JP4171569B2 - 塩化ビニル樹脂用チョ−キング防止剤 - Google Patents

塩化ビニル樹脂用チョ−キング防止剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な塩化ビニル樹脂用チョ−キング防止剤に関する。詳しくは、チョ−キング防止性能が飛躍的に改善された塩化ビニル樹脂用チョ−キング防止剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル系樹脂は、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性に優れ、また、有機溶媒に溶け難いという優れた特性を有する反面、熱や光に対して不安定であるという欠点を有している。
【0003】
特に、屋外で長期間使用される雨樋、窓枠、パイプ等の成形体は、日光に曝露されると、その表面にチョ−キングと呼ばれる白化現象が起こり、外観が損なわれる。
【0004】
上記チョ−キングを防止するため、塩化ビニル樹脂に、酢酸ニッケル,塩化マンガンや酸化銅等を添加した塩化ビニル樹脂組成物が提案されている(特開昭56−22342号)。また、塩化ビニル樹脂に有機カルボン酸銅塩を添加することにより、チョ−キング防止性能を改善した塩化ビニル樹脂組成物も提案されている(特開昭59−102943号)。
【0005】
ところが、これらの樹脂組成物は、チョ−キング発生についてある程度の防止効果は発揮するものの、未だ不充分である。
【0006】
また、チョ−キング防止性能を更に向上させた技術として、塩化ビニル樹脂に酢酸銅とハイドロタルサイトを添加した塩化ビニル樹脂組成物が提案されている(特開平6−322206)。
【0007】
しかしながら、上記塩化ビニル樹脂組成物においても、チョ−キング防止性能については未だ改良の余地があり、チョ−キング防止効果がより高い塩化ビニル樹脂用チョ−キング防止剤の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、塩化ビニル樹脂に対して、極めて高いチョ−キング防止性能を発揮し得るチョ−キング防止剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、塩化ビニル樹脂に対するチョ−キング防止剤として有機カルボン酸銅塩とジカルボン酸とを併用することによって、従来の有機カルボン酸銅塩或いはこれにハイドロタルサイトを併用した組成では達成できなかった、極めて高いチョ−キング防止性能を発揮し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、有機カルボン酸銅塩及びジカルボン酸よりなることを特徴とする塩化ビニル樹脂用チョ−キング防止剤(以下、単にチョ−キング防止剤ともいう)である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のチョ−キング防止剤は、有機カルボン酸銅塩とジカルボン酸からなることを特徴とする。かかる2成分を併用した本発明のチョ−キング防止剤は、塩化ビニル樹脂に配合した際のチョ−キングの発生を、従来技術に対して飛躍的に減少せしめることが可能である。
【0012】
上記チョ−キング防止効果を発現する作用機構は明らかではないが、本発明者らは下記のように推定している。
【0013】
即ち、有機カルボン酸銅塩は、2核構造を取った錯体構造となっており、この有機カルボン酸銅塩にジカルボン酸が配位して格子型金属錯体を形成し、これがチョ−キングの原因となる物質を塩化ビニル樹脂中に強固に保持することによるものと推定している。
【0014】
本発明のチョ−キング防止剤を構成する有機カルボン酸銅塩としては、公知のものが特に制限なく使用される。代表的なものとして、ステアリン酸銅、パルミチン酸銅、ラウリン酸銅、オクチル酸銅、酢酸銅、安息香酸銅、p−t−ブチル安息香酸銅、1,2‐ヒドロキシステアリン酸銅、マレイン酸銅、ナフテン酸銅、テレフタル酸銅等が挙げられる。中でも、酢酸銅が好適である。
【0015】
また、本発明のチョ−キング防止剤を構成するジカルボン酸としても、公知のものが特に制限なく使用される。代表的なものとして、しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、1,3−ブタジエン−1,4−ジカルボン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸、しょうのう酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸,1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4'−オキシビス安息香酸等の炭素環式ジカルボン酸などが挙げられる。中でも、テレフタル酸、アゼライン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0016】
本発明のチョ−キング防止剤において、有機カルボン酸銅塩とジカルボン酸との割合は特に制限されないが、有機カルボン酸銅塩1モルに対してジカルボン酸が0.1〜10モル、好ましくは、0.5〜5モルとなるように配合することが好ましい。
【0017】
本発明のチョ−キング防止剤は、塩化ビニル樹脂に配合することによって、得られる塩化ビニル樹脂組成物に優れたチョ−キング防止効果を発揮する。
【0018】
上記塩化ビニル樹脂としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合などの重合方法によって得られる、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、架橋塩化ビニル重合体、塩化ビニル−各種ビニルエ−テル共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクロロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体などの塩化ビニル系樹脂、およびそれら相互のブレンド品あるいは他の合成樹脂、例えばアクリロニトリル−スチレン共重合体、塩素化塩化ビニル重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレ−ト共重合体、ポリエステルなどのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体ばどを挙げることができる。塩化ビニル樹脂としては可塑剤が添加された軟質塩化ビニル樹脂であってもよい。
【0019】
また、塩化ビニル樹脂の平均重合度は、特に限定されるものでないが、400〜2500が好ましく、600〜2000が特に好ましい。
【0020】
即ち、上記平均重合度が小さすぎると塩化ビニル樹脂そのものの耐候性が低下し、耐衝撃性や弾性率等の機械的特性や熱安定性が低下する傾向がある。一方、平均重合度が大きすぎると成形性が低下することがあるので好ましくない。
【0021】
本発明において、塩化ビニル樹脂に対するチョ−キング防止剤の配合量は、特に制限されないが、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、有機カルボン酸銅塩0.01〜3重量部、好ましくは、0.1〜2重量部、ジカルボン酸を0.02〜6重量部、好ましくは0.2〜4重量部の割合が好適である。
【0022】
即ち、上記有機カルボン酸銅塩の配合量が3重量部を超えた場合、耐候性の向上効果やチョ−キング防止効果が低下する傾向がある。その上、樹脂の耐熱性の低下をも招き、加工性が低下する恐れがある。一方、有機カルボン酸銅塩の配合量が0.01重量部未満の場合、チョ−キング防止性能が十分に発揮できないことがある。
【0023】
また、上記ジカルボン酸の配合量が6重量部を超えた場合、チョ−キング防止効果が低下する傾向がある。その上、樹脂の耐熱性の低下を招き加工性が低下する恐れがある。一方、有機カルボン酸銅塩の配合量が0.02重量部未満の場合、チョ−キング防止性能が十分に発揮されないことがある。
【0024】
上記塩化ビニル樹脂組成物において、チョ−キング防止剤の配合量は、上記範囲であれば特に制限されないが、有機カルボン酸銅塩1モルに対してジカルボン酸が0.1〜10モル、好ましくは、0.5〜5モルとなるように配合することが好ましい。
【0025】
また、本発明のチョ−キング防止剤による効果は、塩化ビニル樹脂を着色剤によって着色した状態において顕著に現れるため、塩化ビニル樹脂が着色剤を含有する態様において、本発明のチョ−キング防止剤を配合した組成は特に良好な効果を発揮する。
【0026】
上記着色剤は、従来から塩化ビニル樹脂に使用される無機着色剤および有機着色剤などの公知の着色剤が特に制限なく使用される。例えば、無機着色剤としては、弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒、二酸化チタン、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、亜鉛フェライト顔料、群青、コバルトブル−、酸化クロム、スピネルグリ−ン、黄鉛、クロムオレンジ、モリブデンレッド、カ−ボンブラック、および焼成着色剤などが挙げられる。また、有機着色剤としては、キナクリドン系、ポリアゾ系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、ペリノン系、キノフタロン系、インダンスレン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、フタロシアニン系着色剤などが挙げられる。これら着色剤は、いずれか一方だけを使用しても良いし、併用しても良い。
【0027】
上記着色剤の配合量は適宜決定すればよいが、前記有機カルボン酸銅塩とジカルボン酸とよりなるチョーキング防止剤を配合した塩化ビニル樹脂組成物において、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは、0.2〜5重量部、特に好ましくは、0.5〜2重量部となる割合が一般的である。
【0028】
上記着色剤を使用する態様において、着色剤は、予め本発明のチョ−キング防止剤と混合した状態で、塩化ビニル樹脂に配合することが、チョ−キング防止効果を高めるために好ましい。
【0029】
即ち、本発明によれば、前記チョ−キング防止剤と着色剤とよりなる塩化ビニル樹脂用着色剤組成物が提供される。
【0030】
本発明のチョ−キング防止剤を配合した塩化ビニル樹脂組成物において、有機ジカルボン酸銅塩の使用により該塩化ビニル樹脂組成物の耐熱性が幾分低下する場合がある。そのため、本発明の塩化ビニル樹脂組成物においては、かかる耐熱性を補完する目的でハイドロタルサイトを配合することが好ましい。
【0031】
上記ハイドロタルサイトは、下記の一般式で示される、マグネシウムとアルミニウムからなる含水複塩化合物である。
【0032】
Mg1-XAlX(OH)2(A)X/2・mH2
(ここで、Xは0<X≦0.5の範囲の実数であり;AはCO3および/またはSO4であり;mは0または正の実数である。)
上記ハイドロタルサイトは、天然物であってもよく、また合成物であっても良い。また、ハイドロタルサイトは、その結晶構造、結晶粒子径などは制限なく使用される。
【0033】
また、ハイドロタルサイトは、その表面をステアリン酸等の高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩等の高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩等の有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックス等で被覆したものも使用できる。さらに亜鉛などで変性したハイドロタルサイトも使用できる。
【0034】
ハイドロタルサイトの使用量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜3重量部が好ましく、0.3〜2重量部がより好ましい。即ち、ハイドロタルサイトの配合量が3重量部を超える場合、成形品の外観が悪くなる傾向がある。また、前記配合量が0.1重量部より小さい場合には、得られる塩化ビニル樹脂組成物のの耐熱性が損なわれて加工性が低下する場合がある。
【0035】
本発明のチョ−キング防止剤を配合した塩化ビニル樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することができる。かかる添加剤として好ましいものを例示すれば、鉛系化合物、有機錫化合物、有機カルボン酸銅塩以外の有機酸金属塩、可塑剤、充填材、フェノ−ル系酸化防止剤、有機リン系酸化防止剤、チオエ−テル系酸化防止剤、等が挙げられる。
【0036】
上記鉛系化合物を具体的に示せば、塩基性ケイ酸鉛、塩基性硫酸鉛、二塩基性硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、サリチル酸鉛、ステアリン酸鉛、塩基性ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ラウリン酸鉛、オクチル酸鉛、1,2−ヒドロキシステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系化合物が挙げられる。
【0037】
有機錫化合物として、具体的には、ジブチルスズラウレ−ト、ジオクチルスズラウレ−ト、ジブチルスズマレエ−ト、ジオクチルスズマレエ−ト、ジブチルスズメルカプトアセテ−ト、モノブチルスズメルカプトアセテ−ト、ジブチルスズイソオクチルチオグリコレ−ト、モノブチルスズイソオクチルチオグリコレ−ト、ジオクチルスズメルカプトアセテ−ト、モノオクチルスズメルカプトアセテ−ト、ジオクチルスズイソオクチルチオグリコレート等の有機錫化合物が挙げられる。
【0038】
また、有機酸金属塩としては、有機酸の金属成分となる金属の例としてLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Pb等が挙げられる。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、2−エチルヘキソイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノ−ル酸、リノレイン酸、グリコ−ル酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酢酸、グリセリン酸、リンゴ酸、洒石酸、クエン酸、チオグリコ−ル酸、メルカプトプロピオン酸、ラウリルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、パラタ−シヤリ−ブチル安息香酸、ジメチル安息香酸、アミノ安息香酸、サリチル酸、アミノ酢酸、グルタミン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、マレイン酸、チオジプロピオン酸等の有機酸が挙げられる。
【0039】
更に、可塑剤として、具体的には、フタル酸ジ−n−プチル、フタル酸ジ−n−工チルへキシル(DOP)、フクル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイリデシル、フタル酸プチルベンジル、イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等のフタル酸系可塑剤、アジピン酸ジ−2−エチルへキシル(DOA)、アジピン酸ジ−n−デシルアジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、脂肪族工ルテル系可塑剤、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸2−エチルへキシルジフェニル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤及び工ポキシ化大豆、工ポキシ化アマニ油等の工ポキシ系可塑剤などが挙げられる。
【0040】
更にまた、充填剤として、具体的には、シリカ、ケイ藻士、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バル−ン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレ−、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレ−ク、ガラスビ−ズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ペントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の充填剤を配合してもよい。
【0041】
これら例示した添加剤は塩化ビニル樹脂の添加剤としては公知のものであり、その配合量は、公知の範囲より適宜決定すればよい。
【0042】
更に例示を続けると、前記フェノ−ル系酸化防止剤として、具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノ−ル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ−ル、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノ−ル、ステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト、ジステアリル(3,5−ジ−t―ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フォスホネ−ト、チオジエチレングリコ−ルビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾ−ル)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5―t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、ビス[3,3’−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコ−ルエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾ−ル)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノ−ル)、2,2’−エチリデンビス(4−t−ブチル−6−t−ブチルフェノ−ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t-ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレ−ト、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアネ−ト、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネ−ト、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プリピオニルオキシエチル]イソシアネ−ト、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]メタン、2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェノ−ル、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドリキシエチル)2,4,8,10−テトラオキサピロ[5,5]ウンデカン−ビス[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネ−ト]、トリエチレングリコ−ルビス[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネ−ト]などが挙げられる。
【0043】
上記フェノ−ル系酸化防止剤の添加量は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.001〜2重量部、好ましくは、0.01〜1.5重量部である。
【0044】
また、有機リン系酸化防止剤として、具体的には、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリト−ルジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノ−ルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノ−ル)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1’,3−トリス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタントリホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクタデシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスファイトなどが挙げられる。
【0045】
これらの有機リン系酸化防止剤は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.001〜2重量部、好ましくは、0.01〜1.5重量部添加するのが好適である。
【0046】
さらに、チオエ−テル系酸化防止剤として、具体的には、チオジプラピオン酸のジラウリル,ジミリスチル,ジステアリルエステルなどのジアルキルチオジプロピオネ−ト類、及びペンタエリスリト−ルテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネ−ト)などのポリオ−ルでβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0047】
これらのチオエ−テル系酸化防止剤は、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して0.001〜2重量部、好ましくは、0.01〜1.5重量部添加するのが好適である。
【0048】
上述のフェノ−ル系酸化防止剤、有機リン系酸化防止剤、チオエ−テル系酸化防止剤の併用においても、樹脂100重量部に対して、0.001〜2重量部、好ましくは、0.01〜1.5重量部の配合量とすることが望ましい。
【0049】
本発明の樹脂組成物には、さらに、発明の効果を損なわない程度で、適宜、上述した添加剤以外の各種の添加剤を配合することもできる。
【0050】
具体的には、ヒンダ−ドアミン系等の熱安定剤;ヒンダ−ドアミン系等の耐候剤;ベンゾフェノン系,ベンゾトリアゾ−ル系,ベンゾェ−ト系等の紫外線吸収剤;ノニオン系,カチオン系,アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系,ワックス系等の分散剤;オキシド系等の分解剤;メラミン系,ヒドラジン系,アミン系等の金属不活性剤;含臭素有機系,リン酸系,三酸化アンチモン,水酸化マグネシウム,赤燐等の難燃剤;ソルビト−ル系,芳香族リン酸金属塩系,有機酸金属系等の透明化剤または造核剤;防曇剤;アンチブロッキング剤;有機充填剤;金属イオン系などの無機抗菌剤,有機抗菌剤、発泡剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
本発明のチョ−キング防止剤を配合した塩化ビニル樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、有機カルボン酸銅塩、ジカルボン酸、及び必要に応じて配合される着色剤、その他の添加剤をそれぞれ樹脂に直接添加混合する方法であっても良い。
【0052】
また、着色剤を使用する場合、チョ−キング防止剤と着色剤とを予め配合した後、この組成物を塩化ビニル樹脂と混合する方法であっても良い。
【0053】
また、本発明のチョ−キング防止剤をほ配合した塩化ビニル樹脂の成形は、特に限定されるものではなく、公知の成形法によって行うことができる。
【0054】
例えば、Tダイ押出成形や異型押出成形、射出成形、カレンダ−成形が使用できる。
【0055】
また、かかる成形体の用途としては、特に限定されるものではないが、チョ−キング防止効果を要する用途に、好適に使用される。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明のチョ−キング防止剤は、これを配合した塩化ビニル樹脂組成物に対して、極めて高いチョ−キング防止性能を与えることが可能である。特に、着色剤を使用する場合、かかる効果が顕著である。
【0057】
従って、本発明のチョ−キング防止剤を配合した塩化ビニル樹脂組成物は、雨樋、窓枠、サイジングボ−ド、平板、波板、ガスケット、パイプ、継手などの建築材料、家具、屋内装置品、看板などの屋外装置品などの材料として、極めて有用である。
【0058】
【実施例】
本発明を更に明確に説明するため、以下実施例及び比較例を添えて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0059】
尚、実施例及び比較例で示した記号は以下の通りである。
【0060】
1.樹脂
Figure 0004171569
【0061】
2.有機カルボン酸銅塩
C.酢酸銅
D.オレイン酸銅
E.テレフタル酸銅
【0062】
3.有機カルボン酸塩
F.酢酸ニッケル
G.酢酸クロム
※ 表1では、有機カルボン酸銅塩と有機カルボン酸塩とを「カルボン酸塩」として表題に示した。
【0063】
4.ジカルボン酸
H.テレフタル酸
I.アゼライン酸
J.2,6−ナフタレンジカルボン酸
K.4,4'−オキシビス安息香酸
【0064】
5.充填剤
L.ハイドロタルサイト
【0065】
6.着色剤
M.鮮紅色複合着色剤
(重量比;酸化チタン/クロムオレンジ/黄鉛=3/1/5)
【0066】
また、実施例及び比較例において、各種試験は下記の要領で実施した。
【0067】
塩化ビニル樹脂組成物を30mmφ2軸押出機にて押出成形を行い、1.5mm厚のシ−トを作成し下記(a)、(b)及び(C)の試験を行った。
【0068】
(a)耐候性試験
成形したシ−トを、アイ・ス−パ−UVテスタ−耐候促進試験機(ダイプラ・ウィンテス製)に入れて、促進耐候試験を行いった。
【0069】
促進耐候試験において、50時間,100時間,200時間経過時点でのチョ−キングの色調変化を、未試験のシ−トを標準として、大日精化工業製カラ−コンピュ−タ−にて測定した。チョ−キング防止性能を白色度(ASTM E313規格に準拠)で評価した。白色度の数値が小さい程、チョ−キング防止性能が高い事を示している。
【0070】
(b)熱安定性試験
成形したシ−トを、190℃のギヤオ−ブン(東洋精機製)に入れて、熱劣化分解するまでの時間を測定して、熱安定性を評価した。
この測定時間が180分以上であれば工業上の実施において何等の支障はない事を示している。
【0071】
(c)平滑性確認試験
成形したシ−トの平滑性を手による感触にて確認した。
良:平滑性良好、 不良:平滑性不良
【0072】
実施例1〜11
表1に示す塩化ビニル樹脂100重量部に対して、ステアリン酸カルシウムを0.4重量部、ステアリン酸亜鉛を0.3重量部、ステアリン酸を0.1重量部、着色剤Mを1重量部、そして、有機カルボン酸銅塩、ジカルボン酸及び充填材を表1に示す割合となるように、ヘンシェルミキサーにより混合して塩化ビニル樹脂組成物(PVC樹脂組成物)を得た。
【0073】
上記PVC樹脂組成物について、各種試験を行った結果を表1に示した。
【0074】
尚、実施例1、2以外の実施例(実施例3〜11)については、配合されるれょうの着色剤、有機カルボン酸銅塩及びジカルボン酸を予め混合して塩化ビニル樹脂に配合した。
【0075】
比較例1、2
実施例1において、有機カルボン酸銅塩を配合せず、ジカルボン酸の量を表1に示すように変えた以外は、全く同様にして塩化ビニル樹脂組成物を得、各種試験に供した。
結果を表1に示した。
【0076】
比較例2
実施例2において、ジカルボン酸を使用せず、有機カルボン酸銅塩の量を表1に示すように変えた以外は、全く同様にして塩化ビニル樹脂組成物を得、各種試験に供した。
結果を表1に示した。
【0077】
比較例3、4
実施例2において、有機カルボン酸銅塩を表1に示す有機カルボン酸塩に代えた以外は、全く同様にして塩化ビニル樹脂組成物を得、各種試験に供した。
結果を表1に示した。
【0078】
【表1】
表1
Figure 0004171569

Claims (4)

  1. 有機カルボン酸銅塩及びジカルボン酸よりなることを特徴とする塩化ビニル樹脂用チョ−キング防止剤。
  2. 塩化ビニル樹脂に請求項1記載の塩化ビニル樹脂用チョ−キング防止剤を配合した塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 塩化ビニル樹脂100重量部に対して、有機カルボン酸銅塩を0.01〜3重量部、ジカルボン酸を0.02〜6重量部となる割合で配合した請求項2記載の塩化ビニル樹脂組成物。
  4. 請求項1記載の塩化ビニル樹脂用チョ−キング防止剤と着色剤とよりなる塩化ビニル樹脂用着色剤組成物。
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