JP4176446B2 - 物干具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、物干具、特に物干竿等に吊り掛けられて使用される物干具に関する。なお、ここに言う「物干具」は、フレームに多数個のピンチが吊り下げられてなるいわゆるリング型の物干具はもとより、一枚のトレーナー、シャツ等の為に用いられる衣服用ハンガー型の物干具も含むものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来、物干具の多くは、その構成部材のほとんどが合成樹脂から作製されている。合成樹脂が多用される理由は、金属に比べて比較的低コストで作製できること、成形を行い易いことにある。
【0003】
しかしながら、合成樹脂は強度面、耐候性等に問題があることから、本出願人は、合成樹脂よりも強度面、耐候性等に優れた金属製パイプと合成樹脂とを組み合わせた物干具を先に提案している(特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001 −170394号公報(第2頁〜第3頁、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら本出願人が先に提案した上記物干具は、ピンチが20個前後付設されるような通常の物干具に係るものであって、ピンチがせいぜい10個程度付設される小型のリング型のものや、衣服用ハンガー型の物干具にはその技術思想を適用する余地がない。
【0006】
この発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、金属製パイプを用いながらも合理的に製造しうる小型のリング型の物干具あるいは衣服用ハンガー型の物干具を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
而して、この発明は、上記目的を達成するために、一対の直線状金属製パイプと、該一対の金属製パイプをその両端において連結する端部連結部材と、一対の金属製パイプ間の長さ方向中央部に配置され吊り掛け用フック台座を兼用する中央連結部材と、該中央連結部材と前記端部連結部材との間に配置され前記中央連結部材を所定位置に固定する固定用部材とからなるフレームを備え、前記各金属製パイプは、互いの周面に長さ方向に沿って設けられた開口を向かい合わせにして離間状態に配置され、前記固定用部材は、金属製パイプ内に挿入されると共に前記開口から突出する側縁部を有し、一端が前記端部連結部材に当接する一方、他端が中央連結部材に当接するものと設定され、前記中央連結部材の両側が前記固定用部材に当接することにより、中央連結部材が所定位置に固定するものとなされていることを特徴とする物干具、を要旨とする。
【0008】
金属製パイプは、アルミニウムやステンレス等の耐食性に優れた金属から作製されることが好ましいが、特にそれらに限定されるものではない。また、金属製パイプは、単なる断面真円形の周面に長さ方向に沿った開口が設けられたものでも構わないが、内部に長さ方向に沿った隔壁を備えると共に、該隔壁を奥部とし前記開口より内部が広がった凹状部を備えてなるものであることが好ましい。
【0009】
端部連結部材は、その両端部が金属製パイプ内に挿入され、金属製パイプをかしめることにより固定されることが好ましい。
【0010】
固定用部材は、その側縁部が前記凹状部の開口よりも径大に形成されて、パイプ端面開口から凹状部内に挿入されてなるものであることが好ましい。
【0011】
また、固定用部材がピンチ取り付け部を備えている場合は、この物干具をリン型の物干具とすることができる。
【0012】
さらに、固定用部材が両側に両パイプに挿入される側縁部を有し、幅方向中央部に長孔を備え、端部連結部材と一体化されている場合には、衣服用ハンガー型物干具として好適であって、かつ部材点数が減少し、組立も行い易い物干具を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る物干具を図示実施形態に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図6は、この発明に係る物干具を衣服用ハンガー型としたもので、フレームが、一対の金属製パイプ(1)(2)と、該一対の金属製パイプ(1)(2)をその両端において連結する端部連結部材(11)(11)と、一対の金属製パイプ(1)(2)間の長さ方向中央部に配置され吊り掛け用フック台座を兼用する中央連結部材(17)と、該中央連結部材(17)と前記端部連結部材(11)(11)との間に配置され前記中央連結部材(17)を所定位置に固定する短冊状の固定用部材(12)(12)とから構成されている。
【0015】
前記各金属製パイプ(1)(2)は、ハンガーの肩部に相当する部位を構成するもので、耐食性に優れた金属が押出成形されることによい作製され、互いの周面に長さ方向に沿って設けられた開口(7)(8)を向かい合わせにして配置されている。この金属製パイプ(1)(2)は、内部に長さ方向に沿った隔壁(3)(4)を備えると共に、該隔壁(3)(4)を奥部とし前記開口(7)(8)より内部が広がった凹状部(5)(6)が設けられている。
【0016】
端部連結部材(11)は、合成樹脂から作製されてなるもので、平面視U字状を呈し、両端に金属製パイプ(1)(2)の端部開口からパイプ内に挿入される脚部(13)(13)が突設されると共に、内側に帯状の固定部材(12)が一体化されている。図1ないし図4に示す端部連結部材(11)(11)及び固定部材(12)(12)は左右一対のものである。これら端部連結部材(11)(11)は、パイプ内に挿入された脚部(13)対応位置の金属パイプ(1)(2)の下側がかしめられることにより、金属パイプ(1)(2)に固定されている。
【0017】
短冊状の固定用部材(12)は、その両側に前記凹状部(5)(6)の断面に対応する断面を有しパイプ端部開口から凹状部(5)(6)内に挿入される側縁部(15)(15)が突設されている。また、中央連結部材(17)に対応する端部は、中央連結部材(17)の下面に潜り込む突部(16)が突設されている。この固定部材(12)は、組立時に、前記突部(16)(16)が中央連結部材(17)の下面に潜り込むと共に、その両側隣接部が中央連結部材(17)に当接するものと設定されている。この当接により、中央連結部材(17)が所定位置に固定されることになるのである。(14)は、幅方向中央部に設けられた空気流通用長孔である。この長孔に替えて、複数個の丸孔を設けてそれらを空気流通用孔としても良い。
【0018】
中央連結部材(17)は、その両側に前記凹状部(5)(6)の断面に対応する断面を有しパイプ端部開口から凹状部(5)(6)内に挿入される側縁部(19)(19)が突設されている。また、その上面には、吊掛フック部(18)が突設されている。この吊掛フック部(18)は、水平回りに回動自在かつ金属パイプ(1)(2)の長さ方向に倒れうるものとなされている。
【0019】
この物干具は、図2に示す分解状態から例えば次のようにして組立てられるものである。すなわち、一対の金属製パイプ(1)(2)の同じ側の端部開口から、まず中央連結部材(17)の両側縁部(19)(19)を凹状部(5)(6)内に挿入し、中央連結部材(17)をパイプ長さ方向の略々中央部に位置させる。次に、図示右側の固定部材(12)の側縁部(15)(15)を凹状部(5)(6)に挿入し、その端部に突設された突部(16)を中央連結部材(17)の下面に潜り込ませると共に、端部連結部材(11)の脚部(13)(13)を金属パイプの凹状部(5)(6)とは異なる部位に挿入し、脚部対応位置のパイプ(1)(2)端部下側をかしめると、端部連結部材(11)がパイプ(1)(2)に固定され、ひいては端部連結部材(11)と一体化された固定部材(12)も固定されることになる。
【0020】
この状態では、中央連結部材(17)は、パイプ(1)(2)の他端側へ自由に移動できるものである。そこで、図示左側の固定部材(12)を前記固定部材(12)と同様に、パイプに嵌め合わせ、端部連結部材(11)をパイプにかしめ止めすると、中央連結部材(17)は、両側が固定部材(12)(12)に当接することにより、所期する位置に固定されることになるのである。図2はその組立て状態を示すものである。そして、最後に、金属製パイプ(1)(2)を中央連結部材(17)の左右近傍から、図5に示すように下向きに軽く曲げることにより、なだらかに傾斜した肩部を備えた衣服用ハンガー型物干具が完成することになる。
【0021】
この実施形態の衣服用ハンガー型物干具は、特にねじやボルト等の部品を用いることなく合理的に組立てられる。また、ハンガーの肩部に相当する部位が広幅に形成されているので、厚手の生地からなるトレーナー等を干した際に、トレーナーの前身ごろと後身ごろとがくっつかず、互いの間に相当な隙間ができ、洗濯物の乾燥が早められる。さらに、固定用部材(12)(12)に空気流通用長孔(14)(14)が設けられているので、空気の流通も良好に行われる。
【0022】
図7〜図12は、この発明に係る物干具をリング型としたものの実施形態を示すもので、フレームが、一対の金属製パイプ(21)(22)と、該一対の金属製パイプ(21)(22)をその両端において連結する端部連結部材(31)(31)と、一対の金属製パイプ(21)(22)間の長さ方向中央部に配置され吊り掛け用フック台座を兼用する中央連結部材(36)と、該中央連結部材(36)と前記端部連結部材(31)(31)との間に配置され前記中央連結部材(36)を所定位置に固定するピンチ吊り下げ体兼用固定用部材(32)(32)とから構成されている。
【0023】
前記各金属製パイプ(21)(22)は、アルミニウム、ステンレス等の耐食性に優れた金属が押出成形されてなるもので、互いの周面に長さ方向に沿って設けられた開口(27)(28)を向かい合わせにして配置されている。この金属製パイプ(21)(22)は、内部に長さ方向に沿った隔壁(23)(24)を備えると共に、該隔壁(23)(24)を奥部とし前記開口(27)(28)より内部が広がった凹状部(25)(26)が設けられていることは、先の実施形態の物干具における金属製パイプ(1)(2)と同様である。
【0024】
端部連結部材(31)は、合成樹脂から作製されてなるもので、平面視門形状を呈し、両端に金属製パイプ(21)(22)の端部開口からパイプ内に挿入される脚部(31a)(31a)が突設されると共に、ピンチ紐取付孔(35)を備えたピンチ取り付け部(34)が内側に向かって水平状に突設されている。
図8ないし図10に示す端部連結部材(31)(31)は同形同大の左右一対のものである。これら端部連結部材(31)(31)は、パイプ内に挿入された脚部(31a)(31a)対応位置の金属パイプ(21)(22)の下側がかしめられることにより、金属パイプ(21)(22)に固定されている。
【0025】
固定用部材(32)は、その両側に前記凹状部(25)(26)の断面に対応する断面を有しパイプ端部開口から凹状部(25)(26)内に挿入される側縁部(33)(33)が突設されている。この固定用部材(32)は、組立時に、一端が中央連結部材(36)に当接し、他端が端部連結部材(31)に当接するものと設定されている。この当接により、中央連結部材(32)が所定位置に固定されることになるのである。また、この固定用部材(32)の各々は、ピンチ紐取付孔(35)を備えたピンチ取り付け部(34)が内側に向かって水平状に突設されている。
【0026】
中央連結部材(36)は、その両側に前記凹状部(25)(26)の断面に対応する断面を有しパイプ端部開口から凹状部(25)(26)内に挿入される側縁部(38)(38)が突設されている。また、その上面には、吊掛フック(37)が突設されている。この吊掛フック部(37)は、起倒自在かつ水平回りに回動自在となされている。
【0027】
この実施形態の物干具のフレームは、図9に示す分解状態から例えば次のようにして組み立てられるものである。すなわち、一対の金属製パイプ(21)(22)の同じ側の端部開口から中央連結部材(36)の側縁部(38)(38)を凹状部(25)(26)内に挿入し、中央連結部材(36)をパイプ長さ方向略々中央部に位置させる。次に、中央連結部材(36)の両側に固定部材(32)(32)…を当接させるべく、各固定部材(32)の側縁部(33)をパイプ端部開口から凹状部(25)(26)に挿入する。その後、左右の端部連結部材(31)(31)の脚部(31a)(31a)を金属パイプの凹状部とは異なる部位に挿入し、脚部対応位置のパイプ端部下側をかしめて、端部連結部材(31)(31)を固定する。この端部連結部材(31)(31)の固定により中央連結部材(36)が両側から固定部材(32)(32)に圧接されて所期する位置に固定されることになるのである。そして、最後にピンチ(41)に一体化された吊下げ紐(40)を固定部材(32)のピンチ取付部(34)に取り付けることによりこの物干具が完成する。
【0028】
なお、金属製パイプ(21)(22)への各部材の挿入順序は、上記順序に限られるものではない。また、固定部材(32)にピンチ(41)を取り付けた後、固定部材(32)をパイプ(21)(22)に取り付けるものとしても良い。
【0029】
【発明の効果】
上述の次第で、請求項1に係る発明は、一対の金属製パイプと、該一対の金属製パイプをその両端において連結する端部連結部材と、一対の金属製パイプ間の長さ方向中央部に配置され吊り掛け用フック台座を兼用する中央連結部材と、該中央連結部材と前記端部連結部材との間に配置され前記中央連結部材を所定位置に固定する固定用部材とからなるフレームを備え、前記各金属製パイプは、互いの周面に長さ方向に沿って設けられた開口を向かい合わせにして離間状態に配置され、前記固定用部材は、金属製パイプ内に挿入されると共に前記開口から突出する側縁部を有し、一端が前記端部連結部材に当接する一方、他端が中央連結部材に当接するものと設定され、前記中央連結部材の両側が前記固定用部材に当接することにより、中央連結部材が所定位置に固定するものとなされているものであるから、各部材を金属製パイプにその一部を挿入した後、端部連結部材をパイプに固定することにより、所期する物干具が得られるので、合理的に製作できる物干具を提供できる。
【0030】
請求項2に係る発明は、前記金属製パイプが、内部に長さ方向に沿った隔壁を備えると共に、該隔壁を奥部とし前記開口より内部が広がった凹状部を備えているので、強度的により強固なフレームが得られる。
【0031】
請求項3に係る発明は、端部連結部材の両端部が金属製パイプ内に挿入され、金属製パイプをかしめることにより固定されているので、ねじやボルト、ナット等の止着部材を不要とし、より一層、合理的に組み立てられる物干具を提供できる。
【0032】
請求項4に係る発明は、固定用部材が、金属製パイプに周面開口より径大の側縁部を備え、該側縁部が凹状部内に挿入されているので、固定用部材がしっかりと取り付けられ、ひいては中央連結部材を強固に固定できる物干具を提供できる。
【0033】
請求項5に係る発明は、固定用部材がピンチ取り付け部を備えているので、小型のリング型物干し具とし好適な物干具を提供できる。
【0034】
請求項6に係る発明は、前記固定用部材は、端部連結部材と一体化されると共に、両側に両パイプに挿入される側縁部を有しかつ空気流通用孔を備えているので、トレーナー等の厚手の洗濯物に好適な衣服用ハンガー型物干具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る物干具の一実施形態(衣服用ハンガー型)の斜視図である。
【図2】 同分解状態(折り曲げ加工前)の斜視図である。
【図3】 同組立状態(折り曲げ加工前)の斜視図である。
【図4】 同平面図である。
【図5】 図4のA−A線断面図である。
【図6】 図4のB−B線断面図である。
【図7】 図4のC−C線断面図である。
【図8】 この発明に係る物干具の他の実施形態(リング型)の、ピンチの一部を省略した斜視図である。
【図9】 同物干具のフレーム分解状態の斜視図である。
【図10】 同平面図である。
【図11】 図10のA−A線拡大断面図である。
【図12】 図10のB−B線拡大端面図である。
【図13】 図10のC−C線拡大端面図である。

Claims (6)

  1. 一対の金属製パイプと、該一対の金属製パイプをその両端において連結する端部連結部材と、一対の金属製パイプ間の長さ方向中央部に配置され吊り掛け用フック台座を兼用する中央連結部材と、該中央連結部材と前記端部連結部材との間に配置され前記中央連結部材を所定位置に固定する固定用部材とからなるフレームを備え、
    前記各金属製パイプは、互いの周面に長さ方向に沿って設けられた開口を向かい合わせにして離間状態に配置され、
    前記固定用部材は、金属製パイプ内に挿入されると共に前記開口から突出する側縁部を有し、一端が前記端部連結部材に当接する一方、他端が中央連結部材に当接するものと設定され、
    前記中央連結部材の両側が前記固定用部材に当接することにより、中央連結部材が所定位置に固定するものとなされていることを特徴とする物干具。
  2. 前記金属製パイプは、内部に長さ方向に沿った隔壁を備えると共に、該隔壁を奥部とし前記開口より内部が広がった凹状部を備えてなる請求項1に記載の物干具。
  3. 前記端部連結部材は、その両端部が金属製パイプ内に挿入され、金属製パイプをかしめることにより固定されてなる請求項1又は請求項2に記載の物干具
  4. 前記固定用部材は、金属製パイプに周面開口より径大の側縁部を備え、該側縁部が前記凹状部内に挿入されてなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の物干具。
  5. 前記固定用部材は、ピンチ取り付け部を備えている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の物干具。
  6. 前記固定用部材は、端部連結部材と一体化されると共に、両側に両パイプに挿入される側縁部を有しかつ空気流通用孔を備えている請求項1ないし請求項4に記載の物干具。
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