JP2004320156A - 演算増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる演算増幅器を提供する。
【解決手段】互いに直列に接続された差動増幅回路11及び出力増幅回路13の接続間と、出力増幅回路13の出力端との間に、抵抗値Rの抵抗器15と静電容量Cのコンデンサ17とを直列に接続し、抵抗器15とコンデンサ17によって入出力特性の位相補償を行う演算増幅器である。この演算増幅器を、差動増幅回路11と出力増幅回路13との間に、電圧を増幅するバッファ回路31を接続し、差動増幅回路11の伝達コンダクタンスをgmとした場合に、バッファ回路31の入力容量Ciが、出力増幅回路13の入力容量Ciよりも小さく、且つバッファ回路31の出力インピーダンスRoが、Ro<{(C/Ci)×(1/gm)}の式を満足するように構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・電子装置に広く適用される演算増幅器に関し、特に、レギュレータ等のように、低電源電圧駆動、高電圧出力及び大電流出力が要求される演算増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている2段接続の演算増幅器では、例えば下記非特許文献1に記載されているように、固定の抵抗値Rの抵抗器と静電容量Cのコンデンサとを直列に接続して構成される位相補償回路を用いて、その位相特性を改善していた。この従来の演算増幅器の回路構成を図7に示し、その説明を行う。
【0003】
この図7に示す演算増幅器10は、半導体のチップ中に、互いに直列に接続された差動増幅回路11及び出力増幅回路13の接続間と、出力増幅回路13の出力端との間に、抵抗値Rの抵抗器15と静電容量Cのコンデンサ17とを直列に接続して構成したものである。
また、このような演算増幅器10には、チップ内において寄生容量が生じると共に、出力増幅回路13の出力端に接続される図示せぬ電子部品等によって、出力負荷電流が流れたり、チップのキャップ等によって出力端容量が生じたりするので、それらを、演算増幅器10に、コンデンサ、電流源及びアースの記号を用いて表した。即ち、Ciは寄生容量であり、出力増幅回路13の入力容量となるものであり、Iは出力負荷電流、Cは出力端容量である。
【0004】
また、Vinは差動増幅回路11への入力電圧、Voutは出力増幅回路13の出力端からの出力電圧、Vは動作電圧である。
このような構成の演算増幅器10の小信号等価回路は図8のようになる。但し、図8の小信号等価回路において、図7に示した演算増幅器10の各部に対応する部分には同一符号を付す。同一符号を付していない構成記号には、後述で説明する式(2)〜(6)に適用する文字gm、gm、Ro、Roを付した。
また、小信号等価回路の伝達関数H(S)は下式(1)のように求められる。
【0005】
【数1】
Figure 2004320156
【0006】
但し、A:DCゲイン、P〜P:極、Z:零点であり、これらのDCゲインA、極P〜P、零点Zは、近似的に下式(2)〜(6)の様に表現される。
【0007】
【数2】
Figure 2004320156
【0008】
【数3】
Figure 2004320156
【0009】
【数4】
Figure 2004320156
【0010】
【数5】
Figure 2004320156
【0011】
【数6】
Figure 2004320156
【0012】
ここで、
gm :差動増幅回路11の伝達コンダクタンス
gm :出力増幅回路13の伝達コンダクタンス
Ro :差動増幅回路11の出力インピーダンス
Ro :出力増幅回路13の出力インピーダンス
Ci :差動増幅回路11の入力容量
である。
【0013】
つまり、抵抗値Rと静電容量Cの値により極P〜P、及び零点Zを任意の位置に設定することができる。フェーズマージンを確保するための一般的な設計手法としては、下式(7a)のように、DCゲインAと極Pの積によって表現されるGB積に対して、極Pを高域に設定することであり、
【0014】
【数7】
Figure 2004320156
【0015】
【数8】
Figure 2004320156
【0016】
この式(7a)及び(7b)となる様に抵抗値Rと静電容量Cの値を決定し、極Pと零点Zを高域に設定する。つまり、上式(2)〜(7a,7b)より、下式(8a)及び(8b)を求める。
【0017】
【数9】
Figure 2004320156
【0018】
【数10】
Figure 2004320156
【0019】
また、極Pに関しては上式(5)及び(8a,8b)より、下式(9)となる。
【0020】
【数11】
Figure 2004320156
【0021】
ここで、通常Ci≪C、Cであるので上式(9)は、下式(10)となる。
【0022】
【数12】
Figure 2004320156
【0023】
極Pは、GB積に対して十分高域に存在することになるので、これは位相特性を劣化させない。よって図9(a)に示すように、位相特性をDCゲインAと極Pだけで表現される1次の系とみなすことができ、フェーズマージンを確保することができる。但し、図9(a)及び(b)においては、縦軸をゲイン(gain)及び極(phase)とし、横軸を周波数(Frq)とした。
【0024】
【非特許文献1】
CMOS analog circuit design Phillip E. Allen
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の演算増幅器においては、レギュレータ等に用いられる場合、出力増幅回路13は、低電源電圧駆動、高電圧出力、大電流出力が要求される。例えば、一般的に出力増幅回路13は、図10に示すようにソース接地されたP−MOS(Positive−Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ21で実現される。通常、このP−MOSトランジスタ21は、飽和領域で使用するので、下式(11)を満足しなければならない。
【0026】
【数13】
Figure 2004320156
【0027】
但し、Vgs:ゲート−ソース電圧、Vth:閾値電圧、Von:ON動作電圧、Vds:ドレイン−ソース電圧である。
ここで、Vds=Vdd−Voutであり、低電源電圧駆動と高電圧出力を実現しようとすると、P−MOSのVonをあまり大きくすることが出来ない。但し、Vddはドレイン電源電圧である。
また、P−MOSトランジスタ21の直流特性は、飽和領域でのMOSトランジスタの特性を導くための下式(12)に示すSahの式(サーの式)で表される。
【0028】
【数14】
Figure 2004320156
【0029】
但し、
K′:P−MOSトランジスタ21の利得係数
W :P−MOSトランジスタ21のチャネル幅
L :P−MOSトランジスタ21のチャネル長
これから、Vonを大きくすることなく、大電流出力を実現するためには、P−MOSのW/Lを大きくすればよい。
【0030】
しかし、Lにはプロセスによって決定される最小値があり、より大きな電流出力を得ようとするならば、Wを大きくしなければならない。
すると、出力増幅回路13の入力容量Ciは、W、Lに依存しているために大きくなってしまう。この結果、抵抗値R、静電容量C、及び入力容量Ciによって形成される極Pが、低域にシフトする。この極Pのシフトが更に進んで、図9(b)に示すように、直流から高周波を増幅する増幅器の開ループゲインが1になる周波数であるユニティ・ゲイン周波数fの近傍まで近づくと、位相特性が劣化してしまい、発振が生じるという問題がある。
【0031】
この位相特性を改善する方法として、コンデンサ17の静電容量Ccを大きくしてGB積を、極Pより低域に設定することが考えられるが、演算増幅器10を構成するチップ面積が増大したり、演算増幅器10の増幅帯域が劣化したりするという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる演算増幅器を提供することを目的としている。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1による演算増幅器は、互いに直列に接続された差動増幅回路及び出力増幅回路の接続間と、その出力増幅回路の出力端との間に、抵抗値Rの抵抗器と静電容量Cのコンデンサとを直列に接続し、それらの抵抗器とコンデンサによって入出力特性の位相補償が行われる演算増幅器において、前記差動増幅回路と前記出力増幅回路との間に、電圧を増幅するバッファ回路を接続し、前記差動増幅器の伝達コンダクタンスをgmとした場合に、前記バッファ回路の入力容量Ciが前記出力増幅回路の入力容量Ciよりも小さく、且つ前記バッファ回路の出力インピーダンスRoが、Ro<{(C/Ci)×(1/gm)}の式を満足することを特徴としている。
【0033】
この構成によれば、バッファ回路が接続されていない構成であって、低電源電圧駆動、高電圧出力及び大電流出力を実現するように構成された演算増幅器では、この演算増幅器の極P〜Pの内、抵抗値R、静電容量C及び入力容量Ciによって形成される極Pが、低域にシフトする状態が進んでユニティ・ゲイン周波数fの近傍まで近づくと、位相特性が劣化する。
【0034】
しかし、バッファ回路を接続した構成の演算増幅器では、極Pは、バッファ回路の入力容量Ciが、Ci≪Ciの式の条件を満足する時、高域にシフトする。また、バッファ回路を追加接続することによって新たに生じる極Pは、バッファ回路の出力インピーダンスRoが、Ro<{(C/Ci)×(1/gm)}の式の条件を満足する時、A・P<Pとなるので、極Pは、ユニティ・ゲイン周波数fから離れた高域に存在することになる。但し、AはDCゲインである。このように、位相特性を劣化させる極Pを高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができる。つまり、ユニティ・ゲイン周波数fの近傍までは、位相特性をDCゲインAと極Pだけで表現される1次の系とみなすことができ、位相特性を改善することができる。
【0035】
また、本発明の請求項2による演算増幅器は、請求項1において、前記バッファ回路を、ボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路としたことを特徴としている。
この構成によれば、バッファ回路の入力容量Ciが、ボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路の入力容量となり、極Pは高域にシフトする。また、演算増幅回路の出力インピーダンスRoが、上記の差動増幅回路の伝達コンダクタンスをgmとすると、Ro=1/gmとなるので、極Pはユニティ・ゲイン周波数fよりも高域に存在することになり、位相特性を改善することができる。
【0036】
また、本発明の請求項3による演算増幅器は、請求項1において、前記バッファ回路を、定電流源、抵抗器及びダイオードの少なくとも1つに、直列にトランジスタをソース・フォロア接続したレベルシフタ回路としたことを特徴としている。
【0037】
この構成において、例えば、トランジスタとしてN−MOSトランジスタを用い、定電流源に、直列にN−MOSトランジスタをソース・フォロア(ドレイン接地)接続し、N−MOSトランジスタのゲート端を差動増幅回路の出力端に接続し、ソース端を出力増幅回路の入力端に接続してレベルシフタ回路を構成したとする。この場合の演算増幅器においては、バッファ回路の入力容量Ciが、ソース・フォロア接続されたN−MOSトランジスタのゲート容量となるので、極Pは高域にシフトする。また、レベルシフタ回路の出力インピーダンスRoは、N−MOSトランジスタの伝達コンダクタンスをgmとすると、Ro=1/gmとなるので、極Pはユニティ・ゲイン周波数fよりも高域に存在することになり、位相特性を改善することができる。
【0038】
また、本発明の請求項4による演算増幅器は、請求項3において、前記レベルシフタ回路を、少なくとも2つ以上用いて接続し、且つ、それらのレベルシフタ回路でシフトされるレベルの総和が小さくなるように接続したことを特徴としている。
この構成によれば、例えば、前述のN−MOSトランジスタを用いた構成のレベルシフタ回路(第1のレベルシフタ回路)の後段に、定電流源とP−MOSトランジスタを直列に接続し、P−MOSトランジスタのソース端を定電流源及び出力増幅回路の入力端に接続し、ゲート端を第1のレベルシフタ回路のN−MOSトランジスタのソース端に接続した第2のレベルシフタ回路を用いて、バッファ回路を構成したとする。
【0039】
この場合、双方のレベルシフタ回路は、シフトレベルの総和が小さくなるように接続されているので、P−MOSトランジスタのゲート−ソース電圧と、N−MOSトランジスタのゲート−ソース電圧とが打ち消しあう方向となる。これによって、差動増幅回路の出力電圧が、各レベルシフタを挿入する前の出力電圧に近づく。このため、差動増幅回路の出力電圧範囲を変更する必要が無く、動作点がとり易くなる。
【0040】
また、このような構成の演算増幅器においては、バッファ回路の入力容量Ciが、第1のレベルシフタ回路におけるN−MOSトランジスタのゲート容量となるので、極Pは高域にシフトする。また、第2のレベルシフタ回路の出力インピーダンスRoが、P−MOSトランジスタの伝達コンダクタンスをgmとすると、Ro=1/gmとなるので、極Pがユニティ・ゲイン周波数fよりも高域に存在することになり、位相特性を改善することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。但し、以下説明する全ての実施の形態において、図7に示した従来例の各部に対応する部分、互いに対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
この図1に示す第1の実施の形態の演算増幅器30が、図7に示した従来の演算増幅器10と異なる点は、差動増幅回路11の出力端と出力増幅回路13の入力端との間にバッファ回路31を接続して構成したことにある。
但し、Ciは寄生容量であり、バッファ回路31の入力容量となるものである。また、Vyは、動作電圧である。
【0043】
このような構成の演算増幅器30の小信号等価回路は図2のようになる。但し、図2の小信号等価回路において、図1に示した演算増幅器30の各部に対応する部分には同一符号を付す。また、バッファ回路31を、電圧増幅手段31aと、抵抗器31bとで表した。更に、同一符号を付していない構成要素には、従来例で説明済みの式(2)〜(6)に適用した文字gm、gm、Ro、Roを付した。
また、小信号等価回路の伝達関数H(S)は下式(13)のように求められる。
【0044】
【数15】
Figure 2004320156
【0045】
但し、A:DCゲイン、P〜P:極、Z:零点であり、これらのDCゲインA、極P〜P、零点Zは、近似的に下式(14)〜(19)の様に表現される。
【0046】
【数16】
Figure 2004320156
【0047】
【数17】
Figure 2004320156
【0048】
【数18】
Figure 2004320156
【0049】
【数19】
Figure 2004320156
【0050】
【数20】
Figure 2004320156
【0051】
【数21】
Figure 2004320156
【0052】
ここで、
:バッファ回路31を追加することによって新たに生じる極
Ro :バッファ回路31の出力インピーダンス
Ci :バッファ回路31の入力容量
:バッファ回路31のDCゲイン(バッファの場合は、通常1)
である。
【0053】
このとき、極P、P、零点Zに関しては、従来例で説明済みの式(3)、(4)、(6)と、上式(15)、(16)、(19)式とを比較すると、変わっていないことが分かる。
また、極Pに関しては、式(3)と式(17)とを比較すると、バッファ回路31の入力容量Ciが、下式(20)の条件を満足する時、高域にシフトすることになる。
Ci≪Ci …(20)
【0054】
また、バッファ回路31を追加することによって新たに生じる極Pに関しては、バッファ回路31の出力インピーダンスRoが、下式(21)の条件を満足する時、A・P<Pとなるので、極Pは、図3に示すように、ユニティ・ゲイン周波数fから離れた高域に存在することになる。但し、図3においては、縦軸をゲイン(gain)及び極(phase)とし、横軸を周波数(Frq)とした。
【0055】
【数22】
Figure 2004320156
【0056】
このように、位相特性を劣化させる極Pを高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができる。つまり、ユニティ・ゲイン周波数fの近傍までは、位相特性をDCゲインAと極Pだけで表現される1次の系とみなすことができ、位相特性を改善することができる。
【0057】
このように位相特性を改善すれば、従来のように、コンデンサ17の静電容量Ccを大きくしてGB積を、極Pより低域に設定する必要も無いので、演算増幅器30を構成するチップ面積が増大したり、演算増幅器30の増幅帯域が劣化したりすることもない。
従って、第1の実施の形態の演算増幅器30によれば、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【0058】
この図4に示す第2の実施の形態の演算増幅器40が、上記の演算増幅器30と異なる点は、図1に示したバッファ回路31を、図4に示すボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路41で実現することによって、上記演算増幅器30と同じ機能を達成するようにしたことにある。
このような構成の演算増幅器40において、寄生容量Ciはボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路41の入力容量となり、極Pは高域にシフトする。また、演算増幅回路41の出力インピーダンスRoは、前述の差動増幅回路11の伝達コンダクタンスをgmとすると、Ro=1/gmとなるので、極Pはユニティ・ゲイン周波数fよりも高域に存在することになる。
【0059】
従って、第2の実施の形態の演算増幅器40によれば、位相特性を劣化させる極Pを高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができるので、上記第1の実施の形態で説明したと同様の理由から、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる。
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【0060】
この図5に示す第3の実施の形態の演算増幅器50が、上記の演算増幅器30と異なる点は、図1に示したバッファ回路31を、図5に示すレベルシフタ回路51を用いることによって実現し、上記演算増幅器30と同じ機能を達成するようにしたことにある。
レベルシフタ回路51は、電源53とアース19との間に、N−MOS(Negative−MetalOxide Semiconductor)トランジスタ55と定電流源57を直列に接続したものである。更に言及すれば、定電流源57に直列にN−MOSトランジスタ55がソース・フォロア(ドレイン接地)接続されており、N−MOSトランジスタ55のゲート端が差動増幅回路11の出力端に接続され、ソース端が出力増幅回路13の入力端に接続されている。
【0061】
このような構成の演算増幅器50においては、寄生容量Ciが、ソース・フォロア接続されたN−MOSトランジスタ55のゲート容量となるので、極Pは高域にシフトする。
また、レベルシフタ回路51の出力インピーダンスRoは、N−MOSトランジスタ55の伝達コンダクタンスをgmとすると、Ro=1/gmとなるので、極Pはユニティ・ゲイン周波数fよりも高域に存在することになる。
【0062】
従って、第3の実施の形態の演算増幅器50によれば、位相特性を劣化させる極Pを高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができるので、上記第1の実施の形態で説明したと同様の理由から、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる。
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【0063】
この図6に示す第4の実施の形態の演算増幅器60が、図5に示した演算増幅器50と異なる点は、2つ以上のレベルシフタ回路(この例では、2つのレベルシフタ回路51,61)を用いたことにある。
レベルシフタ回路61は、電源53とアース19との間に、定電流源63とP−MOSトランジスタ65を直列に接続したものであり、P−MOSトランジスタ65のソース端が定電流源63及び出力増幅回路13の入力端に接続され、ゲート端がN−MOSトランジスタ55のソース端に接続されている。
つまり、各レベルシフタ回路51,61は、シフトレベルの総和が小さくなるように接続されている。ここで、出力増幅回路13の入力電圧をVinとすると、差動増幅回路11の出力電圧Voutは、下式(22)となる。
【0064】
【数23】
Figure 2004320156
【0065】
但し、Vgs:P−MOSトランジスタ65のゲート−ソース電圧、Vgs:N−MOSトランジスタ55のゲート−ソース電圧である。
この関係から、VgsとVgsは、打ち消しあう方向にある。これによって、差動増幅回路11の出力電圧Voutは、各レベルシフタ回路51,61を挿入する前の出力電圧であるVinに近づく。このため、差動増幅回路11の出力電圧範囲を変更する必要が無く、動作点がとり易くなる。
【0066】
このような構成の演算増幅器60においては、寄生容量Ciは、ソース・フォロア接続されたN−MOSトランジスタ55のゲート容量となるので、極Pは高域にシフトする。
また、レベルシフタ回路61の出力インピーダンスRoは、P−MOSトランジスタ65の伝達コンダクタンスをgmとすると、Ro=1/gmとなるので、極Pはユニティ・ゲイン周波数fよりも高域に存在することになる。
【0067】
従って、第4の実施の形態の演算増幅器60によれば、位相特性を劣化させる極Pを高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができるので、上記第1の実施の形態で説明したと同様の理由から、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、演算増幅器を、互いに直列に接続された差動増幅回路及び出力増幅回路の接続間と、その出力増幅回路の出力端との間に、抵抗値Rの抵抗器と静電容量Cのコンデンサとを直列に接続し、それらの抵抗器とコンデンサによって入出力特性の位相補償を行う構成において、差動増幅回路と出力増幅回路との間に、電圧を増幅するバッファ回路を接続する。そして、差動増幅器の伝達コンダクタンスをgmとした場合に、バッファ回路の入力容量Ciが出力増幅回路の入力容量Ciよりも小さく、且つバッファ回路の出力インピーダンスRoが、Ro<{(C/Ci)×(1/gm)}の式を満足するように構成した。
【0069】
低電源電圧駆動、高電圧出力及び大電流出力を実現するように構成された演算増幅器では、バッファ回路が接続されていない従来構成の場合、演算増幅器の極P〜Pの内、抵抗値R、静電容量C及び入力容量Ciによって形成される極Pが、低域にシフトする状態が進んでユニティ・ゲイン周波数fの近傍まで近づくと、位相特性が劣化する。
【0070】
しかし、バッファ回路を接続した本発明構成の演算増幅器では、極Pは、バッファ回路の入力容量Ciが、Ci≪Ciの式の条件を満足する時、高域にシフトする。また、バッファ回路を追加接続することによって新たに生じる極Pは、バッファ回路の出力インピーダンスRoが、Ro<{(C/Ci)×(1/gm)}の式の条件を満足する時、A・P<Pとなるので、極Pは、ユニティ・ゲイン周波数fから離れた高域に存在することになる。
【0071】
但し、AはDCゲインである。このように、位相特性を劣化させる極Pを高域にシフトさせてフェーズマージンを確保することができる。つまり、ユニティ・ゲイン周波数fの近傍までは、位相特性をDCゲインAと極Pだけで表現される1次の系とみなすことができ、位相特性を改善することができる。
このように位相特性を改善すれば、従来のように、コンデンサの静電容量Ccを大きくしてGB積を、極Pより低域に設定する必要も無いので、演算増幅器を構成するチップ面積が増大したり、演算増幅器の増幅帯域が劣化したりすることもない。
従って、チップ面積を増大させず、増幅帯域を劣化させることなく、位相特性を改善することによって発振を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る演算増幅器の小信号等価回路の構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る演算増幅器の位相特性図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図7】従来の演算増幅器の回路構成を示す図である。
【図8】従来の演算増幅器の小信号等価回路の構成を示す図である。
【図9】従来の演算増幅器の位相特性図である。
【図10】従来の演算増幅器の出力増幅回路の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
10,30,40,50,60 演算増幅器
11 差動増幅回路
13 出力増幅回路
15 抵抗器
17 コンデンサ
21,65 P−MOSトランジスタ
31 バッファ回路
41 演算増幅回路
51,61 レベルシフタ回路
55 N−MOSトランジスタ
57,63 定電流源
抵抗値
静電容量
Ci 寄生容量(出力増幅回路の入力容量)
Ci 寄生容量(バッファ回路の入力容量)
出力負荷電流
出力端容量
in 差動増幅回路への入力電圧
out 出力増幅回路からの出力電圧
,V 動作電圧
gm 差動増幅回路の伝達コンダクタンス
gm 出力増幅回路の伝達コンダクタンス
Ro 差動増幅回路の出力インピーダンス
Ro 出力増幅回路の出力インピーダンス
Vds ドレイン−ソース電圧
Vdd ドレイン電源電圧
Ro バッファ回路の出力インピーダンス
バッファ回路のDCゲイン

Claims (4)

  1. 互いに直列に接続された差動増幅回路及び出力増幅回路の接続間と、その出力増幅回路の出力端との間に、抵抗値Rの抵抗器と静電容量Cのコンデンサとを直列に接続し、それらの抵抗器とコンデンサによって入出力特性の位相補償が行われる演算増幅器において、
    前記差動増幅回路と前記出力増幅回路との間に、電圧を増幅するバッファ回路を接続し、
    前記差動増幅器の伝達コンダクタンスをgmとした場合に、前記バッファ回路の入力容量Ciが前記出力増幅回路の入力容量Ciよりも小さく、且つ前記バッファ回路の出力インピーダンスRoが、Ro<{(C/Ci)×(1/gm)}の式を満足する
    ことを特徴とする演算増幅器。
  2. 前記バッファ回路を、ボルテージ・フォロア接続された演算増幅回路とした
    ことを特徴とする請求項1に記載の演算増幅器。
  3. 前記バッファ回路を、定電流源、抵抗器及びダイオードの少なくとも1つに、直列にトランジスタをソース・フォロア接続したレベルシフタ回路とした
    ことを特徴とする請求項1に記載の演算増幅器。
  4. 前記レベルシフタ回路を、少なくとも2つ以上用いて接続し、且つ、それらのレベルシフタ回路でシフトされるレベルの総和が小さくなるように接続した
    ことを特徴とする請求項3に記載の演算増幅器。
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