JP4173397B2 - 演算増幅器 - Google Patents
演算増幅器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4173397B2 JP4173397B2 JP2003108233A JP2003108233A JP4173397B2 JP 4173397 B2 JP4173397 B2 JP 4173397B2 JP 2003108233 A JP2003108233 A JP 2003108233A JP 2003108233 A JP2003108233 A JP 2003108233A JP 4173397 B2 JP4173397 B2 JP 4173397B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- operational amplifier
- output
- circuit
- amplifier circuit
- capacitance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 230000014509 gene expression Effects 0.000 claims description 21
- 239000003990 capacitor Substances 0.000 claims description 13
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 14
- 230000000593 degrading effect Effects 0.000 description 12
- 230000003321 amplification Effects 0.000 description 10
- 238000003199 nucleic acid amplification method Methods 0.000 description 10
- 230000003071 parasitic effect Effects 0.000 description 8
- 230000010355 oscillation Effects 0.000 description 7
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 3
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 229910044991 metal oxide Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Amplifiers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・電子装置に広く適用される演算増幅器に関し、特に、レギュレータ等のように、低電源電圧駆動、高電圧出力及び大電流出力が要求される演算増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている2段接続の演算増幅器では、例えば下記非特許文献1に記載されているように、固定の抵抗値RCの抵抗器と静電容量CCのコンデンサとを直列に接続して構成される位相補償回路を用いて、その位相特性を改善していた。この従来の演算増幅器の回路構成を図7に示し、その説明を行う。
【0003】
この図7に示す演算増幅器10は、半導体のチップ中に、互いに直列に接続された差動増幅回路11及び出力増幅回路13の接続間と、出力増幅回路13の出力端との間に、抵抗値RCの抵抗器15と静電容量CCのコンデンサ17とを直列に接続して構成したものである。
また、このような演算増幅器10には、チップ内において寄生容量が生じると共に、出力増幅回路13の出力端に接続される図示せぬ電子部品等によって、出力負荷電流が流れたり、チップのキャップ等によって出力端容量が生じたりするので、それらを、演算増幅器10に、コンデンサ、電流源及びアースの記号を用いて表した。即ち、Ci2は寄生容量であり、出力増幅回路13の入力容量となるものであり、ILは出力負荷電流、CLは出力端容量である。
【0004】
また、Vinは差動増幅回路11への入力電圧、Voutは出力増幅回路13の出力端からの出力電圧、VXは動作電圧である。
このような構成の演算増幅器10の小信号等価回路は図8のようになる。但し、図8の小信号等価回路において、図7に示した演算増幅器10の各部に対応する部分には同一符号を付す。同一符号を付していない構成記号には、後述で説明する式(2)〜(6)に適用する文字gm1、gm2、Ro1、Ro2を付した。
また、小信号等価回路の伝達関数H(S)は下式(1)のように求められる。
【0005】
【数1】
【0006】
但し、A0:DCゲイン、P1〜P3:極、Z:零点であり、これらのDCゲインA0、極P1〜P3、零点Zは、近似的に下式(2)〜(6)の様に表現される。
【0007】
【数2】
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】
【数5】
【0011】
【数6】
【0012】
ここで、
gm1 :差動増幅回路11の伝達コンダクタンス
gm2 :出力増幅回路13の伝達コンダクタンス
Ro1 :差動増幅回路11の出力インピーダンス
Ro2 :出力増幅回路13の出力インピーダンス
Ci2 :差動増幅回路11の入力容量
である。
【0013】
つまり、抵抗値RCと静電容量CCの値により極P1〜P3、及び零点Zを任意の位置に設定することができる。フェーズマージンを確保するための一般的な設計手法としては、下式(7a)のように、DCゲインA0と極P1の積によって表現されるGB積に対して、極P2を高域に設定することであり、
【0014】
【数7】
【0015】
【数8】
【0016】
この式(7a)及び(7b)となる様に抵抗値RCと静電容量CCの値を決定し、極P2と零点Zを高域に設定する。つまり、上式(2)〜(7a,7b)より、下式(8a)及び(8b)を求める。
【0017】
【数9】
【0018】
【数10】
【0019】
また、極P3に関しては上式(5)及び(8a,8b)より、下式(9)となる。
【0020】
【数11】
【0021】
ここで、通常Ci2≪CC、CLであるので上式(9)は、下式(10)となる。
【0022】
【数12】
【0023】
極P3は、GB積に対して十分高域に存在することになるので、これは位相特性を劣化させない。よって図9(a)に示すように、位相特性をDCゲインA0と極P1だけで表現される1次の系とみなすことができ、フェーズマージンを確保することができる。但し、図9(a)及び(b)においては、縦軸をゲイン(gain)及び極(phase)とし、横軸を周波数(Frq)とした。
【0024】
【非特許文献1】
CMOS analog circuit design Phillip E. Allen
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の演算増幅器においては、レギュレータ等に用いられる場合、出力増幅回路13は、低電源電圧駆動、高電圧出力、大電流出力が要求される。例えば、一般的に出力増幅回路13は、図10に示すようにソース接地されたP−MOS(Positive-Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ21で実現される。通常、このP−MOSトランジスタ21は、飽和領域で使用するので、下式(11)を満足しなければならない。
【0026】
【数13】
【0027】
但し、Vgs:ゲート−ソース電圧、Vth:閾値電圧、Von:ON動作電圧、Vds:ドレイン−ソース電圧である。
ここで、Vds=Vdd−Voutであり、低電源電圧駆動と高電圧出力を実現しようとすると、P−MOSのVonをあまり大きくすることが出来ない。但し、Vddはドレイン電源電圧である。
また、P−MOSトランジスタ21の直流特性は、飽和領域でのMOSトランジスタの特性を導くための下式(12)に示すSahの式(サーの式)で表される。
【0028】
【数14】
【0029】
但し、
K′:P−MOSトランジスタ21の利得係数
W :P−MOSトランジスタ21のチャネル幅
L :P−MOSトランジスタ21のチャネル長
これから、Vonを大きくすることなく、大電流出力を実現するためには、P−MOSのW/Lを大きくすればよい。
【0030】
しかし、Lにはプロセスによって決定される最小値があり、より大きな電流出力を得ようとするならば、Wを大きくしなければならない。
すると、出力増幅回路13の入力容量Ci2は、W、Lに依存しているために大きくなってしまう。この結果、抵抗値RC、静電容量CC、及び入力容量Ci2によって形成される極P3が、低域にシフトする。この極P3のシフトが更に進んで、図9(b)に示すように、直流から高周波を増幅する増幅器の開ループゲインが1になる周波数であるユニティ・ゲイン周波数f0の近傍まで近づくと、位相特性が劣化してしまい、発振が生じるという問題がある。
【0031】
この位相特性を改善する方法として、コンデンサ17の静電容量Ccを大きくしてGB積を、極P3より低域に設定することが考えられるが、演算増幅器10を構成するチップ面積が増大したり、演算増幅器10の増幅帯域が劣化したりするという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる演算増幅器を提供することを目的としている。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1による演算増幅器は、差動増幅回路と、入力端が前記差動増幅回路の出力端に接続され、ボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路と、入力端が前記演算増幅回路の出力端に接続される出力増幅回路と、前記差動増幅回路の出力端及び前記演算増幅回路の入力端の接続点と、前記出力増幅回路の出力端との間に、直列に接続される抵抗値RCの抵抗器及び静電容量CCのコンデンサと、を備え、それらの抵抗器とコンデンサによって入出力特性の位相補償が行われる演算増幅器において、前記差動増幅器の伝達コンダクタンスをgm1とした場合に、前記演算増幅回路の入力容量CiBが前記出力増幅回路の入力容量Ci2よりも小さく、且つ前記演算増幅回路の出力インピーダンスRoBが、RoB<{(CC/Ci2)×(1/gm1)}の式を満足することを特徴としている。
【0033】
この構成によれば、バッファ回路が接続されていない構成であって、低電源電圧駆動、高電圧出力及び大電流出力を実現するように構成された演算増幅器では、この演算増幅器の極P1〜P3の内、抵抗値RC、静電容量CC及び入力容量Ci2によって形成される極P3が、低域にシフトする状態が進んでユニティ・ゲイン周波数f0の近傍まで近づくと、位相特性が劣化する。
【0034】
しかし、バッファ回路を接続した構成の演算増幅器では、極P3は、バッファ回路の入力容量CiBが、CiB≪Ci2の式の条件を満足する時、高域にシフトする。また、バッファ回路を追加接続することによって新たに生じる極P4は、バッファ回路の出力インピーダンスRoBが、RoB<{(CC/Ci2)×(1/gm1)}の式の条件を満足する時、A0・P1<P4となるので、極P4は、ユニティ・ゲイン周波数f0から離れた高域に存在することになる。但し、A0はDCゲインである。このように、位相特性を劣化させる極P4を高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができる。つまり、ユニティ・ゲイン周波数f0の近傍までは、位相特性をDCゲインA0と極P1だけで表現される1次の系とみなすことができ、位相特性を改善することができる。
【0035】
また、この構成によれば、バッファ回路の入力容量CiBが、ボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路の入力容量となり、極P3は高域にシフトする。また、演算増幅回路の出力インピーダンスRoBが、上記の差動増幅回路の伝達コンダクタンスをgmBとすると、RoB=1/gmBとなるので、極P4はユニティ・ゲイン周波数f0よりも高域に存在することになり、位相特性を改善することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。但し、以下説明する全ての実施の形態において、図7に示した従来例の各部に対応する部分、互いに対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
この図1に示す第1の実施の形態の演算増幅器30が、図7に示した従来の演算増幅器10と異なる点は、差動増幅回路11の出力端と出力増幅回路13の入力端との間にバッファ回路31を接続して構成したことにある。
但し、CiBは寄生容量であり、バッファ回路31の入力容量となるものである。また、Vyは、動作電圧である。
【0043】
このような構成の演算増幅器30の小信号等価回路は図2のようになる。但し、図2の小信号等価回路において、図1に示した演算増幅器30の各部に対応する部分には同一符号を付す。また、バッファ回路31を、電圧増幅手段31aと、抵抗器31bとで表した。更に、同一符号を付していない構成要素には、従来例で説明済みの式(2)〜(6)に適用した文字gm1、gm2、Ro1、Ro2を付した。
また、小信号等価回路の伝達関数H(S)は下式(13)のように求められる。
【0044】
【数15】
【0045】
但し、A0:DCゲイン、P1〜P4:極、Z:零点であり、これらのDCゲインA0、極P1〜P4、零点Zは、近似的に下式(14)〜(19)の様に表現される。
【0046】
【数16】
【0047】
【数17】
【0048】
【数18】
【0049】
【数19】
【0050】
【数20】
【0051】
【数21】
【0052】
ここで、
P4 :バッファ回路31を追加することによって新たに生じる極
RoB :バッファ回路31の出力インピーダンス
CiB :バッファ回路31の入力容量
GB :バッファ回路31のDCゲイン(バッファの場合は、通常1)
である。
【0053】
このとき、極P1、P2、零点Zに関しては、従来例で説明済みの式(3)、(4)、(6)と、上式(15)、(16)、(19)式とを比較すると、変わっていないことが分かる。
また、極P3に関しては、式(3)と式(17)とを比較すると、バッファ回路31の入力容量CiBが、下式(20)の条件を満足する時、高域にシフトすることになる。
CiB≪Ci2 …(20)
【0054】
また、バッファ回路31を追加することによって新たに生じる極P4に関しては、バッファ回路31の出力インピーダンスRoBが、下式(21)の条件を満足する時、A0・P1<P4となるので、極P4は、図3に示すように、ユニティ・ゲイン周波数f0から離れた高域に存在することになる。但し、図3においては、縦軸をゲイン(gain)及び極(phase)とし、横軸を周波数(Frq)とした。
【0055】
【数22】
【0056】
このように、位相特性を劣化させる極P4を高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができる。つまり、ユニティ・ゲイン周波数f0の近傍までは、位相特性をDCゲインA0と極P1だけで表現される1次の系とみなすことができ、位相特性を改善することができる。
【0057】
このように位相特性を改善すれば、従来のように、コンデンサ17の静電容量Ccを大きくしてGB積を、極P3より低域に設定する必要も無いので、演算増幅器30を構成するチップ面積が増大したり、演算増幅器30の増幅帯域が劣化したりすることもない。
従って、第1の実施の形態の演算増幅器30によれば、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【0058】
この図4に示す第2の実施の形態の演算増幅器40が、上記の演算増幅器30と異なる点は、図1に示したバッファ回路31を、図4に示すボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路41で実現することによって、上記演算増幅器30と同じ機能を達成するようにしたことにある。
このような構成の演算増幅器40において、寄生容量CiBはボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路41の入力容量となり、極P3は高域にシフトする。また、演算増幅回路41の出力インピーダンスRoBは、前述の差動増幅回路11の伝達コンダクタンスをgmBとすると、RoB=1/gmBとなるので、極P4はユニティ・ゲイン周波数f0よりも高域に存在することになる。
【0059】
従って、第2の実施の形態の演算増幅器40によれば、位相特性を劣化させる極P4を高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができるので、上記第1の実施の形態で説明したと同様の理由から、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【0060】
この図5に示す第3の実施の形態の演算増幅器50が、上記の演算増幅器30と異なる点は、図1に示したバッファ回路31を、図5に示すレベルシフタ回路51を用いることによって実現し、上記演算増幅器30と同じ機能を達成するようにしたことにある。
レベルシフタ回路51は、電源53とアース19との間に、N−MOS(Negative-MetalOxide Semiconductor)トランジスタ55と定電流源57を直列に接続したものである。更に言及すれば、定電流源57に直列にN−MOSトランジスタ55がソース・フォロア(ドレイン接地)接続されており、N−MOSトランジスタ55のゲート端が差動増幅回路11の出力端に接続され、ソース端が出力増幅回路13の入力端に接続されている。
【0061】
このような構成の演算増幅器50においては、寄生容量CiBが、ソース・フォロア接続されたN−MOSトランジスタ55のゲート容量となるので、極P3は高域にシフトする。
また、レベルシフタ回路51の出力インピーダンスRoBは、N−MOSトランジスタ55の伝達コンダクタンスをgmNとすると、RoB=1/gmNとなるので、極P4はユニティ・ゲイン周波数f0よりも高域に存在することになる。
【0062】
従って、第3の実施の形態の演算増幅器50によれば、位相特性を劣化させる極P4を高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができるので、上記第1の実施の形態で説明したと同様の理由から、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる。
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【0063】
この図6に示す第4の実施の形態の演算増幅器60が、図5に示した演算増幅器50と異なる点は、2つ以上のレベルシフタ回路(この例では、2つのレベルシフタ回路51,61)を用いたことにある。
レベルシフタ回路61は、電源53とアース19との間に、定電流源63とP−MOSトランジスタ65を直列に接続したものであり、P−MOSトランジスタ65のソース端が定電流源63及び出力増幅回路13の入力端に接続され、ゲート端がN−MOSトランジスタ55のソース端に接続されている。
つまり、各レベルシフタ回路51,61は、シフトレベルの総和が小さくなるように接続されている。ここで、出力増幅回路13の入力電圧をVin2とすると、差動増幅回路11の出力電圧Vout1は、下式(22)となる。
【0064】
【数23】
【0065】
但し、VgsP:P−MOSトランジスタ65のゲート−ソース電圧、VgsN:N−MOSトランジスタ55のゲート−ソース電圧である。
この関係から、VgsPとVgsNは、打ち消しあう方向にある。これによって、差動増幅回路11の出力電圧Vout1は、各レベルシフタ回路51,61を挿入する前の出力電圧であるVin2に近づく。このため、差動増幅回路11の出力電圧範囲を変更する必要が無く、動作点がとり易くなる。
【0066】
このような構成の演算増幅器60においては、寄生容量CiBは、ソース・フォロア接続されたN−MOSトランジスタ55のゲート容量となるので、極P3は高域にシフトする。
また、レベルシフタ回路61の出力インピーダンスRoBは、P−MOSトランジスタ65の伝達コンダクタンスをgmPとすると、RoB=1/gmPとなるので、極P4はユニティ・ゲイン周波数f0よりも高域に存在することになる。
【0067】
従って、第4の実施の形態の演算増幅器60によれば、位相特性を劣化させる極P4を高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができるので、上記第1の実施の形態で説明したと同様の理由から、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、演算増幅器を、互いに直列に接続された差動増幅回路及び出力増幅回路の接続間と、その出力増幅回路の出力端との間に、抵抗値RCの抵抗器と静電容量CCのコンデンサとを直列に接続し、それらの抵抗器とコンデンサによって入出力特性の位相補償を行う構成において、差動増幅回路と出力増幅回路との間に、電圧を増幅するバッファ回路を接続する。そして、差動増幅器の伝達コンダクタンスをgm1とした場合に、バッファ回路の入力容量CiBが出力増幅回路の入力容量Ci2よりも小さく、且つバッファ回路の出力インピーダンスRoBが、RoB<{(CC/Ci2)×(1/gm1)}の式を満足するように構成した。
【0069】
低電源電圧駆動、高電圧出力及び大電流出力を実現するように構成された演算増幅器では、バッファ回路が接続されていない従来構成の場合、演算増幅器の極P1〜P3の内、抵抗値RC、静電容量CC及び入力容量Ci2によって形成される極P3が、低域にシフトする状態が進んでユニティ・ゲイン周波数f0の近傍まで近づくと、位相特性が劣化する。
【0070】
しかし、バッファ回路を接続した本発明構成の演算増幅器では、極P3は、バッファ回路の入力容量CiBが、CiB≪Ci2の式の条件を満足する時、高域にシフトする。また、バッファ回路を追加接続することによって新たに生じる極P4は、バッファ回路の出力インピーダンスRoBが、RoB<{(CC/Ci2)×(1/gm1)}の式の条件を満足する時、A0・P1<P4となるので、極P4は、ユニティ・ゲイン周波数f0から離れた高域に存在することになる。
【0071】
但し、A0はDCゲインである。このように、位相特性を劣化させる極P4を高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができる。つまり、ユニティ・ゲイン周波数f0の近傍までは、位相特性をDCゲインA0と極P1だけで表現される1次の系とみなすことができ、位相特性を改善することができる。
このように位相特性を改善すれば、従来のように、コンデンサの静電容量Ccを大きくしてGB積を、極P3より低域に設定する必要も無いので、演算増幅器を構成するチップ面積が増大したり、演算増幅器の増幅帯域が劣化したりすることもない。
従って、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る演算増幅器の小信号等価回路の構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る演算増幅器の位相特性図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図7】従来の演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図8】従来の演算増幅器の小信号等価回路の構成を示す図である。
【図9】従来の演算増幅器の位相特性図である。
【図10】従来の演算増幅器の出力増幅回路の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
10,30,40,50,60 演算増幅器
11 差動増幅回路
13 出力増幅回路
15 抵抗器
17 コンデンサ
21,65 P−MOSトランジスタ
31 バッファ回路
41 演算増幅回路
51,61 レベルシフタ回路
55 N−MOSトランジスタ
57,63 定電流源
RC 抵抗値
CC 静電容量
Ci2 寄生容量(出力増幅回路の入力容量)
CiB 寄生容量(バッファ回路の入力容量)
IL 出力負荷電流
CL 出力端容量
Vin 差動増幅回路への入力電圧
Vout 出力増幅回路からの出力電圧
VX,Vy 動作電圧
gm1 差動増幅回路の伝達コンダクタンス
gm2 出力増幅回路の伝達コンダクタンス
Ro1 差動増幅回路の出力インピーダンス
Ro2 出力増幅回路の出力インピーダンス
Vds ドレイン−ソース電圧
Vdd ドレイン電源電圧
RoB バッファ回路の出力インピーダンス
GB バッファ回路のDCゲイン
Claims (1)
- 差動増幅回路と、
入力端が前記差動増幅回路の出力端に接続され、ボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路と、
入力端が前記演算増幅回路の出力端に接続される出力増幅回路と、
前記差動増幅回路の出力端及び前記演算増幅回路の入力端の接続点と、前記出力増幅回路の出力端との間に、直列に接続される抵抗値RCの抵抗器及び静電容量CCのコンデンサと、を備え、それらの抵抗器とコンデンサによって入出力特性の位相補償が行われる演算増幅器において、
前記差動増幅器の伝達コンダクタンスをgm1とした場合に、前記演算増幅回路の入力容量CiBが前記出力増幅回路の入力容量Ci2よりも小さく、且つ前記演算増幅回路の出力インピーダンスRoBが、RoB<{(CC/Ci2)×(1/gm1)}の式を満足することを特徴とする演算増幅器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003108233A JP4173397B2 (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 演算増幅器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003108233A JP4173397B2 (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 演算増幅器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004320156A JP2004320156A (ja) | 2004-11-11 |
JP4173397B2 true JP4173397B2 (ja) | 2008-10-29 |
Family
ID=33469832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003108233A Expired - Lifetime JP4173397B2 (ja) | 2003-04-11 | 2003-04-11 | 演算増幅器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4173397B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH063852B2 (ja) * | 1985-09-20 | 1994-01-12 | 株式会社日立製作所 | Mos増幅出力回路 |
JPH0769748B2 (ja) * | 1987-04-08 | 1995-07-31 | 株式会社日立製作所 | 定電流源回路 |
JPH03274911A (ja) * | 1990-03-26 | 1991-12-05 | Hitachi Ltd | 演算増幅器 |
JPH0993052A (ja) * | 1995-09-25 | 1997-04-04 | Sony Corp | 多入力差動増幅回路 |
JP2000194327A (ja) * | 1998-12-28 | 2000-07-14 | Toshiba Corp | 表示装置 |
-
2003
- 2003-04-11 JP JP2003108233A patent/JP4173397B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004320156A (ja) | 2004-11-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4575818B2 (ja) | 増幅回路用バイアス回路 | |
US8149055B2 (en) | Semiconductor integrated circuit device | |
US7002409B1 (en) | Compensation circuit for amplifiers having multiple stages | |
US7248117B1 (en) | Frequency compensation architecture for stable high frequency operation | |
TWI789084B (zh) | 佈局緊密且對共模雜訊高度免疫的連續時間線性等化器 | |
US6891433B2 (en) | Low voltage high gain amplifier circuits | |
US7855601B2 (en) | Semiconductor device | |
JP3534375B2 (ja) | 差動回路を含む電子回路 | |
US7295071B1 (en) | High speed, high DC gain and wide dynamic range amplifier | |
CN112821875B (zh) | 一种放大器电路 | |
US6989716B2 (en) | Variable gain amplifier | |
JP3750787B2 (ja) | シリーズレギュレータ電源回路 | |
US6919767B2 (en) | Circuit arrangement for low-noise fully differential amplification | |
US10812029B2 (en) | Operational amplifier | |
US6437612B1 (en) | Inductor-less RF/IF CMOS buffer for 50Ω off-chip load driving | |
US20070252648A1 (en) | Operational amplifier | |
JP4173397B2 (ja) | 演算増幅器 | |
US7193468B2 (en) | Active load circuit for low-voltage CMOS voltage gain amplifier with wide bandwidth and high gain characteristic | |
JP4559908B2 (ja) | 演算増幅器 | |
US7453315B2 (en) | Active inductive load that enhances circuit bandwidth | |
US7528655B2 (en) | Amplifier with improved compensation topology and related amplifier circuit, system, and method | |
JP4862694B2 (ja) | Fetアンプおよびそのバイアス回路 | |
JP4867066B2 (ja) | 増幅回路 | |
JP3784382B2 (ja) | 半導体集積回路 | |
EP1124326A1 (en) | An operational amplifier with high gain and sysmmetrical output-current capabilty |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051102 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070402 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20070402 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080212 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080403 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080513 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080710 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080805 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080813 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4173397 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130822 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |