JP4174606B2 - 航空機用空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定翼機および回転翼機を含む航空機の機内温度、湿度、酸素分圧、圧力を制御するのに利用できる空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機における空気調和装置としては、エンジンの圧縮部で圧縮された抽出空気を、機外空気と熱交換して冷却した後にラジアルコンプレッサで断熱圧縮し、これを再度機外空気と熱交換して冷却した後に、膨張タービンにより断熱膨張することで、調温、調圧された冷気を得るエアサイクル式冷却装置が従来から主に使用されている。
【0003】
すなわち、図16に示す従来の航空機用空気調和装置は、エンジン101からの抽出空気を、プリクーラ102と呼ばれる熱交換器により冷却した後、ラジアルコンプレッサ103でほぼ断熱的に圧縮し、これにより昇温された空気をメインクーラ104と呼ばれる熱交換器により冷却し、膨張タービン105でほぼ断熱的に膨張させる。これにより冷気が得られる。そのプリクーラ102およびメインクーラ104においては、ラム空気路109を通る機外空気により冷却が行われる。その膨張タービン105の膨張仕事は、シャフト106を介してコンプレッサ103に伝えられることで、圧縮動力として利用される。なお、航空機が地上にある時や低空飛行時においては、外気温度が高く、空気の水分含有量が多いため、膨張タービン105での膨張時に空気中の水分が凝縮して霧状の水滴が発生する。そのため、膨張タービン105の下流に水分捕捉のためのウォータセパレータ107が配置される。そのウォータセパレータ107を通過した冷気が航空機のコックピット空間を含むキャビン108内に供給されることで冷房が行われる。なお、航空機が地上にあってエンジンが停止している際は、エンジン101に代えてAuxiliary Power Unitと呼ばれる補助エンジンなどの高圧空気供給ユニットからの抽出空気を空気調和装置に供給することが可能とされている。
【0004】
高々度等において暖房を行うため、エンジン101からの抽出空気をキャビン108に導くためのバイパス空気流路111が設けられ、そのバイパス空気流路111はホットエアモジュレートバルブ112により開閉される。抽出空気の一部は、そのホットエアモジュレートバルブ112を開くことで、コンプレッサ103と膨張タービン105とから構成されるエアサイクル式冷却装置で冷却されることなく、ウォータセパレータ107の下流に配置されたミキシングダクト113に導かれる。そのミキシングダクト113において、エアサイクル式冷却装置により冷却された抽出空気と冷却されていない抽出空気とが混合される。よって、ホットエアモジュレートバルブ112の開度を調整することで適度な温度の空気が得られる。その適度な温度の空気がキャビン108内に供給されることで暖房を行うことができる。なお、高々度を巡航する際にはラム空気路109は絞られているため、プリクーラ102やメインクーラ104においてエンジン101からの抽出空気は過剰に冷却されず、ある程度高温に維持される。そのキャビン108内の空気は、空気調和装置からの供給分から、機体からの漏れ分を除いた分に相当する量だけ減圧弁110から直接に機外空間114に放出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空気調和装置では、キャビンで人間が快適に過ごすのに必要な温度、酸素濃度、湿度、圧力の制御を行うには、エンジン101からの抽出空気量を増大させる必要がある。そのため、エンジン負荷の低減とキャビン内の快適性とを両立するのは困難であった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することのできる航空機用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の航空機用空気調和装置は、航空機のキャビン内に主空気流路を介して導入されるエンジンまたは高圧空気供給ユニットからの抽出空気を冷却装置により冷却する航空機用空気調和装置であって、そのキャビン内の空気を流出するための流出空気流路と、そのキャビン内に空気を導入するための補助空気流路と、空気に含まれる水分子を吸着し、吸着時よりも温度が上昇することで吸着した水分子を放出する吸着剤により各々構成されている複数の吸着部と、空気流路切替機構と、その空気流路切替機構を制御するコントローラとを備え、前記補助空気流路は、前記主空気流路から分岐される空気流路、又は、前記流出空気流路から分岐される空気流路により構成され、各吸着部は、その空気流路切替機構により、そのキャビン内の空気よりも高温の空気が流れる補助空気流路に接続される状態と、その流出空気流路に接続される状態とに切替え可能とされ、そのコントローラによる空気流路切替機構の制御により、各吸着部は、その補助空気流路に接続される状態と流出空気流路に接続される状態とに切替えられ、前記キャビンから前記流出空気流路を介して流出される空気は、前記吸着部を通過した後に前記キャビン内に導入可能とされ、前記補助空気流路を流れる空気を、前記吸着部を通過した後、機外空間に放出する状態と、キャビンに導く状態とに空気流路が切替え可能とされ、前記キャビンから前記流出空気流路を介して流出される空気を、前記吸着部を通過した後に、前記キャビンに導く状態と、前記冷却装置に導く状態とに空気流路が切替え可能とされている。
本発明の構成によれば、キャビンから流出空気流路に流出された空気が各吸着部を通過する時、その空気中に含まれる分子は各吸着部における吸着剤に吸着される。補助空気流路を流れる空気が各吸着部を通過する時、その空気はキャビンから流出された空気よりも高温であるため、各吸着部における吸着剤に吸着された分子は補助空気流路を流れる空気中に放出される。各吸着部は、その補助空気流路に接続される状態と流出空気流路に接続される状態とに切替えられるので、キャビンから流出された空気中に含まれる分子を再びキャビン内に戻すことができる。また、各吸着部における吸着剤は再び空気中の分子を吸着できるように再生される。その吸着剤が水分子を吸着および放出することで、キャビン内の湿度を維持するのに寄与できる。その吸着剤が酸素分子を吸着および放出することで、キャビン内の酸素濃度を維持するのに寄与できる。しかも、吸着部と、その吸着部への空気の流れを切り換える機構を付加するという簡単な構成でキャビン内空気の再生ができるので、本発明は小型の航空機にも容易に適用できる。
少なくとも一つの吸着部が前記補助空気流路に接続されている時、少なくとも一つの別の吸着部が流出空気流路に接続されているのが好ましい。これにより、効率良く吸着部による空気中の分子の吸着と放出とを行うことができる。
前記流出空気流路を流れる空気の少なくとも一部を、前記吸着部を通過した後、飛行時の条件や機内空気の条件に応じて機外空間に放出可能な放出機構を備えるのが好ましい。これにより、キャビン内の圧力を適正に維持するために空気を機外空間に放出する前に、その空気に含まれる分子を吸着できるので、その空気に含まれる水や酸素等の分子を有効に再利用できる。例えば、キャビン内の水蒸気もしくは酸素の濃度を目標値に維持することがさらに容易になり搭乗者の快適性を大幅に向上できる。特に、搭乗者が少ないためにキャビン内での水蒸気発生が少ない場合における湿度低下防止に有効である。
さらに、前記流出空気流路を流れる空気の少なくとも一部を、前記吸着部を通過した後に前記放出機構により機外空間に放出する状態と、前記吸着部を通過することなく前記放出機構により機外空間に放出する状態とに切り替える放出切替え機構を備えるのが好ましい。これにより、機内空気に含まれる分子を再利用する必要性が高い場合は機内空気を吸着部の通過後に機外空間に放出し、再利用する必要性が低い場合は機内空気を吸着部を通過させることなく機外空間に放出できる。例えば、高々度を飛行中にあっては機内空気を吸着部の通過後に機外空間に放出し、高温多湿の地上にあっては機内空気を吸着部を通過させることなく機外空間に放出する。これにより、地上等においては吸着剤によって吸着された水分を排出するだけでなく、機外空間に放出する空気にも水分を含めることができるので、キャビンの湿度を快適な範囲に維持できる。
キャビンから流出された空気を再びキャビン内に送り込むことができ、エンジンからの抽出空気量を増大させることなく、キャビン内の圧力と温度を制御するのに必要な空気量を確保することができる。しかも、吸着部において吸着された水分をキャビン内に戻すことでキャビン内の湿度を維持できる。
航空機の飛行状態に応じてエンジンからの抽出空気量や外気の温度、湿度、酸素濃度、圧力が変化した場合、キャビン内の温度、湿度、酸素濃度、圧力を最適に維持することができる。また、機内の湿度が過剰な場合、吸着剤から放出された水分を含む空気を機外空間に放出できる。さらに、キャビンから流出した空気を再度冷却装置に送っている場合、冷却装置の結露を防止できる。
【0009】
その補助空気流路を流れる空気流量が調整可能とされているのが好ましい。これにより、冷却装置により冷却してキャビン内に導入する空気量と、冷却することなくキャビン内に導入する空気量との比を調整し、キャビン内の温度を適正に維持できる。
【0010】
その空気調和装置における空気流路を流れる空気が通過する位置に配置され、その空気を窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離する選択透過膜を備え、その窒素富化ガスは燃料周囲領域に導入可能とされ、その酸素濃縮空気はキャビン内に導入可能とされているのが好ましい。
これにより、燃料火災の発生を防止でき、且つ、キャビン内の酸素濃度を維持するのに寄与できる。
【0011】
前記選択透過膜は、前記キャビンから前記流出空気流路を介して流出される空気が前記吸着部を通過した後に流れる空気流路に設けられているのが好ましい。
これにより、キャビンから流出された空気を酸素濃縮空気として再びキャビン内に送り込むことができ、エンジンからの抽出空気量を増大させることなく、キャビン内の圧力を制御するのに必要な空気量を確保することができる。しかも、選択透過膜に導入される空気からは吸着部において水分が除去されているので、その選択透過膜を通過して機外に放出される水分を低減し、キャビン内の湿度を維持できる。また、燃料への水分の混入も防止できる。
【0014】
前記補助空気流路は、前記エンジン抽出空気を前記冷却装置を通ることなくキャビンに導くためのバイパス空気流路により構成されているのが好ましい。
これにより、高温のエンジン抽出空気が吸着部を通過することで吸着剤から分子を放出させ、吸着剤を再生することができる。
【0015】
前記補助空気流路は、前記キャビンから流出する空気を再びキャビンに導くための循環空気流路により構成され、その循環空気流路を流れる空気を、前記吸着剤の通過前に加熱する手段が設けられているのが好ましい。
これにより、吸着剤を再生するためにエンジン抽気を消費する必要がなくなり、エンジン負荷増大を防止することができる。
その循環空気流路を流れる空気を、航空機に搭載される電装品から発せられる熱により加熱してもよい。
【0016】
前記補助空気流路は、前記キャビンから流出する空気を再びキャビンに導くための循環空気流路により構成され、前記キャビンから前記流出空気流路を介して流出される空気を、前記吸着部の下流において圧縮する圧縮手段が設けられ、その圧縮手段の下流に、その圧縮された空気と前記循環空気流路を流れる空気との間で熱交換を行う熱交換器が設けられ、その熱交換器において、その循環空気流路を流れる空気が前記吸着剤の通過前に加熱される手段が設けられているのが好ましい。これにより、前記流出空気が圧縮されることで発生する熱によって循環空気流路を流れる空気の温度を上げることができ、他に熱源を設ける必要がなくなり、エネルギ消費を減少させることができる。その圧縮された空気をキャビンから循環空気流路を介して流出する空気により冷却することで、圧縮後の空気温度をかなり低下させることができ、再冷却が必要となった場合でも、その冷却装置を小さくすることができる。
また、前記熱交換器において冷却された圧縮後の流出空気を窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離する選択透過膜が設けられ、その窒素富化ガスは航空機の燃料周囲領域に導入可能とされ、その酸素濃縮空気はキャビン内に導入可能とされているのが好ましい。これにより、選択透過膜を通過する空気量をエンジン抽気を消費することなく得ることができ、また、選択透過膜に至る前に水分が除去される結果、水分は選択透過膜を通って流出することがなく水分放出と燃料への水分混入を防止できる。また、選択透過膜に導かれる空気を圧縮することで、効率良く窒素富化ガスを得ることができる。
窒素富化ガスが大量に必要な場合、吸着剤により水分吸着される空気量が増大するので吸着剤を再生するのに必要な空気が増大する。この場合、選択透過膜に導かれる前に圧縮される空気も増大するので、そのキャビンから循環空気流路を介して流出する空気を加熱する熱量を増大させることができる。その加熱された空気により吸着剤を再生するのに必要な高温空気を確保できる。すなわち、空気の流量バランスの良いシステムを得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は比較例に係る航空機用空気調和装置を示し、エンジン1からの抽出空気を主空気流路90を介して航空機のコックピット空間を含むキャビン8内に導入する。すなわち、そのエンジン1からの抽出空気は、プリクーラ2と呼ばれる熱交換器により冷却した後、ラジアルコンプレッサ3でほぼ断熱的に圧縮し、これにより昇温された空気をメインクーラ4と呼ばれる熱交換器により冷却し、膨張タービン5でほぼ断熱的に膨張させる。これにより冷気が得られる。そのプリクーラ2およびメインクーラ4においては、ラム空気路9を通る機外空気により冷却が行われる。その膨張タービン5の膨張仕事は、シャフト6を介してコンプレッサ3に伝えられることで、圧縮動力として利用される。なお、航空機が地上にある時や低空飛行時においては、外気温度が高く、空気の水分含有量が多いため、膨張タービン5での膨張時に空気中の水分が凝縮して霧状の水滴が発生する。そのため、膨張タービン5の下流に水分捕捉のためのウォータセパレータ7が配置される。そのウォータセパレータ7を通過した冷気が航空機のコックピット空間を含むキャビン8内に供給されることで冷房が行われる。なお、航空機が地上にあってエンジンが停止している際は、エンジン1に代えて高圧空気供給ユニットからの抽出空気を空気調和装置に供給することが可能とされている。
【0018】
高々度等において暖房を行うため、エンジン1からの抽出空気を、上記コンプレッサ3と膨張タービン5により構成されるエアサイクル式冷却装置を通ることなく、キャビン8に導くための補助空気流路としてバイパス空気流路11が設けられている。そのバイパス空気流路11はホットエアモジュレートバルブ12により開閉される。そのホットエアモジュレートバルブ12はコントローラ25からの信号により開度調整可能とされ、バイパス空気流路11を流れる空気流量が調整可能とされている。抽出空気の一部は、そのホットエアモジュレートバルブ12を開くことで、コンプレッサ3と膨張タービン5とから成されるエアサイクル式冷却装置で冷却されることなく、ウォータセパレータ7の下流に配置されたミキシングダクト13に導かれる。そのミキシングダクト13において、エアサイクル式冷却装置により冷却された抽出空気と冷却されていない抽出空気とが混合される。よって、ホットエアモジュレートバルブ12の開度を調整することで適度な温度の空気が得られる。その適度な温度の空気がキャビン8内に供給されることで暖房を行うことができる。なお、高々度を巡航する際にはラム空気路9は絞られているため、プリクーラ2やメインクーラ4においてエンジン1からの抽出空気は過剰に冷却されることがなく、ある程度高温に維持される。そのキャビン8内の空気は、空気調和装置からの供給分から機体からの漏れ分や機内圧力を調整するバルブ(図示せず)から放出される分を差し引いたものに相当する量だけ、流出空気流路40から流出される。
【0019】
そのバイパス空気流路11と流出空気流路40に、第1吸着部23と第2吸着部24とが空気流路切替機構50を介して接続される。各吸着部23、24は、容器23a、24aに充填された吸着剤23b、24bを備える。各吸着剤23b、24bは、空気に含まれる分子を吸着し、また、吸着時よりも温度が上昇することで吸着した分子を放出する。例えば、各吸着剤23b、24bはシリカゲルのような水分子吸着物質や、ゼオライトのような酸素分子吸着物質から構成できる。
【0020】
その空気流路切替機構50により、各吸着部23、24はバイパス空気流路11に接続される状態と、流出空気流路40に接続される状態とに切替え可能とされている。本比較例においては、バイパス空気流路11を流れる抽出空気が第1吸着部23と第2吸着部24とを交互に通過するように、そのバイパス空気流路11を第1吸着部23と第2吸着部24とに交互に接続する。また、流出空気流路40を流れる空気が第1吸着部23と第2吸着部24とを交互に通過するように、その流出空気流路40を第1吸着部23と第2吸着部24とに交互に接続する。本比較例の空気流路切替機構50は第1切替えバルブ21と第2切替えバルブ22とを有する。
その第1切替えバルブ21は、図中破線で示す第1状態と図中実線で示す第2状態とに切替えられる。その第1状態では、エンジン1からバイパス空気流路11に導かれた空気を第1吸着部23に導くと共に、第2吸着部24から流出する空気を機外空間14に導く。その第2状態では、エンジン1からバイパス空気流路11に導かれた空気を第2吸着部24に導くと共に、第1吸着部23から流出する空気を機外空間14に導く。
その第2切替えバルブ22は、図中破線で示す第1状態と図中実線で示す第2状態とに切替えられる。その第1状態では、第1吸着部23から流出する空気をミキシングダクト13を介してキャビン8に導くと共に、キャビン8から流出空気流路40に導かれた空気を第2吸着部24に導く。その第2状態では、第2吸着部24から流出する空気をミキシングダクト13を介してキャビン8に導くと共に、キャビン8から流出空気流路40に導かれた空気を第1吸着部23に導く。
【0021】
その空気流路切替機構50は航空機に搭載されるコントローラ25により制御される。その制御により、各吸着部23、24は、バイパス空気流路11に接続される状態と流出空気流路40に接続される状態とに切替えられる。すなわち、両切替えバルブ21、22は、コントローラ25から内蔵タイマー等により設定された設定時間毎に送られる切替信号により、第1状態と第2状態とに切替えられる。この際、第1切替えバルブ21が第1状態では第2切替えバルブ22が第1状態とされ、第1切替えバルブ21が第2状態では第2切替えバルブ22が第2状態とされる。すなわち、そのバイパス空気流路11を流れる抽出空気が両吸着部23、24の中の一方を通過する時は、その流出空気流路40を流れる空気が両吸着部23、24の中の他方を通過し、そのバイパス空気流路11を流れる抽出空気が両吸着部23、24の中の他方を通過する時は、その流出空気流路40を流れる空気が両吸着部23、24の中の一方を通過するように、その空気流路切替機構50は制御される。
【0022】
これにより、そのホットエアモジュレートバルブ12を開くことでバイパス空気流路11に導かれる抽出空気は、第1切替えバルブ21を介して両吸着部23、24の中の何れか一方に導かれた後に、第2切替えバルブ22からミキシングダクト13を介してキャビン8内に供給される。一方、そのキャビン8から流出空気流路40に流出される空気は、第2切替えバルブ22から両吸着部23、24の中の何れか一方に導かれた後に、減圧弁10を通って機外空間14とほぼ同じ圧力となり最終的には機外空間14に放出される。
【0023】
そのエンジン1からプリクーラ2を介してバイパス空気流路11に導かれる抽出空気の温度は100℃〜140℃であり、一方、キャビン8から流出空気流路40に導かれる空気の温度は20℃〜30℃である。これにより、キャビン8から流出される空気が流れる時は低温になるので、吸着剤23b、24bはキャビン8から流出される空気に含まれる分子を吸収する。エンジン1からの抽出空気が流れる時は高温になるので、吸着剤23b、24bはキャビン8から流出される空気から吸収した分子を抽出空気中に放出することで再生される。例えば、各吸着剤23b、24bがシリカゲルである場合、20℃ではシリカゲル1.0kgに0.25kg以上の水分子を吸着できるが、100℃ではシリカゲル1.0kgに0.02kg以下の水分子しか吸着できない。これにより、キャビン8から流出される空気中の水分子を、吸着剤23b、24bにより吸着し、エンジン1からの抽出空気中に放出することでキャビン8に戻してキャビン8の快適性を向上する。しかも、吸着剤23b、24bは再度利用できるように再生される。また、各吸着部23、24を水分子を吸着する吸着剤と酸素分子を吸着する吸着剤の双方により構成することで、水分と酸素の両方を吸着できるので、キャビン8の快適性をより向上できる。この場合、そのシリカゲルと酸素分子吸着物質として機能するゼオライトは交互に層状に配置するのが好ましい。
【0024】
また、吸着剤23b、24bとして酸素分子吸着物質を用いる場合、キャビン8から流出し吸着部23、24を通って流出される空気の酸素濃度は低下する。よって、その酸素濃度の低下した空気を、図において破線で示す燃料タンク内部や燃料配管領域等の燃料周囲領域15に導くことで燃料火災を防ぐことができる。
【0025】
上記比較例によれば、キャビン8から流出された空気中に含まれる有効成分となる分子を、エンジン1からの抽出空気によって再びキャビン8内に戻すことができる。また、各吸着剤23b、24bは再び空気中の分子を吸着できるように再生される。その吸着剤23b、24bが水分子を吸着および放出することで、キャビン8内の湿度を維持するのに寄与できる。その吸着剤23b、24bが酸素分子を吸着および放出することで、キャビン8内の酸素濃度を維持するのに寄与できる。しかも、吸着部23、24と空気流路切替機構50とを付加するという簡単な構成でキャビン8内空気の再生ができるので、本発明は小型の航空機にも容易に適用できる。そのバイパス空気流路11を流れる空気流量が調整可能とされているので、エアサイクル式冷却装置により冷却してキャビン8内に導入する空気量と冷却することなくキャビン8内に導入する空気量との比を調整することで、キャビン8内の温度を適正に維持できる。さらに、一つの吸着部がバイパス空気流路11に接続されている時、別の吸着部が流出空気流路40に接続されるので、効率良く吸着部23、24による空気中の分子の吸着と放出とを行うことができる。
【0026】
図2は別の比較例に係る航空機用空気調和装置を示す。上記比較例と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
この比較例においては、流出空気流路40における空気流路切替機構50の下流に、モータ18で駆動されるコンプレッサ17が配置され、このコンプレッサ17の下流に空気分離部16が配置されている。その空気分離部16は、多数の中空糸が組込まれた選択透過膜16aをチャンバ16bにより覆うことで構成されている。すなわち選択透過膜16aは、キャビン8から流出される空気が吸着部23、24を通過した後に流れる空気流路に設けられている。また、吸着部23、24の吸着剤23b、24bは少なくとも水分子を吸着可能とされている。本比較例では、その選択透過膜16aは、空気中の窒素(N2 )、二酸化炭素(CO2 )の透過率が酸素(O2 )の透過率よりも高くされている。吸着部23、24から流出した空気は、コンプレッサ17により選択透過膜16aにおける窒素透過に適した圧力に昇圧される。これにより、その選択透過膜16aを透過した窒素富化ガス(本比較例ではN2 =92%以上)が燃料周囲領域15に供給され、必要以上に供給された分は放出路を通って機外空間14に放出される。その選択透過膜16aを透過しなかった空気の酸素分圧は大きくなる。この酸素分圧の大きな酸素濃縮空気は、その空気分離部16とキャビン8とを連絡する再生空気流路19によりキャビン8に再度導かれる。他は上記比較例と同様とされている。
【0027】
上記別の比較例においては、選択透過膜16aにより分離する窒素富化ガスにより燃料火災の発生を防止でき、酸素濃縮空気によりキャビン8内の酸素濃度を高めに設定できる。そのため、キャビン内気圧を低めに設定しても酸素の分圧は地上程度に確保され、乗客が息苦しさを感じないレベルに維持するのに寄与できる。また、吸着剤23b、24bは少なくとも水分子を吸着可能とされ、キャビン8から流出される空気が吸着部23、24を通過した後に流れる空気流路に選択透過膜16aを設けている。これにより、キャビン8から流出された空気を酸素濃縮空気として再びキャビン8内に送り込むことができる。よって、エンジン1からの抽出空気量を増大させることなく、キャビン8内の圧力を制御するのに必要な空気量を確保することができる。しかも、選択透過膜16aに導入される空気からはキャビン8において水分が除去されているので、その選択透過膜16aを通過して機外に放出される水分を低減し、キャビン8内の湿度を維持できる。また、選択透過膜16aに導かれる空気を圧縮することで、効率良く窒素富化ガスを得ることができる。
【0028】
図3〜図6は本発明の第1実施形態の航空機用空気調和装置を示す。上記比較例と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。図3は航空機が地上にある時の状態、図4は離陸後の上昇時の状態を、図5は高々度での巡航時の状態、図6は降下時の状態を示す。
【0029】
本実施形態の航空機用空気調和装置は、エンジン1からの抽出空気を、プリクーラ2と呼ばれる熱交換器により冷却し、流量制御バルブ39で流量調整した後、ラジアルコンプレッサ3でほぼ断熱的に圧縮する。その流量制御バルブ39はコントローラ25からの信号により開度調整可能とされている。これにより昇温された空気をメインクーラ4と呼ばれる熱交換器により冷却した後、再生熱交換機4aで冷却し、水分捕捉のためにウォータセパレータ7に導く。そのウォータセパレータ7に導かれた抽出空気は開閉バルブ41と空気分離部16に導かれる。その開閉バルブ41はコントローラ25からの信号により開度調整される。その空気分離部16で選択透過膜16aを通過せずに残った空気と、その開閉バルブ41から流出する空気は膨張タービン5でほぼ断熱的に膨張され、これにより冷気が得られる。その冷気は再生熱交換機4aを介して航空機のコックピット空間を含むキャビン8に導入される。そのプリクーラ2およびメインクーラ4においては、ラム空気路9を通る機外空気により冷却が行われる。その膨張タービン5の膨張仕事は、シャフト6を介してコンプレッサ3に伝えられることで、圧縮動力として利用される。そのコンプレッサ3とタービン5を結ぶシャフト6には、コンプレッサ3の駆動に必要な動力を補助するためのモータ6aが取り付けられている。航空機が降下する際はエンジン1からの抽出空気圧が低いので、モータ6aによる動力アシストによって、空気分離部16にとっては適正となる圧力にまで昇圧することが可能となる。
なお、航空機が地上にあってエンジンが停止している際は、エンジン1に代えてAPUなどの高圧空気供給ユニットからの抽出空気を空気調和装置に供給することが可能とされている。
【0030】
エンジン1からの抽出空気を上記エアサイクル式冷却装置を通ることなくキャビン8に導くためのバイパス空気流路11が設けられている。そのバイパス空気流路11はホットエアモジュレートバルブ12により開閉される。そのホットエアモジュレートバルブ12はコントローラ25からの信号により開度調整可能とされている。これにより、バイパス空気流路11を流れる空気流量が調整可能とされている。抽出空気の一部は、そのホットエアモジュレートバルブ12を開くことで、コンプレッサ3と膨張タービン5とから構成されるエアサイクル式冷却装置で冷却されることなく、バイパス空気流路11に導かれる。そのキャビン8内の空気は、空気調和装置からの供給分から機体の漏れや機外への空気流路からの放出分を差し引いた分に相当する量だけ流出空気流路40に流出され、その流出空気流路40においてフィルター42により埃や匂いが除去される。
【0031】
そのバイパス空気流路11と流出空気流路40に、第1吸着部23と第2吸着部24とが空気流路切替機構50を介して接続される。本実施形態の空気流路切替機構50は第1切替えバルブ21と第2切替えバルブ22とを有する。各吸着部23、24は、容器23a、24aに充填された吸着剤23b、24bを備える。各吸着剤23b、24bは、空気に含まれる分子を吸着し、また、吸着時よりも温度が上昇することで吸着した分子を放出する。本実施形態では、その吸着剤23b、24bとして水分子吸着物質が用いられ、例えばシリカゲルから構成できる。
【0032】
その空気流路切替機構50により、各吸着部23、24はバイパス空気流路11に接続される状態と、流出空気流路40に接続される状態とに切替え可能とされている。本実施形態においては、バイパス空気流路11を流れる抽出空気が第1吸着部23と第2吸着部24とを交互に通過するように、そのバイパス空気流路11を第1吸着部23と第2吸着部24とに交互に接続する。また、流出空気流路40を流れる空気が第1吸着部23と第2吸着部24とを交互に通過するように、その流出空気流路40を第1吸着部23と第2吸着部24とに交互に接続する。
その第1切替えバルブ21は、図中破線で示す第1状態と図中実線で示す第2状態とに切替えられる。その第1状態では、エンジン1からバイパス空気流路11に導かれた空気を第1吸着部23に導くと共に、第2吸着部24から流出する空気を混合前コンプレッサ17に導く。その第2状態では、エンジン1からバイパス空気流路11に導かれた空気を第2吸着部24に導くと共に、第1吸着部23から流出する空気を混合前コンプレッサ17に導く。
その第2切替えバルブ22は、図中破線で示す第1状態と図中実線で示す第2状態とに切替えられる。その第1状態では、第1吸着部23から流出する空気を第3切替えバルブ27に導くと共に、キャビン8から流出する空気を第2吸着部24に導く。その第2状態では、第2吸着部24から流出する空気を第3切替えバルブ27に導くと共に、キャビン8から流出する空気を第1吸着部23に導く。
【0033】
その空気流路切替機構50は航空機に搭載されるコントローラ25により制御される。その制御により、各吸着部23、24は、バイパス空気流路11に接続される状態と流出空気流路40に接続される状態とに切替えられる。すなわち、両切替えバルブ21、22は、コントローラ25から内蔵タイマー等により設定された設定時間毎に送られる切替信号により、第1状態と第2状態とに切替えられる。この際、第1切替えバルブ21が第1状態では第2切替えバルブ22が第1状態とされ、第1切替えバルブ21が第2状態では第2切替えバルブ22が第2状態とされる。すなわち、そのバイパス空気流路11を流れる抽出空気が両吸着部23、24の中の一方を通過する時は、その流出空気流路40を流れる空気が両吸着部23、24の中の他方を通過し、そのバイパス空気流路11を流れる抽出空気が両吸着部23、24の中の他方を通過する時は、その流出空気流路40を流れる空気が両吸着部23、24の中の一方を通過するように、その空気流路切替機構50は制御される。
【0034】
これにより、そのホットエアモジュレートバルブ12を開くことでバイパス空気流路11に導かれる抽出空気は、第1切替えバルブ21を介して両吸着部23、24の中の何れか一方に導かれた後に、第2切替えバルブ22に導かれる。その吸着部23、24から第2切替えバルブ22に導かれた空気は第3切替えバルブ27に導かれる。その第3切替えバルブ27は、そこに導かれた空気を機外空間14に放出する状態と、キャビン8に導く状態とにコントローラ25からの信号により空気流路を切替え可能である。
【0035】
そのキャビン8から流出空気流路40に流出される空気は、第2切替えバルブ22から両吸着部23、24の中の何れか一方に導かれる。しかる後に、モータ18で駆動される混合前コンプレッサ17に導かれる。その混合前コンプレッサ17により昇圧された空気は、ベーパサイクル式熱交換ユニット30のエバポレータ35において冷却された後に、第4切替えバルブ36に導かれる。その第4切替えバルブ36は、コントローラ25からの信号により、導かれた空気をキャビン8に導く状態と、エアサイクル式冷却装置に導く状態とに空気流路を切替え可能である。その熱交換ユニット30は、HFC134aなどの冷媒を用いた冷却サイクルにより構成される。すなわち、その冷媒は、モータ31により駆動されるコンプレッサ32によって圧縮され、コンデンサ33においてラム空気路9を通る機外空気に熱を放出することで凝縮される。その凝縮された冷媒は膨張弁34において減圧されることで温度が低下する。その低温になった冷媒は、エバポレータ35において上記のように空気から熱を吸収することで蒸発する。
【0036】
そのキャビン8から流出空気流路40を介して流出する空気が第4切替えバルブ36を介して再びキャビン8に戻されることでリサキュレーション空気流路が構成される。第4切替えバルブ36は、キャビン8から流出する空気を直接キャビン8に戻す場合とエアサイクル式冷却装置を通過して戻す場合との切り換えを行う。これにより、そのキャビン8から流出する空気は再びキャビンに戻る循環空気となる。そのキャビン8から流出して再びキャビン8に戻る循環空気と、エンジン1からの抽出空気とが混合されるように、その循環空気の空気流路と抽出空気の空気流路とが接続される。本実施形態では、その第4切替えバルブ36を介してエアサイクル式冷却装置に導かれる循環空気は、流量制御バルブ39を介して供給される抽出空気と混合される。その混合された循環空気と抽出空気とが、エアサイクル式冷却装置のコンプレッサ3でほぼ断熱的に圧縮された後に、上記空気分離部16に導入される。
【0037】
そのエンジン1からプリクーラ2を介してバイパス空気流路11に導かれる抽出空気の温度は100℃〜140℃であり、一方、キャビン8から流出空気流路40に導かれる空気の温度は20℃〜30℃である。これにより、キャビン8から流出される空気が流れる時は低温になるので、吸着剤23b、24bはキャビン8から流出される空気に含まれる有効成分(ここでは水分子)を吸収する。エンジン1からの抽出空気が流れる時は高温になるので、吸着剤23b、24bはキャビン8から流出される空気から吸収した水分子を抽出空気中に放出することで再生する。例えば、各吸着剤23b、24bがシリカゲルである場合、20℃ではシリカゲル1.0kgに0.25kg以上の水分子を吸着できるが、100℃ではシリカゲル1.0kgに0.02kg以下の水分子しか吸着できない。これにより、キャビン8から流出される空気中の水分子を、吸着剤23b、24bにより吸着し、エンジン1からの抽出空気中に放出することで、キャビン8に戻してキャビン8の快適性を向上する。しかも、吸着剤23b、24bは再度利用できるように再生できる。各吸着剤23b、24bを水分子を吸着する吸着剤と酸素分子を吸着する吸着剤の双方により構成すれば、水分と酸素の両方を吸着できるので、キャビン8の快適性をより向上できる。この場合、そのシリカゲルと酸素分子吸着物質として機能するゼオライトは交互に層状に配置するのが好ましい。
【0038】
上記空気分離部16は、本実施形態では処理能力が大きく大型航空機に適したものとされている。その空気分離部16は多数の細管状の選択透過膜16aを束ねてチャンバ16bにより覆うことで構成され、窒素富化ガスと酸素濃縮空気とを生成する。そのため、その選択透過膜16aは、空気中の窒素(N2 )、二酸化炭素(CO2 )の透過率が酸素(O2 )の透過率よりも高くされている。これにより、再生熱交換機4aで冷却され、ウォータセパレータ7を通過した抽出空気を、選択透過膜16aを透過して窒素富化ガス(本実施形態ではN2 =92%以上)とすることができる。その窒素富化ガスは燃料タンク内部や燃料配管領域等の燃料周囲領域15に導かれた後に、放出路を通って機外空間14に放出される。その選択透過膜16aを透過しなかった空気の酸素濃度は上がる。この酸素が濃縮された酸素濃縮空気は膨張タービン5に導かれる。上記開閉バルブ41はコントローラ25からの信号により開度調整可能とされ、選択透過膜16aを通過する空気流量が調整可能とされている。なお、選択透過膜16aの外側は、燃料周囲領域15におけると同様ほぼ機外圧力となっている。
【0039】
図3に示す地上での冷房状態においては、流量制御バルブ39を開状態にすることで、コンプレッサ3と膨張タービン5とから構成されるエアサイクル式冷却装置をフルに作動することができる。
この場合、開閉バルブ41は必要に応じて開度を選択すればよい。すなわち、開閉バルブ41を全開とすることで、空気分離部16に空気を導入しないようにできる。これにより、地上において燃料が積み込まれることで燃料タンクの内部における空洞容積が小さくなり、地上走行(タキシング)を含めても燃料消費が僅かであり、気圧の変化がないことにより、燃料周囲領域15への窒素富化ガスの追加供給が不要な場合に対応できる。
あるいは、開閉バルブ41を閉じることで、空気分離部16に空気を導入することができる。これにより、航空機が地上で待機している間に燃料タンクから蒸発する燃料ガスを、空気分離部16から供給する窒素富化ガスにより希釈して安全性を向上することが可能になる。
また、地上が高温多湿である場合、開閉バルブ41を閉じることで、選択透過膜16aは水分透過率が高いことから空気中の水分を機外に放出することができる。これにより、膨張タービン5に導入される空気中の水分が減少し、凝縮熱の発生が低減されるので、冷却能力を向上すると共にキャビン8内の湿度を低減することが可能になる。
また、高温多湿の地上での冷房状態において、ホットエアモジュレートバルブ12を多少開くことで、各吸着剤23b、24bの再生を行うことができる。その再生に用いられた水分を多く含んだ空気は、第3切替えバルブ27を介して機外空間14に放出される。これにより、地上での冷房時は、キャビン8内の水分を吸着部23、24において補足して放出するので、キャビン8内の湿度上昇を抑制して快適性を向上でき、さらに、熱交換ユニット30のエバポレータ35での結露を防止して冷房能力の低下を阻止できる。このため、熱交換ユニット30もフル作動が可能であり、エアサイクル式冷却装置と併せて、キャビン8の冷房能力を大きくできる。また、キャビン8から流出されて吸着部23、24から流出する水分除去された空気は、第4切替えバルブ36からキャビン8に還流される。
【0040】
図4に示す機体が離陸し上昇する状態においては、エンジン1の出力が上がるために抽出空気の圧力が高くなる。このため、エアサイクル式冷却装置におけるタービン5での膨張比が大きくなり、より低温の空気が供給される。この場合、エアサイクル式冷却装置から供給される空気によりキャビン8内の温度が過剰に低下するのを防止する必要がある。また、航空機の上昇状態においては外気の温度と水蒸気量とが急激に低下するため、キャビン8内の湿度が過剰に低下するのを防止する必要がある。そのため、吸着部23、24において再生された暖かく水分を含む抽出空気が、第3切替えバルブ27を介してキャビン8に供給される。また、熱交換ユニット30を航空機の上昇中の状態に応じて機能させることで、キャビン8から流出されて吸着部23、24から流出する水分除去された空気は、切替えバルブ36からキャビン8に還流され、キャビン8は適切な温度、湿度に維持される。
また、上昇状態においては、開閉バルブ41の開度を次第に絞ることで、空気分離部16に供給される空気を次第に増加させる。これにより、燃料消費に応じた量の窒素富化ガスが空気分離部16から燃料周囲領域15に供給される。さらに抽出空気の供給圧が高いため、膨張タービン5の膨張エネルギの方がコンプレッサ3の圧縮仕事よりも著しく大きい場合は、モータ6aを発電機として機能させエネルギ回収をすることも考えられる。
【0041】
図5に示す高々度での巡航時の状態においては、キャビン8から流出されて吸着部23、24から流出する水分除去された空気は、混合前コンプレッサ17で昇圧された上切替えバルブ36からコンプレッサ3に導かれる。これにより、上昇終了後にエンジン1の出力が絞られることで抽出空気量を減少させても、エアサイクル式冷却装置および空気分離部16に導入される空気量を確保できる。この時、開閉バルブ41がかなり絞られる。空気分離部16において酸素が濃縮された空気が膨張タービン5に導入される。さらに、吸着部23、24において加湿された空気が第3切替えバルブ27からキャビン8に導入される。これにより、キャビン8に導入される空気量を確保し、キャビン8内の酸素分圧低下を防止し、さらに湿度を維持することで快適性を維持できる。また、空気分離部16からは窒素富化ガスが燃料周囲領域15に供給される。
なお、高々度で巡航する際は機外空気は低温となるため、熱交換器2、4に流入する機外空気を絞る弁や、機外空気が熱交換器2、4をバイパスするためのバイパス流路と流路切替え弁をラム空気路に設けるのが好ましい。
【0042】
図6に示す機体が降下する状態においては、燃料タンクの内部における空洞容積は燃料が消費された結果大きくなっており、また、降下による気圧上昇があることから、燃料周囲領域15へ窒素富化ガスを大量供給する必要がある。一方、エンジン1の出力は降下時は極端に絞られるため、エアサイクル式冷却装置に供給される抽出空気圧力が低く、抽気量確保が難しくなる。そこで、キャビン8から流出される空気を切替えバルブ36からコンプレッサ3に導くことで循環空気量を増やし、エアサイクル式冷却装置における抽出空気量の低下を補う。また、開閉バルブ41が全閉とされ、空気分離部16からは窒素富化ガスが燃料周囲領域15に供給される。さらに、吸着部23、24において加湿された空気も第3切替えバルブ27からキャビン8に導入され、キャビン8への空気供給量の低下を防止する。この場合、キャビン8における暖房が過剰にならないように、熱交換ユニット30を作動させ、キャビン8の温度を調整する。
【0043】
上記第1実施形態によれば、キャビン8から流出された空気中に含まれる必要な成分分子を再びキャビン8内に戻すことができる。また、各吸着剤23b、24bは再び空気中の分子を吸着できるように再生される。その吸着剤23b、24bが水分子を吸着および放出することで、キャビン8内の湿度を維持するのに寄与できる。その吸着剤23b、24bが酸素分子を吸着および放出する場合には、キャビン8内の酸素濃度を維持するのに寄与できる。しかも、吸着部23、24と空気流路切替機構50とを付加するという簡単な構成でキャビン8内空気の再生ができる。そのバイパス空気流路11を流れる空気流量が調整可能とされているので、エアサイクル式冷却装置により冷却してキャビン8内に導入する空気量と、冷却することなくキャビン8内に導入する空気量との比を調整し、キャビン8内の温度を適正に維持できる。
また、選択透過膜16aにより分離する窒素富化ガスにより燃料火災の発生を防止でき、酸素濃縮空気によりキャビン8内の酸素濃度を維持する(すなわち、機内が地上よりも低い気圧となっても、酸素分圧は地上でのレベルを維持する)のに寄与できる。そのキャビン8から流出空気流路40を介して流出される空気は、吸着剤23b、24bにより少なくとも水分子を吸着され、吸着部23、24を通過した後に混合前コンプレッサ17により圧縮され、さらにコンプレッサ3で昇圧された後に、空気分離部16の選択透過膜16aに供給される。これにより、キャビン8から流出された空気を酸素濃縮空気として再びキャビン8内に送り込むことができ、エンジン1からの抽出空気量を増大させることなく、キャビン8内の圧力を制御するのに必要な空気量を確保することができる。また、選択透過膜16aに導かれる空気を圧縮することで、効率良く窒素富化ガスを得ることができる。さらに、航空機の飛行状態に応じてエンジン1からの抽出空気量や外気の温度、湿度、酸素濃度、圧力が変化した場合に、キャビン8内の温度、湿度、酸素濃度、圧力を最適に維持することができ、さらに吸着剤23b、24bから放出された水分を含む抽出空気を湿度が過剰になる場合には機外空間14に放出することでエアサイクル式冷却装置の結露を防止することも可能になる。
【0044】
上記第1実施形態によれば、空気分離部16により窒素を分離した残りの酸素濃縮空気はキャビン8に戻されることで有効利用される。また、エアサイクル式冷却装置と空気分離部16の両者が機能する場合において、エンジン1からの抽出空気量の増加を抑制してエンジン1の負荷を低減できる。そのエアサイクル式冷却装置のコンプレッサ3を利用して、混合された循環空気と抽出空気の圧力を、空気分離部16の選択透過膜16aにより空気成分を分離する上で必要な圧力まで昇圧できる。また、混合前コンプレッサ17により抽出空気との混合前に循環空気を抽出空気圧力と同程度に加圧し、循環空気が逆流するのを防止して混合を円滑に行うことができる。その酸素濃縮空気は膨張タービン5により膨張され、その膨張タービン5の出力がコンプレッサ3を駆動するための動力として用いられる。よって、膨張タービン5の膨張仕事を有効利用することができる。そのコンプレッサ3と混合前コンプレッサ17は、駆動に必要な動力をモータ6a、18から供給されるので、その冷却装置のコンプレッサ3の圧縮仕事と混合前コンプレッサ17の圧縮仕事の合計と、膨張タービン5の膨張仕事との差を、そのモータ6a、18の動力により補うことができる。さらに、循環空気をベーパサイクル式熱交換ユニット30により冷却することで、キャビン8に供給される空気温度を適切に調整することができる。
【0045】
図7は吸着部および空気流路切替機構の変形例を示す。この変形例においては、回転ドラム80の内部に、その回転軸方向に延びる多数の吸着部83がハニカム状に設けられ、各吸着部83内にシリカゲル等の吸着剤が充填されている。その回転ドラム80の両端面にセパレータ81が相対回転可能にシール部材(図示省略)を介して接合されている。各セパレータ81は、外輪81aと内輪81bとを2本のアーム81cにより接続することで構成され、航空機の機体側に固定される。各セパレータ81の内輪81bにより、回転ドラム80の中心シャフト80aが軸受(図示省略)を介して回転可能に支持される。その中心シャフト80aにモータ82が接続され、そのモータ82がコントローラ25からの信号により駆動されることで回転ドラム80は回転する。各セパレータ81における外輪81aと内輪81bとの間は、2本のアーム81cにより2つの領域81d、81eに区画されている。各セパレータ81における一方の領域81dは配管継手84を介してバイパス空気流路11に接続され、他方の領域81eは配管継手85を介して流出空気流路40に接続される。これにより、その回転ドラム80の回転により、各吸着部83をバイパス空気流路11に接続する状態と流出空気流路40に接続する状態とに切替える空気流路切替機構が構成されている。他は上記実施形態と同様とされる。
【0046】
図8は本発明の第2実施形態の航空機用空気調和装置を示す。上記第1実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
本第2実施形態においては、補助空気流路として第1実施形態におけるバイパス空気流路11に代えて循環空気流路92が設けられている。また、第1実施形態における各吸着部23、24および空気流路切替機構50に代えて、図7の変形例に示す吸着部83と回転ドラム80を用いた空気流路切替機構が用いられている。さらに、ベーパサイクル式熱交換ユニット30は用いられていない。
【0047】
すなわち、その循環空気流路92は、キャビン8から流出する空気を再びキャビン8に導くため、その一端92aはフィルター42の下流において流出空気流路40に接続され、他端92bは主空気流路90と共にキャビン8に接続されている。また循環空気流路92の途中には、空気を流すためのファン92cが設けられている。
【0048】
その回転ドラム80の各端面に接合されたセパレータ81における一方の領域81dは循環空気流路92に接続され、他方の領域81eは流出空気流路40に接続される。これにより、その回転ドラム80の回転により、その回転ドラム80内の吸着部83を循環空気流路92に接続する状態と流出空気流路40に接続する状態とに切替える空気流路切替機構が構成されている。
【0049】
その空気流路切替機構におけるモータ82がコントローラ25により制御されることで回転ドラム80は回転する。その回転ドラム80の回転により、各吸着部83は、循環空気流路92に接続される状態と流出空気流路40に接続される状態とに切替えられる。各吸着部83が循環空気流路92に接続される時、その循環空気流路92にキャビン8から導かれた空気は吸着部83に導かれ、その吸着部83を通過した後に第3切替えバルブ27に導かれる。各吸着部83が流出空気流路40に接続される時、その流出空気流路40を介してキャビン8から流出する空気は吸着部83に導かれ、その吸着部83を通過した後に混合前コンプレッサ17に導かれる。これにより、その混合前コンプレッサ17は、キャビン8から流出空気流路40を介して流出される空気を、吸着部83の下流において圧縮する圧縮手段を構成する。その混合前コンプレッサ17の下流に、その混合前コンプレッサ17により圧縮された空気と循環空気流路92を流れる空気との間で熱交換を行う熱交換器35aが設けられている。その循環空気流路92を流れる空気は、その熱交換器35aにより、その吸着部83に充填されている吸着剤を通過する前に加熱される。そのキャビン8から流出空気流路40を介して流出される空気は、熱交換器35aにおいて冷却された後に第4切替えバルブ36に導かれる。他は第1実施形態と同様の構成とされている。
【0050】
上記第2実施形態によれば、キャビン8から循環空気流路92を介して流出する空気は、混合前コンプレッサ17により圧縮された空気により加熱され、その加熱された空気が吸着部83の吸着剤を通過する。よって、吸着剤を再生するためにエンジン抽気を消費する必要がなく、エンジン負荷の増大を防止できる。また、選択透過膜16aに導かれる空気を混合前コンプレッサ17により圧縮することで、エンジン1からの抽出空気圧と同等の圧力が得られ、効率の良い混合が可能となる。その圧縮された空気をキャビン8から循環空気流路92を介して流出する空気により冷却することで、圧縮後の空気温度をかなり低下させることができ、混合までの間に再冷却が必要となった場合でも、その冷却装置を小さくすることができる。窒素富化ガスが大量に必要な場合、吸着部83の吸着剤により水分吸着される空気量が増大するので吸着剤を再生するのに必要な空気が増大する。この場合、選択透過膜16aに導かれる前に圧縮される空気も増大するので、キャビン8から循環空気流路92を介して流出する空気を加熱する熱量を増大させることができる。その加熱された空気により吸着剤を再生するのに必要な高温空気を確保できる。すなわち、空気の流量バランスの良いシステムを得ることができる。他は第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0051】
図9は本発明の第3実施形態の航空機用空気調和装置を示す。上記第2実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
本第3実施形態においては、第2実施形態における吸着部83と回転ドラム80を用いた空気流路切替機構に代えて、第1実施形態における吸着部23、24および切替えバルブ21、22を用いた空気流路切替機構50が用いられている。他は第2実施形態と同様とされている。なお、この第3実施形態において、エンジン1からの抽出空気をプリクーラ2を介してキャビン8に導く温度調節用配管を設け、その温度調節用配管途中に介在させる弁の開度調節によりキャビン8内の温度調節を可能としてもよい。また、その温度調節用配管と、主空気流路90と、第3切替えバルブ27および第4切替えバルブ36を介してキャビン8に導入される空気とを、そのキャビン8への導入前に混合するミキシングチャンバを設けてもよい。これにより、そのミキシングチャンバにおいて混合される空気の温度、湿度を適正なものにできる。さらに、そのミキシングチャンバにキャビン8内の空気をファンを内蔵する配管により導き、そのミキシングチャンバにおいて混合される空気の温度、湿度をより適正なものにしてもよい。また、熱交換器35aから第4切替えバルブ36へ流れる空気をラム空気によりさらに冷却する放熱器を設けてもよい。
【0052】
図10は本発明の第4実施形態の航空機用空気調和装置を示し、第1実施形態と同様部分は同一符号で示して相違点を説明する。この第4実施形態においては、航空機が地上にあってエンジンが停止している際は、エンジン1に代えてAPUなどの高圧空気供給ユニット1′からの抽出空気を空気調和装置に供給する。タービン5から流出する冷気は、再生熱交換機4aからミキシングチャンバ13を介して航空機のコックピット空間を含むキャビン8に導入される。エンジン1からの抽出空気の一部は、ホットエアモジュレートバルブ12を開くことで、バイパス空気流路11からミキシングチャンバ13を介してキャビン8に導かれる。
【0053】
キャビン8から流出空気流路40に流出された空気の一部は、ファンF1を介してミキシングチャンバ13に導かれる。流出空気流路40から分岐する補助空気流路71が再生熱交換機72に接続されている。キャビン8から流出空気流路40を介して流出した空気の一部は、ファンF2により補助空気流路71に導かれた後に再生熱交換機72により加熱される。
【0054】
補助空気流路71と流出空気流路40とに、図7に示された吸着部83が空気流路切替機構50′を介して接続される。すなわち、各セパレータ81における一方の領域81dは配管継手84を介して補助空気流路71に接続され、他方の領域81eは配管継手85を介して流出空気流路40に接続される。これにより、回転ドラム80の回転により、各吸着部83それぞれを補助空気流路71に接続する状態と流出空気流路40に接続する状態とに切替える空気流路切替機構50′が構成されている。
【0055】
補助空気流路71から再生熱交換機72を介して吸着部83に導かれた空気は第3切替えバルブ27に導かれる。第3切替えバルブ27は、そこに導かれた空気を機外空間14に放出する状態と、ミキシングチャンバ13を介してキャビン8に導く状態とにコントローラ(図示省略)からの信号により空気流路を切替え可能である。流出空気流路40から吸着部83に導かれた空気はモータ18で駆動される混合前コンプレッサ17に導かれる。その混合前コンプレッサ17により昇圧された空気は、再生熱交換機72において補助空気流路71を流れる空気と熱交換され、第1実施形態の熱交換ユニット30に代わって機能する放熱器19においてラム空気路9を通る機外空気により冷却され、しかる後に第4切替えバルブ36に導かれる。第4切替えバルブ36は、コントローラからの信号により、導かれた空気をミキシングチャンバ13を介してキャビン8に導く状態と、エアサイクル式冷却装置に導く状態とに空気流路を切替え可能である。
【0056】
補助空気流路71を流れる空気の温度は再生熱交換機72により加熱されることで例えば100℃〜140℃になる。一方、キャビン8から流出空気流路40に導かれる空気の温度は例えば20℃〜30℃になる。これにより、キャビン8から流出空気流路40を介して導入される空気が流れる時は低温になるので、吸着部83の吸着剤はキャビン8から流出される空気に含まれる有効成分(ここでは水分子)を吸収する。一方、補助空気流路71を介して導入される空気が流れる時は高温になるので、吸着部83の吸着剤は流出空気流路40を介して導入される空気から吸収した水分子を補助空気流路71を介して導入される空気中に放出することで再生する。
【0057】
混合前コンプレッサ17の上流かつ吸着部83の下流において、流出空気流路40から第1放出空気流路94が分岐する。また、吸着部83の上流において流出空気流路40から第2放出空気流路95が分岐する。その第1放出空気流路94と第2放出空気流路95とに放出切替え機構を構成する放出切替えバルブ96が接続されている。その放出切替えバルブ96に放出機構を構成するアウトフローバルブ97が接続されている。その放出切替えバルブ96はコントローラからの信号により第1放出状態と第2放出状態との間で切替え可能とされている。放出切替えバルブ96は第1放出状態である時、第1放出空気流路94を通過した空気をアウトフローバルブ97に導くと共に、第2放出空気流路95からアウトフローバルブ97への空気の流れを遮る。放出切替えバルブ96は第2放出状態である時、第1放出空気流路94からアウトフローバルブ97への空気の流れを遮ると共に、第2放出空気流路95を通過した空気をアウトフローバルブ97に導く。このようにアウトフローバルブ97を空気調和装置に組込むことで、装置全体のユニット化に寄与できる。
【0058】
アウトフローバルブ97の開度はコントローラからの信号により変更される。コントローラは、例えば圧力センサにより検出したキャビン8の内圧と高度計により求めた機体の高度から、抽出空気供給量から空気の漏れ量と燃料周囲領域15への窒素富化ガス供給量を差し引いた適正な値を求め、その求めた値に基づきアウトフローバルブ97の開度を決定する。なお、その抽出空気供給量から空気の漏れ量と燃料周囲領域15への窒素富化ガス供給量を差し引いた値を流量センサを用いて直接に求めるようにしてもよい。
【0059】
その放出切替えバルブ96が第1放出状態である時、流出空気流路40を流れる空気の一部を吸着部83の通過後にアウトフローバルブ97により機外空間14に放出できる。これにより、キャビン8内の圧力を適正に維持するために空気を機外空間14に放出する前に、その空気に含まれる分子を吸着できるので、その空気に含まれる水や酸素等の分子を有効に再利用できる。例えば、キャビン8内の水蒸気もしくは酸素の濃度を目標値に維持することがさらに容易になるため、搭乗者の快適性を大幅に向上できる。特に、搭乗者が少ないためにキャビン8内での水蒸気発生が少ない場合における湿度低下防止に有効である。
また、流出空気流路40を流れる空気の一部を吸着部83の通過後にアウトフローバルブ97により機外空間14に放出する状態と、吸着部83を通過することなくアウトフローバルブ97により機外空間14に放出する状態との間で切り替えることができる。これにより、機内空気に含まれる分子を再利用する必要性が高い場合は機内空気を吸着部83の通過後に機外空間14に放出し、再利用する必要性が低い場合は機内空気を吸着部83を通過することなく機外空間14に放出できる。例えば、高々度を飛行中にあっては機内空気を吸着部83の通過後に機外空間14に放出し、高温多湿の地上等にあっては機内空気を吸着部83を通過させることなく機外空間に放出できる。すなわち地上等においては排出空気も余分な水蒸気を機外空間14に排出するのに貢献できる。さらに、吸着部83を再生することで水分を含んだ補助空気流路71の通過空気を、第3切替えバルブ27を介して機外空間14に排出できる。このような高温多湿の地上等における余分な水蒸気の機外空間14への排出によって、空気調和装置内での結露発生量を減らして冷却能力を高め、キャビン8内の湿度を快適な範囲に維持できる。
【0060】
図11、図12は第4実施形態の変形例に係る放出機構と放出切替え機構を示す。この変形例においては第1放出空気流路94は設けられない。混合前コンプレッサ17の上流かつ吸着部83の下流において、流出空気流路40の途中に放出切替えバルブ96が接続される。その放出切替えバルブ96に第2放出空気流路95とアウトフローバルブ97が接続されている。放出切替えバルブ96は図11に示す第1放出状態である時、流出空気流路40を流れる吸着部83を通過した空気の全部をアウトフローバルブ97に導くと共に、第2放出空気流路95を流れる空気を流出空気流路40を介して混合前コンプレッサ17に導く。放出切替えバルブ96は図12に示す第2放出状態である時、流出空気流路40を流れる吸着部83を通過した空気の全部を混合前コンプレッサ17に導くと共に、第2放出空気流路95を流れる空気をアウトフローバルブ97に導く。放出切替えバルブ96を高々度で第1放出状態にすることで、空気中の水分あるいは酸素を効果的に回収できる。また、放出切替えバルブ96を高温多湿の地上で第2放出状態にすることで余分な水蒸気を機外空間14に排出でき、さらに、吸着部83を再生することで水分を含んだ補助空気流路71の通過空気を第3切替えバルブ27を介して機外空間14に排出できる。これにより、余分な水蒸気を機外空間14に効果的に排出し、空気調和装置内での結露発生量を減らして冷却能力を高め、キャビン8内の湿度を快適な範囲に維持できる。
【0061】
図13〜図15は本発明の第5実施形態の航空機用空気調和装置を示し、第4実施形態と同様部分は同一符号で示して相違点を説明する。この第5実施形態においては、コンプレッサ3から膨張タービン5に空気を導くための常開の空気流路75′を備える。その空気流路75′を流れる空気の一部が、互いに並列に接続された複数の空気分離ユニットU′を構成する空気分離部16′に導かれる。各空気分離ユニットU′は、第1〜第3コントロールバルブ41a、41b、41cに接続される。各コントロールバルブ41a、41b、41cはコントローラからの信号により開度調整される。各空気分離ユニットU′から窒素富化ガスと酸素濃縮空気とが排出される。窒素富化ガスは、第1コントロールバルブ41aを介して燃料周囲領域15に導かれた後に、放出路を通って機外空間14に放出される。酸素濃縮空気は、第2コントロールバルブ41bを介して機外空間14に放出可能とされ、また、第3コントロールバルブ41cを介してキャビン8に導入可能とされている。各コントロールバルブ41a、41b、41cの開度調整により空気分離ユニットU′を通過する空気流量が調整可能とされている。その空気流路75′に導かれた空気は膨張タービン5でほぼ断熱的に膨張される。
【0062】
図14に示すように、複数(本実施形態では4ユニット)の空気分離ユニットU′それぞれは、互いに接続されると共に上記空気流路75′に接続される空気導入口U1′と、互いに接続されると共に上記第1コントロールバルブ41aを介して上記燃料周囲領域15に接続される窒素富化ガス排出口U3′と、互いに接続される酸素濃縮空気排出口U2′とを有する。各酸素濃縮空気排出口U2′は、第2コントロールバルブ41bを介して機外空間14に接続され、第3コントロールバルブ41cを介してキャビン8に接続される。
【0063】
図15に示すように各空気分離部16′を構成する選択透過膜16a′は、空気中の酸素(O2 )の透過率が窒素(N2 )の透過率よりも高くされている。これにより、ウォータセパレータ7を通過した空気は、空気分離部16′により窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離される。選択透過膜16a′は多数の中空糸膜からなる。それら中空糸膜は、容器16c′に収納されると共にエポキシ等の樹脂製バインダ16b′の中に両端が埋設されることで束ねられる。そのバインダ16b′により容器16c′の内周と中空糸膜の両端外周との間が封鎖される。その容器16c′の一端開口は、各中空糸膜の一端開口と上記空気導入口U1′とに接続され、これによりウォータセパレータ7に接続される空気導入ポート16d′として機能する。その容器16c′の他端開口は、各中空糸膜の他端開口と上記窒素富化ガス排出口U3′とに接続され、これにより窒素富化ガス排出ポート16f′として機能する。窒素富化ガス排出ポート16f′から排出される窒素富化ガスが燃料周囲領域15に導入される。その容器16c′の両端間に形成された開口は、各中空糸膜の両端間外周と上記酸素濃縮空気排出口U2′とに接続され、これにより酸素濃縮空気排出ポート16e′として機能する。酸素濃縮空気排出ポート16eから排出される酸素濃縮空気は、膨張タービン5を介することなくキャビン8に導入可能とされている。すなわち、選択透過膜16a′を透過することで減圧された酸素濃縮空気を膨張タービン5を介することなくキャビン8に導入できる。これにより、コンプレッサ3の出口と膨張タービン5の入口との間の圧力差を小さくし、エアサイクル式冷却装置の効率低下を防止できる。各空気分離部16′における空気の導入ポート16d′を開閉するバルブ16g′が設けられている。他は第4実施形態と同様で、同様部分は同一符号で示す。
【0064】
本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記第1、第3実施形態における吸着部の数を3つ以上にし、吸着部の数の増加に応じて切替えバルブの数を増やしてもよい。例えば吸着部の数を3つ以上とする場合、何れか一つまたは複数個の吸着部を流出空気流路に接続し、残りの吸着部をバイパス空気流路に接続し、設定時間毎に、流出空気流路に接続される吸着部と流出空気流路に接続される吸着部とを予め設定した順序で変化させてもよい。
各実施形態において、吸着部23、24、83を構成する吸着剤23b、24bはシリカゲルやゼオライトに限らず、空気に含まれる他の物質の吸着能力を有するものを使用しても良い。
各実施形態における膨張タービンを多段にしてもよい。
各実施形態におけるコントローラ25は、吸着部23、24、83の内部や出入口につながる配管等に設けた温度センサ、水分センサ、酸素センサ等からの信号に基づいて切替動作信号を出力させてもよい。
各実施形態では、空気調和装置の状態を変更するため、航空機の状態に応じたコントローラからの信号により、各バルブの開度を調節したり各切替えバルブを切替えたが、これに代えて、空気調和装置における空気や冷媒の流路に温度センサや流量センサを設け、それらセンサからの信号に応じて各バルブの開度を調節したり各切替えバルブを切替えてもよい。
第1、第3実施形態において、各吸着剤23b、24bを通過するエンジン1からの抽気空気として、プリクーラ2に入る前のものを供給してもよい。この場合、空気の温度が高いため少量の空気の供給で各吸着剤23b、24bを再生できる。
各実施形態においては、吸着部23、24、83を通過した空気を主空気流路90を流れる空気との混合の前に冷却したが、その混合の後に空気を冷却するようにしてもよい。
各実施形態では、主空気流路90を流れる空気をコンプレッサ3により圧縮される前に吸着部23、24、83を通過した空気と混合したが、これに代えて、主空気流路90を流れる空気をコンプレッサ3により圧縮した後に吸着部23、24、83を通過した空気と混合し、その混合した空気をメインクーラ4により冷却してもよい。
第1、第3実施形態におけるベーパサイクル式熱交換ユニット30として、状況に応じて機体外から取り入れた熱により空気を加熱する暖房モードに切替え可能なものを用いてもよい。
また、第2、第3実施形態において、循環空気流路92を流れる空気を、熱交換器35aにより加熱することに代えて、あるいは熱交換器35aより加熱すると共に、航空機に搭載される電装品から発せられる熱により加熱するようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジン負荷を増大することなく、キャビン内の温度、湿度、酸素濃度、圧力を適正に維持して快適性を向上でき、燃料火災の発生防止に寄与でき、さらに冷却装置の結露を防止できる大型航空機と小型航空機の何れにも適した空気調和装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例における航空機用空気調和装置の構成説明図
【図2】別の比較例における航空機用空気調和装置の構成説明図
【図3】本発明の第1実施形態における航空機用空気調和装置の航空機が地上にある時の構成説明図
【図4】本発明の第1実施形態における航空機用空気調和装置の航空機が上昇時の構成説明図
【図5】本発明の第1実施形態における航空機用空気調和装置の航空機が高々度での巡航時の構成説明図
【図6】本発明の第1実施形態における航空機用空気調和装置の航空機が降下時の構成説明図
【図7】本発明の変形例の航空機用空気調和装置における吸着部の構成説明図
【図8】本発明の第2実施形態における航空機用空気調和装置の構成説明図
【図9】本発明の第3実施形態における航空機用空気調和装置の構成説明図
【図10】本発明の第4実施形態における航空機用空気調和装置の構成説明図
【図11】本発明の第4実施形態の変形例において、第1放出状態である放出切替えバルブとアウトフローバルブを示す図
【図12】本発明の第4実施形態の変形例において、第2放出状態である放出切替えバルブとアウトフローバルブを示す図
【図13】本発明の第5実施形態の航空機用空気調和装置の構成説明図
【図14】本発明の第5実施形態の航空機用空気調和装置における空気分離ユニットの配置説明図
【図15】本発明の第5実施形態の航空機用空気調和装置における空気分離ユニットの構成説明図
【図16】従来の航空機用空気調和装置の構成説明図
【符号の説明】
1 エンジン
8 キャビン
11 バイパス空気流路
15 燃料周囲領域
16a 選択透過膜
23 第1吸着部
23b 吸着剤
24 第1吸着部
24b 吸着剤
25 コントローラ
40 流出空気流路
50 空気流路切替機構
83 吸着部
90 主空気流路
92 循環空気流路
96 放出切替えバルブ
97 アウトフローバルブ

Claims (11)

  1. 航空機のキャビン内に主空気流路を介して導入されるエンジンまたは高圧空気供給ユニットからの抽出空気を冷却装置により冷却する航空機用空気調和装置であって、
    そのキャビン内の空気を流出するための流出空気流路と、
    そのキャビン内に空気を導入するための補助空気流路と、
    空気に含まれる水分子を吸着し、吸着時よりも温度が上昇することで吸着した水分子を放出する吸着剤により各々構成されている複数の吸着部と、
    空気流路切替機構と、
    その空気流路切替機構を制御するコントローラとを備え、
    前記補助空気流路は、前記主空気流路から分岐される空気流路、又は、前記流出空気流路から分岐される空気流路により構成され、
    各吸着部は、その空気流路切替機構により、そのキャビン内の空気よりも高温の空気が流れる補助空気流路に接続される状態と、その流出空気流路に接続される状態とに切替え可能とされ、
    そのコントローラによる空気流路切替機構の制御により、各吸着部は、その補助空気流路に接続される状態と流出空気流路に接続される状態とに切替えられ、
    前記キャビンから前記流出空気流路を介して流出される空気は、前記吸着部を通過した後に前記キャビン内に導入可能とされ、
    前記補助空気流路を流れる空気を、前記吸着部を通過した後、機外空間に放出する状態と、キャビンに導く状態とに空気流路が切替え可能とされ、
    前記キャビンから前記流出空気流路を介して流出される空気を、前記吸着部を通過した後に、前記キャビンに導く状態と、前記冷却装置に導く状態とに空気流路が切替え可能とされている航空機用空気調和装置。
  2. 少なくとも一つの吸着部が前記補助空気流路に接続されている時、少なくとも一つの別の吸着部が流出空気流路に接続されている請求項1に記載の航空機用空気調和装置。
  3. その補助空気流路を流れる空気流量が調整可能とされている請求項1または2に記載の航空機用空気調和装置。
  4. その空気調和装置における空気流路を流れる空気が通過する位置に配置され、その空気を窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離する選択透過膜を備え、
    その窒素富化ガスは航空機の燃料周囲領域に導入可能とされ、その酸素濃縮空気はキャビン内に導入可能とされている請求項1〜3の中の何れかに記載の航空機用空気調和装置。
  5. 前記選択透過膜は、前記キャビンから前記流出空気流路を介して流出される空気が前記吸着部を通過した後に流れる空気流路に設けられている請求項4に記載の航空機用空気調和装置。
  6. 前記補助空気流路は、前記抽出空気を前記冷却装置を通ることなくキャビンに導くためのバイパス空気流路により構成されている請求項1〜5の中の何れかに記載の航空機用空気調和装置。
  7. 前記補助空気流路は、前記キャビンから流出する空気を再びキャビンに導くための循環空気流路により構成され、
    その循環空気流路を流れる空気を、前記吸着剤の通過前に加熱する手段が設けられている請求項1〜6の中の何れかに記載の航空機用空気調和装置。
  8. 前記補助空気流路は、前記キャビンから流出する空気を再びキャビンに導くための循環空気流路により構成され、
    前記キャビンから前記流出空気流路を介して流出される空気を、前記吸着部の下流において圧縮する圧縮手段が設けられ、
    その圧縮手段の下流に、その圧縮された空気と前記循環空気流路を流れる空気との間で熱交換を行う熱交換器が設けられ、
    その熱交換器において、その循環空気流路を流れる空気が前記吸着剤の通過前に加熱される請求項1に記載の航空機用空気調和装置。
  9. その熱交換器において冷却された空気を窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離する選択透過膜が設けられ、
    その窒素富化ガスは航空機の燃料周囲領域に導入可能とされ、その酸素濃縮空気はキャビン内に導入可能とされている請求項8に記載の航空機用空気調和装置。
  10. 前記流出空気流路を流れる空気の少なくとも一部を、前記吸着部を通過した後、機外空間に放出可能な放出機構を備える請求項1に記載の航空機用空気調和装置。
  11. 前記流出空気流路を流れる空気の少なくとも一部を、前記吸着部を通過した後に前記放出機構により機外空間に放出する状態と、前記吸着部を通過することなく前記放出機構により機外空間に放出する状態との間で切り替える放出切替え機構を備える請求項10に記載の航空機用空気調和装置。
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