JP4177690B2 - 半透過型液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

半透過型液晶表示装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計、携帯電話、オーディオ、電子機器等に使用される液晶表示装置のうち、使用環境の光である外光を利用する反射型表示と、バックライト等の照明光を利用する透過型表示との両方の表示が可能な半透過型の液晶表示装置に関するものである。より詳しくは、反射と透過の明るさと色再現性に優れた半透過型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置に用いられる液晶パネル(LCD)は、液晶パネルは非発光性のため、一般には反射板やバックライトが用いられている。液晶表示装置には、明所でも暗所でも表示が観察できるように、自然光や室内光等の外光を利用する反射型表示と、バックライトからの照明光を利用する透過型表示との両方の表示モードを行うものがある。このような液晶表示装置の構成としては、液晶パネルの背後に、入射する光の一部を透過し、他を反射する機能をする半透過反射板と、照明源であるバックライトを備えた構成が一般的に知られており、半透過型の表示装置と称されている。そして、半透過反射板として、誘電体ミラーを用い、液晶パネル内部に形成した構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、半透過反射板として画素内に透過用の開口を設けた金属反射膜を用いた例もある(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−284276号公報(第2頁、第1−3図)
【0004】
【特許文献2】
特開2001−33778号公報(第2−3頁、第1図、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載された誘電体ミラーを液晶パネル内部に形成した構成では、以下のような欠点を有している。半透過反射板として使用している誘電体ミラーは反射と透過の比率を設定して使用する。よって、反射型に比較すると暗くなり透過型と比較しても暗くなる。図2に、この半透過反射板の透過と反射での光の利用効率を説明する模式図を示す。反射の場合、外光は半透過反射板16で一部が反射し、また一部が透過光Aとして分離される。反射光は観察者に届くが、透過光Aは反射に有効利用されず観察者には届かないため、観察者は入射した外光に比較して暗い光である反射光で表示を観察することになる。
【0006】
同様に透過の場合、バックライトからの光は半透過反射板16で一部が反射して反射光Aとなり、一部が透過光として分離され観察者に届く。反射光Aも透過光として有効利用されず、入射したバックライトの光は半透過反射板により反射光Aの光量分ロスとなる。
【0007】
また、別の課題として、透過と反射の色再現性を独立してコントロール出来ない。カラーフィルターは反射と透過で兼用するために、透過で色を濃くすると反射では色が濃くなりすぎることになり、結果として明るさが足りなくなる欠点を有している。
【0008】
特許文献2に開示されている技術でも、同様に、半透過反射板の反射と透過での光利用効率が悪く、よって、反射型に比較すると暗くなり透過型と比較しても暗くなる。反射を明るくするために。スリット幅を小さくすると透過率が悪くなる。透過率の悪さをカバーする為に明るいバックライトを用意することも可能であるが、一般にバックライトを明るくすると消費電力が大きくなりバッテリーで動作する携帯機器には使用できなくなる。また、携帯機器以外でも発熱の問題が発生し、冷却構造など新たな問題を発生させるので実用的でない。
【0009】
一方、カラーフィルターは透過と反射の色再現性を独立してコントロール出来きる機能を有している。しかし、カラーフィルターを半透過反射板と組み合わせて構成しているために、反射の色を濃くすると半透過反射板の反射と透過の比率を反射が明るくなるように設定する必要があり、結果として透過率を犠牲にすることになった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、半透過反射板とカラーフィルターを組み合わせた半透過型液晶装置において、半透過反射板の透過と反射のロスを改善し、カラーフィルターの色の濃さを反射と透過でそれぞれ独立して設定できないことを改善する半透過型液晶表示装置を提供する事にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、対向する基板間に液晶層が設けられた表示素子と、液晶層の背後に設けられた反射型ホログラムカラーフィルターと、反射型ホログラムカラーフィルターの背後に設けられた吸収型カラーフィルターとを備えており、吸収型カラーフィルターには、波長帯域の光を透過する吸収型フィルターがアレイ状に配置され、また、反射型ホログラムカラーフィルターには、反射回折する光が前記吸収型フィルターの透過する光と同じ色に対応した反射フィルターが、吸収型フィルターの配置と対応するように配置されている。あるいは、互いに対向する第一の基板と第二の基板との間に液晶層が挟持された液晶表示素子と、液晶表示素子を背面から照明するバックライトを有し、第二の基板上には、複数色の波長帯域の光を透過する吸収型フィルターが規則的に配置されたてなる吸収型カラーフィルターが設けられ、吸収型カラーフィルターの観測者側に、反射回折する光が吸収型フィルターの透過光と同じ色に対応した反射フィルターが、吸収型フィルターの配置と対応するように配置された反射型ホログラムカラーフィルターが設けられた構成とした。ここで、反射型ホログラムカラーフィルターは、反射型体積ホログラムからなる。
【0012】
このような構成により、透過と反射のロスを改善し、カラーフィルターの色の濃さを反射と透過それぞれ独立して設定できるようになる。そのため、反射でも透過でも色の濃い表示と明るさを両立した半透過型液晶表示装置を簡単な構成で容易に実現できる。
【0013】
さらに、反射型ホログラムカラーフィルターとバックライトの間には散乱層が配置されている。この散乱層は特定角度範囲で入射した光を散乱し、それ以外の角度で入射された光を透過する指向性拡散層である。更に、バックライトの反射層を鏡面反射層とした。
【0014】
このような構成により、外光で特に反射型ホログラムカラーフィルターで反射に寄与しなかった透過光をバックライトの反射層で反射させ、拡散層で効率良く拡散させて反射光とするので、更に反射光の明るさが改善出来ると同時に、反射型ホログラムカラーフィルターの反射視角範囲の不足する領域に反射させる事で反射の視角範囲を簡単な構成で容易に改善できる。
【0015】
また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、支持基板上に反射型ホログラムカラーフィルターを形成する工程と、第二の基板上に吸収型カラーフィルターを形成する工程と、第二の基板の吸収型カラーフィルター上に、支持基板上の反射型ホログラムカラーフィルターを転写する工程と、吸収型カラーフィルターと反射型ホログラムカラーフィルターが積層された第二の基板と第一の基板を対向させてなる間隙に液晶層を設ける工程と、を備える。すなわち、第2の基板にカラーフィルターを基板上に形成するにあたって、基板上に吸収型カラーフィルターを形成して後、支持基板に形成された反射型ホログラムカラーフィルターを吸収型カラーフィルター上に転写する工程を有する製造方法である。このような製造方法により、反射型ホログラムカラーフィルターを容易に吸収型カラーフィルター上に形成できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明による半透過型液晶表示装置は、対向する基板間に液晶層が設けられた表示素子と、液晶層の背後に設けられた反射型ホログラムカラーフィルターと、反射型ホログラムカラーフィルターの背後に設けられた吸収型カラーフィルターとを備え、吸収型カラーフィルターには、特定の波長帯域の光を透過する吸収型フィルターがアレイ状に配置されており、反射型ホログラムカラーフィルターには、反射回折する光が吸収型フィルターの透過する光と同じ色に対応した反射フィルターが、吸収型フィルターの配置と対応するように配置されている。更に、反射型ホログラムカラーフィルターの背後には散乱層が配置されている。このような構成の半透過型液晶表示装置は、従来技術の構成と比較して、大きく異なる点は半透過反射板を使用せずに半透過方式の表示を可能とし、従来技術の課題である反射でも透過でも色の濃い表示と明るさを両立可能とする、その作用を図3の概略図を用いて説明する。
【0017】
図3は本発明の作用を説明するための概略図であり、表示装置に必要な構成を全て記載してはいない。図示するように、ここでは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)3色の画素にパターニングされた反射型ホログラムカラーフィルター8と、これと同様にパターニングされた吸収型カラーフィルター10が中間透明樹脂層9を挟んで積層され、積層カラーフィルターを構成している。この積層カラーフィルターとバックライト15の間には散乱層14が配置されている。
【0018】
最初に、反射の光路による反射型ホログラムカラーフィルターの作用を説明する。外光光源17は太陽や天井の照明などを指し、通常半透過型液晶表示装置からの距離はパネルの大きさに比較して充分離れているので、外光入射光18は指向性を持った光となり反射型ホログラムカラーフィルター8に入射する。反射型ホログラムカラーフィルター8は指向性の有る光を効率良く反射回折し回折光19となる。図中、矢印で示した入射光はGの画素に入射しているので、回折光19はG(緑色)で回折されており、その色は緑色となる。同様にR8での回折光は赤色となり、B10での回折光は青色となる。従って、反射型ホログラムカラーフィルターは外光入射光をR(赤色)、G(緑色)、B(青色)3色に分光する作用と反射する作用を併せ持っている。
【0019】
次に、透過の光路による吸収型カラーフィルターの説明をする。バックライト15からのバックライト出射光20(背面側からの入射光)は散乱層14で散乱を受けて拡散光21となり吸収型カラーフィルター10と中間透明樹脂層9と反射型ホログラムカラーフィルター8を透過して透過光22となる。図中、拡散光21はG10(緑色)を透過しているので、その色は緑色となる。同様にR10の透過光は赤色となり、B10の透過光は青色となる。この時、吸収型カラーフィルター10を透過した光が反射型ホログラムカラーフィルター8を透過するのに回折による損失が少なくなるのは光が拡散している為である。
【0020】
一般に、ホログラムは指向性のある光を効率良く回折する。しかし、拡散光などの光に対しては回折効率が悪くなる。本発明においては、反射では指向性のある外光光源を用いて効率の良い分光と反射の機能を反射型ホログラムカラーフィルターに持たせ、透過では拡散層14により光を拡散光にすることで吸収型カラーフィルター10が分光した光を反射型ホログラムカラーフィルター8が回折する効率を低減させて効率良く透過出来るようにしている。また、カラーフィルターの反射色の濃さと透過色の濃さも独立して設定可能となる。
【0021】
よって、本発明は、従来技術の構成と比較して、半透過反射板を使用せずに半透過方式の表示を可能とし、反射でも透過でも色の濃い表示と明るさを両立可能としたものである。
【0022】
また、外光には、外光光源からの指向性の良い光と周囲拡散光のように拡散した外光も存在する。この様な拡散光に対して反射型ホログラムカラーフィルターは回折効率が低下するので反射が暗くなる場合が想定される。この様な場合は以下の構成を取る事で回折効率の低下分を補償する事が可能である。
【0023】
その構成は、反射型ホログラムカラーフィルターとバックライトの間に、特定角度範囲で入射した光を散乱し、それ以外の角度で入射された光を透過する指向性拡散層を用いる。更にバックライトの反射層に鏡面反射層を使用する。
【0024】
このような構成により、外光で特に反射型ホログラムカラーフィルターで反射に寄与しなかった透過光をバックライトの反射層で反射させ、拡散層で効率良く拡散させて反射光とするので、反射の明るさが改善出来ると同時に、反射型ホログラムカラーフィルターの反射視角範囲の不足する領域に反射させる事で反射の視角範囲を簡単な構成で容易に改善できる。
【0025】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明にかかわる半透過型液晶表示装置の実施例を説明する。
(実施例1)
図1は、本実施例における半透過型液晶表示装置の断面構造を示す模式図である。図1に示すように、第一の基板4はガラス、プラスチック等の透明基板を上基板2として使用し、上透明電極3を設けている。一般的な液晶パネルと同様に図示はしないが配向膜や絶縁膜などの製膜処理及びラビングなどの配向処理がされていても良い。
【0026】
下基板11はガラス、プラスチック等の透明基板を使用し、吸収型カラーフィルター10は、染料や顔料によってR(赤色)、G(緑色)およびB(青色)のいずれかに着色された樹脂材料で形成された膜である。吸収型カラーフィルター10が形成された下基板11の表面は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等からなる中間透明樹脂層9によって覆われ、更にその上に反射型ホログラムカラーフィルター8が設けられている。この時、反射型ホログラムカラーフィルター8はそのR(赤色)、G(緑色)、B(青色)が吸収型カラーフィルター10のR、G、Bと同じ位置に重なるように形成されている。
【0027】
中間透明樹脂層9は、吸収型カラーフィルター10に形成された凸部を平坦化するとともに、反射型ホログラムカラーフィルター8を密着させる機能をもたせており、材料の異なる複数層の膜で構成しても良い。
【0028】
さらに、透明樹脂層7を形成後下透明電極6が形成され第2の基板13を構成している。第2の基板13には、第1の基板4と同様に図示はしないが配向膜や絶縁膜などの製膜処理及びラビングなどの配向処理がされていても良い。
【0029】
第1の基板4と第2の基板13はスペーサの混入されたシール材によって一定の間隙を保った状態で貼付されるとともに、これらの基板の間隙5に液晶が封入された構成となっている。図示はしないがアクティブ駆動方式の場合は薄膜トランジスタや薄膜ダイオードなどの素子が第1の基板4と第2の基板13のいずれか一方に形成されても良い。また、第1の基板4の前面側には上偏光板1が、第2の基板13の背面側には下偏光板12がそれぞれ貼着され、その偏光軸は、貼着された基板に形成される配向膜のラビング方向に応じて設定され、必要に応じて位相差板を積層しても良い。
【0030】
このような構成において、第1の基板4側から外光(すなわち、太陽光や室内照明の光等)が入射した場合、この入射光は反射型ホログラムカラーフィルター8によって反射し、これにより反射型のカラー表示を行うことができる。一方、第2の基板13の背面側に散乱層14を挟んでバックライト15が配置されている。そのため、バックライト15からの照射光は、散乱層14で散乱されて吸収型カラーフィルター10と反射型ホログラムカラーフィルター8を透過し、これにより透過型のカラー表示を行うことができる。ここで、散乱層14の機能がバックライト15に内設されている場合、散乱層14は必要としない。
【0031】
反射での表示について更に詳細に説明する。太陽光や室内照明の光等が所定角度で照明光として第1の基板4側から入射すると、照明光はR、G、B各画素の電圧印加状態に応じた位相変調を受けて反射型ホログラムカラーフィルター8へ入射する。すなわち、各画素R、G、Bで位相変調を受けた光は、赤を表示する画素Rについては、反射型ホログラムカラーフィルター8の赤色反射フィルター要素R8に入射する。R8に入射した光のうち、赤色波長成分λR のみが選択的に所定方向へ反射回折され、再度赤を表示する画素Rを同じ変調を受けて前面側へ反射し、上偏光板1で強度変調され、赤色画素表示光となる。一方、フィルター要素R8で回折されなかった波長成分λG 、λB は反射型ホログラムカラーフィルター8を通過し、背面に配置された吸収型カラーフィルター10の赤色吸収フィルター要素R10より吸収される。緑、青の各画素についても同様の原理で反射される。
【0032】
したがって、カラー表示単位中の画素R、G、Bの変調状態の組み合わせによって3つ色の表示光の加法混色により任意の色が任意の輝度で表示可能になり、2次元的に配置されたカラー表示単位の表示状態の組み合わせで観察可能なカラー画像が表示できる。
【0033】
ここで、反射型ホログラムカラーフィルター8に用いられる体積型の反射ホログラムについて説明する。フォトポリマー等の厚みのあるホログラム感光材料に干渉縞が記録される。このようにして記録されたホログラムは、波長選択性及び入射角度範囲選択性に優れたものであり、感光材料の厚さ、記録条件、後処理条件等を選択することにより、回折波長域の半値幅、回折方向の範囲等をある程度制御することが可能である。回折波長がそれぞれ赤色領域、緑色領域、青色領域にある3つの微小なホログラムをアレイ状に周期的に配置してなる反射型ホログラムカラーフィルター8を作製すると、反射型ホログラムカラーフィルター8の赤色反射回折ホログラム要素R8はその方向に赤色領域の波長λR のみを回折する。同様に、反射型ホログラムカラーフィルター8の緑色反射回折ホログラム要素G8はその方向に緑色領域の波長λG のみを、青色反射回折ホログラム要素B8はその方向に青色領域の波長λB のみを回折する。すなわち、反射型ホログラムカラーフィルター8は、R、G、B三原色の反射フィルター要素R8、G8、B8からなる反射型ホログラムカラーフィルターとしての作用を有することになる。
【0034】
透過における表示では、反射型ホログラムカラーフィルター8に入射する光はバックライト15からの光を散乱層14で散乱させている。反射型ホログラムカラーフィルター8は前面の外光光源が入射するような特定の角度で回折効率が高くなるように設定してあり、背面からの散乱光に対して低い回折効率を示す。その結果、バックライトからの光に対しては効率良く透過する。透過光のカラー表示は通常の透過型カラー表示と同様に吸収型カラーフィルター10により表示可能となる。
【0035】
本実施例によれば、透過と反射のロスを改善し、カラーフィルターの色の濃さを反射と透過それぞれ独立して設定できるようになる。そのため、反射でも透過でも色の濃い表示と明るさを両立した半透過型液晶表示装置を簡単な構成で容易に実現できる。
【0036】
(実施例2)
本実施例では、外光反射の明るさと視角範囲を改善できる構成について説明する。図4はその概要を示す模式断面図である。図1の構成要素から必要な要素のみ抜き出して図示している。一般に、外光には、外部光源からの指向性の良い光と周囲拡散光のように拡散した光が混在する。この様な外光拡散光源23に対して反射型ホログラムカラーフィルター8は回折効率が低下するので反射が暗くなる場合が想定される。この様な場合は以下の構成を取ることにより、回折効率の低下分が補償できる。すなわち、反射型ホログラムカラーフィルター8とバックライトの間に、特定角度範囲で入射した光を散乱し、それ以外の角度で入射された光を透過する指向性拡散層28を設ける。更に、バックライトの導光板26の背面側に反射層として鏡面反射層27を設けることとした。
【0037】
指向性拡散層28の拡散範囲はその法線方向に対して強度半値幅で±20度以内にすることが望ましい。通常のバックライトからの出射光の強度プロファイルの半値幅が、±20度であるので、この角度範囲に設定する事で必要以上の角度で散乱を持たせる必要がないためである。この様な特性を示す指向性拡散層28としては、住友化学工業株式会社製の商品名ルミスティーを使用できる。また、鏡面反射層27としては、銀、アルミニュウムなどの金属や干渉を利用した反射膜が使用できる。
【0038】
このような構成の表示装置を観察する場合を説明する。外光拡散光源23から拡散入射光24が反射型ホログラムカラーフィルター8に入射する。反射型ホログラムカラーフィルター8は実施例1で説明したように、入射角度範囲の選択性に優れている。従って、拡散入射外光24の特定角度以外の成分は反射回折せず透過し、吸収型カラーフィルター10で色の選択を受けて、指向性拡散層28と導光板26を透過し鏡面反射層27に入射して反射され、反射光25となる。反射光25は導光板26、指向性拡散層28を透過し、吸吸収型カラーフィルター10を透過する際に再度色の選択を受けて、反射型ホログラムカラーフィルター8を透過して反射画像を形成する。ここで、反射光25は、指向性拡散層28を透過する時に、指向性拡散層28の拡散していない角度範囲を透過する角度の光は必要以上の拡散を受けず効率良く反射に寄与できる。また、拡散入射光24に対して、反射型ホログラムカラーフィルター8で反射回折した光と反射光25は互いに協働的に作用して、明るさの向上に寄与する。また、反射回折光の視角範囲が狭いことを、この反射光25が補うことになるので、視角範囲の拡大も可能となる。
(実施例3)
実施例1の構成で第2の基板上にカラーフィルターを形成する方法について、図5の製造方法の概略図を用いて説明する。図中、吸収型カラーフィルター基板31はガラス、プラスチック等の透明基板を使用し、吸収型カラーフィルターは染料や顔料によってR(赤色)、G(緑色)およびB(青色)のいずれかに着色された樹脂材料で形成された膜である。更に、吸収型カラーフィルターが形成されたの表面は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂等からなる中間透明樹脂層によって覆われている。
【0039】
反射型ホログラムカラーフィルター基板30は支持基板29上に反射型ホログラムカラーフィルター8が形成されている。支持基板29と反射型ホログラムカラーフィルター8の間に、後の転写工程で必要な剥離層を設けても良い。支持基板29にはフィルム、ガラス基板等を使用する。
【0040】
また、図5において、反射型ホログラムカラーフィルター8は、R(赤色)、G(緑色)およびB(青色)の三色にパターニングされているが、後の転写工程でパターニングも兼用する場合は一色の反射型ホログラムカラーフィルター8を用いても良い。この場合は、後の転写工程をR(赤色)、G(緑色)およびB(青色)の三回行えば良い。
【0041】
図5(a)はアライメント工程を表わしており、反射型ホログラムカラーフィルター基板30と吸収型カラーフィルター基板31を近接させて、R(赤色)、G(緑色)およびB(青色)の各画素が合うようにアライメント後、両基板を密着させる。
【0042】
図5(b)の転写工程では、紫外線〜遠赤外線の領域内のいずれかの波長領域の光を反射型ホログラムカラーフィルター基板30の支持基板29側から照射して、支持基板29と反射型ホログラムカラーフィルター8の間の密着力を解消する。また、この転写工程でパターニングを兼用する場合は、レーザービームをパターンに合わせて走査させることで転写を行う。
【0043】
この光照射では、吸収型カラーフィルター表面の中間透明樹脂層にある密着層が光で反応して反射型ホログラムカラーフィルター8との密着をより強固なものにする方法を用いても良い。
【0044】
光照射後、支持基板29は剥離されて図5(c)で示す転写終了状態になる。次に、反射型ホログラムカラーフィルター8の保護の為に透明樹脂層を形成後、透明電極を製膜することで、実施例1で説明した第2の基板として使用可能となる。
【0045】
以上の製造方法を用いることで、反射型ホログラムカラーフィルターの製造工程と吸収型カラーフィルター基板の製造工程を分離できる。すなわち、反射型ホログラムカラーフィルターを、吸収型カラーフィルターが形成された基板上ではなく、支持基板29の上に形成すれば良くなる。この方法は、吸収型カラーフィルター表面に反射型ホログラムカラーフィルターを直接形成する方法に比較すると、基板の表面状態が簡素で反射型ホログラム形成用のホトポリマーの製膜、露光、の制約が緩くなり、生産性が格段に向上できる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による半透過型液晶表示装置によれば、従来技術の構成と比較して、半透過反射板を使用せずに半透過方式の表示を可能とし、反射でも透過でも色の濃い表示と明るさを両立可能とする。
【0047】
また、外光のうち反射型ホログラムカラーフィルターで反射に寄与しなかった透過光をバックライトの反射層で反射させ、拡散層で効率良く拡散させて反射光とするので、反射の明るさが改善出来ると同時に、反射型ホログラムカラーフィルターの反射視角範囲の不足する領域に反射させる事で反射の視角範囲を簡単な構成で容易に改善できる。
【0048】
また、本発明の半透過型液晶表示装置の製造方法は、吸収型カラーフィルター表面に反射型ホログラムカラーフィルターを直接形成する方法に比較すると、基板の表面状態が簡素で反射型ホログラム形成用のホトポリマーの製膜、露光、の制約が緩くなり、生産性が格段に向上できる。
【0049】
そのため、民生品市場で半透過型液晶表示装置が多用されているパソコン、カメラ、携帯電話、時計をはじめとする電子機器分野で商品価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半透過型表示装置の断面構造を示す模式図である。
【図2】従来の技術における半透過反射板の光利用効率の説明図である。
【図3】本発明の作用を説明する概略図を示した図である。
【図4】本発明の半透過型表示装置の概略図である。
【図5】本発明の半透過型表示装置の製造方法を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 上偏光板
2 上基板
3 上透明電極
4 第1の基板
5 液晶
6 下透明電極
7 透明樹脂層
8 反射型ホログラムカラーフィルター
9 中間透明樹脂層
10 吸収型カラーフィルター
11 下基板
12 下偏光板
13 第2の基板
14 散乱層
15 バックライト
16 半透過反射板
17 外光光源
18 外光入射光
19 回折光
20 バックライト出射光
21 拡散光
22 透過光
23 外光拡散光源
24 拡散入射光
25 反射光
26 導光板
27 鏡面反射層
28 指向性拡散膜
29 支持基板
30 反射型ホログラムカラーフィルター基板
31 吸収型カラーフィルター基板

Claims (4)

  1. 対向する基板間に液晶層が設けられた表示素子と、
    前記液晶層の背後に設けられた吸収型カラーフィルターと、
    前記液晶層と前記吸収型カラーフィルターの間に設けられた、それぞれが特定波長の光を反射回折する複数色の反射フィルターが形成された反射型ホログラムカラーフィルターと、
    前記吸収型カラーフィルターの背後に設けられたバックライトと、
    前記バックライトと前記反射型ホログラムカラーフィルターとの間に設けられた散乱層を備え、
    前記吸収型カラーフィルターには、それぞれが特定の波長帯域の光を透過する複数色の吸収領域が形成され、
    前記吸収型カラーフィルターの複数色の吸収領域と前記反射型ホログラムカラーフィルターの複数色の反射フィルターは、同じ色同士が重なるように配置されたことを特徴とする半透過型液晶表示装置。
  2. 前記散乱層が、特定角度範囲で入射した光を散乱し、それ以外の角度で入射された光を透過する指向性拡散層であることを特徴とする請求項1に記載の半透過型液晶表示装置。
  3. 前記バックライトの背後側に鏡面反射層を備えることを特徴とする請求項または請求項に記載の半透過型液晶表示装置。
  4. 互いに対向する第一基板と第二基板の間隙に液晶層が設けられた半透過型液晶表示装置の製造方法であって、
    反射型ホログラムカラーフィルターを支持基板の上に形成する工程と、前記第二基板の上に吸収型カラーフィルターを形成する工程と、前記反射型ホログラムカラーフィルターを前記支持基板から前記吸収型カラーフィルター上に転写する工程と、前記吸収型カラーフィルターと前記反射型ホログラムカラーフィルターが積層された第二基板と前記第一基板とを対向させてなる間隙に液晶層を設ける工程と、を備えることを特徴とする半透過型液晶表示装置の製造方法。
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