JP4170268B2 - 過電流保護装置 - Google Patents

過電流保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4170268B2
JP4170268B2 JP2004216457A JP2004216457A JP4170268B2 JP 4170268 B2 JP4170268 B2 JP 4170268B2 JP 2004216457 A JP2004216457 A JP 2004216457A JP 2004216457 A JP2004216457 A JP 2004216457A JP 4170268 B2 JP4170268 B2 JP 4170268B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching element
main switching
waveform
overcurrent
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004216457A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005176587A (ja
Inventor
幹夫 元森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2004216457A priority Critical patent/JP4170268B2/ja
Publication of JP2005176587A publication Critical patent/JP2005176587A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4170268B2 publication Critical patent/JP4170268B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Description

本発明は、例えばDC−DCコンバータのように、電界効果トランジスタ(FET: Field Effect Transistor)等のスイッチング素子のデューティ比を制御して、所望の直流電圧を負荷回路に供給する電源装置において、オン状態にあるスイッチング素子に過電流が流れた場合に、そのオン時間を短縮して出力電流を制限する過電流保護装置に関する。
スイッチング方式の電源装置は、スイッチング素子のデューティ比を制御することにより所望の直流電圧を負荷回路に供給する。その中の1つであるパルス幅変調(PWM: Pulse Width Modulation)方式の電源装置には、降圧型と昇圧型とがある。以下、PWM方式の降圧型による電源装置について説明する。
スイッチング素子の毎周期のオン時間をTon、オフ時間をToffとし、電源装置への入力電圧をVinとすると、出力電圧Voutは次式で与えられる。
Vout = Ton/(Ton+Toff)・Vin ・・・(1)
出力電圧Voutを一定に保つため、PWM方式では、出力電圧Voutと基準電圧Vrefとの差である誤差電圧(Vout−Vref)が小さくなるようにスイッチング素子のオン・オフの時間比を調整する。過電流が検出された場合には、オン時間Tonを短縮し出力電圧Voutを下げ出力電流を制限してスイッチング素子を破壊から保護する。
また、過電流検出時に、オン時間Tonを短縮するのに代えて、PWM動作を停止させる電源装置も提案されている(特許文献1)。図19は、当該電源装置(ステップ・ダウンDC−DCコンバータ)の構成を示す回路図である。図19に示されるように、電源装置19は過電流保護装置1900、主スイッチング素子1901、転流用スイッチング素子1902、素子制御部1903、AND回路1904、コイル1905、コンデンサ1906、制御端子1907、入力端子1908、出力端子1909及びエッジパルス生成器1910を備えている。なお、主スイッチング素子1901はp−チャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)転流用スイッチング素子1902はn−チャネルMOSFETである。
過電流保護装置1900はRS−フリップフロップ1900a、コンパレータ1900b及び定電圧源1900cを備えており、定電圧源1900cは抵抗素子1900c1と定電流源1900c2からなる。また、エッジパルス生成器1910はスイッチング素子1910a、NOR回路1910b、NOT回路1910c、1910f、コンデンサ1910d及び抵抗素子1910eを備えている。
電源装置19の主電流経路は入力端子1908から主スイッチング素子1901及びコイル1905を経て出力端子1909に至るまでの経路である。負荷回路(図示省略)は出力端子1909に接続される。入力端子には電圧Vinが印加される。
電源装置19をPWM制御する制御信号は制御端子1907からエッジパルス生成器1910に入力される。当該制御信号によって、スイッチング素子1901、1902が毎周期交互にオン・オフ制御される。主スイッチング素子1901はFETである。
電源装置19は同期整流方式を採用しており、主スイッチング素子1901がオフされ同時オン防止期間を経た後、転流用スイッチング素子1902がオンされる。これによって、コイル1905に蓄積されていたエネルギーが電流として負荷回路に供給される。電源装置19の転流用電流経路はコイル1905から出力端子1909及び負荷回路を経てGNDに至る電流経路である。
コイル1905はコンデンサ1906と共にLCフィルタを構成する。これによって、出力電圧のリプル(ripple)が抑制され、出力電流が平滑化される。
エッジパルス生成器1910は前記制御信号に同期するリセット信号をRS−フリップフロップ1900aのリセット端子に入力する。当該リセット信号のパルス幅Treset19はコンデンサ1910d及び抵抗素子1910eで構成されるRC積分回路の時定数により定まる。
RS−フリップフロップ1900aのセット端子にはコンパレータ1900bからセット信号が入力される。RS−フリップフロップ1900aは前記セット信号にて毎周期セットされ、前記リセット信号により毎周期リセットされる。セット信号及びリセット信号のパルスの立上がり又は立下りによってRS−フリップフロップ1900aの反転出力/Qが周期的にHighレベル−Lowレベル間の状態遷移を繰り返す。
以下、論理回路として正論理(positive logic)を用いる場合について説明する。
AND回路1904は前記反転出力/Qと前記制御信号との積をとった信号を素子制御部1903に入力する。当該信号に応じて、素子制御部1903はスイッチング素子1901、1902を、同時にオンする期間が無いように、相補的にオン・オフ駆動する。
過電流保護装置1900は、主スイッチング素子1901のドレイン−ソース間の電圧降下ΔV(t)と閾値ΔVrefとを比較することによって、スイッチング素子に流れる電流を監視する。
図20は、電源装置19のPWM1周期にわたる通常動作を示すタイミングチャートである。図20において、横軸は時間、縦軸は電流又は電圧を表す。また、本明細書において「H」はHighレベル、「L」はLowレベルを表すものとする。
波形2001は制御信号の電圧レベル、波形2002は転流用スイッチング素子1902のゲート電圧レベル、波形2003は主スイッチング素子1901のゲート電圧レベル、波形2004はコイル1905に流れる電流量、波形2005はスイッチング素子1901、1902の出力電圧レベル、波形2006は前記セット信号の電圧レベル、波形2007は前記リセット信号の電圧レベル、波形2008は前記反転出力/Qの電圧レベルを示す。
さて、図20に示されるように、制御信号が時刻t190にLからHに切り替わると(波形2001)、これに同期してリセット信号がHに切り替わり(波形2007)、反転出力/QがHに切り替わる(波形2008)。これにより、スイッチング素子1901、1902の毎周期のスイッチング動作が開始される。
遅延時間Td191を経過後、転流用スイッチング素子1902がオフされる(波形2002)。更に、遅延時間Td192を経過後、主スイッチング素子1901がオンされる(波形2003)。なお、遅延時間Td191は素子制御部1903の回路により規定される。遅延時間Td192も素子制御部1903の回路により規定される遅延時間であって、スイッチング素子1901、1902の同時オン防止期間である。
その後、スイッチング素子1901、1902の出力電圧V(t)が立ち上がり時間Td193で0からVinまで立ち上がる(波形2005)。これにより、コイル電流I(t)が流れて(波形2004)、負荷回路に供給される。
この場合、コイル電流I(t)は、次式に示されるように、入力端子1908と出力端子1909との間の電位差(Vin−Vout)とコイル1905のインダクタンス値とで定まる傾きで増加する。
I(t)=(Vin−Vout)/L×(t−t191) ・・・(2)
ただし、時刻t1は電流I(t)が増加し始めた時刻であり、式
t191=t190+Td191+Td192
にて表わされる。
電流I(t)が主スイッチング素子1901に流れると、主スイッチング素子1901のオン抵抗Ron1901と電流I(t)とによるドレイン−ソース間の電圧降下ΔV(t)が発生する(波形2005)。この電圧降下ΔV(t)は次式で与えられる。
ΔV(t) = Vin−V(t) ・・・(3)
コンパレータ1900bは電圧降下ΔV(t)と閾値ΔVrefと比較する事により、主スイッチング素子1901に過電流が流れているか監視する。
図20に示されるように、電圧降下ΔV(t)は時刻(t191+Td193)前はΔV(t)>ΔVrefとなり、時刻(t191+Td193)後、時刻(t193+Td195)までΔV(t)≦ΔVrefとなる(波形2005)。従って、時刻(t191+Td193)前は、コンパレータ1900bは過電流状態と判定してセット信号をHとする。コンパレータ1900bは、時刻(t191+Td193)後も、遅延時間Td194を経過するまでセット信号をHとする。遅延時間Td194は、コンパレータ1900bの回路遅延である。
しかしながら、実際には過電流は発生していないので、PWM動作を継続するために、エッジパルス生成器1910は、時刻t192後、余裕時間(マージン)Tm19を経過するまでリセット信号をHとする(波形2007)。時刻t190以後、リセット信号がHとなっている期間を以下、「Treset19」という。
時刻t193に制御信号がLに切り替わってから(波形2001)、遅延時間Td195を経過後、主スイッチング素子1901のゲート電圧がHに切り替わって(波形2003)、主スイッチング素子1901がオフされる。
更に遅延時間Td197を経過後、転流用スイッチング素子1902のゲート電圧102がHに切り替わって(波形2002)、転流用スイッチング素子1902がオンされる。すると、コイル1905に蓄積されたエネルギーが転流用スイッチング素子1902を介して負荷回路に電流として供給される。
なお、上記遅延時間Td195は素子制御部1903の回路遅延である。遅延時間Td197も素子制御部1903の回路遅延であって、スイッチング素子1901、1902の同時オン防止期間である。
上記のようにして主スイッチング素子1901がオフされると、電圧降下ΔV(t)が閾値ΔVrefを大きく越える(波形2005)。従って、コンパレータ1900bは過電流状態と判定し、回路遅延分を遅れてセット信号がLからHに切り替わる(波形2006)。ここで、当該回路遅延は遅延時間Td197よりも短い。
これにより、反転出力/QがLに切り替わり(波形2008)、制御信号が次にHに切り替わるまでLに保持される。以上が電源装置19のPWM1周期にわたる通常動作である。
次に、図21は電源装置19の過電流発生時の動作を示すタイミングチャートである。図21において、横軸は時間、縦軸は電流又は電圧を表す。波形2101は制御信号、波形2102は転流用スイッチング素子1902のゲート電圧、波形2103は主スイッチング素子1901のゲート電圧、波形2104はコイル電流、波形2105はスイッチング素子1901、1902の出力電圧、波形2106はセット信号、波形2107はリセット信号、波形2108は反転出力/Qの電圧を示す。
負荷回路の短絡等に起因して主スイッチング素子1901に過電流が流れて電圧降下ΔV(t)が閾値ΔVrefを超えると(波形2105)、コンパレータ24は過電流状態と判定してセット信号をHとする(波形2106)。ここでは、コンパレータ1900bがセット信号を常時Hとする場合について説明する(波形2106)。
上述のように、期間Treset19においてはセット信号に関わらずPWM動作が継続する(波形2107)。期間Treset19経過後、リセット信号がHからLに切り替わってRS−フリップフロップ1900aがリセットされると、セット信号がHなので反転出力/QがHからLに切り替わる。これによって、主スイッチング素子1901がオフされ、過電流が遮断されるので、主スイッチング素子1901が過電流による破壊から保護される。
特開2002−27737号公報
さて、上述のように、通常動作において過電流の誤検出を防止するためには、期間Treset19が、時刻t190からt192までの期間よりも長くなければならない。この時刻t190からt192までの期間は、図20に示されるように、遅延時間Td191、Td192、Td193及びTd194の総和に等しいので期間Treset19は次式を満足する必要がある。
Treset19>Td191+Td192+Td193+Td194 ・・・(4)
このように過電流の誤検出を防止する都合上、過電流が流れているか否かに関わらず主スイッチング素子1901をオンし続ける期間(以下、「最小オン期間」という。)Ton(min)19が生じる。この最小オン期間Ton(min)19は次式で与えられる。
Ton(min)19=Treset19−Td191−Td192+Td196 ・・・(5)
ここで、Td196はリセット信号がHからLへ切り替わってから主スイッチング素子1901がオフされるまでの時間である(図21参照)。
式(4)、(5)から次式が得られる。
Ton(min)19>Td193+Td194+Td196 ・・・(6)
即ち、最小オン期間Ton(min)19には下限があり、常に式(6)の右辺で示される値よりも大きくなる。
しかしながら、期間Treset19を規定するエッジパルス生成器1910のCR時定数回路を半導体基板上に集積すると、拡散抵抗のばらつきと温度変動の大きさが+200%〜−50%程度である為、期間Treset19にばらつきが生じる。また、同様の理由により期間Td191、Td192、Td193及びTd194にも各々ばらつきが生じる。
期間Treset19、Td191、Td192、Td193及びTd194のばらつきを各々δTreset19、δTd191、δTd192、δTd193及びδTd194とすると下記の不等式が成立する。
δTreset19>δTd191+δTd192+δTd193+δTd194 ・・・(7)
ただし、δTreset19、δTd191、δTd192、δTd193及びδTd194はいずれも正数である。
このような、ばらつきに関わらず過電流の誤検出を防止するためには、期間Treset19にマージンTm19を見込む必要がある。
Treset19=Td191+Td192+Td193+Td194+Tm19 ・・・(8)
また、式(5)、(8)より、最小オン期間Ton(min)19について次式が成立する。
Ton(min)19=Td193+Td194+Td196+Tm19 ・・・(9)
前記Tm19は少なくともδTreset19より大きくなければならないので、Tm19は次式を満たす必要がある。
Tm19>δTd191+δTd192+δTd193+δTd194 ・・・(10)
ここで、遅延時間Td191、Td192、Td193、Td194のばらつきの係数(相対誤差)α191、α192、α193、α194を、下記の式(11)で定義すると、上記(10)式は、下記の(12)式の様に表される。
αi=δTdi/Tdi(i=191、192、193、194) ・・・(11)
Tm19>α191・Td191+α192・Td192+α193・Td193+α194・Td194 ・・・(12)
すなわち、過電流の誤検出を防止しようとすると、最小オン期間Ton(min)19が、式(6)の右辺に示される最小値(Td193+Td194+Td196)に比べて大幅に大きくなる。すると、過電流発生時に主スイッチング素子1901に流れる期間が長く、かつ電流I(t)のピーク電流が大きくなるので、主スイッチング素子1901が破壊される可能性が高くなる。
また、主スイッチング素子1901としてMOSFETを用いると、そのオン抵抗Ron1901は正の温度特性を持つので、温度が高いほど電圧降下ΔV(t)が大きくなる。従って、閾値ΔVrefが温度に依らず一定ならば、低温では過電流が検出され難くなる。これによっても、主スイッチング素子1901が過電流によって破壊される可能性が高くなる。
以上、PWM方式の降圧型による電源装置を例にとって説明したが、同様の問題はスイッチング素子を周期的にオン・オフ制御して所定電圧を供給する電源装置一般に存在し、その解決が求められている。
本発明は、上記問題に鑑みて為されたものであって、スイッチング素子を周期的にオン・オフ制御して所定電圧を供給する電源装置において、当該スイッチング素子に過電流によって破壊される可能性を更に低減することができる過電流保護装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る過電流保護装置は、電源端子間に主スイッチング素子と転流用スイッチング素子とを接続し、同時オン防止期間を有しながら制御信号に応じて周期的に前記主スイッチング素子と前記転流用スイッチング素子を交互にオン・オフさせる素子制御部を備え、オン、オフされる前記主スイッチング素子を介して負荷回路に給電する電源装置における前記主スイッチング素子を過電流から保護する過電流保護装置であって、
前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて過電流が流れていると判断されると、前記主スイッチング素子をオフする前記素子制御部と、
前記制御信号が前記主スイッチング素子をオンさせる指示を行った後の第1期間中、前記素子制御部がオンさせた前記主スイッチング素子をオフするのを禁止する第1禁止手段と、
前記素子制御部の出力信号に応じて当該出力信号が前記転流用スイッチング素子をオフさせる指示を行った後の第2期間中、エッジパルスを生成するエッジパルス生成器と、
前記エッジパルスに応じて、前記第2期間中、前記素子制御部がオンさせた前記主スイッチング素子をオフするのを禁止する第2禁止手段と
を備えることを特徴とする。
このようにすれば、前記第1期間は従来技術に係る期間Treset19よりも短くすることができるので、時定数回路のばらつきに起因して見積もらなければならない余裕時間(マージン)を小さくすることができる。従って、過電流発生時にいち早く前記主スイッチング素子をオフすることができるので、当該主スイッチング素子が過電流によって破壊される可能性を更に低減することができる。
この場合において、前記判定手段は、前記主スイッチング素子に流れる電流に相当する電圧と基準電圧とを比較することによって、前記過電流が流れているか否かを判定するとしても良い。このようにすれば、前記主スイッチング素子がオンされて電流が流れ始めた当初、前記主スイッチング素子のドレイン−ソース間電位差が大きくなっているのを過電流と誤検出して、前記オフ手段が前記主スイッチング素子をオフするのを防止することができる。
また、本発明に係る過電流保護装置は、前記第2禁止手段が、抵抗素子を含まない時定数回路を用いて前記第2期間を計時することを特徴とする。
このようにすれば、時定数回路を構成する個々の回路素子の特性に起因する時定数のばらつきが抑えられるので、前記所定時間を掲示するに際して見込むべきマージンを削減して、前記所定時間を短縮することができる。従って、過電流時に前記主スイッチング素子をいち早くオフすることができる。当該主スイッチング素子が過電流により破壊される可能性を更に低減することができる。
また、本発明に係る過電流保護装置は、前記判定手段が、電気的特性が前記主スイッチング素子と整合している比較用スイッチング素子と、前記比較用スイッチング素子に直列に接続された定電流源とを備え、前記主スイッチング素子による電圧降下と前記比較用スイッチング素子による電圧降下とを比較することにより、前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定することを特徴とする。
或いは、本発明に係る過電流保護装置は、前記判定手段が、前記主スイッチング素子と同一の半導体基板上に集積されている比較用スイッチング素子と、前記比較用スイッチング素子に直列に接続された定電流源とを備え、前記主スイッチング素子による電圧降下と前記比較用スイッチング素子による電圧降下とを比較することにより、前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定することを特徴とする。
このようにすれば、同一の半導体基板上に形成された前記主スイッチング素子と前記比較用スイッチング素子は電気的特性の整合性が良いため、前記主スイッチング素子と前記比較用スイッチング素子との間でオン抵抗のばらつきや温度特性を揃えることができ、精度良く過電流を検出することができる。
また、本発明に係る過電流保護装置は、前記判定手段が、電気的特性が前記主スイッチング素子と整合している比較用スイッチング素子と、前記比較用スイッチング素子に直列に接続された定電流源と、検出用抵抗素子と、前記主スイッチング素子と同時にオン、オフされる検出用スイッチング素子であって、前記検出用抵抗素子と直列回路をなし、当該直列回路が前記主スイッチング素子に並列接続されている検出用スイッチング素子とを備え、前記検出用抵抗素子による電圧降下と前記比較用スイッチング素子による電圧降下とを比較することにより、前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定することを特徴とする。
或いは、本発明に係る過電流保護装置は、前記判定手段が、前記主スイッチング素子と同一の半導体基板上に集積されている比較用スイッチング素子と、前記比較用スイッチング素子に直列に接続された定電流源と、検出用抵抗素子と、前記主スイッチング素子と同時にオン、オフされる検出用スイッチング素子であって、前記検出用抵抗素子と直列回路をなし、当該直列回路が前記主スイッチング素子に並列接続されている検出用スイッチング素子とを備え、前記検出用抵抗素子による電圧降下と前記比較用スイッチング素子による電圧降下とを比較することにより、前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定することを特徴とする。
この場合において、前記検出用抵抗素子の抵抗値を前記検出用スイッチング素子のオン抵抗よりも十分に大きくすれば、過電流の発生をより正確に検出することができる。
また、本発明に係る過電流保護装置は、前記第2期間中、前記検出用スイッチング素子をオフする検出停止手段を備えることを特徴とする。このようにすれば、前記検出用抵抗素子による電圧降下の変動を抑えて、クロストークの少ない安定した過電流保護を行うことができる。
このようにすれば、時定数回路のばらつきに起因して見積もらなければならない余裕時間(マージン)を小さくすることができるので、前記主スイッチング素子が過電流によって破壊される可能性を更に低減することができる。
また、前記主スイッチング素子がオンされる前に前記主スイッチング素子がオフされるのを確実に禁止することできる。従って、主スイッチング素子がオンされた直後に過電流を誤検出するのを確実に防止することができる。
以下、本発明に係る過電流保護装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 第1の実施の形態
本実施の形態においては、同期整流型DC−DCコンバータ(以下、単に「電源装置」という。)を例にとり、本発明に係る過電流保護装置について説明する。
[1−1] 構成
図1は、本実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。図1に示されるように、電源装置1は過電流保護装置100、主スイッチング素子101、転流用スイッチング素子102、素子制御部103、AND回路104、コイル105、コンデンサ106、制御端子107、入力端子108、出力端子109及び第1禁止手段110を備えている。
また、過電流保護装置100はRS−フリップフロップ100a、判定手段100b、エッジパルス生成器100c、第2禁止手段100d及び基準電圧源100eを備えている。基準電圧源100eは抵抗素子100e1と定電流源100e2を備えている。判定手段100bはコンパレータである。
図2は、図1と同じく電源装置1の構成を示す回路図であって、特に第1禁止手段110、エッジパルス生成器100c及び第2禁止手段100dの詳細な構成を示す回路図である。
図2に示されるように、第1禁止手段110はスイッチング素子110a、NOR回路110b、NOT回路110c、110f、コンデンサ110d及び抵抗素子110eを備えている。
エッジパルス生成器100cはスイッチング素子100c1、100c5、NOT回路100c2、定電流源100c3、100c6、コンデンサ100c4、100c7及びNOR回路100c8を備えている。このうち定電流源100c3、100c6及びコンデンサ100c4、100c7は時定数回路を構成している。当該時定数回路は抵抗素子を有さない事を特徴とする。また、スイッチング素子100c1はFETである。
エッジパルス生成器100cは転流用スイッチング素子102のゲート端子に入力される信号からセット信号をLとするための信号(以下、「禁止信号」という。)を生成し、これを第2禁止手段100dに出力する。当該禁止信号は転流用スイッチング素子10のゲート電圧の立下りに同期して立上るパルスであり、そのパルス幅Tpulseは前記時定数回路の時定数により決まる。
第2禁止手段100dはスイッチング素子100d1を備えている。スイッチング素子100d1はFETである。禁止信号がHとされるとスイッチング素子100d1がオンされるので、RS−フリップフロップ100aのセット端子が接地される。するとセット信号がLとされる。
[1−2] 電源装置1の動作
次に、電源装置1の動作について説明する。
(1) 通常動作
図3は、電源装置1のPWM1周期にわたる通常動作を示すタイミングチャートである。図3において、横軸は時間、縦軸は電圧又は電流を表す。また、波形300は制御信号の電圧、波形301は転流用スイッチング素子102のゲート電圧、波形302は主スイッチング素子101のゲート電圧、波形303はコイル105に流れるコイル電流、波形304はスイッチング素子101、102の出力電圧、波形305はRS−フリップフロップ100aのセット端子に入力されるセット信号、波形306はRS−フリップフロップ100aのリセット端子に入力されるリセット信号、波形307はRS−フリップフロップ100aの反転出力/Qの電圧、波形308は前記禁止信号の電圧を示す。
図3に示されるように、制御端子107に入力される制御信号が時刻t10にLからHに切り替わると(波形300)、これに同期してリセット信号がLからHに切り替わる(波形306)。これによって、反転出力/QがLからHに切り替わり(波形307)、スイッチング素子101、102の毎周期のスイッチング動作が開始される。
時刻t10から時間Td11を経過後、転流用スイッチング素子102がオンからオフに切り替わり(波形301)、更に時間Td12を経過後の時刻t11に主スイッチング素子101がオンされる(波形302)。なお、期間Td11、Td12は素子制御部103の回路遅延であって、特に期間Td12はスイッチング素子101、102の同時オン防止期間である。
すると、主スイッチング素子101に電流が流れてコイル電流I(t)が増加し(波形303)、負荷回路(不図示)に供給される。当該コイル電流I(t)の大きさは前記式(2)で示される通りである。また時刻t12後の期間Td13に、スイッチング素子101、102の出力電圧が0から入力電圧Vinまで立ち上がる(波形304)。
主スイッチング素子101に電流I(t)が流れると、そのオン抵抗による電圧降下(ドレイン−ソース間電圧)ΔV(t)が発生する。判定手段100bは電圧降下ΔV(t)と所定の閾値ΔVrefと比較して過電流を検出する。時刻t10から時刻(t11+Td13)までは、電圧降下ΔV(t)が閾値ΔVrefよりも大きいので、判定手段100bは過電流状態と判定し出力電圧をHとする。
一方、時刻(t10+Td11)に、転流用スイッチング素子102のゲート電圧がLとされると(波形301)、立下りパルス生成器100cが禁止信号をHとし、期間Tpulse1だけ保持し続ける(波形308)。第2禁止手段100dは禁止信号がHとされるとセット信号をLとする(波形305)。このようにすれば、従来よりも大幅に早くセット信号をLとすることができるので、次式のようにリセット信号のパルス幅Treset1の下限を下げることができる(波形306)。
Treset1>Td11+Td12 ・・・(13)
前記期間Tpulse1が短過ぎると、リセット信号がLに切り替わった後、まだΔV(t)>ΔVrefであるうちに禁止信号がLとされる。すると、セット信号がHとなって、反転出力/QがLとなるので、過電流が誤検出され、主スイッチング素子101がオフする誤動作を生じる。このような誤動作を防止するには、期間Tpulse1は次式を満たす必要がある。
Tpulse1>Td12+Td13 ・・・(14)
上式の右辺に対する期間Tpulse1のマージンをTm1とすると、期間Tpulse1は次式にて表わされる。
Tpulse1=Td12+Td13+Tm1 ・・・(15)
マージンTm1は、エッジパルス生成器100cの回路遅延のばらつきを吸収できるような長さに設定される必要がある。即ち、Tpulse1が式(14)を満足するためには、マージンTm1は次式を満足しなければならない。
Tm1>α12・Td12+α13・Td13 ・・・(16)
ここで、α12、α13は遅延時間Td12、Td13のばらつきの係数である。上式と従来技術に係る式(12)を比較すれば、マージンTm1の下限がマージンTm19の下限と比較して大幅に低減されていることが分かる。
これに併せてマージンTm1を短縮するには、エッジパルス生成器100cの回路遅延を抑えれば良い。本実施の形態においては、期間Tpulse1を決定する時定数回路を定電流源100c3、100c6及びコンデンサ100c4、100c7にて構成することによって期間Tpulse1のばらつきを±30%以下に抑え、マージンTm1を短縮している。
以後の動作は図3に示されるように従来と同様である。
(2) 過電流発生時の動作
次に、過電流発生時の動作について説明する。過電流はその発生要因に応じて間欠的に発生する場合と連続的に発生する場合とがある。ここでは、過電流が連続的に発生する場合について説明する。
図4は、過電流が発生した場合の電源装置1の動作を示すタイミングチャートである。図4において、波形400は制御信号の電圧、波形401は転流用スイッチング素子102のゲート電圧、波形402は主スイッチング素子101のゲート電圧、波形403はコイル電流、波形404はスイッチング素子101、102の出力電圧、波形405はセット信号の電圧、波形406はリセット信号の電圧、波形407は反転出力/Qの電圧、波形408は禁止信号の電圧を示す。
禁止信号が一旦Hとされてから期間Tpulse1後にLに切り替わった時に(波形408)、ΔV(t)>ΔVrefならば(波形404)、セット信号がHに切り替わって(波形405)主スイッチング素子101がオフされ(波形402)、過電流が遮断される。この場合において、主スイッチング素子101に過電流が流れる期間である最小オン期間Ton(min)1は次式で表わされる。
Ton(min)1=Tpulse1−Td12+Td14+Td16
=Td13+Td14+Td16+Tm1 ・・・(17)
最小オン期間Ton(min)1を短縮するためには、マージンTm1をできるだけ小さくする必要がある。本実施の形態においてが、定電流源100c3、100c6及びコンデンサ100c4、100c7からなる時定数回路を用いることによって期間Tpulse1のばらつきを±30%以下に抑える。このようにすれば、マージンTm1を短縮することができるので、最小オン期間Ton(min)1を短縮することができる。
以上述べたように、本実施の形態においては、期間Treset1を短縮することにより、過電流を検出してから主スイッチング素子101をオフするまでの時間を短縮する。これによって、早期に過電流を遮断することができる。
また、主スイッチング素子101の最小オン期間Ton(min)1を短縮することによって、主スイッチング素子101に過電流が流れる期間を短縮する。これによって、スイッチング素子101、102を過電流による破壊から保護することができる。
更に、本実施の形態によれば、スイッチング素子の起動不良などが発生した場合にも、早期にPWM動作が停止されるので、電源装置の誤動作を防止することができる。
[2] 第2の実施の形態
本実施の形態に係る電源装置は上記第1の実施の形態に係る電源装置と概ね同様の構成を備える一方、RS−フリップフロップに入力されるリセット信号の制御において相違している。以下、主として第1の実施の形態との相違点について説明する。
図5は、本実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。図5に示されるように、本実施の形態に係る電源装置5は過電流保護装置500、主スイッチング素子501、転流用スイッチング素子502、素子制御部503、AND回路504、コイル505、コンデンサ506、制御端子507、入力端子508、出力端子509、第1禁止手段510を備えている。
過電流保護装置500はRS−フリップフロップ500a、判定手段500b、エッジパルス生成器500c、第2禁止手段500d、基準電圧源500e及びOR回路500fを備えている。基準電圧源500eは抵抗素子500e1と定電流源500e2を備えている。
さて、本実施の形態においては、第1禁止手段510の出力とエッジパルス生成器500cの出力とがOR回路500fに入力されており、当該OR回路500fの出力がRS−フリップフロップ回路500aのリセット端子に入力されている。すなわち、第1禁止手段510の出力信号と禁止信号との論理和をリセット信号とする。他は上記第1の実施の形態と同様である。
[2−2] 電源装置5の動作
電源装置5は前記第1の実施の形態に係る電源装置1と概ね同様の動作をする。禁止信号は転流用スイッチング素子502がLに切り替わるのに同期してHに切り替わる。このため、第1禁止手段510の出力信号がHに保持される期間Treset1が、制御信号がHとされてから転流用スイッチング素子502のゲート電圧がLとされるまでの期間Td11よりも長ければ、過電流の誤検出を防止することができる。
Treset1>Td11 ・・・(18)
すなわち、Treset1の下限を下げることができるので、期間Treset1を短縮して、過電流を検出してから主スイッチング素子501をオフするまでの時間を短縮することができる。これによって、更に早期に過電流を遮断することができる。
[3] 第3の実施の形態
本実施の形態に係る電源装置は前記第1の実施の形態に係る電源装置と概ね同様の構成を備える一方、前記転流用スイッチング素子101のゲート端子に入力される信号に代えてスイッチング素子の出力信号から禁止信号を生成することを特徴とする。以下、主として第1の実施の形態との相違点について説明する。
[3−1] 電源装置の構成
図6は、本実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。図6に示されるように、電源装置6は過電流保護装置600、主スイッチング素子601、転流用スイッチング素子602、素子制御部603、AND回路604、コイル605、コンデンサ606、制御端子607、入力端子608、出力端子609及び第1禁止手段610を備えている。なお、第1禁止手段610は第1の実施の形態に係る第1禁止手段110と同じ構成を備えている。
過電流保護装置600はRS−フリップフロップ600a、判定手段600b、エッジパルス生成器600c、第2禁止手段600d及び基準電圧源600eを備えている。また、基準電圧源600eは抵抗素子600e1と定電流源600e2を備えている。
エッジパルス生成器600cは転流用スイッチング素子602のドレイン端子に接続されている。転流用スイッチング素子602がオフされると、そのドレイン電圧が上昇する。エッジパルス生成器600cはこのドレイン電圧の立上りエッジに同期して禁止信号を出力する。
図7は、エッジパルス生成器600cの構成を示す回路図である。図7に示されるように、エッジパルス生成器600cは前記エッジパルス生成器100cと同一の構成を備えている。すなわち、エッジパルス生成器600cはスイッチング素子600c1、600c5、NOT回路600c2、定電流源600c3、600c6、コンデンサ600c4、600c7及びNOR回路600c8を備えている。定電流源600c3、600c6及びコンデンサ600c4、600c7は時定数回路を構成する。当該時定数回路は抵抗素子を含まないことを特徴とする。
本実施の形態においては、転流用スイッチング素子602のゲート電圧の立下りに代えて、ドレイン電圧の立上りを監視するので、転流用スイッチング素子602がオフするタイミングをより正確に同期して禁止信号をHに切り替えることが出来る。従って、通常動作時と過電流発生時とを問わず安定した動作を実現することができる。
[3−2] 変形例
図8は、本実施の形態の変形例に係る電源装置の構成を示す回路図である。図8に示されるように、本変形例に係る電源装置8は、上記第3の実施の形態に係る電源装置と概ね同様の構成を備える一方、第1禁止手段810の出力と第2エッジパルス生成器800cの出力とがOR回路800fに入力され、OR回路800fの出力がRS−フリップフロップ800aのリセット端子に入力される点で相違している。この相違は上記第1の実施の形態と第2の実施の形態との間の相違に相当し、第2の実施の形態におけるのと同様の効果をもたらす。
[4] 第4の実施の形態
本実施の形態に係る電源装置は前記第1の実施の形態に係る電源装置と概ね同様の構成を備える一方、過電流の検出に用いる基準電圧源の構成に相違を有している。以下、専ら当該相違点に注目して本実施の形態について説明する。
[4−1] 電源装置の構成
図9は本実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。図9に示されるように、本実施の形態に係る電源装置は、過電流保護装置900、主スイッチング素子901、転流用スイッチング素子902、素子制御部903、AND回路904、コイル905、コンデンサ906、制御端子907、入力端子908、出力端子909及び第1禁止手段910を備えている。
過電流保護装置900はRS−フリップフロップ900a、判定手段900b、エッジパルス生成器900c、第2禁止手段900d及び基準電圧源900eを備えている。また、基準電圧源900eは比較用スイッチング素子900e1と定電流源900e2を備えている。ここで比較用スイッチング素子900e1はp−チャネルMOSFETであって、ゲート接地されている。すなわち、上記第1の実施の形態に係る抵抗素子25に代えて、比較用スイッチング素子900e1が接続されている点が本実施の形態に係る電源装置の特徴である。
過電流を検出するための閾値ΔVrefは比較用スイッチング素子900e1のオン抵抗Ron900e1と定電流源900e2が供給する電流Isによって生ずる比較用スイッチング素子900e1のドレイン−ソース間の電圧降下にて与えられる。すなわち、閾値ΔVrefは次式にて与えられる。
ΔVref=Vin−Ron900e1×Is ・・・(19)
一方、主スイッチング素子901のドレイン−ソース間の電圧降下ΔV(t)は次式で表わされる。
ΔV(t)=Vin−Ron901×I(t) ・・・(20)
比較用スイッチング素子900e1は主スイッチング素子901と同じくp−チャネルMOSFETであるので、比較用スイッチング素子900e1のオン抵抗は主スイッチング素子901のオン抵抗と同程度のばらつきと温度変動特性を有する。このため、主スイッチング素子901に過電流が流れているか否かをより高精度で判定することができる。
従って、スイッチング素子のオン抵抗のばらつきや温度変動を見込んでΔVrefのマージンを大きめに設定する必要がないので、スイッチング素子や周辺部品への過電流によるストレスを減少させることができる。
[5] 第5の実施の形態
本実施の形態に係る電源装置は上記第4の実施の形態に係る電源装置と概ね同様の構成を備える一方、過電流を検出するための構成において相違している。以下、主に当該相違点について説明する。
[5−1] 電源装置の構成
図10は、本実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。図10に示されるように、本実施の形態に係る電源装置は過電流保護装置1000、主スイッチング素子1001、転流用スイッチング素子1002、素子制御部1003、AND回路1004、コイル1005、コンデンサ1006、制御端子1007、入力端子1008、出力端子1009及び第1禁止手段1010を備えている。
過電流保護装置1000はRS−フリップフロップ1000a、判定手段1000b、エッジパルス生成器1000c、第2禁止手段1000d、基準電圧源1000e、抵抗素子1000f及び検出用スイッチング素子1000gを備えている。また、基準電圧源1000eは比較用スイッチング素子1000e1と定電流源1000e1を備えている。スイッチング素子1001、1000gは並列に接続されており、かつ、検出用スイッチング素子1000gの入力端子側には抵抗素子1000fが検出用スイッチング素子1000gに直列に接続されている。スイッチング素子1001、1000gのゲート端子には素子制御部1003から同一の信号が入力されており、検出用スイッチング素子1000gは主スイッチング素子1001に同期してオン、オフする。
上記実施の形態においては何れも主スイッチング素子1001のドレイン−ゲート間の電圧降下ΔV(t)を監視するところ、本実施の形態においてはかかる構成によって抵抗素子1000fの両端電圧ΔVR1000fを監視することによって過電流を検出する。電圧ΔVR1000fは次式で与えられる。
ΔVR1000f = ΔV(t)×R1000f/(R1000f+Ron1000g) ・・・(21)
ここで、Ron1000gは検出用スイッチング素子1000gのオン抵抗、R1000fは抵抗素子1000fの抵抗値である。抵抗値R1000fをオン抵抗Ron1000gに対して十分大きく設定すれば(例えば、5倍から100倍程度)、ΔVR1000fはΔV(t)で近似することができる。
[5−2] 電源装置の動作
次に、電源装置の動作について説明する。
(1) 通常時の動作
図11は、本実施の形態に係る電源装置の通常時の動作を示すタイミングチャートである。図11において、横軸は時間、縦軸は電圧又は電流を表す。また、波形1101は制御信号の電圧、波形1102は転流用スイッチング素子1002のゲート電圧、波形1103はスイッチング素子1001、1000gのゲート電圧、波形1104はコイル電流、波形1105はスイッチング素子1001、1002の出力電圧、波形1106はセット信号、波形1107はリセット信号、波形1108は反転出力/Q、波形1109は禁止信号、波形1110は両端電圧ΔVR1000fを示す。
図11に示されるように、時刻t100においては、スイッチング素子1001、1000gのゲート電圧がHであり(波形1103)、検出用スイッチング素子1000gがオフされているので、スイッチング素子1001、1002の出力電圧と抵抗1000fの両端電圧ΔVR1000fとが共に0Vとなる(波形1105、1110)。従って、ΔVR1000f≦ΔVrefなので、判定手段1000bはLを出力し、セット信号はLとなる(波形1106)。
時刻t101からt103まではスイッチング素子1001、1000gがオンされているため、両端電圧ΔVR1000fはスイッチング素子1001、1002の出力電圧と電源電圧の差電圧ΔV(t)に等しくなる(波形1110)。また、過電流が発生しなければ常にΔVR1000f<ΔVrefなのでセット信号はLに保持される(波形1106)。その後、スイッチング素子1001、1002のゲート電圧がHとなり(波形1102、1103)、スイッチング素子1001、1000gがオフされると、両端電圧ΔVR1000fは0Vとなる(波形1110)。
このようにセット信号はLに保持され続けるので、過電流は誤検出されない。
(2) 過電流発生時の動作
図12は、過電流発生時における電源装置の動作を示すタイミングチャートである。図12において、横軸は時間、縦軸は電圧又は電流を表す。また、波形1201は制御信号、波形1202は転流用スイッチング素子1002のゲート電圧、波形1203はスイッチング素子1001、1000gのゲート電圧、波形1204はコイル電流、波形1205はスイッチング素子1001、1002の出力電圧、波形1206はセット信号、波形1207はリセット信号、波形1208は反転出力/Q、波形1209は禁止信号、波形1210は両端電圧ΔVR1000fを示す。
図12に示されるように、スイッチング素子1001、1000gのゲート電圧がLに切り替わって(波形1203)、スイッチング素子1001、1000gがオンされると、両端電圧ΔVR1000fが上昇する(波形1210)。
禁止信号がHに切り替わってから期間Tpulse10を経過した後、禁止信号がLに切り替わると(波形1209)、過電流によって両端電圧ΔVR1000fが閾値ΔVrefより大きくなっているので、判定手段1000bはセット信号をHとする。これによって、RS−フリップフロップ1000aの反転出力/QがLに切り替わり(波形1208)、スイッチング素子1001、1000gがオフされ、両端電圧ΔVR1000fが0Vとなる(波形1210)。
本実施の形態によれば、主スイッチング素子1001のオフ時は両端電圧ΔVR1000fが0Vとなるので、過電流が誤検出されるのを防止することができる。
また、主スイッチング素子1001がオン・オフする際に発生する高スルーレートかつ大振幅のスイッチング信号が判定手段1000bに入力されなくなるため、クロストークの少ないより安定した過電流保護動作を行うことができる。
[6] 第6の実施の形態
本実施の形態に係る電源装置は上記第5の実施の形態に係る電源装置と概ね同様の構成を備える一方、過電流を検出するための抵抗素子に電流を流すタイミングの制御において相違している。以下、主に相違点について説明する。
[6−1] 電源装置の構成
図13は、本実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。図13に示されるように、本実施の形態に係る電源装置13は過電流保護装置1300、主スイッチング素子1301、転流用スイッチング素子1302、素子制御部1303、AND回路1304、コイル1305、コンデンサ1306、制御端子1307、入力端子1308、出力端子1309及び第1禁止手段1310を備えている。
過電流保護装置1300はRS−フリップフロップ1300a、判定手段1300b、エッジパルス生成器1300c、第2禁止手段1300d、基準電圧源1300e、抵抗素子1300f、検出用スイッチング素子1300g及び検出停止手段1300hを備えている。また、基準電圧源1300eは比較用スイッチング素子1300e1と定電流源1300e2を備えている。検出停止手段1300hはOR回路となっている。
エッジパルス生成器1300cが出力する禁止信号は第2禁止手段1300dに入力されると共に検出停止手段1300hに入力される。検出停止手段1300hには素子制御部1303から主スイッチング素子1301を制御する信号が入力されており、当該信号と禁止信号との論理和をとった信号が検出用スイッチング素子1300gのゲート端子に入力される。
このような構成とすれば、主スイッチング素子1301をオンした後、スイッチング素子1301、1302の出力電圧が接地電位から電源電位に上昇するまでの間、検出用スイッチング素子1300gをオフすることができる。一方、検出用スイッチング素子1300gがオフされていれば、抵抗素子1300fの両端電圧ΔVR1300fが0Vとなる。従って、主スイッチング素子1301をオンした後、スイッチング素子1301、1302の出力電圧が接地電位から電源電位に上昇するまでの間に過電流が誤検出されるのを防止することができる。
[6−2] 電源装置の動作
次に、電源装置の動作について説明する。
(1) 通常時の動作
図14は、通常時における電源装置の動作を示すタイミングチャートである。図14において、横軸は時間、縦軸は電圧又は電流を表す。また、波形1401は制御信号、波形1402は転流用スイッチング素子1302のゲート電圧、波形1403はスイッチング素子1301、1300gのゲート電圧、波形1404はコイル電流、波形1405はスイッチング素子1301、1302の出力電圧、波形1406はセット信号、波形1407はリセット信号、波形1408は反転出力/Q、波形1409は禁止信号、波形1410は両端電圧ΔVR1300f、波形1411は検出用スイッチング素子1300gのゲート電圧を示す。
図14に示されるように、時刻t131に主スイッチング素子1301のゲート電圧がLに切り替わり(波形1403)、主スイッチング素子1301がオンされる。しかしながら、禁止信号がHである間は(波形1409)、検出用スイッチング素子1300gのゲート電圧はHに保持され(波形1411)、抵抗素子1300fの両端電圧ΔVR1300fは0Vに保持される(波形1410)。
検出用スイッチング素子1300gのゲート電圧がLに切り替わると(波形1411)、両端電圧ΔVR1300fが0Vからスイッチング素子1301、1302の出力電圧と電源電圧との差電圧ΔV(t)に等しい大きさに変化する(波形1410)。
従って、スイッチング素子1301、1302の出力電圧がLからHに昇圧する期間中は、両端電圧ΔVR1300fは0Vに保持されるので、判定手段1300bが過電流を誤検出するのを防止することができる。
(2) 過電流発生時の動作
図15は、過電流発生時における電源装置の動作を示すタイミングチャートである。図15において、横軸は時間、縦軸は電圧又は電流を表す。また、波形1501は制御信号、波形1502は転流用スイッチング素子1302のゲート電圧、波形1503はスイッチング素子1301、1300gのゲート電圧、波形1504はコイル電流、波形1505はスイッチング素子1301、1302の出力電圧、波形1506はセット信号、波形1507はリセット信号、波形1508は反転出力/Q、波形1509は禁止信号、波形1510は両端電圧ΔVR1300f、波形1511は検出用スイッチング素子1300gのゲート電圧を示す。
図15に示されるように、時刻t131に主スイッチング素子1301がオンされてから(波形1503)、禁止信号がLに切り替わるまで(波形1509)、検出用スイッチング素子1300gのゲート電圧はHに保持される(波形1511)。従って、この間検出用スイッチング素子1300gはオフされているので、両端電圧ΔVR1300fは0Vに保持される(波形1510)。
検出用スイッチング素子1300gのゲート電圧がLに切り替わり(波形1511)、検出用スイッチング素子1300gがオンされると、両端電圧ΔVR1300fが昇圧し、スイッチング素子1301、1302の出力電圧と電源電圧との差電圧ΔV(t)に等しくなる(波形810)。
過電流発生時は、両端電圧ΔVR1300fが閾値ΔVrefよりも大きいので、判定手段1300bはセット信号をHとする(波形1506)。すると、反転出力/QがLとなり(波形1508)、主スイッチング素子1301がオフされ、過電流が遮断される。これと共に検出用スイッチング素子1300gもオフされるので、両端電圧ΔVR1300fは0Vとなる(波形810)。
以上述べたように、本実施の形態に依れば、スイッチング素子1301、1302の出力電圧がLからHに立ち上がるまでの期間中、抵抗素子1300fに電流が流れないので両端電圧ΔVR1300fが0Vに保持される。従って、過電流が誤検出されるのを防止することができる。
[7] 第7の実施の形態
上記各実施の形態においては専ら降圧型の電源装置を例にとって本発明を説明したが、本実施の形態においては昇圧型の電源装置を例にとって本発明を説明する。
[7−1] 電源装置の構成
図16は、本実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。図16に示されるように、本実施の形態に係る電源装置16は過電流保護装置1600、主スイッチング素子1601、転流用スイッチング素子1602、素子制御部1603、AND回路1604、コイル1605、コンデンサ1606、制御端子1607、入力端子1608、出力端子1609及び第1禁止手段1610を備えている。なお、主スイッチング素子1601はn−チャネルMOSFETであり、転流用スイッチング素子1602はp−チャネルMOSFETである。主スイッチング素子1601のドレイン端子はコイル1605を介して入力端子1608に接続されると共に、転流用スイッチング素子1602のドレイン端子に接続されている。主スイッチング素子1601はソース接地されている。
転流用スイッチング素子1602のドレイン端子はコイル1605を介して入力端子1608に接続されると共に、主スイッチング素子1601のドレイン端子及び後述する判定手段1600bに接続されている。転流用スイッチング素子1602のソース端子は出力端子1609に接続されると共に、コンデンサ1606を介して接地されている。スイッチング素子1601、1602は何れも素子制御部1603からゲート端子に信号入力されている。
過電流保護装置1600は、RS−フリップフロップ1600a、判定手段1600b、エッジパルス生成器1600c、第2禁止手段1600d及び基準電圧源1600eを備えている。また、基準電圧源1600eはスイッチング素子1600e1と定電流源1600e2を備えている。スイッチング素子1600e1はn−チャネルMOSFETである。スイッチング素子1600e1は定電流源1600e2に直列接続されると共に、そのゲート端子が入力端子1608に接続されている。
一般的に昇圧型の電源装置においては主スイッチング素子1601の毎周期のオン時間をTon、オフ時間をToff、入力電圧をVinとすると出力電圧Voutは次式で与えられる。
Vout =(Ton+Toff)/Toff・Vin ・・・(22)
昇圧型の電源装置は主スイッチング素子1601のオン・オフの時間比を調整して出力電圧Voutを一定に保つ。過電流発生時には、オン時間Tonを短縮することにより出力電圧Voutを下げて出力電流を制限し、スイッチング素子を過電流による破壊から保護する。
[7−2] 電源装置の動作
次に、電源装置の動作について説明する。
(1) 通常時の動作
図17は、通常時における電源装置の動作を示すタイミングチャートである。図17において、横軸は時間、縦軸は電圧又は電流を表す。また、波形1701は制御信号、波形1702は転流用スイッチング素子1602のゲート電圧、波形1703は主スイッチング素子1601のゲート電圧、波形1704はコイル電流、波形1705はスイッチング素子1601、1602の出力電圧、波形1706はセット信号、波形1707はリセット信号、波形1708は反転出力/Q、波形1709は禁止信号を示す。
図17に示されるように、時刻(t160+Td161)に転流用スイッチング素子1602のゲート電圧がHに切り替わり(波形1702)、転流用スイッチング素子1602がオフされる。スイッチング素子1601、1602の同時オン防止期間Td162を経過後の時刻t161に主スイッチング素子1601のゲート電圧がHに切り替わり(波形1703)、主スイッチング素子1601がオンされる。
時刻t160においては転流用スイッチング素子1602がオンされているので、スイッチング素子1601、1602の出力電圧は(波形1705)出力端子1609の電圧Voとほぼ等しくなる。時刻t161において主スイッチング素子1601がオンされると、当該出力電圧は立ち下がり期間Td163にほぼ0Vまで立ち下がる。一方、コイル1605には電流I(t)が流れる(波形1704)。
コイル電流I(t)は次式にて与えられる。
I(t) = Vin /L×(t−t161) ・・・(23)
すなわち、コイル電流I(t)は入力端子電圧Vinとコイル1605のインダクタンス値Lとで定まる傾きで増加する。
コイル電流I(t)が主スイッチング素子1601に流れると主スイッチング素子1601のオン抵抗Ron1601によるドレイン−ソース間の電圧降下ΔV(t)が発生する(波形1705)。この電圧降下ΔV(t)はスイッチング素子1601、1602の出力電圧V(t)に等しい。すなわち、
ΔV(t) = V(t) ・・・(24)
である。特に、主スイッチング素子1601がオンならば、
ΔV(t) = Ron1601×I(t) ・・・(25)
となる。
また、判定手段1600bに入力される閾値ΔVrefはスイッチング素子1600e1のオン抵抗Ron1600e1と定電流源Isによるドレイン・ソース間の電圧降下で与えられる。この電圧降下は次式で与えられる。
ΔVref = Ron1600e1×Is ・・・(26)
判定手段1600bは、電圧降下ΔV(t)と閾値ΔVrefと比較する事により、主スイッチング素子1601に過電流が流れているか監視する。
さて、時刻(t163+Td165)において、主スイッチング素子1601のゲート電圧がLに切り替わって(波形1703)、主スイッチング素子1601がオフされる。そして、スイッチング素子1601、1602の同時オン防止期間Td167を経た後、転流用スイッチング素子1602のゲート電圧がHに切り替わって(波形1702)、転流用スイッチング素子1602がオンされ、コイル1605に蓄積されたエネルギーが転流用スイッチング素子1602を介して負荷回路(不図示)に電流として供給される。
上記時刻t163に制御信号がLに切り替わってから遅延時間Td165を経て後、主スイッチング素子1601がオフされることにより電圧ΔV(t)が閾値ΔVrefを超過する(波形1705)。すると、判定手段の回路遅延(同時オン防止期間Td167よりも短い時間)を経過後、判定手段1600bの出力がHに切り替わり、セット信号がHに切り替わる(波形1706)。これによって、反転出力/QがLに切り替わると(波形1708)、次に制御信号がHに切り替わるまで(波形1701)、Lに保持される。
(2) 過電流発生時の動作
次に、過電流発生時の電源装置の動作について説明する。
過電流発生時における電圧降下ΔV(t)の変動の仕方には次の2通りがある。すなわち、一旦ΔV(t)≦ΔVrefとなった後、I(t)が増大するに従ってΔV(t)>ΔVrefとなる場合と、ΔV(t)≦ΔVrefとなる事なく、常時ΔV(t)>ΔVrefのままの場合である。ここでは後者を例にとって過電流発生時の動作を説明する。
図18は、過電流発生時における電源装置の動作を示すタイミングチャートである。図18において、横軸は時間、縦軸は電圧又は電流を表す。また、波形1801は制御信号、波形1802は転流用スイッチング素子1602のゲート電圧、波形1803は主スイッチング素子1601のゲート電圧、波形1804はコイル電流、波形1805はスイッチング素子1601、1602の出力電圧、波形1806はセット信号、波形1807はリセット信号、波形1808は反転出力/Q、波形1809は禁止信号を示す。
図18に示されるように、主スイッチング素子1601のゲート電圧がHに切り替わり(波形1803)、主スイッチング素子1601がオンされると、電流I(t)がコイル1605に流れる(波形1804)。これによって、主スイッチング素子1601のオン抵抗による電圧降下ΔV(t)が発生する(波形1805)。 時刻(t160+Td161)に禁止信号がHになってから時間Tpulse16を経過してLに戻った時に(波形1809)、過電流によりΔV(t)が閾値ΔVrefより大きくなっているので判定手段1600bはセット信号をLとすることにより(波形1806)、反転出力/QがLに切り替わり(波形1808)、主スイッチング素子1601がオフされる。更に同時オン防止期間経過後、転流用スイッチング素子1602がオンされる(波形202)。以下は通常時と同様である。
以上、本実施の形態に依れば、上記第1の実施の形態と同様に、RS−フリップフロップ1600aのリセットパルス幅Treset16を短縮するので、過電流を早期に遮断することができる。また、主スイッチング素子1601の最小オン期間Ton(min)を短縮して、主スイッチング素子1601のオン期間に流れる電流の総量を規制することができる。
更に、上記第4の本実施の形態と同様に、主スイッチング素子1601と同じ種類のMOSFETを用いて閾値ΔVrefを発生させれば、主スイッチング素子1601の過電流状態をより高精度に捉えることが出来る。従って、本発明に依れば昇圧型の電源装置においてもスイッチング素子を過電流による破壊からより確実に保護することができる。
[8] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態においては専らPWM方式の電源装置を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、PWM方式以外の電源装置に本発明を適用することによっても効果を得ることができる。すなわち、周期的にオン−オフされるスイッチング素子を介して負荷回路に電流を供給する電源装置でさえあれば本発明を適用することができる。
(2) 上記第1の実施の形態においては、p−チャネルMOSFETを主スイッチング素子101とする場合を例とって説明したが、本発明がこれに限定されないのは勿論であり、これに代えてn−チャネルMOSFETやバイポーラトランジスタ等、p−チャネルMOSFET以外のスイッチング素子を用いても同様の効果を奏することができる。これは第2から第6の実施の形態についても同様である。
なお、降圧型の電源装置においてスイッチング素子にn−チャネルMOSFETを用いる場合には、素子制御部の駆動電圧を稼ぐためにブートストラップ回路が必要となる。しかしながら、かかる構成上の差異に関わらず本発明を適用して効果を得ることができる。
(3) 上記第1の実施の形態においては、転流用スイッチング素子102のゲート端子の入力する信号をエッジパルス生成器100cに入力するとしたが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、他の信号をエッジパルス生成器100cに入力するとしても良い。例えば、転流用スイッチング素子102のソース端子を接地する回路に抵抗素子を挿入し、当該抵抗素子による電圧降下をエッジパルス生成器100cに入力するとしても良い。このように転流用スイッチング素子102のゲート端子やドレイン端子の信号と因果関係がある他の信号をエッジパルス生成器100cに入力するとしても良く、このようにすることによっても、本発明の効果を得ることができる。
上記第2から第7の実施の形態についても同様に、エッジパルス生成器500cやエッジパルス生成器600c等に制御信号や主スイッチング素子501等のゲート端子に入力される信号、AND回路504等の出力信号、RS−フリップフロップ500a等の出力信号を遅延させたり、反転させたりして入力するとしても良い。このようにしても、本発明の効果に変わりはない。
(4) 上記第1の実施の形態においては、第2禁止手段100dはスイッチング素子100d1を備え、当該スイッチング素子100d1のドレイン端子は判定手段100bとRS−フリップフロップ100aのセット端子を接続する回路に接続されている。そして、このスイッチング素子100d1をオフすることによってセット信号をLとするとしたが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
すなわち、判定手段100bの出力端子にMOSFETのドレイン端子を接続し、RS−フリップフロップ100aのセット端子に当該MOSFETのソース端子を接続して、当該MOSFETをオフすることによってセット信号をLとするとしても良い。
また、セット信号をLとするのに代えて、RS−フリップフロップ100aの反転出力/QやAND回路104の出力、或いは素子制御部103の出力をMOSFET等によって適切な時期に遮断したり、反転させたりするとしても良い。
このようにしても、本発明の効果を得ることができる。なお、第2から第7の実施の形態についても同様である。
(5) 上記第1の実施の形態においては、第1禁止手段110が出力するリセット信号をHとする期間Tpulse1を決定する時定数回路はコンデンサと定電流源とからなり、抵抗素子を有さないとしたが、本発明がかかる構成に限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしても良い。
すなわち、抵抗素子とコンデンサとを備えた所謂RC積分回路やシュミットトリガ回路を時定数回路として用いるとしても良い。また、これらにトランジスタやゲートIC、コイル或いは水晶発振器等を加えて成る発振回路の出力を用いて期間Tpulse1を決定するとしても良い。更に、発振回路の出力をロジック回路で分周して期間Tpulse1を決定しても良い。
このようにすれば、時定数回路を構成する個々の回路素子の特性に起因する遅延時間Tpulse1のばらつきを抑えることができる。従って、前記マージンTm1を短縮することができるので、過電流保護をより確実なものとすることができる。なお、これは第2から第7の実施の形態についても同様である。
(6) 上記各実施の形態並びに上記変形例を組み合わせて実施するとしても良く、かかる場合も本発明の効果を得ることができる。
本発明に係る過電流保護装置はスイッチング素子をオン・オフして直流電圧を負荷回路に供給する電源装置において、スイッチング素子を過電流から保護する技術として利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電源装置の詳細な構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電源装置の通常時における動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る電源装置の過電流発生時における動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電源装置が備えるエッジパルス生成器600cの構成を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態の変形例に係る電源装置の構成を示す回路図である。 本発明の第4の実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。 本発明の第5の実施の形態に係る電源装置の通常時における動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る電源装置の過電流発生時における動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第6の実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。 本発明の第6の実施の形態に係る電源装置の通常時における動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第6の実施の形態に係る電源装置の過電流発生時における動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第7の実施の形態に係る電源装置の構成を示す回路図である。 本発明の第7の実施の形態に係る電源装置の通常時における動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第7の実施の形態に係る電源装置の過電流発生時における動作を示すタイミングチャートである。 従来技術に係る電源装置の構成を示す回路図である。 従来技術に係る電源装置の通常時における動作を示すタイミングチャートである。 従来技術に係る電源装置の過電流発生時における動作を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1…電源装置
100…過電流保護装置
100a…RS−フリップフロップ
100b…判定手段
100c…エッジパルス生成器
100c1、100c5、110a,100d1…スイッチング素子
100c2、110c、110f…NOT回路
100c3、100c6、100e2…定電流源
100c4、100c7、106、110d…コンデンサ
100c8、110b…NOR回路
100d…第2禁止手段
100e…定電圧源
100e1、110e…抵抗素子
101…主スイッチング素子
102…転流用スイッチング素子
103…素子制御部
104…AND回路
105…コイル
107…制御端子
108…入力端子
109…出力端子
110…第1禁止手段
300〜308、400〜408…波形

Claims (8)

  1. 電源端子間に主スイッチング素子と転流用スイッチング素子とを接続し、同時オン防止期間を有しながら制御信号に応じて周期的に前記主スイッチング素子と前記転流用スイッチング素子を交互にオン・オフさせる素子制御部を備え、オン、オフされる前記主スイッチング素子を介して負荷回路に給電する電源装置における前記主スイッチング素子を過電流から保護する過電流保護装置であって、
    前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段にて過電流が流れていると判断されると、前記主スイッチング素子をオフする前記素子制御部と、
    前記制御信号が前記主スイッチング素子をオンさせる指示を行った後の第1期間中、前記素子制御部がオンさせた前記主スイッチング素子をオフするのを禁止する第1禁止手段と、
    前記素子制御部の出力信号に応じて当該出力信号が前記転流用スイッチング素子をオフさせる指示を行った後の第2期間中、エッジパルスを生成するエッジパルス生成器と、
    前記エッジパルスに応じて、前記第2期間中、前記素子制御部がオンさせた前記主スイッチング素子をオフするのを禁止する第2禁止手段と
    を備えることを特徴とする過電流保護装置。
  2. 前記判定手段は、前記主スイッチング素子に流れる電流に相当する電圧と基準電圧とを比較することによって、前記過電流が流れているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の過電流保護装置。
  3. 前記第2禁止手段は、抵抗素子を含まない時定数回路を用いて前記第2期間を計時することを特徴とする請求項1に記載の過電流保護装置。
  4. 前記判定手段は、
    電気的特性が前記主スイッチング素子と整合している比較用スイッチング素子と、
    前記比較用スイッチング素子に直列に接続された定電流源とを備え、
    前記主スイッチング素子による電圧降下と前記比較用スイッチング素子による電圧降下とを比較することにより、前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の過電流保護装置。
  5. 前記判定手段は、
    前記主スイッチング素子と同一の半導体基板上に集積されている比較用スイッチング素子と、
    前記比較用スイッチング素子に直列に接続された定電流源とを備え、
    前記主スイッチング素子による電圧降下と前記比較用スイッチング素子による電圧降下とを比較することにより、前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の過電流保護装置。
  6. 前記判定手段は、
    電気的特性が前記主スイッチング素子と整合している比較用スイッチング素子と、
    前記比較用スイッチング素子に直列に接続された定電流源と、
    検出用抵抗素子と、
    前記主スイッチング素子と同時にオン、オフされる検出用スイッチング素子であって、前記検出用抵抗素子と直列回路をなし、当該直列回路が前記主スイッチング素子に並列接続されている検出用スイッチング素子とを備え、
    前記検出用抵抗素子による電圧降下と前記比較用スイッチング素子による電圧降下とを比較することにより、前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の過電流保護装置。
  7. 前記判定手段は、
    前記主スイッチング素子と同一の半導体基板上に集積されている比較用スイッチング素子と、
    前記比較用スイッチング素子に直列に接続された定電流源と、
    検出用抵抗素子と、
    前記主スイッチング素子と同時にオン、オフされる検出用スイッチング素子であって、前記検出用抵抗素子と直列回路をなし、当該直列回路が前記主スイッチング素子に並列接続されている検出用スイッチング素子とを備え、
    前記検出用抵抗素子による電圧降下と前記比較用スイッチング素子による電圧降下とを比較することにより、前記主スイッチング素子に過電流が流れているか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の過電流保護装置。
  8. 前記第2期間中、前記検出用スイッチング素子をオフする検出停止手段を備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の過電流保護装置。
JP2004216457A 2003-11-21 2004-07-23 過電流保護装置 Expired - Fee Related JP4170268B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004216457A JP4170268B2 (ja) 2003-11-21 2004-07-23 過電流保護装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003391825 2003-11-21
JP2004216457A JP4170268B2 (ja) 2003-11-21 2004-07-23 過電流保護装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005176587A JP2005176587A (ja) 2005-06-30
JP4170268B2 true JP4170268B2 (ja) 2008-10-22

Family

ID=34742013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004216457A Expired - Fee Related JP4170268B2 (ja) 2003-11-21 2004-07-23 過電流保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4170268B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4753723B2 (ja) 2006-01-09 2011-08-24 富士通セミコンダクター株式会社 Dc―dcコンバータの制御回路及びその制御方法
JP4820190B2 (ja) * 2006-03-09 2011-11-24 株式会社リコー 過電流検出回路
JP4459918B2 (ja) 2006-03-16 2010-04-28 富士通テン株式会社 スイッチングレギュレータ
JP4934403B2 (ja) * 2006-10-31 2012-05-16 ローム株式会社 電源制御回路
JP4974653B2 (ja) * 2006-11-21 2012-07-11 ローム株式会社 昇圧型スイッチングレギュレータの制御回路、それを用いた昇圧型スイッチングレギュレータ、およびそれらを用いた電子機器
WO2008065941A1 (fr) * 2006-11-30 2008-06-05 Rohm Co., Ltd. Circuit électronique
JP2009189170A (ja) * 2008-02-07 2009-08-20 Panasonic Corp エネルギ変換装置およびそれに用いる半導体装置とスイッチ制御方法
JP2010011566A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Omron Corp 電圧変換装置
JP2010226916A (ja) 2009-03-25 2010-10-07 Sanken Electric Co Ltd スイッチング電源装置、及びその制御回路
JP5616266B2 (ja) * 2011-03-28 2014-10-29 旭化成エレクトロニクス株式会社 スイッチング電源回路
JP6072585B2 (ja) * 2013-03-28 2017-02-01 ローム株式会社 半導体装置
JP7458719B2 (ja) * 2019-08-01 2024-04-01 ローム株式会社 電流検出回路、およびトランジスタ駆動回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005176587A (ja) 2005-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100801498B1 (ko) 스위칭 제어 회로 및 자려형 dc―dc 컨버터
US7375987B2 (en) Resonant switching power source apparatus
US8872497B2 (en) Switched-mode power supply
US10063148B2 (en) Switching power supply device having pulse-by-pulse type overcurrent protection function
US7859864B2 (en) Switching power supply device
US8179105B2 (en) Systems and methods for controlling output currents of power converters
JP4170268B2 (ja) 過電流保護装置
US20070120548A1 (en) Switching regulator, and a circuit and method for controlling the switching regulator
JP2009165316A (ja) スイッチング電源装置、およびそのスイッチング電源装置に使用される半導体装置
US8310795B2 (en) Power factor correction type switching power supply unit
US20080174286A1 (en) Quick response switching regulator and control method thereof
US8912780B2 (en) Switching control circuit
JP2012039761A (ja) スイッチング電源装置
US9740218B2 (en) Limiting a current
US20110194314A1 (en) Switching power supply device
JP2011030292A (ja) 電源装置
JP2006340538A (ja) スイッチング電源装置
US7355830B2 (en) Overcurrent protection device
CN111033999B (zh) 功率因数改善电路及半导体装置
US7697310B2 (en) Control apparatus for inhibiting synchronous-rectifier switching elements at low output current for a voltage transforming apparatus
US20120200277A1 (en) Instantaneous average current measurement method
CN106558979B (zh) 半导体装置
JP6794250B2 (ja) 位相補償回路及びこれを用いたdc/dcコンバータ
US11616445B2 (en) Method for driving a switch in a power converter, drive circuit and power converter
JP2020162248A (ja) Dc/dcコンバータの制御回路、制御方法および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060718

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080806

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees