JP4174884B2 - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の前後方向に延びるフロントサイドフレーム
(メインフレーム)と、エンジンルーム下側に配設されサスペンション乃至エンジンを支持するサブフレームとを備えたような自動車の前部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述例の自動車の前部車体構造としては特開平3−25082号公報および実開昭58−35471号公報に記載の構造がある。
【0003】
前者の特開平3−25082号公報に記載の自動車の前部車体構造は、前後の横フレームと左右の縦フレームとをペリメータ状(枠型)に組合わせてサブフレームを構成し、このサブフレームを車体に結合すべく構成したものである。
【0004】
後者の実開昭58−35471号公報に記載の自動車の前部車体構造も、同様に、車両の前後方向に延びる左右の縦部材と、車幅方向に延びる前後の横部材とをペリメータ状(枠型)に組合わせてサブフレームを構成し、このサブフレームを車体に結合すべく構成したものである。
【0005】
このような自動車の前部車体構造において、図10に示すように車両Mが障害物Zに対して衝突角度θ1で衝突するようなオフセット衝突時(車両中心に対する斜め前方からの荷重入力時)の対策として、車体前部の左右コーナ部分のフレーム剛性(車体剛性)を局部的に向上させた場合には、車両前部の片側に荷重が集中して入力されるオフセット衝突には充分対応することができる。
【0006】
反面、上述のコーナ部の剛性が高められている関係上、図11に示すように車両Mが障害物Zに対して衝突角度θ2(但しθ2>θ1)で衝突するような正面衝突時においてはフレームがクラッシュしにくく、正面衝突時の充分なクラッシュスペースを確保することができず、正面衝突時において乗員に高い衝突加速度が入る問題点があった。
【0007】
要するに、正面衝突時における荷重吸収性と、オフセット衝突時における車体強度確保との両立を図ることが困難な問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明(請求項1、3)は、車両の前後方向に延びる左右一対のメインフレームと、該メインフレームの下方で、メインフレームに取付けられサスペンション乃至エンジンを支持するサブフレームと、これら左右の両サブフレームの間に横方向に延びるクロスメンバと、を備えたものにおいて、上記サブフレームの前端は、メインフレームの前端まで延設すると共に、上記クロスメンバは、サブフレームの前後長さの略中間位置に配置されており、上記サブフレームの上記クロスメンバより後側で車両中心に対する斜め前方からの荷重入力と車両正面からの荷重入力に対するフロントフレームの所定荷重当りの変形量を異ならせるように設定するフレームメンバ部材が設けられ、上記フレームメンバ部材を、左側サブフレームから右後方に傾斜して、サスメンバ取付けブラケットに橋渡される第1フレームメンバ部材と、右側サブフレームから左後方に傾斜して、サスメンバ取付けブラケットに橋渡される第2フレームメンバ部材と、から構成することにより、オフセット衝突時の車体強度の確保と正面衝突時のクラッシュスペースの確保との両立を図ることができ、また、上述のフレームメンバ部材を車両平面から見て傾斜状に延びる強度部材に設定でき、この強度部材でオフセット衝突時の荷重入力に対抗することができ、オフセット衝突時の充分な車体強度を確保することができ、さらに、上述のフレームメンバ部材をサブフレームに取付けることで、このフレームメンバ部材により、オフセット衝突時の荷重入力と正面衝突時の荷重入力に対するサブフレームの所定荷重当りの変形量を異ならせるように設定し、オフセット衝突時の車体強度の確保と正面衝突時のクラッシュスペースの確保との両立を図ることができ、加えて、上述のフレームメンバ部材を左右のフロントフレームに対してそれぞれ一部材を設けることで、車両中心に対する左側斜め前方からの荷重入力と、車両中心に対する右側斜め前方からの荷重入力つまり左側および右側の両オフセット衝突に対応することができる自動車の前部車体構造の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明による自動車の前部車体構造は、車両の前後方向に延びる左右一対のメインフレームと、該メインフレームの下方で、メインフレームに取付けられサスペンション乃至エンジンを支持するサブフレームと、これら左右の両サブフレームの間に横方向に延びるクロスメンバと、を備えた自動車の前部車体構造であって、上記サブフレームの前端は、メインフレームの前端まで延設すると共に、上記クロスメンバは、サブフレームの前後長さの略中間位置に配置されており、上記サブフレームの上記クロスメンバより後側で、車両中心に対する斜め前方からの荷重入力と車両正面からの荷重入力に対するフロントフレームの所定荷重当りの変形量を異ならせるように設定するフレームメンバ部材が設けられ、上記フレームメンバ部材は、左側サブフレームから右側のサブフレーム近傍まで後方に傾斜して、右側メインフレームに連結する右側サスメンバ取付けブラケットに橋渡される第1フレームメンバ部材と、右側サブフレームから左側のサブフレーム近傍まで後方に傾斜して、左側メインフレームに連結する左側サスメンバ取付けブラケットに橋渡される第2フレームメンバ部材と、から構成されるものである。
【0010】
この発明の一実施態様においては、上記左右のサスメンバ取付けブラケットは、閉断面が形成されるようにダッシュパネルに連結されるものである。
【0011】
この発明による自動車の前部車体構造は、また、車両の前後方向に延びる左右一対のメインフレームと、該メインフレームの下方で、メインフレームに取付けられサスペンション乃至エンジンを支持するサブフレームと、これら左右の両サブフレームの間に横方向に延びるクロスメンバと、を備えた自動車の前部車体構造であって、上記サブフレームの前端は、メインフレームの前端まで延設すると共に、上記クロスメンバは、サブフレームの前後長さの略中間位置に設置されており、上記サブフレームの上記クロスメンバより後側で車両中心に対する斜め前方からの荷重入力と車両正面からの荷重入力に対するフロントフレームの所定荷重当りの変形量を異ならせるように設定するフレームメンバ部材が設けられ、上記フレームメンバ部材は、左側サブフレームから右後方に傾斜して、ダッシュロアパネルの下方で、ダッシュロアパネルにより閉断面形状に形成されるサスメンバ取付けブラケットに連結するよう橋渡される第1フレームメンバ部材と、右側サブフレームから左後方に傾斜して、ダッシュロアパネルより下方で、ダッシュロアパネルにより閉断面形状に形成されるサスメンバ取付けブラケットに橋渡しされる第2フレームメンバ部材と、から構成されるものである。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記左右のサブフレームの前端は、それぞれ左右のメインフレーム前端に連結されるものである。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記サスメンバ取付けブラケットは、車幅方向中心 に対して左右の一方側に形成されており、第1、第2フレームメンバ部材は、単一の該サスメンバ取付けブラケットから車幅方向中心に向けて延設するブラケットに連結されるものである(図7参照)。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記サスメンバ取付けブラケットは、車幅方向中心に対して左右にそれぞれ形成されており、第1フレームメンバは、右側サスメンバ取付けブラケットに連結され、第2フレームメンバは、左側サスメンバ取付けブラケットに連結されるものである(図1参照)。
【0015】
【発明の作用及び効果】
この発明(請求項1、3)によれば、上述の第1フレームメンバ部材と、第2フレームメンバ部材とを設けたので、車両中心に対する斜め前方からの荷重入力(オフセット衝突時の荷重入力)と、車両正面からの荷重入力(正面衝突時の荷重入力)とに対するフロントフレームの所定荷重当りの変形量を上述のフレームメンバ部材にて異ならせるように設定することができる。
【0016】
つまり上述のフレームメンバ部材にてオフセット衝突時の荷重入力に対するフロントフレームの所定荷重当りの変形量を小に、正面衝突時の荷重入力に対するフロントフレームの所定荷重当りの変形量を大に設定することができ、この結果、オフセット衝突時の車体強度の確保と、正面衝突時のクラッシュスペースの確保との両立を図ることができる効果がある。
【0017】
また、上述のフレームメンバ部材車両平面から見て傾斜状に延びる強度部材に設定できるので、この強度部材によりオフセット衝突時の荷重入力に対抗することができ、オフセット衝突時のより一層良好な車体強度を確保することができる効果がある。
【0018】
さらに、上述のフレームメンバ部材は、サスペンション乃至エンジンを支持するところのサブフレームに取付けたので、このフレームメンバ部材により、オフセット衝突時の荷重入力と正面衝突時の荷重入力と、に対するサブフレームの所定荷重当りの変形量を異ならせることができ、この結果、オフセット衝突時の車体強度の確保と正面衝突時のクラッシュスペースの確保との両立を図ることができる効果がある。
【0019】
加えて、上述のフレームメンバ部材を左右のフロントフレーム(フロントフレームは、メインフレームとサブフレームとにより構成される)に対してそれぞれ一部材を設けたので、車両中心に対する左側斜め前方からの荷重入力と、車両中心に対する右側斜め前方からの荷重入力つまり左側および右側の両オフセット衝突に対応させることができ、これら左右双方のオフセット衝突時の車体強度の確保を図ることができる効果がある。
【0020】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車の前部車体構造を示し、図1、図2において、車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム1,2(メインフレーム)を設け、これら左右の各フロントサイドフレーム1,2間には車幅方向に延びる第1クロスメンバ3(フロントクロスメンバ)、第2クロスメンバ4、第3クロスメンバ5をそれぞれ張架している。
【0021】
また、上述の第2クロスメンバ4の取付け位置よりも所定量前方において左右のフロントサイドフレーム1,2には車両内方に向けて横方向に延びるサスメンバ取付けブラケット6,7を接合し、図3に示すように、これら左右のサスメンバ取付けブラケット6,7と、ダッシュロアパネル8(ダッシュパネル)との間には閉断面9,10を形成している。
【0022】
一方、エンジンルーム11の下側において左右のフロントサイドフレーム1,2の下部に取付けられるサブフレーム12,13を設けている。
【0023】
これら左右のサブフレーム12,13は車両の前後方向に延びるフレーム部材で、その前部はメインフレーム1,2(フロントサイドフレーム)の直下に対応する第1クロスメンバ3に対して、ボルト14、ナット15を用いて取付けられ、その後部はフロントサイドフレーム1,2、サスメンバ取付けブラケット6,7に対して、2組のボルト16、ナット17を用いて取付けられている。
【0024】
上述の左右一対のサブフレーム12,13はフロントサスペンション(図示せず)乃至エンジン18を支持するものであって、これらサブフレーム12,13の中間部相互間にはボルト、ナット19を用いてサブフレームクロスメンバ20を車幅方向に指向させて取付けている。
【0025】
しかも、左側のサブフレーム12の前後方向中間部下面と、右側のサスメンバ取付けブラケット7の内端側下面に固定されたブラケット21(図4、図5参照)との間にはフレームメンバ部材としてのサブフレームメンバ22を張架している。
【0026】
同様に、右側のサブフレーム13の前後方向中間部下面と、左側のサスメンバ取付けブラケット6の内端側下面に固定されたブラケット(図示せず)との間にもフレームメンバ部材としてのサブフレームメンバ23を張架している。
【0027】
これらのサブフレームメンバ22,23は例えば丸棒部材の強度部材から構成され、合計2本のサブフレームメンバ22,23は車両平面から見て傾斜状に延びるように配置されている。
この実施例では2本のサブフレームメンバ22,23は図1に示す如く車両平面から見て略X字状に配設されている。
【0028】
ここで、上述のサブフレームメンバ22,23の前端部22a,23aは、サブフレーム12,13の閉断面内に予め溶接固定されたナット(図示せず)、ワッシャ24、ボルト25等の取付け部材を用いてサブフレーム12,13の所定部に取付けられている。
【0029】
上述のサスメンバ取付けブラケット6,7(但し、図4、図5ではその一方のみを示す)の下面には図4、図5に示すように2組のボルト、ナット26,26を用いて上述のブラケット21を固定し、このブラケット21の下部には筒部材27を溶接固定している。
【0030】
而して、上述のサブフレームメンバ22,23の後端部22b,23bを、ボルト、ナット、ワッシャなどから成る取付け部材28を用いて筒部材27に取付けている。
【0031】
上述のサブフレームメンバ22,23は、その平面視スラント配設構造により、車両中心に対する斜め前方からの荷重入力つまりオフセット衝突時(図10参照)の荷重入力と、車両正面からの荷重入力つまり正面衝突時(図11参照)の荷重入力とに対する上述のサブフレーム12,13の所定荷重当りの変形量を異ならせるように設定したフレームメンバ部材である。
【0032】
すなわち、左側前方のオフセット衝突時においてはサブフレームメンバ22に対して図6の矢印a方向に荷重が入力され、このサブフレームメンバ22で矢印a方向の荷重入力に突張るように対抗して、サブフレーム12の所定荷重当りの変形量が小さくなり、正面衝突時においてはサブフレームメンバ22に対して図6の矢印b方向に荷重入力され、サブフレームメンバ22は、その後端部22bを中心としてその前端部22aが車両後方に変位すべく挙動して、サブフレーム12の所定荷重当りの変形量が大きくなる。このことは他方のサブフレームメンバ23、サブフレーム13についても同様である。
【0033】
上述の如くオフセット衝突と正面衝突とでサブフレームメンバ22,23および各要素21,27に作用する荷重入力方向の差異により、所定荷重当りの変形量、換言すればサブフレームメンバ22,23によるサブフレーム12,13の支持剛性を互に異ならせたものである。
【0034】
この支持剛性は図6の矢印a方向の荷重入力による材料21,27のせん断応力と、図6の矢印b方向の荷重入力による材料21,27,22,23の曲げ剛性、ねじり剛性との差異を利用して設定することができる。
【0035】
なお、図2において、30はラジエータグリル、31はフロントバンパ、32はボンネット、33はカウルボックス、34はフロントウインドガラス、35はラジエータである。
【0036】
このように図1〜図6で示した実施例によれば、車両の前後方向に延びるフロントフレーム(サブフレーム12,13参照)の前後方向中間部と、これらフレーム12,13の間の横方向に延びるクロスメンバ(サスメンバ取付けブラケット6,7参照)との間に上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ22,23参照)を設けたので、車両中心に対する斜め前方からの荷重入力つまりオフセット衝突時(図10参照)の荷重入力(図6の矢印a方向参照)と、車両正面からの荷重入力つまり正面衝突時(図11参照)の荷重入力と(図6の矢印b方向参照)に対するフロントフレーム(サブフレーム12,13参照)の所定荷重当りの変形量を上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ22,23参照)にて異ならせるように設定することができる。
【0037】
つまり上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ22,23参照)にてオフセット衝突時(図10参照)の荷重入力に対するフロントフレーム(サブフレーム12,13参照)の所定荷重当りの変形量を小に、正面衝突時(図11参照)の荷重入力に対するフロントフレーム(サブフレーム12,13参照)の所定荷重当りの変形量を大に設定することができ、この結果、オフセット衝突時の車体強度の確保と、正面衝突時のクラッシュスペースの確保との両立を図ることができる効果がある。
【0038】
また、上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ22,23参照)を車両平面から見て傾斜状に延びる強度部材に設定したので、この強度部材によりオフセット衝突時の荷重入力に対して突張るように対抗することができ、オフセット衝突時のより一層良好な車体強度を確保することができる効果がある。
【0039】
さらに、上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ22,23参照)は、サスペンション乃至エンジン18を支持するところのサブフレーム12,13に取付けたので、このフレームメンバ部材(サブフレームメンバ22,23参照)により、オフセット衝突時の荷重入力と正面衝突時の荷重入力に対するサブフレーム12,13の所定荷重当りの変形量を異ならせることができ、この結果、オフセット衝突時の車体強度の確保と正面衝突時のクラッシュスペースの確保との両立を図ることができる効果がある。
【0040】
加えて、上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ22,23参照)を左右のフロントフレーム(サブフレーム12,13)に対してそれぞれ一部材を設けたので、車両中心に対する左側斜め前方からの荷重入力と、車両中心に対する右側斜め前方からの荷重入力つまり左側および右側の両オフセット衝突に対応させることができ、これら左右双方のオフセット衝突時の車体強度の確保を図ることができる効果がある。
【0041】
さらには、上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ22,23参照)を車両平面から見て略X字状に配設したので、一対のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ22,23参照)をコンパクトに配設することができて、エンジンルーム11のレイアウトを阻害しない効果がある。
【0042】
図7〜図9は自動車の前部車体構造の他の実施例を示し、先の実施例においては一対のサブフレームメンバ22,23を車両平面から見て略X字状に配設したが、図7〜図9で示すこの実施例においては強度部材からなる一対のサブフレームメンバ36,37を設け、これら一対のサブフレームメンバ36,37を車両平面から見て前方が開放する略V字状に配設したものである。なお、図7〜図9において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
【0043】
つまり、図7、図8に示すように上述の左側のサスメンバ取付けブラケット6にボルトアップされるブラケット39を設け、このブラケット29の内端側を左右のサブフレーム12,13間の車幅方向中央部まで延出させて、この延出部39aの前面に筒部材40を溶接固定している。
【0044】
一方、3つの取付け孔41,42,43を備えた支持ブラケット44を設け、リヤ側中央の取付け孔43を利用して、ボルト45、ナット46にて上述の支持ブラケット44を筒部材40に固定している。
【0045】
また左側のサブフレームメンバ36の後端部36bは取付け部材47を用いて上述の取付け孔41に取付け、同様に右側のサブフレームメンバ37の後端部37bは取付け部材48を用いて上述の取付け孔42に取付けている。
【0046】
なお、この実施例では左側のサスメンバ取付けブラケット6に上述のブラケット39を取付けたが、これは右側のサスメンバ取付けブラケット7に取付けてもよく、或は延出部39aを中心とする左右対称構造のブラケットを設けて、このブラケットを左右の各サスメンバ取付けブラケット6,7に固定すべく構成してもよい。
【0047】
ここで、上述のサブフレームメンバ36,37は、その平面視スラント配設構造により、車両中心に対する斜め前方からの荷重入力つまりオフセット衝突時(図10参照)の荷重入力と、車両正面からの荷重入力つまり正面衝突時(図11参照)の荷重入力とに対する上述のサブフレーム12,13の所定荷重当りの変形量を異ならせるように設定したフレームメンバ部材である。
【0048】
すなわち、左側前方のオフセット衝突時においてはサブフレームメンバ36に対して図9の矢印c方向に荷重が入力され、このサブフレームメンバ36で矢印c方向の荷重入力に突張るように対抗して、サブフレーム12の所定荷重当りの変形量が小さくなり、正面衝突時においてはサブフレームメンバ36に対して図9の矢印d方向に荷重が入力され、サブフレームメンバ36はその後端部36bを中心としてその前端部36aが車両後方に変位すべく挙動して、サブフレーム12の所定荷重当りの変形量が大きくなる。このことは他方のサブフレームメンバ37、サブフレーム13についても同様である。
【0049】
このようにオフセット衝突と正面衝突とでサブフレームメンバ36,37に作用する荷重入力方向の差異により、所定荷重当りの変形量、換言すればサブフレームメンバ36,37によるサブフレーム12,13の支持剛性を互に異ならせたものである。
【0050】
上述の如く図7〜図9で示した実施例によれば、車両の前後方向に延びるフロントフレーム(サブフレーム12,13参照)の前後方向中間部と、これらフレーム12,13の間の横方向に延びるクロスメンバ(サスメンバ取付けブラケット6,7参照)との間にブラケット39,44を介して上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ36,37参照)を設けたので、車両中心に対する斜め前方からの荷重入力つまりオフセット衝突時(図10参照)の荷重入力(図9の矢印c方向参照)と、車両正面からの荷重入力つまり正面衝突時(図11参照)の荷重入力と(図9の矢印d方向参照)に対するフロントフレーム(サブフレーム12,13参照)の所定荷重当りの変形量を上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ36,37参照)にて異ならせるように設定することができる。
【0051】
つまり上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ36,37参照)にてオフセット衝突時の荷重入力に対するフロントフレーム(サブフレーム12,13参照)の所定荷重当りの変形量を小に、正面衝突時の荷重入力に対するフロントフレーム(サブフレーム12,13参照)の所定荷重当りの変形量を大に設定することができ、この結果、オフセット衝突時(図10参照)の車体強度の確保と、正面衝突時(図11参照)のクラッシュスペースの確保との両立を図ることができる効果がある。
【0052】
また、上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ36,37参照)を車両平面から見て傾斜状に延びる強度部材に設定したので、この強度部材によりオフセット衝突時の荷重入力に対して突張るように対抗することができ、オフセット衝突時のより一層良好な車体強度を確保することができる効果がある。
【0053】
さらに、上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ36,37参照)は、サスペンション乃至エンジン18(図2参照)を支持するところのサブフレーム12,13に取付けたので、このフレームメンバ部材(サブフレームメンバ36,37参照)により、オフセット衝突時(図10参照)の荷重入力と正面衝突時(図11参照)の荷重入力に対するサブフレーム12,13の所定荷重当りの変形量を異ならせることができ、この結果、オフセット衝突時の車体強度の確保と正面衝突時のクラッシュスペースの確保との両立を図ることができる効果がある。
【0054】
加えて、上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ36,37参照)を左右のフロントフレーム(サブフレーム12,13参照)に対してそれぞれ一部材を設けたので、車両中心に対する左側斜め前方からの荷重入力と、車両中心に対する右側斜め前方からの荷重入力つまり左側および右側の両オフセット衝突に対応させることができ、これら左右双方のオフセット衝突時の車体強度の確保を図ることができる効果がある。
【0055】
そのうえ、上述のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ36,37参照)を車両平面から見て前方が開放する略V字状に配設したので、一対のフレームメンバ部材(サブフレームメンバ36,37参照)をコンパクトに配設することができて、エンジンルーム11(図2参照)のレイアウトを阻害しない効果がある。
【0056】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のフロントフレームは、実施例のメインフレーム(フロントサイドフレーム1,2参照)とサブフレーム12,13とに対応し、
以下同様に、
クロスメンバは、サブフレームクロスメンバ20に対応し、
フレームメンバ部材は、サブフレームメンバ22,23に対応し、
メインフレームは、フロントサイドフレーム1,2に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動車の前部車体構造を示す平面図。
【図2】 同側面図。
【図3】 図1のA−A線矢視断面図。
【図4】 図1のB−B線矢視断面図。
【図5】 図4のC−C線矢視断面図。
【図6】 荷重入力方向の差異を示す説明図。
【図7】 自動車の前部車体構造の実施例を示す平面図。
【図8】 図7の要部の分解斜視図。
【図9】 荷重入力方向の差異を示す説明図。
【図10】 オフセット衝突の説明図。
【図11】 正面衝突の説明図。
【符号の説明】
1,2…インフレー
6,7…サスメンバ取付けブラケット
8…ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)
12,13…サブフレーム
18…エンジン
20…サブフレームクロスメンバ(クロスメンバ)
22,23…サブフレームメンバ(フレームメンバ部材)
36,37…サブフレームメンバ(フレームメンバ部材)
39…ブラケット

Claims (6)

  1. 車両の前後方向に延びる左右一対のメインフレームと、該メインフレームの下方で、メインフレームに取付けられサスペンション乃至エンジンを支持するサブフレームと、これら左右の両サブフレームの間に横方向に延びるクロスメンバとを備えた自動車の前部車体構造であって、
    上記サブフレームの前端は、メインフレームの前端まで延設すると共に、
    上記クロスメンバは、サブフレームの前後長さの略中間位置に配置されており、
    記サブフレームの上記クロスメンバより側で車両中心に対する斜め前方からの荷重入力と車両正面からの荷重入力に対するフロントフレームの所定荷重当りの変形量を異ならせるように設定するフレームメンバ部材が設けられ
    上記フレームメンバ部材は、左側サブフレームから右側のサブフレーム近傍まで後方に傾斜して、右側メインフレームに連結する右側サスメンバ取付けブラケットに橋渡される第1フレームメンバ部材と、右側サブフレームから左側のサブフレーム近傍まで後方に傾斜して、左側メインフレームに連結する左側サスメンバ取付けブラケットに橋渡される第2フレームメンバ部材と、から構成される
    自動車の前部車体構造。
  2. 上記左右のサスメンバ取付けブラケットは、閉断面が形成されるようにダッシュパネルに連結される
    請求項1記載の自動車の前部車体構造。
  3. 車両の前後方向に延びる左右一対のメインフレームと、該メインフレームの下方で、メインフレームに取付けられサスペンション乃至エンジンを支持するサブフレームと、これら左右の両サブフレームの間に横方向に延びるクロスメンバと、を備えた自動車の前部車体構造であって、
    上記サブフレームの前端は、メインフレームの前端まで延設すると共に、
    上記クロスメンバは、サブフレームの前後長さの略中間位置に設置されており、
    上記サブフレームの上記クロスメンバより後側で車両中心に対する斜め前方からの荷重入力と車両正面からの荷重入力に対するフロントフレームの所定荷重当りの変形量を異ならせるように設定するフレームメンバ部材が設けられ、
    上記フレームメンバ部材は、左側サブフレームから右後方に傾斜して、ダッシュロアパネルの下方で、ダッシュロアパネルにより閉断面形状に形成されるサスメンバ取付けブラケットに連結するよう橋渡される第1フレームメンバ部材と、
    右側サブフレームから左後方に傾斜して、ダッシュロアパネルより下方で、ダッシュロアパネルにより閉断面形状に形成されるサスメンバ取付けブラケットに橋渡される第2フレームメンバ部材と、から構成される
    自動車の前部車体構造。
  4. 上記左右のサブフレームの前端は、それぞれ左右のメインフレーム前端に連結される
    請求項1または3に記載の自動車の前部車体構造。
  5. 上記サスメンバ取付けブラケットは、車幅方向中心に対して左右の一方側に形成されており、第1、第2フレームメンバ部材は、単一の該サスメンバ取付けブラケットから車幅方向中心に向けて延設するブラケットに連結される
    請求項記載の自動車の前部車体構造。
  6. 上記サスメンバ取付けブラケットは、車幅方向中心に対して左右にそれぞれ形成されて おり、
    第1フレームメンバは、右側サスメンバ取付けブラケットに連結され、第2フレームメンバは、左側サスメンバ取付けブラケットに連結される
    請求項記載の自動車の前部車体構造。
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