JP4170694B2 - 含油軸受油、それを用いた含油軸受及び与圧モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含油軸受油、それを用いた含油軸受及び与圧モータに関し、特に、低粘度でありながら高い引火点を持ち、蒸発し難く、分解し難いことに加え、モータ使用中にも低揮発成分や分解ガスが発生せず、特定方向より圧力がかかるような特定構造のモータにおいても有用な含油軸受油、それを用いた含油軸受及び与圧モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報機器(特にCDやDVD)に使用されるスピンドルモータは年々、高精度化している。これらの情報機器用のスピンドルモータに使用される軸受には、従来から転がり軸受,動圧流体軸受,焼結含油軸受などがあり、性能及びコストなどの面から、各用途に適する軸受がその都度選定され使用されている。
一方、さらに高精度,高品位な記録装置として用いられるHDDのスピンドルモータとしては、高回転精度,高信頼性が求められいるため、回転軸に対して一定のクリアランスを有し、回転ムラを生じる焼結含油軸受は用いることができなかった。
しかしながら、焼結含油軸受は著しく加工性に優れ、大量生産が可能なため、転がり軸受や動圧流体軸受と比較して低コストで市場に提供できる。このため低コスト化が進むHDD機器の分野においても、焼結含油軸受の適用が待ち望まれていた。
これを解決するため、例えば、焼結含油軸受の特性を生かしつつ、焼結含油軸受に特定方向の側圧を付与し、モータの回転軸の振れを極力低減させるような特殊な機構が開発されている(特開2001−295844号公報)。
【0003】
このように焼結含油軸受に特定方向より圧力をかけて、回転ムラを抑制した場合、そこに使用される潤滑油の粘度が高いと、油膜が生成し、逆に回転ムラが起きる原因となってしまう。しかし、潤滑油の粘度を安易に低下させた場合、潤滑油の蒸発損失を招き、軸受の耐久性を著しく損なう。
また、軸受内面は常に一定の圧力で、回転軸と接触しているため、軸受の摩耗が増加する。さらに、HDD内はヘッドとディスク間の摩擦による損傷(ヘッドクラッシュ)を防止するため、塵埃や吸着物質を発生させないよう厳密な管理がされている。よってHDDに使用される潤滑油には、低揮発成分や分解ガス(アウトガス)を発生させない油剤が求められる。
これまで、低粘度でかつ低蒸発性に優れた焼結含油軸受油としては、ジエステルやポリオールエステル又はこれらにモノエステルを混合した潤滑油が開示されている(特開平9−125086,特開平11−172267,特開2002−146374など)。
【0004】
しかしながら、これらの潤滑油は、従来の軸受機構(特定方向より圧力をかけない機構)に対しては性能を発揮するが、前述したような特定方向より圧力をかけて、回転ムラを抑制した機構には対応していない。
さらに、従来の潤滑油は低粘度,低蒸発性,耐熱性には考慮しているものの、潤滑性と基油(エステル)の分解性については検討がされていなかったが、前述のように、情報機器、特にHDDには、低揮発成分のみならず、使用中における分解ガスの抑制も必要である。エステルが熱及び水分の存在によって、容易に脂肪酸とアルコールに分解するのは公知であるため、エステルを基油とした潤滑油を使用する場合、エステルの分解に特に注意して、基油及び添加剤を選定しなければならない。
このように、焼結含油軸受の回転ムラを抑える特殊な機構に適合し、さらにはHDD機器などの清浄性が求められる環境に対応する含油軸受油は、現在まで提供されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、低粘度,低蒸発性,耐熱性に加え、モータ使用中にも低揮発成分や分解ガスが発生せず、特定方向より圧力がかかるような特定構造のモータにおいても含油軸受の摩擦を防止することが可能な含油軸受油、それを用いた含油軸受及び与圧モータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、低粘度のエステル基油に、特定の酸化防止剤と摩擦調整剤とを添加することにより前記の課題を解決することを見出し本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、
低粘度エステル系基油に、フェノール系酸化防止剤又はアミン系酸化防止剤と、特定の酸性リン酸エステル及び酸性リン酸エステルのアミン塩から選ばれる少なくとも一種からなる摩擦調整剤とを添加してなる含油軸受油、該含油軸受油を含浸してなる含油軸受、並びに
金属粉を圧粉燒結した含油軸受に支承されるモータ軸に対し、特定方向の側圧を付与する手段が、モータ軸を挟んで対象位置に固定された片側のコアを、モータ軸方向に変位させてなるものである与圧モータにおいて、前記含油軸受が前記含油軸受油を含浸してなる与圧モータを提供するものである
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は含油軸受油は、低粘度エステル系基油に、フェノール系酸化防止剤又はアミン系酸化防止剤と、特定の酸性リン酸エステル及び酸性リン酸エステルのアミン塩から選ばれる少なくとも一種からなる摩擦調整剤とを添加してなるものである。
本発明で用いる前記基油の低粘度エステルの性状としては、40℃での動粘度が1〜15mm2 /s(好ましくは5〜13mm2 /s)、100℃での動粘度が4mm2 /s以下、引火点が200℃以上(好ましくは220℃以上)のモノエステル、ジエステル及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも一種であると好ましい。
【0008】
前記モノエステルとしては、ノルマルブチルオレエート、2−エチルヘキシルオレエート、2−エチルヘキシルステアレート、2−エチルヘキシルパルミエート、オレイン酸ブトキシエチル等が挙げられ、前記ジエステルとしては、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸イソノニル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバチン酸ジイソオクチル、セバチン酸ジイソノニル、ドデカン二酸−2−エチルヘキシル等が挙げられ、前記ポリオールエステルとしては、ネオペンチルグリコールと炭素数8〜10のカルボン酸とからなるエステル、トリメチロールプロパンと炭素数8〜10のカルボン酸とからなるエステル等が挙げられる。これらのうち、ジエステルであるジオクチルセバケートが特に好ましい。
【0009】
本発明で用いるフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等のモノフェノール系、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)等のジフェノール系を挙げることができる。このフェノール系酸化防止剤は一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0010】
本発明で用いるアミン系酸化防止剤としては、例えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノノニルジフェニルアミン等のモノアルキルジフェニルアミン系、4,4’−ジブチルジフェニルアミン、4,4’−ジペンチルジフェニルアミン、4,4’−ジヘキシルジフェニルアミン、4,4’−ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、4,4’−ジノニルジフェニルアミン等のジアルキルジフェニルアミン系、テトラブチルジフェニルアミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノニルジフェニルアミン等のポリアルキルジフェニルアミン系、α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、ブチルフェニル−α−ナフチルアミン、ペンチルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘキシルフェニル−α−ナフチルアミン、ヘプチルフェニル−α−ナフチルアミン、オクチルフェニル−α−ナフチルアミン、ノニルフェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系を挙げることができ、中でもジアルキルジフェニルアミン系のものが好ましい。上記のアミン系酸化防止剤は一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの酸化防止剤の中でも、フェニル−α−ナフチルアミン又は炭素数1〜18(アルキル基)のアルキルフェニル−α−ナフチルアミンが好ましい。
【0011】
本発明において、含油軸受油全量に対する酸化防止剤の添加量は、0.05〜10質量%であることを要し、0.3〜5質量%であるとがさらに好ましい。酸化防止剤が0.05質量%より少ないと酸化防止効果が得られないことがあり、10質量%を超えても、添加量に相当する効果の向上がみられない場合がある
【0012】
本発明で用いることができる、摩擦調整剤の正リン酸エステルとしては、炭素数1〜20(アルキル基)のトリアルキルフォスフェート、炭素数1〜18(アリール基)のトリアリールフォスフェートが好ましく、下記式(1)で表されるものが好ましい。
【化1】
Figure 0004170694
上記式(1)において、R1〜R3は炭素数4〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R1〜R3は同一でも異なっていてもよい。
【0013】
正リン酸エステルとしては、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリアルキルアリールホスフェート、トリアリールアルキルホスフェート、トリアルケニルホスフェートなどがあり、具体的には、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェートなどを挙げることができる。上記の正リン酸エステルは一種又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの正リン酸エステルの中でも、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェートが好ましい。
【0014】
摩擦調整剤としてこの正リン酸エステルを用いた場合の含油軸受油全量に対する添加量は、0.01〜10質量%であると好ましく、0.05〜5質量%であるとさらに好ましい。正リン酸エステルの添加量が0.01質量%未満の場合は、他成分との相乗効果による摩擦特性の向上効果が不十分な場合があり、添加量が10質量%を超えても、添加量に相当する効果の向上がみられない場合がある。
【0015】
本発明で用いる、摩擦調整剤の酸性リン酸エステルとしては、炭素数(アルキル基)のアルキルアシッドフォスフェート又はアルキルハイドロジェンフォスファイトであり、特に下記式(2)又は(3)で表されるものが好ましい。
【化2】
Figure 0004170694
【0016】
上記式(2)及び(3)において、R4及びR5は炭素数のアルキル基を表し、具体的には、メチル基である。
【0017】
また、本発明で用いる、摩擦調整剤の酸性リン酸エステルのアミン塩を形成するアミン類としては、下記式(4)
6 n NH3-n ・・・(4)
(式中、R6 は炭素数1〜30のアルキル基、nは1〜3の整数を示す。また、R6 が複数の場合には、R6 は同一でも異なっていてもよい。)
で表されるモノ置換アミン(第一級アミン)、ジ置換アミン(第二級アミン)又はトリ置換アミン(第三級アミン)が挙げられる。
一般式(4)におけるR6 の炭素数1〜30のアルキル基としては、前記一般式(2)及び(3)のR4 及びR5 と同様のものが挙げられ、直鎖又は分岐状のいずれであってもよい。
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、モノ−酸性リン酸メチルエステルドデシルアミン塩又はジ−酸性リン酸メチルエステルドデシルアミン塩が好ましい。
【0018】
摩擦調整剤としてこの酸性リン酸エステル又は酸性リン酸エステルのアミン塩含油軸受油全量に対する添加量は、0.005〜1質量%であることを要し、0.01〜0.5質量%であるとさらに好ましい。酸性リン酸エステル又は酸性リン酸エステルのアミン塩の添加量が0.005質量%未満の場合は、他成分との相乗効果による摩擦特性の向上効果が不十分な場合があり、添加量が1質量%を超えても、添加量に相当する効果の向上がみられない場合がある。
【0019】
本発明の含油軸受油には、必要に応じ抗乳化剤,防錆剤,金属不活性化剤,清浄分散剤,消泡剤などの各種公知の添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
抗乳化剤としては、ポリアルキレングリコール,金属スルホネートなどを挙げることができ、中でもEO/POブロック共重合体(EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドで、両末端がOHのポリアルキレングリコールが好ましい。
防錆剤としては、金属系スルホネート、カルボン酸、アルカノールアミン、アミド、酸アミド、リン酸エステルの金属塩などを挙げることができ、中でもカルボン酸が好ましい。
金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。清浄分散剤として、金属スルホネート、金属フェネート、金属サリチレート、金属ホスホネート、コハク酸イミドなど挙げることができる。
消泡剤としては、メチルシリコーン、フルオロシリコーン、ポリアクリレートなどを挙げることができ、中でもメチルシリコーンが好ましい。
【0020】
本発明の含油軸受は、前述の本発明の含油軸受油を含浸してなるものであり、本発明の与圧モータは、金属粉を圧粉燒結した含油軸受に支承されるモータ軸に対し、特定方向の側圧を付与する手段が、モータ軸を挟んで対象位置に固定された片側のコアを、モータ軸方向に変位させてなるものである与圧モータにおいて、前記含油軸受が本発明の含油軸受油を含浸してなる与圧モータである。
【0021】
以下、本発明の与圧モータの具体的な構成について、中逃げ・センターフリー型の燒結含油軸受を用いるとともに、軸受フランジ部をハウジングホルダ側に嵌め合わせ結合させたスピンドルモータを、図1を用いて説明する。
同図において、1はハウジングホルダ、3は軸受、5はモータ軸を表す。ハウジングホルダ1は基盤B等に取り付けられるとともに円筒部2を有し、しかも該円筒部2の外周面にはコイル10を巻回させた積層コア9が施されている。
【0022】
軸受3は、銅等の金属粉を、ハウジングホルダ1内に装入可能な大きさに圧粉成型した後、これを燒結し、さらに本発明の含油軸受油を含浸させて構成され、しかも軸穴中間に中逃げ部4が形成されて所謂中逃げ・センターフリー型に構成されており、長さ方向両端にてモータ軸5を支承する構成となっている。
モータ軸5は、上記軸受3内に支承可能な外径の金属棒からなり、モータの出力側に位置する先端寄りの部分には保持材6を介して前記積層コア9及びコイル10の外側を覆い、しかもその内周側であって上記した積層コア9に対応させた位置にマグネット8を施したロータ7が一体に取り付けられ、さらにその先端部にはHDDの回転メディアMを取り付けるハブが同じく一体に取り付けられて構成されている。
【0023】
さらに、金属粉を圧粉燒結した含油軸受3に支承されるモータ軸5に対し、特定方向の側圧を付与する手段として、モータ軸5を挟んで対称位置に固定された積層コア9のうち、片側のコア9を、モータ軸5方向(ターンテーブル11寄り)に、a線位置からb線位置にまで距離t−tだけ変位させている。このように積層コア6を傾けることにより高速回転するロータ7を常時矢印P方向に付勢させることができ、その結果モータ軸5に対し、常時特定方向(矢印Y方向)に側圧を付与することができる。
このように、モータ軸に対し、特定方向の側圧を付与することによって、金属粉を圧粉燒結した含油軸受に対する軸振れを抑制することができる。
【0024】
【実施例】
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。
なお、実施例及び比較例で用いる基油の性状及び含油軸受油の性能は、次のようにして測定した。
(1)動粘度
JIS K 2283に従って測定した。
(2)全酸価
JIS K 2501の5項に従って測定した。
(3)引火点
JIS K 2265に従って測定した。
(4)薄膜残さ試験(残油率)
JIS K 2540の潤滑油熱安定度試験に示されている容器及び恒温空気浴を用い、サンプル量を1gとして、120℃、144時間の残さ量を測定した。それを百分率で表し残油率とした。
また、144時間後の油剤外観を観察し、油に不溶なスラッジの有無を確認した。
なお、測定中は絶えず空気を10リットル/hr流し込んだ。
(5)加水分解試験
試料油75g、蒸留水25及び秤量した銅板をガラス瓶に入れて密封する。このガラス瓶を93℃に保った恒温漕に入れ、一回転中に一度さかさまになる方向に5rpmで168時間回転させる。試験後、銅板の重量減少量と銅板の変色状態を調べ、さらに油層と水層とを分離し、油層について全酸価上昇量及びガスクロマトグラフィー(GC)によりC14以下の軽質分の検出を行う。
なお、変色状態を示す評価値は、銅板変色度標準版(ASTM COPPERSTRIP CORROSION STANDARDS)
METHOD D 130/IP154により定義されるものである。
(6)耐荷重性試験
ASTM D 2783に準拠して、回転数1,800rpm,室温の条件で行った。最大非焼付荷重(LNL)と融着荷重(WL)から荷重摩耗指数(LWI)を求めた。この値が大きいほど耐荷重性が良好である。
(7)耐摩耗性試験
ASTM D 2783に準拠して、荷重392N、回転数1,200rpm、油温80℃、試験時間60分の条件で行った。1/2インチ球3個の摩耗痕径を平均して平均摩耗痕径を算出した。
【0025】
実施例比較例1〜12
基油として、ジエステル基油として表1に示す性状を有するジオクチルセバケートを用い、この基油に表2に示す成分の酸化防止剤、摩擦調整剤及び金属不活性化剤を添加した含油軸受油を調製し、その性能を評価した。その結果を表2に示す。
なお、表2中、DBPCはジターシャルブチルパラクレゾール、Zn−DTPはジンク−ジチオフォスフェートである。また、摩擦調整剤のジ(モノ)メチルアシッドフォスフェートアミン塩は、モノ−体:ジ−体=50:50(モル比)の混合物である。
【0026】
【表1】
Figure 0004170694
【0027】
【表2】
Figure 0004170694
【0028】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の含油軸受油は、低粘度でありながら高い引火点を持ち、蒸発し難く、分解し難いことに加え、モータ使用中にも低揮発成分や分解ガスが発生せず、特定方向より圧力がかかるような特定構造のモータにおいても含油軸受の摩擦を防止することが可能であり、そのようなモータの含油軸受に含浸させて用いることができ、この含油軸受は前記特定構造の部品として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の与圧モータの一例を説明する拡大断面図である。
【符号の説明】
1:ハウジングホルダ
2:円筒部
3:軸受
4:中逃げ部
5:モータ軸
6:保持材
7:ロータ
8:マグネット
9:積層コア
10:コイル
11:ターンテーブル
B:基盤
M:回転メディア

Claims (8)

  1. 低粘度エステル系基油に、含油軸受油全量に対し、フェノール系酸化防止剤又はアミン系酸化防止剤0.05〜10質量%と、酸性リン酸メチルエステル及び酸性リン酸メチルエステルのアミン塩から選ばれる少なくとも一種からなる摩擦調整剤0.005〜1質量%とを添加してなる含油軸受油。
  2. 前記低粘度エステルが、40℃での動粘度が1〜15mm2 /s、100℃での動粘度が4mm2 /s以下、引火点が200℃以上のモノエステル、ジエステル及びポリオールエステルから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の含油軸受油。
  3. 前記低粘度エステルが、ジエステルであるジオクチルセバケートからなる請求項1に記載の含油軸受油。
  4. 酸化防止剤が、アミン系酸化防止剤であるフェニル−α−ナフチルアミン又は炭素数1〜18(アルキル基)のアルキルフェニル−α−ナフチルアミンからなる請求項1に記載の含油軸受油。
  5. 酸性リン酸メチルエステルのアミン塩が、モノ−酸性リン酸メチルエステルドデシルアミン塩又はジ−酸性リン酸メチルエステルドデシルアミンである請求項1に記載の含油軸受油。
  6. 金属粉を圧粉燒結した含油軸受に支承されるモータ軸に対し、特定方向の側圧を付与する手段が、モータ軸を挟んで対象位置に固定された片側のコアを、モータ軸方向に変位させてなるものである与圧モータにおいて、前記含油軸受に用いる請求項1〜のいずれかに記載の含油軸受油。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の含油軸受油を含浸してなる含油軸受。
  8. 金属粉を圧粉燒結した含油軸受に支承されるモータ軸に対し、特定方向の側圧を付与する手段が、モータ軸を挟んで対象位置に固定された片側のコアを、モータ軸方向に変位させてなるものである与圧モータにおいて、前記含油軸受が請求項1〜のいずれかに記載の含油軸受油を含浸してなる与圧モータ。
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