JP4174772B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明はコンピュータの外部記憶装置を初めとする各種磁気記録装置に搭載される垂直磁気記録媒体に関し、特に非磁性基板上に少なくとも軟磁性層、下地層、垂直磁性層、保護層が順次積層されてなる多層膜垂直磁気記録媒体に関する。
近年、パーソナルコンピュータやワークステーションには記憶装置として大容量で小型な磁気記録装置が搭載されてきている。このような背景から、磁気ディスクはさらなる高記録密度が要求されている。現在、広く実用に供されている磁気記録方式は磁化容易軸が磁気記録媒体面に平行になる面内(長手)磁気記録方式である。この面内磁気記録方式において記録密度を向上するには記録媒体の磁性膜の残留磁化(Br)と磁性層膜厚(t)の積を小さくする必要がある。さらに、保磁力(Hc)は増大させる必要がある。このために磁性膜の膜厚を薄くし、結晶粒径を制御する試みがなされている。
しかしながら、面内磁気記録方式においては、ビット長の短縮化につれて反磁界が増加して残留磁束密度が減少するため、再生出力が低下するという点を有し、また、結晶粒の微細化や薄膜化によって熱揺らぎによる不具合も生じ、現在、この方式による磁気ディスクなどのさらなる高密度化には技術的に困難な面があると予想される。
一方、上記のような課題を解決し、面記録密度を向上させる手段として垂直磁気記録方式が検討されている。
垂直磁気記録方式では、磁性膜の磁化容易軸が基板面に対し垂直方向に配向した磁気記録媒体であり、磁化遷移領域において隣り合った磁化同士が向き合っていないため、ビット長が短くなっても磁化が安定し、面内磁気記録のような磁束の減少も心配なく、高密度磁気記録媒体として適している。
上記のように垂直磁気記録媒体は、面内磁気記録方式よりも高密度磁気記録媒体として有利な点が多いが、垂直磁気記録媒体は、情報を磁気記録層の膜面垂直方向の磁化の向きとして記録するため、磁化が膜面垂直方向に安定に保持される必要がある。そのため、垂直磁気記録媒体に用いられる磁気記録層では、垂直磁気異方性エネルギーKuが高いことが要求される。
一軸的な磁気異方性をもつ磁性粒子において、磁化反転をさせるために必要な磁場の大きさは異方性磁界Hkと呼ばれる。一般に、異方性磁界Hkは、飽和磁化Msと垂直磁気異方性エネルギーKu値とから、
Hk=2Ku/Ms (1)
と表される。したがって、磁化反転を起こさせるためには、Hk以上の磁場が必要であり、その値はKu値に比例する。磁気記録媒体においては、Hkが高すぎると磁気ヘッドによる書きこみ時に磁化反転が不充分となり、正常な動作ができなくなるため、適度なHk値が必要とされる。
なお、磁性粒子の集合体である磁気記録媒体においては、個々の磁性粒子のHk値と磁化容易軸の分布、及び磁性粒子間の磁気的な相互作用の強さ等によって平均的な磁化反転磁界が決定され、その値は保磁力Hcと呼ばれる。磁性粒子間の磁気的な相互作用が小さい場合には、保磁力Hc値は異方性磁界Hk値に近づく。
一方、磁化反転に必要なエネルギー障壁Eは、磁化容易軸方向に印加された磁場をH、粒子の体積をVとして、
E=KuV(1−H/Hk) (2)
と表される。このエネルギー障壁Eが、熱エネルギーKT(Kはポルツマン定数、Tは絶対温度)に対して十分に高くない場合、磁化は熱エネルギーの影響で反転してしまう。この現象は、いわゆる磁化の熱揺らぎであり、磁気記録媒体では情報の消失を意味することから、エネルギー障壁Eを決めるKuV値は比較的高い値を保持する必要がある。
さらに、記録された情報信号の品質、すなわちSNR(信号対雑音比)を向上するためには、活性化粒径D=V/δ値(ここで、δは磁気記録層の膜厚)を低下させる、すなわち磁化反転単位を小さくすることが必要である。磁化反転単位が小さい場合には、微小な記録ビットを正しく書きこむことができ、SNRが向上する。そのため、垂直磁気記録媒体の開発では、D(活性化粒径)値を小さくするための検討が今までにも数多くなされている。D値の低下には、磁気記録層の結晶粒径を小さくし、かつ結晶粒間の磁気的な相互作用を低減することが有効である。
特開平11−102510号公報
しかしながら、垂直磁気記録媒体において、上記のようにSNRを向上させるためにD(活性化粒径)値を低下させた場合、V(粒子の体積)値が低下するため、磁化を安定に保持するために必要なエネルギー障壁の値を維持するためには、高いKu(垂直磁気異方性エネルギー)値が必要となる。一方、高いKu値を保持した場合、Hk(異方性磁界)値が増加し、すなわち磁化反転に必要な磁場が増加するため、磁気ヘッドでの情報の書きこみが困難になっていく。すなわち、垂直磁気記録媒体においては、SNRの向上、磁化の安定化と、磁気ヘッドでの書きこみの容易さとを両立させることが非常に困難であるという点がある。
特許文献1には異なるKu値の層を積層してノイズ特性を改善する発明が開示されているが、磁気ヘッドでの書きこみの容易さを解決していない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、その目的は、SNRの向上、磁化の安定性と磁気ヘッドでの書きこみ易さを両立させた垂直磁気記録媒体を実現することにある。
また、本発明は、Co/Pt積層系等の非常にKu値が高い磁性膜での磁気ヘッドでの書きこみを容易にすることを目的の一つにしている。
本発明者は、上述のSNR向上、磁化安定化及び書きこみ易さを両立させるために鋭意検討した結果、磁気記録層を、その垂直磁気異方性定数Kuが2×10erg/cm以下である領域と、2×10erg/cm以上である領域との積層構造にすることが最適であることを見出した。
このような積層構造において、磁化は膜厚方向に磁気的に結合して一斉磁化反転を起こすと仮定する。近似的にKu(垂直磁気異方性エネルギー)の低い領域のKu値を無視すると、積層した膜全体のKu値は膜厚が増加した分だけ低下するが、Kuの低い領域もMs(飽和磁化)値を保持していることから、膜全体のMs値は大きくは変化せず、したがって実効的にHk(異方性磁界)値は低下して磁化反転は容易になる。
一方、エネルギー障壁を考えると、V(粒子の体積)値は膜全体の体積とみなすことができるため、積層した膜全体のKuV値は、Kuの高い領域のみのときのKuV値よりも大きくなる。ここで上述の通りHk(異方性磁界)値が低下することから、外部印加磁場Hが比較的低い場合に限られるものの、エネルギー障壁の低下の度合いを小さく抑えることが可能になる。すなわち、磁化の安定性と磁気ヘッドでの書きこみ易さを両立させた媒体が作製しやすくなる。
このような層構成で高密度化に適した垂直磁気記録媒体を得るためには、Kuの高い領域として、CoとPd(またはCoとPt)とを交互に積層した積層膜を用い、その膜面に平行な優先結晶配向面が(111)面とすることが望ましい。これらの磁気記録層は、その組成や層構成を適切に調整することで高いKuが得られることから、本発明の磁気記録層のKuの高い領域を形成するのに望ましい。
また、SNRを向上させるためには、Co、PdまたはPtにCrやB等の非磁性金属を添加して非磁性粒界の形成を促進する方法もあるが、酸化物(SiO)を主体とする非磁性粒界を形成することが、結晶粒間の磁気的な相互作用を有効に低減させてSNR向上を図るために望ましい。ここで、Kuの低い領域についても、結晶粒間の相互作用を低下させることはSNRの向上のために必要であり、酸化物を主体とする非磁性粒界を形成することが望ましい。
このように、本発明では、Co/Pd(またはCo/Pt)多層膜へのSiOの添加により、Ku、Hc(保磁力)の値を制御して、非常にKu値が高い磁性膜での磁気ヘッドでの書きこみを容易にしている。
上述のように、本発明によれば、垂直磁気記録媒体の磁気記録層を、Kuが2×10erg/cm以上の高Ku領域と、Kuが2×10erg/cm以下の低Ku領域の積層構造とすることで、磁化反転磁界を低下させつつ磁化の安定性を損なわない特性を付与できることから、SNRの向上、磁化の安定性と磁気ヘッドでの書きこみ易さとを両立させた垂直磁気記録媒体が作製しやすくなる。
ここで、上記の高Ku領域として、CoとPd−SiO(またはCoとPd、あるいはCoとPt)を交互に積層した積層膜を用い、これらの磁気記録層の組成や層構成を適切に調整することで高いKuが得られる。
また、酸化物を主体とする非磁性粒界を形成することで、結晶粒間の磁気的な相互作用を有効に低減できる。
さらに、Kuの低い領域としては、Co−SiO層(CoにSiOを添加した層)とPd−SiO層(PdにSiOを添加した層)を交互に積層した積層膜を用い、その上にKuの高い領域として上述の磁気記録層を成膜する際の結晶配向を適切に制御することができる。このように、Kuの低い領域についても、酸化物を主体とする非磁性粒界を形成することで、結晶粒間の相互作用を低下させ、SNR特性の向上が得られる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態および実施例について詳述する。なお、この実施形態および実施例は一つの例示であって、特許請求の範囲に記載の発明の趣旨の範囲内で、形状、個数、数値等についての種々の変更、置換、あるいは周知技術の追加による設計変更的改良等を行い得ることは言うまでもない。
まず、後述する本発明の実施例1の構成を示す図1の断面図を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明の一実施形態の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板1上に少なくとも下地層3、磁気記録層(垂直磁性層)4,5及び保護層6が順に形成された構造を有している。ここで、下地層3と非磁性基板1との間に、下地層の結晶配向性や結晶粒径の制御の目的でシード層(図示しない)等を付与しても、本発明の効果は変わらず発揮される。さらには、下地層3と非磁性基体1との間に、一般に裏打層と呼ばれる、記録再生感度を向上させるための比較的厚い(数100nmの)軟磁性層2を付与した場合でも、同様である。
非磁性基板1としては、通常の磁気記録媒体用に用いられる、NiPメッキを施したAl合金や強化ガラス、結晶化ガラス等を用いることができる。
下地層3は、その上に形成される磁気記録層4,5の結晶粒径、粒界偏析構造及び結晶配向性を好ましく制御するために用いられるものであり、その材料や膜厚に特に制限はないが、一般的に膜厚は薄い方が好ましい。
下層垂直磁性層4に接する第3下地層33はhcp結晶構造を有することが好ましく、Ruが好適に用いられる。Ruの膜厚は5nmよりも薄すぎると垂直磁性層の結晶配向を悪化させ、磁気特性的にはHcが小さくなり、記録再生特性が悪化する。Ru膜厚が20nmよりも厚すぎると垂直磁性層のHcが大きくなりすぎて記録再生が困難になり、また垂直磁性層と軟磁性層の距離が遠くなり、これも記録再生特性を悪化させる。
第1下地層31および第2下地層32は、第3下地層33をhcp結晶構造に好適に制御するために設けるもので、省略することも可能である。第3下地層33としてRuを用いる場合には、Ruをhcp結晶構造に好適に制御するために、第2下地層32はNiを主成分とする合金を用いることが好ましく、特にNiFeNbB合金、NiFeCr合金、NiFeSi合金等のNiFe系材料を用いると、Ruの結晶配向をC軸配向させることができ、その上部の垂直磁性層の結晶配向をC軸配向させることができる。ここで、NiFeCr合金の組成は、50〜70Ni10〜20Fe20〜30Cr(at%)の範囲が、記録再生特性が最も優れる範囲である。NiFeNbB合金の場合は、64〜86Ni10〜20Fe2〜10Nb2〜6B(at%)の範囲が、軟磁性を示す範囲の組成で記録再生特性が最も優れる範囲である。NiFeSi合金の場合は、70〜88Ni10〜20Fe2〜10Si(at%)の範囲が、軟磁性を示す範囲の組成で記録再生特性が最も優れる範囲である。
NiFeCrは非磁性であるがNiFeNbBやNiFeSiは軟磁性であり、軟磁性膜厚が厚くなることによる記録状態の改善の効果も同時に生じるので更に好ましい。ただ、そのNi系の第2下地層32の膜厚は5nm以下ではRuの結晶配向を制御できず、膜厚が30nmを超えるとHcが大きくなりすぎて現状のヘッドでは飽和記録できなくなり、記録に不都合が生じる。
更に、第2下地層32としてNiを主成分とする合金を用いる場合には、第1下地層31をさらに設けることが好ましく、特にTaからなる層を第1下地層31とすることにより、Niを主成分とする第2下地層32と相俟ってRuからなる第3下地層33の結晶構造をhcp構造に好適に制御しうる。そのTa層31の膜厚が1nm未満ではNiFe系層の結晶配向が悪化してRuの結晶配向を制御できず、5nmよりも厚すぎると垂直磁性層と軟磁性層との距離が遠くなりこれも記録再生特性を悪化させる。
従って、好ましくは、第1下地層31であるTa層の膜厚は1〜5nmであり、第2下地層32であるNiFeCr層、NiFeNbB層またはNiFeSi層の膜厚は5〜30nmであり、第3下地層33であるRu層の膜厚は5〜20nmの範囲である。
好ましい実施の形態として、下地層3を3層にて構成する例を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で下地層3を単層、2層とし、あるいは例示した以外の適切な材料を使用し得ることはいうまでもない。
さらに保護層6は、例えばカーボンを主体とする薄膜が用いられる。
次に、垂直磁性層4,5について説明する。
垂直磁性層4,5は、Ku(垂直磁気異方性エネルギー)値が2×10erg/cm以下である低Ku領域と、2×10erg/cm以上である高Ku領域とが積層された構造を有している。低Ku領域と高Ku領域の積層順番に制限はないが、磁気ヘッド(図示しない)から発生する磁場を高Ku領域に効率的に印加するためには、下地層3上に低Ku領域4、高Ku領域5の順に積層されていることが望ましい。
また、低Ku領域4、高Ku領域5のそれぞれの領域の膜厚についても特に制限はないが、垂直磁性層全体の膜厚が30nm以上である場合には、膜厚方向に一斉磁化反転が生じにくくなるために適切ではない。
また、磁気ヘッドから発生する磁場を効率的に印加するためには、垂直磁性層全体の膜厚は20nm以下と薄いことが望ましい。低Ku領域4と高Ku領域5の膜厚比を変化させることで、磁化反転のしやすさと磁化の安定性の度合いを制御することができるため、使用する磁気ヘッドや温度特性に応じて両者4,5の膜厚比を決定する必要がある。
このような層構成で高密度化に適した垂直磁気記録媒体を得るために、本発明では、高Ku領域5としてCoとPd−SiO(またはCoとPd、あるいはCoとPt)とを交互に積層した積層膜を用いる。これらの垂直磁性層は、その組成や層構成を適切に調整することで容易に2×10erg/cm以上の高いKuが得られることから、本発明の垂直磁性層の高Ku領域を形成するのに望ましい。
上層垂直磁性層5が純Co層とPd−SiO層(PdにSiOを添加した層)を交互に積層した多層膜からなる場合は、そのPd−SiO層はPdに対してSiOを3〜8mol%含んだ組成が好ましい。PdへのSiOの添加量が3mol%以下では粒界の非磁性層の偏析が十分でなく、8mol%以上であるとHcが極端に低下してしまうからである。上層垂直磁性層5の膜厚は5〜12nmが好ましい。上層垂直磁性層5の膜厚は5nmよりも薄いとHcが小さすぎ、12nmよりも厚いとHcが大きすぎて記録再生に不具合がでるからである。上層垂直磁性層5の上記純Co層の1層の膜厚は0.2〜0.5nmの範囲が好ましい。純Co層の膜厚は0.2nmよりも薄いとHcが小さすぎ、0.5nmより厚すぎてもHcが低下するからである。上層垂直磁性層5の上記Pd−SiO層の1層の膜厚は0.5〜1nmの範囲であることが好ましい。Pd−SiO層の膜厚は0.5nmよりも薄いとHcが小さすぎ、1nmより厚すぎてもHcが低下するからである。
上層垂直磁性層5が純Co層と純Co層と純Pt層を交互に積層した多層膜からなる場合は、その膜厚は上記と同様に5〜12nmが好ましく、純Co層の1層の膜厚も上記と同様に0.2〜0.5nmの範囲が好ましいが、純Pt層の1層の膜厚は0.05〜0.2nmの範囲が好ましい。純Pt層の1層の膜厚は0.05nmよりも薄いとHcが小さすぎ、0.2nmよりも厚すぎてもHcは低下するからである。
上層垂直磁性層5が純Co層と純Co層と純Pd層を交互に積層した多層膜からなる場合は、その膜厚は上記と同様に5〜12nmが好ましく、純Co層の1層の膜厚も上記と同様に0.2〜0.5nmの範囲が好ましいが、純Pd層の1層の膜厚は0.5〜1.0nmの範囲が好ましい。純Pd層の1層の膜厚は0.5nmよりも薄いとHcが小さすぎ、1.0nmよりも厚すぎてもHcは低下するからである。
また、SNRを向上させるためには、酸化物(SiO)を主体とする非磁性粒界を形成することが、結晶粒間の磁気的な相互作用を有効に低減させてSNR向上を図るために望ましい。低Ku領域4についても、結晶粒間の相互作用を低下させることはSNRの向上のために必要であり、酸化物(SiO)を主体とする非磁性粒界を形成することが望ましい。具体例としては、Kuの低い領域(下層垂直磁性層)4として、Co−SiO層(CoにSiOを添加した層)とPd−SiO層(PdにSiOを添加した層)を交互に積層した積層膜を用い、その上にKuの高い領域として上述の上層垂直磁性層5を成膜する際の結晶配向を適切に制御することができる。
下層垂直磁性層4がCo−SiO層とPd−SiO層を交互に積層した多層膜からなる場合は、そのCo−SiO層はCoに対してSiOを4〜10mol%含んだ添加量であることが好ましい。CoへのSiOの添加量が4mol%以下では粒界の非磁性層の偏析が十分でなく、10mol%以上であるとHcが極端に低下してしまうからである。Pd−SiO層はPdに対してSiOを3〜8mol%含んだ添加量であることが好ましい。PdへのSiOの添加量が3mol%以下では粒界の非磁性層の偏析が十分でなく、8mol%以上であるとHcが極端に低下してしまうからである。下層垂直磁性層4の膜厚は5〜12nmが好ましい。下層垂直磁性層4の膜厚は5nmよりも薄いとHcが小さすぎ、12nmよりも厚いとHcが大きすぎて記録再生に不具合がでるからである。下層垂直磁性層4のCo−SiO層の1層の膜厚は0.2〜0.5nmの範囲であることが好ましい。Co−SiO層の膜厚は0.2nmよりも薄いとHcが小さすぎ、0.5nmより厚すぎてもHcが低下するからである。下層垂直磁性層4のPd−SiO層の1層の膜厚は0.5〜1nmの範囲であることが好ましい。Pd−SiO層の膜厚は0.5nmよりも薄いとが小さすぎ、1nmより厚すぎてもHcが低下するからである。
図1に本発明の実施例1の垂直磁気記録媒体の断面図を示す。以下、この図面に基づき説明する。
本実施例1の垂直磁気記録媒体は、ガラス基板1,軟磁性層(CoZrNb層)2,第1下地層(Ta層)31,第2下地層(NiFeNbB層)32、第3下地層(Ru層)33、Co−SiOとPd−SiOを交互に積層した多層膜からなる下層垂直磁性層4、CoとPd−SiOを交互に積層した上層垂直磁性層5、C(カーボン)からなる保護層6がこの順序に積層され、形成されたものである。
本実施例1に係る垂直磁気記録媒体の製造方法を以下に説明する。
基板1は2.5インチの大きさのガラス基板である。厚みは0.635mmである。基板の大きさや厚さは本質的には本発明と関係ない。また基板1はガラス基板に限らず、非磁性基板の、例えばAl基板でもよい。基板1は良く洗浄したのちに成膜を行う。
先ず、基板1上に最初に軟磁性層2であるCoZrNbを成膜する。用いたターゲットはCo−5Zr−8Nb(at%)の組成である。Arガスでスパッタを行い、膜厚約200nmの厚さに成膜した。成膜温度は室温である。CoZrNbは室温成膜した非晶質状態でも十分な軟磁気特性を有する。このときのスパッタArガス圧は約1Pa(パスカル)である。
このように形成されたCo−Zr−Nb軟磁性層2の膜の上に連続して第1下地層31を成膜する。用いたターゲットは純Taである。Arガスでスパッタを行い、膜厚約3nmの厚さに成膜した。成膜温度は室温で行っており、ガス圧は約1Paである。このように形成されたTa膜の上に連続して第2下地層32を成膜する。用いたターゲットはNi−12Fe−3Nb−6B(at%)である。Arガスでスパッタを行い、膜厚約25nmの厚さに成膜した。成膜温度は室温で行っており、ガス圧は約1Paである。この第1下地層31と第2下地層32はともに次に成膜する第3下地層33の結晶配向をhcp(六方細密)結晶構造にさせるために用いている。
次に、第3下地層であるRu層33を成膜する。用いたターゲットは純Ruである。Arガスでスパッタを行い、膜厚約10nmの厚さに成膜した。成膜温度は室温で行っており、ガス圧は約4Paである。続いて、このように形成されたhcp結晶構造の第3下地層33に、Ar+2%Oガスを1Paの圧力下で10秒暴露する。この結果、そのRu表面には適度な酸素が吸着される。この酸素吸着により保磁力(Hc)付近の磁化曲線は非常に傾く。これは粒子間の磁気的相互作用が小さくなっていることを示し、記録再生を容易にしている。Ru表面上への酸素吸着はこのような効果をもつ。
次に、このように形成された第3下地層33の上にCo−SiO/Pd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層4を形成する。用いたターゲットはCo6mol%SiOとPd5mol%SiOで両ターゲットを同時に放電してスパッタさせながら回転することで、Co−SiO層とPd−SiO層を交互に積層させる。Arガスでスパッタを行い、膜厚はCo−SiO層を0.3nm、Pd−SiOを0.8nmの厚さに成膜した。これを8周期成膜し、約9nm成膜した。
続いて、下層垂直磁性層4上にCo/Pd−SiOの多層膜からなる上層垂直磁性層5を形成する。用いたターゲットは純CoとPd5mol%SiOで両ターゲットを同時に放電してスパッタさせながら回転することで、Co層とPd−SiO層を交互に積層させる。Arガスでスパッタを行い、膜厚はCo層を0.3nm、Pd−SiOを0.8nmの厚さに成膜した。これを8周期成膜し、約9nm成膜した。このように、下層垂直磁性層4および上層垂直磁性層5で18nmとなるように成膜した。この成膜は室温で行っており、ガス圧は5Pdである。
最後に、上層垂直磁性層5の表面に保護層6としてC:N膜を形成する。用いたターゲットはC(カーボン)である。Ar+4%Nガスでスパッタを行い、膜厚約7nmの厚さに成膜した。成膜は室温で行っており、Arガス圧は約1Paである。このようにして本実施例1の垂直磁気記録媒体は作製される。
図2の(a),(b),(c)に本発明の特徴を説明するための磁化曲線を示す。図2の(a)はCo−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層に相当するものだけ(1層垂直磁性層)の磁化曲線を示し、図2の(b)はCoとPd−SiOの多層膜からなる上層垂直磁性層に相当するものだけ(1層垂直磁性層)の磁化曲線を示し、図2の(c)は本実施例1で作製した下層垂直磁性層4および上層垂直磁性層5を積層したもの(2層垂直磁性層)の磁化曲線を示す。膜厚は3つとも18nmの場合である。
図2の(a)に示すように、Co−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層だけのものは保磁力Hcが小さく、反転磁区生成磁界Hn(反転磁区生成磁界Hnの定義は図3に示す)も小さいが、図2の(b)に示すように、CoとPd−SiOの多層膜からなる上層垂直磁性層だけのものは保磁力Hcも大きく反転磁区生成磁界Hnも大きい。図2の(c)に示すように本実施例1で作製した下層垂直磁性層4および上層垂直磁性層5を積層した場合はそれらの中間的特性になる。これにより、本実施例1では、垂直磁性層の下部は低Hc、小Hnの磁気特性を有し、上部は高Hc、大Hnの磁気特性を有する垂直磁性膜が作製できる。
表1にCo−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層のものだけの磁気異方性定数(Ku)と、CoとPd−SiOの多層膜からなる上層垂直磁性層だけのものの磁気異方性定数(Ku)と、本実施例1で作製した下層および上層垂直磁性層を積層したものの磁気異方性定数(Ku)を示す。
Figure 0004174772
Co−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層はKuが小さく、CoとPd−SiOの多層膜からなる上層垂直磁性層はKuが大きい。本実施例1で作製した下層および上層垂直磁性層を積層した場合も十分大きなKuを維持している。このように下層垂直磁性層は低Kuで上層垂直磁性層は高Kuとなる垂直磁性層が形成できる。
図4に本実施例1で作製した垂直磁気記録媒体の透過電子顕微鏡写真を示す。上記の下層垂直磁性層4と上層垂直磁性層5のPd層にはともにSiOが5mol%添加されており、これら垂直磁性層はSiOが粒界に良好に偏析して、図4に示すように、磁性粒子は孤立しており、図2の(c)に示した磁化曲線の傾きから求めた値α(Hc付近での磁化曲線の傾きに4πを掛けて磁性層体積で割った値)は1.5程度であり、粒子間の磁気的交換相互作用は非常に小さいことがわかる。
図5に本実施例1で作製された2層(上層+下層)垂直磁性層の垂直磁気記録媒体と、比較のための従来技術のCo−SiO/Pd多層膜(2層ではない、1層に相当)垂直磁気記録媒体との線記録密度LdとSNRの関係を示す。本図は記録再生特性を比較したものである。SNRが大きい方が、記録密度が高くでき、垂直磁気記録媒体としてより優れる。したがって、図5から、SNRに関して本発明品の2層垂直磁性層の方が従来技術のCo−SiO/Pd多層膜媒体よりも優れていることがわかる。
図6の(a)に本実施例1で作製された2層(上層+下層)垂直磁性層の媒体の書き込み電流値IwとオーバーライトOWの関係を示し、図6の(b)に比較のための従来技術のCo−SiO/Pd多層膜(2層ではない、1層に相当)垂直磁気記録媒体の書き込み電流値IwとオーバーライトOWの関係を示す。
ここで、オーバーライトOWは50kFCI(Flux Change per Inch:1インチ当りの磁化反転数)上に368kFCIの信号を書き込んだ時の値を示す。書き込み電流Iwが10mA以上のところで比べると、オーバーライトOWが、従来品は42〜50dB程度であるが、本発明品は50〜55dB程度あり、そのため本発明品では従来品よりも記録が容易になっている。このように、本実施例1では、垂直磁性層を2層とすることで記録が容易になり、従来品以上のSNRが得られ、記録のしやすさという点でも改善された。
図7に本発明の実施例2における垂直磁気記録媒体の断面図を示す。以下、この図面に基づき説明する。
本実施例2の垂直磁気記録媒体は、ガラス基板1,軟磁性層2,第1下地層31,第2下地層32、第3下地層33、Co−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層4、CoとPdからなる上層垂直磁性層5、Cからなる保護層6がこの順序に積層され、形成されたものである。
本実施例に係る垂直磁気記録媒体の製造方法を説明する。下層垂直磁性層4を形成するまでの工程は前述の本実施例1と同様なので説明を省略する。
下層垂直磁性層4は、8周期成膜し、約8nm成膜した。続いて、下層垂直磁性層4上にCo/Pdの多層膜からなる上層垂直磁性層5を形成する。用いたターゲットは純Coと純Pdで両ターゲットを同時に放電してスパッタさせながら回転することで、Co層とPd層を交互に積層させる。Arガスでスパッタを行い、膜厚はCo層が0.3nm、Pdが0.8nmの厚さに成膜した。これを8周期成膜し、約9nm成膜した。このように下層垂直磁性層4および上層垂直磁性層5で18nmとなるように成膜した。この成膜は室温で行っており、ガス圧は5Pdである。
最後に表面に保護層6としてC:N膜を形成する。用いたターゲットはCである。Ar+4%Nガスでスパッタを行い、膜厚約7nmの厚さに成膜した。成膜は室温で行っており、Arガス圧は約1Paである。このようにして本実施例2の垂直磁気記録媒体は作製される。
表2にCo−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層と、CoとPdの多層膜からなる上層垂直磁性層と、本実施例2で作製した下層および上層垂直磁性層を積層したものの磁気異方性定数(Ku)を示す。
Figure 0004174772
Co−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層はKuが小さく、CoとPdの多層膜からなる上層垂直磁性層はKuは大きい。本実施例2で作製した下層および上層垂直磁性層を積層した場合も十分大きなKuを維持している。このように下層垂直磁性層は低Kuで上層垂直磁性層は高Kuとなる垂直磁性層が形成できる。
このように上層垂直磁性層にCoとPdの多層膜を用いても、実施例1の上層垂直磁性層にCoとPd−SiOの多層膜を用いた場合と同じ効果が得られる。
図8に本発明の実施例3における垂直磁気記録媒体の断面図を示す。以下、この図面に基づき説明する。
本実施例3の垂直磁気記録媒体は、ガラス基板1,軟磁性層2,第1下地層31,第2下地層32、第3下地層33、Co−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層4、CoとPtからなる上層垂直磁性層5、Cからなる保護層6がこの順序に積層され、形成されたものである。
本実施例3に係る垂直磁気記録媒体の製造方法を説明する。下層垂直磁性層4を形成するまでの工程は前述の本実施例1と同様なので説明を省略する。
下層垂直磁性層4は、8周期成膜し、約9nm成膜した。続いて、下層垂直磁性層4上にCo/Ptの多層膜からなる上層垂直磁性層5を形成する。用いたターゲットは純Coと純Ptで両ターゲットを同時に放電してスパッタさせながら回転することでCo層とPt層を交互に積層させる。Arガスでスパッタを行い、膜厚はCo層が0.3nm、Pt層が0.12nmの厚さに成膜した。これを12周期成膜し、約5nm成膜した。このように下層垂直磁性層4および上層垂直磁性層5で14nmとなるように成膜した。成膜温度は室温で行っており、ガス圧は5Paである。
最後に、表面に保護層6としてC:N膜を形成する。用いたターゲットはCである。Ar+4%Nガスでスパッタを行い、膜厚約7nmの厚さに成膜した。成膜は室温で行っており、Arガス圧は約1Paである。このようにして本実施例3の垂直磁気記録媒体は作製される。
図9の(a),(b),(c)に、Co−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層に相当するものだけのもの(1層垂直磁性層)(図9の(a))と、CoとPtの多層膜からなる上層垂直磁性層に相当するものだけのもの(1層垂直磁性層)(図9の(b))と、本実施例3で作製した下層および上層垂直磁性層を積層したもの(2層垂直磁性層)(図9の(c))との磁化曲線を示す。膜厚は図9の(a)が18nm、図9の(b)が11nm、図9の(c)が14nmの場合である。
図9に示すように、Co−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層は保磁力Hcが小さく、反転磁区生成磁界Hn(反転磁区生成磁界Hnの定義は図3に示す)も小さいが、CoとPtの多層膜からなる上層垂直磁性層は保持力Hcが大きく、Hnも大きい。本実施例3で作製した下層垂直磁性層4および上層垂直磁性層5を積層した場合はその中間的特性になる。これにより、本実施例3では、垂直磁性層の下部は低Hc、小Hnの磁気特性を有し、上部は高Hc、大Hnの磁気特性を有する垂直磁性膜が作製できる。
表3にCo−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層と、CoとPtの多層膜からなる上層垂直磁性層と、本実施例3で作製した下層および上層垂直磁性層を積層したものの磁気異方性定数(Ku)を示す。
Figure 0004174772
Co−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層はKuが小さく、CoとPtの多層膜からなる上層垂直磁性層はKuは大きい。本実施例3で作製した下層および上層垂直磁性層を積層した場合も十分大きなKuを維持している。このように下層垂直磁性層は低Kuで上層垂直磁性層は高Kuとなる垂直磁性層が形成できる。
図10の(a),(b),(c)に、Co−SiOとPd−SiOの多層膜からなる下層垂直磁性層に相当するもの(図10の(a))、CoとPdの多層膜からなる上層垂直磁性層に相当するもの(図10の(b))、および本実施例3で作製した下層および上層垂直磁性層を積層したもの(図10の(c))の垂直磁気記録媒体の透過電子顕微鏡写真を示す。
これらの下層垂直磁性層にはCoおよびPdにSiOが添加されており、垂直磁性層はSiOが粒界に良好に偏析して、磁性粒子は孤立しており、磁化曲線傾きから求めた値α(Hc付近での磁化曲線の傾きに4πを掛けて磁性層体積で割った値)は1.5程度であり、粒子間の磁気的交換相互作用は非常に小さいことがわかる。また、上層垂直磁性層もSiO添加の下層垂直磁性層ほど粒子系が細かくなってはいないが、粒の分離性は良好である。
図11に本実施例3で作製された2層(上層+下層)垂直磁性層の媒体と比較のための従来技術のCo−SiO/Pt多層膜(2層ではない、1層)垂直磁気記録媒体の線記録密度とSNRの関係を示す。図11は記録再生特性を比較したものである。SNRが大きい方が記録密度が高くでき、垂直磁気媒体としてより優れている。従って、SNRは本発明品の2層垂直磁性層の方が従来技術のCo−SiO/Pt多層膜媒体よりも優れていることがわかる。
図12の(a)に本実施例3で作製された2層(上層+下層)垂直磁性層の媒体の書き込み電流値とオーバーライトの関係を示し、図12の(b)に比較のための従来技術のCo−SiO/Pt多層膜(2層ではない、1層)垂直磁気記録媒体の書き込み電流値とオーバーライトの関係を示す。
オーバーライトは50kFCI上に368kFCIの信号を書き込んだ時の値を示す。従来品はIwが低いところではOW(オーバーライト)が悪く、Iw=20mA以上でも40dB程度であるが、本発明品は低いIwから50dB程度あり、記録が容易になっている。このように垂直磁性層を2層とすることで、記録が容易になり、従来製品以上のSNRが得られ、記録のしやすさという点でも改善された。
本発明の実施例1における垂直磁気記録媒体の断面構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例1における各垂直磁性層の磁化曲線を示す図である。 反転磁区生成磁界Hnの定義を説明する図である。 本発明の実施例1における垂直磁性層の微細構造の透過電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1による製品(本発明品)と従来技術による製品(従来品)の記録再生特性を示す図である。 本発明の実施例1による製品(本発明品)と従来技術による製品(従来品)のオーバーライト特性を示す図である。 本発明の実施例2における垂直磁気記録媒体の断面構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例3における垂直磁気記録媒体の断面構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例3における各垂直磁性層の磁化曲線を示す図である。 本発明の実施例3における各垂直磁性層の微細構造の透過電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例3による製品(本発明品)と従来技術による製品(従来品)の記録再生特性を示す図である。 本発明の実施例3による製品(本発明品)と従来技術による製品(従来品)のオーバーライト特性を示す図である。
符号の説明
1 非磁性基板
2 軟磁性層(CoZrNb層)
3 下地層
4 下層垂直磁性層(垂直磁性層)
5 上層垂直磁性層(垂直磁性層)
6 C保護層
31 第1下地層(Ta層)
32 第2下地層(Niを主体とする層)
33 第3下地層(Ru下地層)

Claims (11)

  1. 非磁性基板上に少なくとも軟磁性層、下地層、垂直磁性層、保護膜が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、
    前記垂直磁性層は前記下地層と接する下層垂直磁性層とその上に形成される上層垂直磁性層からなり、
    前記下層垂直磁性層はCoにSiOを添加したCo−SiO層とPdにSiOを添加したPd−SiO層との交互に積層された人工格子を形成している多層膜であり、
    前記上層垂直磁性層はCo層とPdにSiOを添加したPd−SiO層、またはCo層とPd層との交互に積層された人工格子を形成している多層膜であり、
    前記上層垂直磁性層は前記下層垂直磁性層に比べて大きい垂直磁気異方性、大きい保磁力、大きい反転磁区形成磁界を有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 非磁性基板上に少なくとも軟磁性層、下地層、垂直磁性層、保護膜が順次積層されてなる垂直磁気記録媒体において、
    前記垂直磁性層は前記下地層と接する下層垂直磁性層とその上に形成される上層垂直磁性層からなり、
    前記下層垂直磁性層はCoにSiOを添加したCo−SiO層とPdにSiOを添加したPd−SiO層との交互に積層された人工格子を形成している多層膜であり、
    前記上層垂直磁性層はCo層とPt層との交互に積層された人工格子を形成している多層膜であり、
    前記上層垂直磁性層は前記下層垂直磁性層に比べて大きい垂直磁気異方性、大きい保磁力、大きい反転磁区形成磁界を有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  3. 請求項1に記載の垂直磁気記録媒体において、前記上層垂直磁性層は純Co層とPd−SiO層を交互に積層した多層膜からなり、その膜厚は5〜12nmであり、前記Pd−SiO層は前記Pdに対して前記SiOを3〜8mol%含んだ組成であり、前記純Co層の1層の膜厚は0.2〜0.5nmの範囲で、前記Pd−SiO層の1層の膜厚は0.5〜1nmの範囲であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  4. 請求項2に記載の垂直磁気記録媒体において、前記上層垂直磁性層は純Co層と純Pt層を交互に積層した多層膜からなり、その膜厚は5〜12nmであり、前記純Co層の1層の膜厚は0.2〜0.5nmの範囲で、前記純Pt層の1層の膜厚は0.05〜0.2nmの範囲であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体において、前記下層垂直磁性層はCo−SiO層とPd−SiO層を交互に積層した多層膜からなり、その膜厚は5〜12nmであり、前記Co−SiO層は前記Coに対して前記SiOを4〜10mol%含んだ組成であり、前記Pd−SiO層は前記Pdに対して前記SiOを3〜8mol%含んだ組成であり、前記Co−SiO層の1層の膜厚は0.2〜0.5nmの範囲で、前記Pd−SiO層の1層の膜厚は0.5〜1nmの範囲であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体において、前記下層垂直磁性層は垂直磁気異方性定数が2×10erg/cc以下で、前記上層垂直磁性層は垂直磁気異方性定数が2×10erg/cc以上7×10erg/cc以下であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体において、前記下地層はTaからなる第1下地層、Niを主成分とする第2下地層、およびRuからなる第3下地層からなることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  8. 請求項7に記載の垂直磁気記録媒体において、前記第2下地層は、NiFeCr合金、NiFeNbB合金、NiFeSi合金のいずれかからなり、前記NiFeCr合金の組成は50〜70Ni10〜20Fe20〜30Cr(at%)の範囲で、前記NiFeNbB合金の場合は64〜86Ni10〜20Fe2〜10Nb2〜6B(at%)の範囲で、前記NiFeSi合金の場合は70〜88Ni10〜20Fe2〜10Si(at%)の範囲であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  9. 請求項8に記載の垂直磁気記録媒体において、前記第1下地層であるTa層の膜厚は1〜5nmであり、前記第2下地層であるNiFeCr層、NiFeNbB層またはNiFeSi層の膜厚は5〜30nmであり、前記第3下地層であるRu層の膜厚は5〜20nmの範囲であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体において、前記下地層を構成するRu層は成膜後にArに1〜10%の酸素を混合したガス中で1〜10秒の範囲で、ガス圧0.1〜10Paの範囲でガス中に滞在させて該Ru表面に酸素を吸着させることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体において、前記軟磁性層はCoZrNb合金からなり、膜厚が50nm〜300nmの範囲で設けられていることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
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