JP4175031B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車等に搭載される内燃機関、特に酸素過剰状態の混合気(所謂、リーン空燃比の混合気)を燃焼可能とするディーゼル機関やリーンバーン・ガソリン機関では、該内燃機関の排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化する技術が望まれている。
【0003】
このような要求に対し、内燃機関の排気系にNOx吸蔵剤を配置する技術が提案されている。このNOx吸蔵剤の一つとして、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵(吸収、吸着)し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していた窒素酸化物(NOx)を還元する吸蔵還元型NOx触媒が知られている。
【0004】
吸蔵還元型NOx触媒が内燃機関の排気系に配置されると、内燃機関が希薄燃焼運転されて排気の空燃比が高くなるときは排気中の窒素酸化物(NOx)が吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵され、吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の空燃比が低くなったときは吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵されていた窒素酸化物(NOx)が還元される。
【0005】
ところで、吸蔵還元型NOx触媒には燃料に含まれる硫黄分が燃焼して生成される硫黄酸化物(SOx)もNOxと同じメカニズムで吸蔵される。このように吸蔵されたSOxはNOxよりも放出されにくく、NOx触媒内に蓄積される。これをSOx被毒といい、NOx浄化率が低下するため、適宜の時期にSOx被毒から回復させる被毒回復処理を施す必要がある。この被毒回復処理は、NOx触媒を高温(例えば600乃至650℃程度)にしつつ酸素濃度を低下させた排気をNOx触媒に流通させて行われている。
【0006】
このようにして、SOx被毒回復処理を施すとNOx触媒で還元雰囲気となるため、NOx触媒から放出されるSOxが硫化水素(H2S)に還元され易くなる。硫化水素(H2S)は、大気中へ放出されると異臭の原因となるため、例えば、特開平8−294618号公報に記載の発明では、NOx触媒の下流に酸素貯蔵能を有する三元触媒を設けて硫化水素(H2S)の放出を抑制している。この酸素貯蔵能を有する三元触媒により、SOx被毒回復時の還元雰囲気であっても該酸素貯蔵能を有する三元触媒から放出される酸素により、硫化水素(H2S)を酸化させることが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、放出される酸素で酸化されるのは、硫化水素(H2S)に限らず、排気中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)も酸化されるので、NOx触媒から流出する硫化水素(H2S)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)等の量が多い場合には、NOx触媒に貯蔵された酸素では不足する場合がある。
【0008】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化装置において、SOx被毒回復時に発生する硫化水素(H2S)の大気中への放出を抑制する技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本発明の内燃機関の排気浄化装置は、以下の手段を採用した。即ち、第1の発明は、
酸化雰囲気で酸素を貯蔵し還元雰囲気になると貯蔵した酸素を放出する酸素貯蔵能を有し且つ排気の空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し還元剤の存在下で吸蔵していたNOxを還元するNOx触媒と、
前記NOx触媒の下流に設けられ酸化雰囲気で酸素を貯蔵し還元雰囲気になると貯蔵した酸素を放出する酸素貯蔵手段と、
前記NOx触媒及び前記酸素貯蔵手段を連通する第1排気通路と、
前記NOx触媒から前記酸素貯蔵手段までの間に接続され該酸素貯蔵手段を通過しない第2排気通路と、
前記NOx触媒へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段から還元剤を供給して前記NOx触媒のSOx被毒を回復させるSOx被毒回復手段と、
前記SOx被毒回復手段によりSOx被毒の回復が開始されてから硫化水素の放出量が増加するまでの所定期間前記第2排気通路へ排気を流通させる排気通路切替手段と、
を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明の最大の特徴は、内燃機関の排気浄化装置において、硫化水素の排出量が少ないSOx被毒回復初期の排気を、酸素貯蔵手段を介さずに排出させることにより、その後に排出される硫化水素を酸化させるための酸素を酸素貯蔵手段に保持させることにある。
【0011】
このように構成された内燃機関の排気浄化装置では、NOx触媒に排気中のSOxが吸蔵されてSOx被毒が発生する。このSOx被毒を回復させるときにNOx触媒から放出されるSOxは、SOx被毒回復時に供給される還元剤のために硫化水素(H2S)となり易い。このときに発生する硫化水素(H2S)は、少量ではあるが異臭の原因となる。ここで、NOx触媒から流出する硫化水素(H2S)は、NOx触媒下流の酸化貯蔵手段により貯蔵された酸素により酸化させることができる。
【0012】
ところで、NOx触媒が酸素貯蔵能を有している場合、SOx被毒回復の開始直後には、該NOx触媒から酸素が放出されるため、NOx触媒下流に流出する排気中の酸素濃度が上昇する。この酸素濃度の上昇により、SOx被毒回復開始直後には、硫化水素(H2S)の発生量は少なくなる。従って、このときにNOx触媒から流出する排気は硫化水素(H2S)をほとんど含まないが、一方で、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を含んでいる。このように炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を含んだ排気が酸素貯蔵手段に流入すると、該酸素貯蔵手段に貯蔵されていた酸素が放出され、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)が酸化される。その後、NOx触媒に貯蔵されていた酸素量が減少し、それに伴い該NOx触媒から放出される酸素量が減少するので、NOx触媒では酸素濃度が低下して硫化水素(H2S)の発生量が増加する。
【0013】
しかしながら、NOx触媒下流の酸素貯蔵手段では、貯蔵していた酸素が放出された後であるため、流入する硫化水素(H2S)を酸化するために必要な量の酸素が残存していない。
【0014】
そこで、排気通路切替手段は、SOx被毒回復手段によりSOx被毒の回復が開始されてから硫化水素の放出量が増加するまでの所定期間第2排気通路へ排気を流通させる。これにより、酸素貯蔵手段に貯蔵されていた酸素がSOx被毒回復開始直後に放出されることを防止することができ、硫化水素(H2S)の発生量が増加したときに該硫化水素(H2S)を酸化させることが可能となる。
【0015】
上記課題を達成するために本発明の内燃機関の排気浄化装置は、以下の手段を採用した。即ち、第2の発明は、
酸化雰囲気で酸素を貯蔵し還元雰囲気になると貯蔵した酸素を放出する酸素貯蔵能を有し且つ排気の空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し還元剤の存在下で吸蔵していたNOxを還元するNOx触媒と、
前記NOx触媒の下流に設けられ酸化雰囲気で酸素を貯蔵し還元雰囲気になると貯蔵した酸素を放出する酸素貯蔵手段と、
前記NOx触媒へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記NOx触媒から流出する排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、
前記酸素濃度検出手段に検出される排気の空燃比が理論空燃比となるように空燃比のフィードバック制御を行って前記NOx触媒に貯蔵された酸素を放出させる酸素放出手段と、
前記酸素放出手段によりNOx触媒に貯蔵された酸素が放出されたか否か判定する酸素放出判定手段と、
前記NOx触媒から酸素が放出されたと前記酸素放出判定手段により判定された場合に、前記還元剤供給手段から還元剤を供給して前記NOx触媒のSOx被毒を回復させるSOx被毒回復手段と、
を具備することを特徴とする。
【0016】
本発明の最大の特徴は、内燃機関の排気浄化装置において、SOx被毒回復処理を開始する前にNOx触媒に貯蔵された酸素を放出させておくことにより、SOx被毒回復処理開始直後から硫化水素(H2S)を発生させ、酸素貯蔵手段に貯蔵されていた酸素により該硫化水素(H2S)を酸化させることにある。
【0017】
このように構成された内燃機関の排気浄化装置では、NOx触媒に排気中のSOxが吸蔵されてSOx被毒が発生する。このSOx被毒を回復させるときにNOx触媒から放出されるSOxは、SOx被毒回復時に供給される還元剤のために硫化水素(H2S)となり易い。このときに発生する硫化水素(H2S)は、少量ではあるが異臭の原因となる。ここで、NOx触媒から流出する硫化水素(H2S)は、NOx触媒下流の酸化貯蔵手段により貯蔵された酸素により酸化させることができる。
【0018】
ところで、NOx触媒が酸素貯蔵能を有している場合、前記したようにNOx触媒に貯蔵されていた酸素が放出された後に硫化水素(H2S)の発生量が増加する。このときには、NOx触媒下流の酸素貯蔵手段により貯蔵されていた酸素が放出された後であるため、硫化水素(H2S)の酸化が困難となる。
【0019】
そこで、NOx触媒に貯蔵された酸素を酸素放出手段により放出させた後にSOx被毒の回復を行う。ここで、酸素貯蔵手段に流入する排気の空燃比が理論空燃比となるように、例えば還元剤の供給量、吸入空気量、機関への燃料噴射量等をフィードバック制御すると、酸素貯蔵手段における酸素の放出を抑制することが可能となる。このようにして、NOx触媒から酸素を放出させる一方で、酸素貯蔵手段に酸素を保持させることが可能となる。
【0020】
このように、NOx触媒に貯蔵された酸素を放出させてからSOx被毒回復手段はSOx被毒の回復処理を開始する。SOx被毒回復を開始しても、NOx触媒から酸素がほとんど放出されないため、NOx触媒での硫化水素(H2S)の発生量が多くなる。そして、酸素貯蔵手段では酸素が保持されているため、該酸素により硫化水素(H2S)を酸化させることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る内燃機関の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。ここでは、本発明に係る内燃機関を車両駆動用のディーゼル機関に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係るエンジンとその吸排気系の概略構成を示す図である。
【0023】
図1に示すエンジン1は、4つの気筒を有する水冷式の4サイクル・ディーゼル機関である。
【0024】
エンジン1には、排気管2が接続され、該排気管2は、下流にてマフラー(図示省略)に接続されている。
【0025】
前記排気管2の途中には、吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレートフィルタ3が設けられている。このフィルタ3より上流の排気管2には、該排気管2内を流通する排気の温度に対応した電気信号を出力する排気温度センサ4及び該排気管2内を流通する排気の空燃比(酸素濃度)に対応した電気信号を出力する第1空燃比センサ5が取り付けられている。また、フィルタ3より下流の排気管2には、該排気管2内を流通する排気の空燃比(酸素濃度)に対応した電気信号を出力する第2空燃比センサ6が取り付けられている。
【0026】
本実施の形態によるフィルタ3は、例えばコージェライトのような多孔質材料から形成され、例えば、アルミナを担体とし、その担体上に、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、もしくはセシウム(Cs)等のアルカリ金属と、バリウム(Ba)もしくはカルシウム(Ca)等のアルカリ土類と、ランタン(La)もしくはイットリウム(Y)等の希土類とから選択された少なくとも1つと、白金(Pt)等の貴金属とを担持して構成されている。尚、本実施の形態では、アルミナからなる担体上にバリウム(Ba)と白金(Pt)とを担持し、更に酸素貯蔵(O2ストレージ)能力のある例えばセリア(CeO2)等の遷移金属を添加して構成される吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」という。)を担持させている。
【0027】
このNOx触媒は、該NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を吸蔵し、一方、該NOx触媒に流入する排気の酸素濃度が低下したときは吸蔵していた窒素酸化物(NOx)を放出する。その際、排気中に炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)等の還元成分が存在していれば、該NOx触媒から放出された窒素酸化物(NOx)が還元される。また、セリア(CeO2)等の遷移金属は、排気の特性に応じて酸素を一時的に保持し、活性化酸素として放出する能力を有する。このときに放出される活性酸素によりフィルタ3に捕集されたパティキュレートマターを酸化させ、フィルタ3の目詰まりを防止することができる。
【0028】
また、フィルタ3よりも下流の排気管2の途中には、酸素貯蔵能を有したH2Sスイーパー7が設けられている。該H2Sスイーパー7には、酸素貯蔵能を有する例えばセリア(CeO2)等の遷移金属が担持されている。ここで、H2Sスイーパー7は、酸素貯蔵能を有するセリア等のみを担持させたものであっても良く、また、三元触媒等にセリア等を担持させたものであっても良い。
【0029】
第2空燃比センサ6とH2Sスイーパー7との間の排気管2には、H2Sスイーパー7を迂回させて排気を流通させるための第2排気管2aの一端が接続され、該第2排気管の他端はH2Sスイーパー7の下流の排気管2に接続されている。第2排気管2aの一端側には、排気の流路を排気管2と第2排気管2aとの何れかに切り替える切替弁8が備えられている。
【0030】
尚、本実施の形態では、フィルタ3より上流の排気管2を流通する排気中に還元剤たる燃料(軽油)を添加する還元剤供給機構を備え、この還元剤供給機構から排気中へ燃料を添加することにより、フィルタ3に流入する排気の酸素濃度を低下させるとともに還元剤の濃度を高めるようにした。
【0031】
還元剤供給機構は、図1に示されるように、その噴孔が排気管2内に臨むように取り付けられ、燃料を噴射する還元剤噴射弁9と、燃料を吐出する燃料ポンプ10と、燃料ポンプ10から吐出された燃料を前記還元剤噴射弁9へ導く還元剤供給路11と、を備えて構成されている。
【0032】
このような還元剤供給機構では、燃料ポンプ10から吐出された高圧の燃料が還元剤供給路11を介して還元剤噴射弁9へ供給される。そして、ECU12からの信号により該還元剤噴射弁9が開弁して排気管2内へ還元剤としての燃料が噴射される。還元剤噴射弁9から排気管2内へ噴射された還元剤は、排気管2の上流から流れてきた排気の酸素濃度を低下させる。その後、ECU12からの信号により還元剤噴射弁9が閉弁し、排気管2内への還元剤の添加が停止される。
【0033】
このようにして、フィルタ3に還元剤が供給された結果、フィルタ3に流入する排気は、比較的に短い周期で酸素濃度が変化することになる。そして、フィルタ3に流入した酸素濃度の低い排気は、フィルタ3に担持された吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵されていた窒素酸化物(NOx)を還元する。
【0034】
以上述べたように構成されたエンジン1には、該エンジン1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)12が併設されている。このECU12は、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御するユニットである。
【0035】
ECU12には、各種センサが電気配線を介して接続され、上記した各種センサの出力信号がECU12に入力されるようになっている。一方、ECU12には、切替弁8、還元剤噴射弁9等が電気配線を介して接続され、制御することが可能になっている。また、前記ECU12は、各種アプリケーションプログラム及び各種制御マップを記憶し各種制御を行う。
【0036】
例えば、NOx浄化制御では、ECU12は、フィルタ3に流入する排気中の酸素濃度を比較的に短い周期でスパイク的に低くする、燃料添加制御(所謂リッチスパイク制御)を実行する。
【0037】
燃料添加制御では、ECU12は、所定の周期毎に燃料添加制御実行条件が成立しているか否かを判別する。この燃料添加制御実行条件としては、例えば、フィルタ3に担持された吸蔵還元型NOx触媒が活性状態にある、排気温度センサ4の出力信号値(排気温度)が所定の上限値以下である、後述するSOx被毒回復制御が実行されていない、等の条件を例示することができる。
【0038】
上記したような燃料添加制御実行条件が成立していると判定された場合は、ECU12は、還元剤噴射弁9からスパイク的に還元剤たる燃料を噴射させるべく当該還元剤噴射弁9を制御することにより、フィルタ3に流入する排気の空燃比を一時的に所定の目標リッチ空燃比とする。
【0039】
具体的には、ECU12は、記憶されている機関回転数、機関負荷(アクセル開度)、エアフローメータ(図示省略)の出力信号値(吸入空気量)、第1空燃比センサ5の出力信号、燃料噴射量等を読み出す。
【0040】
ECU12は、前記した機関回転数と機関負荷と吸入空気量と燃料噴射量とをパラメータとして還元剤添加量制御マップへアクセスし、排気の空燃比を予め設定された目標空燃比とする上で必要となる還元剤の添加量(目標添加量)を算出する。
【0041】
続いて、ECU12は、前記目標添加量をパラメータとして還元剤噴射弁制御マップへアクセスし、還元剤噴射弁9から目標添加量の還元剤を噴射させる上で必要となる還元剤噴射弁9の開弁時間(目標開弁時間)を算出する。
【0042】
還元剤噴射弁9の目標開弁時間が算出されると、ECU12は、還元剤噴射弁9を開弁させる。
【0043】
ECU12は、還元剤噴射弁9を開弁させた時点から前記目標開弁時間が経過すると、還元剤噴射弁9を閉弁させる。
【0044】
このように還元剤噴射弁9が目標開弁時間だけ開弁されると、目標添加量の燃料が還元剤噴射弁9から排気管2内へ噴射されることになる。そして、還元剤噴射弁9から噴射された還元剤は、排気管2の上流から流れてきた排気と混ざり合って目標空燃比の混合気を形成してフィルタ3に流入する。
【0045】
この結果、フィルタ3に流入する排気の空燃比は、比較的に短い周期で酸素濃度が変化することになり、以て、フィルタ3に担持された吸蔵還元型NOx触媒が窒素酸化物(NOx)の吸蔵と還元とを交互に短周期的に繰り返すことになる。
【0046】
このように、フィルタ3に流入する排気の空燃比をスパイク的に目標リッチ空燃比とし、吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵された窒素酸化物(NOx)を還元することが可能となる。
【0047】
次に、被毒回復制御では、ECU12は、フィルタ3に担持された吸蔵還元型NOx触媒の酸化物による被毒を回復すべくSOx被毒回復処理を行うことになる。
【0048】
ところで、エンジン1の燃料には硫黄(S)が含まれている場合があり、そのような燃料がエンジン1で燃焼されると、二酸化硫黄(SO2)や三酸化硫黄(SO3)などの硫黄酸化物(SOx)が生成される。
【0049】
硫黄酸化物(SOx)は、排気とともにフィルタ3に流入し、窒素酸化物(NOx)と同様のメカニズムによって吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵される。
【0050】
具体的には、フィルタ3に流入する排気の酸素濃度が高いときには、流入排気ガス中の二酸化硫黄(SO2)や三酸化硫黄(SO3)等の硫黄酸化物(SOx)が白金(Pt)の表面上で酸化され、硫酸イオン(SO4 2-)の形でフィルタ3に吸蔵される。更に、フィルタ3に吸蔵された硫酸イオン(SO4 2-)は、酸化バリウム(BaO)と結合して硫酸塩(BaSO4)を形成する。
【0051】
ところで、硫酸塩(BaSO4)は、硝酸バリウム(Ba(NO3)2)に比して安定していて分解し難く、フィルタ3に流入する排気の酸素濃度が低くなっても分解されずにフィルタ3内に残留してしまう。
【0052】
フィルタ3における硫酸塩(BaSO4)の量が増加すると、それに応じて窒素酸化物(NOx)の吸蔵に関与することができる酸化バリウム(BaO)の量が減少するため、吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸蔵能力が低下する、所謂SOx被毒が発生する。
【0053】
フィルタ3のSOx被毒を回復する方法としては、フィルタ3の雰囲気温度をおよそ600乃至650℃の高温域まで昇温させるとともに、フィルタ3に流入する排気の酸素濃度を低くすることにより、フィルタ3に吸蔵されている硫酸バリウム(BaSO4)をSO3 -やSO4 -に熱分解し、次いでSO3 -やSO4 -を排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)と反応させて気体状のSO2 -に還元する方法を例示することができる。
【0054】
ECU12は、例えば、還元剤噴射弁9から排気中へ燃料を添加させることにより、それらの未燃燃料成分をフィルタ3において酸化させ、酸化の際に発生する熱によってフィルタ3の床温を高めるようにする。同時に、各気筒の膨張行程時に燃料噴射弁(図示省略)から副次的に燃料を噴射させても良い。
【0055】
上記したような燃料添加によりフィルタ3の床温が600℃乃至650℃程度の高温域まで上昇する。その後も、引き続きフィルタ3に流入する排気の酸素濃度を低下させるべくECU12は還元剤噴射弁9から燃料を噴射させる。
【0056】
このように被毒回復処理が実行されると、フィルタ3の床温が高い状況下で、フィルタ3に流入する排気の酸素濃度が低くなるため、フィルタ3に吸蔵されている硫酸バリウム(BaSO4)がSO3 -やSO4 -に熱分解され、それらSO3 -やSO4 -が排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)と反応して還元され、以てフィルタ3のSOx被毒が回復されることになる。
【0057】
ところで、SOx被毒回復時に放出されるSOxは、還元雰囲気により硫化水素(H2S)に変化し易い。この硫化水素(H2S)は、異臭の原因となるため大気中への放出を抑制する必要がある。
【0058】
従来の内燃機関の排気浄化装置では、NOx触媒下流に硫化水素(H2S)を酸化させための触媒を備えていた。この触媒は、例えば三元触媒に酸素貯蔵剤を添加したもので、還元雰囲気であっても該酸素貯蔵剤から放出される酸素により硫化水素(H2S)を酸化させることが可能である。
【0059】
ところが、NOx触媒にセリア等の遷移金属が含まれている場合、SOx被毒回復の開始直後に該NOx触媒に貯蔵されていた酸素が放出されるため、NOx触媒から流出する排気中の酸素濃度が上昇する。この酸素濃度の上昇により、SOx被毒回復開始直後では、硫化水素(H2S)の発生量が少ない。従って、このときにNOx触媒から流出する排気は硫化水素(H2S)をほとんど含まないが、一方で、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を含んでいる。このように炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を含んだ排気が酸素貯蔵剤に流入すると、該酸素貯蔵剤に貯蔵されていた酸素が放出され、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)が酸化される。その後、NOx触媒に貯蔵されていた酸素量が減少すると、それに伴い該NOx触媒から放出される酸素量が減少するので、NOx触媒では還元雰囲気となり硫化水素(H2S)の発生量が増加する。
【0060】
NOx触媒下流の酸素貯蔵剤では、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化させるために貯蔵されていた酸素が放出されてしまったため、流入する硫化水素(H2S)を酸化させるために必要となる量の酸素が残存していない。従って、硫化水素(H2S)を大気中へ放出し、異臭を放つ虞がある。
【0061】
そこで、本実施の形態では、SOx被毒回復処理が開始されてから硫化水素の放出量が増加するまでの所定期間第2排気管2aへ排気を流通させて、H2Sスイーパー7に貯蔵されていた酸素が放出されないようにした。そして、硫化水素(H2S)の発生量が増加したときに、H2Sスイーパー7へ排気を流通させて硫化水素(H2S)を酸化させるようにした。
【0062】
ここで、図2は、本実施の形態によるSOx毒回復時のフィルタ内及びフィルタ下流の空燃比、並びにSOx及び硫化水素(H2S)の流出量の時間推移を示したタイムチャート図である。
【0063】
SOx被毒回復時には、還元剤の供給によりフィルタ3内に流入する排気の空燃比(以下、フィルタ入ガス空燃比とする。)は、リッチ空燃比に保たれている。一方で、フィルタ3から放出される酸素によりフィルタ3内の排気の空燃比(以下、フィルタ3内ガス空燃比とする。)は、入ガス空燃比よりも高い値となっている。
【0064】
一方、還元剤の供給とともにフィルタ3の温度が上昇し、SOxの放出量が増加していく。SOx被毒回復処理の開始初期には、フィルタ内ガス空燃比が大きいためSOxが硫化水素(H2S)に変化する量は少ない。そして、酸素放出量が減少するに従いフィルタ内ガス空燃比が小さくなり、硫化水素(H2S)の発生量が増加してする。このように、SOx被毒回復処理を開始してからある程度の時間が経過した後に硫化水素(H2S)の発生量が増加する。
【0065】
本実施の形態では、SOx被毒回復処理を開始してから硫化水素(H2S)の発生量が増加するまでの期間は、切替弁8を制御して第2排気管2aに排気を流通させる。一方、硫化水素(H2S)の発生量が増加し始めると切替弁8を制御してH2Sスイーパー7へ排気を流通させる。切替弁8の切り替え時期は、例えば予め求めておいたマップによる算出値、若しくは硫化水素(H2S)を検出可能なセンサの設置等により求められる。ここで、前記マップは、機関回転数、機関負荷、排気温度、SOx吸蔵量、フィルタ3下流の空燃比等をパラメータとすることができる。機関回転数、機関負荷、排気温度、及びフィルタ3下流の空燃比は、各種センサからの出力信号により求め、SOx吸蔵量は、燃料消費量やNOxセンサ(図示省略)からの出力信号、車両走行距離等により求めることができる。ここで、燃料中の硫黄成分によりフィルタ3に担持された吸蔵還元型NOx触媒が被毒するので、燃料の消費量を積算してECU12に記憶させ、この燃料の消費量によりSOx吸蔵量を求めても良い。また、SOx被毒が進行すると吸蔵還元型NOx触媒のNOxの吸蔵量が減少し、フィルタ3下流に流通するNOxの量が増大する。従って、フィルタ3の下流にNOxセンサ(図示省略)を設け、この出力信号に基づいてSOx吸蔵量を求めても良い。更に、車両走行距離に応じてSOx吸蔵量が増加するとして、該車両走行距離に基づいてSOx吸蔵量を求めても良い。
【0066】
このようにして求められたパラメータをマップに代入することにより切替弁8の切り替え時期を求めることが可能となる。このように、SOx被毒回復処理開始から硫化水素(H2S)の発生量が増加するまでは、第2排気管2aに排気を流通させて、H2Sスイーパー7に貯蔵された酸素を保持することが可能となる。また、硫化水素(H2S)の発生量が増加してからH2Sスイーパー7へ排気を流通させることにより、H2Sスイーパー7に貯蔵された酸素で硫化水素(H2S)を酸化させることが可能となる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態によれば、SOx被毒回復処理の開始からある程度の時間が経過した後に発生する硫化水素(H2S)を、下流の酸素貯蔵能を有する触媒にて酸化させることができる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、第1の実施の形態と比較してH2Sスイーパー7を迂回する通路を備えていな点で相違する。
【0068】
図3は、本実施の形態に係るエンジンとその吸排気系の概略構成を示す図である。第1の実施の形態と比較してH2Sスイーパー7を迂回する通路を備えていな点で相違するものの、その他のハードウェアに関する基本構成は第1の実施の形態と共通なので説明を割愛する。
【0069】
このように構成された内燃機関の排気浄化装置では、NOx触媒にセリア等の遷移金属が含まれている場合、SOx被毒回復の開始直後に該NOx触媒に貯蔵されていた酸素が放出されるため、NOx触媒から流出する排気中の酸素濃度が上昇する。この酸素濃度の上昇により、SOx被毒回復開始直後では、硫化水素(H2S)の発生量が少ない。従って、このときにNOx触媒から流出する排気は硫化水素(H2S)をほとんど含まないが、一方で、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を含んでいる。このように炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を含んだ排気が酸素貯蔵剤に流入すると、該酸素貯蔵剤に貯蔵されていた酸素が放出され、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)が酸化される。その後、NOx触媒に貯蔵されていた酸素量が減少すると、それに伴い該NOx触媒から放出される酸素量が減少するので、NOx触媒では還元雰囲気となり硫化水素(H2S)の発生量が増加する。
【0070】
NOx触媒下流の酸素貯蔵剤では、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化させるために貯蔵されていた酸素が既に放出されてしまったため、流入する硫化水素(H2S)を酸化させるために必要となる量の酸素が残存していない。従って、硫化水素(H2S)を大気中へ放出し、異臭を放つ虞がある。
【0071】
そこで、本実施の形態では、SOx被毒回復処理が開始される前にフィルタ3に貯蔵されている酸素を放出させる。これにより、SOx被毒回復処理開始直後から硫化水素(H2S)が発生し、また、H2Sスイーパー7には酸素が保持されているため、該硫化水素(H2S)を酸化させることが可能となる。
【0072】
ここで、図4は、本実施の形態によるSOx毒回復時のフィルタ内及びフィルタ下流の空燃比、並びにSOx及び硫化水素(H2S)の流出量の時間推移を示したタイムチャート図である。
【0073】
フィルタ3に貯蔵されていた酸素を放出させた後にSOx被毒回復処理を実施しているため、フィルタ内ガス空燃比は最初から小さい。そのため、SOx被毒回復処理開始直後から硫化水素(H2S)が発生する。一方、SOx被毒回復処理開始前は、H2Sスイーパー7に流入する排気の空燃比が理論空燃比に保たれていたため、該H2Sスイーパー7の酸素貯蔵量はほとんど変化しない。そして、SOx被毒回復処理が開始されるとフィルタ3から還元雰囲気の排気が流出するため、該排気によりH2Sスイーパー7から酸素が放出される。従って、フィルタ3から流出した硫化水素(H2S)がこのときに放出される酸素により酸化され、硫化水素(H2S)が大気中へ放出されることを抑制することが可能となる。
【0074】
ここで、本実施の形態では、SOx被毒回復処理の開始前に、フィルタ3に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比となり、且つH2Sスイーパー7に流入する排気の空燃比が理論空燃比若しくはそれ以上のリーン空燃比となるように還元剤の供給量をフィードバック制御する。フィルタ3及びH2Sスイーパー7に流入する排気の空燃比は、夫々第1空燃比センサ5及び第2空燃比センサ6により検出することができる。
【0075】
具体的には、ECU12は、記憶されている機関回転数、機関負荷(アクセル開度)、エアフローメータ(図示省略)の出力信号値(吸入空気量)、第1空燃比センサ5の出力信号、燃料噴射量等を読み出す。
【0076】
次に、ECU12は、前記した機関回転数と機関負荷と吸入空気量と燃料噴射量とをパラメータとして還元剤添加量制御マップへアクセスし、排気の空燃比を予め設定された目標空燃比とする上で必要となる還元剤の添加量(目標添加量)を算出する。
【0077】
続いて、ECU12は、前記目標添加量をパラメータとして還元剤噴射弁制御マップへアクセスし、還元剤噴射弁9から目標添加量の還元剤を噴射させる上で必要となる還元剤噴射弁9の開弁時間(目標開弁時間)を算出する。
【0078】
還元剤噴射弁9の目標開弁時間が算出されると、ECU12は、還元剤噴射弁9を開弁させる。
【0079】
ECU12は、還元剤噴射弁9を開弁させた時点から前記目標開弁時間が経過すると、還元剤噴射弁9を閉弁させる。
【0080】
このように還元剤噴射弁9が目標開弁時間だけ開弁されると、目標添加量の燃料が還元剤噴射弁9から排気管2内へ噴射されることになる。そして、還元剤噴射弁9から噴射された還元剤は、排気管2の上流から流れてきた排気と混ざり合って目標空燃比の混合気を形成してフィルタ3に流入する。フィルタ3では、酸素が放出され、酸素濃度が上昇した排気が該フィルタ3から流出する。
【0081】
ここで、第1空燃比センサ5及び第2空燃比センサ6により検出される排気の空燃比が目標となる空燃比よりも大きい場合には還元剤の供給量を増量し、一方、目標となる空燃比よりも小さい場合には還元剤の供給量を減量する。このようにして、フィルタ3に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比とし、且つH2Sスイーパー7に流入する排気の空燃比が理論空燃比若しくはリーン空燃比となるように空燃比のフィードバック制御をすることができる。
【0082】
このような空燃比制御を行うと、フィルタ3に貯蔵されている酸素量が減少していき、フィルタ3から流出する排気の空燃比が小さくなっていく。そこで、本実施の形態では、第1空燃比センサ5及び第2空燃比センサ6から検出される空燃比が略等しくなったときにフィルタ3に貯蔵されていた酸素の放出が完了したとして、SOx被毒回復処理を開始する。
【0083】
このようにして、フィルタ3に貯蔵されていた酸素を予め放出させることにより、SOx被毒回復処理開始直後から硫化水素(H2S)を発生させることができる。また、H2Sスイーパー7では、SOx被毒回復処理が開始されるまで酸素を貯蔵しておくことが可能となり、この酸素によりSOx被毒回復処理実行時に発生する硫化水素(H2S)を酸化させることができる。
【0084】
以上述べたように、本実施の形態によれば、SOx被毒回復処理開始前にNOx触媒に貯蔵されていた酸素を放出させることにより、SOx被毒回復時に発生する硫化水素(H2S)を下流のH2Sスイーパー7にて酸化させることができる。<第3の実施の形態>
本実施の形態では、第1の実施の形態と比較して以下の点で相違する。即ち、本実施の形態では、H2Sスイーパー7の上流側に炭化水素(HC)を吸着させるHC吸着剤13を備え、且つH2Sスイーパー7を迂回する通路を備えていない。
【0085】
図5は、本実施の形態に係るエンジンとその吸排気系の概略構成を示す図である。第2空燃比センサ6下流で且つH2Sスイーパー7上流にHC吸着剤13を備えている。その他のハードウェアに関する基本構成は、第1の実施の形態と共通なので説明を割愛する。
【0086】
このように構成された内燃機関の排気浄化装置では、SOx被毒回復処理で添加された燃料の一部がフィルタ3に担持されたNOx触媒で反応しないまま該フィルタ3を通過する。このフィルタ3を通過した燃料に含まれる炭化水素(HC)がH2Sスイーパー7へ流入すると、該H2Sスイーパー7に貯蔵された酸素が放出されてしまう。そこで本実施の形態では、H2Sスイーパー7の上流にHC吸着剤13を備え、該HC吸着剤に炭化水素(HC)を吸着させるようにした。このようにすることで、H2Sスイーパー7に流入する排気にはほとんど炭化水素(HC)が含まれなくなり、H2Sスイーパー7に酸素を保持することが可能となる。尚、HC吸着剤13に吸着された炭化水素(HC)は、SOx被毒回復後のリーン空燃比での通常運転時に排気中の酸素により酸化除去され、次回のSOx被毒回復時に再度炭化水素(HC)を吸着することが可能となる。
【0087】
また、SOx被毒回復処理を開始後、硫化水素(H2S)の発生量が増加した時には、フィルタ3から炭化水素(HC)及び硫化水素(H2S)が流出する。このような場合であっても、排気中の炭化水素(HC)がHC吸着剤13に吸着されるので、H2Sスイーパー7に貯蔵された酸素を効率よく硫化水素(H2S)の酸化に利用することができる。
【0088】
以上述べたように、本実施の形態によれば、H2Sスイーパー7に炭化水素(HC)が流入することを抑制し、該H2Sスイーパー7に貯蔵された酸素を効率良く硫化水素(H2S)の酸化に利用することができる。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置では、SOx被毒回復により発生した硫化水素(H2S)を酸素貯蔵手段により貯蔵されていた酸素により酸化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置を適用するエンジンとその吸排気系とを併せ示す概略構成図である。
【図2】 第1の実施の形態によるSOx毒回復時のフィルタ内及びフィルタ下流の空燃比、並びにSOx及び硫化水素(H2S)の流出量の時間推移を示したタイムチャート図である。
【図3】 第2の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置を適用するエンジンとその吸排気系とを併せ示す概略構成図である。
【図4】 第2の実施の形態によるSOx毒回復時のフィルタ内及びフィルタ下流の空燃比、並びにSOx及び硫化水素(H2S)の流出量の時間推移を示したタイムチャート図である。
【図5】 第3の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置を適用するエンジンとその吸排気系とを併せ示す概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・・エンジン
2・・・・排気管
2a・・・第2排気管
3・・・・パティキュレートフィルタ
4・・・・排気温度センサ
5・・・・第1空燃比センサ
6・・・・第2空燃比センサ
7・・・・H2Sスイーパー
8・・・・切替弁
9・・・・還元剤噴射弁
10・・・燃料ポンプ
11・・・還元剤供給路
12・・・ECU
13・・・HC吸着剤
Claims (2)
- 酸化雰囲気で酸素を貯蔵し還元雰囲気になると貯蔵した酸素を放出する酸素貯蔵能を有し且つ排気の空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し還元剤の存在下で吸蔵していたNOxを還元するNOx触媒と、
前記NOx触媒の下流に設けられ酸化雰囲気で酸素を貯蔵し還元雰囲気になると貯蔵した酸素を放出する酸素貯蔵手段と、
前記NOx触媒及び前記酸素貯蔵手段を連通する第1排気通路と、
前記NOx触媒から前記酸素貯蔵手段までの間に接続され該酸素貯蔵手段を通過しない第2排気通路と、
前記NOx触媒へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段から還元剤を供給して前記NOx触媒のSOx被毒を回復させるSOx被毒回復手段と、
前記SOx被毒回復手段によりSOx被毒の回復が開始されてから硫化水素の放出量が増加するまでの所定期間前記第2排気通路へ排気を流通させる排気通路切替手段と、
を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 酸化雰囲気で酸素を貯蔵し還元雰囲気になると貯蔵した酸素を放出する酸素貯蔵能を有し且つ排気の空燃比がリーンのときにNOxを吸蔵し還元剤の存在下で吸蔵していたNOxを還元するNOx触媒と、
前記NOx触媒の下流に設けられ酸化雰囲気で酸素を貯蔵し還元雰囲気になると貯蔵した酸素を放出する酸素貯蔵手段と、
前記NOx触媒へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記NOx触媒から流出する排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、
前記酸素濃度検出手段に検出される排気の空燃比が理論空燃比となるように空燃比のフィードバック制御を行って前記NOx触媒に貯蔵された酸素を放出させる酸素放出手段と、
前記酸素放出手段によりNOx触媒に貯蔵された酸素が放出されたか否か判定する酸素放出判定手段と、
前記NOx触媒から酸素が放出されたと前記酸素放出判定手段により判定された場合に、前記還元剤供給手段から還元剤を供給して前記NOx触媒のSOx被毒を回復させるSOx被毒回復手段と、
を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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