JP4122925B2 - 航空機用空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定翼機および回転翼機を含む航空機の機内に空調空気を供給すると共に、燃料系統に窒素富化ガスを供給する空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機における空気調和装置として、エンジンの圧縮部で圧縮された抽出空気を、機外空気と熱交換して冷却した後にラジアルコンプレッサで断熱圧縮し、これを再度機外空気と熱交換して冷却した後に、膨張タービンにより断熱膨張することで、調温、調圧された冷気を得るエアサイクル式冷却装置が従来から主に使用されている。
【0003】
軍用機の中には、ミッション中に燃料タンクに被弾した場合に爆発するのを防ぐため、燃料タンクに窒素ガスまたは窒素濃度を高めた空気を注入するOBIGGS(On Board Inert Gas Generation System)を備えるものがある。また、近年の民間航空機における事故調査から、燃料タンク内の空間に溜まった空気と燃料蒸気との混合物に機内の配線などから生じたスパークが引火し、火災が発生することが判明している。そのような火災を防止するため、民間航空機においても上記OBIGGSを採用することが検討されている。そのOBIGGSは、空気成分を窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離する空気分離部により構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような空気分離部を航空機用空気調和装置に組み込むことで、航空機の安全性と快適性の向上を図ることが本件出願人により提案されている(特願2001−205205号)。この提案においては、航空機のキャビン内空気を再圧縮し、エンジンからの抽出空気と混合した後に空気分離部に導入している。しかし、その提案された新しい航空機用空気調和装置を小型の機体や在来機に搭載する場合、スペース、重量、構造等の制約により、キャビン内空気を再圧縮してエンジンからの抽出空気と混合するラインを設けるのが困難になるという問題がある。
【0005】
そこで、キャビン内空気を再圧縮してエンジンからの抽出空気と混合するラインをなくし、エンジンからの抽出空気のみでコンプレッサと膨張タービンにより構成されるエアサイクル式冷却装置を作動させることが考えられる。しかし、再圧縮されたキャビン空気を利用できないと、エアサイクル式冷却装置における空気圧縮比で得られる圧力は、条件によっては高くならず、空気分離部に供給される空気圧が低下して生成される窒素富化ガスが減少する問題が生じる。特に長時間巡航後に高々度から降下する航空機においては、エンジンからの抽出空気圧力がエンジン出力が絞られるため低下し、燃料残量が少なくなって燃料タンク内の空間容積が増大し、高度低下により気圧が上昇するため大量の窒素富化ガスが必要になるが、この場合には十分な窒素富化ガスを供給するのが困難になる。また、そのコンプレッサの駆動エネルギとしてモータを介して電気エネルギを供給することが考えられるが、モータやモータ駆動用インバータの大きさの制限から小型の機体や在来機に搭載するのは困難である。
本発明は上記問題を解決することのできる航空機用空気調和装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エンジンからの抽出空気を圧縮後に膨張させることで冷気を生成するエアサイクル式冷却装置と、そのエアサイクル式冷却装置において圧縮された空気を窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離する空気分離部とを備え、その窒素富化ガスは航空機の燃料周囲領域に導入可能とされ、その酸素濃縮空気はキャビン内に導入可能とされている航空機用空気調和装置に適用される。
【0007】
本発明の一つの特徴は、そのエアサイクル式冷却装置は前記抽出空気を圧縮可能な2以上のコンプレッサを有し、その2以上のコンプレッサは、前記抽出空気を複数段圧縮するように直列に配置可能とされている点にある。エアサイクル式冷却装置におけるコンプレッサを複数として抽出空気を複数段圧縮することで抽出空気の供給圧が低い場合でも高い圧力が得られる圧縮比を実現できる。
本発明の別の一つの特徴は、そのエアサイクル式冷却装置は、前記コンプレッサにより圧縮された空気を膨張可能な2以上の膨張タービンを有し、少なくとも一つの膨張タービンに、前記抽出空気を前記コンプレッサにより圧縮することなく導く膨張側バイパス流路が設けられ、そのエンジンからの抽出空気の導入により駆動される膨張タービンの膨張仕事を、圧縮動力として利用されるように前記コンプレッサに伝達する手段が設けられている点にある。これにより、エンジン抽出空気によりタービンの膨張仕事を増大させ、その膨張仕事によりコンプレッサを駆動することで高い圧縮比を実現できる。特に航空機の降下時のようにエンジン推力は小さくてよい場合はエンジン抽出空気量を増大させることができるので、その増大させたエンジン抽出空気によりタービンの膨張仕事を増大させることができる。
本発明によれば、再圧縮したキャビン内空気を用いることなくエンジンからの抽出空気のみで、高々度からの降下時にも燃料周囲領域へ供給される十分な窒素富化ガスを確保できるようにエアサイクル式冷却装置を作動させることができる。これにより、キャビン内空気を再圧縮してエンジン抽気と混合するラインを必要としないので、小型の機体や在来機における航空機用空気調和装置に、スペースや構造上の制約を受けることなく、空気分離部を組み込んで安全性と快適性の向上を図ることができる。
【0008】
前記2以上のコンプレッサの中で直列配置状態で上流側に配置される上流側コンプレッサによる圧縮空気を、下流側に配置される下流側コンプレッサにより圧縮することなく、その下流側コンプレッサの下流側に導く圧縮側バイパス流路と、その圧縮側バイパス流路の開閉用バイパスバルブと、その圧縮側バイパス流路が前記抽出空気圧力の増減に応じて開閉するように、そのバイパスバルブを制御する手段とを有するのが好ましい。
これにより、エンジンからの抽出空気圧力が低く複数段圧縮する必要性が高い場合は、バイパスバルブを閉じることで複数段圧縮を行って圧縮比を高くし、エンジンからの抽出空気圧力が高く複数段圧縮する必要性が低い場合は、バイパスバルブを開くことで下流側コンプレッサでの圧縮空気流量をなくして圧縮負荷を軽減できる。
【0009】
前記2以上のコンプレッサの中で直列配置状態で上流側に配置される上流側コンプレッサと下流側に配置される下流側コンプレッサとの間に、前記抽出空気を上流側コンプレッサにより圧縮することなく導く第1圧縮側バイパス流路と、その下流側コンプレッサの下流側に、上流側コンプレッサによる圧縮空気を下流側コンプレッサにより圧縮することなく導く第2圧縮側バイパス流路と、両圧縮側バイパス流路を閉鎖すると共に上流側コンプレッサと下流側コンプレッサとの間を開く第1状態と、両圧縮側バイパス流路を開くと共に上流側コンプレッサと下流側コンプレッサとの間を閉鎖する第2状態との間で切替え可能な圧縮側切替え機構と、その圧縮側切替え機構を、前記抽出空気圧力の低下時は第1状態に切替えると共にそれ以外の時は第2状態に切替えるように制御する手段とを有するのが好ましい。
これにより、エンジンからの抽出空気圧力が低く2段圧縮する必要性が高い場合は両コンプレッサを直列配置して圧縮比を高くし、エンジンからの抽出空気圧力が高く2段圧縮する必要がない場合は両コンプレッサを並列配置して圧縮負荷を軽減できる。
【0010】
前記2以上の膨張タービンは、前記コンプレッサによる圧縮空気を複数段膨張させるように直列に配置可能とされ、その2以上の膨張タービンの中で直列配置状態で下流側に配置される下流側膨張タービンに、前記膨張側バイパス流路を介して前記抽出空気が圧縮することなく導入可能とされ、その2以上の膨張タービンの中で直列配置状態で上流側に配置される上流側膨張タービンによる膨張空気を、その下流側膨張タービンにより膨張させることなく前記キャビンに導く第2膨張側バイパス流路と、両膨張側バイパス流路を閉鎖すると共に上流側膨張タービンと下流側膨張タービンとの間を開く第1状態と、両膨張側バイパス流路を開くと共に上流側膨張タービンと下流側膨張タービンとの間を閉鎖する第2状態との間で切替え可能な膨張側切替え機構と、その膨張側切替え機構を、前記抽出空気圧力の低下時は第2状態に切替えると共にそれ以外の時は第1状態に切替えるように制御する手段とを有するのが好ましい。
これにより、エンジンからの抽出空気圧力が低い場合は、下流側膨張タービンを抽出空気により駆動してコンプレッサに膨張仕事を伝達して圧縮比を高くすることができ、抽出空気圧力が低下していない場合は上流側膨張タービンと下流側膨張タービンにより複数段膨張を行って効率良く冷気を得ることができる。
【0011】
そのエンジンからの抽出空気の導入により駆動される膨張タービンによる膨張空気を機外空間に放出する手段が設けられているのが好ましい。
これにより、抽出空気圧力が低い場合に下流側膨張タービンを大きな圧力落差で駆動でき、必要な膨張仕事を効果的に得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に示す航空機用空気調和装置は、エンジン1からの抽出空気を、プリクーラ2と呼ばれる熱交換器により冷却し、流量制御バルブ39で流量調整した後にラジアル上流側コンプレッサ3aでほぼ断熱的に圧縮する。その流量制御バルブ39はコントローラ56(図2参照)からの信号により開度調整可能とされている。上流側コンプレッサ3aでの断熱圧縮により昇温された空気を放熱器33において冷却した後に、ラジアル下流側コンプレッサ3bでほぼ断熱的に圧縮する。下流側コンプレッサ3bでの断熱圧縮により昇温された空気をメインクーラ4と呼ばれる熱交換器により冷却した後、再生熱交換機4aで冷却し、水分捕捉のためにウォータセパレータ7に導く。なお、航空機が地上にあってエンジンが停止している際は、エンジン1に代えてAPU(Auxiliary Power Unit)などの高圧空気供給ユニット1′からの抽出空気を空気調和装置に供給することが可能とされている。
【0013】
ウォータセパレータ7で水分除去された空気は空気流路75と空気分離ユニットUに導かれる。空気分離ユニットUはコンプレッサ3で圧縮された空気を酸素濃縮空気と窒素富化ガスとに分離する。空気分離ユニットUは第1〜第3コントロールバルブ41a、41b、41cに接続される。窒素富化ガスは第1コントロールバルブ41aを介して燃料タンク内部や燃料配管領域等の燃料周囲領域15に導かれた後に機外空間14に放出される。酸素濃縮空気は、第2コントロールバルブ41bを介して機外空間14に放出可能とされ、第3コントロールバルブ41cからミキシングチャンバ13を介して航空機のコックピット空間を含むキャビン8に導入可能とされている。各コントロールバルブ41a、41b、41cはコントローラ56からの信号により開度調整可能とされ、これにより空気分離ユニットUを通過する空気流量が調整可能とされている。
【0014】
空気流路75に導かれた空気は上流側膨張タービン5aでほぼ断熱的に膨張された後に第1切替えバルブ29aに導かれる。第1切替えバルブ29aは、そこに導かれた空気を第2膨張側バイパス流路72を介して再生熱交換機4aに導く状態と第2切替えバルブ29bに導く状態とにコントローラ56からの信号により空気流路を切替え可能である。第2切替えバルブ29bは、第1切替えバルブ29aに接続される状態と膨張側バイパス流路71を介して流量制御バルブ39に接続される状態とにコントローラ56からの信号により空気流路を切替え可能であると共に、そこに導かれた空気を下流側膨張タービン5bに導く。下流側膨張タービン5bに導かれた空気はほぼ断熱的に膨張された後に第3切替えバルブ29cに導かれる。第3切替えバルブ29cは、そこに導かれた空気を再生熱交換機4aに導く状態と機外空間14に導く状態とにコントローラ56からの信号により空気流路を切替え可能である。
【0015】
第1〜第3切替えバルブ29a、29b、29cにより構成される膨張側切替え機構により空気流路は図1に示す第1状態と図2に示す第2状態との間で切り替え可能とされている。その膨張側切替え機構を、抽出空気圧力の低下時は第2状態に切替えると共にそれ以外の時は第1状態に切替えるように制御するため、エンジン1からの抽出空気圧力を検知するセンサ55がコントローラ56に接続されている。
【0016】
コントローラ56は、エンジン1からの抽出空気圧力のセンサ55による検出値が設定圧力以上である場合、両膨張側バイパス流路71、72が閉鎖されると共に両膨張タービン5a、5bの間が開かれるように第1、第2切替えバルブ29a、29bを制御する。これにより、図1に示す第1状態となって両膨張タービン5a、5bは直列に配置され、両コンプレッサ3a、3bにより圧縮された空気を2段膨張させる。両膨張タービン5a、5bが直列配置状態の時、空気流路において上流側膨張タービン5aは上流側に下流側膨張タービン5bは下流側に配置される。両膨張タービン5a、5bにおいて膨張された空気は冷気として再生熱交換機4aに導入される。コントローラ56は、第1状態では、下流側膨張タービン5bによる膨張空気が再生熱交換機4aを介してキャビン8に導かれるように第3切替えバルブ29cを制御する。
【0017】
コントローラ56は、エンジン1からの抽出空気圧力のセンサ55による検出値が設定圧力未満である場合、両膨張側バイパス流路71、72が開かれると共に上流側膨張タービン5aと下流側膨張タービン5bとの間が閉鎖されるように第1、第2切替えバルブ29a、29bを制御する。これにより、図2に示す第2状態となって上流側膨張タービン5aにはコンプレッサ3a、3bにより圧縮された空気が導入される。第2状態の第2膨張側バイパス流路72は、上流側膨張タービン5aによる膨張空気を、下流側膨張タービン5bにより膨張させることなく再生熱交換機4aを介してキャビン8に導く。一方、下流側膨張タービン5bにはエンジン1からの抽出空気が膨張側バイパス流路71を介してコンプレッサ3a、3bにより圧縮されることなく導入される。コントローラ56は、第2状態では、エンジン1からの抽出空気の導入により駆動される下流側膨張タービン5bによる膨張空気が機外空間14に放出されるように第3切替えバルブ29cを制御する。
【0018】
両コンプレッサ3a、3bと両膨張タービン5a、5bにより、エンジン1からの抽出空気を圧縮後に膨張させることで冷気を生成するエアサイクル式冷却装置が構成される。再生熱交換機4aに導かれる冷気はミキシングチャンバ13を介してキャビン8に導入される。そのプリクーラ2、メインクーラ4、放熱器33においては、ラム空気路9を通る機外空気により冷却が行われる。キャビン8内空気を再圧縮してエンジン1からの抽出空気と混合するラインは備えていない。
【0019】
上流側膨張タービン5aの翼車と上流側コンプレッサ3aの翼車はシャフト6aを介して連結され、下流側膨張タービン5bの翼車と下流側コンプレッサ3bの翼車はシャフト6bを介して連結される。これにより、上流側膨張タービン5aの膨張仕事はシャフト6aを介して上流側コンプレッサ3aに伝えられることで圧縮動力として利用される。また、下流側膨張タービン5bの膨張仕事はシャフト6bを介して下流側コンプレッサ3bに伝えられることで圧縮動力として利用される。これにより、第2状態においてエンジン1からの抽出空気の導入により駆動される下流側膨張タービン5bの膨張仕事を、圧縮動力として利用できる。シャフト6aに、上流側コンプレッサ3aの駆動に必要な動力を補助するためのモータ6a′が取り付けられている。また、シャフト6aにメインクーラ4に通じるラム空気路9において空気を流すためのファン49が取り付けられ、特に地上での冷却効果の確保が図られている。第1状態では両膨張タービン5a、5bによりコンプレッサ3a、3bの圧縮空気を2段膨張して効率良く冷気を得ることがでる。
【0020】
エンジン1からの抽出空気を上記エアサイクル式冷却装置を通ることなくキャビン8に導くためのバイパス空気流路11が設けられている。そのバイパス空気流路11はホットエアモジュレートバルブ12により開閉される。ホットエアモジュレートバルブ12を開くことで、抽出空気の一部をエアサイクル式冷却装置により冷却することなくバイパス空気流路11からミキシングチャンバ13を介してキャビン8に直接に導くことができる。キャビン8の内圧を検出する圧力センサ(図示省略)がコントローラ56に接続され、コントローラ56はキャビン8の内圧の検出値が設定値以下か否かを判断し、設定値以下である場合には、設定値とキャビン内圧との差に応じてホットエアモジュレートバルブ12を開度が大きくなるように制御する。その設定値は空気調和装置が正常に作動してキャビン8の気密が保持されていれば、キャビン8の内圧がそこまで低下しない値とされる。また、この設定値は機体の高度に応じて異なる値を取りうるようにするとさらに好ましい。すなわち、キャビン8の内圧の正常値は高度が高くなると低下するため、それに応じて設定値も低下させるのが好ましい。
【0021】
キャビン8内の空気は、空気調和装置からの供給分から機体の漏れや機外への空気流路からの放出分を差し引いた分に相当する量だけ流出空気流路40に流出され、その流出空気流路40においてフィルター42により埃や匂いが除去される。その流出空気流路40に流出された空気はファンF1を介してミキシングチャンバ13に導かれる。
【0022】
図3に示すように、空気分離ユニットUは空気流路75に接続される空気導入口U1と、第1コントロールバルブ41aを介して燃料周囲領域15に接続される窒素富化ガス排出口U3と、酸素濃縮空気排出口U2を有する。酸素濃縮空気排出口U2は、第2コントロールバルブ41bを介して機外空間14に接続され、第3コントロールバルブ41cを介してキャビン8に接続される。空気分離ユニットUにおける空気分離部16は選択透過膜16aを有する。選択透過膜16aは、空気中の酸素(O2 )の透過率が窒素(N2 )の透過率よりも高くされている。これにより、エアサイクル式冷却装置において圧縮された空気の一部を、再生熱交換機4aで冷却されてウォータセパレータ7を通過した後に、空気分離部16により窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離できる。本実施形態では、各空気分離部16を構成する選択透過膜16aは多数の中空糸膜からなり、それら中空糸膜は容器16cに収納されると共にエポキシ等の樹脂製バインダ16bの中に両端が埋設されることで束ねられ、そのバインダ16bにより容器16cの内周と中空糸膜の両端外周との間が封鎖される。その容器16cの一端開口は、各中空糸膜の一端開口と上記空気導入口U1とに接続されることでコンプレッサ3a、3bにより圧縮された空気を導入するための空気導入ポート16dとされる。容器16cの他端開口は、各中空糸膜の他端開口と上記窒素富化ガス排出口U3とに接続される窒素富化ガスの排出ポート16fとされている。容器16cの両端間に形成された開口は、各中空糸膜の両端間外周と上記酸素濃縮空気排出口U2とに接続される酸素濃縮空気の排出ポート16eとされる。これにより、空気の導入ポート16dは上記ウォータセパレータ7に接続され、窒素富化ガスの排出ポート16fから排出される窒素富化ガスは燃料周囲領域15に導入可能とされている。また、酸素濃縮空気の排出ポート16eから排出される酸素濃縮空気は、第2コントロールバルブ41bを介して機外に放出可能とされ、第3コントロールバルブ41cを介してキャビン8に導入可能とされている。
【0023】
上記実施形態の空気調和装置を備えた航空機が地上にある時の冷房状態においては、流量制御バルブ39を開状態にすることでエアサイクル式冷却装置を作動させることができる。この場合、第1〜第3コントロールバルブ41a、41b、41cは必要に応じて開度を選択すればよい。例えば、第1〜第3コントロールバルブ41a、41b、41cを全閉とすることで空気分離部16に空気を導入しないようにできる。これにより、地上において燃料が積み込まれることで燃料タンクの内部における空間容積が小さくなり、地上走行(タキシング)を含めても燃料消費が僅かであり、気圧の変化がないことにより、燃料周囲領域15への窒素富化ガスの追加供給が不要な場合に対応できる。あるいは、高温多湿の地上での冷房状態において、第1、第2コントロールバルブ41a、41bを開き第3コントロールバルブ41cを全閉として空気分離部16に空気を導入することで、選択透過膜16aは水分透過率が高いことから空気中の水分を機外に放出でき、また、航空機が地上で待機している間に燃料タンクから蒸発する燃料ガスを空気分離部16から供給する窒素富化ガスにより希釈できる。
【0024】
航空機が離陸のための滑走状態から上昇する状態においては、第1、第3コントロールバルブ41a、41cの開度を次第に大きくして第2コントロールバルブ41bを全閉とすることで、空気分離部16に供給される空気を次第に増加させることができる。これにより、燃料消費に応じた量の窒素富化ガスを空気分離部16から燃料周囲領域15に供給し、また、キャビン8内の酸素分圧低下を酸素濃縮空気の供給により防止できる。さらに抽出空気の供給圧が高いため、両膨張タービン5a、5bの膨張仕事の方がコンプレッサ3a、3bの圧縮仕事よりも著しく大きい場合は、モータ6aを発電機として機能させエネルギ回収をすることも考えられる。
【0025】
航空機が高々度で巡航する状態においては、第1、第3コントロールバルブ41a、41cの開度を大きくし、第2コントロールバルブ41bを全閉とすることで、空気分離部16に供給される空気を確保し、キャビン8内の酸素分圧低下を酸素濃縮空気を導入することで防止し、また、窒素富化ガスを燃料周囲領域15に供給できる。
【0026】
航空機が降下する状態においては、第1、第3コントロールバルブ41a、41cを全開とし、第2コントロールバルブ41bを全閉とすることで、空気分離部16から窒素富化ガスを燃料周囲領域15に供給し、また、キャビン8への空気供給量の低下を防止できる。航空機が降下する状態においては燃料タンクの内部における空間容積は燃料が消費された結果大きくなっており、また、降下による気圧上昇があることから、燃料周囲領域15へ窒素富化ガスを大量供給する必要がある。一方、エンジン1の出力は降下時は絞られるため、エアサイクル式冷却装置に供給される抽出空気圧力が低くなる。本実施形態では、上流側コンプレッサ3aと下流側コンプレッサ3bが直列に配置されることで2段圧縮を行うので、その抽出空気圧力の低下を補うことができる。また、上流側コンプレッサ3aと下流側コンプレッサ3bの間において空気を放熱器33において冷却することで下流側コンプレッサ3bの圧縮負荷を軽減できる。さらに、航空機が降下する状態においては、第1〜第3切替えバルブ29a、29b、29cの切替えにより、上流側膨張タービン5aと下流側膨張タービン5bは図1の第1状態から図2の第2状態になる。これにより、上流側膨張タービン5aは下流側コンプレッサ3bから供給される空気圧とキャビン8へ供給する空気圧との間の圧力落差で作動し、下流側膨張タービン5bはエンジン1からの抽出空気圧力と外気圧との間の圧力落差で作動する。よって、高々度からの降下によりエンジン1からの抽出空気圧力が低く、且つ、空気分離部16に窒素富化ガスを大量供給するため、膨張タービン5a、5bの駆動に寄与できるコンプレッサ3a、3bの圧縮空気が少なくなる場合であっても、下流側膨張タービン5bの膨張仕事を増大させることができる。その下流側膨張タービン5bの膨張仕事を伝達することで下流側コンプレッサ3bでの空気の圧縮比を大きくでき、モータ6a′を大型化することなく、必要な窒素富化ガスを得るためのエネルギーを賄うことができる。特に、第3切替えバルブ29cを介して空気を機外空間14に導くことで、下流側膨張タービン5bを大きな圧力落差で駆動でき、エンジン抽出空気圧力が低下する高々度でも必要な膨張仕事を得る上で効果的である。
なお、図2のように下流側膨張タービン5bにエンジン1からの抽出空気をコンプレッサ3a、3bを介することなく供給する場合、コンプレッサ3a、3bを介して供給する場合の倍近い抽出空気量が必要とされるが、機体降下時はエンジン推力は不要なので抽出空気量を増加させても影響はない。
【0027】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、図4の第1変形例においては、上記実施形態における2つのコンプレッサ3a、3bの中で直列配置状態で上流側に配置される上流側コンプレッサ3aによる圧縮空気を、下流側に配置される下流側コンプレッサ3bにより圧縮することなく、下流側コンプレッサ3bの下流側に導く圧縮側バイパス流路50を設け、その圧縮側バイパス流路50を開閉可能なバイパスバルブ51を設け、その圧縮側バイパス流路50がエンジン1からの抽出空気圧力の増減に応じて開閉するように、そのバイパスバルブ51を制御する手段が設けられている。本変形例では、エンジン1からの抽出空気圧力を検知するセンサ57を設け、そのセンサ57に接続されたコントローラ58により、その検知された抽出空気圧力が増加するとバイパスバルブ51を開き、低下するとバイパスバルブ51を閉じる。他は上記実施形態と同様とされる。
これにより、コントローラ57はエンジン1からの抽出空気圧力のセンサ57による検出値に応じてバイパスバルブ51を制御し、エンジン1からの抽出空気圧力が低く2段圧縮する必要性が高い場合は、バイパスバルブ51を閉じることで2段圧縮を行う。エンジン1からの抽出空気圧力が高く2段圧縮する必要性が低い場合は、バイパスバルブ51を開くことで下流側コンプレッサ3bでの圧縮空気流量を低減して圧縮負荷を軽減できる。
【0028】
また、図5、図6の第2変形例においては、上記実施形態における2つのコンプレッサ3a、3bの中で直列配置状態で上流側に配置される上流側コンプレッサ3aと下流側に配置される下流側コンプレッサ3bとの間に、エンジン1からの抽出空気を上流側コンプレッサ3aにより圧縮することなく導く第1圧縮側バイパス流路60aが設けられている。また、下流側コンプレッサ3bの下流側に、上流側コンプレッサ3aによる圧縮空気を下流側コンプレッサ3bにより圧縮することなく導く第2圧縮側バイパス流路60bが設けられている。両圧縮側バイパス流路60a、60bを閉鎖すると共に上流側コンプレッサ3aと下流側コンプレッサ3bとの間を開く図5の第1状態と、両圧縮側バイパス流路60a、60bを開くと共に上流側コンプレッサ3aと下流側コンプレッサ3bとの間を閉鎖する図6の第2状態との間で切替え可能な圧縮側切替え機構と、その圧縮側切替え機構を、前記抽出空気圧力の低下時は第1状態に切替えると共にそれ以外の時は第2状態に切替えるように制御する手段が設けられている。本変形例では、放熱器33と下流側コンプレッサ3bの間の空気流路に上流側切替えバルブ62aと下流側切替えバルブ62bが配置され、エンジン1からの抽出空気圧力を検知するセンサ63がコントローラ64に接続されている。上流側切替えバルブ62aは、そこに導かれた空気を下流側切替えバルブ62bに導く状態と下流側コンプレッサ3bの下流に導く状態とにコントローラ64からの信号により空気流路を切替え可能とされている。下流側切替えバルブ62bは、上流側切替えバルブ62aに接続される状態と上流側コンプレッサ3aの上流に接続される状態とにコントローラ64からの信号により空気流路を切替え可能とされると共に、そこに導かれた空気を下流側コンプレッサ3bに導くものとされている。他は上記実施形態と同様とされる。
これにより、コントローラ64はエンジン1からの抽出空気圧力のセンサ63による検出値が設定値未満の場合、すなわちエンジン1からの抽出空気圧力が低く2段圧縮する必要性が高い場合は、両切替えバルブ62a、62bを制御することで第1状態として両コンプレッサ3a、3bを直列配置する。また、センサ63による検出値が設定値以上の場合、すなわちエンジン1からの抽出空気圧力が高く2段圧縮する必要がない場合は、コントローラ64は両切替えバルブ62a、62bを制御することで第1状態から第2状態に切り替え、両コンプレッサ3a、3bを並列配置して圧縮負荷を軽減する。
【0029】
上記実施形態では上流側膨張タービン5aの翼車と上流側コンプレッサ3aの翼車をシャフト6aを介して連結し、下流側膨張タービン5bの翼車と下流側コンプレッサ3bの翼車をシャフト6bを介して連結することで2組の回転体を備えているが、単一のシャフトにより各コンプレッサの翼車を連結することで回転体を単一としてもよい。これにより構造が簡素化されて実用性が高くなる。
【0030】
空気分離部におけるは選択透過膜として、空気中の窒素(N2 )の透過率が酸素(O2 )の透過率よりも高いものを用いてもよい。この場合、酸素濃縮空気はエアサイクル式冷却装置において膨張させた後にキャビンに導くのが好ましい。
【0031】
複数の膨張タービンにより十分な膨張仕事が常に確保されるならばモータ6a′は必須ではない。さらに、コンプレッサを単一として膨張タービンを複数としてもよいし、膨張タービンを単一としてコンプレッサを複数としてもよいし、コンプレッサと膨張タービンの中の少なくとも一方を3以上としてもよい。コンプレッサの数を3以上とする場合、少なくとも2つのコンプレッサが抽出空気を複数段圧縮するように直列に配置可能であればよい。膨張タービンの数を3以上とする場合、少なくとも一つの膨張タービンにエンジンからの抽出空気をエアサイクル式冷却装置により圧縮することなく導く膨張側バイパス流路が設けられていればよい。また、第3切替えバルブ29cをなくし、下流側膨張タービンによる膨張空気をキャビンに常に導くようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、小型の航空機や構造変更が困難な在来の航空機であっても、スペースや重量や構造上の制約なく空気分離部を組み込んで快適性と安全性を向上できる航空機用空気調和装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の航空機用空気調和装置の構成説明図
【図2】本発明の実施形態の航空機用空気調和装置の作用説明図
【図3】本発明の実施形態の航空機用空気調和装置における空気分離ユニットの構成説明図
【図4】本発明の第1変形例の航空機用空気調和装置の要部の構成説明図
【図5】本発明の第2変形例の航空機用空気調和装置の要部の第1状態を示す図
【図6】本発明の第2変形例の航空機用空気調和装置の要部の第2状態を示す図
【符号の説明】
1 エンジン
3a 上流側コンプレッサ
3b 下流側コンプレッサ
5a 上流側タービン
5b 下流側タービン
6b シャフト
8 キャビン
15 燃料周囲領域
16 空気分離部
29a 第1切替えバルブ
29b 第2切替えバルブ
29c 第3切替えバルブ
50 圧縮側バイパス流路
50a 第1圧縮側バイパス流路
50b 第2圧縮側バイパス流路
51 バイパスバルブ
55 センサ
56 コントローラ
57 センサ
58 コントローラ
62a 上流側切替えバルブ
62b 下流側切替えバルブ
63 センサ
64 コントローラ
71 膨張側バイパス流路
72 第2膨張側バイパス流路

Claims (5)

  1. エンジンまたは高圧空気供給ユニットからの抽出空気を圧縮後に膨張させることで冷気を生成するエアサイクル式冷却装置と、
    そのエアサイクル式冷却装置において圧縮された空気を窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離する空気分離部とを備え、
    その窒素富化ガスは航空機の燃料周囲領域に導入可能とされ、その酸素濃縮空気はキャビン内に導入可能とされている航空機用空気調和装置であって、
    そのエアサイクル式冷却装置は前記抽出空気を圧縮可能な2以上のコンプレッサを有し、その2以上のコンプレッサは、前記抽出空気を複数段圧縮するように直列に配置可能とされ、
    前記2以上のコンプレッサの中で直列配置状態で上流側に配置される上流側コンプレッサによる圧縮空気を、下流側に配置される下流側コンプレッサにより圧縮することなく、その下流側コンプレッサの下流側に導く圧縮側バイパス流路と、
    その圧縮側バイパス流路の開閉用バイパスバルブと、
    その圧縮側バイパス流路が前記抽出空気圧力の増減に応じて開閉するように、そのバイパスバルブを前記抽出空気圧力の増加時に開き低下時に閉じるように制御する手段とを有する航空機用空気調和装置。
  2. エンジンまたは高圧空気供給ユニットからの抽出空気を圧縮後に膨張させることで冷気を生成するエアサイクル式冷却装置と、
    そのエアサイクル式冷却装置において圧縮された空気を窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離する空気分離部とを備え、
    その窒素富化ガスは航空機の燃料周囲領域に導入可能とされ、その酸素濃縮空気はキャビン内に導入可能とされている航空機用空気調和装置であって、
    そのエアサイクル式冷却装置は前記抽出空気を圧縮可能な2以上のコンプレッサを有し、その2以上のコンプレッサは、前記抽出空気を複数段圧縮するように直列に配置可能とされ、
    前記2以上のコンプレッサの中で直列配置状態で上流側に配置される上流側コンプレッサと下流側に配置される下流側コンプレッサとの間に、前記抽出空気を上流側コンプレッサにより圧縮することなく導く第1圧縮側バイパス流路と、
    その下流側コンプレッサの下流側に、上流側コンプレッサによる圧縮空気を下流側コンプレッサにより圧縮することなく導く第2圧縮側バイパス流路と、
    両圧縮側バイパス流路を閉鎖すると共に上流側コンプレッサと下流側コンプレッサとの間を開く第1状態と、両圧縮側バイパス流路を開くと共に上流側コンプレッサと下流側コンプレッサとの間を閉鎖する第2状態との間で切替え可能な圧縮側切替え機構と、
    その圧縮側切替え機構を、前記抽出空気圧力の低下時は第1状態に切替えると共にそれ以外の時は第2状態に切替えるように制御する手段とを有する航空機用空気調和装置。
  3. そのエアサイクル式冷却装置は、前記コンプレッサにより圧縮された空気を膨張可能な2以上の膨張タービンを有し、
    少なくとも一つの膨張タービンに、前記抽出空気を前記コンプレッサにより圧縮することなく導く膨張側バイパス流路が設けられ、
    そのエンジンまたは高圧空気供給ユニットからの抽出空気の導入により駆動される膨張タービンの膨張仕事を、圧縮動力として利用されるように前記コンプレッサに伝達する手段が設けられている請求項1または2に記載の航空機用空気調和装置。
  4. エンジンまたは高圧空気供給ユニットからの抽出空気を圧縮後に膨張させることで冷気を生成するエアサイクル式冷却装置と、
    そのエアサイクル式冷却装置において圧縮された空気を窒素富化ガスと酸素濃縮空気とに分離する空気分離部とを備え、
    その窒素富化ガスは航空機の燃料周囲領域に導入可能とされ、その酸素濃縮空気はキャビン内に導入可能とされている航空機用空気調和装置であって、
    そのエアサイクル式冷却装置は、前記抽出空気を圧縮するコンプレッサと、そのコンプレッサにより圧縮された空気を膨張可能な2以上の膨張タービンとを有し、
    少なくとも一つの膨張タービンに、前記抽出空気を前記コンプレッサにより圧縮することなく導く膨張側バイパス流路が設けられ、
    そのエンジンまたは高圧空気供給ユニットからの抽出空気の導入により駆動される膨張タービンの膨張仕事を、圧縮動力として利用されるように前記コンプレッサに伝達する手段が設けられ、
    前記2以上の膨張タービンは、前記コンプレッサによる圧縮空気を複数段膨張させるように直列に配置可能とされ、
    その2以上の膨張タービンの中で直列配置状態で下流側に配置される下流側膨張タービンに、前記膨張側バイパス流路を介して前記抽出空気が圧縮することなく導入可能とされ、その2以上の膨張タービンの中で直列配置状態で上流側に配置される上流側膨張タービンによる膨張空気を、その下流側膨張タービンにより膨張させることなく前記キャビンに導く第2膨張側バイパス流路と、
    両膨張側バイパス流路を閉鎖すると共に上流側膨張タービンと下流側膨張タービンとの間を開く第1状態と、両膨張側バイパス流路を開くと共に上流側膨張タービンと下流側膨張タービンとの間を閉鎖する第2状態との間で切替え可能な膨張側切替え機構と、
    その膨張側切替え機構を、前記抽出空気圧力の低下時は第2状態に切替えると共にそれ以外の時は第1状態に切替えるように制御する手段とを有する航空機用空気調和装置。
  5. そのエンジンまたは高圧空気供給ユニットからの抽出空気の導入により駆動される膨張タービンによる膨張空気を機外空間に放出する手段が設けられている請求項3または4に記載の航空機用空気調和装置。
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