JP4175597B2 - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、最低倍率における観察領域を越えた広い範囲にわたる試料像を得ることのできる走査電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査電子顕微鏡は、電子銃からの電子ビームを観察すべき試料上に細く集束して照射すると共に、該電子ビームで試料上を走査し、該走査により得られた二次電子等に基づいて表示装置の画面上に試料像を表示させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この様な走査電子顕微鏡においては、電子ビームによる走査領域の大きさを変えることにより、例えば数10倍の最低倍率から数10万倍の最高倍率まで倍率を変化させることができる。画像表示画面の横幅が例えば200mmの場合、試料上における電子ビームの走査幅は倍率50倍の時が4mm、倍率20万倍では1μmとなる。
【0004】
通常の観察方法は、低倍率で試料の広い範囲を観察し、関心部位を見つけてそこについて高倍率で詳細観察を行うというものである。関心部位を探すためには倍率を下げて広い領域を一度に見渡すことが便利であるため、最低倍率は低いほど好ましい。倍率を下げるためには電子ビームによる走査幅を広げる必要があるが、電子ビームの走査幅を大きくすると、得られる画像に偏向歪みの影響が大きく現れる。そのため、通常の走査電子顕微鏡では、最大走査幅は偏向歪みを許容範囲内に納められる例えば5mm程度に制限される。それに対応して得られる最低倍率も、20〜30倍程度となっている。
【0005】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、電子ビームの走査幅の制限に伴う最低倍率を下回る低倍率で広範囲の試料像を観察できるように成した新規な走査型電子顕微鏡を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づく走査電子顕微鏡は、試料に細く絞った電子ビームを照射する手段と、該電子ビームを試料上で二次元的に走査する手段と、電子ビーム走査に伴って発生する荷電粒子を検出する荷電粒子検出器と、電子ビーム走査に伴って発生する特性X線を検出するX線検出器と、電子ビーム走査に伴い荷電粒子検出器から得られる画像データを記憶する画像メモリと、モータ駆動による試料移動装置と、電子ビームの走査領域中の画像を取り込む領域を単位として試料を仮想的に格子状に区画した各区画に対して電子ビームの走査が行われるように試料を移動させる試料移動制御手段と、各区画について得られた荷電粒子検出に基づく画像データ及び特性X線検出に基づく特定元素のX線マップデータを各区画の位置に対応づけて画像メモリ、X線マップデータメモリにそれぞれ格納することにより合成画像データ及び合成マップデータを作成する画像合成手段と、該合成画像データ及び又は合成マップデータが供給される表示手段とを備えた走査電子顕微鏡において、前記合成画像データに基づいて前記表示手段に表示された合成画像の中の任意の領域を指定する指定手段と、前記合成画像中の前記指定された領域について表示する分析対象元素の種類を変更指定する変更手段を備え、X線マップデータを前記X線マップデータメモリから読み出して、前記指定手段により指定された領域のX線マップ像であり、且つ前記変更手段により変更指定された元素のX線マップ像が前記表示手段に部分像として表示されることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の走査電子顕微鏡の一概略例を示したものである。図中1は電子銃、2,3は該電子銃からの電子ビームを試料4上で集束させるための集束レンズ及び対物レンズである。5は試料上を電子ビームで走査するための偏向コイルで、X方向用とY方向用が備えられている。6は電子ビームの走査に伴って試料4から発生する二次電子等を検出するための検出器であり、該検出器から得られた信号はAD変換器7によりデジタル信号に変換されてフレームメモリ8に画像データとして記憶される。9は前記試料を載置してX−Y二次元方向に移動可能なモータ駆動のステージである。10は前記集束レンズ2及び対物レンズ5の励磁をコントロールするためのレンズ制御回路、11は前記偏向コイル5の偏向動作をコントロールするための走査制御回路、12は前記ステージ9の移動動作を制御するためのステージ制御回路である。これらレンズ制御回路10,走査制御回路11,ステージ制御回路12は中央制御装置(以後CPUと称す)13の指令に基づいて作動する。14は操作卓、15は合成画像データを格納するための画像メモリ、16は陰極線管の如き表示装置、17は原画像データを保管するためのハードディスクなどの記憶装置である。
【0009】
この様に構成された走査電子顕微鏡の動作について以下に説明する。まず、操作卓14を用いて電子ビーム走査により取得する画像倍率が最低倍率例えば50倍に設定される。表示装置16における像表示領域のサイズを例えば横幅200mm×高さ150mmとすると、倍率50倍では、試料上での電子ビーム走査領域のサイズは4mm×3mmとなる。CPU13は、電子ビームの試料上での走査領域がこのサイズになるように走査制御回路11を制御する。本発明では、この4mm×3mmの走査領域を単位区画として、試料表面が仮想的に格子状に区画される。区画数は、例えば図2に示すように横7×縦9(A1からA63まで)に選定される。そして、これらの各区画が順次電子ビームの走査位置に来るように試料が、横方向4mmステップ、縦方向3mmステップで移動される。
【0010】
なお、検出器から得られる走査領域からの画像信号を画像データとして取り込む際の取り込みサイズは、例えば256×192pixelに設定されているものとする。前記フレームメモリ8としては、この取り込みサイズに対応しうる容量のメモリが用いられる。また、前記画像メモリ15としては少なくとも7×9枚の画像データを合成した画像データを記憶可能な容量(例えば、1792(=256×7)×1758(=192×9)pixel)を有するメモリが用いられる。
【0011】
ここで、操作卓14を介してCPU13に試料移動による画像合成が指令されると、CPU13により以下のような一連の制御が行われる。すなわち、ステージ9は第一の区画A1が電子ビーム走査領域に位置するように停止され、上記最低倍率に対応した大きさの走査領域(4mm×3mm)で電子ビーム走査が行われる。得られた画像信号は、フレームメモリ8へ横256pixel×縦192pixelの取り込みサイズで一旦取り込まれた後、記憶装置17へ区画A1の画像データとして転送されて保存される。
【0012】
区画A1での電子ビーム走査及び画像信号の取り込み終了後、ステージ9はX方向(図において左方向)に4mm移動され、停止する。それにより、第2の区画A2が電子ビーム走査位置へ来るので、この位置で同様に上記最低倍率に対応した大きさの走査領域(4mm×3mm)で電子ビーム走査が行われる。得られた区画A2の画像データはフレームメモリ8を介して記憶装置17へ格納される。
【0013】
以下、全く同様にして、区画A7に至るまで4mmのX方向の移動と電子ビームの走査が繰り返され、得られた画像データはフレームメモリ8を介して記憶装置17へ取り込まれる。
【0014】
このようにして、横方向に7つの区画(A1−A7)の画像データの取得が済んだら、次は縦方向に1段(3mm)ステージが移動され、次の7つの区画(A8−A14)の画像データがステージの横方向のステップ移動と電子ビーム走査により取得される。このような横方向のステップ移動と縦方向のステップ移動を繰り返すことにより、区画A1からA63までの画像データが、記憶装置17内に格納される。
【0015】
このようにして画像データの取得が進行している時、CPU13は、記憶装置17に格納された各区画の画像データを順次画像メモリ15へ送り、各区画の画像データをつなぎ合わせた合成画像データを作成する。すなわち、画像メモリ15には、図2に示されている試料上に仮想的に格子状に区画された領域と一対一に対応させて、各区画の画像データ(256×192pixel)を格納する記憶エリアが図3に示すように設定されている。CPU13は、各区画の画像データを順次画像メモリ15へ送り、記憶エリアの各区画格納位置へ位置を合わせて書き込む。そのため、すべての区画について書き込みが終了した時点で、画像メモリ15内の記憶エリアには、試料上での4mm×3mmの区画の画像を横7枚、縦9枚つなぎ合わせた1792×1728pixelの合成画像が形成されることになる。
【0016】
この画像メモリ15に格納された合成画像Gは、図5に示すように表示装置16の画面左側の例えば縦横200mmの全体像表示領域R1に表示される。この合成画像Gは約7倍の極めて低倍率の試料像となり、1枚の画像で試料面の28mm×27mmにわたる広い範囲について観察を行うことができる。
【0017】
CPU13は、このようにして全体像表示領域に表示された合成試料像の中に、図5に示されているように、例えば矩形のボックスカーソルCを移動及び変形可能に表示させる。オペレータがこのボックスカーソルCを関心部位を囲むように設定し、表示を指示すると、CPU13は、このボックスで囲まれた領域の画像データを画像メモリ15から読み出して表示装置16へ送り、画面上の全体像表示領域R1の隣の拡大表示領域R2へ表示させる。これにより、広い範囲にわたる合成試料像中の特定領域の部分拡大像Dが隣に表示されることになり、全体像と、その部分拡大像を対比させた観察を行うことが可能となる。全体像中のボックスカーソルCを参照すれば、部分拡大像を表示している部分が全体像中のどの位置にあるかを明確に把握することが出来る。
【0018】
なお、ボックスカーソルCにより領域指定をする際、カーソル全体の移動及び大きさの指定を画素単位に指定出来るようにすると詳細に設定できるが、指定に細心の注意を払う必要がある。例えば、簡易的な指定方法として、区画単位あるいは区画の整数分の一単位でカーソルがステップ移動したり、大きさを変化させることが出来るような指定方法も併用できるようにすることが好ましい。
【0019】
また、合成試料像全体を表示させる場合も、部分拡大像を表示させる場合も、表示領域に表示しうる画素数に対して、表示対象データの画素数が多い場合には、その表示領域に収まるように画像データの画素数を減少させて表示させることを、表示装置16が自動的に行っている。
【0020】
上記実施例では、試料上の電子ビーム走査領域が4mm×3mmの大きさで、その走査領域全体について256×192pixelの画像データとして取り込むようにした。そして、この4mm×3mmの走査領域を単位区画として、試料表面を仮想的に格子状に区分した。そのため、ステージのステップ移動の量は、この画像データを取り込む単位区画の大きさに合わせて横方向4mm、縦方向3mmとなる。
【0021】
しかしながら、実用的には、電子ビームの走査領域に対し、画像データとして取り込む領域を小さく設定することが以下に述べる理由により好ましい。すなわち、電子ビームによる走査は4mm×3mmの領域について行う一方、画像データの取り込みは、走査領域の内側90%の部分についてのみとすることができる。これは、電子ビームの走査領域が4mm×3mmのように大きくなると、特に周辺部を走査する際に偏向歪みの影響により電子ビームの照射位置にずれが発生するので、その部分の画像データを使用すると画像に歪みが発生するからである。中央部分の画像データのみを取り込むことにより、そのような歪みを除くことができる。
【0022】
このようなケースでは、電子ビームの走査領域の大きさは4mm×3mmであるのに対し、画像データとして取り込むのは周辺部の10%をカットした横3.6mm×縦2.7mmの領域となる。そのため、画像を合成する単位区画は横3.6mm×縦2.7mmとなり、それに対応してステージのステップ移動の量も横方向3.6mm、縦方向2.7mmとなる。
【0023】
いま、隣り合う2つの区画例えばA1,A2に対しそれぞれ電子ビーム走査し走査領域全体について取得した2枚の画像B1,B2を図4(a)に示すように並べると、互いに隣の画像と接する辺の側に0.4mmの幅の同じ試料領域について得られた部分画像Z1-2,Z2-1がそれぞれ存在することとなる。なお、図4では、理解を得やすくするために、2つの画像を縦方向に1区画分ずらして描いてある。
【0024】
これらの部分画像Z1-2,Z2-1は、本来は同じ試料領域について同じ倍率で得られた画像であるから、どちらか一方を削除してつなぎ合わせれば、2枚の画像は過不足無くつなぎ合わせられるはずである。しかし、上述したように、周辺部のデータほど歪みが強く発生していることを考慮すると、以下のようにすることが好ましい。
【0025】
すなわち、CPU13が隣り合う区画の画像データを画像メモリに送って合成する際、例えば図4(b)に示すように部分画像Z1-2の端から1/2の斜線を施した部分と部分画像Z2-1の端から1/2の斜線を施した部分を削除して、図4(c)に示すように画像B1とB2がつなぎ合わされるようにする。このようなやり方で、次々と隣の領域の画像とのつなぎ合わせが行われる。もちろん、横方向ばかりでなく、縦方向に2枚の画像をつなぎ合わせる場合も、互いに接する側の重なり部分の画像データを端から半分ずつ削除してつなぎ合わせる。
【0026】
なお、上記説明では、2枚の画像データの双方から重なり部分の1/2を削除してつなぎ合わせるとしたが、画像メモリ15に先に書き込まれる画像については、書き込む時点では重なり部分を削除しなくても良い。すなわち、先に画像B1全体を画像メモリ15に書き込んだ後、重なり部分の1/2を削除した画像B2を画像B1の削除すべき部分に画像B2の端が重なるように位置を合わせて画像B2を書き込んで上書きすればよい。
【0027】
重なり率0が上述した実施例での説明に相当するものであ。このケースでは、電子ビーム走査領域から得られた画像データのすべてが区画の画像データとして取り込まれると共に、ステージ移動量は電子ビームによる走査領域の大きさ、前記例では横4mm、縦3mmに等しくされる。重なり率が0でない場合、ステージ制御回路12は、ステージ移動量を、設定された重なり率に応じて電子ビームによる走査範囲の大きさから減じるように設定する。そして、CPU13は、重なり率に応じて重なり部分の幅を算定し、その幅の半分に当たる画像データを削除して画像をつなぎ合わせる。なお、削除する割合は、重なり部分の半分ずつに限らない。例えば、画像の右端の歪み範囲と左端の歪み範囲が同等でない場合、歪み範囲が大きい方を余分に削除してつなぎ合わせるようにしても良い。
【0028】
上述した周辺部のデータを削除したつなぎ合わせにより、低倍率画像を取得する際に電子ビーム走査領域の特に周辺部で大きくなる偏向歪による画像の歪みの問題が軽減される。なお、実用的には、CPU13に周辺部を削除する割合(重なり率)を例えば0から50%程度の範囲で複数段階あるいは任意に指定可能とするのが好ましいが、適宜な割合(重なり率)に固定することも考えられる。
【0029】
なお、このようにして重なり部分を考慮し画像データを部分的に削除してつなぎ合わせる場合、合成画像のデータ量は、重なり率に応じて減少することはいうまでもない。
【0030】
又、電子ビーム走査は、試料上に仮想された全ての区画について行わずに、指定された区画のみ走査し、該走査により得られた画像データを画像メモリ15の該指定された区画の位置に応じて記憶させ、画像メモリ上に合成画像を作成するようにしても良い。この様にすれば、測定が不要な区画は飛ばして試料移動が行われるので、測定時間の短縮につながる。
【0031】
又、隣り合う区画の画像の重なり部分の一方の画質が他方の画質より良い場合、画質の悪い方の重なり部分すべてを削除し、画質の良い方だけを取り入れるようにしても良い。
【0032】
図6は、本発明の他の実施例を示している。図6において、図1の実施例と同一の構成要素には同一番号が付されている。図6の実施例では、電子ビーム照射により試料から発生する反射電子及び特性X線を検出する反射電子検出器19及びX線検出器22が設けられている。反射電子検出器19から得られた反射電子信号は、AD変換器20、フレームメモリ21を介して記憶装置17に格納される。また、X線検出器22から得られた検出信号は、特性X線のエネルギーに基づいて元素別のマップデータを作成するX線分析器(例えば、Pulse Height Analyzer)23及び元素別に設けられたフレームメモリ24(Si),24(O),…,24(X)を介して記憶装置17に格納される。
【0033】
このような構成において、測定に先立ち、図7に示すような測定/表示設定入力窓Wを表示装置16に表示して、各区画について測定する信号の種類を指定する。すなわち、この入力窓W1には、格子状に配列された7×9個の区画が図形的に個別に指定可能に表示され、その右横には、指定された区画の番号が表示される。更に、区画番号の下には、測定しうる信号種(二次電子(SEI)、反射電子(BEI)、特性X線(特性X線の場合は分析対象元素の種類))について、個別に要否を指定可能なボックス31と、その区画について、どの信号種に基づいて表示を行うかを指定する表示選択用のボックス32がそれぞれ表示されている。
【0034】
オペレータは、この入力窓を使用して、7×9個の区画に対して個別にどの種類の画像データ、マップデータを測定するか及びその区画の表示をどの種類のデータで行うのかを指定することが出来る。図7の状態では、区画A11がポインタによって指定され、この区画について、SEI,BEI,特性X線(分析元素はSiとO)が測定信号種として指定され、表示はSEIとなっていることが分かる。なお、測定信号種が指定されない区画については、測定自体を行う必要がない。そのため、順次測定すべき区画に直行して停止するような制御を前記試料移動制御装置9は行う。
【0035】
図7では1つの区画のみを指定したが、複数の区画を一度に指定できるようにすることが好ましい。
【0036】
以下、全区画についてA11と同じ設定がされたものとして説明する。第1の実施例と全く同様の手順で、電子ビーム走査と横方向のステップ移動と縦方向のステップ移動を繰り返すことにより、区画A1からA63までの画像データ及びマップデータの測定が行われる。各区画の測定毎に、フレームメモリ8には二次電子に基づく画像データ、フレームメモリ21には反射電子に基づく画像データ、フレームメモリ24(Si),24(O)にはそれぞれ特性X線に基づく珪素と酸素のマップデータが一旦格納される。その後、各データは、記憶装置17内の記憶エリアに区画別及びデータの種類別に整理されて、例えば図8に示すように格納される。
【0037】
1つの区画について測定が終了する毎に、CPU13は、各区画について表示するとされている記憶装置17内の画像データ(SEI)を読み出し、画像メモリ15の対応する区画の位置に書き込み合成画像データを作成して行く。従って、すべての区画について測定が終了した時点では、画像メモリ内15に二次電子についての合成画像が形成される。この合成画像データに基づき、表示装置16の画面には、図5に示すように、合成された全体像G及びその中でボックスカーソルCによって指定された領域の部分像Dが表示されることになる。
【0038】
測定終了後、表示する信号種を変える場合には、入力窓Wを表示装置16に表示して、区画を指定し、その区画について表示する信号種を別のものに変えればよい。すべての区画を指定してBEIを表示するように設定すれば、反射電子に基づく合成画像が表示される。また、特定の区画のみ指定してSiを表示するように指定すれば、その区画のみが珪素についてのマップとして表示されることになる。
【0039】
なお、このように異種画像データを合成表示する場合、例えば、二次電子に基づく画像は白黒(無彩色)の単色表示、反射電子に基づく画像はオレンジ色の単色表示、珪素のマップ像は緑色の単色表示というように、画像データの種類に応じて色を変えて表示すれば、区画毎にどの種類の画像データで表示されているのかを容易に判別することが出来る。
【0040】
また、上記説明では区画単位で異種画像を合成したが、任意の大きさの領域について合成するようにしても良い。例えば、図5に示すように合成全体画像Gとその中の任意領域を指定して部分像として表示する場合、その部分像の領域について表示する信号種を変更できるようにしても良い。
【0041】
さらに、SN比の良好なX線マップデータを取得するには二次電子や反射電子の画像データを取得するのに比べて時間がかかるので、必要な区画だけについて後からX線マップデータを取得するようにすることも考えられる。例えば、全区画について二次電子の画像データを先に取り、二次電子に基づく合成全体画像を表示装置16に表示させ、その画像を観察してX線マップを取得したい区画を選定し、選定した区画についてのみX線マップデータを取るようにすることが考えられる。
【0042】
そのような場合、新たにX線マップデータを取得すべき区画を電子ビームで走査するために、その区画が電子ビーム走査領域に一致するようにステージ移動を行う。その際、ステージ移動の再現性の問題でステージ停止位置が先に二次電子を検出した測定の際とずれてしまい、指定された区画を正しく電子ビーム走査することができない可能性がある。
【0043】
そこで、以下のような手順により、イメージマッチング手法を用いて正確な位置合わせをすることが考えられる。すなわち、ステージが指定された区画(例えばA23)で停止した後、X線マップデータを取得する前に、その位置で電子ビーム走査を行って二次電子を検出し、該検出した二次電子に基づく画像データを一旦フレームメモリ8に記憶させる。そして、CPU13の指令に従って、フレームメモリ8からこの画像データを読み出して表示装置16に送り、二次電子に基づくこの区画の試料像を表示させる。次に、CPU13の指令に基づき、既に取得されているこの区画A23の二次電子画像データを画像メモリ15または記憶装置17から読み出し、区画A23の基準画像として新規に取得した前記試料像に重ねて表示装置16に表示させる。
【0044】
この時、ステージ移動によるステージ停止位置ずれがなければ、2つの試料像は全く重なるはずである。しかし、ステージ移動によるステージ停止位置ずれがあると、2つの試料像の間にずれが発生している。そこで、オペレーターは2つの試料像が全く重なるように一方の画像を移動させイメージマッチングを行う。CPU13は画像を一致させるのに必要な試料像の移動量に基づき、新規に取得した試料像の基準画像に対するずれ量を求める。そしてCPU13は、求めたずれ量に基づいて電子ビーム走査領域をシフトさせるように走査制御回路17に指令する。
【0045】
これにより、電子ビームを走査する区画が先に基準画像を取得した時と一致するので、その後、この区画について電子ビームで走査し、該走査により得られた特性X線から所望の元素のX線マップデータを測定する。得られたX線マップデータは、二次電子に基づく基準画像と正確に同じ区画について取得されたものとなる。
【0046】
なお、イメージマッチングはプログラムにより自動的に行うことが出来ることはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、区画毎に表示する信号種を指定することができ、区画毎に異なる信号種の合成画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の走査電子顕微鏡の一概略例を示す図である。
【図2】 試料表面を仮想的に格子状に区画した様子を示す図である。
【図3】 画像メモリ15に設けられた記憶エリアを示す図である。
【図4】 隣接する区画の画像の重なり及びつなぎ合わせの様子を説明する図である。
【図5】 表示装置16に表示される合成画像Gと部分像を示す図である。
【図6】 本発明の他の実施例を示す図である。
【図7】 表示装置16に表示される測定/表示設定入力窓Wを示す図である。
【図8】 記憶装置17内の記憶エリアを説明するための図である。
【符号の説明】
1…電子銃 2…集束レンズ 3…対物レンズ 4…試料 5…偏向コイル
6…検出器 7,20…AD変換器 8,21,24…フレームメモリ
9…ステージ 10…レンズ制御回路 11…走査制御回路
12…ステージ移動制御回路 13…中央制御装置(CPU) 14…操作卓
15…画像メモリ 16…表示装置 17…記憶装置 19…反射電子検出器
22…X線検出器 23…X線分析器

Claims (1)

  1. 試料に細く絞った電子ビームを照射する手段と、該電子ビームを試料上で二次元的に走査する手段と、電子ビーム走査に伴って発生する荷電粒子を検出する荷電粒子検出器と、電子ビーム走査に伴って発生する特性X線を検出するX線検出器と、電子ビーム走査に伴い荷電粒子検出器から得られる画像データを記憶する画像メモリと、モータ駆動による試料移動装置と、電子ビームの走査領域中の画像を取り込む領域を単位として試料を仮想的に格子状に区画した各区画に対して電子ビームの走査が行われるように試料を移動させる試料移動制御手段と、各区画について得られた荷電粒子検出に基づく画像データ及び特性X線検出に基づく特定元素のX線マップデータを各区画の位置に対応づけて画像メモリ、X線マップデータメモリにそれぞれ格納することにより合成画像データ及び合成マップデータを作成する画像合成手段と、該合成画像データ及び又は合成マップデータが供給される表示手段とを備えた走査電子顕微鏡において、
    前記合成画像データに基づいて前記表示手段に表示された合成画像の中の任意の領域を指定する指定手段と、前記合成画像中の前記指定された領域について表示する分析対象元素の種類を変更指定する変更手段を備え、X線マップデータを前記X線マップデータメモリから読み出して、前記指定手段により指定された領域のX線マップ像であり、且つ前記変更手段により変更指定された元素のX線マップ像が前記表示手段に部分像として表示されることを特徴とする走査電子顕微鏡。
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