JP4169438B2 - 飲料冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、飲料冷却装置に関し、更に詳細には、水槽内に配置した蒸発管の周囲に氷結させた氷塊の潜熱を用いて飲料を冷却する飲料冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水やジュース等の飲料を供給する飲料ディスペンサでは、図7に示すように、所要量の飲料を内部画成した貯溜部10aに貯溜する飲料タンク10が、断熱構造の水槽12の内側面に対して所定間隔離間して収納されると共に、該水槽12の内側面(内面)と飲料タンク10の外側面(外面)とで画成されている部分の貯溜空間12aに、図示しない冷凍装置から導出した蒸発管14が、飲料タンク10を取囲む巻回状態で配置されている。この蒸発管14が配置されている貯溜空間12aには、冷却水2としての水道水が、図示しない外部の水道系から延在する管体等を介して供給されて略満水状態で貯溜される。また前記飲料タンク10には、その底面部に注出パイプ16および注出コック18からなる飲料注出装置が接続されている。すなわち、注出パイプ16の一端が水槽12を貫通して飲料タンク10の貯溜部10aに連通接続されると共に、他端部が飲料ディスペンサを構成する筐体(図示せず)の外部に導出されており、その延在途中に飲料供給用の注出コック18が配設してある。
【0003】
前記水槽12の底部に、該水槽12内の冷却水2を循環させる循環経路30の吸込部30aが設けられており、該循環経路30の経路途中に設置されている循環ポンプ26を運転することで、吸込部30aを介して吸込んだ冷却水2を、水槽12の上部に設けた吐出部30bから水槽12内に吐出させるよう構成されている。このように冷却水2を循環経路30を介して循環させることで、前記蒸発管14に氷結した氷塊20による冷却水2の冷却を効率良く行なわせ、前記貯溜部10a内に貯溜されている飲料を速やかに冷却するようになっている。
【0004】
前記飲料ディスペンサによる冷却工程を詳しく述べれば、前記冷凍装置が冷却運転を開始すると、前記蒸発管14に冷媒が循環供給されることにより該蒸発管14が冷却されると共に、前記冷却水2の一部が蒸発管14の表面で氷結を開始する。蒸発管14自体は、前述したように、巻回状態で配設されているため、上下方向で所定間隔離間して相互に隣接する蒸発管14の表面で成長する氷は、経時的に成長することにより相互に連結し合って筒状となる。また前記循環経路30の循環ポンプ26が運転されて、水槽12内の冷却水2は循環される。前記蒸発管14の周囲に成長した氷塊20は、その潜熱によって水槽12内で流動状態にある冷却水2を冷却し、更にこの冷却された冷却水2が飲料タンク10を冷却することにより、前記貯溜部10a内に貯溜されている飲料が間接的に冷却される。
【0005】
なお、前記蒸発管14は、図8および図9に示す如く、前記飲料タンク10を取囲む平面視において矩形状に巻回されており、その4つの隅部の夫々に配設される平面視において略V字形状の蒸発管固定板60によって、該蒸発管14が貯溜空間12a内に収納されている。蒸発管14と蒸発管固定板60とは、該固定板60に形成した取付部材62にロックピン62aを介して係止されており、該取付部材62を水槽12の上端部にネジ64で固定することで、蒸発管14は貯溜空間12a内に位置決め固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記飲料ディスペンサは、前述したように蒸発管14の周囲に生成した氷塊20および冷却水2を介して飲料タンク10を冷却することにより、その内部に貯溜されている飲料を冷却するよう構成してある。従って、前記氷塊20による冷却効果により効率良く飲料タンク10を冷却するために、前述したように冷却水2を循環するようにしている。しかしながら、従来は図7に示すように、冷却水2の吐出部30bが1箇所しかないため、前記水槽12内に安定した水流を形成させることが困難であり、このため効率的な冷却も困難であった。また冷却水2が均一に流動しないため、均一な厚みの氷塊20を得ることが難しくなり、その結果として氷塊20の一部が飲料タンク10に接触するまで成長してしまい、飲料を凍結させる不都合を招くおそれがあった。この点については、前記水槽12を充分に大型化すれば回避可能であるが、この場合は製造コストが嵩むと共に装置が大型化する難点が指摘される。
【0007】
また前述したように、V字形状の蒸発管固定板60を介して蒸発管14を位置決め固定する構造では、図8に示す如く、該蒸発管固定板60の一部が蒸発管14の内側(飲料タンク10側)に大きく突出し、これが前記飲料タンク10を中心部とする水平円周方向の水の流れを妨害していた。従って、冷却水2の効率的な流動が妨げられ、前述した欠点が更に顕著に現われる欠点が指摘される。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、飲料タンクの周りに冷却水の流れを確実に発生させることで、飲料の効率的な冷却をなし得る飲料冷却装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本発明に係る飲料冷却装置は、
冷却水を貯溜する水槽と、冷却水に一部が浸漬した状態で水槽に収納され、飲料を貯溜する飲料タンクと、該飲料タンクの外面と水槽の内面との間に配置され、前記冷却水の一部を氷結させる蒸発管と、冷却水を循環させる循環ポンプとから構成した飲料冷却装置において、
前記飲料タンクと蒸発管との間に、該飲料タンクの外周に沿って上下方向に延在するよう配置され、前記循環ポンプの吐出側に接続される吐出部と、
前記吐出部に穿設されて上下方向に離間し、前記飲料タンクの周りに周方向の水流を生ずる向きに冷却水を吐出する複数の吐出孔とから構成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る飲料冷却装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、従来の技術で説明した部材と同一の部材に関しては、同一の符号を付すと共にその詳細な説明は省略する。
【0011】
実施例に係る飲料冷却装置としての飲料ディスペンサは、図1、図2および図3に示す如く、筐体22の内部に断熱構造の水槽12が配置されると共に、該水槽12内に飲料タンク10が収納されている。水槽12の内面と飲料タンク10の外面とで画成される貯溜空間12aに、筐体22内に配置した圧縮機24aおよび凝縮器24b等からなる冷凍装置24から導出する蒸発管14が、飲料タンク10との間に所要の隙間を存して取囲む巻回状態で配置され、該冷凍装置24の冷却運転により貯溜空間12aに貯溜されている冷却水2を蒸発管14の周囲に氷結させるよう構成される。なお、飲料タンク10の外底面と水槽12の内底面とは所要間隔離間し、飲料タンク10の底部側にも冷却水2が接触するようになっている。
【0012】
前記飲料ディスペンサには、前記水槽12の貯溜空間12aに貯溜された冷却水2を循環させるための循環ポンプ26を備えた循環経路30が設けられている。この循環経路30は、図2に示す如く、水槽12の底部中央に一端が連通接続されると共に他端が循環ポンプ26の吸込側に接続された第1連通管(連通管)70と、循環ポンプ26の吐出側に一端部が接続すると共に他端部が三又の分岐ジョイント28における第1接続口28aに接続された第2連通管72とを備える。また循環経路30は、分岐ジョイント28の第2接続口28bに接続されて水槽12内に導入された第1吐出管34および分岐ジョイント28の第3接続口28cに接続されて水槽12内に導入された第2吐出管38とから構成される。すなわち、循環ポンプ26を運転することで、水槽12に貯溜されている冷却水2が第1連通管70を介して循環ポンプ26に吸込まれると共に、第2連通管72、分岐ジョイント28および2本の吐出管34,38を介して水槽12内に吐出され、これにより水槽12内の冷却水2が循環されるようになっている。
【0013】
前記第1吐出管34の冷却水2に浸漬される浸漬部は、図1に示す如く、略U字形状となるよう形成され、その底部が前記水槽12の内底面と平行に近接するように、前記飲料タンク10と蒸発管14との間に配置されている。また第1吐出管34の浸漬部は、循環ポンプ26からの冷却水2が下方に向かう管内の流れ方向上流側に位置する第1前吐出部(吐出部)35と、上方に向かう下流側に位置する第1後吐出部(吐出部)36とが、飲料タンク10の外周に沿って上下方向に延在するよう配置される。前記第2吐出管38の冷却水2に浸漬される浸漬部も略U字形状となるよう形成され、その底部が水槽12の内底面と平行に近接するように、飲料タンク10と蒸発管14との間に配置される。また第2吐出管38の浸漬部は、循環ポンプ26からの冷却水2が下方に向かう管内の流れ方向上流側に位置する第2後吐出部(吐出部)39と、上方に向かう下流側に位置する第2前吐出部(吐出部)40とが、飲料タンク10の外周に沿って上下方向に延在するよう配置される。そして実施例では、4つの吐出部35,36,39,40が、図3に示すように、飲料タンク10の外側において周方向に略90度の間隔で配置されると共に、冷却水2における管内の流れ方向の上流側に位置する第1前吐出部35と第2後吐出部39、および下流側に位置する第1後吐出部36と第2前吐出部40が、飲料タンク10の中央を挟んで対角線上に位置するよう設定されている。
【0014】
前記4つの吐出部35,36,39,40には、上下方向に離間する複数の吐出孔35a,36a,39a,40aが夫々穿設されると共に、各吐出孔35a,36a,39a,40aの向きは、図4に示す如く、前記飲料タンク10の周りに同一方向(実施例では時計方向)の水流を生ずる向きに設定されている。すなわち、前記循環ポンプ26の運転により循環経路30内を流通した冷却水2は、前記第1吐出管34および第2吐出管38の2方向に分岐され、夫々の前吐出部35,40および後吐出部36,39の複数の吐出孔35a,36a,39a,40aから同一向きに吐出されて、前記貯溜空間12aで飲料タンク10の周りを回転するようになっている。なお、吐出孔35a,36a,39a,40aから吐出される冷却水2は、前記飲料タンク10の外周面に所定の角度で当たり、該冷却水2が分散して前記貯留空間12a内に満遍なく、かつ効率のよい水流を形成するよう構成されている。
【0015】
また、前記4つの吐出部35,36,39,40の夫々は、図3に示す如く、円筒状の飲料タンク10と四角形状の蒸発管14とが最も離間する蒸発管14の隅部14aと対応する位置に配置されると共に、各吐出孔35a,36a,39a,40aからは、飲料タンク10と蒸発管14とが最も近接する空間に向けて冷却水2が吐出されるよう設定される。そして、この構成によって、該空間に臨む蒸発管14に成長する氷塊20が、飲料タンク10に接触するまで成長するのを抑制するようになっている。
【0016】
前記蒸発管14の貯溜空間12a内での配設構造について、図4〜図6を参照して詳しく述べれば、該蒸発管14は、前記飲料タンク10の周りに所定間隔で離間して略四角形状の巻回状態で設置され、その各隅部14aには所定曲率のアールが施されている。
【0017】
前記巻回状態で設置される蒸発管14の水槽12への固定は、少なくとも蒸発管14の高さ寸法より長い高さを有して、略四角形状の水槽12内部における隅部を挟む2つの内面に当接する当接部52,52と、この当接部52,52の間を接続すると共に、該蒸発管14の隅部14aを嵌合的に取付ける取付部54とから構成される固定部材50により行なわれる。取付部54には、図6に示す如く、蒸発管14の巻数に応じた各隅部14aの位置に対応して嵌合孔54aが複数設けられており、各嵌合孔54aに対応して隅部14aを夫々嵌合することで、蒸発管14が固定部材50に取付けられるようになっている。そして、蒸発管14に取付部54を介して固定部材50を取付けた状態で、前記当接部52,52は蒸発管14の外側(飲料タンク10から離間する側)に臨むよう構成される。すなわち、前記蒸発管14の4つの隅部14aの夫々に固定部材50を取付けた状態で、該蒸発管14を水槽12内に収納することで、図4に示す如く、各固定部材50の当接部52,52が水槽12の内面に当接し、これによって蒸発管14が水槽12内に位置決め固定される。
【0018】
なお、蒸発管14の位置決め状態において、前記取付部54は、前記飲料タンク10の外周面に対する接線方向と平行に臨むよう設定され、該取付部54が水の流れを阻害しないよう構成される。
【0019】
前記飲料タンク10および水槽12の上端部は、図2に示す如く、カバー48により囲繞されている。このカバー48は、水槽12の内径と略同一の内径寸法に設定された中空の円筒部材(図示せず)を有すると共に、筐体22の上端部全てを閉成可能に構成されている。すなわちカバー48は、前記筐体22上に載置された際には、該筐体22の一部となり、前記飲料タンク10を密閉状態とすると共に、前記貯溜空間12aに貯溜される冷却水2が周囲に飛散するのを防止するべく機能する。
【0020】
前記飲料タンク10には、該タンク10内における飲料の水位(液位,貯溜量)を検知する複数(実施例では4基)の水位センサ44が、高さ方向(上下方向)に離間して配設される。この水位センサ44は、図3に示す如く、円筒状の飲料タンク10と四角形状の蒸発管14とが最も離間する蒸発管14の隅部14aと対応する位置に配置されている。また水位センサ44は、該センサ44の配設位置に近接する前記第2後吐出部39に穿設される吐出孔39aからの冷却水2の吐出方向とは逆側に位置しており、該吐出孔39aから吐出された冷却水2により生ずる水流を阻害しないよう構成してある。
【0021】
前記蒸発管14と飲料タンク10との間における該蒸発管14に当接しない設定氷厚位置に、蒸発管14に氷結する氷塊20の厚さを検知する氷厚センサ46が配設されている。この氷厚センサ46も、前記水位センサ44と同様に、蒸発管14の隅部14aと飲料タンク10との間に配置されると共に、氷厚センサ46の配設位置に近接する前記第1前吐出部35に穿設される吐出孔35aからの冷却水2の吐出方向とは逆側に位置しており、該吐出孔35aから吐出された冷却水2により生ずる水流を阻害しないよう構成してある。なお、氷厚センサ46による氷塊20の検知、非検知によって、前記冷凍装置24がON−OFF制御されて、氷塊20の厚みを略一定に保つよう構成される。
【0022】
【実施例の作用】
次に、前述した実施例に係る飲料ディスペンサの作用につき説明する。前記飲料ディスペンサでは、前記冷凍装置24が冷却運転を開始すると、前記蒸発管14に冷媒が循環供給される。この冷媒が循環供給されることにより、該蒸発管14が次第に冷却され、水槽12の貯溜空間12aに貯溜されている冷却水2の一部が蒸発管14の表面から氷結を開始する。また冷凍装置24の運転開始から所定のタイミングで前記循環ポンプ26が運転されると、前記循環経路30を介して冷却水2が循環される。すなわち、前記貯溜空間12aに貯溜されている冷却水2は、水槽12の底部中央に連通接続された第1連通管70を介して循環ポンプ26に吸込まれ、この冷却水2が該循環ポンプ26の吐出側に接続された第2連通管72、分岐ジョイント28、第1前吐出部35および第1後吐出部36を有する第1吐出管34と、第2後吐出部39および第2前吐出部40を有する第2吐出管36とを介して水槽12の貯溜空間12aに帰還される。
【0023】
前記4つの吐出部35,36,39,40は、図2に示す如く、前記飲料タンク10の外周に沿って上下方向に延在し、かつ複数の吐出孔35a,36a,39a,40aが上下方に離間して同一向きで穿設されているから、各吐出孔35a,36a,39a,40aから吐出される冷却水2によって、飲料タンク10の外側には上下方向の全体に亘って周方向の所定向きに水流が均一に生ずる。しかも、第1吐出管34における管内の流れ方向上流側に位置して吐出孔35aからの冷却水2の吐出に勢いがある第1前吐出部35と、第2吐出管38における管内の流れ方向上流側に位置して吐出孔39aからの冷却水2の吐出に勢いがある第2後吐出部39とを対角に位置させているから、冷却水2の安定した水流が形成される。
【0024】
このように、前記貯溜空間12aには、前記飲料タンク10の外側を一定方向に回る冷却水2の安定した水流が形成されるから、蒸発管14の表面には氷が略均一に成長し、前述したように相互に連結し合うことにより筒状の氷塊20となり、その潜熱によって水槽12に貯溜された冷却水2を経時的に冷却するに至る。しかも、冷却水2は飲料タンク10の周りを回転しながら循環されるので、蒸発管14に生成された氷塊20により効率良く冷却され、従って蒸発管14の内側に配置された飲料タンク10に貯溜されている飲料も効率的に冷却される。また、4つの吐出部35,36,39,40の各吐出孔35a,36a,39a,40aから吐出される冷却水2は、前記飲料タンク10の外周面に所定の角度で当たり、該冷却水2が分散するよう構成してあるから、吐出された勢いのある冷却水2が蒸発管14に氷結している氷塊20に直接当たることで抉れるのは防止され、均一な厚みの氷塊20が形成される。
【0025】
なお、前記4つの吐出部35,36,39,40の各吐出孔35a,36a,39a,40aからは、飲料タンク10と蒸発管14とが最も近接する空間に向けて冷却水2が吐出されるから、当該部位の蒸発管14に成長する氷塊20が飲料タンク10に接触するのを防止することができる。すなわち、氷塊20が飲料タンク10に接触することを、水槽12を大型化することなく防ぐことができ、内部の飲料が凍結するのを防止し得る。また、前記蒸発管14の周囲に均一な厚みの氷塊20を形成し得るのであるから、前記氷厚センサ46で制御される厚みを、飲料タンク10と蒸発管14とが最も近接する部位の離間距離に応じた値に設定しておけば、飲料タンク10に氷塊20が接触しない範囲で水槽12内に大最限に氷塊20を作ることができる。更に実施例では、吐出部35,36および吐出部39,40を夫々1つの経路(第1吐出管34,第2吐出管38)としたので、前記循環ポンプ26からの分岐を1箇所とすることができ、コストを低減することが可能となる。
【0026】
前記蒸発管14を貯溜空間12a内に取付けている固定部材50は、該蒸発管14の内側の貯溜空間12a(前記吐出孔35a,36a,39a,40)から吐出された冷却水2により水流が形成されている領域)には張出す等していないので、冷却水2の水流を全く阻害することがない。また前記蒸発管14の水槽12内への取付作業においても、巻回構造となっている該蒸発管14の各隅部14を対応する嵌合孔54aに差込んで嵌合させることで蒸発管14の各隅部14aに固定部材50を夫々取付けた状態で、水槽12内に上部から挿入するだけで、各固定部材50の当接部52,52が水槽12の内面に当接して位置決めされる(図4参照)。すなわち、蒸発管14の取付および固定作業が極めて簡便になる。
【0027】
なお、前記水位センサ44や氷厚センサ46の配設位置は、近接する吐出部35,39における吐出孔35a,39aからの冷却水2の吐出方向とは逆側に設定されているから、該吐出孔35a,39aから吐出された冷却水2の流れを阻害することがない。また水位センサ44は、蒸発管14と飲料タンク10とが最も離間する部位に設けられているから、前記氷塊20が水位センサ44の配設位置まで成長することはなく、該センサ44が凍り付くこともない。
【0028】
本実施例においては、4つの吐出部から冷却水を吐出するよう構成したが、循環ポンプの能力、吐出孔の数、孔径、孔ピッチ等によって、3つ以下または5つ以上とすることもできる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る飲料冷却装置では、冷却水を吐出する複数の吐出孔を穿設した吐出部を、飲料タンクの上下方向に延在するよう配設したから、水槽内の全体に冷却水の均一な水流を形成することができ、飲料タンクに貯溜されている飲料を均一、かつ効率よく冷却し得る。また吐出部を複数とすることで、冷却水の流れが良り確実かつ均一に形成され、蒸発管の周囲に均一な厚みの氷塊を形成することができる。更に、吐出部の吐出孔から吐出される冷却水を、飲料タンクの外周面に当てて分散させることで、勢いのある冷却水が蒸発管に氷結している氷塊に直接当たって抉れるのを防止することができる。
【0030】
また前記蒸発管を水槽に位置決めするための固定部材を、飲料タンクの外側に生ずる水の流れを妨げない形状に形成したので、更に効率のよい飲料の冷却が可能となる効果を奏する。なお、蒸発管の水槽に対する位置決めは、固定部材により簡単に行ない得る利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施例に係る飲料ディスペンサの全体構造を示す側断面図である。
【図2】 実施例に係る飲料ディスペンサを示す縦断背面図である。
【図3】 実施例に係る飲料ディスペンサを示す平断面図である。
【図4】 実施例に係る蒸発管の取付構造を示す概略平断面図である。
【図5】 実施例に係る蒸発管の取付構造を示す概略側断面図である。
【図6】 実施例に係る蒸発管の固定部材への取付構造を示す概略斜視図である。
【図7】 従来の技術に係る飲料ディスペンサを示す側断面図である。
【図8】 従来の技術に係る蒸発管の取付構造を示す概略平断面図である。
【図9】 従来の技術に係る蒸発管の取付構造を示す概略側断面図である。
【符号の説明】
2 冷却水,10 飲料タンク,12 水槽,14 蒸発管,26 循環ポンプ
35 第1前吐出部(吐出部),35a 吐出孔,36 第1後吐出部(吐出部)
36a 吐出孔,39 第2後吐出部(吐出部),39a 吐出孔
40 第2前吐出部(吐出部),40a 吐出孔,50 固定部材
Claims (6)
- 冷却水(2)を貯溜する水槽(12)と、冷却水(2)に一部が浸漬した状態で水槽(12)に収納され、飲料を貯溜する飲料タンク(10)と、該飲料タンク(10)の外面と水槽(12)の内面との間に配置され、前記冷却水(2)の一部を氷結させる蒸発管(14)と、冷却水(2)を循環させる循環ポンプ(26)とから構成した飲料冷却装置において、
前記飲料タンク(10)と蒸発管(14)との間に、該飲料タンク(10)の外周に沿って上下方向に延在するよう配置され、前記循環ポンプ(26)の吐出側に接続される吐出部(35,36,39,40)と、
前記吐出部(35,36,39,40)に穿設されて上下方向に離間し、前記飲料タンク(10)の周りに周方向の水流を生ずる向きに冷却水(2)を吐出する複数の吐出孔(35a,36a,39a,40a)とから構成した
ことを特徴とする飲料冷却装置。 - 前記飲料タンク(10)と蒸発管(14)との間に、複数の前記吐出部(35,36,39,40)が略90度の間隔で配置されると共に、各吐出部(35,36,39,40)に穿設されている吐出孔(35a,36a,39a,40a)は、同一方向に水流を生じさせる向きに設定されている請求項1記載の飲料冷却装置。
- 前記循環ポンプ(26)は、前記水槽(12)の底部中央に接続した連通管(70)を介して冷却水(2)を吸込むようにした請求項1または2記載の飲料冷却装置。
- 前記吐出部(35,36,39,40)の吐出孔(35a,36a,39a,40a)から吐出される冷却水(2)が、前記飲料タンク(10)の外周面に当たるように設定した請求項1〜3の何れかに記載の飲料冷却装置。
- 前記蒸発管(14)を水槽(12)内に位置決めする固定部材(50)は、前記飲料タンク(10)の外側に生ずる水の流れを妨げない形状に形成されている請求項1〜4の何れかに記載の飲料冷却装置。
- 前記固定部材(50)は、前記水槽(12)の内面に当接することで位置決めされる請求項5記載の飲料冷却装置。
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JP (1) | JP4169438B2 (ja) |
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KR100565957B1 (ko) * | 2004-01-29 | 2006-03-30 | 이재삼 | 정수기 |
-
1999
- 1999-08-11 JP JP22797999A patent/JP4169438B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2001050634A (ja) | 2001-02-23 |
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