JP4170656B2 - 還元型補酵素q10結晶の製造方法 - Google Patents

還元型補酵素q10結晶の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、還元型補酵素Q10結晶の製造方法に関する。より詳細には、酸化型補酵素Q10を還元して還元型補酵素Q10とし、溶剤抽出や濃縮等の付加的な操作を行うことなく還元反応の反応系中から還元型補酵素Q10を結晶化させる方法に関する。還元型補酵素Q10は、酸化型補酵素Q10に対して高い経口吸収性を示し、優れた食品、栄養機能食品、特定保健用食品、栄養補助剤、栄養剤、動物薬、飲料、飼料、化粧品、医薬品、治療薬、予防薬等として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
還元型補酵素Q10は、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により補酵素Q10を得た後、クロマトグラフィーにより流出液中の還元型補酵素Q10区分を濃縮する方法等により得られることが知られている(特開平10−109933号公報)。この場合、さらに上記還元型補酵素Q10中に含まれる酸化型補酵素Q10を、水素化ホウ素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム(次亜硫酸ナトリウム)等の一般的な還元剤を用いて還元した後、クロマトグラフィーによる濃縮を行っても良いこと、また、還元型補酵素Q10は、既存の高純度補酵素Q10(酸化型)に上記還元剤を作用させる方法によっても得られることが、該特許公報中に記載されている。
【0003】
また、特開昭57−70834公報には、補酵素Q10をヘキサンに溶解し、これにハイドロサルファイトソーダ(次亜硫酸ナトリウム)水溶液を加えて攪拌し、還元型補酵素Q10を合成した例が開示されている。
【0004】
しかしながら、このようにして得られる還元型補酵素Q10は、必ずしも純度が高い状態では取得できず、例えば、酸化型補酵素Q10をはじめとする不純物を含有する低純度結晶、半固体状や油状物として得られやすいといった問題がある。
【0005】
更に上記の方法では、反応後に還元型補酵素Q10を分離・精製するにあたっては、有機相の分離、抽出、濃縮等の操作が必要である。還元型補酵素Q10は、分子酸素によって酸化型補酵素Q10に酸化されやすい。この酸化は、結晶化された状態よりも溶解された状態でより顕著になる傾向がある。ラボスケールでの製造に比べて操作時間が長くなる工業的規模での製造においては、上記の酸素による副反応は深刻な問題となる。
【0006】
還元反応〜還元型補酵素Q10の分離・精製の一連の工程を、不活性ガス置換下のような脱酸素雰囲気下で実施することも一つの方法ではあるが、一旦酸素が混入してしまった場合、酸化型補酵素Q10の副生を抑制することが難しい。また、工業的規模での製造においては完全な酸素の除去は極めて難しく、有機相の分離、抽出、濃縮といった付加的な操作を要さず、操作時間を短くするような製造方法が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、工業的規模での製造に適した、高品質の還元型補酵素Q10結晶の簡便且つ効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、酸化型補酵素Q10を特定の条件下に処理することにより、酸化を最小限に抑えて還元型補酵素Q10を生成させるとともに、生成した還元型補酵素Q10を有機相への抽出、濃縮等の付加的な操作を行うことなく、該反応系中から直接、結晶状態へ移行させうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明は、酸化型補酵素Q10を、有機溶媒と水との混合溶媒中、次亜硫酸類を用いて還元し、生成した還元型補酵素Q10を還元反応後の反応液から晶出させることを特徴とする還元型補酵素Q10結晶の製造方法である。
【0010】
本発明の方法により、酸化型補酵素Q10の還元反応〜還元型補酵素Q10の採取までの一連の工程における酸化型補酵素Q10の副生を最小化して、高品質の還元型補酵素Q10結晶を、効率よく製造できることができる。さらに、還元型補酵素Q10の有機相への抽出、濃縮等の付加的な操作を必要としないことから、資材の削減および製造時間の短縮等、生産性を向上することもできる。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明では、酸化型補酵素Q10の溶液又はスラリーを、還元雰囲気下に、還元型補酵素Q10のスラリーに変化させることができる。本発明に用いる酸化型補酵素Q10は、前述のように合成、発酵、天然物からの抽出等により調製したものであってもよく、既存の高純度補酵素Q10であってもよい。また、酸化型補酵素Q10のみを含有するものであってもよく、酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の混合物であってもよい。
【0013】
本発明は、有機溶媒と水との混合溶媒中で実施される。有機溶媒と水との混合溶媒は、例えば、水と相溶性の低い有機溶媒と水との混合溶媒であっても良く、又、水と相溶性の高い有機溶媒と水との混合溶媒であっても良く、更に、必要に応じて、前者には水と相溶性の高い有機溶媒を、後者には水と相溶性の低い有機溶媒を悪影響のない範囲で含ませることができる。最も好ましくは、水と相溶性の低い溶媒と水との混合溶媒である。言うまでもなく、上記有機溶媒としては、還元反応等に対して不活性のものが好適に用いられる。
【0014】
前記有機溶媒としては、特に制限されないが、例えば、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、ニトリル類、ニトリルを除く窒素化合物類、硫黄化合物類等を挙げることができる。
【0015】
炭化水素類としては、特に制限されないが、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。特に、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が好ましく、とりわけ、脂肪族炭化水素が好ましい。
【0016】
脂肪族炭化水素としては、反応の観点からは、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、通常、炭素数3〜20、好ましくは、炭素数5〜12のものが用いられる。晶析収率の観点からは、非環状の脂肪族炭化水素が好適に使用される。
【0017】
具体例としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン、2−ペンテン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、1−ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2、3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、メチルシクロヘキサン、1−ヘプテン、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、1−ノネン、デカン、1−デセン、p−メンタン、ウンデカン、ドデカン等を挙げることができる。
【0018】
中でも、炭素数5〜8の飽和脂肪族炭化水素が好ましく、炭素数5のペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン(ペンタン類と称す);炭素数6のヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン(ヘキサン類と称す);炭素数7のヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン)、メチルシクロヘキサン、(ヘプタン類と称す);炭素数8のオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、エチルシクロヘキサン(オクタン類と称す)、及びこれらの混合物が好ましく用いられる。とりわけ、上記ヘプタン類は酸化からの防護効果が特に高い傾向がありさらに好ましく、晶析収率の観点からは、ヘプタンが最も好ましい。
【0019】
芳香族炭化水素としては、特に制限されないが、普通、炭素数6〜20、特に炭素数6〜12、とりわけ炭素数7〜10のものが好適に用いられる。具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、スチレン等を挙げることができる。好ましくは、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼンであり、より好ましくは、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クメン、テトラリンであり、最も好ましくは、クメンである。
【0020】
ハロゲン化炭化水素としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、非環状のものが好ましく用いられる。普通、塩素化炭化水素、フッ素化炭化水素が好ましく、特に塩素化炭化水素が好ましい。炭素数1〜6、特に炭素数1〜4、とりわけ炭素数1〜2のものが好適に用いられる。
【0021】
具体例としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等を挙げることができる。
【0022】
好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタンであり、より好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタンである。
【0023】
脂肪酸エステル類としては、特に制限されないが、例えば、プロピオン酸エステル、酢酸エステル、ギ酸エステル等を挙げることができる。特に、酢酸エステル、ギ酸エステルが好ましく、とりわけ、酢酸エステルが好ましい。特に制限されないが、一般に、エステル基としては、炭素数1〜8のアルキルエステル又はアラルキルエステル、好ましくは炭素数1〜6のアルキルエステル、より好ましくは炭素数1〜4のアルキルエステルが好ましく用いられる。
【0024】
プロピオン酸エステルとしては、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチルを挙げることができる。
【0025】
酢酸エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル等を挙げることができる。好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸シクロヘキシルであり、より好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルであり、最も好ましくは、酢酸エチルである。
【0026】
ギ酸エステルとしては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸sec−ブチル、ギ酸ペンチル等を挙げることができる。好ましくは、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチルであり、最も好ましくは、ギ酸エチルである。
【0027】
エーテル類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。普通、炭素数3〜20、特に炭素数4〜12、とりわけ炭素数4〜8のものが好適に用いられる。
【0028】
具体例としては、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等を挙げることができる。
【0029】
好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルであり、より好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルであり、さらに好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アニソール等であり、最も好ましくは、メチルtert−ブチルエーテルである。
【0030】
アルコール類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。普通、炭素数1〜20、特に炭素数1〜12、とりわけ炭素数1〜6、なかでも炭素数1〜5の1価アルコールが好ましく、又、炭素数2〜5の2価アルコールが好ましく、又、炭素数3の3価アルコールが好ましい。
【0031】
1価のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール等を挙げることができる。
【0032】
好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、シクロヘキサノールであり、より好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコールであり、さらに好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコールであり、最も好ましくは、エタノールである。
【0033】
2価のアルコールとしては、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等を挙げることができる。好ましくは、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールであり、最も好ましくは、1,2−エタンジオールである。
【0034】
3価のアルコールとしてはグリセリン等を好適に用いることができる。
【0035】
ケトン類としては、特に制限されず、普通炭素数3〜6のものが好適に用いられる。具体例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができ、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトンであり、最も好ましくは、アセトンである。
【0036】
ニトリル類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に飽和のものが好ましく用いられる。普通、炭素数2〜20、特に炭素数2〜12、とりわけ炭素数2〜8のものが好適に用いられる。
【0037】
具体例としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、マロノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプチルシアニド、オクチルシアニド、ウンデカンニトリル、ドデカンニトリル、トリデカンニトリル、ペンタデカンニトリル、ステアロニトリル、クロロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル、クロロプロピオニトリル、ブロモプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、トルニトリル、ベンゾニトリル、クロロベンゾニトリル、ブロモベンゾニトリル、シアノ安息香酸、ニトロベンゾニトリル、アニソニトリル、フタロニトリル、ブロモトルニトリル、メチルシアノベンゾエート、メトキシベンゾニトリル、アセチルベンゾニトリル、ナフトニトリル、ビフェニルカルボニトリル、フェニルプロピオニトリル、フェニルブチロニトリル、メチルフェニルアセトニトリル、ジフェニルアセトニトリル、ナフチルアセトニトリル、ニトロフェニルアセトニトリル、クロロベンジルシアニド、シクロプロパンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、シクロヘプタンカルボニトリル、フェニルシクロヘキサンカルボニトリル、トリルシクロヘキサンカルボニトリル等を挙げることができる。
【0038】
好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、ベンゾニトリル、トルニトリル、クロロプロピオニトリルであり、より好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルであり、最も好ましくは、アセトニトリルである。
【0039】
ニトリル類を除く窒素化合物類としては、例えば、ニトロメタン、トリエチルアミン、ピリジン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
【0040】
硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン等を挙げることができる。
【0041】
脂肪酸類としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等を挙げることができる。好ましくは、ギ酸、酢酸であり、最も好ましくは酢酸である。
【0042】
上記溶媒のうち、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、アルコール類或いはニトリル類のうちの少なくとも一種を用いるのが好ましい。
【0043】
上記の炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類やニトリル類は、分子酸素による還元型補酵素Q10から酸化型補酵素Q10への酸化を抑制して、高品質の還元型補酵素Q10を取得、製造するために、上記酸化からの防護効果の高い有機溶媒でもある。
【0044】
還元型補酵素Q10は高濃度の溶液ほど酸化されにくい傾向にある。上記溶媒に対して還元型補酵素Q10は高い溶解性を示し、上記溶媒はこの点でも酸化防護に好適である。還元型補酵素Q10の酸化を防護するために好ましい濃度は、溶媒の種類などにより一律に規定できないが、上記溶媒に対する還元型補酵素Q10の濃度として、普通1w/w%以上、好ましくは2w/w%以上である。上限は、特に制限されないが、実際的な操作性という観点から、400w/w%、好ましくは200w/w%、より好ましくは100w/w%、とりわけ50w/w%である。
【0045】
さらに、上記溶媒に対する還元型補酵素Q10の溶解度は高い温度依存性を示す。このため、上記溶媒の使用は、還元型補酵素Q10の溶解量を好適に減じて、結晶状態へ移行させる上でも好適である。
【0046】
炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、ニトリル類のうちでは、上述の如く、炭化水素類が好ましく、脂肪族炭化水素類がより好ましく、ヘプタン類が最も好ましい。
【0047】
炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類といった水との相溶性の低い有機溶媒の使用は、後述する還元反応で用いる還元剤や還元剤に由来する不純物を水相に溶解・除去し、還元型補酵素Q10を効率的に精製、取得するのを助成する。
【0048】
また、アルコール類、ニトリル類や一部のエーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル等)といった水との相溶性の高い有機溶媒の使用は、還元型補酵素Q10の晶析収率やスラリーの流動性を改善するのを助成しうる。
【0049】
アルコール類、ニトリル類、一部のエーテル類のうちでは、ニトリル類及びエーテル類が好ましく、アセトニトリルやテトラヒドロフラン等がより好ましい。
【0050】
以上の溶媒の中でも、沸点、粘性等の性質(例えば、溶解度を高めるための適度な加温ができ、且つ、湿体からの溶剤の乾燥除去や晶析濾液等からの溶剤回収の行いやすい沸点(1気圧下、約30〜150℃)、室温での取り扱い時及び室温以下に冷却した時も固化しにくい融点(約20℃以下、好ましくは約10℃以下、より好ましくは約0℃以下)を持ち、粘性が低い(20℃において約10cp以下等))を考慮して選定するのが好ましい。工業的な作業上の観点から、常温で揮発し難いものが好ましく、一般に、例えば、沸点約70℃以上、好ましくは約80℃以上、より好ましくは約90℃以上のものが使用される。
【0051】
上記の有機溶媒や水は、反応前、反応途中、晶析途中、或いは、晶出量の安定化後に、その2種以上を適宜添加、又は追加して良い。
【0052】
本発明においては、還元剤として次亜硫酸類を用いる。次亜硫酸類としては、特に制限されず、普通、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が用いられるが、好ましくはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩であり、より好ましくはナトリウム塩である。
【0053】
本発明は、収率等の観点から、普通pH7以下、好ましくはpH3〜7、より好ましくはpH3〜6で実施される。上記pHは、塩酸や硫酸等の鉱酸等の酸や水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物等の塩基を用いて、調整することができる。
【0054】
上記次亜硫酸類の使用量は、特に制限されないが、普通、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、約1/5重量以上、好ましくは約2/5重量以上、より好ましくは約3/5重量以上である。多くても特に支障はないが、経済的に不利であるため、普通、約2倍重量以下、好ましくは約同重量以下で用いられる。普通、約2/5重量〜約同重量の範囲で好適に実施できる。
【0055】
本発明は、溶媒重量に対する反応後の還元型補酵素Q10重量として、例えば、普通約1w/w%以上、好ましくは約3w/w%以上、より好ましくは約5w/w%以上、とりわけ約10w/w%以上で実施される。上限は、特に制限されないが、普通約60w/w%、好ましくは約50w/w%、より好ましくは約40w/w%、とりわけ約30w/w%である。
【0056】
本発明における水の使用量は、例えば、反応に用いる酸化型補酵素Q10や還元剤(上記次亜硫酸類)を適度に溶解させるとともに、晶出した還元型補酵素Q10のスラリー濃度やスラリー性状を好適な範囲に調整・維持するために、適宜増減できる。
【0057】
上記水の使用量は、特に制限されないが、上記次亜硫酸類の水に対する重量が、普通、30w/w%以下、好ましくは20w/w%以下、より好ましくは15w/w%以下であり、また、晶出した還元型補酵素Q10のスラリー濃度が、全溶媒の重量に対して、15w/w%以下、好ましくは13w/w%以下、より好ましくは10w/w%以下になるように調整するのが良い。還元型補酵素Q10の晶析に際しては、水量は多くても支障はないが、生産性を考慮して、晶出した還元型補酵素Q10のスラリー濃度が、全溶媒の重量に対して、普通1w/w%以上、好ましくは2w/w%以上となる量であるのが良い。
【0058】
本発明は、特に制限されないが、普通100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下で実施される。下限は、系の固化温度である。通常、0〜100℃程度、好ましくは0〜80℃程度、より好ましくは0〜60℃程度で好適に実施できる。
【0059】
しかしながら、還元型補酵素Q10の好適な晶出のためには、系中の還元型補酵素Q10濃度と晶析温度をより厳密に設定するのが好ましい。これらの好ましい条件は、用いる溶媒の種類やその比率によって一律に規定することは難しいので、通常、事前に溶解度測定を行って、還元型補酵素Q10の大半が最終的に晶出するように調整するのがよい。通常、生成した還元型補酵素Q10の60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上が晶出するように設定するのが好ましい。
【0060】
有機溶媒と水との混合溶媒が、水との相溶性の低い有機溶媒と水との混合溶媒である場合には、有機溶媒相と水相が混和せずに2相を形成すること、又、酸化型補酵素Q10や還元型補酵素Q10は基本的に水相に難溶(有機溶媒相に可溶)であり、一方、還元剤や還元剤の分解物は水相に可溶(有機溶媒相に難溶)であることから、基本的に、有機溶媒並びに水の各々の純粋な系における諸データに基づき、上記条件をある程度規定することが可能である。有機溶媒と水との混合溶媒が、水との相溶性の低い有機溶媒と水との混合溶媒である場合には、還元型補酵素Q10を好適に晶出させるためには、一般に、晶出温度は、約10℃以下が好ましく、約5℃以下がより好ましい。
【0061】
好適な還元型補酵素Q10濃度と晶析温度の関係をより具体的に例示すると、例えば、晶析温度をX軸、有機溶媒に対する反応後の還元型補酵素Q10濃度をY軸(対数目盛)とする片対数プロット上において、(15℃,15w/w%)、(13℃,10w/w%)、(9℃,5w/w%)および(6℃,3w/w%)の各点を通る直線上、または、直線より上部に位置するような関係であるのが好ましい。上記関係は、有機溶媒が例えば、ヘキサンやヘプタン等の脂肪族炭化水素類である場合に最も適合する。
【0062】
本発明においては、必要に応じ、冷却晶析操作、濃縮晶析操作を併用することもできる。一般に、冷却晶析操作を組み合わせて好適に実施できる。冷却晶析操作を併用する場合の冷却速度としては、特に制限されないが、普通、約40℃/時間以下であり、好ましくは約30℃/時間以下であり、より好ましくは約20℃/時間以下である。
【0063】
本発明は、強制流動下に実施するのが好ましい。単位容積当たりの撹拌所要動力として、通常約0.01kW/m3以上、好ましくは約0.1kW/m3以上、より好ましくは約0.3kW/m3以上の流動が好ましい。上記の強制流動は、通常、撹拌翼の回転により与えられるが、上記流動が得られれば必ずしも撹拌翼を用いる必要はなく、例えば、液の循環による方法などを利用しても良い。
【0064】
本発明は、通常、24時間以内、好ましくは10時間以内、より好ましくは5時間以内に完了させることができる。尚、言うまでもなく、上記の諸条件により、還元型補酵素Q10の核化開始や結晶成長の時間や速度は変化しうる。
【0065】
このようにして得られる還元型補酵素Q10の結晶は、好ましくは、例えば、遠心分離、加圧濾過、減圧濾過等による固液分離、更に、ケーキ洗浄を行い、湿体として採取される。
【0066】
ケーキ洗浄は、一般に、水、前記アルコール類(最も好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール等であり、なかでも、エタノールが好ましい。)や前記の水と相溶性の低い有機溶媒、好ましくは炭化水素類、特に脂肪族炭化水素類、とりわけヘプタン類を用いて、必要に応じ、10℃以下、好ましくは5℃以下に冷却して行われる。得られた湿体は、更に、内部を不活性ガスに置換した減圧乾燥器(真空乾燥器)に湿体を仕込、減圧下、乾燥し、乾体として取得することができるし、乾体として取得するのが好ましい。
【0067】
本発明は、脱酸素雰囲気下にて実施することにより、更に、酸化防護効果を高めるのみならず、還元収率向上や還元剤量の低減にも大きく寄与する。脱酸素雰囲気は、不活性ガスによる置換、減圧、沸騰やこれらを組み合わせることにより達成できる。少なくとも、不活性ガスによる置換、即ち、不活性ガス雰囲気を用いるのが好適である。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガス等を挙げることができ、好ましくは窒素ガスである。
【0068】
本発明により、望ましくない酸素の副反応は、還元反応による還元型補酵素Q10の合成〜還元型補酵素Q10の晶析といった一連の工程を通じて最小化され、一方、還元型補酵素Q10は晶出し、採取される。得られる還元型補酵素Q10結晶は高品質であり、還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は、96/4以上、好ましくは98/2以上、より好ましくは99/1以上が期待できる。
【0069】
【実施例】
以下に実施例を揚げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また、実施例中の還元型補酵素Q10の純度、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比は下記HPLC分析により求めたが、得られた還元型補酵素Q10の純度は本発明における純度の限界値を規定するものではなく、また、同様に、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比も、その上限値を規定するものではない。
(HPLC分析条件)
カラム:SYMMETRY C18(Waters製)250mm(長さ)4.6mm(内径)、移動相;C25OH:CH3OH=4:3(v:v)、検出波長;210nm、流速;1ml/min、還元型補酵素Q10の保持時間;9.1min、酸化型補酵素Q10の保持時間;13.3min。
【0070】
(実施例1)
100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)を25℃で1000gのヘプタンに溶解させた。攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)100gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、25℃、pH4〜6で還元反応を行った。2時間の反応後,攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)を続け、2℃まで冷却し,白色のスラリーを得た。なお,以上すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿結晶を冷ヘプタン、冷エタノール、冷水、冷エタノール、冷ヘプタンで順に洗浄し(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶94gを得た(有姿収率94モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.7/0.3、還元型補酵素Q10の純度は99.4%であった。
【0071】
(実施例2)
100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)を25℃で1500gのテトラヒドロフランおよび1500gのエタノールに溶解させた。攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)100gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、25℃、pH4〜6で還元反応を行った。2時間の反応後,攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m3)を続け、2℃まで冷却し,白色のスラリーを得た。なお、以上すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノールで順に洗浄し(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶84gを得た(有姿収率84モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.4/0.6、還元型補酵素Q10の純度は99.1%であった。
【0072】
(参考例1)
実施例1で得られた1gの還元型補酵素Q10を、25℃下で表1に示す各種溶媒20gに溶解した。大気中、25℃で24時間の攪拌後、液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比を測定した結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0004170656
【0074】
(参考例2)
実施例1で得られた1gの還元型補酵素Q10を、35℃下で表2に示す各種溶媒100gに溶解した。大気中、35℃で24時間の攪拌後、液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比を測定した結果を表2に示す。
【0075】
【表2】
Figure 0004170656
【0076】
(実施例3)
還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)40gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を用いること以外はすべて実施例1と同様に行い、白色の乾燥結晶94gを得た(有姿収率94モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.4/0.6、還元型補酵素Q10の純度は99.1%であった。
【0077】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成よりなるので、工業的規模で、高品質の還元型補酵素Q10を簡便且つ効率的に製造することができる。

Claims (16)

  1. 酸化型補酵素Q10を、有機溶媒と水との混合溶媒中、次亜硫酸類を用いて還元し、反応液を冷却することにより該反応系から、生成した還元型補酵素Q10を晶出させることを特徴とする還元型補酵素Q10結晶の製造方法。
  2. 有機溶媒と水との混合溶媒が、水との相溶性の高い有機溶媒と水との混合溶媒である請求項1記載の製造方法。
  3. 水との相溶性の高い有機溶媒が、アルコール類、エーテル類及びニトリル類のうちの少なくとも一種である請求項2記載の製造方法。
  4. 有機溶媒と水との混合溶媒が、水との相溶性の低い有機溶媒と水との混合溶媒である請求項1記載の製造方法。
  5. 水との相溶性の低い有機溶媒が、炭化水素類、脂肪酸エステル類及びエーテル類のうちの少なくとも一種である請求項4記載の製造方法。
  6. 水との相溶性の低い有機溶媒が、炭化水素類である請求項5記載の製造方法。
  7. 炭化水素類が、脂肪族炭化水素である請求項6記載の製造方法。
  8. 脂肪族炭化水素が、炭素数3〜20の脂肪族炭化水素である請求項7記載の製造方法。
  9. 炭素数3〜20の脂肪族炭化水素は、ペンタン類、ヘキサン類、又は、ヘプタン類である請求項8記載の製造方法。
  10. 炭素数3〜20の脂肪族炭化水素は、ヘキサン、又は、ヘプタンである請求項8記載の製造方法。
  11. 生成した還元型補酵素Q10の60%以上を晶出させる請求項1から10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 還元型補酵素Q10の晶出を10℃以下で行う請求項11記載の製造方法。
  13. 晶析温度と有機溶媒に対する反応後の還元型補酵素Q10濃度が、晶析温度をX軸、還元型補酵素Q10濃度をY軸(片対数目盛)とする片対数プロット上にて、(15℃,15w/w%)、(13℃,10w/w%)、(9℃,5w/w%)及び(6℃,3w/w%)の各点を通る直線上、又は、直線より上部に位置するような条件で実施される請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法。
  14. pH3〜7で実施する請求項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 脱酸素雰囲気下で実施する請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 前記晶出を、強制流動下で行う請求項1〜15のいずれか一項に記載の製造方法。
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