JP4172070B2 - Lsiチップ及びlsiチップ間の伝送方法 - Google Patents

Lsiチップ及びlsiチップ間の伝送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSIチップ間の伝送方法、特にLSIチップ間の伝送を無線で行うようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来のLSIチップが搭載されたプリント基板上の配線図である。
図に示すように、プリント基板に実装された例えば2つのLSIチップ間の信号の伝送経路を形成するため、その各LSIチップ1の複数のパッドはプリント基板2に印刷された配線3とパッケージ工程や半田工程を必要とするワイヤボンディング、TAB、リード等の接続方式4により接続されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のLSIチップ間の伝送経路を形成するのに、各LSIチップ1のパッドとプリント基板2の配線3とをワイヤボンディング、TAB、リード等の接続方式4により接続することにより、パッケージ工程や半田工程を必要とするためにコストと時間がかかってしまい、また実装面積が増大し、さらに配線が長くなることにより、信号の伝送スピードの低下を招くという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、プリント基板に複数のLSIチップを実装しても、装置の実装面積を縮小することができ、信号の伝送スピードを向上させることできるLSIチップ及びLSIチップ間の伝送方法を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るLSIは、LSIチップ本体と、前記LSIチップ本体の表面上に設けられたパッドと、前記複数のパッドに内蔵され、電磁波信号を送受信する送受信用アンテナと、前記LSIチップ本体に内蔵され、前記電磁波信号をデジタル信号に変換、あるいは、前記デジタル信号を前記電磁波信号に変換する信号変換部と、前記デジタル信号の伝送を制御する通信制御部とを備えている。
【0006】
本発明においては、プリント基板に複数のLSIチップが搭載され、その1つのLSIチップ内の通信制御部がある1つのパッドに対応する信号変換部デジタル信号を伝送し、その信号変換部はそのデジタル信号を所定の周波数の電磁波信号に変換してパッドに内蔵された送受信用アンテナに伝送し、その送受信用アンテナから電磁波信号が送信され、その電磁波信号を受信可能な別のパッド或いはプリント基板に搭載された別のLSIチップのパッドに内蔵されている送受信用アンテナで受信されて信号変換部部に電磁波信号が伝送され、その信号変換部部がその電磁波信号をデジタル信号に変換して通信制御部に伝送することにより、LSIチップのパッド相互間或いは各々のLSIチップのパッド同士の間において信号の無線による伝送が行われるようにしたので、プリント基板に搭載されたLSIチップにワイヤーボンディングをしなくて良いため、実装面積を小さくすることができ、また組立工程も削減できるためコストダウンにもなり、さらに、伝送線路を持たないため、信号のやりとりのスピードアップができ、しかもワイヤーボンディング工程を削除できるため、ワイヤーボンディング工程によるパッド間隔の制限がなくなり、多数のパッドを取ることができ、またLSIチップの4辺のみでなく内部にもパッドを取ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1に係るLSIチップ間の伝送方法に用いられるLSIチップの構成を示すブロック図、図2は同LSIチップのパッドの断面図、図3は同LSIチップのパッドの平面図、図4の(a)は同LSIチップのパッドに用いられる逆F形アンテナの基本形を示す説明図、図4の(b)は同LSIチップのパッドに用いられる逆F形アンテナの入力と出力がある状態を示す説明図、図5は同LSIチップのパッドに用いられる逆F形アンテナの電磁波の出力強度と周波数の関係を表した波形図、図6は同LSIチップのパッド間の信号を区別するために反射率のピークの周波数を少しずらした波形図、図7は同LSIチップ間の伝送方法における通信状態を示す説明図、図8は同LSIチップ間の伝送方法における電源供給状態を示す説明図である。
【0008】
図1〜図6において、10はプリント基板2に実装されている複数のLSIチップのLSIチップ本体、11はLSIチップ本体10のパッド、12はLSIチップ本体10に内蔵されている通信制御部、13は各パッド11と通信制御部12との間で信号のやり取りをする無線送受信部で、信号をAC−DC変換或いはDC−AC変換する。15は各パッド11に内蔵された逆F形の送受信用アンテナで、送信アンテナ部15aと受信アンテナ部15bとからなり、それぞれ各パッド11に対応した無線送受信部13に接続されている。17は各無線送受信部13に内蔵されている出力バッファ、18は各無線送受信部13に内蔵されている入力バッファである。
【0009】
図7〜図8において、20はプリント基板2をシールドするシールドボックスで、1つのシールドボックス20内に2つのプリント基板2が配設され、ローカルシステム30を形成している。
これらのプリント基板2にはそれぞれ逆F形の送受信用アンテナ15を内蔵したパッド11を多数有するLSIチップが複数実装されている。21はシールドボックス20に設けられ、シールドボックス20内の電磁波を外部に送信し、外部の電磁波を受信してシールドボックス20内に送信する内外通信用アンテナである。
図8において、23はシールドボックス20内の各LSIチップ本体10に電源を供給するための電源部、24は電源部23に接続されて電源用電磁波を送信する電磁波変換部、25は電磁波変換部24に接続されて電源用電磁波をシールドボックス20内に飛ばす電源送信用アンテナである。
【0010】
次に、本発明の実施の形態1のLSIチップ間の伝送方法について説明する。
例えば、プリント基板2に搭載されている1つのLSIチップ本体10のパッド11の相互間の信号の伝送については、LSIチップ本体10内の通信制御部12はある1つのパッド11に対応する無線送受信部13に信号を伝送する。その無線送受信部13はその信号をデジタル−アナログ(DA)変換により所定の周波数の電磁波に変換してパッド11に内蔵されている逆F形の送受信用アンテナ15の送信アンテナ部15aに伝送する。
【0011】
そうすると、その電磁波は送信アンテナ部15aから送信され、所定の周波数の電磁波が受信可能な別の一つのパッド11の受信アンテナ部15bで受信され、その受信アンテナ部15bに接続されている無線送受信部13に電磁波を伝送する。その無線送受信部13はその電磁波をアナログ−デジタル(AD)変換によりデジタルの信号に変換して通信制御部12に伝送することにより、LSIチップ本体10のパッド11の相互間において信号の無線による伝送が行われる。
なお、所定の周波数の電磁波が受信可能なパッド11が複数あれば、それら複数のパッド11に信号の無線による伝送が行われることとなる。
【0012】
また、1つのパッド11の逆F形の送信アンテナ15a部と受信アンテナ部15bでは図5に示すように反射率のピークが異なる周波数の電磁波が用いられて1つのパッド11で送受信を明確に区別できるようにしている。なお、電磁波の出力強度は反射率の逆数であり、反射率が低いほど電磁波の出力は強い。
さらに、パッド11の相互間で信号の無線による伝送が行われる場合に用いられる周波数はある周波数に決定されており、別のパッド11の相互間で信号の無線による伝送で用いられる周波数は、図6に示すようにパッド毎に反射率のピークが異なる別のものを用いて区別するようにしている。
【0013】
次に、1つのLSIチップ本体10のパッド11と別のもう1つLSIチップ本体10のパッド11との間で信号の伝送については、1つのプリント基板2に複数のLSIチップ本体10が搭載されている場合であり、1つのLSIチップ本体10の通信制御部12はある1つのパッド11に対応する無線送受信部13に信号を伝送する。その無線送受信部13はその信号をデジタル−アナログ(DA)変換により所定の周波数の電磁波に変換しパッド11の送信アンテナ部15aに伝送する。そうすると、その電磁波は送信アンテナ部15aから送信され、所定の周波数の電磁波が受信可能な別のもう1つLSIチップ本体10の1つのパッド11の受信アンテナ部15b6で受信され、その受信アンテナ部15bに接続されている無線送受信部13に電磁波を伝送する。
【0014】
その無線送受信部13はその電磁波をアナログ−デジタル(AD)変換によりデジタルの信号に変換して通信制御部12に伝送することにより、1つのLSIチップ本体10のパッド11と別のもう1つLSIチップ本体10のパッド11との間で信号の無線による伝送が行われる。
なお、所定の周波数の電磁波が受信可能なパッド11を有するLSIチップ本体10が複数あれば、それら複数のLSIチップ本体10のパッド11に信号の無線による伝送が行われることとなる。
また、複数のLSIチップ本体10を搭載した複数のプリント基板2の場合に、1つのプリント基板2のLSIチップ本体10のパッド11ともう一つのプリント基板2のLSIチップ本体10のパッド11との間での信号の無線による伝送も同様である。
【0015】
このように、LSIチップ本体10のパッド11相互間或いは各々のLSIチップ本体10のパッド11同士の間において信号の無線による伝送が行われるようにしたので、プリント基板2上に搭載されたLSIチップ本体10にワイヤーボンディングをしなくて良いため、実装面積を小さくすることができる。
また、組立工程も削減できるためコストダウンにもなり、さらに、伝送線路を持たないため、信号のやりとりのスピードアップができ、しかもワイヤーボンディング工程を削除できるため、ワイヤーボンディング工程によるパッド間隔の制限がなくなり、多数のパッドを取ることができ、またLSIチップ本体10の4辺のみでなく内部にもパッドを取ることができる。
【0016】
さらに、図7に示すように、複数のプリント基板2をそれぞれシールドボックス20によりシールドしてローカルシステム30を形成する。これはシールドボックス20内の電磁波は外部に伝播されないため、ローカルシステム30毎に周波数を自由に振り分けることができるようにし、周波数が不足しなようにするためである。また、複数のローカルシステム30がある場合は、ローカルシステム30同士の信号の伝送は各ローカルシステム30に設けられた内外通信用アンテナ21を介して行う。これは他のローカルシステム30に対して同じ周波数を利用できるようにするためである。
そこで、1つのローカルシステム30の1つのプリント基板2の一つのLSIチップ本体10の通信制御部12がある1つのパッド11に接続されている無線送受信部13に信号を伝送する。その無線送受信部13はその信号をデジタル−アナログ(DA)変換により所定の周波数の電磁波に変換しパッド11の送信用ンテナ部15aに伝送する。
【0017】
そうすると、その電磁波はそのローカルシステム30に設けられた内外通信用アンテナ21で受信されてローカルシステム30の外部に送信され、別のローカルシステム30に設けられた内外通信用アンテナ21で受信されてローカルシステム30の内部に送信され、そのローカルシステム30の内の所定の周波数の電磁波が受信可能なLSIチップ本体10の1つのパッド11の受信アンテナ部15bで受信され、その受信アンテナ部15bに接続されている無線送受信部13に電磁波を伝送する。その無線送受信部13はその電磁波をアナログ−デジタル(AD)変換により直流の信号に変換して通信制御部12に伝送することにより、1つのローカルシステム30内のLSIチップ本体10のパッド11と別のローカルシステム内のLSIチップ本体10のパッド11との間で信号の無線による伝送が行われる。
【0018】
また、図8に示すように、複数のプリント基板2をシールドボックス20によりシールドしてローカルシステム30を形成し、シールドボックス20に電源送信用アンテナ25が設けられている場合、各プリント基板2に搭載されているLSIチップ本体10に対する電源の供給は電源送信用アンテナ25を介して行われる。
即ち、電源部23は直流電源を電磁波変換部24に供給する。電磁波変換部24では直流電源をDC−AC変換して電源用電磁波に変換し、ローカルシステム30に設けられた電源送信用アンテナ25に伝送する。
【0019】
そうすると、その電源用電磁波は電源送信用アンテナ25によってローカルシステム30の内部に送信され、そのローカルシステム30の内のLSIチップ本体10の電源用電磁波が受信可能なパッド11の受信アンテナ部15bで受信され、その受信アンテナ部15bに接続されている無線送受信部13に電源用電磁波を伝送し、その無線送受信部13はその電源用電磁波をAC−DC変換により直流の電源に変換して通信制御部12の電源部に伝送し、1つのローカルシステム30内の各LSIチップ本体10に無線で電源が供給されるようにしている。このように、ローカルシステム30内の各LSIチップ本体10に無線で電源が供給されるようにしているので、プリント基板2に電源部を設けなくてても済み、更に実装面積を小さくすることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、プリント基板に複数のLSIチップが搭載され、その1つのLSIチップ内の通信制御部がある1つのパッドに対応する信号変換部デジタル信号を伝送し、その信号変換部はそのデジタル信号を所定の周波数の電磁波信号に変換してパッドに内蔵された送受信用アンテナに伝送し、その送受信用アンテナから電磁波信号が送信され、その電磁波信号を受信可能な別のパッド或いはプリント基板に搭載された別のLSIチップのパッドに内蔵されている送受信用アンテナで受信されて信号変換部部に電磁波信号が伝送され、その信号変換部部がその電磁波信号をデジタル信号に変換して通信制御部に伝送することにより、LSIチップのパッド相互間或いは各々のLSIチップのパッド同士の間において信号の無線による伝送が行われるようにしたので、プリント基板に搭載されたLSIチップにワイヤーボンディングをしなくて良いため、実装面積を小さくすることができ、また組立工程も削減できるためコストダウンにもなり、さらに、伝送線路を持たないため、信号のやりとりのスピードアップができ、しかもワイヤーボンディング工程を削除できるため、ワイヤーボンディング工程によるパッド間隔の制限がなくなり、多数のパッドを取ることができ、またLSIチップの4辺のみでなく内部にもパッドを取ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るLSIチップ間の伝送方法に用いられるLSIチップの構成を示すブロック図である。
【図2】同LSIチップのパッドの断面図である。
【図3】同LSIチップのパッドの平面図である。
【図4】同LSIチップのパッドに用いられる逆F形アンテナの基本形と入力と出力がある状態を示す説明図である。
【図5】同LSIチップのパッドに用いられる逆F形アンテナの電磁波の出力強度と周波数の関係を表した波形図である。
【図6】同LSIチップのパッド間の信号を区別するために反射率のピークの周波数を少しずらした波形図である。
【図7】同LSIチップ間の伝送方法における通信状態を示す説明図である。
【図8】同LSIチップ間の伝送方法における電源供給状態を示す説明図である。
【図9】従来のLSIチップが搭載されたプリント基板上の配線図である。
【符号の説明】
10 LSIチップ
11 パッド
12 通信制御部
13 無線送受信部
15 逆F形の送受信用アンテナ

Claims (7)

  1. LSIチップ本体と、
    前記LSIチップ本体の表面上に設けられたパッドと、
    前記複数のパッドに内蔵され、電磁波信号を送受信する送受信用アンテナと、
    前記LSIチップ本体に内蔵され、前記電磁波信号をデジタル信号に変換、あるいは、前記デジタル信号を前記電磁波信号に変換する信号変換部と、
    前記デジタル信号の伝送を制御する通信制御部と、
    を備えたことを特徴とするLSIチップ。
  2. 前記送受信用アンテナは逆F形であることを特徴とする請求項記載のLSIチップ。
  3. 前記パッドは前記LSIチップの外周表面上に形成されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一つに記載されたLSIチップ。
  4. 前記送受信用アンテナでは、反射率のピークが互いに異なる周波数の前記電磁波信号が送受信されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載されたLSIチップ。
  5. プリント基板に複数のLSIチップを搭載し、前記複数のLSIチップの各々はLSIチップ本体と、前記LSIチップ本体外周表面に設けられた複数のパッドと、前記LSIチップ本体に内蔵され、信号の入出力制御を行う通信制御部と、前記複数のパッドにそれぞれ内蔵された送受信用アンテナと、前記LSIチップ本体に内蔵され、前記複数のパッドの各々の前記送受信用アンテナと前記通信制御部との間で信号のやり取りをする無線送受信部とを備え、前記複数のLSIチップの各々のパッド相互間及び1つのLSIチップのパッドとそれ以外のLSIチップのパッドとの間で信号の伝送を電磁波で行うようにしたことを特徴とするLSIチップ間の伝送方法。
  6. 前記複数のプリント基板をそれぞれシールドして複数のローカルシステムを形成し、各ローカルシステムにその内部と外部との信号の伝送を電磁波で行うための内外通信用アンテナを設け、1つのローカルシステム内のLSIチップのパッドとそれ以外のローカルシステム内のLSIチップのパッドとの間で信号の伝送を前記電磁波で行うようにしたことを特徴とする請求項記載のLSIチップ間の伝送方法。
  7. 前記ローカルシステムに電源送信用アンテナを設け、その電源送信用アンテナに電磁変換部が直流電源をDC−AC変換により電磁波変換して伝送し、電源送信用アンテナから送信された電磁波により前記ローカルシステム内のLSIチップに電源を供給するようにしたことを特徴とする請求項記載のLSIチップ間の伝送方法。
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