JP4175460B2 - 可搬式減圧室 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
近年、高地環境における人の生理的意義の研究が盛んになってきた。「高地」とは低圧・低酸素分圧環境であり、平地で1気圧のとき高度1800m、2400mではそれぞれ0.80気圧、0.74気圧となる。1992年バルセロナオリンピックでは20名、1996年アトランタオリンピックでは25名の高地出身の選手が入賞し、また日本の多くのトップアスリートは年に何度も高地トレーニングを行ったり、高地に移り住んでトレーニングを続けている。このように「高地」や「高地トレーニング」は長距離種目やマラソンで成功するためのキーワードの一つとなっている。また日常的に運動しない人にとっても個人差はあるものの高地に滞在することにより、心肺機能をはじめとする生理機能の順応が起こり、平地と同一レベルの生活負荷であれば高地のほうが相対的に高い生活負荷となり、筋微小循環及び筋組織の酸素運搬能の向上などにより筋細胞内エネルギー代謝の効率化などの積極的効果が期待できる。本願はそのような高地トレーニングを行ったり、高地に滞在したりせずに、いつでも、どこでも、誰にでも、簡単かつ安全で、快適かつ便利で、しかもきわめて安価な、高地気圧環境を現出するための減圧室に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、特公平2−42992に運動用気密室、実開平2−118571にトレーニング用加減圧カプセル、また特開平8−112373においては疑似高地トレーニングを想定した減圧訓練施設、特開平11−336373においては運動選手が長期滞在できる減圧施設、特許2919111号及び特開2000−54666号においては地下又は半地下に設置された運動用大規模減圧訓練施設、が提案されているが、いずれの提案も固定式で運搬することができず、容積が大きいため減圧に時間が掛かり、圧力制御機構が複雑で装置を熟知した高度の技術を有する特定の人でなければ操作できず、しかも極めて高価なため、何時でも、何処でも、誰にでも、簡単かつ安全で、快適かつ便利で、しかも極めて安価な、高地気圧環境を現出できないことが大きな欠点である。
【0003】
特開昭61−293460には、疾病予防又は治療用の気圧コントロールカプセル室が提案されているが、疾病予防又は治療用途であり、また発明の詳細な説明には、そのカプセル室内を疾病に対して最も適した圧力とし、その中に入って生活することにより、リュウマチ、喘息などの天候や季節の変化に伴う気圧変動に影響を受ける疾病の予防又は治療に効果があるとしているが、室内の圧力のコントロールに関する具体的態様、該室内滞在者の減圧環境下での定常使用時の安全性或いは緊急時の安全対策に関する具体的態様、該室内で長期間生活するための快適性或いは利便性に関する具体的態様、或いは該減圧室を極めて安価に製作するための具体的態様について一切言及されていない。
【0004】
一方、人の健康に関する世の中のニーズを反映して、健康食品や健康ドリンクなどがもてはやされているが、それらは一時的には何らかの効果があっても自らの体力や健康が基本的に強化されるものではない。
【0005】
また健康維持のため、ウォーキング、ジョギング、エアロビクス或いはスポーツジムでの体力トレーニングなども盛んであるが、かなりの運動を伴うため、何らかの理由で十分に運動できない人、例えば、高齢で体力がない、手足の障害がある、運動嫌い、極端な肥満、等の人にとって容易に受け入れられるものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の欠点を解決するものであり、何時でも、何処でも、誰にでも、簡単かつ安全で、快適かつ便利で、極めて安価に利用できる減圧室を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
減圧室を、スポーツ或いは疾病治療のような特定の分野だけではなく、広く一般の人が利用し易くするには、可搬性の確保、易操作性の確保、減圧室内での酸欠事故及び火災事故の防止、閉所不安感の解消はもとより、該室滞在者の快適さと利便性、さらには購入時の価格低廉化についても十分に留意しなければならない。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1の発明が、全容積20m以下の筐体に、減圧発生装置、過減圧防止装置及び酸欠防止装置が配備された可搬式減圧室において、該筐体は、横型円筒状で軸方向内周に筐体リブを有する厚さ10mm以下の薄肉鋼板製の構造であって、体壁の互いに対向する位置に排気口と圧力調節弁付吸気口とを有すると共に、該減圧発生装置は、減圧ポンプと圧力制御機構からなり、該圧力制御機構が、該減圧ポンプに連結された該排気口と該吸気口とを介して、該吸気口から通常空気又は酸素濃度調整空気を連続的に吸入しつつ該空気が該吸気口を通過するときに生ずる圧力損失を調節することによって、室内の圧力を常圧乃至500hpa(ヘクトパスカル)の範囲内に制御する機能を備えるものであり、且つ、該過減圧防止装置は、圧力センサー及びこれと電気的に連動する自動過減圧防止弁と、室内外に配した非常弁とにより該室内の圧力を500hPa以下にならないよう維持する安全機能を有し、更に該酸欠防止装置は、室内の圧力に応じた外気の自然吸入、停電時の室内の圧力に応じた減圧ポンプの逆回転、及び気密扉の自動開放・自然換気により酸欠を防止する安全機能を備えることを特徴とする可搬式減圧室。
【0009】
請求項2の発明は、上記請求項1の発明において、筐体及び筐体リブ用薄肉鋼板の厚さが2.3mmであることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、筐体に、車輪を取り付け移動中も減圧可能とする請求項1又は請求項2に記載の可搬式減圧室であることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、筐体に、透明板による安全確認用覗き窓を設ける請求項1乃至請求項3の何れかに記載の可搬式減圧室であることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、室内を、不燃、難燃、防音及び又は制振材料で内装する請求項1乃至請求項4の何れかに記載の可搬式減圧室であることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、吸気口に、吸着、濾過用活性炭フィルター又はHEPAフィルターを備える請求項1乃至請求項5の何れかに記載の可搬式減圧室であることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、室内の一部に、減圧時にも出入り可能な減復圧機能を有する圧力調整部屋を備える請求項1乃至請求項6の何れかに記載の可搬式減圧室であることを特徴とする。
【0015】
上記のとおり、本発明の減圧室は、小型可搬式の筐体及び付帯装置で構成し減圧ポンプで室内空気の連続排気と自然吸気口から外気の自然吸入とを同時に行い自然吸気口から外気を吸入するときに生ずる圧力損失により室内圧力を徐々に低下させながら常圧乃至500hPa(ヘクトパスカル)の範囲内の所望の圧力で平衡状態を維持する圧力制御を特徴とし、かつ室内の圧力を500hPa以下に低下した場合に作動する過減圧防止安全機構や、停電時等に自動的に開放して酸欠を防止するドア又は換気口等を備えているものである。そして、この減圧室は、上記した機能により室内の圧力を常圧乃至500hPaの範囲内で所望の圧力曲線に沿って圧力制御することができる。
【0016】
なお、この減圧室の筐体は、厚さ10mm以下の薄肉鋼板で構成された円筒状平鏡板構造であって、その円筒状部軸方向内周に筐体リブが配されているので、特に2.3mmの鋼板を使用して製造することも可能となっており(後記)、容量20m以下の大きさなので、車載、又は筐体に取付けられた車輪によって移動せしめることができかつ移動中でも減圧室を使用可能な状態に保ち、広々とした透明板の窓を設けることによって室内外の安全確認又は閉所不安感を緩和できるわけである。
【0017】
更には、室内を、不燃材料又は難燃材料或いは防音材料又は制振材料で内装し、室内に吸入する空気を活性炭フィルター及びHEPAフィルターで吸着及び濾過する機能を備え、娯楽や談話や会議又は睡眠に必要な機能を備え、室内の圧力を変動させずに出入りするための圧力調整部屋を備えることも特徴となっている。
【0018】
本発明の減圧室に備えられる減圧発生装置は、真空ポンプ、アスピレーター、ルーツブロアなどの500hPa以下の圧力を発生できる設備であればよいが、該設備の排気速度が小さすぎると該室を所定の圧力に到達せしめるための時間が長くなり、逆に排気速度が大きすぎると該室の圧力減少速度が速すぎるために該室内滞在者に違和感を与えるので、該室の大きさに応じて適切な排気速度に調節できる設備を選択することが好ましい。
実施例ではオリオン機械(株)製KR3−SS−4002−G1を使用した。また、該室内滞在者の安全を考慮して、該減圧発生設備の減圧能力は、到達圧力が500hPaより低くならない程度の能力であることが好ましく、550hPaより低くならない程度の能力であることがより好ましい。
【0019】
該室の圧力の下限について述べる。人の減圧下での耐性は、高山における滞在実績によって確認されている。高度と気圧の関係は次の通りである。
即ち高度2000mで780hPa、3000mで690hPa、5000mで540hPa、7000mで400hPaである。通常、2000乃至3000mくらいの高山における酸素濃度下においては特に訓練した人でなくても身体に備わった低酸素に対する防御機能によって適応でき、また人によって多少の違いはあるが、それ以上の高度でも、呼吸・循環機能亢進などによる身体の防御機能によってかなりの程度まで適応できる。しかしさらに高度が上がると酸素不足による身体の機能障害が出始める。高度7000m(400hPa)程度になれば、たとえ相当な訓練をした人であっても酸素ボンベ等からの酸素の供給が必要となる。従って、該室内滞在者の安全を考慮して、本願発明の圧力の下限、即ちそれ以下の圧力にならないように該室に装備された安全機構が作動する圧力は500hPaであるが、さらに安全を考慮すれば550hPaが好ましく、600hPaがより好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1乃至図6は本発明を適用した減圧室の構成例を示す。
図1はその減圧室の立面断面図、図2は右側面図、図3は左側面図、図4は平面図、図5はA−A断面図、図6は減圧室配管系統図を示すがこの減圧室は高地における気圧環境を現出するための装置であり、減圧室1は筐体2の両端部にそれぞれ鏡板4を取付けた横型円筒状の容器で、該鏡板4に設けた鏡板開口部6に、周囲にパッキン8を配してなる気密扉7を外側より装着するものであり、該気密扉7は室の外側に開く片開きタイプ及び又は該鏡板4と平行にスライドして開くスライドタイプとがある。また、減圧ポンプ46の吸入口47は減圧室1の排気口49と配管で連結されており減圧ポンプ46を起動すると減圧開始する。また該室1の排気口49と対向する位置に取り付けられた吸気口50は活性炭フィルター61と連結するHEPAフィルター62と配管で接続され該配管には手動圧力調節弁55が取り付けられ、室外の空気は該フィルター61及び62と接続される配管を通して連続的に吸入され、手動圧力調節弁55の開度によって生ずる圧力損失を調節することによって該室内の圧力を500hPa乃至常圧の範囲の所望の圧力に制御する。
【0021】
図6は特に本発明を適用した減圧室の安全機構に関する例を示す。
室内の圧力が何らかの異常により500hpa以下に低下した場合には該内に取り付けてある圧力センサー56の警報が作動し該圧力センサーと電気的に連動する機構によってなる自動過減圧防止弁58が作動し外気を吸入することによって過減圧を防止せしめることができる。
【0022】
また、不意の所用や該室設置場所付近で外部火災等が発生し該室から緊急脱出する必要性が生じたときには該室内に設置してある室内非常弁59を開けると室内の圧力を150秒以内で大気圧まで到達せしめることができ気密扉を開け該室外に脱出することができる。またさらに、気密扉7や鏡板4に取り付けてある透明塩ビ板11製の窓(鏡板4に取り付けてある窓は図示しない)から外部の人が該室内滞在者の異常を発見したときには室外非常弁60を開けると上述と同様に室内の圧力を150秒以内で大気圧まで到達せしめることができ該室内滞在者を収容することができる。ここで、室内非常弁59及び室外非常弁60は緊急時に瞬時に全開する必要性からボール弁又はコック弁或いはバタフライ弁が好ましいが瞬時に全開できる弁であれば必ずしもこれに限るものではない。このように短時間で室内圧力を大気圧まで到達せしめることを可能にしたのは全容積が小さいためである。全容積が大きい場合にはそれに比例したバルブを備えれば短時間で大気圧まで到達せしめることはできるが、大量の空気が減圧室に流入すると風速の影響や騒音が発生し減圧室の居住環境が著しく低下する。B大学の低圧シミュレーターは全容積が約50立方メートルあり減圧状態から大気圧まで到達せしめるための時間が約20分を要しこれを裏付けるものである。よって減圧室の全容積を好ましくは20立方メートル以下に、さらに好ましくは10立方メートル以下にするとよい。
【0023】
図6は本発明を適用した減圧室の酸欠防止方法を示す。該室は動力源として電気を使用しているが例えば減圧中の停電時にもHEPAフィルター62と連結する活性炭フィルター61の通気口63乃至67と配管で接続される該室通気口50乃至54のうち手動圧力調節弁55の隙間から該室内の圧力に応じて外気が自然吸入される。また停止した該減圧ポンプ46が該室内の圧力に応じて逆転することによってポンプ吸気口47と配管で接続される該室通気口49を通して大気が自然吸入される。さらに、これらの作用により該室内の圧力が大気圧に到達すると気密扉7を自動的に開放し該室内を自然換気せしめ酸欠防止できる安全機構である。
以下、図18乃至図25に基づいて説明する。
【0024】
図18及び図20に本発明を適用した減圧室の安全機構に関する自動開放式気密扉実施例1(ファスナーロック式)を示す。気密扉7はエアシリンダー28駆動により左右にスライド動作する。減圧する場合にはエアシリンダー28で気密扉7を鏡板4の開口部6までスライドさせ、ファスナー39を手動操作して扉7の周囲に取り付けてあるスポンジパッキン8で鏡板4の開口部6を密閉する。こうして密閉した後、減圧開始すると扉7に掛かる外気圧で扉7と鏡板4で挟まれたパッキン8が徐々に圧縮されファスナー39の締め付け力が緩み、ファスナー39内蔵のバネ(図示せず)でファスナー39のロックが自動的に解除される。この減圧状態から大気圧へ戻していくと扉7に掛かる外気圧が徐々に減少し、大気圧に到達するとついには無負荷となり、鏡板4に密着していた気密扉7は自重により自動的に鏡板4から離脱する。停電の場合には減圧ポンプ46が停止し外気の自然吸入により該室内の圧力が徐々に大気圧に戻るが、上述と同様に大気圧に戻ると該気密扉7は該気密扉7の自重により自動的に鏡板4から離脱する。この時、図20に示す空気圧回路の無電圧動作により、該気密扉7が鏡板4の開口部6からエアシリンダー28駆動により自動的にスライドして、鏡板4の開口部6は自動的に全開状態となる。図20に示す空気圧回路はスライド式気密扉の駆動方法を示したもので、無電圧状態で気密扉7はつねに鏡板4の開口部6が全開する位置まで自動的に移動するようになっている。該気密扉7を左右にスライド動作させるには、(電磁式)方向切換弁73の電磁部に電圧を印加あるいは無印加すればよく、停電時には該減圧室内蔵のエアコンプレッサー(図示せず)も停止するが、エアコンプレッサーのエアタンク(図示せず)には残圧があり、エアコンプレッサーが停止状態になっても自動開放式気密扉7のスライド動作は正常に機能することができる。
【0025】
図19及び図21に本発明を適用した減圧室の安全機構に関する自動開放式気密扉実施例2(エアシリンダーロック式)を示す。この気密扉7はエアシリンダー28駆動により左右にスライド動作する。減圧する場合にはエアシリンダー28で該気密扉7を鏡板4の開口部6までスライドさせ、エアシリンダー35を自動操作して気密扉7に周囲に取り付けてあるスポンジパッキン8で鏡板4の開口部6を密閉する。こうして密閉した後、減圧開始すると気密扉7に掛かる外気圧で該気密扉7と鏡板4で挟まれたスポンジパッキン8が徐々に圧縮され所望の圧力に到達したときにエアシリンダー35の締め付け力が自動的に緩み、該気密扉7のロックが自動的に解除される。この減圧状態から大気圧へ戻していくと該気密扉7に掛かる外気圧が徐々に減少し、大気圧に到達するとついには無負荷となり、鏡板4に密着していた気密扉7は自重により自動的に鏡板4から離脱する。停電の場合には減圧ポンプ46が停止し外気の自然吸入により該室内の圧力が徐々に大気圧に戻るが、上述と同様に大気圧に戻った時に該気密扉7は該気密扉7自重により自動的に鏡板4から離脱する。この減圧操作では該気密扉7に掛かる外気圧でスポンジパッキン8が圧縮され該気密扉7と鏡板4との間を密閉するが、該気密扉7に大きな圧力が掛かるため該パッキン8が変形し、元の形に復元するまでに時間の掛かることがある。これは該パッキン8が過度に変形してしまったためであるが、該パッキン8の過度の変形防止のため該気密扉7と鏡板4との間の該気密扉7側にスペーサー9が取り付けられる。こうすると、該気密扉7に掛かる圧力でスポンジパッキン8が徐々に変形しても該気密扉7と鏡板4とがスペーサー9で一定の間隔を保持できるため該パッキン8が過度に変形することを防止できる。これによって、短時間に何度も加減圧操作することが可能となった。この時、図21に示す空気圧回路の無電圧動作により気密扉7はつねに鏡板4の開口部6が全開する位置まで自動的に移動するようになっている。気密扉7を左右にスライド動作させるには、(電磁式)方向切換弁73と方向切換弁74の電磁部に電圧を印加或いは無印加すればよく、例えば、該気密扉7を閉じるときには先ず方向切換弁73の電磁部に電圧を印加してエアシリンダー28の押し力で鏡板4開口部6まで該気密扉7をスライド動作させ、しかる後に方向切換弁74の電磁部に電圧を印加してエアシリンダー35の押し力で該気密扉7を鏡板4の開口部6に押し付ければ密閉することができる。また反対に、方向切換弁73及び方向切換弁74の電磁部が無印加状態になるとエアシリンダー35の空気圧が解除され該エアシリンダー35に内蔵しているスプリングの力によってシリンダーロッドが引き戻されて扉7に対する押し付け力は解除される。
次いで、エアシリンダー28の方向切換弁73が電圧無印加位置(ノーマルポジション)にあるため、既に該エアシリンダー28のシリンダーロッドには該気密扉7を引き戻そうとする力が作用しているため、エアシリンダー35の押し付け力が解除されると同時に該気密扉7がスライド動作を開始して全開することができる。尚、停電時には該減圧室内蔵のエアコンプレッサー(図示せず)も停止するが、エアコンプレッサーのエアタンク(図示せず)には残圧があり、エアコンプレッサーが停止状態になっても自動開放式気密扉7は正常に機能することができる。
【0026】
図22及び図23にそれぞれ本発明を適用した減圧室の安全機構に関する自動開放式気密扉実施例3(ファスナーロック・スプリング開放式)及び4(ファスナーロック・スポンジスプリング開放式)を示す。図22に示す自動開放式気密扉実施例3(ファスナーロック・コイルスプリング開放式)においては、気密扉7は手動操作により開閉する扉であるが、該気密扉7を閉じる場合には減圧室1の内側から手動により該気密扉7を鏡板4の開口部6側に引き寄せ、鏡板4の開口部6に取り付けてあるファスナー39のフック部を該気密扉7の内面に取り付けてある受け金具40に引っ掛けて該ファスナー39のレバーを引き側に操作すると該ファスナーのトグル機構により大きな締め付け力を発生し、該気密扉7の周囲に取り付けてあるスポンジパッキン8は鏡板4との間で圧縮されながら密閉することができる。こうして該減圧室1を密閉した後、減圧ポンプ46を起動して減圧開始すると該気密扉7に掛かる外気圧で該気密扉7と該鏡板4で挟まれたスポンジパッキン8が徐々に圧縮され、所定の圧縮量に達した時にファスナー39のレバーが自動的に外れ、該気密扉7の締め付け力が自動的に解除される。該室をこのような減圧状態から大気圧へ戻していくと該気密扉7に掛かる外気圧が徐々に減少し、ついには無負荷となり、該鏡板4に密着していた該気密扉7は該扉7に取り付けてあるスプリング42の反発力により自動的に該鏡板4から離脱し、該鏡板4と該気密扉7との間には該減圧室1内を自然換気するに十分な隙間ができ、濃度拡散や対流による自然換気作用を機能せしめることができる。
【0027】
また、図23に示す自動開放式気密扉実施例4(ファスナーロック・スポンジスプリング開放式)においては、気密扉7は手動操作により開閉する扉であるが、該気密扉7を閉じる場合には減圧室1の内側から手動により該扉7を鏡板4の開口部6側に引き寄せ、該鏡板4の該開口部6に取り付けてあるファスナー39のフック部を該気密扉7の内面に取り付けてある受け金具40に引っ掛けて該ファスナー39のレバーを引き側に操作するとトグル機構により大きな締め付け力を発生し、該気密扉7に取り付けてあるスポンジパッキン8は鏡板4との間で圧縮されながら密閉することができる。該減圧室1をこうして密閉した後、減圧ポンプ46を起動して減圧開始すると該気密扉7に掛かる外気圧で該気密扉7と該鏡板4で挟まれたスポンジパッキン8が徐々に圧縮され、所定の圧縮量に達した時に該ファスナー39のレバーが自動的に外れ、該気密扉7の締め付け力が自動的に解除される。該室をこのような減圧状態から大気圧へ戻していくと該気密扉7に掛かる外気圧が徐々に減少し、ついには無負荷となり、該鏡板4に密着していた該気密扉7は該扉7の周囲に取り付けてあるスポンジパッキン8の反発力により自動的に該鏡板4から離脱する。該鏡板4と該気密扉7との間には該減圧室1内を自然換気するに十分な隙間ができ、濃度拡散や対流による自然換気作用を機能せしめることができる。
【0028】
図24及び図25に本発明を適用した減圧室の安全機構に関する自動開放式通気機構を示す。この通気機構は減圧状態での停電時や緊急時に動作し、減圧室に外気を急速に供給したり、自然換気する場合に機能する。図24において、該通気口は通常の場合には、周囲にパッキン18を配してなる通気口蓋17をエアシリンダー15のロッド先端に取付け、鏡板4の開口部に押し付け密閉している。該通気機構の取付方向としては、該減圧室1の内側に取り付ける方法と、該減圧室1の外側に取り付ける方法とがある。該減圧室1の内側に取り付ければ、停電時にはエアシリンダー15の空気加圧が自動的に解除されるため、通気機構が直ちに動作して急速に大気圧に戻る。この逆に該減圧室1の外側に取り付けると該減圧室の圧力が大気圧に戻ってからエアシリンダー15内蔵のスプリング力で通気口が開放されるようになる。該自動開放式通気機構は鏡板4の片側上下2カ所或いは鏡板4の片側上部1カ所ともう反対側の鏡板4の下部1カ所にあれば十分機能するが、実施例では外気と接する両端の鏡板4のそれぞれ上下1カ所に設けることによって、安全性を飛躍的に向上せしめた。この空気圧回路は、自動開放式通気機構を4台同時に動作させるものである。停電時には、方向切換弁75の電磁部電圧が無印加状態となりエアシリンダー15に掛かっていた空気圧は方向切換弁75から自動的に大気排出される。これによってエアシリンダー15は大気圧となるため、エアシリンダー15内蔵のスプリング力でシリンダーロッドは自動的に引き戻され、通気口は開放状態となる。
【0029】
また、図7乃至図9に本発明を適用した減圧室製作に関するコスト縮減方法例を示す。本発明において画期的ともいえる大幅なコスト縮減を達成し得たのは減圧室の構造的特徴に由来するものである。本発明の実施例においては減圧室の構造を横型円筒状平鏡板構造によってなし、筐体2の直径及び長さをそれぞれ1800mm、2400mmとした。従来、この規模の減圧室(外圧を受ける容器)を製作する場合には厚さ20mm程度もある分厚い鋼板製の円筒状の筐体及び同様の厚さの鋼板製の皿形鏡板によって構成することが一般的通念とされてきたが、実施例においては外圧を受ける容器の常識を越えた厚さ2.3mmもの薄肉鋼板を使用した。円筒状筐体2に掛かる外圧に対しては円筒状筐体2の軸方向内周に効果的に筐体リブ3を300乃至500mm間隔で配した。また、平鏡板部4には200乃至300mm間隔で高さ200乃至300mmの格子状の鏡板リブ5を配した。また、気密扉7も平鏡板4と同様の構造によってなした。
本発明における製作コストは全容積6立方メートルで約500万円であった。
【0030】
また、本発明を適用した減圧室を構成する機器の電気容量は減圧ポンプ、エアコンプレッサー、制御系統それぞれが550W、200W、50Wで合計800Wである。この容量は家庭用電気ポットの電気容量にも満たないものであり、家庭用電源のある場所なら何処でも使用可能である。本減圧室を毎日2時間使用しても1ヶ月の電気料は僅か1500円程度であるためランニングコストが極めて低いことも本発明の特徴の一つである。
【0031】
また、本発明を適用した減圧室では、総重量が800kgと極めて軽量のためトラックに積載して何時でも任意の場所に移動が可能であり、及び又は減圧室本体に車輪(図示せず)を取り付け自動車による牽引でも同様に任意の場所へ移動が可能となる。これに対してA社製減圧室は大型クレーンと大型トレーラーでもなければ簡単には移動できなく、設置する場合には堅固な基礎工事を必要とし固定式減圧室というべきものである。よって、何時でもかつ任意の場所に移動することは不可能である。
【0032】
また、図2、図3及び図17に示す本発明を適用した減圧室では、該減圧室に透明塩ビ板11製の複数の窓が装着されるため容器内に滞在しているという閉塞感を緩和することができる。さらにまた、該減圧室外から該窓を透して室内滞在者の異常を発見し、及び又は室内滞在者が該室外の異常を発見した場合に必要に応じて迅速に行動することができる。
【0033】
また、図5に示す本発明を適用した減圧室の実施例では、筐体2の内側部分にゴムシート(図示せず)を張り付け制振及び防音効果を得ている。またさらに、筐体2と内装材23との間及び又は筐体2と床板20との間には保温断熱材22が挿入され保温断熱効果を得ている。
【0034】
また、図6に示す本発明を適用した減圧室では、減圧室1の筐体2及び又は鏡板4に配される通気口50乃至54は活性炭フィルター61と連結するHEPAフィルター62と配管で接続されており、該減圧室1に吸入される外気はすべて該フィルターを通過する構造によってなる。活性炭フィルター61にはクラレコールGGを用い住宅内装材から発生するホルマリンガス等殆どの有機性ガスを吸着せしめることができベーパーフリー環境を達成した。またHEPAフィルター62は日本無機(株)製アトモスパーフェクトフィルターATM−22−P−Eを使用し0.3μm単分散DOPテストで99.97%以上捕集可能としているため、ハウスダスト、杉及びセイタカアワダチソウ等の花粉、ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質等日常生活の上の殆どあらゆる塵埃除去を可能にした。
【0035】
また、本発明を適用した減圧室では、該室滞在者の快適性及び利便性に資するためエアコンディショナー、電気ポット、冷蔵庫、プラズマディスプレイテレビ、ステレオサラウンドシステム、ソファ、ミニバーカウンター、書棚、マッサージチェア、ベッド等の家具調度品を備えることができる。そのうち実施例ではエアコンディショナー、電気ポット、プラズマディスプレイテレビ、ステレオサラウンドシステム、ソファ並びに書棚等(図示せず)を備えることによって該室滞在者は快適かつ便利に減圧環境を楽しむことを可能とした。
【0036】
また、図10乃至図13に示す本発明を適用した減圧室は、減圧室1の筐体2と圧力調整部屋78の筐体79とを気密連結したものである。これは減圧室1を多人数で使用するケースにおいて、該減圧室1を減圧使用中に該室の圧力を変動させることなく入出できる機能によってなしたもので、該減圧室1に入室したい外来者は、まず圧力調整部屋78に入り該圧力調整部屋78の鏡板4の開口部6に取り付けられた気密扉7を閉じ減圧ポンプ109を起動し該圧力調整部屋78の圧力が減圧室1の圧力まで到達せしめると圧力調整部屋78と減圧室1とを仕切る仕切板81の仕切板開口部83に取り付けられた気密扉84(圧力センサー119と電気的に連動する機構によってなる)が自動的に開き外来者は減圧室1に入室することができる。また反対に減圧室1の滞在者が外出したい場合には、まず外出者は圧力調整部屋78に移り気密扉84を閉じて圧力調整部屋78の圧力を大気圧まで戻し該圧力調整部屋78の鏡板4の開口部6に取り付けられた気密扉7を開けて外出することができる。これによって減圧室を多人数で使用するケースにおいて起こり得る減圧使用中の該減圧室への入出が極めて容易となった。
【0037】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、スポーツ或いは疾病治療のような特定の分野だけではなく、日常的に運動しない人も含めて広く一般の人が、高地トレーニングを行ったり、高地に滞在したりせずに、時間を選ばずいつでも、場所を選ばずどこでも或いは移動中でも、特定の人だけでなく誰にでも、操作が極めて簡単でかつ停電等の異常発生時にも安全に、滞在すること自体が快適かつ便利に、しかも誰でも購入できるよう極めて安価に、高地気圧環境を現出するための減圧室を利用せしめることを可能とした。
【0038】
また本発明の減圧室を使用して、該減圧室にヒトが滞在することによる酸素解離効果を検証した結果を表1に示す。これによると、酸素濃度が減少しているにも関わらず心拍数の変化が極めて小さいことがわかる。これはヘモグロビンの酸素解離特性の向上即ち低酸素順化によりヒトが環境順応していることを示すものである。
【表1】
Figure 0004175460
【0039】
また、本発明の減圧室を使用して、該減圧室にヒトが滞在することによる冷え症改善効果を測定した結果を表2に示す。ヒトの口中温度と掌中温度を測定すると、冷え症であることを自覚しているヒトは該減圧室に入室する前の口中温度に対して掌中温度が3乃至4℃程度低いことがわかる。これを減圧室に入室して高度4000m相当の気圧まで減圧したところで同様に口中温度と掌中温度を測定してみるといずれの温度も上昇傾向にありかつ口中温度と掌中温度の差が縮まっていることがわかる。これは上述のようにヘモグロビンの酸素解離特性が向上したことに加え微細であるが極めて柔軟な末梢血管が膨張し血行を改善していることを示すものである。
【表2】
Figure 0004175460
【0040】
本発明の減圧室を使用して、該減圧室にヒトが滞在することによる造血機能・肝機能効果を検証した結果を表3に示す。これによると、個人差はあるものの減圧室に長期間にわたり入室を繰り返すと血色素量、赤血球数いずれも増加する傾向にあることがわかる。また、肝機能を示すγ−GTPについては減少傾向にあり肝機能が改善されていることを示すものである。
【表3】
Figure 0004175460
【0041】
また本発明の実施例に示す減圧室を使用して、該減圧室にヒトが滞在することによる運動能力改善効果を測定した結果を表4に示す。該減圧室に入室する前と該減圧室に入室した後で運動した場合の一定距離ジョギングの所要時間を測定したところ、入室する前にジョギングした場合と入室した後にジョギングした場合とでは後者のほうが約3%程度もタイムが短縮していることがわかる。
【表4】
Figure 0004175460
【0042】
また本発明の減圧室を使用して、該減圧室にヒトが滞在することによる体温上昇とダイエット効果を測定した結果を表5に示す。これによると減圧と常圧とを3回繰り返すと発汗するほど体温上昇が起こり長期間繰り返すことによってダイエット可能であることを示すものである。
減圧と常圧を3回繰り返した場合の効果を測定した
条件:高度4000m相当3hr/day×1month滞在
【表8】
Figure 0004175460
【0043】
また本発明の減圧室を使用すると、上述の効果の他にも末梢神経機能改善効果、眼内充血症改善効果、肥満症改善効果、アトピー症改善効果、アルコール中毒症改善効果、毛髪活性効果、全身活性効果、気持ちの高揚効果、ペットの健康増進効果、高山植物の栽培効果等々いろいろな効果があり本発明は極めて有用である。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の減圧室の全体構成を説明する立面断面図である。
【図2】本発明の減圧室の全体構成を説明する右側面図である。
【図3】本発明の減圧室の全体構成を説明する左側面図である。
【図4】本発明の減圧室の全体構成を説明する平面図である。
【図5】本発明の減圧室の全体構成を説明する部分断面図である。
【図6】本発明の減圧室の全体構成を説明する配管系統図である。
【図7】本発明の減圧室の構造を説明する断面構造図である。
【図8】本発明の減圧室の構造を説明する側面構造図である。
【図9】本発明の減圧室の構造を説明する部分拡大図である。
【図10】本発明を適用した減圧室の全体構成例を説明する立面断面図である。
【図11】本発明を適用した減圧室の全体構成例を説明する右側面図である。
【図12】本発明を適用した減圧室の全体構成例を説明する左側面図である。
【図13】本発明を適用した減圧室の全体構成例を説明する平面図である。
【図14】本発明を適用した減圧室の全体構成例を説明する配管系統図である。
【図15】A社製減圧室の構造を説明する断面構造図である。
【図16】一般的な減圧室窓部構造図である。
【図17】本発明の減圧室の窓部構造図を比較対照するための説明図である。
【図18】本発明の減圧室の安全機構でファスナーロック自動開放式気密扉である。
【図19】本発明の減圧室の安全機構でエアシリンダーロック自動開放式気密扉である。
【図20】本発明の減圧室の安全機構の空気圧回路図である。
【図21】本発明の減圧室の安全機構の空気圧回路図である。
【図22】本発明の減圧室の安全機構でファスナーロック・スプリング自動開放式気密扉である。
【図23】本発明の減圧室の安全機構でファスナーロック・スポンジスプリング自動開放式気密扉である。
【図24】本発明の減圧室の安全機構で自動開放式通気口である。
【図25】本発明の減圧室の安全機構の空気圧回路図である。
【符号の説明】
【0045】
1 減圧室
2 筐体
3 筐体リブ
4 鏡板
5 鏡板リブ
6 鏡板開口部
7 気密扉
8 パッキン
9 スペーサー
10 気密扉開口部
11 透明塩ビ板
12 額縁
13 液状封止剤
14 六角ボルト
15 エアシリンダー
16 取付金具
17 通気口蓋
18 パッキン
19 ロックナット
20 床板
21 床板支持材
22 保温断熱材
23 内装材
24 筐体支持材
25 架台
28 エアシリンダー
29 連結金具
30 スライドレール
31 スライドガイド
32 蝶番
33 蝶番
34 取付金具
35 エアシリンダー
36 取付金具
37 押し金具
38 ロックナット
39 ファスナー
40 受け金具
41 取付金具
42 コイルバネ
43 取付金具
46 減圧ポンプ
47 ポンプ吸入口
48 ポンプ排気口
49 減圧室通気口
50 減圧室通気口
51 減圧室通気口
52 減圧室通気口
53 減圧室通気口
54 減圧室通気口
55 手動圧力調節弁
56 圧力センサー
57 自動圧力調節弁
58 自動過減圧防止弁
59 室内非常弁
60 室外非常弁
61 活性炭フィルター
62 HEPAフィルター
63 フィルター通気口
64 フィルター通気口
65 フィルター通気口
66 フィルター通気口
67 フィルター通気口
70 エアフィルター
71 レギュレーター
72 ルブリケーター
73 方向切換弁
74 方向切換弁
75 方向切換弁
78 圧力調整室
79 筐体
80 筐体リブ
81 仕切板
82 仕切板リブ
83 仕切板開口部
84 気密扉
85 パッキン
86 スペーサー
87 気密扉開口部
88 透明塩ビ板
89 額縁
90 液状封止剤
91 六角ボルト
92 エアシリンダー
93 取付金具
94 通気口蓋
95 パッキン
96 ロックナット
97 床板
98 床板支持材
99 保温断熱材
100 内装材
101 筐体支持材
102 架台
105 空調屋外機
110 ポンプ吸入口
111 ポンプ排気口
112 減圧室通気口
113 減圧室通気口
114 減圧室通気口
115 減圧室通気口
116 減圧室通気口
117 減圧室通気口
118 手動圧力調節弁
119 圧力センサー
120 自動圧力調節弁
121 自動過減圧防止弁
122 室内非常弁
123 室外非常弁
124 活性炭フィルター
125 HEPAフィルター
126 フィルター通気口
127 フィルター通気口
128 フィルター通気口
129 フィルター通気口
130 フィルター通気口
133 主室
134 副室
135 筐体
136 鏡板
137 鏡板
138 隔壁
139 隔壁
140 補強材
141 気密扉
142 気密扉
143 気密扉
144 気密扉
145 扉用額縁
146 扉用額縁
147 補強フランジ
148 Oリング
149 ガラス板
150 緩衝材
151 フランジ
152 六角ボルト

Claims (7)

  1. 全容積20m以下の筐体に、減圧発生装置、過減圧防止装置及び酸欠防止装置が配備された可搬式減圧室において、該筐体は、横型円筒状で軸方向内周に筐体リブを有する厚さ10mm以下の薄肉鋼板製の構造であって、体壁の互いに対向する位置に排気口と圧力調節弁付吸気口とを有すると共に、該減圧発生装置は、減圧ポンプと圧力制御機構からなり、該圧力制御機構が、該減圧ポンプに連結された該排気口と該吸気口とを介して、該吸気口から通常空気又は酸素濃度調整空気を連続的に吸入しつつ該空気が該吸気口を通過するときに生ずる圧力損失を調節することによって、室内の圧力を常圧乃至500hpa(ヘクトパスカル)の範囲内制御する機能を備えるものであり、且つ、該過減圧防止装置は、圧力センサー及びこれと電気的に連動する自動過減圧防止弁と、室内外に配した非常弁とにより該室内の圧力を500hPa以下にならないよう維持する安全機能を有し、更に該酸欠防止装置は、室内の圧力に応じた外気の自然吸入、停電時の室内の圧力に応じた減圧ポンプの逆回転、及び気密扉の自動開放・自然換気により酸欠を防止する安全機能を備えることを特徴とする可搬式減圧室。
  2. 筐体及び筐体リブ用薄肉鋼板の厚さが2.3mmである請求項1に記載の可搬式減圧室。
  3. 筐体に、車輪を取り付け移動中も減圧可能とする請求項1又は請求項2に記載の可搬式減圧室。
  4. 筐体に、透明板による安全確認用覗き窓を設ける請求項1乃至請求項3の何れかに記載の可搬式減圧室。
  5. 室内を、不燃、難燃、防音及び又は制振材料で内装する請求項1乃至請求項4の何れかに記載の可搬式減圧室。
  6. 吸気口に、吸着、濾過用活性炭フィルター又はHEPAフィルターを備える請求項1乃至請求項5の何れかに記載の可搬式減圧室。
  7. 室内の一部に、減圧時にも出入り可能な減復圧機能を有する圧力調整部屋を備える請求項1乃至請求項6の何れかに記載の可搬式減圧室。
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