JP4176679B2 - 空気調和装置の制御方法及びその制御装置、並びに空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置の制御方法及びその制御装置、並びに空気調和装置 Download PDF

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Description

本発明は、空気調和装置に関し、さらに詳しくは、油流出量に応じた適切な時期に油戻し運転のできる、空気調和装置の制御方法、制御用コンピュータプログラム及びその制御装置、並びに空気調和装置に関するものである。
空気調和装置は、家屋やビルディングその他の内部空間における空気の温度や湿度を適切に調整するため、広く使用されている。空気調和装置において、圧縮機からは冷媒とともに圧縮機の潤滑油が、空調装置の配管や凝縮器等の各機器類の内部へ流出する。この量が過大になると圧縮機の潤滑が不足して圧縮機の性能が低下したり、圧縮機が焼き付いたりする等、空気調和装置の運転に支障をきたすおそれがある。
これを回避するため、空気調和装置の配管や各機器内へ流出した油を圧縮機へ戻す、いわゆる油戻し運転が定期的に実行される。特許文献1には、空気調和装置の運転周波数がある程度低下すると、冷媒中に含まれる油の戻りが悪くならないように、前記運転周波数低下後の一定時間は、一定周波数で油戻し運転のための運転を実行するとともに、油戻し運転後に圧縮機の停止指令が出力されたとしても、所定時間は圧縮機を停止させない技術が開示されている。
特開平6−323651号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術は、空調装置の運転周波数が低下した後における一定時間に、一定周波数で油戻し運転を実行するため、実際に圧縮機から流出した油量が過大となった場合には、油戻し運転が実行されない場合がある。また、空調装置の運転条件によっては、必要以上に油戻し運転が実行されて、空調のフィーリング悪化や、過渡的な冷媒流動音が発生する場合もある。そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、油流出量に応じた適切な時期に油戻し運転を行うことにより、圧縮機の耐久性低下を抑制するとともに、空調フィーリングの悪化を抑制できる空気調和装置の制御方法、制御用コンピュータプログラム及びその制御装置、並びに空気調和装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気調和装置の制御方法は、空気調和装置の運転を制御するにあたり、前記空気調和装置に備えられる圧縮機のドーム下過熱度と、前記圧縮機から吐出される冷媒の冷媒循環量とを求める手順と、求めた前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量との関係に基づいて、前記圧縮機からの油流出量を算出する手順と、算出した前記油流出量を積算して、積算油流出量を算出する手順と、前記積算油流出量が予め定めた油流出量限界値に到達した場合には、油戻し運転を実行する手順と、を含むことを特徴とする。
この空気調和装置の制御方法は、ドーム下過熱度と圧縮機から吐出される冷媒の冷媒循環量との関係に基づいて求めた圧縮機からの油(圧縮機潤滑油)流出量を積算し、その積算油流出量が予め定めた油流出量限界値に到達した場合には、油戻し運転を実行する。これにより、油流出量に応じた適切な時期に油戻し運転を行うことができるので、圧縮機の耐久性低下を抑制するとともに、空調フィーリングの悪化を抑制できる。ここで、冷媒循環量は、圧縮機の回転数で代表させることができる。また、本発明に係る空気調和装置の制御用コンピュータプログラムによれば、前述の空気調和装置の制御方法がコンピュータを利用して実現できる。
次の本発明に係る空気調和装置の制御方法は、前記空気調和装置の制御方法において、前記圧縮機からの油流出量を算出する手順においては、前記圧縮機が実際に運転される範囲内で、前記冷媒循環量の範囲を分割するとともに、分割されたある冷媒循環量域内においては、冷媒循環量を固定することを特徴とする。
この空気調和装置の制御方法は、前記空気調和装置の制御方法の構成をすべて含むので、前記空気調和装置の制御方法の奏する作用、効果を奏する。さらに、この空気調和装置の制御方法では、圧縮機が実際に運転される範囲内で、冷媒循環量の範囲を分割するとともに、分割されたある冷媒循環量域内においては、冷媒循環量を固定することにより、油流出量を算出する。これにより、油流出量を求める際に必要なデータを少なくすることができる。また、本発明に係る空気調和装置の制御用コンピュータプログラムによれば、前述の空気調和装置の制御方法がコンピュータを利用して実現できる。
次の本発明に係る空気調和装置の制御方法は、前記空気調和装置の制御方法において、分割されたある冷媒循環量域内において冷媒循環量を固定するにあたっては、前記ある冷媒循環量域内における最大の冷媒循環量に冷媒循環量を固定することを特徴とする。
この空気調和装置の制御方法は、前記空気調和装置の制御方法の構成をすべて含むので、前記空気調和装置の制御方法の奏する作用、効果を奏する。さらに、この空気調和装置の制御方法では、ある冷媒循環量域内における最大の冷媒循環量に冷媒循環量を固定する。これにより、圧縮機からの油流出量を大きく見積もることができるので、圧縮機からの油流出量に余裕のある状態で油戻し運転を実行できる。その結果、圧縮機が潤滑不足等に陥る危険性を低減できる。また、本発明に係る空気調和装置の制御用コンピュータプログラムによれば、前述の空気調和装置の制御方法がコンピュータを利用して実現できる。
次の本発明に係る空気調和装置の制御方法は、前記空気調和装置の制御方法において、前記冷媒循環量を求める手順においては、前記圧縮機の吸入部における冷媒の圧力と冷媒の温度とから求めた前記圧縮機の吸入部における冷媒の比体積を用い、前記圧縮機からの油流出量を算出する手順では、前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量との関係から、求めた前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量とに対応した油分離効率を求め、さらに、求めた油分離効率と、前記冷媒循環量との関係から油流出量を算出することを特徴とする。
この空気調和装置の制御方法は、前記空気調和装置の制御方法の構成をすべて含むので、前記空気調和装置の制御方法の奏する作用、効果を奏する。さらに、この空気調和装置の制御方法では、分割された、ある冷媒循環量域内において冷媒循環量を固定せず、求めたドーム下過熱度と冷媒循環量とに対応した油流出量を求める。これにより、圧縮機からの油流出量をさらに精度よく見積もることができる。その結果、より適切な時期に油戻し運転時期を行うことができるので、圧縮機の耐久性低下をさらに抑制できるとともに、空調フィーリングの悪化もさらに抑制できる。また、本発明に係る空気調和装置の制御用コンピュータプログラムによれば、前述の空気調和装置の制御方法がコンピュータを利用して実現できる。
次の本発明に係る空気調和装置の制御装置は、空気調和装置の運転を制御する際に用いるものであり、前記空気調和装置に備えられる圧縮機のドーム下過熱度を求める温度算出部と、前記圧縮機から吐出される冷媒の冷媒循環量を求めるとともに、求めた前記冷媒循環量と前記ドーム下過熱度との関係に基づいて、前記圧縮機からの油流出量を算出する油流出量算出部と、算出した前記油流出量を積算して、積算油流出量を算出する積算部と、
前記積算油流出量が予め定めた油流出量限界値に到達した場合には、油戻し運転を実行すると判定する油戻し運転判定部と、を含んで構成されることを特徴とする。
この空気調和装置の制御装置は、ドーム下過熱度と前記冷媒循環量との関係に基づいて求めた圧縮機からの油流出量を積算し、その積算油流出量が予め定めた油流出量限界値に到達した場合には、油戻し運転を実行させる。これにより、油流出量に応じた適切な時期に油戻し運転を行うことができるので、圧縮機の耐久性低下を抑制するとともに、空調フィーリングの悪化を抑制できる。
次の本発明に係る空気調和装置の制御装置は、前記空気調和装置の制御装置において、前記油流出量算出部は、前記圧縮機が実際に運転される範囲内で、前記冷媒循環量の範囲を分割するとともに、分割されたある冷媒循環量域内においては冷媒循環量を固定して、前記圧縮機からの油流出量を算出することを特徴とする。
この空気調和装置の制御装置は、前記空気調和装置の制御装置の構成をすべて含むので、前記空気調和装置の制御装置の奏する作用、効果を奏する。さらに、この空気調和装置の制御装置では、圧縮機が実際に運転される範囲内で、冷媒循環量の範囲を分割するとともに、分割されたある冷媒循環量域内においては、冷媒循環量を固定することにより、油流出量を算出する。これにより、油流出量を求める際に必要なデータを少なくすることができるので、ハードウェア資源を節約できる。
次の本発明に係る空気調和装置の制御装置は、前記空気調和装置の制御装置において、分割されたある冷媒循環量域内において冷媒循環量を固定するにあたっては、前記ある冷媒循環量域内における最大の冷媒循環量に冷媒循環量を固定することを特徴とする。
この空気調和装置の制御装置は、前記空気調和装置の制御装置の構成をすべて含むので、前記空気調和装置の制御装置の奏する作用、効果を奏する。さらに、この空気調和装置の制御装置では、ある冷媒循環量域内における最大の冷媒循環量に冷媒循環量を固定する。これにより、圧縮機からの油流出量を大きく見積もることができるので、圧縮機からの油流出量に余裕のある状態で油戻し運転を実行できる。その結果、圧縮機が潤滑不足等に陥る危険性を低減できる。
次の本発明に係る空気調和装置の制御装置は、前記空気調和装置の制御装置において、前記油流出量算出部は、前記圧縮機吸入部における冷媒の圧力と冷媒の温度とから求めた、前記圧縮機の吸入部における冷媒の比体積を用いて前記冷媒循環量を求め、前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量との関係から、前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量とに対応した油分離効率を求め、さらに、求めた油分離効率と前記冷媒循環量との関係から、前記圧縮機からの油流出量を算出することを特徴とする。
この空気調和装置の制御装置は、前記空気調和装置の制御装置の構成をすべて含むので、前記空気調和装置の制御装置の奏する作用、効果を奏する。さらに、この空気調和装置の制御装置では、冷媒循環量毎に油流出量を求めるので、圧縮機からの油流出量をさらに精度よく見積もることができる。これにより、より適切な時期に油戻し運転時期を行うことができるので、圧縮機の耐久性低下をさらに抑制できるとともに、空調フィーリングの悪化もさらに抑制できる。
次の本発明に係る空気調和装置は、前記空気調和装置の制御装置を備えることを特徴とする。
この空気調和装置は、前記空気調和装置の制御装置により、ドーム下過熱度と前記冷媒循環量との関係に基づいて求めた圧縮機からの油流出量を積算し、その積算油流出量が予め定めた油流出量限界値に到達した場合には、油戻し運転を実行するように制御される。これにより、油流出量に応じた適切な時期に油戻し運転を行うことができるので、圧縮機の耐久性低下を抑制するとともに、空調フィーリングの悪化を抑制できる。
本発明に係る空気調和装置の制御方法及びその制御装置、並びに空気調和装置は、油流出量に応じた適切な時期に油戻し運転を行うことにより、圧縮機の耐久性低下を抑制するとともに、空調フィーリングの悪化を抑制できるという効果を奏する。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、発明を実施するための最良の形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。本発明は、空気調和装置一般に対して適用できるが、特に、複数の室内機を駆動するいわゆるマルチ式の空気調和装置に対して好適に適用できる。
実施例1に係る空気調和装置の制御方法及び制御装置、並びに空気調和装置は、次の点に特徴がある。すなわち、空気調和装置に備えられる圧縮機のドーム下過熱度と、前記圧縮機から吐出される冷媒循環量との関係に基づいて圧縮機からの油流出量を算出し、これを積算する。そして、積算した積算油流出量が、予め定めた油流出量限界値に到達した場合には、油戻し運転を実行する。図1は、実施例1に係る空気調和装置を示す構成概念図である。図1を用いて、実施例1に係る空気調和装置の構成を説明する。
この空気調和装置(以下空調装置)1は、室外機3と、室外機3から冷媒が供給される複数の室内機21、22を備える、いわゆるマルチの空調装置である。この空調装置1では、2台の室内機21、22を備えるが、室内機の数は2台に限定されるものではない。それぞれの室内機21、22と、室外機3とは、室外機3内に備えられる操作弁491、492を介して接続されている。なお、操作弁491、492は、室内機21、22と、室外機3とを接続した後は全開に固定される。
それぞれの室内機21、22には、室内機用熱交換器211、212、及び冷房用電磁絞り弁351、352が備えられている。冷房用電磁絞り弁351、352は、各室内機21、22の運転条件に応じて開度が調整される。例えば、各室内機21、22を冷房運転する場合には、冷房用電磁絞り弁351、352の開度が冷房用に調整される。室内機用熱交換器211、212では、室外機3から送られる冷媒と、各室内機21、22が設置される室内の空気とが熱交換して、前記室内の空気の温度や湿度を調整する。
室外機3は、圧縮機31と、室外機用熱交換器32と、四方弁33と、アキュムレータ36と、油分離機37と、暖房用電磁絞り弁38とを備える。冷媒は、前記各構成要素内で相を変化させながら循環する。暖房用電磁絞り弁38は、各室内機21、22の運転条件に応じて開度が調整される。例えば、各室内機21、22を暖房運転する場合には、暖房用電磁絞り弁38の開度が暖房用に調整される。
圧縮機31は、室内機用熱交換器211、212又は室外機用熱交換器32からアキュムレータ36を経由して送られる冷媒蒸気を圧縮して、当該冷媒蒸気の圧力と温度とを上昇させる。圧縮機31の冷媒吐出口31oから吐出される冷媒は、油分離機37で圧縮機潤滑油(以下、油という)が分離されてから、四方弁33へ送られて、ここから室外機用熱交換器32又は室内機用熱交換器211、212へ送られる。
アキュムレータ36のアキュムレータ入口36iには、冷媒の圧縮機吸入部圧力Piを測定する圧縮機吸入部圧力センサ41が備えられている。このとき、冷媒の圧縮機吸入部温度Tiを測定する圧縮機吸入部温度計43を、アキュムレータ36のアキュムレータ入口36iにさらに備えてもよい。また、圧縮機31には、圧縮機31のドーム下31Dにおけるドーム下温度TDを測定するドーム下温度計40が備えられている。
圧縮機31の回転数(以下圧縮機回転数という)Ncは、圧縮機31を制御するインバータ39からの出力電流波形Ioから求める。空気調和装置の制御装置20は、圧縮機31を規定の圧縮機回転数Ncで運転させるため、当該圧縮機回転数Ncに相当する駆動指令scをインバータ39に与える。インバータ39は、この駆動指令scを受けて、圧縮機31を前記圧縮機回転数Ncで回転させる。このとき、空気調和装置の制御装置20は、インバータ39から出力される出力電流波形Ioを取得する。そして、これに基づいて、規定の圧縮機回転数Ncで圧縮機31が運転を継続するように、インバータ39に駆動指令scを与える。
また、インバータ39からの出力電流波形Ioから求めた圧縮機回転数Ncに基づいて圧縮機31から吐出される冷媒の流量を求めることができる。このように、インバータ39の出力電流波形Ioから圧縮機回転数Ncを求めれば、圧縮機回転数Ncを計測するための回転数計を別個に設ける必要はないので、空調装置1の構成を簡易にできるとともに、空調装置1の製造コストを低減できる。
なお、圧縮機回転数Ncを直接測定する回転数計42を用意して、これにより圧縮機回転数Ncを測定してもよい。そして、この回転数計42により圧縮機回転数Ncを所得し、前記圧縮機回転数Ncに基づいて圧縮機31から吐出される冷媒の流量を求めてもよい。この回転数計42は、例えば、光学式の回転数計を用いることができる。このようにした場合、直接圧縮機31の回転数を取得するので、圧縮機31を駆動する電動機の滑り等によってインバータ39の出力周波数と実際の回転数との差が生じた場合でも、正確な圧縮機回転数Ncを知ることができる。これにより、実施例1に係る空気調和装置の制御方法の精度を向上させることができる。
この空調装置1は、室外機3の四方弁33を切り替えることにより、各室内機21、22に冷房、又は暖房運転をさせることができる。各室内機21、22に冷房運転をさせる場合、図1に実線の矢印で示した方向に冷媒を循環させる。このときには、原則として暖房用電磁絞り弁38の開度を全開にするとともに、冷房用電磁絞り弁351、352の開度が冷房用に調整される。室外機用熱交換器32は凝縮器として機能し、各室内機用熱交換器211、212は蒸発器として機能する。
各室内機21、22の冷房運転時において、圧縮機31には、各室内機用熱交換器211、212で室内空気の熱を吸収することによって発生した冷媒の蒸気が導入されて、ここで圧縮される。そして、圧力と温度とが上昇した冷媒は室外機用熱交換器32へ送られる。室外機用熱交換器32へ送られた冷媒蒸気は、室外機用熱交換器32で外部へ熱を捨てて液化する。この液体した冷媒は、レシーバ34に一旦貯留される。
レシーバ34から各室内機用熱交換器211、212へ送られる液冷媒は、各室内機用熱交換器211、212に備えられる冷房用電磁絞り弁351、352で絞り膨張し、液化した冷媒の一部が蒸発して湿り蒸気となる。この湿り蒸気は、各室内機用熱交換器211、212で熱を奪いながら、さらに蒸発して乾き蒸気となる。この乾き蒸気の状態の冷媒は室外機3側に戻り、四方弁33を通ってアキュムレータ36内に入る。アキュムレータ36では、冷媒中の液冷媒を除去し、ガスの状態の冷媒を前記圧縮機31に送る。
冷媒の湿り蒸気が各室内機用熱交換器211、212で熱を奪うため、各室内機用熱交換器211、212の温度は周囲の温度よりも低下する。各室内機用熱交換器211、212へ空気を送風して、各室内機用熱交換器211、212と空気との間で熱交換させることにより、温度を低下させた空気を室内へ送る。これにより、各室に設置された各室内機21、22によって、各室内を冷房することができる。
各室内機21、22に暖房運転をさせる場合、図1に破線の矢印で示した方向に冷媒を循環させる。このときには、冷房用電磁絞り弁351、352の開度が冷房運転用から暖房運転用に変更されるとともに、暖房用電磁絞り弁38の開度が暖房用に調整される。このとき、室外機用熱交換器32は蒸発器として機能し、各室内機用熱交換器211、212は凝縮器として機能する。
各室内機21、22の暖房運転時においては、四方弁33が暖房運転用に切り替えられる。このとき圧縮機31には、室外機用熱交換器32で外気の熱を吸収することによって発生した冷媒の蒸気が導入されて、ここで圧縮される。そして、圧力と温度とが上昇した冷媒は、各室内機用熱交換器211、212へ送られる。各室内機用熱交換器211、212へ送られた冷媒蒸気は、ここで室内空気へ熱を与えて液化する。この液体した冷媒は、暖房用電磁絞り弁38で絞り膨張し、液化した冷媒の一部が蒸発して湿り蒸気となる。この湿り蒸気は、室外機用熱交換器32へ送られて、外気の熱を奪いながら、さらに蒸発して乾き蒸気となる。
各室内機用熱交換器211、212へ送られた冷媒蒸気は、室内空気に熱を与えて液化するので、室内空気よりも温度が高い。各室内機用熱交換器211、212へ空気を送風して、各室内機用熱交換器211、212と空気との間で熱交換させることにより、温度を上昇させた空気を各室内へ送る。これによって、各室に設置された各室内機21、22によって各室内を暖房することができる。
図2は、実施例1に係る空気調和装置の制御装置の構成を示す説明図である。実施例1に係る空調装置1は、実施例1に係る空気調和装置の制御装置(以下、空調機制御装置という)20により運転が制御される。空調制御装置20は、温度算出部21と、油流出量算出部22と、積算部23と、油戻し運転判定部24と、処理部25と、記憶部26とを備えて構成される。これらは、入力ポート27と出力ポート28とに介して接続されている。これにより、温度算出部21と、油流出量算出部22と、積算部23と、処理部25と、記憶部26とは、相互にデータをやり取りできるように構成されている。
また、入力ポート27には、運転に関する情報を取得するドーム下温度計40、圧縮機吸入部圧力センサ41その他のセンサ類やインバータ39が接続されている。また、出力ポート28には、空調装置1の冷房用電磁絞り弁351、352や、暖房用電磁絞り弁38その他の制御対象が接続されている。これにより、油流出量算出部22や処理部25は、前記各種センサ類から空調装置1の運転に必要な情報を取得し、当該情報に基づいて空調装置1の運転を制御する。
記憶部26には、実施例1に係る空気調和装置の制御方法の処理手順を含むコンピュータプログラムや、空調装置1の運転を制御するために必要なデータ類が格納されている。ここで、記憶部26は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。また、処理部25は、メモリ及びCPUにより構成することができる。また、記憶部26は、処理部25に内蔵されるものであってもよい。
上記コンピュータプログラムは、温度算出部21や処理部25等へすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、この実施例に係る空気調和装置の制御方法の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この空調制御装置20は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、空調制御装置20が備える温度算出部21、油流出量算出部22、積算部23及び処理部25の機能を実現するものであってもよい。次に、この空調制御装置20を用いて、実施例1に係る空気調和装置の制御方法(以下、空調装置制御方法)を実現する手順を説明する。なお、次の説明においては、適宜図1、2を参照されたい。
図3は、実施例1に係る空調装置制御方法の処理手順を示すフローチャートである。実施例1に係る空調装置制御方法を実行するにあたって、まず空調制御装置20が備える積算部23が、積算油流出量QT=0として、積算油流出量QTを初期化する(ステップS101)。次に、空調制御装置20の油流出量算出部22は、インバータ39から出力電流波形を取得して、これに基づいて圧縮機回転数Ncを算出し、取得する(ステップS102)。空調制御装置20の温度算出部21は、圧縮機吸入部圧力センサ41から圧縮機31の圧縮機吸入部31iにおける冷媒の圧縮機吸入部圧力Piと、ドーム下温度計40から圧縮機31のドーム下温度TDとを取得する(ステップS102)。
次に、温度算出部21は、取得した冷媒の圧縮機吸入部圧力Piを、CSST(Compressor Suction Saturated Temperature:圧縮機吸入飽和温度)に変換する(ステップS103)。CSSTは、冷媒の圧縮機吸入部圧力Piと所定の関係があるので、冷媒の圧縮機吸入部圧力Piが分かれば、前記所定の関係に基づいて圧縮機吸入部圧力Piを変換することにより、CSSTを求めることができる。例えば、PiとCSSTとの関係を記述した変換テーブルを記憶部26に格納しておき、取得した冷媒の圧縮機吸入部圧力Piを温度算出部21が前記テーブルに与えることで、CSSTを求めることができる。
次に、温度算出部21は、ドーム下過熱度ΔTを求める(ステップS104)。ドーム下過熱度は、式(1)により求めることができる。
ΔT=TD−CSST・・・(1)
すなわち、ドーム下過熱度ΔTは、圧縮機31のドーム下31Dにおけるドーム下温度TDとCSSTとの差である。次に、油流出量算出部22は、温度算出部21が求めたドーム下過熱度ΔTと、取得した圧縮機回転数Ncとにおける油流出量Qを求める(ステップS105)。この手順について説明する。
図4−1は、ドーム下過熱度と油流出量との関係を、圧縮機回転数に応じて示した説明図である。図4−2は、実施例1に係る油流出量算出テーブルの一例を示す説明図である。実施例1における空調装置制御方法では、圧縮機回転数Ncとドーム下過熱度ΔTとが与えられれば、油流出量を直接決定できるようにしてある。圧縮機31から流出する油流出量を計算する際には冷媒の循環量が必要となる。これを適切に求めるには、圧縮機吸入部31iにおける冷媒の比体積が必要となる。実施例1においては、簡略化のため、次に説明するように、冷媒循環量をある一定の値で固定してある。
圧縮機31から吐出される冷媒の冷媒循環量は、圧縮機31の圧縮機回転数Ncにほぼ比例して増加するので、前記冷媒循環量は、圧縮機回転数Ncで表すことができる。実施例1では、圧縮機31が実際に運転される範囲内で、冷媒循環量の範囲を分割する。より具体的には、圧縮機31が実際に運転される運転条件の範囲内において、圧縮機31の圧縮機回転数Nc(冷媒循環量に相当)を3段階の回転数域に分割する。なお、圧縮機回転数Ncの範囲の分割は3段階に限定されるものではなく、さらに細かく分割してもよい。また、圧縮機31が実際に運転される圧縮機回転数Ncの範囲が狭ければ、前記圧縮機回転数Ncの範囲を3段階より粗く分割してもよい。
次に、それぞれの回転数域において、最も高い圧縮機回転数を選択し、それぞれの回転数域における圧縮機回転数を、選択した圧縮機回転数に固定する。これにより、圧縮機31からの油流出量を大きく見積もることができるので、圧縮機31からの油流出量に余裕のある状態で油戻し運転を実行できる。その結果、圧縮機31が潤滑不足等に陥る危険性を低減できる。また、油流出量を求める際に必要なデータを少なくすることができるので、ハードウェア資源を節約できる。ここで、それぞれの回転数域NNc1、NNc2、NNc3での最も高い圧縮機回転数を、それぞれNc1、Nc2、Nc3として説明する。
そして、選択したそれぞれの圧縮機回転数Nc1、Nc2、Nc3において、冷房定格の空気条件で、室外機と同等馬力の室内機を前記室外機に接続して運転した場合の、圧縮機吸入部における冷媒の圧縮機吸入部圧力Piと圧縮機吸入部温度Tiとを、例えばコンピュータシミュレーションにより求める。そして、求めた圧縮機吸入部における圧縮機吸入部圧力Piと圧縮機吸入部温度Tiとから、その状態における冷媒の比体積を求める。同時に、圧縮機31の運転状況表から圧縮機31の体積効率を求め、冷媒循環量を算出する。
例えば、圧縮機回転数がNc1rpsの場合、冷媒循環量はA(kg/min)となり、圧縮機回転数がNc2rpsの場合、冷媒循環量B(kg/min)となり、圧縮機回転数がNc3rpsの場合、冷媒循環量はC(kg/min)となるとすれば、上述した、圧縮機31の回転数域NNc1、NNc2、NNc3における冷媒循環量が、それぞれA、B、Cで代表されることになる。ここで、A<B<Cである。
単位時間あたりに圧縮機31から流出する油流出量Q(kg/min)は、冷媒循環量Gr(kg/min)と油分離効率OC%(%)との積で求めることができる。なお、求めた油流出量Qは、必要に応じて体積流量に変換してもよい。油分離効率OC%は、ドーム下過熱度ΔTとともに大きくなる。油分離効率OC%を実測により求めることにより、図4−1に示すように、ドーム下過熱度ΔTと油流出量Qとの関係を求めることができる。図4−2に示す油流出量算出テーブル50は、図4−1に示す関係から作成したものであり、圧縮機回転数Ncとドーム下過熱度ΔTとから、圧縮機31からの油流出量Qを直接決定することができる。なお、油流出量算出テーブル50には、油流出量Qのデータが離散的に記述されているが、油流出量算出テーブル50に存在しないデータは、存在するデータ間を補間して求めることができる。
油流出量算出部22が、求めたドーム下過熱度ΔT及び取得した圧縮機回転数Ncを油流出量算出テーブル50に与えて、前記条件における油流出量Qを求めたら(ステップS105)、積算部23は、求めた油流出量Qを積算油流出量QTに加算する(ステップS106)。図5は、油流出量の積算を示す説明図である。実施例1で求める油流出量Qは、単位時間Δθあたりに圧縮機31から流出する油の量である。前記単位時間Δθ毎に圧縮機回転数Ncとドーム下過熱度ΔTとを取得して、圧縮機31からの油流出量Qを求めれば、これを順次加算することで、圧縮機31からの総油流出量を求めることができる。このとき、前記単位時間Δθ内では、圧縮機回転数Ncとドーム下過熱度ΔTは変化しないものとして取り扱う。また、前記積算油流出量QTが、圧縮機31からの総油流出量に相当する。
油戻し運転判定部24は、積算部23が求めた積算油流出量QTと、予め定めた限界油流出量QLとを比較する(ステップS107)。QT<QLである場合(ステップS107;Yes)、空調制御装置20は、上記ステップS102〜ステップS106を繰り返す。QTがQL以上となった場合、これ以上圧縮機31から油が流出すると、圧縮機31の運転に支障をきたすおそれがある。したがって、油戻し運転判定部24は油戻し運転を実行すると判定し、この油戻し運転実行指令を処理部25へ送る。処理部25は、この油戻し運転実行指令を受けて、油戻し運転を実行する(ステップS108)。
油戻し運転は、冷房運転時においては、冷房用電磁絞り弁351、352の開度を冷房運転時よりも大きくする。これにより、空気調和装置1内を循環する冷媒に液体の冷媒を混入し、液体の冷媒とともに油を回収する。暖房運転時には、デフロストと呼ばれるいわゆる室外機3の霜取り運転を実行する。この運転は、冷房運転と同様に、冷房用電磁絞り弁351、352の開度が冷房用に調整するとともに、暖房用電磁絞り弁38の開度を全開にする。このとき、冷房運転時の油戻し運転と同様に、冷房用電磁絞り弁351、352の開度を冷房運転時よりも大きくして、液体の冷媒とともに油を回収する。
以上、実施例1によれば、冷媒循環量と圧縮機のドーム下過熱度との関係を用いて圧縮機からの油流出量を求め、これを積算して求めた積算油流出量に基づいて、油戻し運転を行う。これにより、圧縮機からの油流出量を精度よく見積もって、油流出量に応じた適切な時期に油戻し運転を行うことができる。その結果、圧縮機の耐久性低下をより抑制できる。また、適切な時期に油戻し運転を行うので、必要以上の油戻し運転は行わない。これにより、空調フィーリングの悪化も抑制できる。さらに、適切な時期に油戻し運転を行うので、油戻し運転実行時における過渡的な冷媒流動音も抑制できる。なお、実施例1の構成は、以下の実施例に対しても適宜適用できる。また、実施例1と同様の構成を備える以上、実施例1と同様の作用、効果を奏する。
実施例2は、実施例1とほぼ同様の構成であるが、油流出量を算出する手順が異なる。他の構成は、実施例1と同様なのでその説明を省略するとともに、同一の構成には同一の符号を付す。なお、実施例2は、実施例1に係る空気調和装置1及び空調制御装置20により実現できるので、以下の説明においては、適宜図1、2を参照されたい。
図6は、実施例2に係る空調装置制御方法の油流出量の算出手順を示すフローチャートである。図7−1は、実施例2で用いる比体積変換テーブルを示す説明図である。図7−2は、実施例2で用いる油分離効率変換テーブルを示す説明図である。実施例2に係る空調装置制御方法は、実施例1に係る空調装置制御方法とほぼ同様の手順で実現でき、実施例1に係る空調装置制御方法の油流出量算出手順(ステップS105、図3)が異なる。次に、実施例2に係る空調装置制御方法の油流出量の算出手順について説明する。
単位時間あたりの油流出量Q(kg/min)は、式(2)で求められる。
Q=Gr×OC%・・・(2)
ここで、Grは圧縮機31から吐出される冷媒の冷媒循環量(kg/min)であり、OC%は油分離効率(%)である。実施例2においては、油流出量算出部22が、まず、冷媒循環量を算出する(ステップS201)。
冷媒循環量Grは、式(3)により求めることができる。
Gr=Nc×ηv×Vc×Vs・・・(3)
ここで、Ncは圧縮機回転数、ηvは圧縮機の体積効率、Vcは圧縮機の押退量、Vsは圧縮機吸入部31iにおける冷媒の比体積である。これにより、単位時間あたりの冷媒の質量流量が算出できる。
ここで、体積効率ηvは、圧縮機31の高圧と低圧との比率、すなわち圧縮比により変化する。このため、圧縮機31の圧縮比が決まれば、体積効率ηvを求めることができる。また、圧縮機吸入部31iにおける冷媒の比体積Vsは、圧縮機吸入部31iにおける圧縮機吸入部圧力Piと、圧縮機吸入部31iにおける圧縮機吸入部温度Tiとによって影響を受ける。比体積Vsを求めるにあたり、油流出量算出部22は、前記圧縮機吸入部圧力Piと前記圧縮機吸入部温度Tiとを、それぞれ圧縮機吸入部圧力センサ41と圧縮機吸入部温度計43とにより測定する。そして、油流出量算出部22は、図7−1に示す、比体積変換テーブル51により測定した圧縮機吸入部圧力Pi及び圧縮機吸入部温度Tiにおける比体積Vsを求める。なお、比体積変換テーブル51は、実験やコンピュータシミュレーション等から得られた相関情報に基づき作成されるものであり、作成した比体積変換テーブル51は、記憶部26へ格納しておく。
圧縮機回転数Ncは実測により求め、圧縮機の体積効率ηvは、圧縮機31の圧縮比に基づいて求め、圧縮機の押退量Vcは、圧縮機31の仕様に基づいて求めることができる。したがって、油流出量算出部22は、比体積変換テーブル51から求めた比体積Vs、圧縮機回転数Nc、体積効率ηv及び圧縮機の押退量Vcを上記式(3)に与えることで、圧縮機31から吐出される冷媒の冷媒循環量Grを求めることができる。なお、比体積変換テーブル51には、比体積Vsのデータが離散的に記述されているが、比体積変換テーブル51に存在しないデータは、存在するデータ間を補間して求めることができる。
次に、油流出量算出部22は、油分離効率OC%を求める(ステップS202)。油分離効率OC%は、その値が小さいほど冷媒に溶けこんで流出する油の量が小さいことになる。OC%はドーム下過熱度ΔT、すなわち、TD−CSSTと、圧縮機回転数(すなわち冷媒循環量)により影響を受けるので、両者をパラメータとしてOC%を計測した実験結果をテーブルとして用意する。これが、図7−2に示す、油分離効率変換テーブル52である。この油分離効率変換テーブル52により、求めたドーム下過熱度と冷媒循環量とに対応した油分離効率OC%を求めることができる。
すなわち、実施例2においては、圧縮機31が実際に運転される範囲内で冷媒循環量の範囲を分割せず、冷媒循環量の変化を考慮して、求めたドーム下過熱度と冷媒循環量毎に油分離効率OC%を求める。なお、油分離効率変換テーブル52には、油分離効率OC%のデータが離散的に記述されているが、油分離効率変換テーブル52に存在しないデータは、存在するデータ間を補間して求めることができる。
油流出量算出部22は、温度算出部21が求めたドーム下過熱度ΔTを取得するとともに、すでに取得した圧縮機回転数Ncと前記ドーム下過熱度ΔTとを、前記油分離効率変換テーブル52に与えて、油分離効率OC%を求める(ステップS202)。そして、油流出量算出部22は、求めた油分離効率OC%と、求めた冷媒循環量Grとを式(2)に与えることで、単位時間あたりの油流出量Qを求めることができる(ステップS203)。なお、単位時間あたりの油流出量Qは質量流量で求められているが、必要に応じて体積流量に変換してもよい。
以上、実施例2によれば、圧縮機回転数毎、すなわち冷媒循環量毎に油流出量を求める。これにより、冷媒循環量の変化をより細かく考慮して油流出量を求めることができるので、実施例1よりも油流出量を精度よく見積もることができる。その結果、油流出量に応じたより適切な時期に油戻し運転時期を行うことができるので、圧縮機の耐久性低下をより抑制できる。また、より適切な時期に油戻し運転を実行できるので、空調フィーリングの悪化もより抑制できる。さらに、油戻し運転実行時における過渡的な冷媒流動音もより抑制できる。
以上のように、本発明に係る空気調和装置の制御方法、制御用コンピュータプログラム及びその制御装置、並びに空気調和装置は、空気調和装置の油戻し運転に有用であり、特に、適切な時期に油戻し運転を行うことに適している。
実施例1に係る空気調和装置を示す構成概念図である。 実施例1に係る空気調和装置の制御装置の構成を示す説明図である。 実施例1に係る空調装置制御方法の処理手順を示すフローチャートである。 ドーム下過熱度と油流出量との関係を、圧縮機回転数に応じて示した説明図である。 実施例1に係る油流出量算出テーブルの一例を示す説明図である。 油流出量の積算を示す説明図である。 実施例2に係る空調装置制御方法の油流出量の算出手順を示すフローチャートである。 実施例2で用いる比体積変換テーブルを示す説明図である。 実施例2で用いる油分離効率変換テーブルを示す説明図である。
符号の説明
1 空調装置(空気調和装置)
3 室外機
1、22、23、24 室内機
20 空調制御装置(空気調和装置の制御装置)
21 温度算出部
22 油流出量算出部
23 積算部
24 油戻し運転判定部
31 圧縮機
31D ドーム下
37 油分離機
39 インバータ
40 ドーム下温度計
41 圧縮機吸入部圧力センサ
42 回転数計
43 圧縮機吸入部温度計
351、352 冷房用電磁絞り弁
38 暖房用電磁絞り弁

Claims (10)

  1. 空気調和装置の運転を制御するにあたり、
    前記空気調和装置に備えられる圧縮機のドーム下過熱度と、前記圧縮機から吐出される冷媒の冷媒循環量とを求める手順と、
    求めた前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量との関係に基づいて、前記圧縮機からの油流出量を算出する手順と、
    算出した前記油流出量を積算して、積算油流出量を算出する手順と、
    前記積算油流出量が予め定めた油流出量限界値に到達した場合には、油戻し運転を実行する手順と、
    を含むことを特徴とする空気調和装置の制御方法。
  2. 前記圧縮機からの油流出量を算出する手順においては、
    前記圧縮機が実際に運転される範囲内で、前記冷媒循環量の範囲を分割するとともに、分割されたある冷媒循環量域内においては、冷媒循環量を固定することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置の制御方法。
  3. 分割されたある冷媒循環量域内において冷媒循環量を固定するにあたっては、前記ある冷媒循環量域内における最大の冷媒循環量に冷媒循環量を固定することを特徴とする請求項2に記載の空気調和装置の制御方法。
  4. 前記冷媒循環量を求める手順においては、前記圧縮機の吸入部における冷媒の圧力と冷媒の温度とから求めた前記圧縮機の吸入部における冷媒の比体積を用い、
    前記圧縮機からの油流出量を算出する手順では、前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量との関係から、求めた前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量とに対応した油分離効率を求め、さらに、求めた油分離効率と、前記冷媒循環量との関係から油流出量を算出することを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置の制御方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする空気調和装置の制御用コンピュータプログラム。
  6. 空気調和装置の運転を制御する際に用いるものであり、
    前記空気調和装置に備えられる圧縮機のドーム下過熱度を求める温度算出部と、
    前記圧縮機から吐出される冷媒の冷媒循環量を求めるとともに、求めた前記冷媒循環量と前記ドーム下過熱度との関係に基づいて、前記圧縮機からの油流出量を算出する油流出量算出部と、
    算出した前記油流出量を積算して、積算油流出量を算出する積算部と、
    前記積算油流出量が予め定めた油流出量限界値に到達した場合には、油戻し運転を実行すると判定する油戻し運転判定部と、
    を含んで構成されることを特徴とする空気調和装置の制御装置。
  7. 前記油流出量算出部は、
    前記圧縮機が実際に運転される範囲内で、前記冷媒循環量の範囲を分割するとともに、分割されたある冷媒循環量域内においては冷媒循環量を固定して、前記圧縮機からの油流出量を算出することを特徴とする請求項6に記載の空気調和装置の制御装置。
  8. 分割されたある冷媒循環量域内において冷媒循環量を固定するにあたっては、前記ある冷媒循環量域内における最大の冷媒循環量に冷媒循環量を固定することを特徴とする請求項7に記載の空気調和装置の制御装置。
  9. 前記油流出量算出部は、
    前記圧縮機吸入部における冷媒の圧力と冷媒の温度とから求めた、前記圧縮機の吸入部における冷媒の比体積を用いて前記冷媒循環量を求め、
    前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量との関係から、前記ドーム下過熱度と前記冷媒循環量とに対応した油分離効率を求め、さらに、求めた油分離効率と前記冷媒循環量との関係から、前記圧縮機からの油流出量を算出することを特徴とする請求項6に記載の空気調和装置の制御装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の空気調和装置の制御装置を備えることを特徴とする空気調和装置。
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