JP4604368B2 - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロントサイドフレームの下方にサブフレームを配設した車体前部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の自動車の前部車体構造として、例えば、特開2000−53022号公報に開示されるように、自動車の前面衝突の際にフロントサイドフレームの変形モードを潰れ変形から屈曲変形へ切り換えることにより、衝突初期に車体に対し相対的に大きい減速度を生じさせ、その後、一旦、車体減速度を降下させるようにしたものが知られている。
【0003】
すなわち、図10及び図11に示すように、車体前部の左右両側にそれぞれ設けられるフロントサイドフレーム80,80の前端に、車幅方向に延びるバンパーレインフォースメント81の左側及び右側がそれぞれ取り付けられ、さらに、該両フロントサイドフレーム80,80の前後方向の中央部から前方へ向かって、車体外方へ傾斜して延びる斜方向ビーム82,82がそれぞれ設けられている。その斜方向ビーム82,82のそれぞれの前端部は、前記バンパーレインフォースメント81に対して前後方向に所定距離離れた状態で、かつ、車体前後方向から見て、該バンパーレインフォースメント81の車幅方向の両端部とそれぞれ重複するように位置付けられている。
【0004】
そして、この構造では、前面衝突時の衝撃は、まず、バンパーレインフォースメント81からフロントサイドフレーム80,80に伝達されて、図11に示すように、該フロントサイドフレーム80,80の前端側が比較的、変形荷重の大きい潰れ変形を起こす。続いて、バンパーレインフォースメント81の車幅方向の両端部が前記斜方向ビーム82,82の前端部に当接して、該斜方向ビーム82,82を介して側方荷重が加えられることによって、前記フロントサイドフレーム80,80の中央部が車体内方へ屈曲変形し、それ以降の変形荷重が比較的、小さなものとなる。このことにより、衝突初期に車体減速度を急峻に立ち上がらせて、その後、車体減速度を降下させることができる。
【0005】
ここで、衝突時の乗員には、該乗員を拘束するシートベルト等の拘束手段からの反力によって減速度が作用するため、衝突の初期のようにシートベルトの伸びが少ない状態では乗員減速度は極めて小さい。その一方で、車体には衝突初期から大きな減速度が作用しているため、前記乗員と車体との相対移動距離は次第に大きくなって、シートベルトの伸びが最大に達した時点で乗員がシートベルトから受ける反力も最大となり、大きな衝撃荷重を受けることになる。
【0006】
前記従来例では、この乗員への衝撃荷重を低減させるべく、衝突後にシートベルトの伸びが最大となる直前に、フロントサイドフレームの変形モードを切り換えて、車体減速度を降下させるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の構造では、一対のフロントサイドフレームの間に搭載されるパワープラントが、該各フロントサイドフレームの車体内方への屈曲変形を阻害することがあり、この場合には、上述したように車体減速度を降下させることができないため、乗員減速度の最大値、即ち衝撃荷重を狙い通りに低減できないという問題がある。
【0008】
また、一般的に、前記各フロントサイドフレームの下方には、車体前後方向に延びるサイドメンバ部を有するサブフレームを配設することがあり、この場合には、自動車の前面衝突の際に該サブフレームが突っ張ってしまい、前記従来例のように乗員への衝撃荷重を低減できないという問題がある。
【0009】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サブフレームの構造に工夫を凝らし、衝突の途中にサブフレームの屈曲変形を開始させるようにして、狙い通りに車体減速度を降下させることにより、乗員に作用する衝撃荷重を低減することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、フロントサイドフレームの下方に配設したサブフレームのサイドメンバ部同士をクロスメンバ部により連結し、自動車の前面衝突時にフロントサイドフレームの変形の途中で該クロスメンバ部をサイドメンバ部から分離させることにより、サブフレームの屈曲変形を開始させるようにした。
【0011】
具体的には、請求項1の発明では、車体前部の左右両側において各々車体前後方向に延びるように一対のフロントサイドフレームが設けられるとともに、該各フロントサイドフレームの下方においてそれぞれ車体前後方向に延びる一対のサイドメンバ部を有するサブフレームが配設された自動車の前部車体構造を前提とする。そして、前記フロントサイドフレームには、パワープラントが支持され、前記サブフレームのサイドメンバ部の前端側をフロントサイドフレームの前端側に固定する一方、サイドメンバ部の後端側をフロントサイドフレームの後端側ないしその近傍の車体構成部材に固定し、該サイドメンバ部の前側部分は、該サイドメンバ部の前端から後方へ行くほど車幅方向内側に位置するように後方へ傾斜して延びるように形成され、前記サイドメンバ部の前端側及び後端側固定部の中間部分同士を互いに連結するように車幅方向に延びるクロスメンバ部を架設するとともに、前記サブフレームに、自動車の前面衝突の際に該サイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部に対して設定値以上の荷重が作用したときにこの連結部を分離させる分離誘起部を設け、前記分離誘起部は、前記サイドメンバ部の前後方向中間部分に設けられ、該サイドメンバ部の前側部分よりも車幅方向内側へ大きく傾斜して後方へ延びる形状とされることによって車幅方向外側に突出するように屈曲形成された屈曲部と、前記クロスメンバ部又は前記パワープラントの少なくとも一方に設けられ、前記自動車の前面衝突時における前記パワープラントの後退によって該クロスメンバ部又はパワープラントの他方に係合する係合部とを含み、前記係合部は、前記自動車の前面衝突時よりも前の通常時において、前記クロスメンバ部又はパワープラントの他方とは離間するように位置付けられ、前面衝突後に、前記パワープラントの後退によって前記クロスメンバ部の車幅方向略中央部を後方へ屈曲させて前記連結部を分離させるように構成され、前記サイドメンバ部は、前記連結部の分離により前記屈曲部を起点として車幅方向外側へ変形するように構成されものとする。
【0012】
この構成によれば、自動車の前面衝突時には、まず、フロントサイドフレームが圧縮荷重を受けて潰れ変形を開始する。この際、サブフレームは各サイドメンバ部の中間部分が互いにクロスメンバ部によって連結されていて、高い剛性を有するので、このサブフレームがフロントサイドフレームの屈曲変形を抑制して、衝突の初期には車体減速度が急峻に立ち上がり、これにより、シートベルトが早期に伸びて乗員を強く拘束するようになる。
【0013】
その後、前記シートベルトの伸びが最大となる前に、サイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部に作用する荷重が増大して設定値以上になるとサイドメンバ部からクロスメンバ部が離脱し、これを契機として該各サイドメンバ部とフロントサイドフレームとが屈曲変形を開始する。
【0014】
つまり、フロントサイドフレームの変形の途中でサブフレームの各サイドメンバ部を分離させることにより、フロントサイドフレームの変形モードを狙い通りのタイミングで潰れ変形から屈曲変形に切り換えて、その変形荷重を減少させることができる。これにより、シートベルトが伸びきるときに車体減速度を低下させて、該シートベルトの反力による乗員への衝撃荷重を十分に低減することができる。
【0015】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記サブフレームが、サイドメンバ部の前端側を互いに連結するように架設されたフロントメンバ部を有するものとする。このことで、フロントメンバ部によって各サイドメンバ部を連結して枠状のフレームとなるため、サブフレームの剛性をより高めることができ、衝突の初期における車体減速度の急峻な立ち上がりを確実なものとすることができる。
【0016】
また、請求項3の発明では、車体前部の左右両側において各々車体前後方向に延びるように一対のフロントサイドフレームが設けられるとともに、該各フロントサイドフレームの下方においてそれぞれ車体前後方向に延びる一対のサイドメンバ部を有するサブフレームが配設された自動車の前部車体構造を前提とする。そして、前記フロントサイドフレームには、パワープラントが支持され、前記サブフレームは、サイドメンバ部の前端側を互いに連結するように架設されたフロントメンバ部を有するものとし、該サイドメンバ部の前側部分は、該サイドメンバ部の前端から後方へ行くほど車幅方向内側に位置するように後方へ傾斜して延びるように形成され、該サイドメンバ部の車体前後方向の中間部分を互いに連結するように車幅方向に延びるクロスメンバ部を架設するとともに、自動車の前面衝突の際に、該サイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部に対して設定値以上の荷重が作用したときにこの連結部を分離させる分離誘起部を設け、前記分離誘起部は、前記サイドメンバ部の前後方向中間部分に設けられ、該サイドメンバ部の前側部分よりも車幅方向内側へ大きく傾斜して後方へ延びる形状とされることによって車幅方向外側に突出するように屈曲形成された屈曲部と、前記クロスメンバ部又は前記パワープラントの少なくとも一方に設けられ、前記自動車の前面衝突時における前記パワープラントの後退によって該クロスメンバ部又はパワープラントの他方に係合する係合部とを含み、前記係合部は、前記自動車の前面衝突時よりも前の通常時において、前記クロスメンバ部又はパワープラントの他方とは離間するように位置付けられ、前面衝突後に、前記パワープラントの後退によって前記クロスメンバ部の車幅方向略中央部を後方へ屈曲させて前記連結部を分離させるように構成され、前記サイドメンバ部は、前記連結部の分離により前記屈曲部を起点として車幅方向外側へ変形するように構成されるものとする。
【0017】
この構成によれば、自動車の前面衝突時には、まず、フロントサイドフレームが圧縮荷重を受けて潰れ変形を開始し、続いて、サブフレームにも車体前後方向の圧縮荷重が作用する。ここで、該サブフレームは、サイドメンバ部がフロントメンバ部及びクロスメンバ部によって連結されて、高い剛性を有するものなので、衝突の初期には車体減速度が急峻に立ち上がる。その後、該サブフレームへの荷重の増大に伴い、サイドメンバ部からクロスメンバ部が離脱してサブフレーム全体の剛性が低下し、サイドメンバ部が相対的に低い荷重で屈曲変形を開始するようになる。
【0018】
このように、衝突の途中でサブフレームの各サイドメンバ部を分離させることにより、該サブフレームの変形荷重を狙い通りのタイミングで大きく低下させ、これにより、請求項1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0019】
また、例えば自動車の衝突時にサイドメンバ部に作用する圧縮荷重によって、該サイドメンバ部の中間部分が車体外方へ折れ曲がるので、このサイドメンバ部をクロスメンバ部から確実に分離させることができる。
【0020】
請求項の発明では、請求項1又は3の発明において、前記クロスメンバ部の車幅方向の両端側に、サイドメンバ部への締結部材が貫通する締結孔を設けるとともに、該締結孔を車体外方に向かって開放するように切欠部を形成するものとする。こうすれば、クロスメンバ部の両端側をそれぞれ締結部材によってサイドメンバ部に締結できる。一方、自動車の衝突時に前記サイドメンバ部が車体外方へ折れ曲がると、締結部材が切欠部を介してクロスメンバ部から離脱し、これにより、サイドメンバ部とクロスメンバ部とを確実に分離させることができる。
【0021】
請求項の発明では、請求項1又は2のいずれかにおいて、前記サブフレームを、その前端部が前記フロントサイドフレームの前端部よりも車体後方に位置するように設ける。また、前記分離誘起部を、後端側が前記クロスメンバ部に連結されて車体前方に延び、前端部が前記サブフレームの前端部よりも車体前方でかつ前記フロントサイドフレームの前端部よりも所定距離だけ車体後方に位置付けられた縦メンバ部とする。
【0022】
こうすれば、自動車の前面衝突時には、まず、フロントサイドフレームの前端側が所定距離だけ潰れ変形し、その後、縦メンバにも衝撃荷重が作用する。そして、この衝撃荷重が縦メンバ部を介してクロスメンバ部に伝達することにより、サイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部に対して設定値以上の荷重を作用させて、この連結部を確実に分離できる。
【0023】
また、自動車の前面衝突時には、まず、フロントサイドフレームの前端側が潰れ変形し、その後、パワープラントが後退して、該パワープラントとクロスメンバ部とが係合部により係合される。これにより、サイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部に対して設定値以上の荷重を作用させて、この連結部を確実に分離できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する
【0025】
図1〜図4は、本発明の実施形態に係る自動車の前部車体構造を示すものである。尚、図1及び図2は、それぞれ垂直方向の断面図及び下面図であり、図3及び図4は、それぞれ車体上方及び車体下方から見た斜視図である。
【0026】
この自動車は、図1に示すように、前側にエンジンルーム1が設けられ、該エンジンルーム1内にエンジン2及びミッションケース(変速装置等を収容する)3からなるパワープラント4を搭載し、該パワープラント4によって前輪(図示しない)を駆動するようにしている。前記エンジンルーム1の後側はダッシュパネル5によって仕切られており、このダッシュパネル5の後側が車室6とされ、その車室6の下側はフロアパネル7によって仕切られている。このフロアパネル7は、ダッシュパネル5下端縁部から、後方へ向かって下方へ傾斜して車体の下端部まで達した後に、そこから略水平に後方へ延びるように形成され、その車幅方向両端縁部には、図2に示すように、該縁部に沿って延びる閉断面のサイドシル10がそれぞれ設けられている。
【0027】
また、前記エンジンルーム1の車幅方向両側には、前記ダッシュパネル5からそれぞれ前方へ突出して延びる一対のフロントサイドフレーム11,11が設けられている。この一対のフロントサイドフレーム11,11は、それぞれ略矩形状の閉断面を有し、前記車体の下端部からフロアパネル7の傾斜部に沿って前方へ延び、エンジンルーム1の上下方向の中央部近傍まで達してそこから略水平方向へ屈曲して、パワープラント4の前端部よりも前方へ延びるように形成されている。
【0028】
前記パワープラント4のエンジン2は、図示しないが、クランク軸が延びる方向に複数のシリンダが直線的に並ぶように構成され、クランク軸が略車幅方向を向くように車体に対して横置きとされ、ミッションケース3の車体右側の側面がエンジン2のシリンダブロックの車体左側の側面に締結されている。また、図示しないが、エンジン2の前側壁部には吸気マニホルドや補機類等が取り付けられ、さらに、その前方の車体にはラジエータや該ラジエータのファン等が取り付けられている。尚、図1に示す符号12は、ミッションケース3の出力軸と前輪とを回転一体に連結するドライブシャフトである。
【0029】
このように構成されたパワープラント4は、図3及び図4に示すように、エンジンルーム1において該パワープラント4の車幅方向の両端部近傍をそれぞれ前記フロントサイドフレーム11,11に対して、一対のマウント部材13、14を介して弾性支持されている。
【0030】
この一対のマウント部材13、14のうちの車体左側に位置するマウント部材13は、ミッションケース3の上面に固定されるミッション側ブラケット15と、車体左側のフロントサイドフレーム11の上面及び車体内方の側面に固定される車体側ブラケット16と、該ミッション側及び車体側ブラケット15、16の間に介在され、例えばゴム等の振動を減衰する部材とを備えるものである。一方、車体右側に位置するマウント部材14は、エンジン2に固定されるエンジン側ブラケット17と、右側のフロントサイドフレーム11の上部に固定される車体側ブラケット18と、該エンジン側及び車体側ブラケット17、18の間に介在され、振動を減衰する部材とを備えるものである。
【0031】
前記一対のフロントサイドフレーム11,11は、車体上下方向から見て、その後端部から前方へ向かって略中央部までは前側ほど互いに離れるように形成される一方、該中央部から前端部までは互いに略平行となるように形成されている。さらに、図3に示すように、このフロントサイドフレーム11,11の車体外方の側面は、その後端部から前後方向の略中央部に亘って、車体内方側へ向かって窪んだ凹部が形成され、前記前輪の操舵時における該前輪との干渉を防ぐようになっている。このため、フロントサイドフレーム11,11の後側は、前側に比べて小さい断面を有することになり、若干、脆弱である。
【0032】
また、前記一対のフロントサイドフレーム11,11の後端側は、図2に示すように、前記フロアパネル7の下面に沿って前記サイドシル10と平行に後方へ延びるように設けられた一対のフロアフレーム20,20の前端側にそれぞれ連続している。この各フロアフレーム20,20は、上方が開放したコ字状断面を有し、その上端部が前記フロアパネル7の下面に溶接されている。また、該一対のフロアフレーム20,20に挟まれた略中央位置に対応するフロアパネル7には、その前端から後端に亘るように車室6側へ向かって膨出したフロアトンネル部21が形成され、該フロアトンネル部21の前端側の部分はその前側ほど大きく膨出している。
【0033】
前記フロアトンネル部21と各フロアフレーム20,20との間には、それぞれ該フロアフレームの車体内方側からフロアトンネル部21の車体外方側に亘ってダッシュパネル5下端側とフロアパネル7前端側とに溶接されるダッシュロアレインフォースメント22,22が設けられている。さらに、左側及び右側のそれぞれのフロアフレーム20,20の車体外方側からサイドシル10,10の車体内方側に亘って、前記ダッシュロアレインフォースメント22,22と同様に、ダッシュパネル5とフロアパネル7とに溶接されるトルクボックス23,23がそれぞれ設けられている。
【0034】
一方、前記フロントサイドフレーム11,11のそれぞれの前端側には、車幅方向及び上下方向にそれぞれ延出した矩形のフランジ部24,24が設けられている。このフランジ部24,24には、後端部にこのフランジ部24,24と略同形状のフランジ部25,25を有するクラッシュボックス26,26が取り付けられて、フロントサイドフレーム11,11の前端部分を形成している。該クラッシュボックス26,26は、前側ほど小さい矩形断面を有するように形成され、前面衝突時の衝撃により圧縮荷重を受けて前後方向に潰れ変形して、このことにより衝撃を吸収するものであり、この衝突の際の潰れ変形を確実に起こすように、その上面及び両側面には、それぞれ車幅方向及び上下方向に長い略だ円形のビードが形成されている。さらに、この左右両側のクラッシュボックス26,26の前端部には、バンパーレインフォースメント27の車幅方向両端部がそれぞれ固定されている。このクラッシュボックス26,26の潰れ変形荷重は、詳しくは後述する衝突時に、乗員を拘束するシートベルトの伸びが最大となる前に潰れ変形が終了するように設定されている。
【0035】
次に、前記フロントサイドフレーム11,11の下方に配設されるペリメータフレーム30(サブフレーム)について説明する。このペリメータフレーム30は、鋼板製とされ、前記パワープラント4や操舵装置(図1に出力軸31のみを図示する)等を支持するものであり、全体として略矩形の枠状をなすように一体構造とされている。このペリメータフレーム30の前端側は、パワープラント4よりも前方で前記クラッシュボックス26,26の後端部よりも若干、後方に位置付けられ、左側のフロントサイドフレーム11の真下位置から右側のフロントサイドフレーム11の真下位置に亘るように車幅方向に直線的に延びるフロントメンバ部32とされている。このフロントメンバ部32の左右両端側には、それぞれ該フロントメンバ部32と略同形状の断面を有するとともに該両端側から後方へ延びるサイドメンバ部33,33が設けられている。
【0036】
この各サイドメンバ部33,33の後端部から所定距離前方の部位には、前記フロントメンバ部32の断面よりも大きい断面を有するサスペンションクロスメンバ部34が2つのサイドメンバ部33,33に架け渡された状態で溶接されている。また、前記サイドメンバ部33,33は、図1に示すように、車幅方向から見て、その後端部から前後方向の略中央部まで略水平に延びるように形成される一方、この中央部分において上方へ傾斜するように屈曲して、さらにその傾斜方向に前端まで延びている。
【0037】
また、前記サスペンションクロスメンバ部34は、その車幅方向両端側に、図示しないが、前記前輪を支持するサスペンションアームが軸支されているため、車幅方向の長さは、前記フロントメンバ部32よりも短く形成されている。また、図2に示すように、各サイドメンバ部33,33を車体上下方向から見ると、前端部から前後方向の略中央部までは、後側ほど車体内方に位置するように比較的緩く傾斜し、この中央部分において前側よりも車体内方へきつく傾斜するように屈曲して後端部まで延びており、該中央部分に車幅方向の外方に突出した(車幅方向)屈曲部が形成されている。
【0038】
前記ペリメータフレーム30の取り付けについては、該ペリメータフレーム30の前端が前記一対のフロントサイドフレーム11,11の前端側の固定部11a,11aにそれぞれ固定される一方、該ペリメータフレーム30の後端が前記パワープラント4よりも後方側の位置で前記ダッシュロアレインフォースメント22,22にそれぞれ固定されている。詳しくは、前記ペリメータフレーム30の前側の左右の隅部には、該隅部の上面から車体外方へかつ前方へ向かって緩やかに傾斜しながら、上方へ突出するように取付ブラケット36,36が設けられている。この取付ブラケット36,36の下端部は前記ペリメータフレーム30に溶接される一方、上端部には軸線が上下方向に延びる円筒部37,37が設けられ、この円筒部37,37の内側には円筒状のゴムブッシュ(図示せず)が嵌合されている。さらに、このゴムブッシュには、前記円筒部37,37と同軸に位置するようにパイプ部材(図示せず)が固着されており、そのパイプ部材を軸線方向に貫通するボルト38,38によって該パイプ部材の上端部がフロントサイドフレーム11,11の前端側固定部11a,11aに締結されるようになっている。
【0039】
一方、前記ペリメータフレーム30のサイドメンバ部33,33の後端部には、該ペリメータフレーム30を前記ダッシュロアレインフォースメント22,22に取り付けるための取付部39,39が、それぞれ設けられている。この取付部39,39にも、前記したペリメータフレーム30の前側の取付ブラケット36,36の上端部と同様に円筒部40,40が設けられ、この円筒部40,40の内側にゴムブッシュ(図示せず)が嵌合されている。そして、このゴムブッシュにパイプ部材(図示せず)が固着されていて、ボルト41,41によって該パイプ部材の上端部がダッシュロアレインフォースメント22,22の固定部22a,22aに締結されるようになっている。
【0040】
また、前記ペリメータフレーム30の前端側の取付ブラケット36,36及び後端側の取付部39,39の間には、各サイドメンバ部33,33を連結するように架け渡されるクロスメンバ部50がブラケット51,51を介して取り付けられている。従って、前記ペリメータフレーム30の各サイドメンバ部33,33は、フロントメンバ部32、クロスメンバ部50、及びサスペンションクロスメンバ部34の3箇所で連結されており、高い剛性を有するようになっている。前記クロスメンバ部50の取り付けについて詳しくは、前記各サイドメンバ部33,33の車幅方向屈曲部近傍には、それぞれ略矩形の板状に形成されかつ略水平に拡がるように配置された鋼板製ブラケット51,51が溶接により取り付けられている。さらに、このブラケット51,51の車体上下方向から見たときの中央部分には、車体上下方向に貫通するボルト孔51a,51aが形成されている。
【0041】
一方、前記クロスメンバ部50は、断面形状が前記フロントメンバ部32と略同形状とされ、その車幅方向両端側が前記ブラケット51,51へそれぞれ取り付けられるようになっている。該クロスメンバ部50の車幅方向両端側には、車体前後方向の略中央部分において前記ブラケット51,51のボルト孔51a,51aと連通するように車体上下方向に貫通するボルト孔50a,50aがそれぞれ設けられている。さらに、このクロスメンバ部側のボルト孔50a,50aの車体外方側には、該ボルト孔50a,50aを車体外方へ向かって開放するように切欠部50b,50bが形成されている。この切欠部50b,50bは、車体前後方向の長さがボルト孔50a,50aの径と略同じとされ、クロスメンバ部50の長さ方向に延びていて、該クロスメンバ部50の端縁部に至るように形成されている。
【0042】
前記クロスメンバ部50の取り付けに際しては、該クロスメンバ部50をブラケット51,51の下側に配置して、ボルト52,52(締結部材)をそのクロスメンバ部50及びブラケット51,51のボルト孔50a,50a、51a,51aに下方から上方へ向かって挿通させて、該ブラケット51,51の上側に配置したナット53,53と螺合させる。これにより、クロスメンバ部50の両端側がそれぞれブラケット51,51に締結固定されて、該クロスメンバ部50によりペリメータフレーム30の各サイドメンバ部33,33が連結される。
【0043】
前記ペリメータフレーム30に対して車体前後方向の圧縮荷重が作用すると、サイドメンバ部33,33の中間部分にはその中間部分が車体外方へ変位するような曲げ荷重が作用し、これにより、サイドメンバ部33,33及びクロスメンバ部50の連結部に対してそれらを分離させるような引張荷重が作用することになる。
【0044】
さらに、この実施形態では、自動車の前面衝突の際、前記パワープラント4が後退したときに、この後退時の荷重が前記ペリメータフレーム30のクロスメンバ部50に作用するよう、パワープラント4に該クロスメンバ部50との係合部を設けている。
【0045】
詳しくは、前記パワープラント4の車幅方向の略中央部分に対応するエンジン2の下端部には、車体前後方向から見て、前記クロスメンバ部50と重複するように突出した凸部55(係合部)が形成されている。この凸部55は、前記クロスメンバ部50の前端部から前方に所定距離(例えば、30〜40mm)離間するように位置付けられているため、通常時のパワープラント4の揺動によって該クロスメンバ50と凸部55とが接触することはない。
【0046】
そして、前記パワープラント4の凸部55は、前記自動車の前面衝突時に該パワープラント4が後退することによって、前記クロスメンバ部50の車幅方向略中央部分と係合して該中央部分が後方へ変位するように該クロスメンバ部50を屈曲させ、これにより、クロスメンバ部50の車幅方向両端側にはサイドメンバ部33,33から分離するような引張荷重が作用することになる。すなわち、前記した各サイドメンバ部33,33の車幅方向屈曲部及びパワープラント4の凸部55が、それぞれ前面衝突時にサイドメンバ部33,33及びクロスメンバ部50の連結部に対して引張荷重を作用させて、それらを分離させる分離誘起部になる。
【0047】
そして、前記連結部に作用する引張荷重がボルト52,52及びナット53,53の締結力による連結荷重よりも大きくなると、サイドメンバ部33,33からクロスメンバ部50が離脱して各サイドメンバ部33,33が分離し、このことによるペリメータフレーム30の剛性の大幅な低下を契機として、該ペリメータフレーム30及びフロントサイドフレーム11,11が大きく折れ曲がることになる。つまり、この実施形態では、前記フロントサイドフレーム11,11及びペリメータフレーム30の屈曲変形のタイミングを、前記サイドメンバ部33,33及びクロスメンバ部50の連結部におけるボルト52,52及びナット53,53の締結力によって設定できるようになっていて、具体的には、その屈曲変形のタイミングは、前記クラッシュボックス26,26の変形終了後とされている。尚、その屈曲変形のタイミングは、前記クロスメンバ部50の切欠部50b,50bの形状によっても設定することができ、例えば、屈曲変形のタイミングを遅らせたいときには、該切欠部50bの車体前後方向の長さをボルト52の軸径よりも短くすることで、該ボルト52の軸部が通過するときの荷重を増加させるようにすればよい。
【0048】
次に、前記自動車が前面衝突したときのフロントサイドフレーム11,11やペリメータフレーム30の変形について、図5に基づいて詳しく説明する。尚、図5は、衝突後の車体前部の状態を概略的に示す前記図2に相当するものである。
【0049】
まず、衝突の初期では、衝突時の衝撃荷重がバンパーレインフォースメント27を介してクラッシュボックス26,26に入力し、該クラッシュボックス26,26が潰れ変形を開始する。一方、前記ペリメータフレーム30のサイドメンバ部33,33及びクロスメンバ部50の連結荷重は前記の如く設定されているため、この時点におけるフロントサイドフレーム11,11及びペリメータフレーム30は全体として高い剛性を有する。従って、このクラッシュボックス26,26の潰れ変形の段階ではフロントサイドフレーム11,11及びペリメータフレーム30ともに大きな変形は起こらず、前記クラッシュボックス26,26の潰れ変形のみによって車体減速度が相対的に大きく立ち上がることになる。言い換えると、前記クラッシュボックス26,26の衝撃吸収特性は、衝突初期の車体減速度を急峻に立ち上がらせながら、かつ該衝突初期の衝撃により前記サイドメンバ部33,33及びクロスメンバ部50の連結部が分離しないように過大な衝撃荷重を吸収するものとされている。
【0050】
続いて、前記クラッシュボックス26,26の潰れ変形が終了すると、前記したラジエータや吸気マニホルド等を介してパワープラント4に直接、衝撃荷重が作用するようになり、該パワープラント4が後退していく。そして、該パワープラント4の凸部55が該クロスメンバ部50を屈曲変形させて、これよって、前記サイドメンバ部33,33及びクロスメンバ部50の連結部に引張荷重が作用するようになる。また、前記クラッシュボックス26,26の変形終了後はペリメータフレーム30に対する車体前後方向の圧縮荷重も増大して、左右のサイドメンバ部33,33がそれぞれ車幅方向外方に折れ曲がり、これにより、前記の如く該サイドメンバ部33,33及びクロスメンバ部50の連結部に大きな引張荷重が作用する。そして、この連結部に対する荷重が前記した連結荷重以上になると、前記ボルト52,52の軸部が前記切欠部50b,50bを介してボルト孔50a,50aから離脱し、これにより該連結部が分離する。その後、サイドメンバ部33,33が前記車幅方向屈曲部を起点として車体外方へ大きく折れ曲がり、一方、前記フロントサイドフレーム11,11は、その車体外方の側面に形成された前記凹部を起点として上方へ大きく折れ曲がる。
【0051】
つまり、クラッシュボックス26,26の潰れた後に、ペリメータフレーム30の屈曲変形を開始させることにより、該クラッシュボックス26,26を有するフロントサイドフレーム11,11の変形モードを潰れ変形から屈曲変形に切り換え、変形荷重を低下させ、このことにより、車体減速度を一旦、降下させることができる。この際、フロントサイドフレーム11,11及びペリメータフレーム30はそれぞれの中間部分が互いに離れるように屈曲変形するため、両フレーム11、30の干渉を回避でき、また、両フレーム11、30はパワープラント4とも離れる方向に屈曲するため該パワープラント4との干渉も回避でき、十分な変形ストロークを確保することができる。
【0052】
図6は、この実施形態に係る自動車の車体減速度特性a(実線)及び該自動車の乗員減速度特性b(一点鎖線)と、この前部車体構造を有さない比較例の車体減速度特性c(破線)及び乗員減速度特性d(二点差線)とを対比して示す特性図である。尚、この特性図では、横軸に車体潰れ量をとり、縦軸に減速度をとっている。
【0053】
まず、比較例の車体及び乗員の減速度特性c、dについて説明すると、車体減速度特性cは衝突初期に立ち上がって略一定の減速度を保った状態で車体の潰れ変形が進行し、衝突終盤にパワープラント4がダッシュパネル5に底付きすることで急激に上昇して、その後、車体の潰れ変形が終了して減速度は0となる。この比較例における乗員減速度特性dについては、車体減速度特性cよりも緩やかに立ち上がり、徐々に上昇度合いが高くなる。そして、乗員を拘束するシートベルトの伸びが最大に達して乗員減速度が最大となる領域でも、車体減速度が前記の如く高いため、シートベルトによる乗員への反力が極めて大きなものとなる。
【0054】
これに対し、本実施形態の車体及び乗員の減速度特性a、bの場合、車体減速度特性aは、前記の如くクラッシュボックス26,26の潰れ変形が開始されると急峻に立ち上がり、このことで、比較的、早期にシートベルトが伸ばされて、乗員減速度も車体減速度にあまり遅れずに上昇する(乗員減速度特性b参照)。そして、該シートベルトの伸びが最大となる直前に、前記したようにクラッシュボックス26,26の潰れ変形が終了し、ペリメータフレーム30の各サイドメンバ部33,33が分離してフロントサイドフレーム11,11及びペリメータフレーム30の屈曲変形が開始されることで、車体減速度が一旦、降下することになり、この車体減速度の降下する領域においてシートベルトの伸びが最大となることで、乗員が受けるシートベルトからの反力を前記比較例と比べて大幅に減少させることができる。
【0055】
以上、説明したように、この実施形態では、自動車の前面衝突の初期にクロスメンバ部50によってペリメータフレーム30の各サイドメンバ部33,33を連結しつつ、クラッシュボックス26,26の潰れ変形によって車体減速度を安定的にかつ急峻に立ち上がらせ、その潰れ変形の終了直後にサイドメンバ部33,33からクロスメンバ部50を離脱させて、前記フロントサイドフレーム11,11及びペリメータフレーム30が屈曲変形を開始するようにしたので、衝突時にシートベルトからの反力によって乗員減速度が過度に大きくなることを確実に防止できる。
【0056】
尚、この実施形態では、パワープラント4にクロスメンバ部50との係合部55を設けて該パワープラント4の後退により前記サイドメンバ部33,33及びクロスメンバ部50の連結部に作用する荷重と、前記各サイドメンバ部33,33の屈曲形状により該連結部に作用する荷重とにより、サイドメンバ部33,33からクロスメンバ部50を離脱させるようにしたが、前記パワープラント4の係合部55のみ、あるいは前記サイドメンバ部33,33の屈曲形状のみによって該サイドメンバ部33,33からクロスメンバ部50を離脱させるように、前記連結荷重を設定してもよい。
【0057】
また、この実施形態では、パワープラント4に係合部55を設けるようにしたが、ペリメータフレーム30のクロスメンバ部50に、パワープラント4の係合部位から所定距離後方へ離間させるようにして設けてもよい。
【0058】
参考例
図7及び図8は、参考例に係る自動車の前部車体構造を示すものである。尚、図7及び図8は、それぞれ垂直方向の断面図及び下面図である。この参考例の前部車体構造は前記実施形態のものと同様に構成されていて、分離誘起部の構成が一部異なるだけなので、以下、同一の部分には同一の符号を付し異なる部分だけを説明する。すなわち、この参考例は、衝突時の直接的な衝撃荷重を前記ペリメータフレーム30のクロスメンバ部50に伝達するために、該クロスメンバ部50に連結された縦メンバ部60を設けている。尚、パワープラント4及びクロスメンバ部50には、前記実施形態で説明した係合部は設けられていない。
【0059】
具体的には、図8に示すように、前記縦メンバ部60の後端側は、ペリメータフレーム30のクロスメンバ部50の車幅方向略中央部分に連結されていて、そこから前方へ延びる縦メンバ部60の前端部は、フロントメンバ部32の前端部よりも前方でかつ前記フロントサイドフレーム11,11の前端部よりも所定距離後方に位置付けられている。
【0060】
前記縦メンバ部60は、前記クロスメンバ部50と略同様な断面形状を有し、該クロスメンバ部50に対して略直交するように配設されている。該縦メンバ部60の後端側は、車幅方向に並ぶ2本のボルト61,61によって前記クロスメンバ部50の上側に締結される一方、前端側は、フロントメンバ部32の下側に同様なボルト62,62によって締結されていて、その前端部がクラッシュボックス26,26の後端部に対応する位置まで延びている。この縦メンバ部60の前端側の締結構造について詳しくは、該前端側には、前記2本のボルト62,62の配設位置に対応した2つのボルト孔60a,60aが、それぞれ車体前後方向に長い断面形状となるように形成されており、通常時には該ボルト孔60a,60aの後端側近傍が前記ボルト62,62によりそれぞれ締結されるようになっている。
【0061】
次に、この自動車が前面衝突したときのフロントサイドフレーム11,11やペリメータフレーム30の変形について、図9に基づいて詳しく説明する。尚、図9は、衝突後の車体前部の状態を概略的に示す前記図8に相当するものである。まず、前記実施形態と同様に、衝突初期には、該クラッシュボックス26,26が潰れ変形を開始する一方、前記ペリメータフレーム30の各サイドメンバ部33,33は、この段階では大きな変形は起こらず、前記クラッシュボックス26,26の潰れ変形のみが起こり相対的に大きい車体減速度が発生する。
【0062】
そして、前記クラッシュボックス26,26の潰れ変形が終了した直後に前記縦メンバ部60の前端側に直接的な衝突荷重が加わることになり、該縦メンバ部60はフロントメンバ部62との締結ボルト62,62が挿通するボルト孔60a,60aに沿って後退して前記クロスメンバ部50の該縦メンバ部60との連結部分を後方へ屈曲させる。これにより、前記実施形態と同様に、衝突の途中にフロントサイドフレーム11,11の変形モードを潰れ変形から屈曲変形に切り換えて、車体減速度を一旦、降下させることができる。
【0063】
前記縦メンバ部60前端側のフロントメンバ部32との締結力は、前記直接的な衝撃荷重を受けたときに、該縦メンバ部60を該フロントメンバ部32に対して後退させることができるようなものとされ、またボルト孔60a,60aの車体前後方向の長さは、前記クロスメンバ部50をサイドメンバ部33,33から離脱させる際の縦メンバ部60の後退ストロークに相当する長さとされている。また、この車体前後方向に長いボルト孔60a,60aによって、縦メンバ部60の前端部を車体前後方向に確実に変位させることができるため、前記クロスメンバ部50の屈曲を確実に行うことができる。また、この参考例では、前記サイドメンバ部33,33からクロスメンバ部50を離脱させるタイミングを、縦メンバ部60の前端部の車体前後方向の位置によっても自由に設定できる。
【0064】
したがって、この参考例では、前記実施形態と同様に自動車の前面衝突の初期にクラッシュボックス26,26の潰れ変形によって車体減速度を安定的にかつ急峻に立ち上がらせ、その潰れ変形の終了直後に前記ペリメータフレーム30が屈曲変形を開始するようにしたので、衝突時にシートベルトからの反力によって乗員減速度が過度に大きくなることを確実に防止できる。
【0065】
(他の実施形態)
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記各実施形態では、クロスメンバ部50の車幅方向両端側にボルト孔50a及び切欠部50bをそれぞれ設けているが、いずれか一方に各実施形態と同様なボルト孔50a及び切欠部50bを設けるようにしてもよい。また、切欠部は、サイドメンバ部33のブラケット51のボルト孔51aを車体内方側へ向かって開放するように設けてもよい。
【0066】
また、ペリメータフレーム30のサイドメンバ部33,33及びクロスメンバ部50を連結するボルト52,52に、該連結部に作用する荷重が設定値以上となったときに、該ボルト52,52の軸部が破断するような脆弱部を予め設け、これにより、サイドメンバ部33,33からクロスメンバ部50を離脱させるようにしてもよい。
【0067】
また、前記フロントサイドフレーム11,11の前端側とペリメータフレーム30の前端側とは連結されていなくてもよい。この場合でも、前記したようにペリメータフレーム30の各サイドメンバ部33,33がクロスメンバ部50で連結されていることにより、該ペリメータフレーム30によって衝突の初期に車体減速度を急峻に立ち上がらせることができ、その後、ペリメータフレーム30が屈曲変形を開始して、その変形荷重が大幅に低下することにより、前記各実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る自動車の前部車体構造によると、サブフレームの各サイドメンバ部の中間部分を互いに連結するクロスメンバ部を設け、該サイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部に対して設定値以上の荷重が作用したときにこの連結部を分離させるようにすることで、自動車の前面衝突時の車体減速度を狙い通りに変化させて、乗員への衝撃荷重を確実に低減することができる。
【0069】
請求項2記載の発明によると、フロントメンバ部によってサブフレームの剛性を高めることができ、衝突の初期の車体減速度の急峻な立ち上がりを確実なものにできる。
【0070】
請求項3記載の発明に係る自動車の前部車体構造によると、サブフレームの各サイドメンバ部を連結するクロスメンバ部を設け、該サイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部に対して設定値以上の荷重が作用したときに、この連結部を分離させるようにすることで、サブフレームの変形荷重を狙い通りのタイミングで大きく低下させ、これにより、請求項1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0071】
また、サイドメンバ部が圧縮荷重を受けたときに車体外方へ折れ曲がるように該サイドメンバ部に形成された屈曲部を分離誘起部とするので、例えば自動車の前面衝突時に、サイドメンバ部をクロスメンバ部から確実に分離させることができる。
【0072】
請求項記載の発明によると、クロスメンバ部の車幅方向の両端側に、サイドメンバ部への締結孔を設けることにより、該クロスメンバ部の両端側をそれぞれサイドメンバ部に締結できる。一方、該締結孔を車体外方に向かって開放するように切欠部を形成することにより、自動車の前面衝突時にサイドメンバ部とクロスメンバ部とを確実に分離させることができる。
【0073】
請求項記載の発明によると、分離誘起部として、自動車の前面衝突時にその衝撃荷重を直接的にクロスメンバ部に伝達する縦メンバ部を設けたので、衝突の途中にサイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部を確実に分離できる。
【0074】
また、分離誘起部として、自動車の前面衝突時におけるパワープラントの後退によってクロスメンバ部とパワープラントとを互いに係合させるようにしたので、衝突の途中にクロスメンバ部をサイドメンバ部から確実に分離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る車体前部の断面図である。
【図2】 車体前部の構造を示す下面図である。
【図3】 車体前部の構造を示す上方から見た斜視図である。
【図4】 車体前部の構造を示す下方から見た斜視図である。
【図5】 前面衝突後の車体前部の状態を示す図2相当図である。
【図6】 車体潰れ量に対する車体減速度の変化を示す特性図である。
【図7】 本発明の参考例に係る図1相当図である。
【図8】 本発明の参考例に係る図2相当図である。
【図9】 本発明の参考例に係る図5相当図である。
【図10】 従来の自動車の車体前部構造を示す平面図である。
【図11】 前面衝突後の車体前部の状態を示す図10相当図である。
【符号の説明】
4 パワープラント
11 フロントサイドフレーム
22 ダッシュロアレイン(車体構成部材)
30 ペリメータフレーム(サブフレーム)
32 フロントメンバ部
33 サイドメンバ部
50 クロスメンバ部
50a ボルト孔(締結孔)
50b 切欠部
52 ボルト(締結部材)
55 凸部(係合部)
60 縦メンバ部

Claims (5)

  1. 車体前部の左右両側において各々車体前後方向に延びるように一対のフロントサイドフレームが設けられるとともに、該各フロントサイドフレームの下方においてそれぞれ車体前後方向に延びる一対のサイドメンバ部を有するサブフレームが配設された自動車の前部車体構造において、
    前記フロントサイドフレームには、パワープラントが支持され、
    前記サブフレームのサイドメンバ部の前端側がフロントサイドフレームの前端側に固定される一方、サイドメンバ部の後端側がフロントサイドフレームの後端側ないしその近傍の車体構成部材に固定され、該サイドメンバ部の前側部分は、該サイドメンバ部の前端から後方へ行くほど車幅方向内側に位置するように後方へ傾斜して延びるように形成され、
    前記サイドメンバ部の前端側及び後端側固定部の中間部分同士を互いに連結するように車幅方向に延びるクロスメンバ部が架設され、
    前記サブフレームには、自動車の前面衝突の際に、該サイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部に対して設定値以上の荷重が作用したときにこの連結部を分離させる分離誘起部が設けられ
    前記分離誘起部は、前記サイドメンバ部の前後方向中間部分に設けられ、該サイドメンバ部の前側部分よりも車幅方向内側へ大きく傾斜して後方へ延びる形状とされることによって車幅方向外側に突出するように屈曲形成された屈曲部と、前記クロスメンバ部又は前記パワープラントの少なくとも一方に設けられ、前記自動車の前面衝突時における前記パワープラントの後退によって該クロスメンバ部又はパワープラントの他方に係合する係合部とを含み、
    前記係合部は、前記自動車の前面衝突時よりも前の通常時において、前記クロスメンバ部又はパワープラントの他方とは離間するように位置付けられ、前面衝突後に、前記パワープラントの後退によって前記クロスメンバ部の車幅方向略中央部を後方へ屈曲させて前記連結部を分離させるように構成され、
    前記サイドメンバ部は、前記連結部の分離により前記屈曲部を起点として車幅方向外側へ変形するように構成されていることを特徴とする自動車の前部車体構造。
  2. 請求項1において、
    前記サブフレームは、サイドメンバ部の前端側を互いに連結するように架設されたフロントメンバ部を有することを特徴とする自動車の前部車体構造。
  3. 車体前部の左右両側において各々車体前後方向に延びるように一対のフロントサイドフレームが設けられるとともに、該各フロントサイドフレームの下方においてそれぞれ車体前後方向に延びる一対のサイドメンバ部を有するサブフレームが配設された自動車の前部車体構造において、
    前記フロントサイドフレームには、パワープラントが支持され、
    前記サブフレームは、サイドメンバ部の前端側を互いに連結するように架設されたフロントメンバ部を有し、該サイドメンバ部の前側部分は、該サイドメンバ部の前端から後方へ行くほど車幅方向内側に位置するように後方へ傾斜して延びるように形成され、
    前記サイドメンバ部の車体前後方向の中間部分を互いに連結するように車幅方向に延びるクロスメンバ部が架設され、
    前記サブフレームには、自動車の前面衝突の際に、該サイドメンバ部及びクロスメンバ部の連結部に対して設定値以上の荷重が作用したときにこの連結部を分離させる分離誘起部が設けられ
    前記分離誘起部は、前記サイドメンバ部の前後方向中間部分に設けられ、該サイドメンバ部の前側部分よりも車幅方向内側へ大きく傾斜して後方へ延びる形状とされることによって車幅方向外側に突出するように屈曲形成された屈曲部と、前記クロスメンバ部又は前記パワープラントの少なくとも一方に設けられ、前記自動車の前面衝突時における前記パワープラントの後退によって該クロスメンバ部又はパワープラントの他方に係合する係合部とを含み、
    前記係合部は、前記自動車の前面衝突時よりも前の通常時において、前記クロスメンバ部又はパワープラントの他方とは離間するように位置付けられ、前面衝突後に、前記パワープラントの後退によって前記クロスメンバ部の車幅方向略中央部を後方へ屈曲させて前記連結部を分離させるように構成され、
    前記サイドメンバ部は、前記連結部の分離により前記屈曲部を起点として車幅方向外側へ変形するように構成されていることを特徴とする自動車の前部車体構造。
  4. 請求項1又は3のいずれかにおいて、
    前記クロスメンバ部の車幅方向の両端側には、サイドメンバ部への締結部材が貫通する締結孔が設けられるとともに、該締結孔を車体外方に向かって開放するように切欠部が形成されていることを特徴とする自動車の前部車体構造。
  5. 請求項1又は2のいずれかにおいて、
    前記サブフレームは、その前端部が前記フロントサイドフレームの前端部よりも車体後方に位置するように設けられ、
    前記分離誘起部は、後端側が前記クロスメンバ部に連結されて車体前方に延び、前端部が前記サブフレームの前端部よりも車体前方でかつ前記フロントサイドフレームの前端部よりも所定距離だけ車体後方に位置付けられた縦メンバ部であることを特徴とする自動車の前部車体構造。
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