JP4174648B2 - 水性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体またはモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体といった化合物と清涼化成分とを必須成分として含有する水性組成物に関する。さらに本発明は上記化合物、清涼化成分及び抗菌成分を含有する水性組成物に関する。より詳細には、本発明は、清涼感または抗菌作用を有し、ヒトを含む動物に対して内用または外用的に適用するのに適した水性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ペパーミント油、ウイキョウ油、l−メント−ル、d−カンフル、d−ボルネオールなどの清涼化成分が、粘膜や皮膚等に適用される外用組成物や食品等の内用組成物に清涼感を付与することを目的として使用されている。とりわけl−メントールは強い清涼感を有するため汎用されている清涼化成分である。しかしながら、これらの清涼化成分は、単独使用では清涼感の持続性に欠けるという問題がある。また、この問題を解決しさらに清涼感を高めるために、清涼化成分を多量に用いると、逆に不快な刺激感や独特な香気が発生するといった問題が生じる場合がある。
【0003】
点眼薬などの水性組成物に冷感を高めて清涼感の持続をもたせる方法として、特開平9−132526号公報には、メントール類、カンフル類及びボルネオール類といった清涼化成分を特定の割合で組み合わせて配合する方法が記載されている。しかし、かかる方法は上記特定の清涼化成分だけを対象とするものであり、すべての清涼化成分に使用できる方法でないため汎用性に欠けるという短所がある。
【0004】
このため、従来より、上記メントール類、カンフル類及びボルネオール類にとどまらずより広範な清涼化成分を対象として、清涼化成分の清涼感を増強し、また清涼感を持続させるための方法が求められている。
【0005】
一方、一般に水性組成物には、製造・使用段階での微生物汚染を防止するために防腐剤が使用されている。中でも、点眼薬、洗眼剤、点鼻薬、外用剤、コンタクトレンズ装着液剤、コンタクトレンズ用液剤、または化粧水等といった開封後複数回使用されることを前提として1容器に複数用量が充填・包装されてなる水性組成物には、該組成物を微生物汚染から保護して長期使用を可能にするために防腐剤が頻用されているのが実情である。また、抗菌剤(抗菌製剤)のように、微生物感染症の治療のためにサルファ剤などの抗菌成分を配合した抗菌性の水性組成物もある。
【0006】
これらの防腐剤や抗菌剤(以下、総称して抗菌剤という)は、強力な抗菌力が求められる一方で、生体に対する安全性が要求される。特に近年、防腐剤によるアレルギーなどの副作用の報告も多いことから、その使用については安全性を十分考慮しなければならない。
【0007】
このため、従来より抗菌剤についてより少ない使用量で優れた抗菌効果を得るべく、抗菌力を増強する方法が種々検討されており、例えば、特開昭59−89616号公報、特開昭61−12617号公報、及び特公平1−29170号公報には、サルファ剤、または塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩系の抗菌成分にアルカノールアミンを配合することにより抗菌成分の溶解性を高め、その結果、抗菌力が増強された点眼薬が開示されている。また、特開平10−330793号公報には、ビグアニド系の抗菌成分に糖類(糖及び/又は糖アルコール)を配合することによって、該抗菌成分の抗菌力が増強することが記載されている。しかし、これらの方法によっても、得られる抗菌効果は、まだ十分なものと言うことはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、清涼感もしくは冷感、または抗菌作用に優れることによってドリンクや飲料等の内用組成物、または鼻、眼または口腔等に適用される外用組成物として好適に用いることのできる水性組成物を提供することである。より詳細には、本発明の第一の目的は、清涼感若しくは冷感の持続性に優れた水性組成物を提供すること、具体的には清涼化成分を含有する水性組成物についてその清涼感もしくは冷感の増強もしくは持続を図る方法を提供することである。また本発明の第二の目的は、抗菌作用に優れた水性組成物を提供すること、具体的には抗菌成分を含有する水性組成物について、その抗菌作用の増強を図る方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討したところ、清涼化成分とピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体またはモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体などの一般に緩衝剤として使用されている化合物とを併用することによって清涼化成分の清涼感もしくは冷感の持続性が向上すること、さらにこれに抗菌成分を配合することによって該抗菌成分の抗菌作用が増強することを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0010】
すなわち、本発明は下記に掲げる水性組成物である:
項1.一般式(1):
【0011】
【化5】
【0012】
(式中のR1、R2は同一又は異なっていてもよく、R1は少なくとも1つのスルホン酸基を有し、さらに他に置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を、R2は置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を示す。)
で表される化合物及びその塩、並びに一般式(2):
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、R3は少なくとも1つのスルホン酸基を有し、さらに他に置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を示す。)
で表される化合物及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、清涼化成分を含有することを特徴とする水性組成物。
項2.一般式(1):
【0015】
【化7】
【0016】
(式中のR1、R2は同一又は異なっていてもよく、R1は少なくとも1つのスルホン酸基を有し、さらに他に置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を、R2は置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を示す。)
で表される化合物及びその塩、並びに一般式(2):
【0017】
【化8】
【0018】
(式中、R3は少なくとも1つのスルホン酸基を有し、さらに他に置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を示す。)
で表される化合物及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種、清涼化成分、及び抗菌成分を含有する水性組成物。
項3.清涼化成分が、テルペン類、少なくとも1種のテルペン類を含有する精油、キサンチン誘導体、及びプリン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、項1または2に記載の水性組成物。
項4.清涼化成分が、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、及び前者4種のいずれか少なくとも1種を含む精油、カフェイン、ペントキシフィリン、及び3-1-メンチルオキシプロパン1-2-ジオールよりなる群から選択される少なくとも1種である項1または2に記載の水性組成物。
項5.抗菌成分が、ビグアニド類、ソルビン酸またはその塩、第4級アンモニウム化合物、パラベン類、スルホンアミド類、ニューキノロン剤、アルキルポリアミノエチルグリシン及びフェノール類よりなる群から選択される少なくとも1種である、項2乃至4のいずれかに記載の水性組成物。
項6.抗菌成分が、クロルヘキシジン、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンザルコニウム、ソルビン酸、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド、メチルパラベン、エチルパラベン及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、項2乃至4のいずれかに記載の水性組成物。
項7.一般式(1)で表される化合物が、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、2−ヒドロキシル−3−[4−(2−ヒドロキシルエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、またはピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸)であり、一般式(2)で表される化合物が、2−モルホリノエタンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、または2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸である項1乃至6のいずれかに記載の水性組成物。
【0019】
上記各水性組成物は、外用または粘膜適用組成物として好適に用いることができる。好ましくは粘膜適用組成物であり、かかるものとして具体的には点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液、またはコンタクトレンズ用液剤を例示することができる。
【0020】
なお、本発明において、水性組成物とは、目的や用途を問わず、水を含有する組成物(含水組成物)を広く意味するものである。具体的には、本発明が対象とする化合物を水単独または水と親水性溶媒の混合溶液(以下、これらを「水性溶媒」という)に溶解した水性溶液、該化合物を水性溶媒に分散させた水性分散液、または該化合物を含む水性ゲルなどがいずれも含まれる。
【0021】
また本明細書に記載する「薬理学的(製薬上)又は生理学的に許容される塩」とは、例えば、有機酸塩(例えば、乳酸塩、酢酸塩、酪酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩など)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、アミノ酸、トリピリジン及びピコリンなどの有機アミンとの塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩;ナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムまたはマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アルミニウム金属との塩など)などを意味し、当業界の技術常識に基づいてそれぞれ対象する化合物に応じて適宜選択し使用することができる。
【0022】
さらに本明細書において「%」とは、特に言及しない限り、w/v%を意味するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の水性組成物は、清涼化成分に加えて、ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体またはモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体のいずれか少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。かかる水性組成物は、上記成分を配合することにより清涼化成分の清涼作用が増強され、清涼感若しくは冷感が持続するという効果を奏する。
【0024】
本発明に用いられるピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体としては、一般式(1):
【0025】
【化9】
【0026】
で表される化合物及びその塩を挙げることができる。
【0027】
ここで、R1は少なくとも1つのスルホン酸基を有する炭素数1〜6の低級アルキル基である。かかる低級アルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、またはtert−ブチル基などの直鎖状または分岐状のアルキル基が例示できる。好ましいアルキル基としてはエチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。スルホン酸基の置換位置は、特に制限されないが、好ましくはオメガ(ω)位である。さらにかかるアルキル基は、スルホン酸基以外に他の置換基を有していてもよい。置換基として例えばハロゲン原子(塩素、臭素、フッ素原子など)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ基などのC1-4アルコキシ基など)、アリールオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(C1-4アルコキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基、アシル基(ホルミル、アセチル、プロピオニル基などのC1-4アルキルカルボニル基、ベンゾイル基などのアリールカルボニル基など)、ニトロ基、アミノ基、N−置換アミノ基(モノまたはジC1-4アルキルアミノ基など)、シアノ基などが例示できる。好ましくはヒドロキシル基である。
【0028】
R2は炭素数1〜6の低級アルキル基である。かかる低級アルキル基としては、具体的には前述のものを例示することができる。またかかる低級アルキル基もR1の場合と同様に置換基を有していてもよく、具体的には、上記と同様に、ハロゲン原子(塩素、臭素、フッ素原子など)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ基などのC1-4アルコキシ基など)、アリールオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(C1-4アルコキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基、アシル基(ホルミル、アセチル、プロピオニル基などのC1-4アルキルカルボニル基、ベンゾイル基などのアリールカルボニル基など)、ニトロ基、スルホン酸基、アミノ基、N−置換アミノ基(モノまたはジC1-4アルキルアミノ基など)、シアノ基などが例示できる。好ましくはヒドロキシル基である。
【0029】
なお、ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)は上記R1基及びR2基として、同一の基又は異なった基を有することができる。
【0030】
かかるピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)の具体例としては、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、2−ヒドロキシル−3−[4−(2−ヒドロキシルエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、またはピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸)を例示することができる。好ましくは2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、またはピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)である。
【0031】
ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)は上記式で示される化合物の塩の態様で使用することもできる。塩として好適には薬理学的(製薬上)または生理学的に許容される塩を挙げることができる。さらにN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)は、水付加物の態様で使用することもできる。
【0032】
上記に例示する各種のピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)は、本発明の水性組成物に1種単独で用いてもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0033】
また本発明で用いられるモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体としては、一般式(2):
【0034】
【化10】
【0035】
を挙げることができる。
【0036】
ここでR3で示されるアルキル基としては、具体的にはN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)のR1に関して説明した炭素数1〜6の直鎖状または分岐状の低級アルキル基を同様に例示することができる。またかかる低級アルキル基もR1の場合と同様、スルホン酸基以外に置換基を有していてもよく、置換基の具体例としても前述したものを同様に例示することができる。
【0037】
かかるモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)の具体例としては、2−モルホリノエタンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、または2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸などを例示することができる。好ましくは3−モルホリノプロパンスルホン酸である。
【0038】
モルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)は、上記式で示される化合物の塩または水和物の態様で使用することもできる。かかる塩は好適には薬理学的(製薬上)または生理学的に許容される塩である。
【0039】
なお、上記に例示する各種のモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)は、本発明の水性組成物に1種単独で用いてもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0040】
また、本発明の水性組成物には、清涼化成分とともに、ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)及びモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)のいずれか少なくとも1方が配合されていればよく、また両方を組み合わせて配合されていてもよい。
【0041】
本発明の水性組成物に配合するピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)又は/及びモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)の割合は、清涼化成分の清涼感もしくは冷感を増強ないし持続性向上を図ることのできる量であればよく、この限りにおいて特に制限されない。具体的には、使用する化合物によって種々異なり一律に規定することはできないが、例えば、水性組成物全体に対する配合割合として、ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)については、通常0.0001〜30%程度、好ましくは0.0001〜20%程度、より好ましくは0.001〜10%程度、さらに好ましくは0.01〜5%程度の範囲から、またモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)については、通常0.0001〜30%程度、好ましくは0.0001〜20%程度、より好ましくは0.001〜10%程度、さらに好ましくは0.01〜5%程度の範囲から、適宜選択して使用することができる。
【0042】
本発明で用いられる清涼化成分としては、制限はされないが、テルペン類、少なくとも1種のテルペン類を含む各種の精油、キサンチン誘導体、及びプリン誘導体を例示することができる。好ましくはテルペン類、少なくとも1種のテルペン類を含む精油である。なお、れらの成分は1種単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
【0043】
ここでテルペン類としては、天然及び合成の別なく、イソプレン単位(C5)を有する化合物及びその誘導体を挙げることができる。例えば、イソプレン単位(C5)を2〜4個の割合で有するモノテルペン(C5×2)、セスキテルペン(C5×3)、またはジテルペン(C5×4)を挙げることができる。好ましくはモノテルペン(C5×2)である。
【0044】
より具体的には、本発明のテルペン類としては、テルペン炭化水素類(例えばミルセン、オシメン、リモネン、ピネン、テルピネン、テルピネノレン、ピネン、カンフルまたはこれらの誘導体などのモノテルペン炭化水素類;カリオフイレン、セリネンまたはこれらの誘導体などのセスキテルペン炭化水素類;チモール(2−イソプロピルメタクレゾール)またはこの誘導体などのテルペン様炭化水素類など)、テルペンアルコール類(シトロネロール、ゲラニオール、リナロール、メントール、テルピネオール、ボルネオールまたはこれらの誘導体などのモノテルペンアルコール類;ファルネソールまたはこの誘導体などのセスキテルペンアルコール類など)、テルペンアルデヒド類(シトロネラール、シトラール(β−シトラール=ネラール)、サフラナールまたはこれらの誘導体などのモノテルペンアルデヒド類;レチナールまたはこの誘導体などのジテルペンアルデヒド類など)、テルペンケトン類(メントン、カルボメントン、ヨノンまたはこれらの誘導体などのモノテルペンケトン類など)、テルペン酸類(レチノイン酸またはこの誘導体など)、テルペンオキシド類などが例示できる。これらのテルペンは、d-,l-,またはdl-体のいずれであってもよい。好ましくはカンフルまたはその誘導体などのモノテルペン炭化水素類、メントール、ゲラニオール、ボルネオールまたはこれらの誘導体などのテルペンアルコール類である。
【0045】
なお、上記テルペン類には、d-イソメントン、l-メンチル-3-ヒドロキシブチレート、酢酸メンチルエステル、乳酸メンチルエステル、3-l-メンチルオキシプロパン-1,2-ジオール(特公昭61-48813号)、2-メチル-3-(l-メンチルオキシ)プロパン-1,2-ジオール(特開平9-217083号)、イソブレゴール、3-置換-p-メンチン類(特開昭47-16647号、特開昭47-16649号)、N-置換-p-メンタン-3-カルボクサミド類(特開昭47-16648号)、p-メンタンジオール類(特開昭47-16650号)、並びにテトラヒドロピロール酸,2-ピロリドン3-カルボン酸,2-ピロリドン4-カルボン酸,2-ピロリドン5-カルボン酸,イソニコチン酸,ニコチン酸,ピコリン酸,ピペコリン酸,イソペコチン酸,テトラヒドロフロン酸,2-ブチルラクトン3-カルボン酸,2-ブチルラクトン4-カルボン酸,若しくは2-ブチルラクトン4-カルボン酸のメントールエステル(以上,特開昭49-55880号)といった、一般にメントール誘導体と称される化合物が含まれる。中でも好ましくは3-l-メンチルオキシプロパン-1,2-ジオールである。
【0046】
上記テルペン類は、塩の形態、好ましくは薬理学的(製薬上)又は生理学的に許容される塩の形態で使用することもできる。またテルペン類は1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。
【0047】
さらに、清涼化成分として用いられるテルペン類を含む精油としては、上記で例示される各種のテルペン類のいずれか少なくとも1種を成分として含有し、冷感若しくは清涼感を有する精油であればよく、特に制限されない。具体的には、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ハッカ油、ローズ油、ペパーミント油、スペアミント油、クールミント油などの各種の精油を例示することができる。好ましくはユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ペパーミント油、スペアミント油、およびクールミント油である。これらも1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0048】
また清涼化成分として用いられるキサンチン誘導体としては、特開2001−302545公報に記載されるものを挙げることができる。具体的には、下式(3):
【0049】
【化11】
【0050】
(式中、R4、R5及びR6は、同一または異なって、それぞれ水素原子または置換されていてもよいC1-6のアルキル基を示す。)
で表される化合物を例示することができる。
【0051】
ここでR4、R5及びR6で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、またはt−ブチル基などの炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4を有する低級アルキル基を例示することができる。好ましいアルキル基には、メチル基およびエチル基が含まれる。
【0052】
これらのアルキル基は、置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えば塩素原子、臭素原子またはフッ原子などのハロゲン原子;ヒドロキシル基;アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシまたはブトキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基など);アリールオキシ基;カルボキシル基;アルコキシ−カルボニル基(例えば、炭素数1〜4の低級アルコキシ基を有するアルコキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基;アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル基などの炭素数1〜4の低級アルキル基を有するカルボニル基、ベンゾイル基などのアリール基を有するカルボニル基など);ニトロ基;アミノ基;N−置換アミノ基(例えばモノ又はジC1―4アルキルアミノ基など)、またはシアノ基などを挙げることができる。
【0053】
上記式(3)で表される具体的な化合物としては、例えばカフェイン、テオフィリン、オクストリフィリン、ダイフィリン、ジイソブチルアミノベンゾイルオキシプロピルテオフィリン、テオブロミン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、またはペントキシフィリンなどのキサンチン誘導体を挙げることができる。好ましくは、カフェイン、テオフィリン、テオブロミンなどのメチルキサンチン誘導体;ジプロフィリン、プロキシフィリン、ペントキシフィリンなどであり、特にカフェインが好ましい。なお、カフェインには無水カフェインも含まれる。
【0054】
キサンチン誘導体(3)は、塩の形態、好ましくは薬理学的(製薬上)又は生理学的に許容される塩の形態で使用することができる。また、キサンチン誘導体は、他の化合物との混合物の形態で使用することもできる。かかる混合物の例としては、例えば、カフェインと安息香酸ナトリウムとの混合物である安息香酸ナトリウムカフェインなどが挙げられる。これらのキサンチン誘導体は、清涼化成分として1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0055】
また清涼化成分としてプリン誘導体を挙げることができる。かかる清涼化成分としては、冷感若しくは清涼感を発揮するプリン骨格(プリン塩基)を有する化合物であれば特に制限されないが、具体的には下式(4)または(5):
【0056】
【化12】
【0057】
【化13】
【0058】
で表される化合物を例示することができる。
【0059】
上記式(4)または(5)中、X基で示される置換基としては、糖ユニットを含む基を挙げることができる。また、当該X基はヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン基、またはリン酸残基(−H2PO4、>HPO4など)を1もしくは2以上有していてもよい。
【0060】
かかる糖ユニットは、特に制限されず、トリオース、テトラオース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトース、ノノースなどのいずれであってもよい。また、X基中の糖ユニットの個数も特に制限されず、1個でもまた2個以上であってもよい。また、X基は、糖ユニットとして、単糖類、オリゴ糖類、又は多糖類を含んでいてもよい。このような糖ユニットに対応する糖類としては、リボース、デオキシリボース、アラビノース、キシロース、リキソース、リブロース、またはキシルロースなどのペントース;アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、またはタガトースなどのヘキソースなどの各種の単糖類:マルトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、グルコビオース、ビシアノース、プリメベロース、ツラノース、ルチノース、ラクツロース、またはヒアロビオウロン酸などの二糖類;ラフィノースなどの三糖類;スタキオースなどの四糖類;そのほか、セルビオース、プルラン、マルチトールなどの各種のオリゴ糖を好適に例示することができる。
【0061】
またX基は、糖ユニットとして前記糖類の誘導体を含んでいてもよい。かかる糖類の誘導体としては、例えば前記糖類と酸とのエステル(例えばリン酸エステル、アミノ酸エステルなど)、前記糖類の酸化体(例えばアルドースの一級アルコール基の酸化糖 [例えば、イズロン酸、ガラクツロン酸、グルクロン酸、グルロン酸、マンヌロン酸などのヘキスロン酸])などを挙げることができる。なお、前記リン酸エステルとしては、リン酸(オルトリン酸などの非縮合リン酸;ピロリン酸、三リン酸などのポリリン酸など)と糖類のヒドロキシル基とがエステル結合した糖リン酸エステル、例えば、グルコース6−リン酸、フルクトース6−リン酸、リボース5−リン酸、リボース5−二リン酸などを例示することができる。
【0062】
X基に含まれる好適な糖ユニットとして、単糖類(特に、リボースなどのペントース;ヘキソース)、又はそれらの誘導体(特にリン酸エステル)を挙げることができる。
【0063】
式(4)または(5)で示されるプリン誘導体が有するX基としては、具体的には、リボシル基、1-ホスホリボシル基(例えば、1-モノホスホリボシル基、1-ジホスホリボシル基、1-トリホスホリボシル基など)を挙げることができる。
【0064】
また、上記式(4)中R7またはR8で示される置換基、及び式(5)中R9またはR10で示される置換基としては、同一または異なって、水素原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよい炭化水素基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミノ基、またはN−置換アミノ基を挙げることができる。なお、R9がヒドロキシル基である式(5)の化合物(すなわち、ヒポキサンチン又はその誘導体)は、ラクタムラクチム形の互変異性により、R8とR10が同一である場合、R7として水素原子を有する式(5)の化合物と実質的に同じ化合物となる。
【0065】
上記炭素水素基としては、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基などの脂肪族炭化水素基;シクロアルキル基などの脂環族炭化水素基;またはアリール基やアラルキル基などの芳香族炭化水素基を挙げることができる。
【0066】
ここでアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル基などの炭素数1〜6の低級アルキル基、好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル基を;またアルケニル基としてはビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル基などの炭素数1〜4の低級アルケニル基、好ましくは炭素数1〜4の低級アルケニル基を;さらにアルキニル基としてはエチニル、プロパルギル基などの炭素数1〜6の低級アルキニル基を例示することができる。また、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などの炭素数5〜8のシクロアルキル基を、アリール基としてはフェニル基などの炭素数6〜10のアリール基を、さらにアラルキル基としてはベンジル基やフェネチル基などの炭素数6〜10のアラルキル基を好適に例示することができる。
【0067】
これらの炭化水素基は、置換基を有していても良い。かかる置換基としては、例えば、ハロゲン原子(塩素、臭素、フッ素原子など)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ基などのC1-4アルコキシ基など)、アリールオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基(ホルミル、アセチル、プロピオニル基などのC1-4アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基などのアリール−カルボニル基など)、ニトロ基、アミノ基、N−置換アミノ基(モノ又はジC1-4アルキルアミノ基など)、シアノ基などを挙げることができる。また前記炭化水素基のうち、脂環族及び芳香族炭化水素基は、前記例示の置換基以外に、アルキル基、アルケニル基などの脂肪族炭化水素基を置換基として有していてもよい。なお、ここで脂肪族炭化水素基としては、上記R7〜R10に関して例示した脂肪族炭化水素基を挙げることができる。
【0068】
上記に掲げる炭素水素基として、好適には置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜6の低級アルキル基、または炭素数1〜6の低級アルケニル基を挙げることができる。
【0069】
またR7〜R10で表されるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基が例示できる。また、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル基などの炭素数1〜6のアルコキシ基を有するカルボニル基、好ましくはC1-4アルコキシ−カルボニル基を例示することができる。さらに、アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル基などの炭素数1〜6のアシル基、好ましくは炭素数1〜4のアシル基が例示できる。さらにまたN−置換アミノ基としては、例えば前述する炭化水素基で置換されたN−モノ又はジ置換アミノ基、具体的にはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基などのN−モノ又はジアルキルアミノ基などが例示できる。
【0070】
R7基、R8基、R9基及びR10基として、好適には下記のものをそれぞれ挙げることができる:
R7基 :水素原子、アルキル基
R8基:水素原子、アミノ基、N−置換アミノ基、ヒドロキシル基(特に、水素原子、アミノ基、N−置換アミノ基)
R9基:アミノ基、N−置換アミノ基、ヒドロキシル基
R10基:水素原子、アミノ基、N−置換アミノ基、ヒドロキシル基(特に、水素原子、アミノ基、N−置換アミノ基)
化合物(4)として、具体的には、プリン塩基であるグアニンまたはヒポキサンチンにX基として例示されるリボシル基がそれぞれグルコシド結合してなるグアノシンまたはイノシンなどのプリンリボヌクレオシド類、及びそれらのリン酸エステルであるプリンリボヌクレオチド類が例示される。ここでプリンヌクレオチド類としては、プリン塩基がグアニンであるグアニル酸[3’−グアニル酸、5’−グアニル酸(GMP)など]、グアノシンポリリン酸類[グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、グアノシン四リン酸(グアノシン5’−四リン酸、グアノシン5’−二リン酸−3’−二リン酸など)など]、環状グアニル酸[サイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)、サイクリックグアノシン2’,3’−一リン酸など];プリン塩基がヒポキサンチンであるイノシン酸(IMP)、イノシンポリリン酸[イノシン二リン酸(IDP)、イノシン三リン酸(ITP)など]を例示することができる。
【0071】
また化合物(5)として、具体的には、プリン塩基であるアデニンにX基として例示されるリボシル基がグルコシド結合してなるアデノシンなどのプリンリボヌクレオシド類、及びこのリン酸エステルであるプリンリボヌクレオチド類が例示される。なお、上記プリンリボヌクレオシド類には、イソペンテニルアデノシンなどのアデノシン誘導体も含まれる。ここで、プリンヌクレオチド類としては、プリン塩基がアデニン類であるアデニル酸[3’−アデニル酸、5’−アデニル酸(AMP)など]、アデノシンポリリン酸類[アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、アデノシン四リン酸など]、環状アデニル酸[サイクリックアデノシン−3’,5’−一リン酸(cAMP)、サイクリックアデノシン2’,3’−一リン酸など]などが例示できる。
【0072】
また、化合物(4)または(5)として、プリンヌクレオチド類のリン酸残基がさらに他の糖ユニットと結合した化合物(例えば、グアノシン二リン酸マンノースなど)も使用できる。
【0073】
化合物(4)または(5)で示されるプリン誘導体として、好ましくはヒポキサンチンまたはグアニンをプリン塩基として有するプリンヌクレオシド又はそのリン酸エステルであるプリンヌクレオチドであり、プリンヌクレオチドとしてはホスホリボシルヒポキサンチン(すなわち、イノシン酸)及びホスホリボシルグアニン(すなわち、グアニル酸)を好適に例示することができる。
【0074】
上記の化合物(4)及び(5)は、いずれも薬理学的(製薬上)または生理学的に許容される塩としても使用できる。このような塩としては、前記化合物がイノシン酸及びグアニル酸の場合を例に挙げて説明すると、イノシン酸二ナトリウム、グアニル酸二ナトリウムなどが例示できる。
【0075】
本発明の水性組成物には、上記に例示する清涼化成分を1種単独で配合してもいいし、または2種以上を任意に組み合わせて配合することもできる。水性組成物に配合するこれらの清涼化成分の割合は、具体的には使用する清涼化成分の種類によって異なり一概には規定できないが、通常、0.00001〜20%の範囲となるように種類に応じて適宜選択調整することができる。好ましくは0.00001〜10%、より好ましくは0.0001〜5%、さらに好ましくは0.0001〜3%の割合である。
【0076】
本発明の水性組成物は、上記清涼化成分に加えて前述する化合物(1)または(2)のいずれか少なくとも1種を含有することによって清涼化成分の清涼作用もしくは冷感作用が増強され、持続性ある清涼感(冷感)を発揮することができる。従って、本発明の水性組成物は清涼感もしくは冷感が求められるものであれば、その形態並びにその使用用途は特に制限されず、医薬品用途、医薬部外品用途、香粧品用途、または日用品(雑貨)用途といった種々の用途において、外用(皮膚並びに粘膜適用を含む)、内用を目的とした各種の形態の水性組成物として使用することができる。
【0077】
さらに本発明の第2の水性組成物は、前述するピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)またはモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)のいずれか少なくとも一種、及び清涼化成分に加えて、さらに抗菌成分を含有することを特徴とするものであり、これによって配合した抗菌成分の抗菌作用が増強され、優れた抗菌性を有する組成物が調製できるという効果を奏するものである。
【0078】
ここで用いられる抗菌成分は、静菌、殺菌、または防腐などの抗菌作用を有するものであればよく、対象とする微生物(細菌、細菌芽胞、真菌、カビ、放線菌、ウイルス等)の別を特に問うものではない。
【0079】
抗菌成分として、具体的には例えば、ソルビン酸またはその塩(例えば、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩);スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンまたはこれらの塩(例えば、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩)などのスルホンアミド類;アクリノール;ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、セチルピリジニウムまたはこれらの塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルピリジニウムなどの塩化物や臭化物など)などの第4級アンモニウム化合物;アルキルポリアミノエチルグリシン;ロメフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシンなどのニューキノロン剤;ビグアニド類;ベルベリン又はその塩;メチルパラベン、エチルパラベン又はこれらの塩などのパラベン類;その他、塩化ポリドロニウム、Glokill(商品名、ローディア社製)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エトレンジクロリド);イソプロピルメチルフェノール、クレゾール、チモール、トリクロサン等のフェノール類;2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンズイソチアゾロン-3、n-n-ブチル-1,2-ベンズイソチアゾロン-3などのイソチアゾリン類などを挙げることができる。好ましくは、ビグアニド類、ソルビン酸またはその塩、第4級アンモニウム化合物、パラベン類、スルホンアミド類、ニューキノロン剤、アルキルポリアミノエチルグリシン、フェノール類である。より好ましくは、クロルヘキシジン、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンザルコニウム、ソルビン酸、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド、メチルパラベン、エチルパラベン及びこれらの塩である。
【0080】
なお、これらは水性組成物に1種単独で配合してもよいし、2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
【0081】
上記抗菌成分のうち、ビグアニド類としては、一般式(6):
【0082】
【化14】
【0083】
(式中、Aは置換基を有していてもよいC1-10のアルキレン基、R11及びR12は、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1-10のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、または水素原子を示す。nは自然数である。)で示される化合物またはその塩を挙げることができる。
【0084】
ここで、Aは前述するように炭素数1〜10を有する直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、具体的には特に制限されないが、メチレン基、エチレン基、ブチレン基、プロピレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基を例示することができる。
【0085】
R11またはR12は、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基または水素原子である。なお、R11またはR12は、同一であっても異なるものであってもよい。
【0086】
ここでアルキル基として、特に制限されないが、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが例示できる。好ましくはブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基である。
【0087】
またアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラジル基、インドリル基、イソインドリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、アクリジル基、キナゾリル基、キノリジニル基、プテリジニル基、フェナントリジニル基、シンノニル基、フェナジニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、アントラニル基などが挙げられる。
【0088】
上記Aで示されるアルキレン基、または上記R11またはR12で示されるアルキル基およびアリール基は、いずれも置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばハロゲン原子(塩素、臭素、フッ素原子など)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ基などのC1-4アルコキシ基など)、アリールオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(C1-4アルコキシカルボニル基など)、アリールオキシカルボニル基、アシル基(ホルミル、アセチル、プロピオニル基などのC1-4アルキルカルボニル基、ベンゾイル基などのアリールカルボニル基など)、ニトロ基、スルホン酸基、カルボン酸基、アミノ基、N−置換アミノ基(モノまたはジC1-4アルキルアミノ基など)、シアノ基などが例示できる。
【0089】
また、nは自然数であり、具体的には1〜100000、好ましくは1〜10000の自然数を挙げることができる。
【0090】
かかるビグアニド類(6)の具体例としては、例えばクロルヘキシジン、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニドなどが例示できる。
【0091】
またビグアニド類(6)は、上記式で示される化合物の塩または水和物の態様で使用することもできる。かかる塩としては好適には薬理学的(製薬上)または生理学的に許容される塩を挙げることができる。
【0092】
本発明の水性組成物に配合する抗菌成分の割合は、水性組成物の使用目的や用途によって、また用いる抗菌成分の種類や水性組成物に含まれる他の成分の種類によって異なるため一概に規定することができないが、例えば、本発明の水性組成物が飲料やドリンクなどの経口摂取用の水性組成物である場合には、該水性組成物全体に対して通常0.000001〜2%、好ましくは0.00001〜1%、より好ましくは0.00005〜1%程度の範囲から、使用する化合物の種類や使用目的に応じて適宜選択される。また、本発明の水性組成物がローション等のように皮膚に適用される外用の水性組成物である場合には、該水性組成物全体に対して通常0.00001〜20%、好ましくは0.0001〜10%、より好ましくは0.0005〜10%程度の範囲から使用する化合物の種類や製品用途に応じて適宜選択される。さらに、本発明の水性組成物が、点眼液、コンタクトレンズ用液剤、点鼻液等のように粘膜に適用される水性組成物である場合には、水性組成物全体に対して通常0.000001〜2%、好ましくは0.00001〜1%、より好ましくは0.00005〜1%程度の範囲から使用する化合物の種類や製品用途に応じて適宜選択される。
【0093】
本発明の水性組成物は、内容成分として前述するピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)またはモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)の少なくとも1種、及び清涼化成分に加えて、上記の抗菌成分を配合することによって調製することができる。当該水性組成物は、ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体(1)、または/及び、モルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)と清涼化成分の作用によって、上記抗菌成分の抗菌作用(静菌、殺菌、防腐作用)が増強され、その結果、従来の使用量よりも少ない抗菌成分の配合量で、所望の抗菌効果(静菌、殺菌、防腐効果)を発揮することができる。
【0094】
このように、本発明の水性組成物はより少量の抗菌成分の配合で所望の抗菌作用を発現できることから、刺激に対して敏感な部位、例えば皮膚(外皮)、特に顔面の皮膚に適用される外用組成物、または粘膜に適用される組成物として有用である。
【0095】
本発明において、粘膜には、例えば、角膜および結膜などの眼粘膜、鼻粘膜、歯茎、舌、口唇、口腔粘膜、咽頭部粘膜、肛門部粘膜、直腸粘膜、外陰部粘膜、膣粘膜などが含まれる。本発明の水性組成物として粘膜適用組成物の中には、眼用組成物(例えば、点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ用液剤、コンタクトレンズ装着液など)、鼻用組成物(例えば、点鼻薬、洗鼻液など)、口腔用組成物などが含まれる。
【0096】
また、本発明の水性組成物は、清涼感及び/または防腐性や抗菌性が求められる内服液剤(医薬用または医薬部外用のドリンクを含む)や飲料等の水性食品(水性経口組成物)として有用である。ここで飲料には、清涼飲料水、乳飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、ミネラルウォーター、アルコール飲料、果汁飲料などが含まれる。
【0097】
本発明の第1及び第2の水性組成物はいずれも、水性、すなわち含水組成物であることを限度として、その剤形あるいは形態は、特に限定されず、組成物の用途あるいは種類に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品に通常使用される剤形あるいは形態をとることができる。本発明の水性組成物の剤形あるいは形態は、例えば、液剤、ゲル剤、リポソーム剤、クリーム剤、ローション剤、乳剤、軟膏剤、眼軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、エアゾール剤、軟カプセル剤、エキス剤、チンキ剤、レモネード剤、シロップ剤、懸濁剤、飲料、ドリンク剤などの公知の形態をとることができる。
【0098】
本発明の水性組成物は、本発明の効果を損なわないことを限度として、前述する成分に限定されることなく他の成分として更に各種の成分を配合することができる。さらに配合できる成分の種類は、特に制限されないが、組成物の用途あるいは種類に応じて、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品に通常使用される成分が配合できる。配合できる成分は、例えば、充血除去剤、眼筋調節成分、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗炎症剤または消炎剤、眼圧下降剤、防腐・抗菌・殺菌剤、抗生物質、サルファ剤、抗原虫剤、近視治療剤または予防剤、局所麻酔剤、ビタミン類、アミノ酸類、利尿剤、強心剤、制酸剤、健胃剤、消化剤、瀉下剤、整腸剤、消化管運動調節剤、消化性潰瘍剤、利胆剤、抗炎症剤、解熱鎮痛剤、鎮痛剤、含嗽剤、鎮咳剤、去痰剤、気管支拡張剤、呼吸促進剤、抗痴呆剤、抗パーキンソン病剤、興奮剤、抗鬱剤、抗不安剤、催眠鎮静剤、抗てんかん剤、筋弛緩剤、鎮痙剤、血管補強剤、血管拡張剤、末梢循環改善剤、血圧降下剤、抗不整脈剤、収斂剤、止血剤、脂質代謝改善剤、抗糖尿病剤、通風治療剤、細胞賦活剤、抗腫瘍剤、滋養強壮剤、皮膚軟化剤、保湿剤、美白剤、発汗剤、止汗剤または制汗剤、洗浄剤、起泡剤、角質除去剤、肝斑除去剤、血行促進剤、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、鎮痒剤、賦形剤、像粘剤、キレート剤、安定化剤、保存剤、pH調整剤、等張化剤、結合剤、分散剤、吸着剤、滑沢剤、崩壊剤、崩壊補助剤、矯味剤、甘味剤、湿潤剤または湿潤調節剤、防湿剤、着香剤または香料、芳香剤、清涼化剤、抗酸化剤、還元剤、可溶化剤、溶解補助剤、界面活性剤、発泡剤、粘稠剤または粘稠化剤、噴射剤、溶剤、基剤、流動化剤、乳化剤、可塑剤、緩衝剤、光沢化剤、コーティング剤、着色剤などが挙げられる。
【0099】
本発明は水性組成物であるため、必要に応じて、生体に許容される範囲内のpH及び/又は浸透圧に調節してもよい。許容されるpHは、点眼薬や洗眼薬などの粘膜適用組成物の場合、通常pH5〜9、好ましくは5.5〜8.5、特に好ましくは6.5〜8.5である。外用組成物の場合、通常pH2〜10、皮膚に対する低刺激性および皮膚使用感の良さという観点から、好ましくはpH3〜9、より好ましくはpH5〜8であることが好ましい。内服用ドリンクの場合、通常pH3〜8の酸性〜中性であることが好ましい。浸透圧を調整する場合には100〜1200mOsm、好ましくは100〜600mOsm、特に好ましくは150〜400mOsm程度に調整することが望ましく、生理食塩液に対する浸透圧比は、通常、0.3〜4.1、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度である。pHや浸透圧の調節は、既述のpH調整剤、等張化剤、塩等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。
【0100】
本発明はまた、清涼化成分を含有する水性組成物についてその清涼感若しくは冷感を増強し、持続する方法を提供する。当該方法は、前述するピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N'−アルキル誘導体(1)またはモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)のいずれか少なくとも1方と上記清涼化成分とを併用することによって達成することができる。この場合、ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N'−アルキル誘導体(1)またはモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)の種類、清涼化成分の種類、最終水性組成物中に含まれる上記化合物(1)または(2)及び清涼化成分の割合などは、本発明の第1の水性組成物に関して説明する前述の通りである。
【0101】
さらに本発明はまた、抗菌成分を含有する水性組成物についてその抗菌作用(静菌、殺菌、防腐作用)を増強する方法を提供する。当該方法は、上記抗菌成分と、前述するピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N'−アルキル誘導体(1)またはモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)のいずれか少なくとも1方、並びに清涼化成分とを併用することによって達成することができる。この場合、抗菌成分の種類、ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N'−アルキル誘導体(1)またはモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体(2)の種類、清涼化成分の種類、並びに最終水性組成物中に含まれる各成分の割合などは、本発明の第2の水性組成物に関して説明する前述の通りである。
【0102】
本発明には下記の態様が含まれる:
1)清涼化成分を含む水性組成物に、一般式(1):
【0103】
【化15】
【0104】
(式中のR1、R2は同一又は異なっていてもよく、R1は少なくとも1つのスルホン酸基を有し、さらに他に置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を、R2は置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を示す。)
で表される化合物及びその塩、並びに一般式(2):
【0105】
【化16】
【0106】
(式中、R3は少なくとも1つのスルホン酸基を有し、さらに他に置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を示す。)
で表される化合物及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、上記清涼化成分含有水性組成物の清涼感またはその持続性の増強方法。
2)清涼化成分が、テルペン類、テルペン類を含有する精油、キサンチン誘導体、及びプリン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、1)記載の清涼化成分含有水性組成物の清涼感またはその持続性の増強方法。
3)清涼化成分が、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、及び前者4種のいずれか少なくとも1種を含む精油、カフェイン、ペントキシフィリン、及び3-1-メンチルオキシプロパン1-2-ジオールよりなる群から選択される少なくとも1種である、1)に記載の清涼化成分含有水性組成物の清涼感またはその持続性の増強方法。
4)一般式(1)で表される化合物が、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、2−ヒドロキシル−3−[4−(2−ヒドロキシルエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、またはピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸)であり、一般式(2)で表される化合物が、2−モルホリノエタンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、または2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸である、1)乃至3)のいずれかに記載の清涼化成分含有水性組成物の清涼感またはその持続性の増強方法。
5)水性組成物が外用または粘膜適用されるものである1)乃至4)のいずれかに記載の清涼化成分含有水性組成物の清涼感またはその持続性の増強方法。
6)水性組成物が点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液、またはコンタクトレンズ用液剤である1)乃至4)のいずれかに記載の清涼化成分含有水性組成物の清涼感またはその持続性の増強方法。
【0107】
7)抗菌成分を含む水性組成物に、一般式(1):
【0108】
【化17】
【0109】
(式中のR1、R2は同一又は異なっていてもよく、R1は少なくとも1つのスルホン酸基を有し、さらに他に置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を、R2は置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を示す。)
で表される化合物及びその塩、並びに一般式(2):
【0110】
【化18】
【0111】
(式中、R3は少なくとも1つのスルホン酸基を有し、さらに他に置換基を有していてもよいC1-6のアルキル基を示す。)
で表される化合物及びその塩よりなる群から選択される少なくとも1種、並びに清涼化成分を配合することを特徴とする、上記抗菌成分含有水性組成物の抗菌作用増強方法。
8)抗菌成分が、ビグアニド類、ソルビン酸またはその塩、第4級アンモニウム化合物、パラベン類、スルホンアミド類、ニューキノロン剤、アルキルポリアミノエチルグリシン及びフェノール類よりなる群から選択される少なくとも1種である、7)に記載の抗菌成分含有水性組成物の抗菌作用増強方法。
9)抗菌成分が、クロルヘキシジン、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンザルコニウム、ソルビン酸、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド、メチルパラベン、エチルパラベン及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、7)に記載の抗菌成分含有水性組成物の抗菌作用増強方法。
10)清涼化成分が、テルペン類、テルペン類を含有する精油、キサンチン誘導体、及びプリン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、7)乃至9)のいずれかに記載の抗菌成分含有水性組成物の抗菌作用増強方法。
11)清涼化成分が、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、及び前者4種のいずれか少なくとも1種を含む精油、カフェイン、ペントキシフィリン、及び3-1-メンチルオキシプロパン1-2-ジオールよりなる群から選択される少なくとも1種である、7)乃至10)のいずれかに記載の抗菌成分含有水性組成物の抗菌作用増強方法。
12)一般式(1)で表される化合物が、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、2−ヒドロキシル−3−[4−(2−ヒドロキシルエチル)−1−ピペラジニル]プロパンスルホン酸、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、またはピペラジン−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸)であり、一般式(2)で表される化合物が、2−モルホリノエタンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、または2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸である、7)乃至11)のいずれかに記載の抗菌成分含有水性組成物の抗菌作用増強方法。
13)水性組成物が外用または粘膜適用されるものである7)乃至12)のいずれかに記載の抗菌成分含有水性組成物の抗菌作用増強方法。
14)水性組成物が点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液、またはコンタクトレンズ用液剤である7)乃至12)のいずれかに記載の抗菌成分含有水性組成物の抗菌作用増強方法。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、清涼化成分の清涼感や冷感を増強することができ、その結果、清涼感や冷感を持続的に発揮することのできる各種の水性組成物を提供することができる。かかる水性組成物は、清涼感や冷感が求められるか、清涼感や冷感といった付加的作用が商品価値として有用になる、内用(経口摂取用)、外皮若しくは粘膜に適用される水性組成物(医薬品、医薬部外品、香粧品、食品組成物)として有用である。特に点眼薬(CL装用中にも使用できる点眼薬を含む)、コンタクトレンズ装着液、洗眼薬(CL装用中にも使用できるCL用洗眼薬を含む)、またはコンタクトレンズ用液剤(洗浄液、保存液、殺菌液、マルチパーパスソルーション)などの眼科用組成物;点耳薬や鼻洗浄液などの耳鼻科用組成物;口腔咽頭薬や含嗽薬などの口腔用組成物として有用である。
【0113】
また本発明によれば、抗菌成分の抗菌作用(静菌、殺菌、防腐作用)を増強することができ、その結果、少量の抗菌成分の配合で、優れた抗菌効果(静菌、殺菌、防腐効果)を発揮する各種の組成物を提供することができる。その結果、かかる水性組成物は、抗菌成分に起因して生じ得る刺激性を低減することができるため、特に外皮若しくは粘膜に適用される水性組成物として有用である。よって、本発明によれば、優れた抗菌効果を発揮し、且つ刺激性がないか若しくは極めて少ないことから、外皮若しくは粘膜に好適に適用される各種の水性製剤(医薬品、医薬部外品、香粧品、食品)、特に点眼薬(CL装用中にも使用できる点眼薬を含む)、コンタクトレンズ装着液、洗眼薬(CL装用中にも使用できるCL用洗眼薬を含む)、またはコンタクトレンズ用液剤(洗浄液、保存液、殺菌液、マルチパーパスソルーション)などの眼科用組成物;点耳薬や鼻洗浄液などの耳鼻科用組成物;口腔咽頭薬や含嗽薬などの口腔用組成物を提供することができる。
【0114】
【実施例】
以下に、試験例及び実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの試験例及び実施例によって限定されるものではない。
<試験例>
試験例1 清涼感持続性の試験
事前に承諾を得た健常な被験者5名の片眼に、表1に示す試験液1または対照液1を一滴点眼し、経時的に清涼感の有無を確認した。その結果を、図1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】
図1に示すように、この結果から、清涼化成分とピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体を併用することによって、該清涼化成分の清涼感の持続性が高まることがわかる。
【0117】
試験例2 点鼻薬の清涼感(増強作用)
事前に承諾を得た健常被験者5名に、表2に示す試験液2〜4または対照液2〜5を点鼻した。点鼻後、清涼感の有無を確認した。清涼感の有無について結果もあわせて表2に示す。
【0118】
【表2】
【0119】
この結果から、清涼化成分とモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体を併用することによって、該清涼化成分の清涼感が増強することがわかる。
【0120】
試験例3
(1)試験用培地の調製
マンニット食塩培地(日水製薬株式会社製)に、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸を終濃度が0mM、0.5mM、1mM、または5mMとなるようにそれぞれ添加して培地を調製した。これらの培地に、さらに清涼化成分としてl−メントールを終濃度が0.03%または無水カフェインを終濃度が1%となるように添加した。
【0121】
こうして得られた清涼化成分含有培地において、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、またはソルビン酸カリウムといった抗菌成分を終濃度が表3〜5に示す各濃度になるように加えて抗菌力試験に供する試験用培地とした。
【0122】
(2)抗菌力試験方法
Stapylococcus aureus ATCC6538の凍結乾燥品を、0.1%酵母エキスを添加したPBS(pH7.4)に懸濁し、マンニット食塩寒天培地(日水製薬株式会社製)に画線法により植菌し、37℃で48時間培養した。48時間培養して出現したコロニーのうち1個を釣菌し、10mLのマンニット食塩液体培地に植菌し、37℃にて恒温振盪機で24時間培養した。これを前培養菌液とする。
【0123】
この前培養菌液を上記した試験用培地10mlに対して100μlずつ加え、恒温振盪機にて37℃で24時間培養し、24時間後の菌の増殖を測定した。菌の増殖は、培地の濁度(OD600)の上昇を指標とし、OD600値が0.5を超えれば+、0.2〜0.5を±、0.2未満を−として判定した。
【0124】
結果を表3〜表5に示す。なお、表3は、グルコン酸クロルヘキシジンについて2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸と清涼化成分(メントール、カフェイン)との併用効果を示す結果を、表4は塩化ベンザルコニウムについて2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸と清涼化成分(メントール、カフェイン)との併用効果を示す結果を、及び表5はソルビン酸カリウムについて2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸と清涼化成分(メントール、カフェイン)との併用効果を示す結果をそれぞれ示す。
【0125】
【表3】
【0126】
【表4】
【0127】
【表5】
【0128】
これらの結果からわかるように、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸単独では、最終濃度5mMであっても菌の増殖を阻止できず、メントールまたは無水カフェインを添加しても同じであったことから、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸単独または、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸と清涼化成分の併用では抗菌力がほとんどないことが確認された。
【0129】
一方、抗菌成分であるグルコン酸クロルヘキシジン単独では、最終濃度2ppmではじめて菌の増殖を阻止することができる程度の抗菌力があるが、グルコン酸クロルヘキシジンにさらに、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸と0.03%メントールまたは1%無水カフェインを添加することによって、グルコン酸クロルヘキシジン最終濃度が0.125ppmであっても菌の増殖を阻止することができることが示された。また、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸と清涼化成分をともに用いることによるグルコン酸クロルヘキシジンの抗菌力増強効果は、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸の濃度依存的に認められた。
【0130】
さらに、この2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸と清涼化成分との併用によって得られる効果は、グルコン酸クロルヘキシジン以外の抗菌成分である塩化ベンザルコニウム、及びソルビン酸カリウムにおいても確認された。
【0131】
以上の結果から、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、またはソルビン酸カリウムといった抗菌成分の抗菌力(静菌、殺菌、防腐力)は、ピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体とメントールまたは無水カフェインといった清涼化成分との併用によって増強され、より一層抗菌力が増強することがわかった。
【0132】
試験例4
2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸のかわりにモルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体である3−モルホリノプロパンスルホン酸を用いた以外は、試験例3の方法と同様にして試験用培地の調製および抗菌力試験を行った。
【0133】
結果を表6〜表8に示す。なお、表6は、グルコン酸クロルヘキシジンについて3−モルホリノプロパンスルホン酸と清涼化成分(メントール、カフェイン)との併用効果を示す結果、表7は塩化ベンザルコニウムについて3−モルホリノプロパンスルホン酸と清涼化成分(メントール、カフェイン)との併用効果を示す結果、及び表8はソルビン酸カリウムについて3−モルホリノプロパンスルホン酸と清涼化成分(メントール、カフェイン)との併用効果を示す結果をそれぞれ示す。
【0134】
【表6】
【0135】
【表7】
【0136】
【表8】
【0137】
この結果からわかるように、3−モルホリノプロパンスルホン酸単独では、最終濃度5mMであっても菌の増殖を阻止できず、メントールまたは無水カフェインを添加しても同じであったことから、3−モルホリノプロパンスルホン酸単独または、3−モルホリノプロパンスルホン酸と清涼化成分の併用では抗菌力がほとんどないことが確認された。
【0138】
一方、抗菌成分であるグルコン酸クロルヘキシジン単独では、最終濃度2ppmではじめて菌の増殖を阻止することができる程度の抗菌力があるが、グルコン酸クロルヘキシジンにさらに、3−モルホリノプロパンスルホン酸と0.03%メントールまたは1%無水カフェインを添加することによって、グルコン酸クロルヘキシジン最終濃度0.125ppmで菌の増殖を阻止することができることが示された。また、3−モルホリノプロパンスルホン酸と清涼化成分をともに用いることによるグルコン酸クロルヘキシジンの抗菌力増強効果は、3−モルホリノプロパンスルホン酸の濃度依存的に認められた。
【0139】
さらに、かかる3−モルホリノプロパンスルホン酸と清涼化成分との併用による抗菌作用の増強効果は、グルコン酸クロルヘキシジン以外の抗菌成分である塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸カリウムにおいても確認された。
【0140】
以上の結果から、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、またはソルビン酸カリウムといった抗菌成分の抗菌力(静菌、殺菌、防腐力)は、モルホリンのN−アルキルスルホン酸誘導体とメントールまたは無水カフェインといった清涼化成分との併用によって増強され、より一層抗菌力が増強することがわかった。
【0141】
<参考試験例>
参考試験例1〜4及び参考比較例1
イノシン酸二ナトリウム又はグアニル酸二ナトリウムを、表9に示す濃度で生理食塩水(日本薬局方)に溶解した試験液を調製した(試験液1〜4)。事前に承諾を得た健常人各々5人ずつの片側の前腕内側に、試験液1〜8を100μLずつ塗布した。もう一方の前腕内側には、対照として、イノシン酸二ナトリウム及びグアニル酸二ナトリウムのいずれも含まない生理食塩水(日本薬局方)(比較液1)を同様に100μLずつ塗布し、刺激感の有無、不快な香気の有無、清涼感の有無を比較した。その結果、刺激感や不快な香気を感じた人はいなかった。表9には、5人中、適度な清涼感を感じたと答えた人数を示す。なお、表9中、イノシン酸二ナトリウムをIMP−Na、グアニル酸二ナトリウムをGMP−Naとして示す(以下、同じ)。
【0142】
【表9】
【0143】
表9から明らかなように、イノシン酸二ナトリウム又はグアニル酸二ナトリウムの含有量が少量であってもなお、皮膚に適度な清涼感を付与できた。特に、イノシン酸二ナトリウム及びグアニル酸二ナトリウムの濃度が1%以上の場合には、確実に清涼感が得られた。
【0144】
参考試験例5〜8及び参考比較例2
イノシン酸二ナトリウム又はグアニル酸二ナトリウムを、表10に示す濃度で生理食塩水(日本薬局方)に溶解した試験液を無菌的に調製した(試験液5〜8)。事前に承諾を得た健常人各々5人ずつの片眼に、実施例の試験液を100μLずつ点眼した。もう一方の眼には、対照として、イノシン酸二ナトリウム及びグアニル酸二ナトリウムのいずれも含まない無菌的な生理食塩水(日本薬局方)(比較液2)を同様に100μLずつ点眼し、刺激感の有無、不快な香気の有無、清涼感の有無を比較した。その結果、刺激感や不快な香気を感じた人はいなかった。適度な清涼感の有無については、結果を表10に示す。
【0145】
【表10】
【0146】
表から明らかなように、イノシン酸二ナトリウム又はグアニル酸二ナトリウムの含有量が少量であってもなお、眼粘膜に適度な清涼感を付与できた。特に、イノシン酸二ナトリウムの濃度が0.3%以上及びグアニル酸二ナトリウムの濃度が1.0%以上の場合には、確実に清涼感が得られた。
【0147】
参考試験例9〜12及び参考比較例3
イノシン酸二ナトリウム又はグアニル酸二ナトリウムを、表11に示す濃度で生理食塩水(日本薬局方)に溶解した試験液を無菌的に調製した(試験液9〜12)。事前に承諾を得た健常人各々5人ずつの鼻腔に、実施例の試験液を100μLずつ点鼻した。もう一方の鼻腔には、対照として、イノシン酸二ナトリウム及びグアニル酸二ナトリウムのいずれも含まない無菌的な生理食塩水(日本薬局方)(比較液3)を同様に100μLずつ点鼻し、刺激感の有無、不快な香気の有無、清涼感の有無を比較した。その結果、刺激感や不快な香気を感じた人はいなかった。適度な清涼感の有無については、結果を表11に示す。
【0148】
【表11】
【0149】
表から明らかなように、イノシン酸二ナトリウム又はグアニル酸二ナトリウムの含有量が少量であってもなお、鼻腔粘膜に適度な清涼感を付与できた。特に、イノシン酸二ナトリウム及びグアニル酸二ナトリウムの濃度が1%以上の場合には、確実に清涼感が得られた。
【0150】
<実施例>
実施例1 点眼薬(pH6.5)
2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸 1.0(g)
塩酸クロルヘキシジン 0.3
塩酸テトラヒドロゾリン 0.5
メチル硫酸ネオスチグミン 0.05
塩酸ピリドキシン 1.0
アミノエチルスルホン酸 5.0
アスパラギン酸カリウム 10.0
ホウ酸 5.0
l−メントール 0.05
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
精製水 残 部
全 量 1000ml。
【0151】
実施例2 点眼薬(pH7)
2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸 2.0(g)
塩酸クロルヘキシジン 0.3
塩酸テトラヒドロゾリン 0.5
塩酸ピリドキシン 1.0
アミノエチルスルホン酸 5.0
エタノール 50.0
ポリソルベート80 5.0
l−メントール 0.03
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
精製水 残 部
───────────────────────────────────
全 量 1000ml。
【0152】
実施例3 洗眼液(pH6.5)
2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸 2.0(g)
塩酸クロルヘキシジン 0.1
ホウ酸 15.0
l−メントール 0.05
アスパラギン酸ナトリウム 1.00
マレイン酸クロルフェニラミン 0.03
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
精製水 残 部
───────────────────────────────────
全 量 1000ml。
【0153】
実施例4 洗眼薬(pH6.7)
アスパラギン酸ナトリウム 1.0(g)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.5
ホウ酸 17.0
ホウ砂 1.0
3−モルホリノプロパンスルホン酸 0.01
グルコン酸クロルヘキシジン 0.1
ポリソルベート80 4.0
ベルガモット油 0.05
l−メントール 0.02
d−カンフル 0.01
無水カフェイン 3.00
水酸化ナトリウム pH調整量
精製水 残 部
───────────────────────────────
全 量 1000ml。
【0154】
実施例5 点鼻薬(pH6.8)
塩酸テトラヒドロゾリン 1.0(g)
マレイン酸クロルフェニラミン 3.0
塩化ナトリウム 4.0
2−[4−(2−ヒドロキシエチル−
1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 1.0
l−メントール 0.01
ユーカリ油 0.05
無水カフェイン 3.00
ホウ酸 18.0
ホウ砂 0.5
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
精製水 残 部
───────────────────────────────
全量 1000ml。
【0155】
実施例6 点鼻薬(pH7.2)
塩酸ナファゾリン 0.5(g)
マレイン酸クロルフェニラミン 3.0
塩化ナトリウム 4.0
3−モルホリノプロパンスルホン酸 1.5
l−メントール 0.01
dl−カンフル 0.05
d−ボルネオール 0.05
塩化ベンザルコニウム 0.1
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
精製水 残 部
───────────────────────────────
全 量 1000ml。
【0156】
実施例7 外皮用乳剤(pH6.0)
スクワラン 50.0(g)
オリブ油 30.0
ホホバ油 30.0
セチルアルコール 20.0
ポリオキイエチレンセチルエーテル 30.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 20.0
グリセリンモノステアレート 20.0
グリセリン 20.0
2−[4−(2−ヒドロキシエチル−
1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 10.0
dl−カンフル 0.5
l−メントール 0.8
ソルビン酸カリウム 5.0
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
香料 適 量
精製水 残 部
────────────────────────────────
全量 1000ml。
【0157】
実施例8 内服用液剤(pH6.5)
アスパラギン酸カリウム 10.0(g)
アミノエチルスルホン酸 20.0
塩酸チアミン 25.0
塩酸ピリドキシン 5.0
クエン酸ナトリウム 15.0
ブドウ糖 50.0
イノシトール 10.0
フルクトース 40.0
アラビアゴム 10.0
2−[4−(2−ヒドロキシエチル−
1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 6.0
ポリソルベート80 6.0
dl−カンフル 0.2
l−メントール 0.1
無水カフェイン 1.0
パラオキシ安息香酸エチル 0.2
パラオキシ安息香酸プロピル 0.8
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
香料 適 量
精製水 残 部
────────────────────────────────
全 量 1000ml。
【0158】
実施例9 内服用液剤(pH7.4)
アスパラギン酸カリウム 10.0(g)
アミノエチルスルホン酸 20.0
塩酸チアミン 25.0
塩酸ピリドキシン 5.0
クエン酸ナトリウム 15.0
ブドウ糖 50.0
イノシトール 10.0
フルクトース 40.0
アラビアゴム 10.0
3−モルホリンプロパンスルホン酸 4.0
ポリソルベート80 6.0
dl−カンフル 0.2
l−メントール 0.1
無水カフェイン 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
パラオキシ安息香酸プロピル 0.8
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
香料 適 量
精製水 残 部
───────────────────────────────
全量 1000ml。
【0159】
実施例10 飲料(pH4.5)
エタノール 50.0(g)
アスコルビン酸 20.0
クエン酸 50.0
グルコース 40.0
フルクトース 80.0
2−[4−(2−ヒドロキシエチル−
1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 0.1
クールミント油 0.5
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
香料 適 量
精製水 残 部
────────────────────────────────
全量 1000ml。
【0160】
実施例11 コンタクトレンズ用液剤(pH7.2)
塩化ナトリウム 1.0(g)
ホウ酸 10.0
ポリビニルピロリドン 20.0
ポロクサマー407 1.0
エデト酸ナトリウム 0.005
無水カフェイン 5.0
ポリヘキサメチレンビグアニド 0.001
l−メントール 0.001
d−ボルネオール 0.001
2−[4−(2−ヒドロキシエチル−
1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 4.0
水酸化ナトリウム pH調整量
塩酸 pH調整量
精製水 残 部
─────────────────────────────────
全量 1000ml。
【0161】
実施例12 コンタクトレンズ用液剤(pH6.9)
塩化ナトリウム 1.0(g)
ホウ酸 10.0
ポリビニルピロリドン 20.0
ポロクサマー407 1.0
エデト酸ナトリウム 0.005
無水カフェイン 5.0
ポリヘキサメチレンビグアニド 0.001
l−メントール 0.0005
d−カンフル 0.0005
ソルビン酸カリウム 0.1
3−モルホリノプロパンスルホン酸 0.05
塩酸 pH調整量
水酸化ナトリウム pH調整量
精製水 残 部
──────────────────────────────────
全量 1000ml。
【0162】
実施例13 抗菌性点眼薬(pH8.4)
スルファメトキサゾールナトリウム 40.0(g)
塩化ベンザルコニウム液50 0.2
イプシロンアミノカプロン酸 20.0
グリチルリチン酸2カリウム 1.5
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 25.0
マレイン酸クロルフェニラミン 0.2
酢酸dl−α−トコフェロール 0.1
ホウ酸 2.0
ホウ砂 2.0
3−モルホリノプロパンスルホン酸 5.0
ベルガモット油 0.02
ユーカリ油 0.04
無水カフェイン 5.0
エデト酸ナトリウム 0.05
ポリソルベート80 1.0
水酸化ナトリウム pH調整量
精製水 残 部
───────────────────────────────
全 量 1000ml。
【0163】
実施例14 点眼薬(pH5.8)
塩酸ナファゾリン 0.03(g)
メチル硫酸ネオスチグミン 0.05
L−アスパラギン酸カリウム 10.0
アミノエチルスルホン酸 10.0
ホウ酸 3.0
ホウ砂 0.8
2−[4−(2−ヒドロキシエチル−
1−ピペラジニル]エタンスルホン酸 1.0
l−メントール 0.1
ユーカリ油 0.05
イノシン酸2ナトリウム 5.0
エデト酸ナトリウム 0.05
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
水酸化ナトリウム pH調整量
精製水 残 部
全 量 1000ml。
【図面の簡単な説明】
【図1】メントール(清涼化成分)を含む水溶液(点眼液)(対照液―○―)と該メントールとピペラジンのN−アルキルスルホン酸−N’−アルキル誘導体とを併用した水溶液(点眼液)(試験液―●―)について、清涼感の持続性を比較した試験例1の結果を示す図である。
Claims (8)
- 2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、清涼化成分とを含有することを特徴とする水性組成物。
- 2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸、3−モルホリノプロパンスルホン酸、及びそれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、清涼化成分と、抗菌成分とを含有することを特徴とする水性組成物。
- 清涼化成分が、テルペン類、少なくとも1種のテルペン類を含有する精油、キサンチン誘導体、及びプリン誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の水性組成物。
- 清涼化成分が、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、前者4種のいずれか少なくとも1種を含む精油、カフェイン、ペントキシフィリン、及び3-1-メンチルオキシプロパン1-2-ジオールよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれかに記載の水性組成物。
- 抗菌成分が、ビグアニド類、ソルビン酸、ソルビン酸の塩、第4級アンモニウム化合物、パラベン類、スルホンアミド類、ニューキノロン剤、アルキルポリアミノエチルグリシン及びフェノール類よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2乃至4のいずれかに記載の水性組成物。
- 抗菌成分が、クロルヘキシジン、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンザルコニウム、ソルビン酸、ポリアミノプロピルビグアニド、ポリヘキサメチレンビグアニド、メチルパラベン、エチルパラベン及びこれらの塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2乃至5のいずれかに記載の水性組成物。
- 外用または粘膜適用されるものである請求項1乃至6のいずれかに記載の水性組成物。
- 点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液、またはコンタクトレンズ用液剤である請求項1乃至7のいずれかに記載の水性組成物。
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