JP4169977B2 - ソヤサポゲノールbの製造法および新規微生物 - Google Patents

ソヤサポゲノールbの製造法および新規微生物 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は微生物の培養物を用いたソヤサポゲノールBの製造法、並びにネオコスモスポラ属に属する新菌株およびユーペニシリウム属に属する新菌株に関する。
関連技術
ソヤサポゲノールB(soyasapogenol.B)はマメ科植物中に含まれるサポニンのアグリコン(aglycone)の一つであり、最初に大豆種子(Glycine max MERRILL,seeds)から単離、構造決定された(Chem.Pharm.Bull.24:121−129,1976、Chem.Pharm.Bull.30:2294−22973,1982)。ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体(ソヤサポニン等)には、抗酸化作用、肝障害発症抑制作用、血清脂質改善作用、血小板凝集抑制作用、抗補体活性等の生理活性が報告されており、腎炎、リューマチ、全身性紅斑性狼瘡等の免疫疾患、自己免疫疾患あるいは血栓症等の予防および治療薬としての可能性が示されている(化学と生物21:224−232,1983、特開昭61−37749)。また、ソヤサポゲノールBに関しては、抗補体活性、血小板凝集抑制作用、ヒト大腸癌およびヒト卵巣癌由来の細胞に対して増殖抑制作用が報告されている(特開昭61−37749、特開平10−234396)。
ソヤサポゲノールBは、例えば大豆種子に含有されるソヤサポニンI〜Vの糖鎖を化学的に加水分解することにより得られるが、この場合酸加水分解等の条件下でかなりの副生成物が生じるため効率的な製造法ではない。また、大豆由来の粗抽出物を化学的な加水分解法の原料に用いた場合、この粗抽出物はソヤサポニンI〜V以外にソヤサポニンA〜A等も含有しているため、ソヤサポゲノールBとは異なるアグリコンも同時に生成し、精製操作が煩雑になるなどの問題がある。
一方、微生物によるソヤサポゲノールBの製造法としては、ストレプトミセス属(Chem.Pharm.Bull.32:1287−1293,1984)およびペニシリウム属(特開平10−234396)による方法が知られている。しかしながらこれらの微生物によるソヤサポゲノールBの生産性は低く実用的ではない。また、アスペルギルス属に属する菌が生産する酵素(グルクロニダーゼ)あるいはこの酵素を含む培養物を用いてグルクロナイドサポニン類を加水分解し、グルクロン酸を還元末端とする酸性オリゴ糖を製造する時に、副生成物としてソヤサポゲノールBが生成することが報告されている(特公平7−32714)。しかしこの方法は酸性オリゴ糖の製造法であり、ソヤサポゲノールBの定性的な確認が記載されているにすぎない。
ソヤサポゲノールBは上記のように種々の生理活性を有しており、医薬品あるいは健康食品としての利用、あるいは更に有用性を向上させた誘導体の原料としての利用が考えられる。そのため、より効率的で安価なソヤサポゲノールBの製造法の開発が望まれている。
発明の概要
本発明はソヤサポゲノールBの効率的な製造法の提供をその目的とする。
本発明はまた、配糖体をソヤサポゲノールBに効率的に変換できる新規微生物の提供をその目的とする。
本発明者らは今般、大豆サポニンのようなソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を選択的に加水分解してソヤサポゲノールBに効率良く変換する微生物を見出した。そして、これらの微生物がネオコスモスポラ属およびユーペニシリウム属に属する新菌株であることを見出した。
本発明によるソヤサポゲノールBの製造法は、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体をソヤサポゲノールBへ変換するネオコスモスポラ属に属する微生物を、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を含む培地で培養し、次いでその培養物からソヤサポゲノールBを採取することを含んでなるものである。
本発明によるソヤサポゲノールBの製造法は、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体をソヤサポゲノールBへ変換するユーペニシリウム属に属する微生物を、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を含む培地で培養し、次いでその培養物よりソヤサポゲノールBを採取することを含んでなるものである。
本発明によるソヤサポゲノールBの製造法はまた、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体をソヤサポゲノールBへ変換するネオコスモスポラ属に属する微生物を培養することによって得られた培養物と接触させ、次いでその培養物からソヤサポゲノールBを採取することを含んでなるものである。
本発明によるソヤサポゲノールBの製造法はまた、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体をソヤサポゲノールBへ変換するユーペニシリウム属に属する微生物を培養することによって得られた培養物と接触させ、次いでその培養物からソヤサポゲノールBを採取することを含んでなるものである。
本発明による新菌株は、ネオコスモスポラ・バシンフェクタ・バラエティー・バシンフェクタ・PF1225株(Neocosmospora vasinfecta var.vasinfecta PF1225)(FERM BP−7475)およびその変異株である。
本発明による新菌株はまた、ユーペニシリウム・ブレフェルディアヌム・PF1226株(Eupenicillium brefeldianum PF1226)(FERM BP−7476)およびその変異株である。
ネオコスモスポラ属に属する微生物は、好ましくはネオコスモスポラ・バシンフェクタ・バラエティー・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta var.vasinfecta)、より好ましくはネオコスモスポラ・バシンフェクタ・バラエティー・バシンフェクタ・PF1225株(Neocosmospora vasinfecta var.vasinfecta PF1225)(FERM BP−7475)であることができる。
ユーペニシリウム属に属する微生物は、好ましくはユーペニシリウム・ブレフェルディアヌム(Eupenicillium brefeldianum)、より好ましくはユーペニシリウム・ブレフェルディアヌム・PF1226株(Eupenicillium brefeldianum PF1226)(FERM BP−7476)であることができる。
発明の具体的説明
1.PF1225株の菌学的性状
(1)コロニーの性状
オートミール寒天培地上で生育良く、25℃、14日間の培養でコロニーの直径は85mm以上に達する。淡茶灰色、羊毛状、平坦なコロニーとなり、中央に暗橙色の子のう殻を豊富に形成する。裏面は灰茶色となる。
ツアペック酵母エキス寒天培地上で生育良く、25℃、14日間の培養でコロニーの直径は80mmに達する。淡茶色、羊毛状、放射状のしわのあるコロニーとなり、子のう殻を菌糸中に形成する。裏面は黄土色となる。
37℃の培養では、どの培地上でも生育は抑制的で子のう殻を形成しない。
(2)形態的性状
子のう殻は表在性、孔口を有し、球形〜卵形、大きさ300〜450×250〜350μmである。殻壁は膜質、10〜25μmの多角形の細胞からなる。子のうは8胞子性、円筒形、短柄を有し、子のう胞子は1列に配列し、大きさ75〜100×10〜12μm、成熟すると消失する。子のう胞子は球形〜亜球形もしくは俵形、表面には微細なしわ状の構造を有し、大きさ10〜12×8〜10μmである。
フィアライドは菌糸より垂直に生じ、大きさ25〜50×2.5〜3μmである。分生子は楕円形〜円筒形、直線状もしくは多少カーブし、滑面、大きさ5〜12.5×2.5〜3μm、粘塊状に生じる。
以上の菌学的性状より、PF1225株を、子のう菌亜門核菌綱ネオコスモスポラ・バシンフェクタ・バラエティー・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta var.vasinfecta)に属する糸状菌と同定した。同定のための参考文献として「A REVISION OF THE GENUS NEOCOSMOSPORA(P.F.CANNON,D.L.HAWKSWORTH:Trans.Br.Mycol.Soc.82(4):673−688,1984)」を用いた。
PF1225菌株は2000年3月13日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番1号中央第6)に寄託された。受託番号は、FERM BP−7475である。
2.PF1226株の菌学的性状
(1)コロニーの性状
ツアペック酵母エキス寒天培地上で生育良く、25℃、14日間の培養でコロニーの直径は85mm以上に達する。淡灰茶色、ベルベット状、放射状のしわのあるコロニーとなる。子のう果を疎らに形成する。裏面は黄土色となる。
麦芽エキス寒天培地上で生育良く、25℃、14日間の培養でコロニーの直径は80mmに達する。白色〜淡茶色、ベルベット状〜羊毛状、平坦なコロニーとなる。子のう果をほとんど形成しない。裏面は黄橙色となる。
オートミール寒天培地上で生育良く、25℃、14日間の培養でコロニーの直径は85mm以上に達する。淡茶色、ベルベット状、平坦なコロニーとなる。子のう果を豊富に形成し、無色透明の水滴を生じる。裏面は茶橙色となる。
37℃の培養では、どの培地上でも生育は抑制的である。
(2)形態的性状
子のう果は表在性、閉鎖型、球形〜亜球形、大きさ100〜300μmである。殻壁は膜質、10〜25μmの多角形の細胞からなる。子のうは8胞子性、楕円形から洋なし形、単生、大きさ10〜12.5×7.5〜10μm、成熟すると消失する。子のう胞子は球形〜亜球形、表面には微細な刺状突起を有し、大きさ2.5〜3×2〜2.5μmである。
分生子柄は、気生菌糸より生じ、滑面、大きさ25〜150×2〜2.5μmである。ペニシリは、単輪生となる。フィアライドはペン先型、7.5〜12.5×2〜2.5μm、3〜6本の輪生体となる。分生子は球形〜楕円形、滑面、大きさ2〜2.5μm、連鎖状に生じる。
以上の菌学的性状より、PF1226株を、子のう菌亜門不整子のう菌綱ユーペニシリウム・ブレフェルディアヌム(Eupenicillium brefeldianum)に属する糸状菌と同定した。同定のための参考文献として「The Genus PENICILLIUM and its teleomorphic states Eupenicillium and Talaromyces(JOHN I.PITT:ACADEMIC PRESS,1979)」を用いた。
PF1226菌株は2000年3月13日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番1号中央第6)に寄託された。受託番号は、FERM BP−7476である。
PF1225株およびPF1226株は他の微生物に見られるようにその性状が変化し易い。例えば、PF1225株およびPF1226株に由来する突然変異株(自然発生または誘発性)、形質接合体または遺伝子組換え体であっても、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体の加水分解によりソヤサポゲノールBを産生するものはすべて本発明によるソヤサポゲノールBの製造法に使用できる。
3.PF1225株およびPF1226株の培養
本発明による製造法では、ネオコスモスポラ属に属する微生物、例えば、PF1225株、あるいはユーペニシリウム属に属する微生物、例えば、PF1226株を、通常の微生物が利用し得る栄養物を含有する培地にソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を含有する物質を添加して培養することができる。
ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体としては、主にマメ科の植物体に含有されているソヤサポニンI,II,III,IV,V(soyasaponin I,II,III,IV,V)、アズキサポニンII,V(azukisaponin II,V)、アストラガロシドVIII(astragaloside VIII)、ソフォラフラボシドI(sophoraflavoside I)等が知られており、これらを培地中に直接添加することが可能である。より実用的な方法としては、これらを含有するマメ科の植物、例えば、大豆(Glycine max MERRILL)、赤小豆(Vigna angularis(WILLD.)OHWI et OHASHI)、黄耆(Astragalus membranaceus BUNGE)、苦参(Sophora flavescens AITON)、アルファルファ(Medicago sativa L.)等から熱水、アルコールまたは含水アルコールで抽出される物質を添加する方法、あるいはこれらの抽出物から常法により目的物以外の夾雑物を適当に除去して、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体の含有量を高めた物質を添加する方法等がある。ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を含有した物質の例としては、大豆あるいは脱脂大豆(大豆粕)から熱水、アルコールまたは含水アルコールで抽出される物質、より好ましくは常法によりタンパク質、糖質、脂質等の夾雑物を除去した物質が挙げられる。
栄養源としては、従来カビの培養に利用されている公知のものが使用できる。例えば、炭素源としては、グルコース、スクロース、水飴、デキストリン、澱粉、グリセロール、糖蜜、動植物油等を使用し得る。また、窒素源としては、大豆粉、小麦胚芽、コーン・スティープ・リカー、綿実粕、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素等を使用し得る。その他必要に応じてナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸及びその他のイオンを生成することができる無機塩類を添加することは有効である。また、菌の発育を助け、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体からソヤサポゲノールBへの微生物変換を促進するような有機物及び無機物を適当に添加することができる。
培養法としては、好気的条件での培養法、特に振盪培養法が最も適している。培養に適当な温度は25〜30℃であるが、多くの場合26℃付近で培養する。ソヤサポゲノールBの生産は、培地や培養条件によって異なるが、静置培養、振盪培養、タンク培養のいずれにおいても、通常2〜14日間でその蓄積が最高に達する。培養物中のソヤサポゲノールBの蓄積が最高になった時に培養を停止し、培養物から目的物質を単離、精製する。
4.ソヤサポゲノールBの精製
このようにして生産されたソヤサポゲノールBは、その性状に従って培養物から単離、精製することができる。即ち、有機溶媒を用いた溶媒抽出法、吸着剤を用いた吸脱着法、ゲル濾過剤を用いた分子分配法、沈殿法あるいは再結晶化法等を単独もしくは適宜組み合わせることにより精製できる。例えば、ソヤサポゲノールBを含む培養物から酢酸エチルにより抽出して有機溶媒層を減圧濃縮する。この濃縮物をシリカゲルカラムに吸着した後、クロロホルム−メタノール、ヘキサン−酢酸エチル又はヘキサン−アセトンの混合溶媒系でクロマトグラフィーを行う。更に、必要に応じてセファデックスLH−20(ファルマシアファインケミカルズ社製)等のゲル濾過剤に供してソヤサポゲノールBを精製することができる。また、ソヤサポゲノールBは酢酸エチルあるいはメタノール等の有機溶媒中で結晶化が可能である。
実 施 例
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、微生物変換に用いる菌株およびソヤサポゲノールBの性状に基づきソヤサポゲノールBの製造法を種々改変することができるが、そのような方法も本発明による製造法の範囲内である。
実施例1:PF1225株によるソヤサポゲノールBの製造
種培地として、澱粉2.0%、グルコース1.0%、ポリペプトン0.5%、小麦胚芽0.6%、酵母エキス0.3%、大豆粕0.2%および炭酸カルシウム0.2%の組成からなる培地(殺菌前pH 7.0)を用いた。
また、生産培地としては、麦芽エキス4.0%、酵母エキス2.0%、リン酸二水素カリウム0.2%、硫酸アンモニウム0.2%、硫酸マグネシウム(7水和物)0.03%、塩化カルシウム(2水和物)0.03%に、大豆サポニン(小城製薬社製)1.0%を添加した培地を用いた。
前記の種培地(20ml)を分注した100ml容三角フラスコを120℃で15分間殺菌し、これにPF1225株(FERM BP−7475)の斜面寒天培養の1白金耳を植菌後、25℃で2日間振盪培養した。次いで、生産培地(100ml)を分注した500ml容三角フラスコを120℃で15分間殺菌し、これに上記種培養液を2mlずつ植菌し、25℃で4日間振盪培養した。
得られた培養物(300ml)を酢酸エチル(300ml)で抽出し、酢酸エチル層を減圧濃縮すると油状物質(750mg)が得られた。これをシリカゲルカラム(ワコーゲルC−300、和光純薬社製、70g)に供し、ヘキサン−アセトン(3:1)で溶出した後、単一の物質を含む画分をそれぞれ集めて濃縮乾固すると、ソヤサポゲノールB(150mg)とソヤサポゲノールA(8mg)が得られた。
薄層クロマトグラフィー(TLC:MERCK 1.05715.、展開系:ヘキサン−アセトン(2:1))
ソヤサポゲノールB:Rf 0.38
ソヤサポゲノールA:Rf 0.28
実施例2:PF1226株によるソヤサポゲノールBの製造
実施例1の種培地(20ml)を分注した100ml容三角フラスコを120℃で15分間殺菌し、これにPF1226株(FERM BP−7476)の斜面寒天培養の1白金耳を植菌後、25℃で2日間振盪培養した。次いで、生産培地(100ml)を分注した500ml容三角フラスコを120℃で15分間殺菌し、これに上記種培養液を2mlずつ植菌し、25℃で4日間振とう培養した。
得られた培養物(300ml)を酢酸エチル(300ml)で抽出し、酢酸エチル層を減圧濃縮すると油状物質(700mg)が得られた。これをシリカゲルカラム(ワコーゲルC−300、和光純薬社製、70g)に供し、ヘキサン−アセトン(3:1)で溶出した後、単一の物質を含む画分をそれぞれ集めて濃縮乾固すると、ソヤサポゲノールB(120mg)とソヤサポゲノールA(6mg)が得られた。
薄層クロマトグラフィー(TLC:MERCK 1.05715.、展開系:ヘキサン−アセトン(2:1))
ソヤサポゲノールB:Rf 0.38
ソヤサポゲノールA:Rf 0.28
ソヤサポゲノールBの同定
実施例1および実施例2において得られたソヤサポゲノールBの物理化学的性状および各種スペクトルデータは標品のソヤサポゲノールBと一致した。本発明で得られたソヤサポゲノールBの重クロロホルム中での13C NMRデータ(化学シフトppm、多重度、帰属の順)は以下の通りである。帰属に用いたナンバリングは下記化学式に示した。
38.4(t,C−1),27.6(t,C−2),80.8(d,C−3),42.7(s,C−4),55.8(d,C−5),18.4(t,C−6),33.1(t,C−7),39.7(s,C−8),47.7(d,C−9),36.6(s,C−10),23.7(t,C−11),122.3(d,C−12),143.9(s,C−13),42.0(s,C−14),25.9(t,C−15),28.2(t,C−16),37.4(s,C−17),44.7(d,C−18),46.1(t,C−19),30.5(s,C−20),41.4(t,C−21),76.6(d,C−22),22.4(q,C−23),64.5(t,C−24),16.1(q,C−25),16.8(q,C−26),25.4(q,C−27),20.0(q,c−28),32.8(q,C−29),28.2(q,C−30)
Figure 0004169977

Claims (14)

  1. ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体をソヤサポゲノールBへ変換するネオコスモスポラ属に属する微生物を、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を含む培地で培養し、次いでその培養物からソヤサポゲノールBを採取することを含んでなる、ソヤサポゲノールBの製造法。
  2. ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体をソヤサポゲノールBへ変換するユーペニシリウム属に属する微生物を、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を含む培地で培養し、次いでその培養物よりソヤサポゲノールBを採取することを含んでなる、ソヤサポゲノールBの製造法。
  3. ネオコスモスポラ属に属する微生物が、ネオコスモスポラ・バシンフェクタ・バラエティー・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta var. vasinfecta)である、請求項1に記載の製造法。
  4. ユーペニシリウム属に属する微生物が、ユーペニシリウム・ブレフェルディアヌム(Eupenicillium brefeldianum)である、請求項2に記載の製造法。
  5. ネオコスモスポラ・バシンフェクタ・バラエティー・バシンフェクタ・PF1225株(Neocosmospora vasinfecta var. vasinfecta PF1225)(FERM BP- 7475)である、請求項1に記載の製造法。
  6. ユーペニシリウム・ブレフェルディアヌム・PF1226株(Eupenicillium brefeldianum PF1226)(FERM BP- 7476)である、請求項2に記載の製造法。
  7. ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体をソヤサポゲノールBへ変換するネオコスモスポラ属に属する微生物を培養することによって得られた培養物と接触させ、次いでその培養物からソヤサポゲノールBを採取することを含んでなる、ソヤサポゲノールBの製造法。
  8. ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体を、ソヤサポゲノールBをアグリコンとする配糖体をソヤサポゲノールBへ変換するユーペニシリウム属に属する微生物を培養することによって得られた培養物と接触させ、次いでその培養物からソヤサポゲノールBを採取することを含んでなる、ソヤサポゲノールBの製造法。
  9. ネオコスモスポラ属に属する微生物が、ネオコスモスポラ・バシンフェクタ・バラエティー・バシンフェクタ(Neocosmospora vasinfecta var. vasinfecta)である、請求項7に記載の製造法。
  10. ユーペニシリウム属に属する微生物が、ユーペニシリウム・ブレフェルディアヌム(Eupenicillium brefeldianum)である、請求項8に記載の製造法。
  11. ネオコスモスポラ・バシンフェクタ・バラエティー・バシンフェクタ・PF1225株(Neocosmospora vasinfecta var. vasinfecta PF1225)(FERM BP- 7475)である、請求項7に記載の製造法。
  12. ユーペニシリウム・ブレフェルディアヌム・PF1226株(Eupenicillium brefeldianum PF1226)(FERM BP-7476)である、請求項8に記載の製造法。
  13. 独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにFERM BP-7475のもと寄託されたネオコスモスポラ・バシンフェクタ・バラエティー・バシンフェクタ・ PF1225 株( Neocosmospora vasinfecta var. vasinfecta PF1225
  14. 独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにFERM BP-7476のもと寄託されたユーペニシリウム・ブレフェルディアヌム・ PF1226 (Eupenicillium brefeldianum PF1226
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