JP4174744B2 - コイルの耐湿処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、巻線を耐湿処理する際の歩留りを向上させることができるコイルの耐湿処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
使用環境が苛酷な電磁弁やソレノイド等のコイルは、その巻線を適切に耐湿処理することが必要である。
【0003】
すなわち、コイルは、ボビンに巻線を巻き付け、シール材を含浸したシールテープを巻線の外周に貼り付けるとともに、巻線の引出線をボビンの外側に引き出すための開口部にシール材を充填し、双方のシール材を加熱して硬化させることにより、巻線を完全にシールすることができる。なお、このときのシール材は、たとえばエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂が使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるときは、シール材を加熱して硬化させる際に、巻線に含まれるエアが膨張してボビンの開口部に圧力が集中し、硬化中のシール材が変形したり、ボイドを生じたりすることがあり、不良品が発生して全体の歩留りを低下させるという問題があった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、ボビンにエア抜き孔を設けることによって、耐湿処理時の歩留りを大きく向上させることができるコイルの耐湿処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、コイルの巻線を耐湿処理するに際し、巻線をシールするシール材を加熱硬化させると同時にボビンのエア抜き孔を介して巻線に含まれるエアを外部に放出させ、その後、エア抜き孔をボビンの外部から塞ぐことをその要旨とする。
【0007】
なお、エア抜き孔の外周には、厚肉の周縁部を形成し、周縁部の外側には、リング状の凹部を形成し、周縁部を溶融させてエア抜き孔を塞ぐことができる。
【0008】
また、エア抜き孔の外周には、厚肉の周縁部を形成し、周縁部の外側には、リング状の凹部を形成し、周縁部に適合する閉塞部材を介してエア抜き孔を塞ぐことができる。
【0009】
なお、巻線をシールするシール材は、巻線の外周をシールするシールテープに含浸されているシール材と、巻線の引出線をシールするシール材との双方であってもよい。
【0010】
【作用】
かかる発明の構成によれば、コイルは、巻線をシールするシール材を加熱硬化させるとき、ボビンのエア抜き孔を介して巻線に含まれるエアを外部に放出させることができ、エアの膨張による圧力がシール材に負荷されることを防止するとともに、シール材の加熱硬化後にエア抜き孔を塞ぐことにより、巻線を確実にシールすることができる。なお、シール材は、たとえばエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を使用する。
【0011】
周縁部を溶融させてエア抜き孔を塞ぐときは、エア抜き孔を塞ぐ格別な部材が不要である。なお、このときのボビンは、たとえばポリブチレンテレフタレートや、ポリアミド、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂により形成するものとする。
【0012】
閉塞部材を介してエア抜き孔を塞げば、閉塞部材は、ボビンの材質に拘らず、エア抜き孔を確実に塞ぐことができる。なお、閉塞部材は、エア抜き孔を塞ぐキャップ状に形成する他、エア抜き孔に挿入する栓や、エア抜き孔を閉じる金属箔、合成樹脂フィルム等を使用することができ、さらに、エア抜き孔に適当な接着剤を充填して閉塞部材としてもよい。
【0013】
エア抜き孔は、巻線の内部とボビンの外部とを連通させ、巻線に含まれるエアを外部に放出させることができる。なお、エア抜き孔の径は、ボビンを成形する金型に許容される最小寸法に設定するのがよい。
【0014】
フランジ部にエア抜き孔を形成すれば、エア抜き孔は、外部に露出しており、それを容易に塞ぐことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0016】
コイルCは、ボビン10に巻線31を巻き付けてなり(図1、図2)、シールテープ41、シール材42を介して耐湿処理されている。
【0017】
ボビン10は、熱可塑性樹脂により、筒部11の両端部にフランジ部12、12が一体成形されている。フランジ部12、12は、互いに平行な円盤状に形成されており、一方のフランジ部12には、スリット状の開口部12a、12aが形成され、外周部分のブラケット部12cを貫通して端子21、21が開口部12a、12aの反対側に付設されている。一方の開口部12aは、フランジ部12の外周から筒部11の外周に接するように長く形成されており、他方の開口部12aは、フランジ部12の外周から巻線31の外周までの距離相当に短く形成されている。
【0018】
一方のフランジ部12の外面は、外周の補強リブ12f、筒部11の端部、各開口部12aの両側の仕切リブ12d、12e、12d、12e、補強リブ12g、12gを介して区切られている。ただし、仕切リブ12d、12dは、筒部11、端子21、21、開口部12a、12aの各外側に配置されており、仕切リブ12e、12eは、それぞれ開口部12aの内側において、補強リブ12f、筒部11の間を連結するように形成されている。なお、端子21、21の反対側には、巻線31の巻始め、巻終りを仮止めするために使用する突部12f1 が形成されている。
【0019】
仕切リブ12e、12eの間には、エア抜き孔13が形成されている。エア抜き孔13の外周には、厚肉の周縁部13aが形成されており(図1、図3(A))、周縁部13aの外側には、リング状の凹部13cが形成されている。なお、エア抜き孔13は、筒部11の外周と巻線31の外周との間において、フランジ部12を貫通している。
【0020】
巻線31は、フランジ部12、12間において、筒部11に巻き付けられている。巻線31の始端、終端の各引出線31aは、一方のフランジ部12の開口部12aを介してフランジ部12の外面側に引き出され、対応する端子21に個別に接続されている。なお、巻線31は、ポリエステル絶縁銅線等により、所定方向に所定回数だけ巻かれている。
【0021】
巻線31の外周は、シールテープ41を介してシールされている。シールテープ41は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂がシール材として含浸されており、フランジ部12、12間において巻線31の外周に装着されている。
【0022】
巻線31の引出線31a、31aは、端子21、21に対する接続部分を含めて、シール材42を介してシールされている。シール材42は、シールテープ41のシール材と同様な熱硬化性樹脂であって、仕切リブ12d、12d、補強リブ12fの端子21、21側、仕切リブ12e、12e、筒部11の端部によって囲まれる範囲に対し、フランジ部12の外面側から充填して開口部12a、12aを閉鎖している。
【0023】
かかるボビン10は、次のようにして製作することができる。
【0024】
すなわち、ボビン10に巻線31を巻き付け、シールテープ41を巻線31の外周に装着するとともに、フランジ部12の所定位置にシール材42を充填する。その後、全体を加熱してシールテープ41、シール材42を硬化させる。このとき、巻線31に含まれるエアは、エア抜き孔13を介して外部に放出され、シールテープ41やシール材42を変形させたり、シール材42にボイドを生じたりすることがない。
【0025】
シールテープ41、シール材42を加熱硬化させたら、ヒータHを介してエア抜き孔13を塞ぐ(図3)。すなわち、エア抜き孔13の周縁部13aより大径の凹部H1 をヒータHの先端面に形成し、ヒータHの先端部を凹部13cに進入させるようにして凹部H1 を周縁部13aに押し付けると(同図(A)の二点鎖線)、周縁部13aが溶融してエア抜き孔13を塞ぐとともに(同図(B))、周縁部13aを体裁よく仕上げることができる。そこで、引出線31a、31a等を含む巻線31は、ボビン10、シールテープ41、シール材42を介して外部と遮断され、良好な耐湿性能を得ることができる。
【0026】
以上の説明において、シールテープ41に含浸するシール材を加熱硬化させた後、シール材42を充填して加熱硬化させ、エア抜き孔13を塞いでもよい。
【0027】
【他の実施の形態】
エア抜き孔13は、浅いキャップ状の閉塞部材15を介して塞いでもよい(図4)。
【0028】
閉塞部材15は、エア抜き孔13の周縁部13aに適合し、栓15aが中心部に形成されている。閉塞部材15は、栓15aをエア抜き孔13に進入させ、図示しない接着剤を介して周縁部13aに接着し、または周縁部13aに熱接着することにより、エア抜き孔13を塞ぐことができる。なお、閉塞部材15は、栓15aのみであってもよく、図示しない金属箔や合成樹脂フィルムを使用してもよい。また、閉塞部材15は、エア抜き孔13に接着剤を充填するだけであってもよい。なお、このときのボビン10は、熱可塑性樹脂に代えて、熱硬化性樹脂などにより形成してもよい。
【0029】
以上の説明において、エア抜き孔13は、巻線31に対面するようにして一端が開口し、他端が外部に開口している限り、ボビン10のフランジ部12に形成するに代えて、筒部11に形成してもよい。また、エア抜き孔13は、複数個を適切な位置に分散して形成してもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、巻線をシールするシール材を加熱硬化させ、ボビンのエア抜き孔を塞ぐことによって、エア抜き孔は、シール材の加熱硬化時に巻線に含まれるエアを外部に放出し、シール材が変形したり、ボイドを生じたりすることを有効に防ぐことができるから、不良品の発生を防止し、製品の歩留りを大きく向上させることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体構成斜視説明図
【図2】 ボビンの平面図
【図3】 図1の要部拡大断面説明図
【図4】 他の実施の形態を示す図3相当図
【符号の説明】
C…コイル
10…ボビン
12…フランジ部
13…エア抜き孔
13a…周縁部
15…閉塞部材
31…巻線
42…シール材
Claims (4)
- コイルの巻線を耐湿処理するに際し、巻線をシールするシール材を加熱硬化させると同時にボビンのエア抜き孔を介して巻線に含まれるエアを外部に放出させ、その後、エア抜き孔をボビンの外部から塞ぐことを特徴とするコイルの耐湿処理方法。
- エア抜き孔の外周には、厚肉の周縁部を形成し、周縁部の外側には、リング状の凹部を形成し、周縁部を溶融させてエア抜き孔を塞ぐことを特徴とする請求項1記載のコイルの耐湿処理方法。
- エア抜き孔の外周には、厚肉の周縁部を形成し、周縁部の外側には、リング状の凹部を形成し、周縁部に適合する閉塞部材を介してエア抜き孔を塞ぐことを特徴とする請求項1記載のコイルの耐湿処理方法。
- 巻線をシールするシール材は、巻線の外周をシールするシールテープに含浸されているシール材と、巻線の引出線をシールするシール材との双方であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載のコイルの耐湿処理方法。
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- 1998-12-07 JP JP34733998A patent/JP4174744B2/ja not_active Expired - Fee Related
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