JP4169999B2 - 乗客コンベア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、階段形プレートを用いた乗客コンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バリアフリーの観点から、特に駅舎および公共施設等に、乗客コンベアの設置が急速に推進されている。このような既存の施設に新たに乗客コンベアを設置する場合、乗客コンベアの上下方向の厚さが大きいと設置が困難となる。このため、上下方向の厚さを小さくするような構造が種々開発されている。しかし、現在広く用いられている形式の乗客コンベア(エスカレータ)においては、厚さの低減にも一定の限界がある。特に、踏段の反転部の寸法は、踏段寸法およびこれに関連して決定される踏段スプロケットの直径により概ね決定されてしまうため、小さくしようとしても限界がある。
【0003】
この問題を解決するための一つの手段として、階段形プレートを用いた乗客コンベアが提案されている。この乗客コンベアは、姿勢を一定に保ったまま円形経路上を循環移動する複数のプレートを有する。これらプレートは、2つのグループに分割され、第1グレープのプレートと第2グループのプレートが交互に並べられている。これら2つのグループのプレートは180度ずれた位相で回転し、一方のグループのプレートが他方のグループのプレート間を通過する際に、他方のグループのプレートから一方のグループのプレートへ乗客が移される。これを繰り返すことにより、乗客は上下階間を搬送される。この乗客コンベアによれば、確かに乗客コンベアの上下方向の厚さを低減することができる。
【0004】
しかし、この乗客コンベアは、踏面の幅がプレート回転位相の変化に伴い大きく変化するため安全面において問題がある。また、乗客は、搬送されている途中に大きな加速度変化を頻繁に受けることになるため、快適性の点から全く実用的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、乗客を安全かつ快適に搬送することができる階段形プレートを用いた乗客コンベアを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、水平方向に配列され、閉じた移動経路内を循環移動する複数のプレートと、前記プレートを駆動する駆動機構と、を備え、前記各プレートは、階段状に配置された複数の乗客載置面を有し、前記複数のプレートは少なくとも3つのグループに分割され、同じグループに属するプレートが同一位相で移動し、かつ、互いに異なるグループに属するプレートは位相差をもって移動し、前記移動経路は、それぞれが第1端および第2端を有する第1往路部分、第2往路部分および帰路部分を有し、前記第1往路部分の第2端は前記第2往路部分の第1端に接続され、前記第2往路部分の第2端は前記帰路部分の第1端に接続され、前記帰路部分の第2端は前記第1往路部分の第1端に接続されており、前記駆動機構は、単位時間内に、前記少なくとも3つのグループのうち2つのグループに属するプレートを、これらがそれぞれ前記第1往路部分および第2往路部分の第1端または第2端から第2端または第1端まで移動するように駆動して、これら2つのグループのうち第2往路部分を移動するプレート間に第1往路部分を移動するプレートを通し、これにより、前記第2往路部分を移動するプレートの乗客載置面から前記第1往路部分を移動するプレートの乗客載置面に乗客が移し替えられ、かつ、前記駆動機構は、前記単位時間内に、前記少なくとも3つのグループのうちの残りの少なくとも1つのグループに属するプレートを、前記帰路部分内のある所定位置から前記第1往路部分の第1端または第2往路部分の第2端まで移動させ、前記第1往路部分は概ね斜め方向に延び、前記第2往路部分は概ね水平方向に延びていることを特徴とする乗客コンベアを提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
[第1の実施形態]
まず、図1乃至図7を参照して第1の実施形態について説明する。
【0009】
図1に示すように、本発明による乗客コンベア装置は、乗客コンベアの幅方向(Y方向)に配列された複数の階段形のプレート1を有する。各プレート1の形状は互いに同一である。
【0010】
プレート1は、複数の水平な乗客載置面2を有する。各乗客載置面2の奥行きd(X方向長さ)も一定である。隣接する乗客載置面2同士は垂直なライザ面3により接続されている。互いに隣接する乗客載置面2の高さの差h(ライザ面3のZ方向長さ)は一定である。
【0011】
プレート1は、複数のグループ(本例では3グループ)に分割されている。従って、各グループにはプレート1の総数の1/3の数のプレートが属している。
【0012】
同じグループに属するプレート1は、水平方向(Y方向)から見た場合、常に互いに完全に重なり合う位置にある。同じグループに属するプレート1はY方向に一定の間隔をおいて配列されている。
【0013】
プレート1は、同一形状の閉じた移動経路に沿って循環移動する。同じグループに属するプレート1は、図1には図示されない連結部材(後に説明する)により相互に連結され、一体的にすなわち同位相で移動する。或る任意のグループに属するプレート1は、その他のグループに属するプレート1と位相差をもって移動する。
【0014】
図1に示すように、プレート1は、図1手前側から、第2グループの第1プレート1B1、第1グループの第1プレート1A1、第3グループの第1プレート1C1、第2グループの第2プレート1B2、第1グループの第2プレート1A2、・・・第2グループの第nプレート1Bn、第1グループの第nプレート1An、第3グループの第nプレート1Cn(nは自然数)の順にY方向に配列されている。なお、プレート1の配列順はこれには限定されず、あるグループのn番目(nは自然数)のプレート1とn+1番目のプレートの間に他のグループのプレート1が1枚づつ配置されていればよい。
【0015】
互いに隣接するプレート1同士が擦れ合わないように、互いに隣接するプレート1同士の間には、隙間が設けられている。この隙間は、図面の煩雑化を防止するため、図示されていない。
【0016】
プレート1同士が接触した場合に、摩擦音および打音の発生およびプレート1の摩耗を防止するために、プレート1の表面にゴムやウレタン等の緩衝コーティングが施されていることが好適である。これに代えて、摩擦を低減するコーティングを施すこともできる。
【0017】
また、後述する駆動機構の負担を軽減するため、強度および剛性において問題の無い限りにおいて、各プレート1に肉抜き(孔、切り欠き)が形成されていることが好適である。
【0018】
上階側および下階側の乗降口には、乗降板10A,10Bがそれぞれ設けられている。乗降板10A,10Bにはそれぞれ、櫛状にY方向に等間隔で配列された複数の歯11が設けられている。歯11の上面12が乗客支持面となる。
【0019】
互いに隣接する歯11の間には、第1、第2および第3グループのプレートがそれぞれ1枚通ることができる隙間が設けられる。また、歯11に最も近い位置を通過するプレート1(本例では第2および第3グループのプレート1)との間には、プレート1と歯11とが擦れ合うことを防止するため、隙間が設けられている。この隙間も、図面の煩雑化を防止するため、図示されていない。
【0020】
プレート1と歯11が接触した場合に、摩擦音の発生およびプレート1および歯11の摩耗を防止するために、プレート1および歯11の少なくとも一方の側面に緩衝コーティングまたは摩擦低減コーティングが施されていることが好適である。
【0021】
また、一つのプレート1が他のプレート間に入り込んだり、プレート1が歯11の間に入り込む際に、その動きが妨害されることがないように、プレート1の周縁および歯11の縁には、テーパー状の面取りがされていることが好ましい。
【0022】
次に、図2および図3を参照してプレート1の動作について説明する。図2は各プレート1の移動経路Pを説明する図である。なお、図3には、プレート1と移動経路Pとの関係の理解を容易にするため、プレート1が移動経路Pとともに記載されている。なお、以下においては、この乗客コンベアが上昇運転をしているものとして説明を行う。
【0023】
各プレート1は、図2に示された概ね扇形の移動経路Pに沿って、姿勢を一定に保ったまま循環移動する。移動経路Pは、第1往路部分Pg1および第2往路部分Pg2からなる往路部分Pgと、帰路部分Prと、からなる。第1往路部分Pg1の終点(第2端)は第2往路部分Pg2の始点(第1端)と一致し、第2往路部分Pg2の終点(第2端)は帰路部分Prの始点(第1端)と一致し、帰路部分Prの終点(第2端)は第1往路部分Pg1の始点(第1端)と一致している。
【0024】
第1往路部分Pg1は、直角を挟む二片の長さがそれぞれd(プレート1の乗客載置面2の奥行き)およびh(隣接する乗客載置面2の高さの差)の直角三角形の斜辺の長さ(d2+h2)1/2と概ね等しい長さを有する。第1往路部分Pg1は水平面に対して角度θ(θ=tan−1(h/d))を成して傾斜している。
【0025】
第2往路部分Pg2は、水平方向に延び、プレート1の乗客載置面2の奥行きdとほぼ等しい長さを有する。帰路部分Prは、円弧状の形状を有する。
【0026】
第1往路部分Pg1、第2往路部分Pg2および帰路部分Prは滑らかに接続されている(一点鎖線で囲んだ領域C1,C2,C3を参照)。これは、後に説明する駆動機構を円滑に動作させるため、並びにプレートの方向転換時に乗客が受ける加速度変化を最小にするためである。
【0027】
図3は、図2に示す経路に沿って移動するプレート1の相対的位置関係の経時変化を示す図である。図3には、各グループのプレート1が1枚づつ表示してある。乗客コンベアの状態は、ある単位時間内に、(a)(b)(c)(d)(e)の順に推移し、これを繰り返すことにより乗客が上階側に搬送される。なお、図3(a)に示す状態と図3(e)に示す状態は等価である。
【0028】
以下の説明において、図3上における位置は、X−Z座標系を用いて表示するこことする。基準となる原点は図3(a)において第1の乗客M1が乗っている下階側乗降板10Bの歯11上の位置とし、この位置を(0,0)とする。従って、図3(a)において、第2の乗客M2の位置は(d,h)、第3の乗客M3の位置は(6d、6h)、そして上階側乗降板10Aの歯11の上の位置は(7d、6h)と表示することができる。
【0029】
図3(a)を参照すると、第1グループのプレート1A(破線で表示)が第1往路部分Pg1の始点に、第2グループのプレート1B(実線で表示)が第2往路部分Pg2の始点に、そして第3グループのプレート1C(二点鎖線で表示)が帰路部分Prの始点に、それぞれ位置している。プレート1Bはプレート1Aに対してX方向(水平方向)に距離+dだけずれかつZ方向(鉛直方向)に概ね+hだけずれた位置にある。プレート1Cはプレート1Bに対してX方向に距離+dだけずれかつプレート1Bと概ね同一高さに位置している。
【0030】
図3(a)に示す状態において、第1グループのプレート1Aの最下段の乗客載置面2は、下階側乗降板10Bの歯11の上面12の僅かに下方に位置している。その後、図3(b)〜(e)に示すように、プレート1Aは、第1往路部分Pg1に沿って斜め上方に移動する。この動きに伴い、位置(0,0)にいる第1の乗客M1は、第1グループのプレート1Aにより、下階側乗降板10Bから持ち上げられ、最終的には位置(d,h)まで移動する。
【0031】
また、図3(a)に示す状態において、位置(6h,6d)にいる第3の乗客M3は、第2グループのプレート1Bの最上段の乗客載置面2により支持されている。その後、図3(b)〜(e)に示すように、プレート1Bは水平方向に移動し、上階側乗降板10Aの歯11の間に入り込んでゆく。これにより第3の乗客M3は位置(6h,7d)、すなわち上階側乗降板10Aの歯11の上に移動する。その後、プレート1Bは帰路部分Prに沿って下降し、これに伴い第3の乗客M3は上階側乗降板10Aに移される。なお、第2グループのプレート1Bが、図3(a)〜(e)に示すように概ね水平移動してゆく過程において、プレート1Bの最上段の乗客載置面2は、常に上階側乗降板10Aの乗客載置面12より僅かに上方に位置している。このため、乗客がつまずくおそれはなく、乗客の安全が確保できる。
【0032】
また、図3(a)に示す状態において、位置(h,d)にいる第2の乗客M2は、第2グループのプレート1Bにより支持されている。このとき、プレート1Bの各乗客載置面2の僅かに下方に、第1グループのプレート1Aの乗客載置面2が位置している。その後、図3(b)〜(e)に示すように、プレート1Bは第2往路部分Pg2に沿って水平方向に移動し、プレート1Aは第1往路部分Pg1に沿って斜め上方に移動する。従って、プレート1Aは、プレート1Bの上方に移動する。これにより、第2の乗客M2は位置(2d,2h)に移動する。なお、位置(2d,2h)、(3d,3h)、(4d,4h)、(5d,5h)に乗客が位置していた場合には、これらの乗客は上記と同様にして一段分すなわちX方向に+d,Z方向に+hだけ移動する。
【0033】
なお、本実施形態においては、プレート1Aおよび1Bの移動速度の水平方向(X方向)成分は互いに等しい(後に説明する第2の実施形態と比較参照)。従って、乗客コンベアの状態が図3(a)〜(e)に従い変化してゆく過程において、乗客が乗っている踏面(水平方向(Y方向)に並んだ複数の乗客載置面2により構成される仮想平面を意味する)の奥行き(dに等しい)は全く変化しない。すなわち、乗客がプレート1のライザ面3に衝突する可能性が皆無であるという観点において、本実施形態に係る乗客コンベアの安全性は非常に高い。
【0034】
また、図3(a)に示す状態では、第3グループのプレート1Cの最上段の乗客載置面2は、鉛直方向(Z方向)に関しては上階側乗降板10Aの歯11の上面12より僅かに上方に位置し、水平方向(X方向)に関しては上階側乗降板10Aの歯11と同じ位置に位置している。図3(a)に示す状態から図3(e)に移行する過程において、プレート1Cは円弧状の帰路部分Prに沿って移動し、最終的に、図3(a)に示す状態においてプレート1Aがあった位置に位置する。
【0035】
乗客の安全確保の観点から、帰路部分Prの形状は、図3(a)〜(e)に示す経過における如何なる時点においても、乗客が存在している可能性のある領域(図3においてプレート1Aの各乗客載置面2より上側であってかつプレート1Aの各ライザ面3より左側の領域)にプレート1Cが侵入しないように設定される。すなわち図2に示す第1往路部分Pg1と帰路部分Prとの間の鉛直方向距離D(図2参照)は十分に大きく設定される。
【0036】
次に、図2乃至図4を参照して、図3(a)の時点の前後における、プレート1Bの動きについて説明する。ここで、プレート1Bの最上段の乗客載置面12の最も上階側乗降板10Aに近い側の縁を、符号4で表示する。また、上階側乗降板10Aの歯11の上面12の先端を、符号13で表示する。図4に示すように、縁4は、先端13を回避するように動く。このように縁4を動かす目的は、前述したように第1往路部分Pg1と第2往路部分Pg2とを滑らかに接続するという条件を満足しつつ、最上段の乗客載置面2上に位置する乗客の足が歯11に挟まれたりすることを防止するためである。
【0037】
なお、縁4の動きは、言うまでもなく、第1往路部分Pg1および第2往路部分Pg2の接続部分(図2の領域C1)の形状に従う。この縁4の動きを実現するための第1往路部分Pg1および第2往路部分Pg2の形状について以下に説明する。
【0038】
第1往路部分Pg1の主要部分(第1往路部分の大半をなす中央部分)は、水平面に対して角度θを成す直線状に延びている。また、第2往路部分Pg2の主要部分(第2往路部分の大半をなす中央部分)は、水平方向(X方向)に直線状に延びている。第1往路部分Pg1は、その終点近傍において、その主要部分の延長線から上方に離れる。また、第2往路部分Pg2は、その始点近傍において、その主要部分の延長線から上方に離れる。そして第1往路部分Pg1と第2往路部分Pg2は、第1往路部分Pg1の主要部分の延長線と第2往路部分Pg2の主要部分の延長線との交点より上方の位置で、滑らかな弧を描いて接続されている。
【0039】
このように第1往路部分Pg1と第2往路部分Pg2を接続することにより、プレート1Bは、点4すなわち最上段の乗客載置面2が、上階側乗降板10Aの歯11の乗客載置面12より距離d1だけ高い状態で、歯11の領域に侵入する。その後、プレート1Bは、最上段の乗客載置面2が、乗客載置面12より距離d2(d2はd1より小さい)だけ高い高さまで下降し、その後、水平に移動することになる。
【0040】
なお、上記の説明は、乗客コンベアが上昇運転される場合についてなされたが、乗客コンベアが下降運転される際の作用は、図3を(e)から(a)へと逆にたどってゆくことにより理解することができる。
【0041】
次に、図5及び図6を参照して、プレート1の具体的構成について説明する。図1及び図3においては、図面の簡略化を目的として、6つの乗客載置面2を有するプレート1を用いて説明を行った。しかし、図3に示した手順で駆動を行うには、各プレート1の乗客載置面2の数を増やし、かつ各プレート1の形状も以下に説明するように設定する必要がある。
【0042】
図5および図6に示すように、第1グループのプレート1A、第2グループのプレート1Bおよび第3グループのプレート1Cはそれぞれ、水平方向(Y方向)に延びる連結ロッド20A、20Bおよび20C(他の図には表示されていない)により相互に連結されている。
【0043】
図3より理解できるように、或る任意のグループに属するプレートは他のグループに属するプレートに対して相対移動する。ここで、プレート1Aおよびプレート1Cの水平方向に関する位置関係について考える。
【0044】
プレート1Aが第1往路部分Pg1を移動する間に、プレート1Aはプレート1Cに対してX方向(水平方向)に+3d移動する。プレート1Aが第2往路部分P2を移動する間に、プレート1Aはプレート1Cに対してX方向に相対移動しない。従って、プレート1Aはプレート1Cに対してX方向に+3d変位したままである。プレート1Aが帰路部分Prを移動する間に、プレート1Aはプレート1Cに対してX方向に−3d移動する。従って、プレート1Aのプレート1Cに対するX方向に関する変位量は0に戻る。つまり、プレート1Aが移動経路Pを一周する間に、プレート1Aのプレート1Cに対するX方向の変位量の最大値と最小値の差の絶対値は3dである。従って、プレート1Aはプレート1Cに対してX方向に少なくとも3d移動できなければならない。
【0045】
全てのグループのプレートに対して同様の考察をすると、或る任意のグループに属するプレートの他のグループに属するプレートに対するX方向に関する相対変移量の最大値と最小値の差の絶対値は3dであると結論づけられる。従って、各グループのプレート同士を接続する連結ロッド20A、20B、20Cの周囲には、他のグループに属するプレートおよび接続ロッドに邪魔されることなくX方向に少なくとも3dだけ移動できるだけの空間が設けられていなければならない。
【0046】
なお、同様の考え方に基づいて各プレート間のZ方向(鉛直方向)に関する位置関係を考慮すれば、或る任意のグループのプレートは他のグループのプレートに対して、Z方向に少なくともh+α移動できなければならない。なお、αの値は帰路部分Prの形状(湾曲の態様)に応じて変化し、第1往路部分Pg1と帰路部分PrのZ方向に関する距離の最大値に応じて定まる。
【0047】
上記の点を考慮して、或る任意のグループのプレートを連結する連結ロッドの周囲において、他のグループのプレートは少なくともX方向長さ3d、Z方向長さh+αの空間が存在するように、プレートが切り欠かれている。図5には、各プレートの全長を最も短くできるように各連結ロッドの位置を定めた例が示されている。図5より、理論上、1枚のプレートには少なくとも9の乗客載置面2が必要であることが理解できる。実際には、連結ロッドの太さおよび連結ロッドのプレートへの取り付け部の強度を考慮すると、1枚のプレートには少なくとも10の乗客載置面2が必要である。
【0048】
次に、図7を参照して、乗客コンベアの駆動システム(駆動機構)について説明する。駆動システムは、各グループのプレート1A、1B、1Cに対してそれぞれ専属の駆動ユニット30A、30B、30Cから構成される。各駆動ユニット30A、30B、30Cは同一の構成を有しており、図5に概略的に示すように各連結ロッド20A、20B、20Cに対応した位置にそれぞれ配置されている。なお、各グループのプレートそれぞれに対して2以上の連結ロッドを設け、各連結ロッドをそれぞれ別の駆動ユニットにより駆動してもよい。
【0049】
駆動ユニット30Aは、移動経路Pの形状と同じ形状を有するガイドレール31を有する。ガイドレール31内には、無端チェーン32が通されている。無端チェーン32は、モータ34により回転駆動されるスプロケット35により、ガイドレール31に沿って循環移動する。無端チェーン32が有する複数のコロ33のうちの1つのコロ33に、前述した連結ロッド20Aが接続されている(図6参照)。各駆動ユニット30A、30B、30Cのモータ34は、図示しないコントローラにより制御されており、各グループのプレート1A、1B、1Cが図3に示す手順で移動するように各グループのプレート1A、1B、1Cを所定の位相差をもって駆動する。
【0050】
なお、本実施形態においては、第1往路部分Pg1、第2往路部分Pg2および帰路部分Prの長さがそれぞれ異なるため、プレートがこれら各部分Pg1、Pg2、Prを移動する際には、各部分の長さに比例した速度で移動する。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、往路部分を斜め方向に移動するプレートと水平方向に移動するプレートの間で乗客の受け渡しを繰り返し行うことにより、乗客を順次上階側(または下階側)に搬送するため、乗客の受ける加速度の変化を最小限に抑制することができる。このため、乗り心地は非常に良好である。
【0052】
また、ある単位時間内において、3つのグループのプレートのうち往路部分を移動する2つのグループに属するものが乗客の輸送に関与し、残りの1つのグループのプレートは乗客の輸送に関与しない。そして前記単位時間内に前記残りの1つのグループが帰路部分を移動して往路部分の始点に戻り、前記単位時間の終了時点において、前記単位時間の開始時点と等価な状態が再び確立される。このため、切れ目のない円滑な乗客輸送が可能となる。
【0053】
なお、1枚のプレートの長さが長くなりすぎると、重量増により、設置が大変になり、また駆動機構の負担が大きくなる。このような場合には、乗客コンベアの上階側と下階側との間を複数の領域に分割し、各領域に1セットのプレートを配置することが好適である。この場合、1セットのプレートは、前述した第1、第2および第3グループのプレート1A、1B、1Cを含む。図8には、下階側のプレートのセットIと、上階側のプレートのセットIIとが示されている。下階側のプレートセットIにより搬送されてきて下階側のセットIのプレート1Cの最上段の乗客載置面2に乗っている乗客Mは、上階側のセットIIのプレート1Aの最下段の乗客載置面2に持ち上げられ、その後上階側のプレートセットIIにより搬送される。
【0054】
[第2の実施形態]
次に、図9乃至図12を参照して、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態に対して、踏段形プレートのグループの数並びに駆動機構の構成が主として異なる。
【0055】
本実施形態に係る乗客コンベアは、第1グループのプレート1A、第2グループのプレート1B、第3グループのプレート1Cおよび第4グループのプレート1Dを含んで構成される。本実施形態におけるプレートの配置は、例えば図1において互いに隣接するプレート1Anとプレート1Cnとの間にプレート1Dn(nはn番目のプレートを意味する)を配置したものに相当する。本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、あるグループのn番目(nは自然数)のプレート1とn+1番目のプレートの間に他のグループのプレート1が1枚づつ配置されていればよい。
【0056】
次に、図9および図10を参照してプレート1の動作について説明する。図9は各プレート1の移動経路P’を説明する図である。図10には、プレート1と移動経路P’との関係の理解を容易にするため、プレート1が移動経路P’とともに記載されている。なお、以下においては、この乗客コンベアが上昇運転をしているものとして説明を行う。
【0057】
各プレート1A、1B、1C、1Dは、図9に示された概ね菱形の移動経路P’に沿って、姿勢を一定に保ったまま循環移動する。移動経路P’は、第1往路部分Pg1および第2往路部分Pg2からなる往路部分Pgと、第1帰路部分Pr1および第2帰路部分Pr2からなる帰路部分Prとから構成されている。
【0058】
第1往路部分Pg1、第2往路部分Pg2、第1帰路部分Pr1および第2帰路部分Pr2の長さはすべて等しく、概ね(d2+h2)1/2である。
【0059】
第1往路部分Pg1の主要部分(第1往路部分の大半をなす中央部分)と第1帰路部分Pr1の主要部分(第1帰路部分の大半をなす中央部分)は平行であり、水平面に対して角度θ(θ=tan−1(h/d))を成して傾斜している。
【0060】
また、第2往路部分Pg2の主要部分(第2往路部分の大半をなす中央部分)と第2帰路部分Pr2の主要部分(第2帰路部分の大半をなす中央部分)は平行であり、かつ、ともに水平方向に延びている。
【0061】
第1往路部分Pg1の主要部分および第2往路部分Pg2の主要部分の形状並びに第1往路部分Pg1と第2往路部分Pg2との接続部分の形状は、図2に示したものとほぼ同一である。但し、第1往路部分Pg1の始点近傍および第2往路部分Pg2の終点近傍の形状は、図2に示したものに対して若干の変更がなされている。
【0062】
なお、第1の実施形態と同様、乗客の安全確保の観点から、帰路部分Prの形状は、図3(a)〜(e)に示す経過における如何なる時点においても、乗客が存在している可能性のある領域(図3においてプレート1Aの各乗客載置面2より上側であってかつプレート1Aの各ライザ面3より左側の領域)にプレート1Cが侵入しないように設定される。すなわち図2に示す第1往路部分Pg1と第2帰路部分Pr2との間の鉛直方向距離D’(図9参照)は十分に大きく設定される。
【0063】
図10は、図9に示す移動経路P’に沿って移動するプレート1の相対的位置関係の経時変化を示す図である。図10には、各グループのプレート1が1枚づつ表示してある。乗客コンベアの状態は、ある単位時間内に、(a)(b)(c)(d)(e)の順に推移し、これを繰り返すことにより乗客が上階側に搬送される。なお、図10(a)に示す状態と図10(e)に示す状態は等価である。
【0064】
図10に示すように、ある単位時間内に、第1グループのプレート1Aは第1往路部分Pg1の始点から終点まで移動し、第2グループのプレート1Bは第2往路部分Pg2の始点から終点まで移動し、第3グループのプレート1Cは第2帰路部分Pr2の始点から終点まで移動し、第4グループのプレート1Dは第1帰路部分Pr1の始点から終点まで移動する。
【0065】
第1往路部分Pg1および第2往路部分Pg2を移動するプレート1Aおよび1Bは、図3を参照して先に説明したのとほぼ同様の態様で、乗客を搬送する。なお、乗客コンベアが下降運転される際の作用は、図10を(e)から(a)へと逆にたどってゆくことにより理解することができる。
【0066】
本実施形態は、第1実施形態に対して、各プレート1A、1B、1C、1Dがすべて等速度で移動している点が異なる。このため、本実施形態においては、プレート1の最上段の乗客載置面2の幅dtopは、その他の乗客載置面2の幅dより僅かに大きくなっている。これは、第1往路部分Pg1を移動するプレート1Aの速度の水平方向(X方向)成分が第2往路部分Pg2を移動するプレート1Bの速度の水平方向成分より小さいため、このような寸法設定をしないと、図10(d)の状態においてプレート1Aの最上段の乗客載置面2の縁4とプレート1Bの最上段のライザ3との間に隙間ができるからである(図10(d)の領域F参照)。なお、乗客コンベアの下り運転時には、乗客が乗っている踏面の奥行きが下降するに従って徐々に縮小してゆくことになるが、その量はわずかであり、現在の一般的なエスカレータと同程度の安全性は確保されている。
【0067】
また、本実施形態と第1実施形態との他の相違点は、第1往路部分Pg1を第1グループのプレート1Aが斜め上方に向かって移動している間に、第1帰路部分Pr1を第4グループのプレート1Dが斜め下方に向かって移動し、また、第2往路部分Pg2を第2グループのプレート1Bが水平方向に向かって移動している間に、第2帰路部分Pr2を第3グループのプレート1Cがプレート1Bと逆向きに水平方向に移動することにある。すなわち、あるグループのプレートと反対方向に移動するプレートのグループが必ず存在している。そして、前述したように各プレート1A、1B、1C、1Dがすべて等速度で移動している。このため、図11及び図12に示すような駆動システムを採用することが可能となる。
【0068】
図11及び図12に示すように、本実施形態における駆動システム(駆動機構)は、第1グループのプレート1Aを駆動するための駆動ユニット30A’と、第2グループのプレート1Bを駆動するための駆動ユニット30B’と、第3グループのプレート1Cを駆動するための駆動ユニット30C’と、第4グループのプレート1Dを駆動するための駆動ユニット30D’とを有する。
【0069】
各駆動ユニット30A’、30B’30C’、30D’は、図7に示す駆動ユニット30A、30B、30Cに対して、ガイドレール31’が本実施形態における移動経路P’の形状に一致している点と、個々の駆動ユニットからモータ34が取り除かれている点が異なる。
【0070】
スプロケット35が固定される軸37には、スプロケット36が固定されている。駆動システムは、各駆動ユニット30A’、30B’、30C’、30D’の共通の駆動力発生源としてのモータ38を有する。モータ38の出力軸には、4つのスプロケット39(図11では1つしか見えない)が取り付けられている。これら4つのスプロケット39と各駆動ユニット30A’、30B’、30C’、30D’のスプロケット36との間には、それぞれ駆動チェーン40が掛け渡されている。従って、モータ38を駆動することにより、各駆動ユニット30A’、30B’、30C’、30D’のチェーン32を等速度でガイドレール31’に沿って移動させることができる。
【0071】
各駆動ユニット30A’、30B’、30C’、30D’のチェーン32のコロ33の1つには、プレート1A、プレート1B、プレート1C、プレート1Dをそれぞれ連結する連結ロッド20A、20B、20C、20Dが取り付けられている。従って、モータ38を駆動することにより、プレート1A、プレート1B、プレート1C、プレート1Dを、移動経路P’に沿って、一定の位相差をもって等速度で移動させることができる。これにより、図10に示す手順で各プレートを動作させることが可能となる。
【0072】
連結ロッド20A、20B、20C、20D同士の間隔は、前述した第1の実施形態において図3および図5を参照して説明したのと同様の考え方に基づいて定めればよい。なお、本実施形態においては、あるプレートはその他の全てのプレートに対して水平方向に最大で概ね2d(dはプレートの乗客載置面2の幅)しか変位しない。このため、連結ロッド同士の間隔は、2d+α(αは連結ロッドの太さ等を考慮した余裕値)が確保されていればよい。決定された連結ロッド同士の間隔に応じて、各プレートは、連結ロッドの動きを妨げないように、図5に準じた形態で切り欠かれる。
【0073】
本実施形態においても、第1の実施形態とほぼ同一の効果を得ることができる。
【0074】
特に、本実施形態においては、あるグループのプレートと反対方向に移動するプレートのグループが必ず存在しているため、バランスが確保される。このため、駆動機構への負担が軽減されるとともに、駆動時の振動低減を図ることができる。
【0075】
但し、本実施形態においては、乗客が乗っているグループに属するプレート同士の間隔が、第1の実施形態の場合におけるプレート同士の間隔より大きくなるという欠点もあるため、第1の実施形態の構成および第2の実施形態の構成の
いずれを採用するかは、両者の得失を比較考慮した上で決定すればよい。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、乗客を安全かつ快適に搬送することができる階段形プレートを用いた乗客コンベアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による乗客コンベアの第1の実施形態を示す斜視図であって、プレートと乗降板のみを示した図。
【図2】図1に示すプレートの移動経路を説明する図。
【図3】図1に示す各グループのプレートの動作を説明する作用図。
【図4】図3の領域C1を詳細に示す図であって、第1往路部分と第2往路部分との接続部近傍におけるプレートの縁の軌跡を、乗降板の歯との関係で示す図。
【図5】図1に示すプレートの実際の形状、およびプレートと連結ロッドおよび駆動ユニットとの位置関係を示す図。
【図6】図5におけるVI−VI断面を示す図。
【図7】図6に示す駆動ユニットの構成を示す図。
【図8】乗客コンベアの変形例を示す図。
【図9】第2の実施形態におけるプレートの移動経路を説明する図。
【図10】第2の実施形態における各グループのプレートの動作を説明する作用図。
【図11】第2の実施形態における駆動システムの全体構成を示す模式図。
【図12】図11に示す駆動ユニットの構成を示す図。
【符号の説明】
1(1A,1B,1C,1D) プレート
2 プレートの乗客載置面
20(20A,20B,20C,20D) 駆動機構(駆動ユニット)
P、P’ 移動経路
Pg 往路部分
Pg1 第1往路部分
Pg2 第2往路部分
Pr 帰路部分
Pr1 第1帰路部分
Pr2 第2帰路部分
34 モータ(駆動力発生源)
38 モータ(共通の駆動力発生源)
Claims (9)
- 水平方向に配列され、閉じた移動経路内を循環移動する複数のプレートと、
前記プレートを駆動する駆動機構と、を備え、
前記各プレートは、階段状に配置された複数の乗客載置面を有し、
前記複数のプレートは少なくとも3つのグループに分割され、同じグループに属するプレートが同一位相で移動し、かつ、互いに異なるグループに属するプレートは位相差をもって移動し、
前記移動経路は、それぞれが第1端および第2端を有する第1往路部分、第2往路部分および帰路部分を有し、前記第1往路部分の第2端は前記第2往路部分の第1端に接続され、前記第2往路部分の第2端は前記帰路部分の第1端に接続され、前記帰路部分の第2端は前記第1往路部分の第1端に接続されており、
前記駆動機構は、単位時間内に、前記少なくとも3つのグループのうち2つのグループに属するプレートを、これらがそれぞれ前記第1往路部分および第2往路部分の第1端または第2端から第2端または第1端まで移動するように駆動して、これら2つのグループのうち第2往路部分を移動するプレート間に第1往路部分を移動するプレートを通し、これにより、前記第2往路部分を移動するプレートの乗客載置面から前記第1往路部分を移動するプレートの乗客載置面に乗客が移し替えられ、
かつ、前記駆動機構は、前記単位時間内に、前記少なくとも3つのグループのうちの残りの少なくとも1つのグループに属するプレートを、前記帰路部分内のある所定位置から前記第1往路部分の第1端または第2往路部分の第2端まで移動させ、
前記第1往路部分は概ね斜め方向に延び、前記第2往路部分は概ね水平方向に延びていることを特徴とする、乗客コンベア。 - 前記少なくとも3つのグループの数は丁度3であり、前記残りの少なくとも1つのグループの数は丁度1であり、
前記駆動機構は、この残りの1つのグループに属するプレートを、前記単位時間内に、前記帰路部分の第1端から前記帰路部分の第2端までまたは前記帰路部分の第2端から前記帰路部分の第1端まで移動させることを特徴とする、請求項1に記載の乗客コンベア。 - 前記各グループのプレートは、連結部材により相互に結合され、
前記駆動機構は、前記3つのグループのプレートを互いに独立して移動可能な各グループに専属の3つの駆動力発生源を有していることを特徴とする、請求項2に記載の乗客コンベア。 - 前記少なくとも3つのグループの数は丁度4であり、前記残りの少なくとも1つのグループの数は丁度2であり、
前記帰路部分は、それぞれが第1端および第2端を有する第1帰路部分および第2帰路部分からなり、前記第1帰路部分の第1端は前記第2往路部分の第2端に接続され、前記第1帰路部分の第2端は前記第2帰路部分の第1端に接続され、前記第2帰路部分の第2端は前記第1往路部分の第1端に接続されており、
前記駆動機構は、前記残りの2つのグループに属するプレートを、これらがそれぞれ前記第1帰路部分および第2帰路部分の第1端から第2端または第2端から第1端に移動させることを特徴とする、請求項1に記載の乗客コンベア。 - 前記各グループのプレートは、連結部材により相互に結合されており、
前記第1往路部分、前記第2往路部分、前記第1帰路部分および前記第2帰路部分の長さは互いに等しく、
前記駆動機構は、前記各グループのプレートを、前記移動経路内を等間隔かつ等速度で移動させることを特徴とする、請求項4に記載の乗客コンベア。 - 前記駆動機構は、各グループのプレートをそれぞれが駆動する4つのユニットを有しており、これら4つのユニットは、1つの共通の駆動力発生源が発生する駆動力により駆動されることを特徴とする、請求項5に記載の乗客コンベア。
- 上階側乗降板および下階側乗降板を更に備え、
前記各乗降板は、水平方向に間隔をおいて配列された複数の歯を有しており、
これら歯の隙間を前記プレートが通る際に、前記プレートと前記歯との間で乗客の受け渡しが行われることを特徴とする、請求項1に記載の乗客コンベア。 - この乗客コンベアが上昇運転されている場合、前記第2往路部分を移動するプレートは、その最上段の乗客載置面が第1の距離だけ前記上階側乗降板の歯の上面より高い状態を保ちながら概ね水平方向に移動して前記上階側乗降板の歯の間に入り込み、その後、前記第2往路部分の第2端の近傍で下方に移動して前記最上段の乗客載置面が前記上階側乗降板の歯の上面より低い位置に移行し、これにより前記最上段の乗客載置面に乗っている乗客が前記最上段の乗客載置面から前記歯に移されることを特徴とする、請求項7に記載の乗客コンベア。
- この乗客コンベアが上昇運転されている場合、前記第2往路部分の第1端の近傍を移動するプレートは、まず、その最上段の乗客載置面が前記第1の距離より大きい第2の距離だけ前記上階側乗降板の歯の上面より高い位置に移動し、その後、その最上段の乗客載置面が第1の距離だけ前記上階側乗降板の歯の上面より高い状態に移行して概ね水平方向に進行することを特徴とする、請求項8に記載の乗客コンベア。
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