として、例えば、ビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン、TPD、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(α−NPD)等のトリフェニルジアミン類や、スターバースト型分子等が挙げられる。
さらに、電子輸送材料として、例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(Bu−PBD)、OXD−7等のオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、およびキノリノール系の金属錯体が挙げられる。
有機層7の厚さは、特に限定されることはないが、通常用いられるように、0.01μmから1μmの範囲であることが好ましい。
微粒子層部5は、微粒子2と微粒子2を包埋する第1の粒子コート層3と第2の粒子コート層4とを含む。図1における微粒子層部5では、微粒子2が単粒子層を形成しているが、図3に示されるように微粒子2は多粒子層を形成していてもよい。
微粒子2の形状は特に限定されず、球状粒子、多面体状粒子、あるいは棒状粒子などを用いることができ、微粒子の粒子径は0.05μmから50μmの範囲内とすることができる。周期性よく微粒子を配列させるために、粒子径分布はより狭いことが望ましい。粒子径分布は、下記式(1)で定義され、好ましくは0.8〜1.0の範囲内であり、より好ましくは0.9〜1.0の範囲である。
粒子径分布=個数平均粒子径/体積平均粒子径 (1)
ここで用いた個数平均粒子径とは、無作為に抽出した100個の微粒子の直径を測定した平均値である。また、体積平均粒子径は、次のように算出される直径である。まず、微粒子を真球とみなして無作為に抽出し、100個の微粒子の直径から合計体積を算出する。小さい体積の微粒子から累積して、その累積体積が合計体積の50%となった微粒子の直径を、体積平均粒子径とする。
粒子集合状態は、周期性を有していれば特に限定されることなく、例えば、六方最密格子状、正方格子状、あるいは蜂の巣格子状でもよい。また、粒子の間隔は密であっても離れていてもよい。少なくとも数十粒子からなる周期的なドメインが存在していれば、微粒子層としての効果は期待される。
微粒子2を構成する材料は、発光スペクトルに対して吸収が少なく、後述する屈折率条件を満足すれば特に限定されず、有機材料、無機材料、あるいは有機−無機複合材料を用いることができる。有機材料としては、例えば、ポリスチレン誘導体、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、およびノボラック樹脂などの有機高分子材料などが例示される。無機材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、およびジルコニアなどの金属酸化物などが例示される。微粒子は、単一の材料で構成される必要はなく、例えばコア−シェル型の微粒子や、微粒子中にさらに微細な微粒子が分散した微粒子などでもよい。特に、コア−シェル型粒子として中空粒子を用いた場合には、シェルと、コアに相当する内部空洞との屈折率差が大きくなって高い回折効率が得られるので好ましい。
微粒子層部5中には、周期的な屈折率分布が存在し、第1の粒子コート層3の屈折率は、第2の粒子コート層4の屈折率よりも小さいことが必要である。この屈折率の関係が逆の場合には、微粒子層部5に隣接する界面におけるフレネル反射が増大するため、取り出し効率が低下してしまう。すなわち、粒子コート層の屈折率は、発光部に向けて増加しなければならない。3つ以上の粒子コート層が存在する場合も、これは同様である。第1の粒子コート層3および第2の粒子コート層4の一方は、微粒子2との屈折率差が0.05以上であることが好ましい。屈折率差が0.05未満の場合には、光学的に均一な媒質と同等となるため回折効率が低下し、本発明の効果が充分得られないおそれがある。なお、この屈折率差は、0.1以上であることがより好ましい。一方、微粒子層部5で回折された光の二次的な散乱を避けるため、他方の粒子コート層と微粒子との屈折率差を0.2以下とし、両者を光学的に均一な媒体に近づけることが好ましい。この屈折率差は、0.1以下であることがより好ましい。
さらに、第1の粒子コート層3および第2の粒子コート層4の屈折率は、粒子コート層、微粒子2以外の隣接する層との屈折率差が0.2以下であることが好ましい。屈折率差が0.2を越えると、それぞれの隣接界面におけるフレネル反射が増大し、取り出し効率が低下するおそれがある。この屈折率差は、0.1以下であることがより好ましい。
上述した条件を満足する場合、微粒子層部5とそれに隣接する層との界面におけるフレネル反射を低減でき、発光した光を損失少なく、発光部9から微粒子層部5への導波、微粒子層部5からの光の取り出しを行なうことができる。また、微粒子層部5の面内方向に周期的な屈折率分布が設けられ、微粒子層部5において、二次元回折格子と類似の光学的機能が得られる。
例えば、図1のような素子構造においては、第1の粒子コート層3は基板1と隣接しており、第2の粒子コート層4は第1の電極6と隣接している。基板1をガラス基板とすると、その屈折率は1.5程度であるため、第1の粒子コート層も屈折率1.5程度の材質にするのがよい。また、第1の電極6をITOとすると、その屈折率は1.9程度であるため、第2の粒子コート層4も屈折率1.9程度の材質にするのがよい。微粒子2の屈折率は、第1の粒子コート層3と第2の粒子コート層4のいずれかとの屈折率差が小さい方が好ましく、この例の場合1.5程度、もしくは1.9程度の材質を選択するのがよい。
また、第1の粒子コート層3、第2の粒子コート層4の膜厚によって、第1の粒子コート層と第2の粒子コート層の境界位置が決定される。第1の粒子コート層3、第2の粒子コート層4の膜厚は、後述するように、素子内部を導波する光が微粒子層部5によって高い効率で回折されるような境界位置になるよう設定するのがよい。
第1の粒子コート層3、第2の粒子コート層4の材質は、発光スペクトルに対して吸収が少ない材質であり、上述した屈折率条件を満足する材質であれば特に限定されず、有機材料、無機材料、あるいは有機−無機複合材料でもよい。通常、第2の粒子コート層は屈折率1.9程度のITO電極に隣接して作製されることから、上述した屈折率条件を満足するためには屈折率1.9程度の高屈折率粒子コート材料が必要となる。このような高屈折率の粒子コート材料として、1nmから300nmの範囲の粒子径を有するアルミナ、酸化チタン、ジルコニアなどの金属酸化物の超微粒子を必要に応じて分散させた透明樹脂や、1nmから300nmの範囲の粒子径をもつアルミナ、酸化チタン、ジルコニアなど金属酸化物の超微粒子のみから構成された材質を用いることができる。粒子径が300nmを越えた粒子では、可視光領域の波長を有する自発光に対して、超微粒子が散乱体として振舞うようになるため、超微粒子と透明樹脂が光学的に均一な媒体として機能せず、本発明の効果が得られないおそれがある。なお、1nm未満の粒径の超微粒子は、作製することが困難となる。
図1の素子構造において、周期性よく配列した微粒子2が、少なくとも片方が微粒子2とは屈折率の異なる第1の粒子コート層3、第2の粒子コート層4に包埋されていることより、微粒子層部5は周期的な屈折率分布を有している。この屈折率分布の周期は、微粒子2の微粒子径によって変わる。素子内部の導波光は、導波層の幅、クラッド層と導波層の屈折率、導波光波長などのパラメータによって特徴付けられることが知られている。真空中の導波光波長をλ、導波層の屈折率をn、m次の導波光の反射角度をθm、微粒子層部5の屈折率周期をΛ、vを整数とすると、屈折率周期Λが下記数式(2)で表わされる場合に、導波光は基板垂直方向に回折される。
Λ=v・λ/n・sinθm (2)
そのため、上記数式(2)を満たすような微粒子径を選択すれば、従来素子内部を導波していた光を基板垂直方向に回折することが可能となり、回折された光は外部に放射されるようになる。
さらに、従来では不可能であった、微粒子層部5の屈折率分布形状を自由に設計することができる。微粒子層部5の屈折率分布形状は、素子内部の導波光が、基板垂直方向に回折される割合、すなわち回折効率に影響を及ぼす。当然、回折効率が大きいほど、光取り出し効率も大きくなり、有機EL素子の輝度は向上する。屈折率分布形状は、微粒子2を包埋する第1の粒子コート層3と第2の粒子コート層4との境界位置により決定される。素子内部を導波する光に対して、高い回折効率が得られるような屈折率分布形状となるように、第1の粒子コート層3と第2の粒子コート層4の膜厚を決定するのがよい。つまり、微粒子2の微粒子径、第1の粒子コート層3と第2の粒子コート層4の膜厚を、導波光を基板垂直方向に高回折効率で回折させるように選択することによって、光取り出し効率に優れた有機EL素子を得ることができる。
高回折効率が得られるような、第1の粒子コート層3と第2の粒子コート層4の膜厚は、一般に認知されている光学シミュレーション等を用いて決定することができる。波長よりも微細な周期を有する散乱体に対する光学シミュレーションには、より精度の高い計算結果を得るため、RCWA(Rigorous Coupled−Wave Analysis)法やFTDT(Finite Difference Time Domain)法等を用いるのがよい。図2に、第1の粒子コート層3と第2の粒子コート層4の境界位置と一次回折効率の関係を、RCWA法を用いて計算した結果を示す。ここでは、粒子径0.3μmを有する微粒子2の屈折率を1.5、第1の粒子コート層3の屈折率を1.5、第2の粒子コート層4の屈折率を1.8として、第2の粒子コート層に波長0.55μmの光が入射角60度で入射した場合についてシミュレートした。図2の結果から、第1の粒子コート層3の膜厚が0.12μm、第2の粒子コート層の膜厚が0.18μmのとき、一次回折効率が0.023であり、一次回折効率が最大となることがわかる。この計算結果を用いて、素子内部を導波する光に対して、高い回折効率が得られるような屈折率分布形状となるように、第1の粒子コート層3および第2の粒子コート層4の膜厚を決定することができる。
図3に示したように微粒子2が多粒子層を形成している場合、上述した効果を得るためには、第1の粒子コート層3と第2の粒子コート層4との境界位置を、粒子層の最上層もしくは最下層にすることが好ましい。境界位置が粒子層の最上層の場合、境界位置より下の粒子コート層と微粒子との屈折率差が小さい必要があり、好ましくは0.2以下であり、より好ましくは0.1以下である。境界位置が粒子層の最下層の場合には、境界位置より上の粒子コート層と微粒子との屈折率差が小さい必要がある。この場合の屈折率差は、好ましくは0.2以下であり、より好ましくは0.1以下であるのがよい。こうした素子構造により、多粒子層は光学的には単粒子層である場合と同様となって、上述したような効果を得ることができる。
しかも、本発明の実施形態にかかる有機EL素子では、従来の積層型有機EL素子にはなかった、外部環境から素子内部に入射した光を微粒子層部で回折、素子内部に拡散させるという効果が得られる。これは、本発明の実施形態にかかる有機EL素子をディスプレイなどの表示装置に応用する場合に特に効果的であり、外光の映りこみによる自発光のコントラスト低下を防止することができる。
本発明の実施形態にかかる有機EL素子は、ボトムエミッション型の構造のみならず、トップエミッション型の構造としてもよい。図4にその一例の断面図を示す。図示するように、基板1上に、発光部9、保護層10、および微粒子層部5が順次積層されている。保護層10は、例えばプラズマCVD等により形成することができるが、必ずしも形成しなくてもよい。発光部9は、透明電極6、有機層7、電極8から構成され、ボトムエミッション型の場合と同様の素子構造、材質を用いることができる。また、微粒子層部5は微粒子2、第1の粒子コート層3、第2の粒子コート層4から構成される。図4では微粒子2が多粒子層を形成した場合を例示したが、単粒子層を形成していてもよい。
それぞれの素子構造、材質は、ボトムエミッション型の場合と同様のものを用いることができる。トップエミッション型の有機EL素子の場合、基板1と発光部9とが連続している。ボトムエミッション型の構造では、図1に示したように基板1上に微粒子層部5および発光部9が順次積層されているので、TFT基板と電極とのコンタクトホールが必要とされるが、トップエミッション型ではこれは必要とされず、工程が簡略化される点で有利である。
本発明の実施形態にかかる有機EL素子における微粒子層部は、任意の方法により形成することができる。ただし、微粒子が異なる二種類以上の粒子コート層に包埋している特徴的な構造である故、ボトムエミッション型の場合には、第1粒子コート層形成工程、粒子層形成工程、粒子層埋め込み工程、第2粒子コート層形成工程の順序で製造するのがよい。第1の粒子コート層、粒子層、および第2の粒子コート層は、スピンコート法、ディッピング法、バーコード法、あるいはスキャン塗布法といった方法により形成することができる。粒子層を粒子コート層へ埋め込むには、粒子層を上から加圧するといった手法を採用すればよい。また、粒径の異なる二種類の粒子が混在する分散液をスピンコート法などによって塗布すると、粒径の小さな粒子が、周期的に配列した粒径の大きな粒子の隙間に入り込む現象が知られている(V.Kitaev,G.A.Ozin,Advanced Materials,15巻、1号、75頁、2003年参照)。こうした方法を用いて、第1の粒子コート層と粒子層とを一括形成してもよい。
上述した方法を用いて、本発明の実施形態にかかる有機EL素子を形成することができる。しかしながら、有機EL素子の実用化を考えた場合には、よりスループットの高い方法を用いる必要があり、以下に述べる本発明の実施形態にかかる方法が好適である。
図5乃至図9に、本発明の実施形態にかかるボトムエミッション型有機EL素子のプロセスフローの一例を示す。
まず、図5に示すように、基板1上に第1の粒子コート層3を形成する。第1の粒子コート層3を構成する材料は高分子を含有し、次の要件を満たすものであれば、特に限定されない。すなわち、(1)加熱により少なくとも1回は流動性を発現できること、(2)ガラス転移温度が、微粒子のガラス転移温度、融点、焼結温度のいずれよりも低いこと、および(3)粒子分散液および洗浄液によって溶解、剥離、表面荒れなどのダメージを受けないことである。
高分子としては、有機高分子および無機高分子のいずれを用いてもよく、分子量も特に限定されない。例えば可塑剤などの添加物を加えることもできる。一般的には、有機の熱可塑性高分子に必要に応じて添加物を加えたものが用いられる。また、B−ステージ化などした熱硬化性樹脂なども用いることができる。ボトムエミッション型の素子の場合は特に問題はないが、トップエミッション型の素子の場合は、発光部を形成した後に第1の粒子コート層3が形成される。したがって、発光部の有機層がダメージを受けるのを避けるため、第1の粒子コート層3のガラス転移温度は100℃以下であることが望ましい。
第1の粒子コート層3は、任意の方法により形成することができ、特に限定されない。一般的には、第1の粒子コート層3を構成する材料の溶液を基板上に塗布することによって形成する。塗布方法も特に限定されず、スピンコート法、ディッピング法、バーコート法、スキャン塗布法など公知の塗布方法を用いることができる。なかでも、nmレベルの薄膜を膜厚の制御性よく形成できることから、スピンコート法が好ましい。
第1の粒子コート層3の形成に先立って、基板1の表面をシランカップリング剤などの表面処理剤で処理してもよい。
第1の粒子コート層3の膜厚は、この上に形成される第2の粒子コート層との境界位置に応じて設定される。余剰粒子の洗浄が必要な場合には、微粒子層は少なくとも微粒子径の1/3の高さまで第1の粒子コート層3に埋め込まれていることが望まれる。これによって、微粒子2と第1の粒子コート層3との接触面積が増加し、洗浄による埋め込み粒子部の脱離がない、十分な密着性を得ることができる。
第1の粒子コート層3上には、図6に示すように微粒子2を配置して微粒子層を形成する。微粒子層は、粒子分散液を第1の粒子コート層3上に塗布し、溶媒を揮発させることによって形成することができる。粒子分散液は、スピンコート法、ディッピング法、バーコート法、あるいはスキャン塗布法といった任意の方法により塗布することができ、その方法は特に限定されないが、この際の温度は、第1の粒子コート層3のガラス転移温度以下とすることができる。
乾燥時の温度も、第1の粒子コート層3のガラス転移温度以下とするのが好ましい。乾燥方法は特に限定されず、自然乾燥、加熱乾燥、窒素ガスなどのガス流による乾燥などが用いられる。特に水系の分散媒を用いた場合には、残留水があると、発光部の劣化を招くおそれがあるため、完全に乾燥させる必要がある。
塗布および乾燥をガラス転移温度以下で行なうことによって、粒子2が粘着などによって第1の粒子コート層3に固着するのを防止することができる。塗布された粒子分散液が乾燥していく過程で、粒子分散液の表面張力によって微粒子2同士が密に凝集する。その結果、微粒子2が密に充填された粒子層が第1の粒子コート層3上に形成される。ここまでの工程がガラス転移温度以下で行なわれた場合、このとき、粒子層は第1の粒子コート層3上に載置されているだけで、固着していない。
粒子層を形成後、第1の粒子コート層3をガラス転移温度以上に加熱する。加熱する方法は特に限定されず広く公知の方法を用いることができ、例えば、熱板上に基板を配置して加熱してもよいし、所定の温度の加熱炉内で加熱することもできる。さらに、マイクロ波による電磁誘導加熱、赤外線照射、あるいはレーザー光照射によって加熱してもよい。
加熱は、粒子層が形成された側とは反対側の基板側から行なうことが好ましい。粒子層が形成された側から加熱すると、粒子層が過度に加熱されやすく、微粒子同士が融着したり焼結するおそれがある。基板側から加熱することによって、粒子層にあまり熱をかけることなく、第1の粒子コート層3を効率良く加熱することができる。加熱の際には、粒子層が形成された側を上にする必要はなく、基板側を上にして加熱してもよい。これは微粒子が第1の粒子コート層3中に埋め込まれる際の主たる駆動力が、重力ではなく濡れであることによる。
加熱により第1の粒子コート層3は流動性となって、毛管現象により粒子層の隙間を濡れ上がっていく。第1の粒子コート層3の濡れ上がる高さは、濡れ上がる前の第1の粒子コート層3の体積と微粒子間の空隙部分の体積とによって決定される。粒子層は、第1の粒子コート層3の膜厚に依存した高さまで、図7に示すように第1の粒子コート層3中に沈み込んで包埋される。微粒子2の第1の粒子コート層3中への沈み込みは、速やかに終了する。多くの場合、1分程度の加熱で充分である。
余剰粒子の除去が必要な場合は、洗浄液により洗浄して、第1の粒子コート層3中に埋め込まれていない粒子2を除去する。洗浄は、第1の粒子コート層3のガラス転移温度以下で行なうことが好ましい。第1の粒子コート層3のガラス転移温度以上で洗浄を行なうと、第1の粒子コート層が軟化して埋め込まれていた微粒子が脱落したり、逆に洗い落とされた微粒子が再付着するおそれがある。
洗浄液は特に限定されず、水や各種有機溶媒、あるいはこれらの混合物を用いることができる。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒が用いられる。洗浄液に界面活性剤などの添加剤を加えてもよい。ボトムエミッション型の素子の場合は特に問題はないが、トップエミッション型の素子の場合は、発光部を形成した後に、第1の粒子コート層3を形成するため、有機層の劣化を招く可能性がある水系の洗浄液は用いないことが望まれる。
さらに、第1の粒子コート層3とは異なる高分子を含む溶液を基板1上に塗布するなどして、図8に示すように第2の粒子コート層4を形成する。すでに説明したように、第2の粒子コート層4は、屈折率が第1の粒子コート層3より大きい。
第2の粒子コート層4の形成方法も特に限定されず、一般的には第2の粒子コート層4を構成する材料の溶液を基板上に塗布することによって形成する。この際、第1の粒子コート層3に対して、溶出等のダメージの少ない溶媒を用いて塗布することが好ましい。使用し得る溶媒としては、例えば、第1の粒子コート層3にポリスチレン系の樹脂を用いた場合は、第2の粒子コート層4の溶媒にメチルアルコール、エチレングリコールなどを用いることができる。第2の粒子コート層4の塗布方法も特に限定されず、スピンコート法、ディッピング法、バーコート法、あるいはスキャン塗布法など広く公知の方法を用いることができる。なかでもnmレベルの薄膜を膜厚の制御性よく形成できることから、スピンコート法が好ましい。
ボトムエミッション型の素子の場合には特に限定されないが、第2の粒子コート層4の膜厚は、平坦な第2の粒子コート層表面が得られる膜厚とすることが好ましい。粒子表面を数nm覆った程度であると微粒子2の凸凹を反映して、第2の粒子コート層5表面に凸凹が生じる場合がある。こうした凹凸表面上に電極が形成されると、電界集中などによって、電子と正孔との再結合効率が低下し、輝度が低下する場合があるので好ましくない。一方、トップエミッション型の素子の場合には、第2の粒子コート層が最表面となるため、その表面に凸凹が存在しても問題なく、第2の粒子コート層の膜厚は特に限定されることはない。
ここまでの工程で、微粒子2が第1および第2の2つの粒子コート層3,4に埋め込まれてなる微粒子層部5が形成される。第3の粒子コート層を設ける場合には、第2の粒子コート層4より屈折率の大きな材料を用いて、第2の粒子コート層の上に同様に形成すればよい。
微粒子層部5の上には、図9に示すように、第1の電極6、有機層7、および第2の電極8を順次形成する。発光部の製造方法は特に限定されず、通常知られている方法を用いればよい。電極6,8の形成には、通常用いられるスパッタ法や真空蒸着法などを用いることができ、有機層7は、スパッタ法、真空蒸着法、スピンコート法、バーコード法、スクリーン印刷法など公知の方法を用いることによって形成できる。
以上の工程によって、本発明の実施形態にかかる有機EL素子を製造することができる。必要に応じて、各工程間に保護層を形成してもよい。
図4に示したようなトップエミッション型有機EL素子の場合は、基板1上に発光部9を形成した後で、微粒子層部5を形成すればよく、各形成工程は、基本的にボトムエミッション型の場合と同様である。この場合には、発光部9上に微粒子層部5が形成されるので、第2の粒子コート層の形成、粒子層の形成、粒子層の埋め込み、第1の粒子コート層の形成といった順番で微粒子層部5の形成が行なわれる。
本発明の実施形態にかかる有機EL素子の製造方法において、最も特徴的な工程は粒子埋め込み工程である。流動性の第1の粒子コート層が、毛管現象により粒子層を濡れ上がって微粒子を包埋する。この際、微粒子に圧力を加えて第1の粒子コート層中に押し込む必要はない。単に加熱するだけで、微粒子は第1の粒子コート層の中に埋め込まれる。微粒子を粘着層に押し込む従来の方法では、面内で不均一に押し込まれてしまうといった問題があり、第1の粒子コート層と第2の粒子コート層との境界を所望の位置に調整することが困難である。しかしながら、本発明の実施形態にかかる方法によれば、第1の粒子コート層の膜厚を制御するだけで、面内均一性良く微粒子を埋め込むことができ、第1の粒子コート層と第2の粒子コート層との境界を所望の位置に設定することができる。また、押し込む方式では困難だったnmサイズの微粒子にも適用できる。
こうした毛管現象による埋め込みは、微粒子表面と第1の粒子コート層の構成物質との濡れが良好であれば比較的容易に行なわれる。例えば微粒子の表面が親水性ならば、第1の粒子コート層の構成物質も親水性にすればよい。しかしながら、このような組み合わせは、本発明の実施形態にかかる有機EL素子の製造においては適切ではない。例えば微粒子表面が親水性の場合、粒子分散液の分散媒は親水性である必要がある。第1の粒子コート層が親水性だと、粒子分散液を塗布した際に、分散媒によって第1の粒子コート層がダメージを受ける。第1の粒子コート層の溶出や剥離が発生したり、表面に凸凹が生じることが、本発明者らによって確認された。また洗浄が必要な場合においても、洗浄液は親水性である必要がある。よって洗浄の際に第1の粒子コート層がダメージを受けてしまう。特に第1の粒子コート層が薄い場合(微粒子の粒子径がnmオーダの場合)、この傾向が顕著となる。
第1の粒子コート層がダメージを受けないためには、表面が親水性の微粒子の場合には疎水性の層を用いて、表面が疎水性の微粒子の場合には親水性の層を用いる必要がある。こうした組み合わせでは、微粒子を埋め込むことは困難であると一般的には考えられてきた。特に粒子径が10μm未満と小さい場合には、表面張力の影響が支配的になるからである。
本発明者らが鋭意検討した結果、こうした微粒子と第1の粒子コート層との組み合わせであっても、微粒子の埋め込みが可能であることを見出した。また、第2の粒子コート層塗布時においても、第1の粒子コート層に対する溶解性が低い溶媒を用いることによって、粒子コート層間の境界位置にダメージを与えることなく、微粒子層部を形成することが可能となった。本発明の実施形態にかかる方法により、粒子径がnmオーダの微粒子であっても、周期性、充填性に優れた微粒子層部を大面積かつ高いスループットで形成することが可能である。
以下、本発明の具体例を示して説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されないことはいうまでもない。
(実施例1)
まず、シランカップリング剤を用いて、ガラス基板(屈折率:1.51)の表面に疎水化処理を施した。この上に、ポリ(α−メチルスチレン)(屈折率:1.48)溶液をスピンコート法によって塗布して、膜厚70nmの第1の粒子コート層を形成した。
第1の粒子コート層上には、平均粒子径0.3μmのシリカ微粒子を含むシリカ粒子層を形成した。シリカ粒子層の形成に当たっては、平均粒子径0.3μmのシリカ微粒子(宇部日東化成株式会社製、商品名:ハイプレシカN3N、屈折率:1.50)の30wt%水分散液に、増粘剤としてポリ−ビニルアルコールを加えた分散液を用いた。この分散液をスピンコート法によって第1の粒子コート層上に塗布した後、溶媒を完全に乾燥させて、シリカ粒子層を形成した。第1の粒子コート層のガラス転移温度は50℃程度であるので、シリカ粒子層の形成は、これより低い室温(25℃)℃程度で行なった。
走査型電子顕微鏡(SEM)観察の結果、シリカ粒子は六方最密格子状に集合して、3層の粒子層を形成していることが確認された。さらに、基板を100℃で1分間加熱して、粒子層の埋め込みを行なった。基板を40℃の純水中で10分間超音波洗浄して、2層目および3層目の粒子の洗浄を行なった。
上面SEM観察の結果、2層目および3層目の粒子は綺麗に除去されており、六方最密格子状に集合した単粒子層が形成されていた。また、断面SEM観察により、ポリ(α−メチルスチレン)が毛管現象により、単粒子層の高さ200nmの位置まで濡れ上がっていることが確認された。
第2の粒子コート層の形成には、粒径15nmの酸化チタン超微粒子を分散させたポリ(α−メチルスチレン)(屈折率:1.81)溶液を用いた。この溶液をスピンコート法により粒子層上に塗布し、単粒子層を完全に埋没させて、微粒子層部を形成した。微粒子層部の厚さは全体で400nm程度であり、表面は平坦であった。
その上に、ITO(屈折率:1.90)をスパッタ法により100nmの膜厚で成膜して、陽極を形成した。さらに、α−NPDを真空蒸着法にて50nm堆積して正孔輸送層を形成した後、Alq3を真空蒸着法により80nm堆積して活性層を形成した。最後に、マグネシウム−銀合金を蒸着速度比10:1で真空蒸着法にて200nmの膜厚で共蒸着して陰極を形成した。こうして、図1に示したようなボトムエミッション型の有機EL素子を作製した。
(比較例1)
第1および第2の粒子コート層の材質をいずれも粒径15nmの酸化チタン超微粒子を分散させたポリ−(α−メチルスチレン)とし、こうした粒子コート層中にシリカ微粒子を完全に埋没させた以外は前述の実施例1同様の手法により、比較例1のボトムエミッション型有機EL素子を作製した。
実施例1および比較例1の有機EL素子に、8Vの直流電圧をそれぞれ印加して、輝度を比較した。実施例1の有機EL素子は、比較例1の有機EL素子に比べて1.3倍の輝度が得られた。
(実施例2)
まず、シランカップリング剤を用いて、ガラス基板上(屈折率:1.51)の表面に疎水化処理を施した。この上に、ポリ(α−メチルスチレン)(屈折率:1.48)溶液をスピンコート法によって塗布して、膜厚160nmの第1の粒子コート層を形成した。
第1の粒子コート層上には、平均粒子径0.3μmのシリカ微粒子を含むシリカ粒子層を形成した。シリカ粒子層の形成に当たっては、平均粒子径0.3μmのシリカ微粒子(宇部日東化成株式会社製、商品名:ハイプシリカN3N、屈折率:1.50)の30wt%水分散液に、増粘剤としてポリ−ビニルアルコールを加えた分散液を用いた。この分散液をスピンコート法によって第1の粒子コート層上に塗布した後、溶媒を完全に乾燥させ、シリカ粒子層を形成した。
SEM観察の結果、シリカ粒子は六方最密格子状に集合して、3層の粒子層を形成していることが確認された。さらに、基板を100℃で1分間加熱して、粒子層の埋め込みを行なった。SEM観察の結果、ポリ(α−メチルスチレン)が毛管現象により、最上層である3層目の粒子層の2/3の位置まで達していた。
第2の粒子コート層の形成には、粒径15nmの酸化チタン超微粒子を分散させたポリ(α−メチルスチレン)(屈折率:1.81)溶液を用いた。この溶液をスピンコート法により塗布し、粒子層を完全に埋没させて、表面が平坦な微粒子層部を形成した。
その上に、ITO(屈折率1.90)をスパッタ法により100nmの膜厚で成膜して、陽極を形成した。さらに、α−NPDを真空蒸着法にて50nm堆積して正孔輸送層を形成した後、Alq3を真空蒸着法により80nm堆積して活性層を形成した。最後に、マグネシウム−銀合金を蒸着速度比10:1で真空蒸着法にて200nmの膜厚で共蒸着して陰極を形成した。こうして、図3に示したようなボトムエミッション型の有機EL素子を作製した。
得られた素子に8Vの直流電圧を印加したところ、比較例に比べ1.1倍の輝度が得られた。
(実施例3)
まず、ガラス基板上に、マグネシウム−銀合金を蒸着速度比10:1で真空蒸着法にて200nmの膜厚で共蒸着して、陰極を形成した。陰極上には、Alq3を真空蒸着法により80nm堆積して活性層を形成し、さらに、α−NPDを真空蒸着法にて50nm堆積して正孔輸送層を形成した。その上に、ITO(屈折率:1.90)をスパッタ法によって100nm成膜して、陽極を形成した。ITO上にパッシベーション膜として、窒化シリコン(屈折率:2.10)をプラズマCVD法により1000nm成膜した。
ITO上には、第2の粒子コート層が形成される。第2の粒子コート層の形成には、粒径15nmの酸化チタン超微粒子を分散させたポリ(α−メチルスチレン)(屈折率:1.81)溶液を用いた。この溶液をスピンコート法によりパッシベーション膜上に塗布し、膜厚70nmの第2の粒子コート層を得た。
第2の粒子コート層上には、平均粒子径0.3μmのシリカ微粒子を含むシリカ粒子層を形成した。シリカ粒子層の形成に当たっては、平均粒子径0.3μmのシリカ微粒子のイソプロピルアルコール分散液(扶桑化学工業株式会社製、商品名:高純度オルガノゾル クォートロンPL−30−IPA、微粒子含有率:30wt%、屈折率:1.50)にイソプロピルアルコールを加えて5倍に希釈した分散液を用いた。この分散液をスピンコート法により第2の粒子コート層上に塗布し、溶媒を完全に乾燥させて3層の粒子層を形成した。
その後、基板を100℃で1分間加熱して、粒子層の埋め込みを行なった。SEM観察の結果、酸化チタン超微粒子含有のポリ(α−メチルスチレン)が毛管現象により、粒子最下層の2/3の位置まで達していた。粒子層の上には、ポリ(α−メチルスチレン)(屈折率:1.48)溶液をスピンコート法により塗布して第1の粒子コート層を形成し、粒子層を完全に包埋した。こうして、図4に示したようなトップエミッション型の有機EL素子を作製した。
(比較例2)
微粒子層部を形成しない以外は前述の実施例3と同様の手法により、比較例2の有機EL素子を作製した。
実施例3および比較例2の有機EL素子に、8Vの直流電圧をそれぞれ印加して、輝度を比較した。実施例3の有機EL素子は、比較例2の有機EL素子と比較して、2.5倍の輝度が得られた。
(実施例4)
微粒子として内部空洞を有するポリスチレン粒子(粒径0.3μm)を用いた以外は、前述の実施例1と同様の手法により、本実施例のボトムエミッション型の有機EL素子を作製した。得られた有機EL素子に、8Vの直流電圧を印加したところ、比較例1の有機EL素子に比べて1.4倍の輝度が得られた。
本発明は、有機ELディスプレイなどの光学デバイスに好適に用いることができる。
本発明の一実施形態にかかる有機EL素子の断面図。 本発明の有機EL素子の微粒子層部における回折効率計算の結果図。 本発明の他の実施形態にかかる有機EL素子の断面図。 本発明の他の実施形態にかかる有機EL素子の断面図。 本発明の一実施形態にかかる有機EL素子の製造方法を示す工程断面図。 図5に続く工程を表わす断面図。 図6に続く工程を表わす断面図。 図7に続く工程を表わす断面図。 図8に続く工程を表わす断面図。
符号の説明
1…基板; 2…微粒子; 3…第1の粒子コート層; 4…第2の粒子コート層
5…微粒子層部; 6…第1の電極; 7…有機層; 8…第2の電極; 9…発光部
10…保護層。

Claims (5)

  1. 第1の電極および第2の電極で有機層を挟持してなる発光部と、
    前記発光部に積層形成され、周期的に配置された微粒子と前記微粒子の少なくとも一部を包埋する媒質とを備えた二次元回折格子としての微粒子層部とを具備し、
    前記周期的に配置された微粒子は、前記微粒子層中においてドメイン構造を形成し、
    前記微粒子層における媒質は、屈折率の異なる第1の粒子コート層および第2の粒子コート層を含み、前記第2の粒子コート層は前記第1の粒子コート層より屈折率が大きく、前記発光部側に設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記第2の粒子コート層は、1〜300nmの粒径の超微粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 基板上に、微粒子層部を形成する工程、および
    前記微粒子層部の上に、第1の電極と第2の電極との間に有機層が設けられた発光部を形成する工程を具備し、
    前記微粒子層を形成する工程は、
    第1の粒子コート層を形成する工程と、
    前記第1の粒子コート層上に微粒子層を形成する工程と、
    前記基板を加熱して前記第1の粒子コート層を流動性とし、前記微粒子層の隙間を濡れ上がる前記流動性の第1の粒子コート層の毛管現象により、前記微粒子を前記第1の粒子コート層中に埋め込む工程と、
    前記第1の粒子コート層よりも屈折率の大きな第2の粒子コート層で、前記微粒子層の空隙を充填する工程とを備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  4. 基板上に、第1の電極と第2の電極との間に有機層が設けられた発光部を形成する工程、および
    前記発光部の上に微粒子層部を形成する工程を具備し、
    前記微粒子層部を形成する工程は、
    第2の粒子コート層を形成する工程と、
    前記第2の粒子コート層上に微粒子層を形成する工程と、
    前記基板を加熱して前記第2の粒子コート層を流動性とし、前記微粒子層の隙間を濡れ上がる前記流動性の第2の粒子コート層の毛管現象により、前記微粒子を前記第2の粒子コート層中に埋め込む工程と、
    前記第2の粒子コート層よりも屈折率の小さな第1の粒子コート層で、前記微粒子層の空隙を充填する工程とを備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  5. 前記周期的に配置された微粒子は、六方最密格子状、正方格子状、または蜂の巣格子状であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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